社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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KFJ多摩はなみずき

2020年04月06日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 KFJ多摩はなみずき 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 就労継続支援(B型) 定員 40 名
所在地 214-0014
川崎市多摩区登戸2249-1
TEL 044-930-4571 ホームページ http://www.kfjtama.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:0 名
専門職員
社会福祉士:1 名
介護福祉士:6 名
施設・設備の概要
居室:食堂
居室:相談室
居室:事務室
居室:ボランティア室
居室:更衣室
居室:パン工房
居室:作業室

③ 理念・基本方針
<理念>
● 充実した質の高いサービスの提供
● 地域に根差した施設運営
● 職員の資質・能力の向上
● 法人の経営基盤の整備

<KJF多摩はなみずきの基本方針>
● 法人の基本理念に基づき利用者の権利擁護を念頭に信頼され選ばれるサービスを提供する。
● 地域での自立生活と社会参加を促進するため、利用者の意思及び人格を尊重し利用者本位のサービスによる日常生活支援及び職業の提供を行う。
● 第三者評価を受審し、支援の振り返りを行う。また、複合施設の利点を生かし、所内施設との相互交流や連携・協力を深めると共に、地域や関係機関との連携を密にし、地域に開かれた施設を目指す。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●KFJ多摩はなみずきは、小田急電鉄・JRの利用により、登戸駅から徒歩10分程度であり、地理的には小田急線登戸駅と向ヶ丘遊園駅との北側の中間地点に位置しています。多摩区役所はやや向ヶ丘遊園駅寄りですが、多摩区の行政の中心地として発展が期待される地域です。現在、駅周辺の再開発が急ピッチに進められており、道路も道幅を拡大して幹線道路を建設中であり、数年を待たずして大きく様変わりすることは確実です。KFJ多摩はなみずきは、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以降、法人という)独自の専用ビル(KFJ多摩)を有し、この就労継続支援B型事業所「はなみずき」の他、生活介護事業所「はなもも」、認可保育所「なのはな保育園」、児童館「すかいきっず」が同居する複合福祉施設であり、複合施設としての利点を生かし、法人系列の他施設との事業連携、利用者同士の交流活動等に積極的に取り組んでいます。KFJ多摩はなみずきでは、理念、基本方針に沿い、支援に対する職務への意識・行動の様式を定めた職員行動規範を定めており、職員行動規範は事務室、他に職員が常に目の付くところに掲げ、定めに沿った支援を丁寧に提供するよう全職員で心がけています。併せて、目標管理・業務管理制度に取り組み、職員一人ひとりの目標を設定し、「目標管理シート」にて自己管理を行い、シートに沿って上長と面談を行い、自己統制のマネジメント力の向上を図る等、実施と体制のバランスの確立に努めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/07/31(契約日) ~2020/03/19(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2013年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【地域との交流・取り組み】
●地域に根差した施設運営について、機関誌「はな*はな」等にKFJ多摩の所長が年頭に「地域」に向けて理念に沿った意識付けの挨拶を行い、それに伴いKFJ多摩はなみずきの園長も地域に向けてのメッセージを掲載し、地域との連係を心がけています。具体的には地域関連事業所の協力を仰ぎ、就労継続支援B型の利用者が行う生産活動、KFJ多摩はなみずきで生産したパンを地域へ販売する活動を行っています。パンの製造技術の良さは地域で定評があり、近隣の方も買いに来る方も多く、他の作業所が作業活動を見学に来る等、利用者のやりがいと共に地域との交流につながっています。

2.【利用者の作業の工夫】
●KFJ多摩はなみずきの利用者は原則、一人で通園できることが原則となっており、現在は足に身体障害を持つ利用者の登録はなく、バスは生活介護事業所「KFJ多摩はなもも」の利用者が活用しています。作業については、発注元の依頼を受けた作業活動の部屋1画を区切り、食品の詰め合わせ作業等を行い、清潔に作業を行っています。KFJ多摩はなみずきでは、利用者が作業をできることを目指し、職員の作業を極力少なくして利用者自身で作業ができるよう、また、品質の良い作業ができるように治工具を考案・開発しています。パンの製造では工程の細分化等を行って利用者・職員間で検討し、作業をしやすく、さらに品質の良い製造を目指し、サービス管理責任者をはじめ職員は工夫に努力し、支援に尽力しています。

