mai!えるしい
第三者評価機関名 | 公益社団法人神奈川県介護福祉士会 |
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名称 | mai!えるしい | 評価対象サービス | 障害者・児福祉サービス版 |
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対象分野 | 就労継続支援(B型) | 定員 | 20 名 |
所在地 | 249-0005 逗子市桜山9-3-53 |
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TEL | 046-887-0583 | ホームページ | http://shounan-nagi.or.jp |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2011年04月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人湘南の凪 | ||
職員数 |
常勤職員:4 名
非常勤職員:5 名
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専門職員 |
サビ菅:1 名
職業指導員:1 名
生活支援員:3 名
目標工賃達成指導員:2 名
社会福祉士:1 名
介護福祉士:1 名
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施設・設備の概要 |
菓子工房:
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<法人の基本理念> 1.利用者が尊厳を持って、自立できる地域社会の実現を目指します。 2.基本的人権を守り、個人の尊厳を重視した支援を行います。 3.地域とともに歩み、地域から信頼される法人を目指します。 4.常に法令を遵守し、良質な福祉サービスを提供します。 5.法人の経営基盤を強化し、経営の透明性を確保します。 <職員行動指針> 1.私たちは、社会福祉法人の職員であることを強く自覚し、高い職業倫理を身につけます。 2.私たちは、常に法令・制度に対する自己研修に励み、これを遵守します。 3.私たちは、利用者の基本的人権と個人の尊厳を守り、利用者本位の支援に努めます。 4.私たちは、地域のセーフティネットの一翼を担うものとして、地域社会と連携し、様々な困難に立ち向かいます。 5.私たちは、「障害者権利条約」推進のため、イエローリボン運動に賛同します。 |
○「障害があっても、高齢になっても、住み慣れた地域で自分らしく生活すること」を目指して、利用者が自宅やグループホームから通い、mai!えるしいの製菓工房で仕事に携わり、仲間作りを行っている。製菓工房での仕事は、材料計量、こねる、伸ばす、型でカットするなど、工程を細分化して、利用者個々の特性に合った工程を受け持ち、菓子の製造を行っている。利用者は自分が得意とする仕事に関わり、やりがいを見出している。また、製菓工房での仕事は立ち仕事が中心になる。加齢により体力の低下がみられる利用者には、ラベル貼りやチラシ折りなど、座ったままできる仕事を受注し、利用者の状態に合った仕事を提供している。 ○就労継続支援B型事業所として、受注先や販路の拡大、平均工賃の維持、向上を目指している。地域の専門家のノウハウを活用しながら、製菓製品の改善に取り組み、顧客ニーズに合わせ、見せ方や売り方を検討し、販売力を向上していくことを今年度の計画に掲げている。今年度は新型コロナウイルスの影響で、受注量や販売量が大幅に落ち込んでいることから、ホームページの改編やfecebookを活用して、利用者の工賃を下げないよう、職員全体で取り組んでいる。 |
評価実施期間 | 2020/07/30(契約日) ~2021/02/05(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 2 回(2016年度) |
特に評価の高い点 | ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等 ○mai!えるしいは、地域で生活を送る障害を持つ利用者を対象に、就労継続支援B型事業所として、障害者の日中の活動を支援している。利用者は自宅やグループホームから自力で通勤し、製菓工房の仕事や、ラベル貼りやチラシ折りなどの仕事に携わっている。 ○利用者は概ね口頭でのコミュニケーションが可能である。そのため、具体的に短い言葉で話しかけるなど、利用者の能力に応じた言葉遣いを心がけている。職場内の環境整備として、言葉で指示するだけでなく、作業理解が進むように、スケジュールボードで作業予定を提示している。また、作業道具の準備や片付けがスムーズに行えるよう、作業道具の置き場所には、名前を書いて貼っている。利用者個々の作業手順書は、写真などを使用し理解しやすいよう工夫している。 ○工房内は食品を扱うため、衛生面には特に配慮している。全員が入室前に白衣に着替え、帽子やマスクを着用し、手洗いや爪の検査など「個人衛生点検表」にチェックをしてから工房内に入っている。朝礼で、今日の仕事の確認や「えるしいルール」を唱和し、作業を開始してる。作業終了後は、冷蔵庫やオーブン、ドアノブ、床などを清掃して、清潔な状態を確認している。 ○利用者は毎日出勤前に自宅で検温して、体調を確認している。少しでも体調に変化がある時は、本人から電話で休みの連絡をもらっている。出勤後は、職員が利用者の行動や状態を観察して、仕事に入ってもらっている。利用者は退勤前も検温して、帰宅している。 ○職員は常に利用者に話しかけ、本人の思いを引き出すきっかけを作っている。利用者から相談があった時は、必要に応じて、同一建物内の相談支援事業所「支援センター凪」の相談員と一緒に話を聴き、スムーズに解決できるよう支援している。作業種目については、1つの作業について「始まり~終り」までの工程を細分化して行ってもらっている。 ○「生涯発達・地域支援の4領域」の考え方を取り入れ、法人独自のアセスメントシートを使用して、利用者の個別支援計画を策定している。アセスメントシートは、①学ぶ、楽しむ、②暮す、③働く、④かかわるの4領域に分かれているが、就労継続支援B型事業所として、「③働く」を柱に、個別支援計画を策定している。 ○製菓作業や販売方法については、相模女子大学や地元の企業「3pm(さんじ)」の協力を受けている。大学のキャンパスで採れた梅をつかったケーキ作りや、製造工程の見直し、品質の向上などに取り組んでいる。 ○外部委託業者が厨房に入り、昼食を提供している。「食感」や「味付け」、「おいしさ」、「ボリューム」の4つの項目について、昼食の感想と評価を、利用者に毎日、記入してもらっている。月1回、委託業者と給食会議を開催して、利用者の感想と評価を報告している。利用者の声を日々の食事内容に反映できるよう努めている。 ◇独自項目への取り組み 〇内容評価項目について、事業所が具体的に次への取り組みを検討する「課題抽出項目」では、<A18:利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている>をあげ、課題を抽出している。ホームページの改編やfacebookを活用し、コロナ禍の中、販路の拡大や工賃の維持、向上に取り組み、改善策を検討している。 |
