社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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鶴見どろんこ保育園

2020年02月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 横浜サステナビリティ研究センター有限責任事業組合

② 施設・事業所情報
名称 鶴見どろんこ保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90(100) 名
所在地 230-0012
神奈川県横浜市鶴見区下末吉6-10-36
TEL 045-585-1860 ホームページ https://www.doronko.jp/facilities/doronko-tsurumi/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人どろんこ会
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:12 名
専門職員
施設長(保育士):1 名
保育士:17 名
調理員(栄養士含):2 名
施設・設備の概要
(居室数)11:(内訳)乳児室1、ほふく室1、保育室1、調理室1、調乳室1、便所2、事務室1、一時保育室1、子育て支援室2
(構造)鉄骨造一部鉄筋コンクリート造 地下1階、地上2階:敷地面積1259.14㎡、延床面積665.79㎡(園舎使用部分)、屋外遊技場560㎡
(設備の種類)冷暖房、厨房:

③ 理念・基本方針
<子育て理念>
「にんげん力。育てます」
子どもたちが「にんげん力」を身につけるために必要なあそび、野外体験を提供実践し、“自分で考え、行動する思考”を育みます。
<子育て目標>
① センス・オブ・ワンダー:子どもが“畑仕事・稲刈り・ヤギや鶏の世話などの労働”や、“自然の中での体験”を通して、ものの性質や身近な事象・生命の尊さ・食材や食の循環に気づくことができるように、10よりも100の経験を与え、子どもが“したいと思う活動”を安全に行えるように見守り支援してゆきます。
② 人対人コミュニケーション:園内では「すれ違ったすべての人」と挨拶を交わすことを園の約束としています。銭湯でお風呂の日、商店街ツアー、青空保育など地域交流を実践し、一人でも多くの人と挨拶を交わし、一つでも多くの仕事を目にする機会を用意し、“感じたこと・考えたこと”を言葉で、ジェスチャーで、表情で、描いて、作って、表現できる子どもを育成します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 直観(直接的経験)体験である遊び、生活そのものを通して、子ども自らが主体的に選択・判断・行動する高品質な保育を実践として、「原体験」の機会の確保をし、兄弟姉妹、健常・障害児が互いにぶつかり合い、頼りあい、生活、遊び、労働を教えあうインクルーシブ保育を実践することを基礎として、職員総意のもと、鶴見どろんこ保育園の保育目標としている。
施設では下記の「6つの力」を育てるための取組を実施している。
① ケガをしない強い身体を育てる
  裸足保育、草履保育、木登り、座禅、雑巾がけ、さくらさくらんぼリズム体操、長距離散歩
② 自分でできることを自分でする
  畑仕事、給食米の自給自足、縁側給食、自分たちで食事の盛付け
③ 全ての人との関わりから判断・行動を身につける
  異年齢保育・インクルーシブ保育、銭湯でお風呂の日、商店街ツアー、青空保育
④ 活動を選択し、自分で考えて行動する
  火・水・土と関わる、焚き火保育
⑤ 生死を知る、食の循環を知る
  ヤギ・鶏・生き物の世話、生死教育、食材と食の循環を知る、性教育
⑥ 感じたこと・考えたことを表現する
  言葉で表現する、描く・つくる、就学前教育(読み書き計算・体操・音楽)

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/10/01(契約日) ~2020/01/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2015年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.人材育成について
 職員一人ひとりが目標をもって仕事に臨む体制を強化し、保育者満足を追求していくため、法人にて1999年より「コンピテンシー」を導入している。「コンピテンシー」は、①プロになる②保護者の立場に立つ③計画・実行する④判断する⑤ビジネスマナー⑥危機管理とリーダーチェックの6項目からなり、職員は自己の①強み②課題③理想の自分へと自己成長を遂げるための具体的目標④前回立てた具体的目標の振り返りの視点から「コンピテンシー自己採点」を毎月実施し、課題の発見と自己成長に繋げている。
 目標管理シート、スキルアップシート、上司との面談、人事考課のパスによって、施設長と職員の技量と保育の質の向上が期待できる。
2.ICT(情報通信技術)の活用について
 「園だより」「食育だより」等の印刷物配布のほか、Webページや専用アプリ、SNS(Twitter、Facebook、Instagram)を活用して充実した情報提供を行っている。
 法人が職員へのスマートフォン支給、イントラネット、専用アプリ、保育予約システム等の整備などによるICT(情報通信技術)の活用を推進し、職員の書類記入の負担軽減、業務の効率化、情報共有の迅速化を図っている。
3.保育の実施について 
 配慮が必要な子どもも他の子どもと同じ空間で包括的な保育(インクルーシブ保育)を実践している。施設の玄関は車イスで移動できるように段差をなくし、建物から園庭へはスロープを付け、2階の移動はエレベーターを設置するなど、バリアフリー化に配慮している。また、専門機関や行政との会議や外部研修などで得た情報や助言を通し子どもや保護者の支援を行っている。
改善を求められる点 1.安全管理・危機管理について
 当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、「外部からの不審者侵入を防ぐ対策について」の満足度は31%と低かったため、子どもの安心と安全を確保するための対策が望まれる。また、AEDが必要な場合は近接する商業施設2か所で利用するが、常時、迅速に対応可能とするため園内での子ども用AED設置を検討するとよい。
2.保護者との関わりについて
 個人面談は年に数件しか行われていないため、機会の増加が望まれる。個人面談の案内を年度初めの保護者懇談会で口頭と書面で周知し、年1回は一定の面談期間を設けて保護者の希望日時をうかがい、個人面談を行うとよい。
 保護者との信頼関係構築のために、意見や要望を迅速に検討し、対応した結果や改善策を保護者に周知することが望まれる。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
1.できていること。特筆すると子どもたちの情報共有のための担任会議、質を上げる会議といった当たり前となっていた「できていた」ことの重要性を職員間で再確認することができた。また、独自で実施していた園庭(園内)改造委員会での活動が、内容評価での評価ポイントになっているのは、大きな励みである。自己評価で「できていた」と判断していた個人面談や入園前の情報周知が、利用者調査や評価員とのディスカッションを通じて不十分であったことを認識し、具体的対策を提案することができた。その1歩として、2020年2月に個人面談期間を設けて、実施する。
2.今回の第3者評価は、新園長の新体制での受審であった。そんな改変期で「できた」「できていない」という単純な評価ではなく、「こうしたら良くなる」というための評価であるという評価委員の言葉通り、できないこと、していないことに漠然とした課題をもって終わるのではなく、具体策を講じ、新体制の中、より質の高い保育園を作っていくことを目指す指標となった。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「入園のしおり(2019年)」「重要事項説明書(2019年4月版)」「保護者懇談会資料(2019年6月19日、11月21日)」、法人Webページ、玄関掲示、ヒアリング等
【確認した点】