3.【支援の成果】
●KFJ多摩はなみずきでは前項の副次効果として、生産活動に従事するのが楽しいと言う利用者が多くなり、通園を敬遠したり、作業に抵抗を示す人は殆どなくなり、ご家族からも引きこもり等についての相談が無くなる等、良い傾向に向かい、利用者は毎日定時にきちんと登園し、やりがいを持ちながら作業に取り組んでいます。また、体験実習で外の職場に出かけたり、外部のイベントで販売活動に従事したり、外部の仕事に参加して業務を行う等、社会性、柔軟性も身に付けています。中には、独立してグループホームに入所し、家族に面倒をかけずに自力で登園する利用者も増えてきている等、KFJ多摩はなみずきでの活動が利用者・家族の喜びにもつながり、成果となっています。
改善を求められる点 1. 【利用枠の取り組みについて】
●利用者・家族から評価の高い反面、KFJ多摩はなみずきの居心地の良さが、就労し、利用者本人に加えてご家族もいつまでもKFJ多摩はなみずきで働いて欲しいと願い、社会の荒波に敢えて挑戦する必要性を懸念している利用者、家族も見られる現状があります。それにより、利用者の高齢化や、新規の利用者の利用できる枠の減少につながることに要因し、特に、養護学校を卒業後、就労継続支援B型の利用を希望し、体験実習を受けた人たちが利用できる枠が空かない点は問題と考え、思案しているところでもありますが、作業所での満足度、環境整備、仕事をする意欲への工夫等、これまでの成果の実績を糧に、利用者の就労への取り組みの工夫に期待いたしております。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名  KFJ多摩はなみずき
施設長名 小野寺 久


≪第三者評価を受審した感想≫


●事前提出書類の作成や書類の準備にあたって、書類の不備の確認・訂正、マニュアルの整備を改めて行うことが出来ました。
●「利用者本人調査結果」は貴重な意見や、普段聞けないようなコメントがあり、利用者の思いを知る参考になりました。


≪評価後取り組んだ事として≫


1.「改善を求められる点」に上げられた「利用枠の取り組みについて」については、利用者に対して就労に向けた働きかけ(就労先の見学、実習の実施、就労援助センターへの登録等)を、今後も積極的に行っていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●法人として理念4項目、基本方針4項目を定め、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以降、法人という)が運営する全施設で共通して展開しています。職員に対しては、理念等について年頭や節目の会議の中で再確認するようにし、理念・方針に沿って「KFJ多摩」として定めた行動規範も併せて掲示し、周知しています。また、事業計画は理念に沿って立案し、毎月の職員会議で現状を確認しながら話し合っています。利用者家族に対しては毎年、事業報告会を開催し、前年度の結果をお知らせすると共に、今年度の計画と併せて理念の確認も行うようにしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●事業の動向については、NPO法人 川崎市障害福祉施設事業協会に加入し、特に障害分野に関しての情報交換を図り、業界の動向等も把握しています。また、法人では福祉の多方面の事業所を運営しており、障害に限らず、高齢、児童等の他分野の情報も法人内の施設長会議等で得ることができます。毎月の収支のバランス、人材の確保、福利厚生、有給休暇の取得状況等についてはデーター化され、パソコンで共有できる体制を構築し、職員会議、調整会議等で前年比、前月比等を含めて報告しています。また、労働基準監督署の指導を受け、残業申請を行う体制の定着を図り、時間内で仕事が終えられるよう各職員へ時間管理の喚起を行っています。相談支援センターとは密に連携を図り、支援に生かしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●事業計画の策定にあたり、法人で定めた中・長期計画に基づき、経営状況やKFJ多摩はなみずきにおける改善すべき課題も考慮しながら策定しています。法人の改善すべき課題については、事業計画に組み入れて立案し、実施しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期的なビジョンについては、法人は10年間の中長期計画(令和1年度~令和10年度)を立案して1年目の年度でもあり、法人内にプロジェクトチームを立ち上げて計画の策定に取り組んでいます。中長期計画では、数値目標等が明確になっていない項目もあり、具体的な数値目標の設定はし辛い項目についてはゴールの日程、途中での達成状況の進捗日程等を設定して進捗管理を進めて行く方針としています。また、中・長期計画の中期(5年ごと)計画では、具体的に目標を組み入れて展開しています。工賃については、計画の中で具体的に示しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期計画に沿って、単年度の事業計画を策定し、法人へ提出を行い、経営計画、人員計画等も併せて検討の上、承認を得ています。事業計画については、現場での計画に沿いながらまとめ、園長で具体的に検討を図り、実施につなげています。行事計画は、事業計画に沿って別途策定しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画策定のプロセスでは、1つの流れとして全社的な事業計画に沿った各事業所の展開による方針と、もう1つの重点目標する、各現場職員によるグループごとの策定及び積み上げていく流れがあります。全社的な事業計画の展開については、職員会議等で下ろした内容を各職員、グループでの計画に反映し、それらをまとめて事業計画に組み上げています。職員一人ひとりが今年度の目標達成計画を作成し、園長との面談を経て年度目標として取り組みます。グループ目標は、グループメンバーで計画を作成し、1年間の目標として取り組みます。年度末(2月)にはKFJ多摩全体での「研修発表会」があり、事業計画に沿った課題の取り組み等について発表しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画に関して、家族(保護者)に対しては年4回、資料を配付して事業報告会を開催し、計画の内容、進捗等を説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