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改善を求められる点 |
客観的な視点が定期的に事業所に入ることの有益性を改めて実感しました。評価項目詳細一つ一つの出来不出来やランクに焦点を当てるのではなく法人、事業所を取り巻く環境を適切に把握しサービスの質の向上を組織的・計画的に取り組み続けることをこれからも重要視したいと考えております。 評価項目を常勤職員・非常勤職員共に共有する機会を設けたことにより日常の支援現場に起きていることがどのようなことに支えられているか、私たち従業者が大切にしていることを文言化するとどのような表現になるのかということを一人一人が考える機会が出来ました。私たちは小さな事業所です。役割分担は必要ですが、役割以外に目を向けることの大切さを今回を機に再度学びました。 |
詳細評価PDF | 詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人の基本理念や職員行動指針は、ホームページに掲載している。法人の基本理念は事業所内に掲示し、朝礼時に、月・水・金曜日は基本理念を、火・木曜日には職員行動指針を全員で唱和している。ただし今年度は新型コロナウイルスの感染予防のため、代表1人が読み上げている。法人の事業報告会や辞令交付の際にも、理念を必ず唱和している。新採用者入職時研修においても、「法人理解」の単元を設けている。「法人理解」は1時間かけて、理念や行動指針の内容に詳しく触れている。入職時研修は、採用者が1名でも、4月以外でも行っている。利用者への説明は行っていないが、家族には、4~5月に開催する「家族懇談会」の場で、理念の説明や事業の報告を行っている。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 県の所管課が主催する集団指導の場や、団体説明会に施設長が出席する他、逗子市や葉山町の福祉計画策定委員会の委員を施設長が担い、事業経営をとりまく環境の把握に努めている。月1回、理事長や総務課長、各管理者が出席する法人全体の「運営会議」を開き、各事業所の月次の経営状況を報告し、課題と対策について話し合いを行っている。また、四半期に1回、外部の会計士による説明の機会を作り、予算とその執行を確認する場を設けている。週1回、「運営会議」の構成メンバーが集まり、「情報共有会議」を開催し、利用者の抱える課題などについて迅速に検討している。法人全体の「施設長会議」も月1回開催し、各委員会の活動を集約したり、新たなプロジェクトチームを立ち上げている。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:a】 月1回、事業所の全職員が参加する職員会議を開催している。年度当初の職員会議では、法人や事業所の経営状況を説明している。日々の朝礼や終礼の場では、情報共有会議や施設長会議、運営会議の内容を、職員に周知している。施設長だけでなく、主査については主査会議、職員については法人の委員会活動を通して、法人の課題を共有し、改善に努めている。同一建物内に「支援センター凪」があり、サービス管理責任者や主査が事業所内会議を開き、情報を共有している。今年度はコロナ禍で開催を自粛し、報告書の回覧としたが、年次事業計画は年に2回見直し、報告の場を設けている。報告会は、職員の報告の場でもあり、当事者意識を高める取り組みとしている。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人全体で、中期事業計画として、5か年計画を策定している。また、年1回、法人本部と各施設長が集まり、計画の内容を見直し、改訂する機会を設けている。中期事業計画は、評議員会に諮り、最終的な計画としている。中期事業計画は、利用者の5年後の姿を念頭に置き、人材、施設、運営の3部門に分け、「ヒト、モノ、コト、カネ」について明文化し、具体的な事業内容を記載している。mai!えるしいの運営面では、エアコンの入れ替えや、トイレ、洗面台の改修、製菓工房のオーブンの入れ替えなどを、計画に盛り込んでいる。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:a】 中期事業計画に基づき、年次事業計画を策定している。年次事業計画は法人全体でまとめ、経営の原則、法人の方針、主要事業、稼働予定、職員配置計画を基盤にして、各事業所の計画や委員会活動の計画、研修計画を明記していている。事業計画は、(案)の段階で職員に回覧し、意見を聴取している。mai!えるしいの事業計画は、支援事業、施設管理事業、施設整備事業、研修事業、防災事業に分けて内容を記載し、今年度の事業計画の支援事業では、製菓製品の改善と販売力の向上などをあげている。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:a】 年次の事業計画は、中間事業報告や年間事業報告、現場職員の聴き取りを元に作成している。計画作成の指針を施設長が投げ掛け、実際の作成は主査や現場の職員が担っている。事業所のトップが一人で作成するのではなく、職員が作成場面に参画できるよう働きかけている。計画は(案)の段階で、職員全体に周知して意見を聴取している。今年度は書面の回覧になってしまったが、毎年9月には、中間事業報告会を開催し、職員が自らの事業所の計画の進捗状況を説明する機会を設けている。非常勤の職員に対しては、事業計画や事業報告の内容を、現業に近付けた形の書面を作成して、説明している。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 「家族懇談会」を開催し、事業計画や目標工賃、支援の方針を説明し、家族から意見や希望を聴いている。今年度は新型コロナウイルスの感染予防のため、「家族懇談会」は開催を取り止めている。目標工賃は利用者本人や家族に、「お知らせ」などで伝えている。5名ほどの利用者は「連絡帳」を持っているので、「連絡帳」も活用して知らせている。利用者には、事業計画の立案への参画や説明の機会は設けていないが、金曜日の午後など、時間に余裕があった時に、「メンバーミーティング」を開き、計画の内容などを口頭で伝えるようにしている。