・理念と基本方針を明文化し、Webページ、入園のしおり、玄関掲示において周知を図るほか、年2回の保護者懇談会においても説明した。
【評価した点】
・入園のしおりや玄関掲示のほか、WebやSNS(Twitter、Facebook、Instagram)などによる基本理念の周知も行っている。
【参考意見】
・当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、保育目標・保育方針の周知について「どちらともいえない・あまり知らない」の回答率が17%であった。周知を深めるために、保護者に理念と基本方針への共感が得られるようにアプローチするとよい。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「施設長会議議事案(2019年4月9.10.11日)」、「乳幼児保育料無償化に関する周知」等のイントラネット(2019年8月30日、10月31日)、12月度発行物(「どろんこだより」「ちきんえっぐだより」「食育だより」「保健だより」)、ヒアリング
【確認した点】
・毎月1回開催する施設長会議にて各施設が収集して地域情報を共有している。
【評価した点】
・イントラネットや会議議事案で乳幼児無償化や社会保険に関わる課題と実施事項を討議・伝達している。また当施設発行物によって地域との関わり行事、児童と地域高齢者との世代間交流、食育、保健等の身近な環境情報の提供があった。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「施設長会議議事案(2019年11月8日)」「職員会議(保育の質を上げる会議)議事録(2019年4月~11月)」、ヒアリング
【確認した点】
・定期的に経営会議(週1回)、理事会(月1回)を開催し、その中で経営課題と経営状況の確認と分析を実施している。
・施設長会議決議事項は、施設長より職員会議を通じて職員へ情報提供している。
【改善を要する点】
・施設長会議は法人と現場との重要なコミュニケーションの場と期待できる。定期的に法人トップクラスが出席し年次報告などの形で、国の政策動向、法人の課題・方向性等の情報を現場に説明するとよい。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「運営本部(運営部・発達支援事業部)2019年度Mission」、ヒアリング
【確認した点】
・法人本部が2020年3月までの本部担当者の任務を定めた「運営本部2019年度Mission」が中期計画に相当するものとヒアリングによって推察された。
【改善を要する点】
・施設の安定運営のために中・長期の事業計画および収支計画の策定が不可欠である。
・施設現場の計画実施項目と内部監査の審査項目を連動するとよい。また、「2019年度Mission」で施設現場に関する項目はより具体的な実施内容を含むものにすべきである。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「2019年度事業計画書」「2018年度事業報告書」、ヒアリング
【確認した点】
・事業計画は単年度の具体的な事業内容の詳細を示している。
・「運営本部2019年度Mission」の項目と「2019年度事業計画書」の各項目内容が整合している。
【評価した点】
・「2019年度事業計画書」が「2018度事業報告書」の振り返りと継続に基づいた項目で構成され、内容は具体的で実行可能である。
【参考意見】
・事業報告書には子育て支援事業(活動別)の来園者数のみ記載されているため、子育て支援事業(活動別)の来園者数の経年比較を行い課題の発見と対応を行うとよい。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

【確定手段】資料「年間策定会議議事録(2019年3月3日)」「保育品質マニュアル(2019年1月17日版)」、ヒアリング
【確認した点】
・保育品質マニュアルに従い年間計画策定会議で事業計画案(2019年3月3日)を作成し、法人へ再提出して計画を確定し、法人Webページに公開するという手順を踏んでいる。
【評価した点】
・事業計画を職員意向も踏んで作成し策定している。
・当該年度の3月に前年度を振り返った「事業報告書」を作成することで、「次年度事業計画」との連続性、関連性に留意している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「2019年度事業計画書」、当評価機関が実施した「利用者家族調査(2019年11月)」、法人Webページ
【確認した点】
・法人が運営する他施設の事業計画書とともに当施設の事業計画書を法人Webページで公開している。
【改善を要する点】
・当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、事業計画の非認知率(あまり知らない、全く知らない)は42%で、認知率の29%を上回った。事業計画の周知が十分ではない。
・当施設の運営について全般的に保護者の理解と協力が得られるように、保護者懇談会やその他の機会を活用して話題にするなど、年間事業の内容を積極的に説明する必要がある。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「施設長勉強会シラバス」「2018年度 自己評価結果」「前回(2015年度)の第三者評価結果」「保育品質マニュアル3-6保育の連続性」
【確認した点】
・横浜市「自己評価」を作成し、玄関に掲示している。
・「保育品質マニュアル」においてPDCAの重要性と実施ルートを明記し、職員が保有していつでも確認できるようにしている。
【評価した点】
・法人にて「保育の質会議」「施設長勉強会」をそれぞれ毎月火曜に実施し、エピソードからの事例検証等を行い保育の質を高める場としている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

【確認手段】資料「園庭改良計画ファイル(2019年6月~11月)」、ヒアリング
【確認した点】
・職員全員で園庭改造に関する意見を出し合って課題を抽出し、改善策をたて、全員で取り組んだ。改善事項の必要性をストーリーで示し、安全管理など子どもへの教育を考えながら実施した。
【できていない点】
・当施設では施設長の着任が2019年4月であったので、前回の第三者評価結果の分析にもとづく課題の抽出がなされていない。
【改善を要する点】
・今回の第三者評価結果の分析・課題の抽出によりPDCAに結びつけることが望まれる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:c】

【確認手段】資料「運営本部2019年度Mission」、ヒアリング
【できていない点】
・当施設では施設長の着任が2019年4月であったので、役割、責任に関する規定は未定である。
【改善を要する点】
・「運営本部2019年度Mission」からブレークダウンした施設長に関わる項目を、当施設での施設長の役割と責任を示すものとして明文化し、会議等において職員に表明するとよい。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「施設長勉強会資料(コンプライアンス研修2019年11月19日、ハラストメント研修2019年6月18日)」「パートスタッフの雇用保険・健康保険・厚生年金加入事項」、「乳幼児保育料無償化に関する周知」のイントラネット
【確認した点】
・施設長は法人で実施されたコンプライアンス研修、ハラスメント研修等を修了した他、衛生推進者養成講習を修了しており、食品衛生管理者・防火管理者の資格を得ている。
【改善を要する点】
・施設長が勉強会での法令及び法令遵守事項について、職員に発表事例や資料を回覧するなど職員のナレッジの向上を図るとよい。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育の質を上げる会議(議事録)」「職員会議(議事録)」「クラス会議(議事録)」、ヒアリング
【確認した点】
・施設で開催する職員会議やクラス会議にて、施設長が議題や研修内容の起案・会議進行などを行い指導力を発揮している。
【評価した点】