●福祉サービスの質の向上については、福祉サービスの内容について組織的にCheck(面接の実施)体制を整え、職員の質の向上に努めています。一人ひとりに年間目標を設定し、目標達成について目標管理シートを作成し、上長と面接を行い、組織的にPDCAサイクルに基づく福祉サービスの質の向上への取り組みを実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●課題の抽出については、目標管理シートを基に面接の実施や、記録管理システム「クレヨン」(ソフトウェア)を活用した支援計画等の分析、年1回の利用者満足度調査により、利用者からの要望等の抽出を行い、職員会議で気付いた点を職員間で述べ合い、課題を見つけるよう取り組んでいます。課題抽出後は、解決策を話し合い、記録に残し、今後の同様な課題解決に役立てるようにしています。KFJ多摩はなみずきでは、次年度の計画への課題の反映について、10か月時点で経過を参考にして事業計画の策定に組み入れるよう工夫して進めています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長の権限と職務については、大枠では施設の運営規定に明文化され、詳細は職務分掌表に明示しています。園長は自らの役割と責任について職員会議や組織内の広報誌等で表明し、職務分掌表を職員に配付しています。職務分掌に従って権限の一部を委譲し、組織的に業務を遂行できるようにしています。平時及び有事の際の不在時の権限委任等について定め、防災マニュアル内にも記載しています。不在時の権限は、園長補佐が委ねられています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●遵守すべき法令等については、年2回、コンプライアンスに関して法人本部から通達を受け、都度確認して職員へ周知を図っています。園長は、川崎市が実施する集団指導講習会に参加し、法令順守、講習会の内容を職員に報告し、共通理解を促しています。川崎市社会福祉協議会等の研修、勉強会にも参加しています。食品に関しては、食品表示法改正に伴う注意事項や留意点について研修を受け、職員会議で周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●職員のサービスの質の向上に関しては、毎年、職員のセルフチェックを継続して実施し、職員面接をして確認し、職員会議や育成面談時にも話し合っています。園長は、事業計画において施設の課題を把握し、改善に向けて具体的な取り組みを明示し、職員会議で確認し、指導力を発揮しています。また、サービスの質の向上に向け、担当業務及び職員一人ひとりの希望を考慮し、外部研修への参加、施設内研修を推進し、法人の教育計画にも該当者を参加させています。新規採用者については入職後3か月に1回、面接を実施して進捗を把握し、指導・助言をしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●経営の改善や業務の実効性の向上については、毎月の施設長会議を踏まえ、人事、労務、財務等の状況を法人の担当職員と連携を取りながら最善の体制で取り組めるよう、改善を含めた業務の効率化に向けて取り組んでいます。園長は、年休や有給休暇について総合的に管理し、人員配置、職員の働きやすい職場環境の整備に努め、事業計画やグループ計画に盛り込みながら業務の実行性を高めるよう取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●必要な福祉人材の確保、定着に関する具体的な計画は、法人で「人材定着計画」を作成し、中期計画に組み込み、人材育成プログラムも整備しています。福祉人材不足の実態の中で色々な施策に取り組んでいます。例えば、採用後5年以内の職員の不安定な在籍状況を踏まえ、長期勤務となるよう早期の昇給を工夫すると共にキャリアパスの強化に努め、資格取得援助に向けての方向付け等に取り組み、継続しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●総合的な人事体制については、理念・基本方針に基づき人事考課に関しては「人事考課ガイドブック」の中に「期待される職員像」を階層別に明示し、昇給、昇格と併せて勤続5年を経過したら異動対象となる旨も記して全職員に配付しています。人事管理制度は充実しています。また、法人全体で目標管理、人事考課を実施し、目標管理に基づいて職員の育成面談を行っています。職員の異動(法人内)意向調査を行い、育成面談でも確認しています。給与規定が設定され、園長は考課者研修を受講し、職員の適切な考課につなげています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員の就業状況の管理については、園長がシステムに沿って職員の就業管理、目標管理に基づいた育成面談を行っています。また、年休、代休の取得率等はデーダーで把握及び検討を図り、偏りのないようシフトの作成を心がけています。福利厚生として健康診断やストレスチェックが受けられ、ストレスチェック結果は本人のみに知らされ、会社に知られずに診断を受けることを可能にしています。さらに、法人に産業医を配置し、職員の心身のケアに配慮しています。園長は、給与を含めた処遇面の改善等に努め、さらに福利厚生に関しては改善が課題と考えています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●目標管理を取り入れていて、目標管理シートに個人の目標を定め、目標管理シートに沿って上長と面談を行い、年間で達成できるよう定期的に年度当初・年度末(期末)に面談で目標達成度の確認を行い、必要に応じて助言・指導を行う等、施設全体で目標管理に取り組んでいます。また、育成面談は人事考課に連動させています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●職員に必要とされる専門技術や専門資格については、職種・階層別に明示されており、資格取得と連動して昇給に反映する体制が整備されています。職員の研修については、法人での研修計画、KFJ多摩4施設の研修計画を策定し、実施しています。特に、法人の階層別研修は階層別の「期待される職員像」をベースに構築されており、階層に期待する内容で教育が実施されています。法人の研修計画の他にKFJ多摩の4施設の研修計画も策定し、KFJ多摩独自の研究発表会も行っています。要綱については随時、見直しを図っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●人事管理の重要な要因として、法人、KFJ多摩はなみずきで、職員個別の知識・技術水準・専門資格の取得状況・研修受講履歴等を把握しています。職員は資格取得後、報告する体制となっています。新入職員については「業務管理制度」を導入し、個別に一定期間にOJTを受ける体制を整備しています。研修内容として、階層別研修、職種別研修(例えば栄養士研修や看護師研修等)、テーマ別に研修を設け、受講する機会を確保しています。また、内外の研修を問わず、研修に関する情報を提供し、対象者にはできるだけ業務等に配慮するようにしています。職員の希望により外部研修への参加の機会も確保しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●福祉サービスに関わる専門職実習生等の研修・育成に関しては事業計画の中に組み込み、実習依頼校と連携を図り、実習生を受け入れています。専門職実習生を受け入れるに当たっては資格が必要であり、実習指導者は養成研修(介護福祉士)を受講し、資格を有しています。実習は実習依頼校のカリキュラムに沿って実施し、成果につなげています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