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:a】 毎年7月、法人全体で「指定障害福祉サービス事業所自己点検シート」を用いて、運営の適正をチェックする仕組みを取り入れている。自己点検シートの作成はサービス管理責任者が行い、施設長が内容を確認している。自己点検シートは、今年度より各事業所が持ち寄り、事業所間チェックを行うようにしている。また、四半期に1回、施設長と主査が、他事業所を訪問し、請求確認などを行う内部監査も継続して行っている。今年度、委員の人数を限定して、法人の研修委員会を再編成し、法人内の研修を体系化する取り組みを始めている。事業所や職員の強み、弱みを見極め、研修内容を見直す機会としている。コロナ禍により、受講が難しくなった研修については、映像配信研修を採用し、基礎から専門分野まで幅広く学ぶことができる仕組みを作っている。また、情報公表システムでサービスの詳細を公表するとともに、第三者評価の受審も事業計画に位置付け、定期的に受審する仕組みを構築している。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:a】 「自己点検シート」を事業所間で確認することで、さらに他者の点検が加わり、これにより事業所の課題が明確になっている。法人全体の課題などの情報共有は、月1回開催する事業所内の主査・施設長会議で行い、内容によって、朝礼や終礼の場で、全職員に伝えるようにしている。また、月1回開催する職員会議でも議題として取り上げ、職員全体で情報を共有している。月1回の運営会議の場で、課題の抽出や改善の進捗状況を確認し、法人全体で課題をうやむやにしない仕組みを構築している。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:b】 施設長の責任と役割については、「標準業務マニュアル」を整備して、業務分掌などで位置付けているが、広報誌に掲載するなど、継続した表明は行っていない。職員に対しては、職員会議の場において、法人や事業所の運営方針などを、事業計画書や補足資料を配布して説明している。パートタイマーの職員にも理解できるよう、方針と取り組みを示している。有事の際の責任と役割については、「防災マニュアル」に記載している。また、通常の業務においては、ひとつの事柄について必ず決裁書を提出することを徹底し、事業所内の意思決定と責任の所在を明確にしている。施設長不在時の権限委任は主査としているが、その代決などにおいても、決裁書で示すよう体制を整えている。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 社会福祉法や障害者総合支援法に基づく事業の運営に関しては、施設長が事業者説明会や集団指導講習会に参加して、常に新しい制度の情報を入手している。「事業者ハンドブック」も毎年入れ替え、情報の更新を行っている。「自己点検シート」も、今年度より、一次チェックは現場の責任者、二次チェックは施設長、三次チェックは事業所間としている。前記法令に加え、食品表示法や食品衛生法などの遵守は行っているが、菓子の製造、販売には商法、利用者支援には民法など幅広い分野の法令の把握が必要であると捉えている。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:b】 日々の業務日誌や支援記録、利用者配布資料などについて、すべて決裁行為を行い、事業所全体の状況を把握し、評価を行っている。ただし、施設長が指導力を発揮しても、職員が行動せず、成果や結果につながらなければ、意味がないと捉えている。事業所を取り巻く大きな課題である工賃向上については、①常駐販路の拡大、②価値付与による新しい販売形態、③受注作業の拡大、④外部就労の模索を行い、①③については新規の受注先の獲得、②については通販に堪える製品の開発、④については地域の植樹や草刈りの依頼など、それぞれ少しずつ成果が現れている。また、事業の進捗や自己評価を現場の職員や責任者が担うことで、職員の意見を反映するよう努めている。職員研修については、今年度はオンライン研修や映像配信研修による小規模多回数研修に切り替えるなどの方策をとっている。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:b】 月1回の運営会議や、週1回の情報共有会議、四半期に1回の会計報告、職員配置検討ワーキングチーム、mai!えるしい事業検討会などにおいて、情報の提供や収集を行い、経営課題を把握して、改善方法を提示している。職員配置については、職員数を揃えるだけではなく、常勤職員の比率を上げるなど、法人全体でワーキングチームを編成し、中長期を見据えた配置について、継続して検討している。利用者の工賃向上についても、継続して取り組み、わずかだが改善の兆しがある。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:a】 どういった人材を、どの程度の期間で育成していくか、「法人職員育成指針」を定め、法人全体で検討している。職員は育成指針に基づき、法人独自の「目標管理シート」を用いて、半期に1回、目標の達成状況を申告している。今年度、法人の研修委員会を再編成して、研修の体系化に取り組んでいる。神奈川県社会福祉協議会主催のキャリアパス対応研修に対象職員を派遣し、階層別の育成を行うとともに、専門分野の派遣研修、事業所内の研修も多く行っている。mai!えるしいでは、職員会議の中で、施設長や主査より短時間の研修を行っている。今年度は、第三者評価の受審に関連して、事業所が提供する福祉サービスが外部からどう見えるかなどをテーマにしている。人材の確保に向け、法人説明会の通年開催や学生への求人情報の提供、求人媒体への定期的な入稿、求人チラシの常時掲示などに取り組んでいるが、慢性的な人材不足が続き、人材の確保に係る費用も増大している。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 「法人職員育成指針」に基づき、法人が期待する職員像を示している。施設長としては、仕事のモチベーションを自分で作り、それを支援場面で発揮できる人材を期待している。職員は年2回、「目標管理シート」を作成し、目標の達成度について施設長と面接する機会を設け、職員の意向やキャリアデザインも、面接の場で話し合うようにしているが、職員の職務評価については一定の基準を示すところまでには至っていない。昇給や異動、昇進などについては、就業規則や給与規程に定め、職員に示している。また、職員の給与水準は、四半期に1回行われる会計報告の場において、近隣同業種の給与水準と比較している。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 労務管理は施設長が担当し、事務職が有給休暇の把握管理表を付け、毎月、施設長が状況を確認している。