・法人にて毎月第3火曜日に開催する「保育の質を上げる会議」で取り上げられた課題を持ち帰り、施設にて職員会議・クラス会議にて検討、課題の抽出、自園見直し、保育の質を上げる会議へ提案・報告を行うというPDCAサイクルを回している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:c】

【確認手段】ヒアリング
【できていない点】
・施設長は2019年4月の着任で現在現場の運営に注力する段階にあり、経営の改善や業務の実効性を高める取組みに指導力を発揮するまでには至っていない。
【改善を要する点】
・「保育の質を上げる会議」の内容を職員会議やクラス会議で発表しているがその記録が十分でないので、職員がいつでも閲覧できるように議事録の整備が必要である。
・施設長勉強会や課題等の管理資料その他書類の用語や資料名の表示に多様なケースがあるので、一覧性を高めるために用語や資料名称の整理、統一、編集を行う必要がある。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「組織図」「保育士のシフト表」「シフト表による配置人数表」、保育予約システム
【確認した点】
・毎月組織図を法人内全体へ発信し、法人での最適な人員配置計画と採用の基礎資料となっている。
・日別のシフトは保育予約システムで管理し、クラスごとの配置は同時に各職員が確認できる仕組みである。法人の施設別配置人員計画は各施設からの職員体制情報をもとに配置確認表と照会を行いながら一括管理している。
【評価した点】
・当施設においては人材能力育成として「コンピテンシー自己採点」や保育スキル研修等を実施している。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「入園のしおり」「人事考課表」「昇格推薦状」「職員意向調査」「スキルアップシート」「コンピテンシー(2019年1月29日制定)」、法人Webページ
【確認した点】
・「期待する職員像」は「コンピテンシー」の6項目の実現を目指す職員である。
・半期に一度(5月、10月)、「スキルアップシート」を用いて人事考課を本人、施設長と主任が行い、「目標管理シート」を作成・併用している。
・職員意向調査は面談で職員意向を把握することに努めている。
【評価した点】
・施設長からの昇格推薦制度があり、また年に一度の意向調査によってキャリアアップに関する意向を把握している。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「有給休暇取得調査表(2019年12月11日)」「メンタルヘルス取組(ストレスチェック)」「ワークバランス取組規定」「就業規則7条特別休暇」
【確認した点】
・イントラネットの採用により、職員の保育に関する記入事務を大幅に減少し、身体への事務負担を減らしている。
・法人内に「ちょこっとライン」という職場の悩み事を相談できる相談窓口を設置してメンタルヘルスケアに取り組んでいる。
・就業規則7条においてアニバーサリー休暇と有給休暇の取得を規定し、ワーク・ライフ・バランスを志向している。
・有給休暇の時季変更権を発動していないが、有給休暇と振替休日取得の日程の抵触が多々発生している。
【改善を要する点】
・保育事業は労働集約的な産業であるので、労働基準法・労働安全衛生法・雇用関連の法令等、労働条件に関する規定の遵守が特に厳しく要求される。法人本部はこの面の継続的な研修計画を立てて考課内容とし、現場施設長クラスは研修に基づく実践的な知識・ノウハウを体得していくことが重要である。 

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「コンピテンシー(2019年1月29日制定)」、「コンピテンシー自己採点表(2019年11月分)」「2018年度事業報告書」、ヒアリング
【確認した点】
・職域別に設定された人事評価シートを作成し、半年毎に職員全員が自己評価、施設長が2次評価および面談を実施している。
【評価した点】
・職員は、自己の①強み②課題③理想の自分へと自己成長を遂げるための具体的目標④前回立てた具体的目標の振り返りの項目について「コンピテンシー自己採点」を毎月実施し、課題の発見と自己成長に繋げている。
【参考意見】
・さらなる職員のモチベーション向上とスキルアップを図るため、職員一人ひとりの目標設定について目標項目、目標水準、目標期限を明確にし、MBOによる目標達成度の確認を行うとよい。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「コンピテンシー」「2018年度事業報告書」「2019年研修参加一覧」「園会議議事録」「外部研修研修報告書(2019年10月23日、10月25日他)」、ヒアリング
【確認した点】
・コンピテンシーにおいて、職種別にハイ・パフォーマーの行動特性・プロセスを分析、理想的な行動を明文化し、「期待する職員像」や職責を等級ごとに定め、全職員に周知している。
・法人で様々なテーマで実施する「保育スキル講座」に出席可能な職員が出席し、必要なスキルを学ぶ仕組みがある。
【評価した点】
・年度末前に職員に対して研修希望アンケート、外部研修受講アンケートを実施して研修計画を立てている。
・全てのスキル講座の研修後、出席者がイントラネット上にレポートを提出することで、研修内容の見直しや今後の研修計画に活かしている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「2018年度事業報告書」「2019年研修参加一覧」「園会議議事録」「研修案内綴」「2018年度外部研修受講アンケート」、法人Webページ、ヒアリング
【確認した点】
・毎月開催の職員会議の時間帯に研修を実施するほか、リーダー養成研修、施設長勉強会、主任会議、保育の質を上げる会議等において、各職責ごとに必要とされるスキルを学べる場を設けている。。
・外部研修の案内をイントラネットで周知し、「保育所等における保育の質の確保・向上」の外部研修に施設長が出席し(2019年10月23日)、その後の職員会議で情報共有した(12月13日)。
【評価した点】
・デンマークインターンシップ研修として、社内公募で選出されたスタッフが法人による費用負担で参加できる制度を設けている。
・無資格の職員が保育士の資格を取得する場合は、法人が資格取得費用を負担し支援している。
【参考意見】
・職員のスキルアップを図るため、職員がシフトの関係で研修に参加できないケースが少なくなるよう配慮するとよい。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「2018年度事業報告書」「保育品質マニュアル 7-4地域拠点活動 実習生・研修生受入」「実習生綴」「実習・ボランティア等の受入手順書(2019年10月2日)」「実習・ボランティア受け入れの心得」、ヒアリング
【確認した点】
・2018年度は3名の実習生、4名の職場体験を受け入れた。
・具体的な手順を定めたマニュアルや手順書等を整備し、受け入れを実施している。
【評価した点】
・実習生等の受け入れ体制を組織的に整備し、施設と法人(運営部や人事採用部)とで受け入れの情報を共有し、実習生等の希望に応じた日時調整、受け入れまでをサポートしている。
・施設において、実習生が記入するレポートの添削、OJTシート・レジュメ作成などを支援している。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「入園のしおり」「重要事項説明書」「園だより」、Webページ、専用アプリ、ヒアリング
【確認した点】
・Webページや専用アプリなどで、基本方針、保育の内容などをタイムリーに情報発信している。
・法人に広報部を設置し、地域の方々や多方向に向けて取り組み内容を発信している。
【評価した点】
・「入園のしおり」などの印刷物のほか、Webにおいても「園だより」「食育だより」(毎月発行)、年間スケジュール、献立表など、充実した内容の情報提供を行っている。また、SNS(Twitter、Facebook、Instagram)による情報提供も行っている。
【参考意見】
・前回の第三者評価の受審結果を施設内で公表していないため、利用者との信頼関係構築のため、利用者の目につきやすいよう施設内で掲示等で公表するとよい。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料確認「職務権限表(イントラネット)」「内部監査実施記録(2018年9月26日実施)とフォローアップ(2018年11月8日)(イントラネット)」「ISO・内部監査綴」、ヒアリング