●運営の透明性については、社会福祉法人として事業報告の開示を行い、法人ホームページ等でも情報を公開し、現在、KFJ多摩としてのホームページも整備中です。また、KFJ多摩の機関紙を発行し、建物入り口に置いて自由に持ち帰れるようにしています。地域に向けて、年1回(11月)、大きなイベントとして「KFJ多摩まつり」を開催し、地域の方を招いています。また、福祉サービス第三者評価の受審も今回が3回目であり、外部の意見を聞き、より良い組織作りに努めています。さらに、第三者委員を設置し、苦情解決についての周知と共に、玄関に苦情解決の仕組み・連絡方法等を掲示する等、運営の透明性確保に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人運営の透明性に関しては、法人及び法人系列他施設と共通で、事務・経理・取引等に関するルール・職務分掌と、権限・責任等は明確になっています。職員の誰もが内容を閲覧できるようになっており、ホームページにも掲載しています。経理に関しては、外部の会計事務所に委託し、透明性を確保しています。また、監査等での指摘も踏まえ、実情に即した経営改善への取り組みを行うよう努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●地域との交流については、法人の事業計画に「地域貢献」を盛り込み、地域との交流を大切に考えています。理念に「地域に根差した施設運営」と掲げ、交流を広げるための取り組みに努めています。利用者と共に地域のお祭りに参加し、川崎市の福祉まつりではポスターを建物の外に貼り出して地域に周知を行っています。KFJ多摩はなみずきの玄関に各種情報を掲示し、パンフレットやチラシを収納するラックを設置して工夫する等、情報提供を行っています。KFJ多摩はなみずきで製造・販売するパンは地域の利用者に販売し、交流を図っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティア受け入れについて、事業計画の中に明示し、ボランティア受け入れのマニュアルを整え、学生のインターンシップや福祉体験の受入れを行っています。体験学習では地域の小・中学校の体験学習を受け入れています。多摩区社会福祉協議会のボランティア受け入れ情報にも掲載して募っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関等との連携では、川崎市の相談支援センターと連携を図り、活用しています。連絡会も設け、定期的に情報交換を行っています。地域の関係機関・団体との連携ではケア会議等と連携し、園長等は各関係機関の会議(ケア会議、川崎市障害者施設事業協議会等)に出席し、ネットワーク化を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズの把握については、相談支援センター、多摩区社会福祉協議会、川崎市障害者福祉施設事業協会等と連携し、地域の福祉ニーズを把握しています。地域の方々とは地域の祭り時に交流をし、寄付金を行う等、良好な関係を築いています。また、稲田地区のライオンズクラブとも交流もあり、梨狩りやペットボトルのキャップ集めの協力をしてもらったり、近所のボランティア等との交流を通してニーズを把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズに基づく公益的な事業、活動では、事業計画に地域貢献の取り組みについて明文化して取り組んでいます。KFJ多摩はなみずきでは、パン製造設備を活用した地域住民等を対象にパン製造作業の体験を行い、「パサージュ多摩」の他、地域のお祭り等でパンの販売を行い、好評を得ています。また、KFJ多摩は地域被災時における二次避難所に指定されており、福祉的な支援を必要とする方等を援助し、住民の安全・安心の備えとして使命を受けています。施設内にはAEDも設置しており、必要に応じて地域の方に活用してもらえるようにしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者を尊重した福祉サービス提供について、理念は職員の行動規範であり、加えて事業計画にも組み込み、職員が理解して実践につなげられるよう取り組んでいます。福祉サービス提供に関する職員の基本姿勢として利用者を尊重した個別支援計画を作成し、サービス提供に反映させています。利用者満足度調査を実施し、より良いサービス提供を心がけ、法人の中・長期計画、KFJ多摩はなみずきの事業計画に「利用者本位」への取り組みについて取り上げ、職員は理解しています。また、年1回以上、利用者の尊重や基本的人権への配慮についてセルフチェックにて振り返りを実施し、状況の把握・評価を行い、日々のケアに役立てています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●利用者のプライバシー保護に関しては、倫理綱領に沿って配慮しています。プライバシーに関する規定(個人情報保護要綱)も定めています。利用者のプライバシーを守れるよう設備等の工夫に配慮し、アセスメント等については個室(相談室)で実施しています。更衣室に関しては、男性用、女性用を設備しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●理念や基本方針、福祉サービスの内容や福祉施設・事業所の特性等の情報は法人のホームページで提供しています。また、必要に応じてパンフレットを見学者にお渡ししています。事業計画等の経営資料は入口のカウンターに設置して自由に閲覧できるようにしています。パンフレット、重要事項説明書はルビ付きで作成し、利用希望者、説明希望者については、個別に資料と共に丁寧にわかりやすく説明するよう心がけています。体験実習については、特別支援学校卒業予定者で当事業者の利用希望において、教育の一環として実習(2週間位)を受け入れています。ケース会議には相談支援センターの担当者も参加して情報を共有しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●利用の開始・変更時にはサービスの内容に関する説明を行い、利用者の自己決定を尊重し、同意を得ています。支援計画・利用についても本人の意見を優先し、必ず同意を得ています。契約書についてはルビの付いたものを使用し、説明に際してはルビ付きの書類で分かりやすく説明を行い、同意を得て、契約書にサインをもらっています。内容は記録に残しています。作業所内で意思決定が困難な利用者は現在ありませんが、利用者への配慮についてはルール化されています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●地域・家庭・他の福祉施設への移行にあたっては、相談支援センターの相談員とサービス管理責任者が共に対応し、相談員は情報を保持すると共に相談員から伝えるようにし、福祉サービスの継続性に配慮しています。サービス利用終了後も利用者や家族等が相談できる相談窓口を設け、担当はサービス管理責任者及び園長とし、サービスの利用が終了後も利用者や家族等に対してサービス管理責任者がその後の相談に応じる場合もあります。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者満足の把握については、法人で年1回、利用者満足度調査を実施し、集計結果から満足度を把握し、課題を抽出して改善に取り組んでいます。また、日々の様子から満足度を確認するよう努めています。利用者に対しては、施設での生活や活動について検討する利用者による「みんなのまとめる会」や、各種委員会活動を通して利用者全員で守っていくよう取り決め、職員はそれらの活動を支援しています。利用者の各委員会等にファシリテーターとして職員が参加し、職員会議で報告を行い、情報の共有を図っています。アセスメントや面談結果等については、ご家族(保護者)へも報告を行っています。利用者から要望等を受けた内容については、個別に返答し、出来得る限り応えるよう努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについては「重要事項説明書」の中に、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員等の設置、苦情解決の方法の説明を明示し、利用者に向けて苦情解決の仕組みがわかりやすいように廊下に掲示しています。担当者等が変更になった場合も速やかに掲示して知らせています。「重要事項説明書」は、利用開始時に詳細を説明し、同意を得ています。また、苦情受付ボックス(投書箱)・記入用紙を設置し、苦情等の投書ができるようにしています。園長は、苦情受付と解決を図った記録を作成し、回覧をして共有化を図り、職員会議で説明及び解決の経過記録についても報告しています。受けた苦情等での重要な内容については法人のホームページに公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●利用者が相談や意見を述べやすいよう環境整備に努めています。廊下に苦情解決の方法、相談実施要領を貼り出し、相談や意見が言えることを周知しています。話しやすい環境作りとしては、食堂にソファを設置してリラックスできる空間作りや、相談室(個室)、ボランティア室を活用してプライバシーを保護するよう常に相談できる体制にしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●利用者が相談しやすいよう、職員は常に相談が受けられる態勢を心がけ、利用者がいつでも相談できる環境作りに努めています。利用者からの意見等に対しては、マニュアルを準備し、その日の内に内容を記録し、ミーティングで報告及び共有を図り、意見等に基づいてサービスの質の向上に努めています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●安心・安全な福祉サービスの提供を目的とした事故対応マニュアルがあり、リスクマネジメントに関する委員会としては、KFJ多摩4施設を総括した防災委員会を設立し、防火・災害対策を行っています。事故及びヒヤリハットのマニュアルを備え、調整会議で事故及びヒヤリハットの分析を行い、防災委員会を中心に改善策・再発防止策を検討し、結果は職員に周知しています。事故防止についてはその都度、事故報告書により状況等を確認し、再発防止につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●感染症対策については、看護師を責任者として管理体制を構築し、感染症マニュアルに沿って対策を実施しています。感染症に関する研修については、活動中に利用者が嘔吐した場合等、都度、会議の中で係る感染症等の勉強会を行うようにしています。蔓延防止に関しては、常時、利用者・職員は消毒してから業務に就くよう習慣化しています。感染症が園内で発生した場合は、マニュアルに沿って対応し、利用者の安全の確保に努めています。マニュアルは適宜、修正を心がけ、修正後は必ず園内研修を実施して共有を図っています。薬の管理については、KFJ多摩はなみずきでは自己管理が出来ることが利用条件としています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時における利用者の安全確保の取り組みでは、「消防体制」の中に定め、KFJ多摩全体の「自衛消防団」を中心に4施設間で協力し合い、消防署とも連携を図り、全体で防災訓練を定期的に実施しています。KFJ多摩防災会議(委員会)を設置し、防災計画の中にBCP(サービス提供を継続するための計画)を組み込んでいます。安否確認については、緊急用ライン(職員)、一斉メール(利用者)で対応し、メール、電話、帰宅ノート、交通手段等を整備し、一斉メールの訓練も実施しています。また、周辺は多摩川の水害の可能性のある地域でもあり、水害時の垂直避難訓練も行い、二次避難所(KFJ多摩)として多摩区の二次避難所の連絡会を年1回行っています。災害用の備蓄については、KFJ多摩全体で保管し、備蓄品は3階に設備するよう検討しています。台風警報等の対策として、遠距離通勤の職員には休み等の配慮を行う検討もしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