取得が難しい職員の業務配置を行い、有給休暇は是非、自分のために使ってほしいことを伝えている。今年度はコロナ禍で開催できなかったが、メンタルヘルスの研修も行っている。また、「なんでもダイヤル」を設置し、上長に相談しにくい内容の相談を、総務課長が受けている。「湘南の凪親睦会」では、法人が費用負担をして、福利厚生のイベントを開催できるように補助している。また、就業規則に時間外労働の免除や夜間就業の免除などを明記し、職員が働きやすい環境づくりを行っている。コロナ禍の職員自身の体調不良や同居家族の不調は、有給の特別休暇に位置付け、職員が安心して働くことができる仕組みを構築している。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「法人職員育成指針」に基づき、法人が期待する職員像を示している。施設長としては、仕事のモチベーションを自分で作り、それを支援場面で発揮できる人材を期待している。職員は年2回、「目標管理シート」を作成し、目標の達成度について施設長と面接する機会を設け、職員の意向やキャリアデザインも、面接の場で話し合うようにしている。非常勤の職員も年末に意向調査を行い、年1回、施設長との面接を行っている。法人全体で、定年退職後の継続雇用の仕組みを作っている。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:a】 職員行動指針のひとつに、「常に法令・制度に対する自己研修に励む」ことをあげ、組織としての育成とともに、職員自らの学習を求めている。「法人職員育成指針」を定め、それに基づいた「目標管理シート」の作成と、施設長との面接を行っている。また、配置義務のある介護支援専門員や相談支援専門員、サービス管理責任者については、法人の総務課が全体を管理し、資格の取得と更新を適切に行っている。今年度より、法人の研修委員会を再組織し、研修体制の現状把握から、課題抽出、次年度研修計画の立案を検討している。新人職員には、試用期間の3か月はOJT(職場内の現任訓練)を行い、毎日、「OJT日誌」の記入を義務付け、先輩職員や上司、施設長による指導を行っている。月1回の人事担当との面接も行っている。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 「法人職員育成指針」を定め、それに基づいた「目標管理シート」の作成と、施設長との面接を行っている。新人職員には、試用期間の3か月はOJT(職場内の現任訓練)を行い、毎日、「OJT日誌」の記入を義務付け、先輩職員や上司、施設長による指導を行っている。月1回の人事担当との面接も行っている。また、キャリアパス対応研修への職員派遣も行い、受講状況は法人本部で把握している。今年度はコロナ禍で集合研修の参加が難しくなったため、小規模多数回の映像配信研修やオンライン研修の機会を多く設定している。1月を職員研修強化月間として、記録の取り方や活かし方、知的障害者の面談、自閉症の理解、アンガーマネジメントなどをテーマとした研修を3日間連続して開催し、職員の研修参加を促している。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:a】 mai!えるしいは、食品を取り扱う活動が中心になるため、社会福祉実習の受け入れは行っていない。法人内の事業所においては、「湘南の凪社会福祉実習受け入れマニュアル」を整備し、実習生のオリエンテーションから実習プログラムまで、社会福祉実習指導者講習会の内容に基づいて、カリキュラムを作成している。法人内の他事業所での実習も盛り込み、ソーシャルワークを幅広く学ぶことができる体制を整えている。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人のホームページや、年4回発行する広報誌に、事業計画や事業報告、決算情報を掲載し、運営の透明性を確保する取り組みを行っている。重要事項説明書には、第三者評価の受審内容を記載し、事業所内にも掲示している。法人の広報委員会を、今年度再組織し、ホームページの随時更新や、広報誌の発行に取り組んでいる。mai!えるしいでは、facebookを再開し、活動内容をリアルタイムで更新、公表している。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 「組織管理規程」や「稟議規程・稟議規程細則」に基づき、職務分掌と権限を明記して、年度初めの職員会議において、事業計画とともに職員に伝達し、公正かつ透明性の高い適正な経営や運営に取り組んでいる。四半期に1回、事業所の決裁状況の確認を法人本部総務課が行い、適切な意思決定が行われているかどうか、改善を促す仕組みを構築している。社会福祉法人として、社会福祉法人監査は、定期的に受けている。外部専門家の視点の導入については、財務管理に知見を有する者、社会福祉事業に知見を有する者を配置して、定期的に監査指導を受けている。顧問弁護士にいつでも相談できる体制も整えている。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人の基本理念や職員行動指針に、地域との関係の基本を明記している。所内の掲示板やラックで社会資源の情報を提供する他、同一建物内にある「支援センター凪」との関係性を深め、活用できる社会資源を紹介している。利用者が地域の行事に、製菓工房で作製したお菓子の「販売員」として参加し、職員とともに行事の担い手として活躍できる仕組みを整えている。今年度はコロナ禍で地域の行事の多くが中止になったが、facebookで事業所の活動内容を発信している。例年は法人全体で「湘南の凪感謝デイ」を開催して、利用者と地域との交流を広げるための取り組みを行っている。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:b】 mai!えるしいは、食品を取り扱う活動が中心になるため、ボランティアの受け入れは積極的には行っていない。生産場面を見学したいとの希望はあり、常に受け入れている。法人全体で「湘南の凪感謝デイ」を企画、開催し、施設の開放や地域啓発を行っている。中学生の職業体験を受け入れる他、学校教育の協力として、「中期事業計画・地域福祉推進協力事業」に基づき、職員を派遣している。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:b】 同一建物内にある相談支援事業所「支援センター凪」と連携し、地域の情報を掲示し、情報提供を行っている。逗子市自立支援会議就労支援部会に所属し、地域の関係機関や団体と協議の場を持っている。また、逗子市の就労支援事業において、トライアル雇用に利用者1名を派遣して、2週間の職場体験を経験している。