【確認した点】
・「職務権限表」において、各職責が執行できる職務内容を示している。
・施設では内部監査を年1回実施し、法人の内部監査室が各施設が適切に運営されているかを確認している。内部監査により指摘された課題については経過を電話で報告している。
・社外の社労士、公認会計士、弁護士等に必要な相談などを行い、法人全体が適正な運営となるよう努めている。
・ISO監査(ISO9001)を受審し(2018年2月27日)、審査証明書を施設玄関に掲示している。
【改善を要する点】
・法人職員は職務権限が明確になっているが施設においては明確化していないため、施設長の負担が過大にならないよう職員がバランスよく職務を分担する必要がある。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 1.子育て理念、保育目標」「2018年度事業報告書」、子育て支援情報誌、Webページ、ヒアリング
【確認した点】
・横浜市こども青少年局子育て支援課の委託で、未就学の子どもと保護者が一緒に遊んですごせる「子育て広場私立常設園」を運営している。
【評価した点】
・地域の人々と子どもとの交流機会として、自然食堂、ちきんえっぐイベント、子育て相談、青空保育、「銭湯でお風呂の日」、商店街ツアー、どろんこ祭り、毎月第1・3金曜日に敬老サークル来園など多様な交流を毎年継続している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 7.ボランティア」「実習・ボランティア等の受入手順書」「実習・ボランティア受け入れの心得」「2018年度事業報告書」、ヒアリング
【確認した点】
・実習生3名・中高学生職場体験3名受入れ、小学校との子ども間交流(1年生なかよし会41名)、職員間交流(申し送り連絡会等計11名)の受入れや交流実績があった。 
【評価した点】
・保育品質マニュアル、ボランティア受入手順、受け入れの心得などを制定しているほか、学校教育や地域交流にきめ細かく貢献している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「虐待対応マニュアル」「虐待早期対応フローチャート」「鶴見区要保護児童等対策地域協議会並びに子ども・家庭支援相談事業関係機関・DV防止連絡会」
【確認した点】
・関係機関のリストを整備し、連携体制を整備している。
・虐待が疑われる子どもへの対応について、虐待対応マニュアルをキックオフミーティングで全員が読み合わせ、職員更衣室内に早期対応時の掲示を行っている。
【評価した点】
・自治体主催の「鶴見区要保護児童等対策地域協議会並びに子ども・家庭支援相談事業関係機関・DV防止連絡会」(2019年6月21日、11月29日)に施設長が参加し、虐待対応のための情報共有、連携を行った。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「園使用届(2019年11月19日)」「自治会への園舎貸出記録」「どろんこ祭り」、玄関の「勝手籠」
【確認した点】
・どろんこ祭り(2019年7月20日)には、当施設の保護者・子どもを含む近隣150名が参加した。
・鶴見区依頼の福祉保健活動として、第1・3金曜日13時より高齢者の交流に施設を提供している。
・サイズアウトした服などを自由に交換できる無人無料の「勝手籠」を月曜日から土曜日に設置し、近隣住民の方が利用している。 
【評価した点】
・保護者、子ども、近隣住民、高齢者等への多面的な貢献事業を実施している。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「行事記録(避難訓練後炊き出し2019年11月15日)」「保育品質マニュアル 7.地域との連携」
【確認した点】
・職員は保育品質マニュアルで、いつでも地域との連携について確認することができる。
・毎月第1・3金曜日に横浜市鶴見福祉保健センターの高齢・障害支援課の活動拠点として、園内室を提供している。
【評価した点】
・園児以外の近隣の子どもに毎日施設を開放している。
・近隣友好活動の一環で、当施設の避難訓練後の炊き出しに近隣住民が参加した。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「子どもの人権チェック表(2019年4月12日)」「キックオフミーティング(2019年3月22日)」「園会議議事録(2019年4月12日、11月8日)」「保護者懇談会資料(2019年11月21日)」、ヒアリング
【確認した点】
・キックオフミーティングや年2回の職員会議において、全職員が「子どもの人権チェック表」のチェック項目90項目に確認済のチェックを記入する方法で職員の理解を深めるよう努めている。
・年2回の保護者懇談会にて子どもの人権や施設の取り組みについて保護者に周知している。
・身体的拘束、虐待防止、異文化理解等に関する取組として、インクルーシブ保育を法人の基本理念として実施している。
【評価した点】
・保育士不足の課題をシフト調整して時間効率を上げ、職員同士が子どもを尊重した保育について話し合う場を設けている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 5.情報の取扱・児童と保護者の人権」「入園のしおり」「重要事項説明書」、ヒアリング、現場視察等
【確認した点】
・子どものプライバシーに配慮した保育を行うために各種マニュアルを整備し、入園のしおり、重要事項説明書にも記載して子どもや保護者への周知を行っている。
【評価した点】
・乳児のおむつ交換やトイレトレーニング等の際に周囲の視線を遮る仕切りを整備し、子どものプライバシーを守れるよう工夫している。保育室には移動可能なパーティションや衝立などを整備している。
・マニュアルの主要箇所を月1回の職員会議にて読みあわせを行い、職員の理解を深めるよう努めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「重要事項説明書」「入園のしおり」「園だより」、Webページ、専用アプリ、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・入園前の見学希望者には「入園のしおり」を配布し、園内を案内しながら、特色等を保護者へ説明している。
・入園の契約時には「重要事項説明書」のチェック項目を利用者と読み合わせながら丁寧に実施している。
【評価した点】
・「入園のしおり」などの印刷物のほか、Webページにおいても「園だより」「食育だより」(毎月発行)、年間スケジュール、献立表など、充実した内容の情報提供を行っている。また、専用アプリやSNS(Twitter、Facebook、Instagram)による情報提供も行っている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 18.入会手続き」「重要事項説明書」「月極特別園長保育申込届出書」、当評価機関が実施した「利用者家族調査(2019年11月)」、ヒアリング
【確認した点】
・保育の開始・変更時の同意を得るにあたり「重要事項説明書」を使用して、保護者に説明している。
・保護者は変更時に延長保育の希望届出書を提出し、注意事項を読み合わせ同意を得ている。
【改善を要する点】
・当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、「お子さんが入園するときの状況について」の満足度は平均して78%であった中で、「費用や決まりに関する説明について」の満足度は56%と低かった。保育無償化が始まり、保護者の理解を十分に得られるよう、説明内容や説明方法をさらに工夫するとよい。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「園日誌(2019年11月分)」(イントラネット)、ヒアリング
【確認した点】
・保育所等の変更にあたり、施設においては「園日誌」への必要情報の記載・保管を行い、法人においてサービスデスクへの質問をデータ保管してはいるが、問い合わせ件数が多くないため保育所の変更後のサポートまでは行えていない。
【改善を要する点】