●提供する福祉サービスについては、契約書に運営要綱、1日の流れを明記し、事業計画に沿ってサービスを提供しています。権利擁護については理念で周知し、必要に応じてマニュアルに明記しています。個別の支援計画は半年ごとに見直しを行い、業務におけるPDCAの構築が出来ています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●標準的な実施方法の見直しについては、年1回見直しを実施し、定期的な利用者満足度調査の結果において見直しに必要な案件が生じた場合は職員全体で検討を図り、反映するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●個別支援計画の作成については、作成責任者をサービス管理責任者とし、個別面談を含めて実施しています。個別支援計画は利用者一人ひとりの具体的なニーズを明示し、ご家族の同意(サイン)を得、半年ごとに見直しを行い、策定及び見直しに応じて個別支援計画策定会議を実施しています。さらに、モニタリングを実施して計画に沿って福祉サービスが提供できていることを確認しています。支援困難ケースへの対応については、相談支援センターに相談できる体制を整え、助言等を支援に生かしています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●個別支援計画の見直しは、モニタリングを行い、適切なアセスメントを実施しています。個々の障害特性に応じた個別支援計画は、「クレヨン」(ソフトウェア)を活用して作成し、共有化を図っています。指導計画には課題、ニーズを記載して全職員で共有しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●個別支援計画、記録管理業務は「クレヨン」(ソフトウェア)で管理しています。データー記録は業務前に各職員が確認し、業務に就く体制とし、ケース記録に関しては職員が記録し、全職員が見られる体制となっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●個人情報保護規程を備え、利用者の記録の保管・保存・廃棄・情報の提供に関して定め、記録等の管理責任者は園長とし、個人情報の不適正な利用や漏洩禁止等について規定で徹底を図っています。また、個人情報保護の観点から、職員に対して教育・研修を行い、周知徹底をしています。個人情報保護の基本として、各職員自身の記録に関しては自由閲覧ができることを利用者、保護者等に周知しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者の自己決定、エンパワメントについて、KFJ多摩はなみずきは、利用者本人の意向・自己決定を尊重し、個別支援計画策定に当たっては利用者一人ひとりに意向や意思、要望等を確認し、作業についても本人の希望を聞いています。ています。利用者の「みんなのまとめる会」では月ごとの目標を立て、委員会活動は職員がファシリテーター役としてサポートしながらバスハイク等についても利用者間で決めています。昼休みには、利用者は食堂で寛いでいます。パンの製造については、作業工程をより細分化を図り、利用者の関われる範囲を増やし、工場内の限られた人数制限にも交代して作業に入るよう工夫しています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