トライアル雇用では、利用者が市の会議資料のホチキス止めなどを行い、職場体験を経験している。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 逗子市自立支援会議就労支援部会に所属し、地域の関係機関や団体と協議の場を持っている。また、逗子市商工会議所から観光物品製造工程の一部を受託し、地域の担い手として、利用者が参画できる仕組みを継続的に作っている。法人全体で中期事業計画に、地域福祉推進協力事業を位置付け、職員を派遣している。知的障害者福祉協会に参画し、同種同業の地域課題を協議している。また、施設長が相談支援事業所の管理者を兼ねており、逗子市や葉山町、保健所管内、圏域などの地域情報の把握に努めている。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 地域の観光商品製造の一過程(あかもくそば、うどん、逗子チョコ)を受託して、地域の担い手としての活動を行っている。地域の祭事には企画から参画し、地域活性化の一端を担っている。法人全体では、職員が各種研修会の講師を担い、地域の依頼に対応している。法人内の事業所では、津波避難ビルの指定や、福祉避難所としての協定を結んでいる事業所がある。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人の基本理念や職員行動指針を、毎日、朝礼で唱和して、福祉サービス提供について共通理解を持つことができるよう取り組んでいる。就業規則の服務規律においても、利用者への丁寧な対応を義務付けている。新人職員に対して入職時研修を必ず行い、人権の尊重、利用者理解、職業倫理や「支援の手引き」を説明している。新人職員の状況に応じて、試用期間を延長し、本人が納得して理解できるまで教育している。法人内に「虐待防止委員会」と「支援向上委員会」を置き、倫理や人権意識の向上と、根拠のある正しい知識と技術の両面からアプローチして、虐待の芽となる不適切な支援を防止する仕組みを作っている。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 「個人情報保護規程」や「情報開示請求取り扱い規程」を整備して、個人情報の保護に努めている。また職員には、業務上知りえた秘密の保持を義務付けている。職員が退職する際にも、個人情報保護の誓約書を入手している。「個人情報使用同意書」にて、最小限の使用について利用者の同意を得るとともに、「肖像権アンケート」にて、写真などの使用についても制限している。同意を得た後も、場面場面で再度の説明と同意を行っている。個人情報に関わる書類などは、施錠できるキャビネットに保管し、情報の収集方法も統一している。個別の休憩場所はないが、休憩スペースを確保し、利用者は自由に休憩場所を選んでいる。男女別の更衣室や個別のロッカーを設けてはいるが、広いスペースが確保できず、利用者一人ひとりの専用スペースを確保するところまでには至っていない。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 同一建物内の相談支援事業所「支援センター凪」と連携し、利用希望者に情報を提供している。また、事業所の見学をすすめている。「支援センター凪」では、他の事業所の情報も把握しているので、利用希望者に多くの情報を提供するよう努めている。ホームページやfacebookに活動内容を随時掲載し、利用希望者が事業所の状況を確認できる体制を整えている。月1回開催する法人の広報委員会で、今回、パンフレットの改訂を行っている。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 サービスの開始にあたっては、見学や実習を経て、意向調査を実施し、重要事項の説明を行った後に契約につなげている。また、相談支援事業所の相談支援専門員が立案する「サービス等利用計画・案」の確認も行い、利用者と事業所の意思確認を行っている。個別支援計画書は、利用者本人が理解できるよう、内容を会話調で記載するなど配慮している。意思決定が困難な方への配慮については、特にルール化はしていない。本人の思いは、家族が作成した「基礎調査票」の内容や、相談支援専門員が立案した「サービス等利用計画・案」から把握するよう努めている。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 昨年度、「喫茶かあむ」を閉店したことにより、利用者が「mai!えるしい」や「もやい」の利用に移行することになった。利用者や家族と面接し、情報を提供し、利用者がどの事業所を利用したいか、意向の把握に努めた。引き継ぎをする事業所には、文書による引き継ぎ、相談支援事業所が開催するカンファレンスでの引き継ぎなどに積極的に取り組んだ。対応については、全ての利用者に同様のやり取りができた訳ではないので、今後は手順や引き継ぎ文書などを整えていく予定である。契約の解除に関しては、「解除申込書」は作成しているが、利用者には事前に配布していない。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者との面談は、定期的に行っている。また、今年度はコロナ禍で開催を自粛したが、家族懇談会も定期的に開催して、家族の意向や希望を確認する場を設けている。年1回の利用者面談で、利用者本人の意向は確認しているが、提供する福祉サービスの満足度を把握するためのアンケートは行っていない。利用者との面談は、本人からの希望があれば、その都度時間を設け、迅速に対応している。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:a】 苦情解決の仕組みを事業所内に掲示するとともに、重要事項説明書にも、仕組みを明記している。苦情受付担当者や苦情解決責任者、第三者委員を置き、苦情解決に関する規程を定めている。利用者や家族からの苦情は、法人全体で内容を共有する仕組みを整えているが、苦情対応の事例はこれまでにはない。今年度はコロナ禍で実施できていないが、第三者委員の訪問予定日は、作業室の予定表に記入している。利用者は予定表を見て、事前に相談の予約をしている。事業所内に投書箱も設置している。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:a】 苦情解決の仕組みを事業所内に掲示するとともに、重要事項説明書にも、仕組みを明記している。苦情受付担当者や苦情解決責任者、第三者委員を置き、苦情解決に関する規程を定めている。また、職員が日頃から、利用者の行動を把握し、利用者に変化がある時は、職員が声掛けして、些細なことでも話ができる場を設け、いつでも話ができる環境を作っている。「もっとお話しませんか」という掲示物もあり、利用者との会話の機会を多く作るようにしている。