・保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応が望まれる。例えば、保護者に対して転居・転園先の情報を記載した文書を手渡し、転園先との情報共有などを行うとよい。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「利用者アンケート2019」「保護者懇談会資料」「保護者面談記録」「園庭改良計画ファイル」、ヒアリング
【確認した点】
・毎年、施設において利用者アンケートを実施し(2019年8月26日~9月6日)、その結果を綴ったファイルを施設内に設置して公開した(10月14日~10月25日)。
・保護者懇談会後の個別の意見徴収を実施している。
・園庭改良計画について施設内で利用者アンケートに寄せられた意見について話し合い、改善に向けた取組を行っている。
【改善を要する点】
・利用者アンケートの結果については集計結果を公表するのみでなく、結果を分析して課題を改善する仕組みを構築するとよい。課題の具体的な改善策およびその対応状況を利用者に周知し、さらなる利用者満足度向上に努めるとよい。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル 5.苦情処理マニュアル 苦情処理フロー」「保育品質マニュアル 10.苦情対応」「重要事項説明書」「入園のしおり」ほか
【確認した点】
・苦情処理フローをマニュアルに規程し、職員はいつでも確認できる。
・苦情処理解決に向けての窓口を保護者に周知し「重要事項説明書」「入園のしおり」にて記載し、全世帯に説明確認している。
・苦情に対して、施設、第3者委員のほか、法人も対応することで、より客観的な対応に努めている。
【改善を要する点】
・当評価機関が実施した「利用者家族調査(2019年11月)」において、「外部の苦情相談窓口」の認知度は50%と低かった。入園時に説明するのみならず、配布物・保護者懇談会説明など周知方法を工夫するとよい。
・保護者との信頼関係構築のために苦情の対応結果を掲示・公表するとよい。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル5.苦情処理マニュアル」「重要事項説明書」「入園のしおり」、専用アプリ、「ご意見箱ご提案BOX」の設置、ヒアリング
【確認した点】
・保護者からの意見や要望の受付方法は、施設の玄関に設置した「ご意見箱」、法人が設置した「ご意見ご提案デスク」へのメールや電話、利用者アンケート、第三者委員への連絡、専用アプリ、書面、面談、送迎時の職員への口頭伝達などがある。
・苦情処理解決体制については、入園前の契約時に「重要事項説明書」や「入園のしおり」を用いて全世帯に説明している。
【改善を要する点】
・ご意見箱への投稿が現状ではゼロ件であるため、ご意見箱に記入用紙の配置や張り紙を掲示するなど、保護者が意見を投函しやすいよう工夫するとよい。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル5.苦情処理マニュアル」「保育品質マニュアル 10.苦情対応」「重要事項説明書」「入園のしおり」「苦情受付簿(ご意見ご提案シート)回覧押印シート」、ヒアリング
【確認した点】
・苦情処理解決については、苦情処理のマニュアルに従って対応し、苦情受付簿(ご意見ご提案シート)を回覧して職員が情報共有している。
【改善を要する点】
・保護者との信頼関係構築のために、意見や要望を迅速に検討し、対応した結果や改善策を保護者に周知することが望まれる。
・当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、「送り迎えの際、お子さんの様子に関する情報交換について」の不満度(不満または大いに不満)は16%、「保護者懇談会や個別面談などによる話し合いの機会について」の不満度は15%であった。保護者との信頼関係構築のために保護者とのコミュニケーションのさらなる改善が望まれる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル 1.衛生管理、2.感染症、3.危機管理」、「保育品質マニュアル 13.危機管理(予防)、14.危機管理(発生時対応)、15.衛生管理、16.感染症」、「事故防止委員会議事録」「事故記録簿」「緊急連絡先」「ヒアリハット報告書・インシデント報告書」、ヒアリング
【確認した点】
・マニュアルを整備するほか、法人独自の連絡確認ツールとして緊急連絡先を定め、対応を相談することができる。
・毎月1回と臨時で事故防止委員会を施設内や法人で実施し、事故事例を共有・確認している。
・「事故記録簿」を作成し職員全員で回覧するほか、ヒアリハット報告書・インシデント報告書を作成している。
・門扉の施錠、インターホン、カメラにより不審者侵入を防ぎ、年2回の不審者侵入訓練を実施している(2018年6月25日、12月25日)。
【改善を要する点】
・当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、「外部からの不審者侵入を防ぐ対策について」の満足度は31%と低く、防犯対策・安全対策を望む意見が寄せられた。子どもの安心と安全を確保するために対策が望まれる。
・現在、AEDが必要な場合は近接する商業施設2か所で利用するが、常時、迅速に対応可能とするため園内での子ども用AED設置を検討するとよい。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料確認「保育運営マニュアル2.感染症マニュアル、6.保健計画」「保育品質マニュアル 16.感染症」「発生時対応フローチャート」の掲示物、「個人衛生点検簿」、ヒアリング
【確認した点】
・各種マニュアルを整備する他、「発生時対応フローチャート」を更衣室に掲示しいつでも確認できる。
・「保健だより」を毎月発行し感染症流行の注意喚起や対策等を記載して、配布、掲示、Web等により周知に配慮している。
・職員は、検便・細菌検査を毎月実施し、調理・調乳に関与する職員は体調や身だしなみ等の個人衛生点検を毎日実施している。
・年度初めの全体会議の中で嘔吐下痢の対応研修を実施している。嘔吐吐瀉物処理セットを常備している。
・調理室に包丁とまな板の殺菌機を設置し、調理後の1日2回、殺菌消毒を実施している。
【改善を要する点】
・手洗いのポスターをすべての洗面所に掲示するとよい。
・当評価機関が実施した利用者家族調査(2019年11月)において、裸足でのどろんこ遊びを評価する一方、遊んだ後の手足の洗浄徹底を希望する声が寄せられたことに留意するとよい。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「2018年度 事業報告書<5>各種点検」「2019年度 事業計画書<14>各種点検」「保育運営マニュアル 3.危機管理マニュアル」「保育品質マニュアル 13.14危機管理」
【確認した点】
・マニュアル整備、施設内の避難ルート掲示、備蓄リスト作成などの対策を講じている。
・避難消火訓練を年12回、専用アプリを使用して安否情報書込訓練を年2回、お迎え訓練を年1回実施している。。
・防災訓練の一環として「炊き出し訓練」を実施し、園外からも2組の参加があった(2019年11月15日)。
【改善を要する点】
・組織的に訓練を実施しているが様々な想定外のリスクが起こりうる。例えば電車やライフラインが止まったときなどに、迅速な対応が求められる。
・事務室内の棚の転倒防止措置、0歳児室の棚の落下防止措置、衝突防止措置などを再点検し、対策するとよい。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 3.保育計画・記録・自己評価・業務改善」「保育運営マニュアル」「年間策定会議議事録(2019年3月3日)」、ヒアリング、現場確認
【確認した点】
・各種マニュアルで保育についての標準的な実施方法を規程し、それをもとに実施している。
・法人から貸与された「保育品質マニュアル」にて職員はいつでも確認することができる。
【評価した点】
・年間計画策定会議において、必要事項を職員が提案し、次年度に必要な事項を全職員で決定している。