●権利侵害の防止と早期発見については、支援職員が常に気付くよう心がけ、話を聞くことを大切にし、利用者に相談・困ったことがある時はいつでも相談できることを伝えています。権利擁護委員会を法人内に設置し、虐待防止について定期的に各職員がセルフチェックを行い、権利擁護を念頭にした業務改善について話し合い、調整会議で検討及び展開しています。身体拘束の禁止に関してはマニュアルの中に具体的な手続と実施方法等を決めた条項を定めていますが、これまで実例はありません。園長は、利用者との同意で解決できない事例がある場合は職員に申し出るよう伝え、聞き取りを行うこともあります。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●一人ひとりの自律・自立に配慮した個別支援を行い、社会生活全般を踏まえてアセスメントの中で就労支援活動等の働きかけや、生活上の行為の見守り行い、状況に応じて相談支援センターの相談員やグループホームの管理者と共に就労支援活動の支援も行っています。KFJ多摩はなみずきの利用者の半分位はグループホームでの生活者ですが、利用者一人ひとりの幸福な生活を願い、サポートに尽力しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の心身の状況に応じたコミュニケーションの工夫では、個々の特性を考慮し、コミュニケーションを苦手とする利用者には個別に対応し、意思表示や伝達が困難な利用者にも「言いたいことが言えること」が大切と考え、コミュニケーション能力を高めるために、例えば、パンの販売を通して接客の機会を作るよう支援に努めています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●KFJ多摩はなみずきでは、利用者が職員に話したいことを話せる機会を個別に設けています。個別支援計画策定では利用者一人ひとりと面談してアセスメントを行い、本人の意思や要望を確認し、朝の会・帰りの会、日常を通して利用者の話を聞くよう心がけています。また、人と話せる体験活動の紹介も行っています。利用者からの相談内容は、「クレヨン」(ソフトウェア)に記録し、職員間で情報を共有しています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