利用者と話をする時は、相談室や談話室を使用し、プライバシーの確保に配慮している。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:a】 日常の支援場面で、利用者の意向の把握に努めている。活動している利用者が作成する「振り返り」に職員がコメントし、利用者の発信を職員が受け止めていることを、目に見える形で返すようにしている。利用者の日々の行動を把握し、職員が先に声をかけるようにしている。家族とのやり取りが必要な方は、「連絡帳」を活用している。意見箱は、「支援センター凪」と共同で設置し、施設長が一定期間内に投函の内容を確認している。利用者の意見や希望に対し、迅速に対応するよう努めている。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:a】 法人に安全衛生委員会を設置して、リスクマネジメントや感染症対策の研修会を開催している。事故発生時には、速やかな事故報告と事後対応を行うよう、「リスクマネジメントマニュアル」に定めている。mai!えるしいでは製菓作業を行っていることから、製菓事故についても、事故報告やヒヤリハット報告を提出している。事故報告やヒヤリハット報告は、職員会議の場で内容を共有している。コロナ禍で研修会の開催が難しくなっているが、安全運転研修(年1回)を各事業所で行っている。安全運転研修時には、警察署の生活安全課より、地域で多く発生している事故について講習を受けている。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 法人に安全衛生委員会を設置して、「感染症マニュアル」を整備し、対応グッズの定期的な点検を行っている。今年度はコロナ禍で開催していないが、嘔吐物の処理方法など、実地体験できる研修会を、保健所の協力の下、開催している。新型コロナウイルスの感染予防では、関係する通知や情報を専用ファイルにまとめ、常に新しい情報を確認できるようにしている。また、安全衛生委員会にて、「感染症対策ハンドブック」を適時改訂し、新型コロナウイルスについても、①特徴、②行動指針を定め、職員に周知している。発熱や咳などで感染が疑われるケースがあり、医療機関に情報を提供して検査に至っている。その際は、利用者や家族に、文書にて状況説明を行っている。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「湘南の凪防災マニュアル」を整備し、防災体制や避難誘導、施設整備、防災教育や訓練、自衛組織、立地条件、避難確保計画、連絡網、備蓄状況などを明示している。「湘南の凪防災マニュアル」は、年1回以上、内容を点検し、見直しを行っている。備蓄品に関しては、毎年入れ替えを行っている。今後は、備蓄品用の倉庫を確保して、備蓄品と常用品の保管場所を分ける予定である。消防計画を届け出て、火災や地震に対応した消防訓練を実施している。職員に対して、休日や夜間を対象とした緊急連絡訓練を行っている。災害を想定し、実践に近い訓練を行っている。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:a】 「支援の手引き」にて、標準的な実施方法を示している。新人職員の入職時研修では、法人の理解や沿革、組織、事業理解、基本理念の理解、介護技術、事業所見学、障害の理解、虐待防止、職業倫理とコンプライアンス(法令遵守)などとともに、「支援の手引き」の理解もカリキュラムに入れている。「支援の手引き」は、必要に応じて内容を改訂している。また、法人の「支援向上委員会」では、各事業所の自己点検や困難事例の検討を行っている。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:a】 「支援の手引き」は、必要に応じて内容を改訂している。また、障害者総合支援法に基づき、個別支援計画の作成と見直しを行っている。「支援の手引き」に、個別支援計画作成の進捗管理方法と時期を定めている。個別支援計画のモニタリングは、最低年2回行っている。担当職員が立案した「振り返りシート」を元に、所内カンファレンスを行っている。必要に応じて、個別支援計画の内容を随時変更している。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:a】 法人が独自に作成した4領域の統一したアセスメント表に基づき、利用者のアセスメンを実施している。また、本人の意向を確認するため、ヒアリングも行っている。個別支援計画の策定は、所内の個別支援計画策定会議にて、利用者本人の意向やニーズを整理し、サービス管理責任者の指導の下、担当職員が計画の原案を作成している。個別支援計画書には、何故このような目標を立てたか、設定理由を記載している。また、日々の関わりの中で、利用者がどのように過ごし、どう活動したかも記載している。必要に応じて、利用者本人もカンファレンスに参加して、改善策を一緒に検討している。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画のモニタリングは、法令に基づき、半年に1回定期的に行い、利用者の状態変化の把握に努めている。また、定期のモニタリング以外にも、必要に応じて随時見直しを行っている。随時に見直しができることは、利用者や家族に伝えている。個別支援計画書とは別に、別途、個別の「手順書」を作成している。「手順書」は、職員が統一した支援を提供できるよう、支援場面ごとの具体的な関わり方を記載している。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 利用契約時に、「基礎調査票」を用いて、本人の身体状況や生活状況などの記入を家族に依頼している。「基礎調査票」は、法人独自の書式を使用している。また、利用者の日々の活動の様子や、個別支援計画に対する取り組みを記録している。朝夕のミーティングや活動日誌、回覧物、メールなどで、各職員に必要な情報を呈示している。月1回、情報共有や課題などの検討、自己研鑽の研修を目的として、職員会議を開催している。また、法人内で情報を共有するために、ネットワークシステムを構築している。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:a】 法人で「個人情報保護規程」を定め、記録類の不適切な利用や漏洩の対策を規定している。利用者に関する記録は、サービス管理責任者がチェックして、施設長が管理している。また、職員に対して、個人情報に関する教育や研修を行っている。法人の「コンプライアンス委員会」で、個人情報の取り扱いを協議し、各事業所に具体的な取り組みを示している。職員が退職する際には、守秘義務に関する誓約書を入手している。利用者には、「肖像権についてのアンケート」にて、写真やビデオでの使用を確認している。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 年1回の利用者面談や本人の「基礎調査票」、日常の本人からの話の中で、こんなことができる、こんなことをやりたいなどアセスメントして、個々に適した作業や役割を決めている。給茶器の清掃や外回りの掃除、食堂のアルコール消毒など、利用者ミーティングで、年度初めに自分のやりたいことを決めている。毎朝の朝礼では、「えるしいルール」を日直が読み上げて唱和し、自分たちで決めたルールを守っている。ADL(日常生活動作)の高い方が多く、意見も言える方たちなので、mai!えるしいでの生活は、自分たちで考えて決めている。 |