・職員は園内イントラネットにて、保育計画(年、月、週)毎に振り返り(省察)をコメントし、家庭との連携、異年齢保育、長時間にわたる保育、地域との連携などを記録に残し、情報共有している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 3.保育計画・記録・自己評価・業務改善」「保育運営マニュアル」、ヒアリング、現場確認
【確認した点】
・各種マニュアルにて、保育についての標準的な実施方法を規程し、それをもとに実施している。
・職員は、保育品質マニュアルをハンドブックとしていつでも本内容に関して確認することができる。
【改善を要する点】
・保育の質の向上のために、職員や、より保護者の意見を取り入れ、継続的に標準的な実施方法を検証・見直し、標準的な実施方法に反映していくとよい。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「年間指導計画(2019年)」「月間指導計画(2019年10月)」「週間指導計画(2019年11月第3週)」「保育品質マニュアル 3.保育計画・記録・自己評価・業務改善」「保育運営マニュアル」、ヒアリング
【確認した点】
・各種マニュアルにて、保育計画策定、振り返りや評価を行う仕組みについて規程し、それをもとに実施している。
【改善を要する点】
・保育の質の向上のために、職員や保護者等の意見を取り入れ、継続的かつ組織的に指導計画を見直し、課題を明確にして必要な改善を行い次の指導計画に反映していくとよい。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「年間指導計画(2019年)」「月間指導計画(2019年10月)」「週間指導計画(2019年11月第3週)」「保育品質マニュアル 3.保育計画・記録・自己評価・業務改善」、ヒアリング
【確認した点】
・指導計画は、日々の会議、会議録で記録している。
・保育の質の向上のために、「保育の質をあげる会議」を法人で実施しており、施設から1名参加し職員会議で共有する、という仕組みがある。
【改善を要する点】
・指導計画について実施状況の評価と見直しを行ってはいるが、指導計画を緊急に変更する場合の仕組みが整備されていないため対応方法を検討するとよい。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育記録」「回覧簿」「園日誌(イントラネット)」、ヒアリング
【確認した点】
・日々の保育記録は園日誌、連絡帳を活用して実施している。
・施設内で回覧が必要な帳票類については、押印簿を作成し、都度職員への回覧を実施しており、重要な点については、口頭にて説明を実施している。
・毎月の職員会議の議題について事前に「園会議計画書」、会議後「会議議事録」を作成し、全職員で回覧して情報共有を図っている。
【評価した点】
・法人のIT部門がICT(情報通信技術)の活用を推進し、職員へのスマートフォンの支給、イントラネット、ネットワーク整備、専用アプリの整備などにより、職員の書類記入の負担を軽減し、情報共有の迅速化を図っている。
・法人にて「保育予約システム」を導入し、保育士配置の状況を管理して業務効率化を図っている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「個人情報保護規程」「情報開示規程」、ヒアリング、現場確認等
【確認した点】
・個人情報の取り扱いについては、各職員へ入社時に書面にて案内と署名にてルールを開示、確認したことの証跡を残している
・園児の個人情報を記録する際、必要に応じて園児名を伏せイニシャル表記して配慮している。
・個人情報が含まれる書類は事務室の書庫に施錠保管し、持出禁止を職員間で徹底している。
【評価した点】
・事務室のパソコンへのセキュリティー保護設定、個人情報が記載されたファイルのパスワード設定など、情報漏洩対策に配慮している。
・毎年4月に保護者に対し「お子様の個人情報のお取り扱いについて」のアンケートを実施し、個人情報の利用許可や名札着用の許可について確認するほか、園が撮影した写真などを公開する際には手紙か電話で保護者の了解を得ている。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「保育の質を上げる会議(議事録)」「年間策定会議(2019年3月3日)」「キックオフミーティング(2019年3月22日)」「保育品質マニュアル 3-6個別記録(2019年1月17日版)」「保育運営マニュアル(2019年2月27日版)」、ヒアリング
【確認した点】
・法人にて毎3週火曜日に開催する「保育の質を上げる会議」での保育の見直しを通じて、保育課程に繋がる保育内容を定期的に評価、見直しを行っている。
・年間策定会議、キックオフミーティングにて、保育課程に繋がる次年度に向けた会議を実施している。
・年間策定会議にて法人全体で共通の理念・目標(運営ミッション)を掲げ、共通理解の下、次年度の保育課程作成に着手している。 
【改善を要する点】
・保育課程の評価プロセスは通常の振り返りに留まり、PDCAプロセスを確立していないため、保育の質の向上のため定期的に現状を見直し、改善策を実施していくことが必要である。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル」「保育運営マニュアル」「職員会議議事録(2019年4月12日、11月8日)」「キックオフミーティング(2019年3月22日)」「子どもの人権チェック表(2019年4月12日分)」、ヒアリング
【確認した点】
・各種マニュアルに基づき、子どもが心地よく過ごせる環境を整備している。
・設備点検チェックリストを活用し、定期的に設備の点検を実施している(2019年5月25日、7月25日、9月25日実施済)。
・キックオフミーティング、年2回の職員会議において、全職員が「子どもの人権チェック表」のチェック項目90項目を確認し理解を深めるよう努めている。
・各部屋に加湿空気清浄機を設置し、温湿度管理をこまめに実施している。
【評価した点】
・床、トイレ、沐浴室、厨房等の清掃やおもちゃの消毒を実施し、チェック表に記録して徹底している。
【参考意見】
・トイレ清掃のチェックリストに押印がない日があるため、トイレ清掃の徹底が望まれる。
・加湿空気清浄機はカビが発生しやすいのでこまめな清掃の徹底が望まれる。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「クラス会議(議事録)」「指導計画の見直しの記録」「保育記録」「保育品質マニュアル 4.保育の項目」、ヒアリング、現場視察など
【確認した点】
・子どもの様子、言葉、友だちとの関わり方などを見守り、一人ひとりの子どもの個人差を把握して対応するよう努めている。
・新入園の子どもには、安心できるよう、心のよりどころとなるタオルを預かるなど配慮している。
・朝礼、毎週月曜の昼礼にて子どもの姿を共有し、クラス会議では、職員間で子どもの姿、保育をアセスメントした上で当月の指導計画の見直し、次月の指導計画の作成検討を行っている。
・毎月の職員会議の際に「コンピテンシー」を確認し、日々の保育を項目ごとに見返すことができるようにしている。
【評価した点】
・子どもが集団活動に参加したがらない場合は、本人の意思を尊重し、そばで見る事によって参加する消極的参加で様子を見ながら、自分から参加に踏み出せるように見守りながら支援している。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「年間指導計画(3歳児2019年度)」「クラス会議(議事録)」「ケース会議(議事録)」「重要事項説明書」「保育品質マニュアル 4.保育の項目」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・子ども一人ひとりの発達状態に応じて食事、排泄、着脱、歯磨きなど基本的な生活習慣に関心を持ち、身につくよう、各年齢の年間指導計画に基づき取り組みを行っている。
・トイレトレーニングは子どもの様子を見て保護者と連携をとりながら進めることとし、降園時にはその日の様子を口頭で伝えるとともに、専用アプリを連絡帳として保護者との情報交換の補完的な活用としている。
【評価した点】