●個別支援計画の作業プログラムについては、施設が選定するケースと、利用者本人で選択するケースがあり、午前、午後に区切って多様化を図っています。1日のプログラムは休憩を挟みながらほぼ作業とし、日中のレクリエーション活動については「おたのしみ会」やハイキング等を実施しています。季節行事では、「おたのしみ会」を実行委員会で企画して利用者が参画する等、利用者が楽しめる場を支援しています。KFJ多摩まつり等には利用者も参加しています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員は、障害に関する専門知識の習得に力を入れ、内外の研修に参加する他、自主的な研修にも力を入れて取り組んでいます。外部研修では川崎市社会福祉協議会、川崎市障害福祉施設事業協会が主催する研修や権利擁護の研修等に参加しています。また、グループホームや相談支援センターと行動障害等の対応について相談・助言を受けて支援に生かしています。利用者個々の障害に関しては日々職員間で話し合い、支援方法を共有して個別に適切なケアに努めています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●KFJ多摩はなみずきでは、利用者の心身の状況に応じて食事の提供と支援等を行っています。食事の提供については、美味しく・目新しく・利用者が興味を持って食べられるよう献立の工夫を行い、月に1回は選択メニューを提供し、行事メニューも取り入れて食の楽しみにつなげています。食事では検食者を配置し、利用者の意見を反映させています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