【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:a】 法人に「虐待防止委員会」や「支援向上委員会」を置き、研修会の企画や事例検討会を行っている。また、同委員会により、各事業所の支援内容のチェックを行っている。職員個々に「チェックシート」を配布し、人権の侵害などがないか、自己評価している。「チェックシート」は「虐待防止委員会」で分析し、各事業所に報告している。全職員が権利侵害防止に対する意識を高めている。利用者全員が自立している方なので、身体拘束に該当する事例はない。法人の虐待防止の規程には、あらたに暴言(言葉)の項目を追加している。マニュアルには、通報の義務と通報までのフローチャートを示している。職員や養護者による虐待だけでなく、自己による虐待(セルフネグレクト)が疑われる場合には、相談支援事業所と緊急のカンファレンスを開催して、支援方針を決め、改善に向けて取り組んでいる。 |
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 利用者は概ね日常生活上の行為は自立している。言葉による支援や文字により、一日の流れや休憩時間などを把握している。食品を扱う事業所として、出勤前、出勤後の体調管理を行い、工房に入る前の衛生検査など、職員が細かくチャックしている。利用者も自ら意識して、手洗いなどを自主的に行っている。職員は見守りながら、利用者の健康状態に変化がないか、気を配っている。 |
【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者は概ね口頭でのコミュニケーションが可能である。そのため、具体的に短い言葉で話しかけるなど、利用者の能力に応じた言葉遣いを心がけている。職場内の環境整備として、言葉で指示するだけでなく、作業理解が進むように、スケジュールボードで作業予定を提示している。また、作業道具の準備や片付けがスムーズに行えるよう、作業道具の置き場所には、名前を書いて貼っている。利用者個々の作業手順書は、写真などを使用し理解しやすいよう工夫している。職員は「次はなにをするんでしたか?」など、相手が答えやすいような言葉を選んで、言葉かけを行っている。仕事におけるコミュニケーション能力を高めるため、作業が終了した時は、どの利用者にも「仕事の終わりの報告」をするよう促している。言葉での報告が苦手な方には、「ベルを鳴らしての報告」に代えているが、最近はベルを鳴らすだけでなく、言葉での報告ができるようになってきている。 |
【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 職員は常に利用者に話しかけ、本人の思いを引き出すきっかけを作っている。利用者から相談があった時は、必要に応じて、同一建物内の相談支援事業所の相談員と一緒に話を聴き、スムーズに解決できるよう支援している。作業種目については、1つの作業について「始まり~終り」までの工程を細分化して行ってもらっているが、利用者の希望で、工程を変えることもある。事業所内に掲示する情報は、利用者が理解しやすようにルビを振り、関心が持てるようにしている。利用者の意向に関するヒアリングを定期的に行い、本人の意思を尊重した支援を提供している。 |
【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の活動内容は、製菓工房の中でのクッキー作りや販売が中心で、立ち仕事が多くなる。加齢に伴い、座ることが多くなったなど、体力的な面で問題が出てきた利用者もおり、そのような方に向け、チラシ折りやラベル貼りなどの座り仕事を、企業から受注している。利用者個々の個別支援計画に基づき、その方に適した作業ができるよう支援している。個別支援計画は、6ケ月以内にモニタリングを実施している。また、別途、週単位で個別支援計画の目標に対する取り組みを振り返り、次週への支援につなげている。 |
【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 法人及び所内研修により、職員は障害の専門的知識を習得し、常に支援の向上を目指している。利用開始時の「基礎調査票」により、利用者のADLの状況や、得意なことなどを確認している。利用者本人の希望に配慮しながら、製菓工房での役割を決めている。材料の計量、こねる、伸ばす、カットする、オーブンに入れるなど、工程のどの場に向いているか、利用者がより適切なところで仕事ができるよう支援している。毎月の職員会議では、一人ひとりの気になることを特記事項にあげ、相談員も含めてカンファレンスを行い、問題の解決につなげている。今年度、新型コロナウイルスの対策で、出勤の一時見合わせや、家族からの希望で週5日の出勤を週2日に変更したりした。出勤数を減らした利用者の中には、生活のペースが乱れ、作業の進み方が遅くなるなどの変化があった。出勤数を元に戻したが、以前のペースに戻るのに2~3ヶ月かかっている。決められたスケジュールを乱すことで、本人の混乱を招いたと感じている。 |
【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 外部委託業者が厨房に入り、昼食を提供している。「食感」や「味付け」、「おいしさ」、「ボリューム」の4つの項目について、昼食の感想と評価を、利用者に毎日、記入してもらっている。月1回、委託業者と給食会議を開催して、利用者の感想と評価を報告している。利用者の声を日々の食事内容に反映できるよう努めている。食事内容は、献立表に摂取カロリーを入れて掲示している。利用者から希望が多いメニューは、トンカツやラーメン、三食丼などで、毎回残す方はいない。日常生活はほとんど自立している方が多いが、中に歩行時のバランスが悪く危険な方がおり、手引きにて介助している。 |
【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。 |