・個人のマークをロッカーに貼り、文字が読めなくても自分の荷物の置き場が分かるようにして、徐々に自分で片付けができるように促し、できることは自分行うよう働きかけている。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「年間策定会議議事録(2019年3月3日)」「キックオフミーティング(2019年3月22日)」「保育の質を上げる会議(議事録)」「散歩マップ」「ハザードマップ」「園庭改良計画」、ヒヤリング、現場視察
【確認した点】
・園庭では、友達と長さの違う木材で泥場に橋を作ったり、木にロープでぶら下げたタイヤのブランコで順番で遊ぶなど、自然に触れながら友達と共同の活動やルールが身に着けていくよう援助している。
・園庭改造委員会を発足し、施設全体の環境の見直しや整備を行っている。(取り組み事例「ビオトープ作成(6月)」「芝生育成(8月)」「砂場作成(9月)」「園庭改造(10月)」「ヤギ小屋整備改造(11月)」)
・年間策定会議、キックオフミーティングにて、子どもの主体性と環境に繋がる次年度に向けた会議を実施している。 
【評価した点】
・様々な発達段階の子どもが主体的に活動し、周囲に興味や関心がもてるよう「ゾーン保育」を実施し、子どもの意見や思いを尊重した保育に取り組んでいる。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「職員会議(議事録)」「クラス会議(議事録)」「保育の質を上げる会議(議事録)」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・授乳時は、落ち着いた雰囲気の中、職員と子どもが1対1で安心して子どもと目線をあわせ語りかけ、子どもとの愛着関係が持てるように配慮している。また、着替えの際も「さっぱりしようね。」と言葉をかけるなど、特定の職員が応答的に関わるよう心がけている。
・保護者には降園時に、保育中の排泄や睡眠など子どもの様子を詳しく伝えるように心がけ、離乳食の進め方は話し合いながら進めるなど、連携を密に取り、信頼関係を気付くよう心がけている。
・毎月の職員会議、クラス会議、保育の質会議などを通して一人ひとりの発達を共有、アセスメントしている。
【評価した点】
・手作りの階段を設置し、室内で階段の上り下りを子どもが意欲的に行えるようにするなど、室内環境の整備に取り組んでいる。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「職員会議(議事録)」「クラス会議(議事録)」「保育の質を上げる会議(議事録)」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・1・2歳児は、園庭や公園で職員が見守る中、土遊びや昆虫探し、ドングリ拾いなど探索活動が行える環境を整備している。植物や昆虫は持ち帰り、絵本や図鑑で調べたり子どもの手作り葉っぱ図鑑を制作するなど遊びの広がりにつなげている。
・毎月の職員会議、クラス会議、保育の質会議などを通して一人ひとりの発達を共有、アセスメントしている。
【評価した点】
・子ども同士のトラブルに対しては、一方的な仲裁をしないように双方の言い分を聞き、補足してお互いに伝え、どうすればいいか自分たちで考えられるように援助し、子どもの気持ちを尊重した対応に努めている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「職員会議(議事録)」「クラス会議(議事録)」「保育の質を上げる会議(議事録)」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・3・4歳児は同じクラスで活動をしており、日常的に異年齢の交流が行われている。遊びの内容によっては室内をパーテーションで区切り、ダンスなど体を動かす遊びと絵本を読んだり折り紙で遊ぶ子がそれぞれ集中できるよう配置などの工夫をしている。
・5歳児は当番制で給食の配膳や、行事に向けて友だちと協力しあいながら活動や制作に取り組めるような環境を整えている。保護者には運動会などの行事を通して子どもの育ちを伝えている。
・毎月の職員会議、クラス会議、保育の質会議などを通して一人ひとりの発達を共有、アセスメントしている。
【評価した点】
・子ども同士の関わりの中でトラブルや意見が食い違った場合は、ピーステーブルを使って机を挟んでお互いに納得できるまで話し合えるように見守りながら支援している。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「入園のしおり」「重要事項説明書」「保育品質マニュアル 36.インクルーシブ保育」「要支援児早期発見対応マニュアル」「個別支援計画」、法人Webページ、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・法人全体の方針として「インクルーシブ保育」を実践しており、入園のしおり、重要事項説明書、Webページでその実践を周知している。
・配慮の必要な子どもは個別支援計画を作成し、職員会議において共有して同じ空間で包括的な保育を行っている。子どもの状態により、クールダウンできるような場所へ誘導して職員が隣に付添うなど個別の対応をし、園全体で支援している。
【評価した点】
・施設の玄関は車イスで移動できるように段差をなくし、建物から園庭へはスロープを付け、2階の移動はエレベーターを設置するなどバリアフリー化に配慮している。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「入園のしおり」「伝達簿」「こんだて 2019年12月<夕食>」、ヒアリング
【確認した点】
・朝は7時から8時までは5歳児のクラスに全員集まり、夕方は16時半頃に0・1・2歳児が1・2歳児のクラスで合同で過ごしている。
・年齢に合わせてそれぞれが落ち着いて過ごせるようなコーナーづくりをしており、保育時間の長い子どもも自分の居場所を見つけて静かに過ごすことができるよう配慮している。
・子どもの状況については、職員が伝達簿を使って引継ぎを行っており、お迎え時には保護者に子どもの様子を口頭で伝えている。
【評価した点】
・当日の延長保育の依頼は随時受け付けており、夕飯の提供も当日16時まで対応し、保護者の就労などに配慮している。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「5歳児/小学校1年生との年間連携計画書」「就学相談面談記録」「2018年度事業報告書」「保育品質マニュアル 19.卒園、進級、中途退園」、ヒアリング
【確認した点】
・保護者会に基づき就学相談面談(2019年12月1日~随時)を実施し、保護者との連携を行った。
・保護者と面談した保育所児童保育要録を修学予定の小学校へ送付した。また同小学校との交流会に年間6回、延べ52名(職員間交流11名、子ども間交流41名)が参加した。
【評価した点】
・年間連携計画書→保護者懇談会→就学相談面談→保育所児童保育用保育小学校との交流参加会と、計画を順を追って適切に実施している。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル 6.保健計画」「保育品質マニュアル 12.園児健康管理、13.14.危機管理」「発生時対応フローチャート」、ヒアリング
【確認した点】
・健康管理、感染症拡大防止のための清掃や消毒方法などに関して各種マニュアルを整備し、実施している。
・既往症、予防注射については、保護者に「入園時の調査票」を提出してもらい、入園後は速やかに保護者から情報を得られるように、登降園の対応時に言葉かけし情報収集している。
・流行性の病気が発生した場合は「発生時対応フローチャート」を活用し、速やかに報告相談掲示し、保護者に注意喚起の上、情報開示している。報告が必要な感染症は、自治体(鶴見区役所)に報告している。
・毎月、事故防止委員会の中で、SIDSをはじめとした重大事故の事例検証を実施している。
【評価した点】
・乳幼児突然死症候群(SIDS)防止対策として、睡眠開始以降5分ごとに職員が子どもの睡眠時の姿勢や睡眠中のプレスチェックを行い、専用アプリにてオンタイムで保護者に配信し、見える化している。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル 6.保健計画」「保育品質マニュアル 12.園児健康管理」「乳幼児健康診断票」、ヒアリング
【確認した点】
・各種マニュアルに基づいて計画的に健康診断や歯科検診を実施している。