【第三者評価結果:b】 工房内は食品を扱うため、衛生面には特に配慮している。全員が入室前に白衣に着替え、帽子やマスクを着用し、手洗いや爪の検査など「個人衛生点検表」にチェックをしてから工房内に入っている。朝礼で、今日の仕事の確認や「えるしいルール」を唱和し、作業を開始してる。作業終了後は、冷蔵庫やオーブン、ドアノブ、床などを清掃して、清潔な状態を確認している。半期に1回、専門業者による害虫駆除を実施する他、毎日のトイレ掃除などを清掃業者に依頼している。食堂は分散されているが、明るく清潔に保たれている。建物は2階建てであり、製菓工房が1階、休憩・食事場所が2階となっている。全員が自力で階段を上り下りしている。 |
【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者は、自宅やグループホームから、公共の乗り物や徒歩で出勤している。そのこと自体が、機能訓練や生活訓練につながっている。毎朝、朝礼前には、利用者がラジオ体操を行っている。コロナ禍で菓子製造がなく、受注もない時には、動画を見ながらエクササイズなどを行っている。 |
【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者は毎日出勤前に自宅で検温して、体調を確認している。少しでも体調に変化がある時は、本人から電話で休みの連絡をもらっている。出勤後は、職員が利用者の行動や状態を観察して、仕事に入ってもらっている。利用者は退勤前も検温して、帰宅している。毎年1回、希望者を対象にして、逗葉センターまで職員が同行して健康診断を行っている。インフルエンザの予防接種を希望する利用者には、医師が事業所を訪れ、接種する機会を設けている。 |
【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。 |
【第三者評価結果:b】 慢性疾患のある利用者は、利用契約時に医療機関からの情報を入手している。異変が生じた時の対応方法を職員間で共有し、迅速に対応できるようにしている。医療的配慮が必要な利用者は、緊急時に備え、予備薬を3日分預かり、事業所で保管している。朝夕のみ服薬をしている利用者が多いが、昼の薬を持参している方もいる。薬は自己管理して、食後に自分で服用している。 |
【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 mai!えるしいに出勤することが、社会参加と捉えている。菓子作りの中で、材料を計る、数を数えるなど学習の場面が多くある。例年は菓子の出張販売を、学園や地域のお祭り、ミニマルシェなどで行っているが、コロナ禍のため現在は中止している。生産活動がない時は、漢字や計算のプリントなどを提供して、取り組んでもらっている。 |
【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 コロナ禍の中、mai!えるしいでは、利用者一人ひとりに携帯用消毒ボトルを渡し、通勤時、公共機関利用の際に使用するよう働きかけている。社会情勢の現状を理解し、感染症蔓延下での生活のあり方を利用者に知ってもらい、「かからない」、「うつさない」ための意識を高めている。グループホームから出勤してくる利用者に関しては、ホームの関係者や相談支援専門員と連携をとりながら支援している。同一建物内の地域活動支援センター開催の「ソーシャルスキルトレーニング」に参加希望者がいる場合は、スケジュール内容の調整を行って、参加できるようにしている。 |
【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 今年度は開催を中止したが、年1~2回、「家族懇談会」を開催して、法人や事業所の取り組みを家族に伝えている。法人の「湘南の凪会報」も配布している。毎日のmai!えるしいでの様子は、「連絡帳」を活用している方が3人いるが、自分で今日の様子を家族に話す方がほとんどである。また親には言いたくないという方もいる。相談員主催の担当者会議には、サービス管理責任者が参加し、必要に応じて、家族に様子を電話で伝えている。体調の急変などは電話で伝え、状態によっては家族の迎えや職員が送迎したりして、家族と連携して対応している。 |
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 就労継続支援B型事業所で、障害児の支援は行っていないため、評価外とする。 |
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 利用者一人ひとりの働く力や、可能性を引き出す取り組みを職員間で検討し、個別支援計画に位置付けている。ステップアップを目指している方には、難易度の高い作業に携わってもらっている。以前は、就労継続支援A型や一般雇用で働いていた方もいる。また、一般企業で働いていたが厳しくなり、mai!えるしいに来て仕事をしている方もいる。「えるしいルール」を皆で考え、働く場をより良くしていくために、毎日確認しながらルールを守っている。3pm(さんじ)<(株)3・SUN・TREASURE>と業務提携して、マーガレットケーキの共同製造を行う他、菓子製造・販売に助言をもらい、品質を高めている。地域の企業より、ラベ貼り、封入、チラシ折りなどの簡単な作業も受注し、利用者に提供している。 |
【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 製菓工房では、1つの仕事を細分化し、多くの工程に切り分けて、利用者に適した作業を提供している。焼きあがったクッキーをひとつずつ取り分ける細かい仕事に向いている方、目盛りをしっかり読み取ることができる方には材料の計量など、利用者それぞれに合った作業を提供している。また、加齢により体力が低下している方には、工房での立ち仕事が厳しいため、ラベル貼りや封入などの座り仕事を提供している。利用契約時には、本人や家族に工賃について説明している。年度当初には、事業所としての目標平均工賃支給額を書面にて提示し、仕事への意欲が持てるようにしている。また、売上の向上、支給工賃の増額を目指して、ホームページの改編やfacebookの活用を行っている。 |
【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 地域の障害者担当相談員より、mai!えるしいの利用について相談があった場合は、体験実習などの機会を設け、その後、本利用について、本人が納得できるまで話し合いながら進めている。新型コロナウイルスの発生以降、これまで行ってきた菓子販売ができなくなり、受注の仕事も少なくなっているため、菓子販売はfacebookを活用して販売促進をしたり、受注の仕事は現在7社と契約しているが、受注先の拡大を検討しているところである。また、地域の菓子製造に精通する専門家からアドバイスを受けている。 |