・年間2回、健康診断(5月24日、11月22日)および歯科検診(6月11日、11月12日)を実施し、医師の診断結果を「乳幼児健康診断票」に記録し、保護者の確認印を受領する方法で周知を徹底している。
【評価した点】
・園看護師が、年間行事計画通りに、歯磨き指導を専用教材(大型の歯の模型と歯ブラシ)を使用して全クラスに行っている。
・食後の歯磨きを給食後毎日行い、職員が歯ブラシを洗浄・乾燥している。歯ブラシは保護者に毎月交換を提示し月末に返却して、衛生に配慮している。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「除去食申請書(保護者記入書類)」「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(医師記入書類)」「保育運営マニュアル 7.食育計画」「給食提供マニュアル」「保育品質マニュアルP.115」「キックオフミーティング(2019年3月22日)」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・アレルギー食に関しては、入園前の面談で栄養士が保護者から聞き取りを行い、アレルギー疾患生活管理指導表をもとに、マニュアルに準拠して完全除去食にて対応している。
・次月の献立の中で除去するアレルギー食材を献立表にマーカーで印をつけ、毎月25日までに保護者から確認印を受領している。
【評価した点】
・給食提供の際は、給食室から配膳まで職員間で確認表に印鑑を押して3段階チェックを行い、一人ひとりのトレーに写真とアレルギーの食材を貼り、専用食器を使用して配膳している。また、子どもが喫食する間は誤食による事故を未然に防ぐため、職員が1名ついて見守りを行っている。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育運営マニュアル 7.食育計画」「保育運営マニュアル 8.給食提供マニュアル」「保育品質マニュアル 11.給食にて」「給食会議(職員会議同日)(議事録)」「献立の振り返りと代替案」「クッキング計画表」「重要事項説明書」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・給食は当番制で5歳児がエプロンと頭巾をつけて3・4歳児に配膳を行っている。子どもは好きな席に座り、季節により縁側で食べるなど、楽しく食事がとれる環境・雰囲気づくりの工夫をしている。
・栄養士が年間のクッキング計画表を作成し、畑活動と併せて季節の食材を使った料理や、柏餅やクリスマスケーキなどの行事食のクッキング保育を毎月実施している。
【評価した点】
・焚火体験の中から子どもの姿に合わせて随時クッキングを取り入れるなど、通常保育の中でも食について関心を深めるための取り組みを行っている。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「健康増進法に基づく給食施設のための栄養管理の手引き 2018年版」「保育運営マニュアル 7.食育計画、8.給食提供マニュアル」「保育品質マニュアル 11.給食にて」「給食会議(職員会議同日)(議事録)」「給食日誌の残食記録」「献立の振り返りと代替案」「衛生管理点検表」「個人点検表」、ヒアリング、現場視察
【確認した点】
・栄養士は子どもと一緒に給食を食べ、食事の様子を見たり、子どもたちの話を聞いたりする機会を設けている。給食日誌や残記録をもとに、食事の提供方法、対策を給食会議や朝礼で検討し、献立・調理の工夫に反映している。
・衛生管理は、給食室は衛生管理点検表、職員は個人点検表で毎日衛生管理を行っている。
【評価した点】
・0歳児の離乳食は、食材の大きさや固さを保護者と一緒に確認し、一人ひとりの子どもの発育状況や体調等を考慮して、献立・調理の工夫をしている。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「入園のしおり」「保護者懇談会議事録」「利用者アンケート2019」「重要事項説明書」、ヒアリング
【確認した点】
・保護者懇談会を年2回実施し(2019年6月19日、11月21日)、その中で保育の取り組みを提示し、保育士、保護者と懇談を通して共通理解できる場を設けている。
・年1回、保護者に「利用者アンケート」を実施し、課題は職員会議にて検討している。
・入園の際に「入園のしおり」に則り、理念・保育目標・保育内容・課外体験・園と家庭との連携・食育・健康管理・苦情解決の体制などについて説明を行っている。また、入園時に必要な経費や個人情報取り扱いなどについて、読み合わせながら説明し、最終的に「重要事項説明書」を用いて説明している。
【評価した点】
・専用アプリを使用して、毎日の連絡、タイムライン、アルバム、各手紙などの情報を共有している。写真を利用して、日常の保育の様子を保護者と共有化し、見える化を図っている。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

【確認手段】資料「伝達簿」「個人面談記録」、ヒアリング、現場視察など
【確認した点】
・専用アプリにて、毎日の連絡帳、タイムライン、アルバム、各手紙を活用しコミュニケーションの場を登降園時の会話以外にも広げている。
・個人面談は希望者を対象とし、年間を通して受け付けている。就労の都合によっては夜の7・8時からの面談にも対応している。相談の内容により、その場ですぐ答えられないものは保留にしてもらい、施設長や主任と話し合い、必要に応じて園長や主任から回答するようにしている。個人面談の内容は記録し、ファイルで保管している。
【改善を要する点】
・個人面談は年に数件しか行われていない。個人面談の案内は、法人が専用アプリを通して4月1日に行っているが、園独自では案内をしていない。年度初めの保護者懇談会で口頭と書面で周知し、年1回は一定の面談期間を設けて保護者の希望日時をうかがい、個人面談を行うとよい。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「保育品質マニュアル 9.虐待」「虐待早期対応フローチャート」、ヒアリング、現場確認
【確認した点」
・虐待早期対応マニュアルをキックオフミーティング(2019年3月22日)で全員が読み合わせている。
・職員更衣室内に虐待早期対応フローチャート(ラミネート加工)の掲示を行っている。
・職員に保育品質マニュアルを配布し、マニュアルを各自携帯していつでも確認できるようになっている。
【評価した点】
・施設長が自治体主催の「鶴見区要保護児童等対策地域協議会並びに子ども・家庭支援相談事業関係機関・DV防止連絡会」(2019年6月21日、11月29日)に参加し、虐待対応のための情報共有、連携を行った。
・配慮を要する子は、定期的にカンファレンスを行い、自治体、児童相談所、当施設と情報共有し連携をとっている。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

【確認手段】資料「コンピテンシー」「スキルアップシート」「目標管理シート」「2018年度事業報告書」、ヒアリング
【確認した点】
・職員が毎月の園会議の時間内にコンピテンシーの自己評価を記入している。
・5月・11月期に「スキルアップ面談」、「スキルアップシート」の作成、「フィードバック面談」を個人別に行い、個別での振り返りを行っている。 
・「目標管理シート」により、前期(6月)、中期(11月)、後期(3月)に動機、テーマ、達成レベル度合等、目標の振り返りを行っている。
・年間2回、「スキルアップシート」を用いて職員のスキルアップ面談を行っている。「スキルアップシート」の記入事項は人事考課とリンクし、施設長推薦の根拠となっている。
【評価した点】
・職員研修における「コンピテンシー自己採点」と振り返りによって、職員の保育事業に関する理解と実践能力が段階的に向上するとともに、職員全体のレベルアップにつながる。なおコンピテンシーの危機管理項目は、リスクアセスメントの手法を採用するものと思われ、職員が自己評価のステップを積むことで当施設全体の子どもの安全管理レベルの向上に貢献する。
・「目標管理シート」「スキルアップシート」、上司との面談、人事考課のパスによって、施設長と職員の技量と保育の質の向上が期待できる。また、上司との面談は本事業を遂行する上で欠かせないコミュニケーション能力の向上に寄与することが期待できる。