●KFJ多摩はなみずきは入所施設ではなく、作業支援が主になった就労継続支援B型の事業所です。KFJ多摩はなみずきでは、5S活動を推進し、毎日作業終了後は職員と一緒に施設内の清掃を行い、館内は清掃が行き届き、作業室も明るく衛生的です。昼休憩は作業までの間の休養の時間とし、思い思いに過ごしています。職員と1対1で話したい時には相談室等を利用して話せるようにしています。生活環境について、利用者の意向は年1回の利用者アンケートや「みんなのまとめる会」で聞き、意向を反映させて環境整備に努めています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の心身の状況に応じた生活訓練については、必要な利用には作業中の姿勢(バランス維持)や歯磨きの見守り等を行っていますが、機能訓練自体は特に行っていません。定期的にモニタリングを行い、支援の検討・見直しを図っています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●定期的に嘱託医の診察及び健康診断を行い、日々、利用者の健康状態を把握し、体調変化時には迅速な対応を心がけています。KFJ多摩はなみずきは入所施設ではないので、食事・排泄等のサービス支援を行い、必要に応じて対応しています。利用者一人ひとりの健康状態は、家族、関係機関と共有して服薬や休憩等の必要な配慮を行い、日々の入浴、洗髪、爪切り等も確認しています。毎朝、バイタルチェックを行い、健康の維持の為にラジオ体操も継続して行っています。利用者調査から、健康管理に関して事業所に対して安心感を得ています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

●医療的な支援については、健康で通所できることが利用の前提であるため、医療的なサポートは看護師が医療行為以外で行い、職員は看護師の指導の下、出来る得ることをサポートしています。医療的なケアを行う場面は日常的にはありませんが、必要に応じて医師の指導の下、看護師が医療機関への連絡、与薬、持病等の管理を行うこともあります。食物アレルギーを持つ利用者には、医師の指示に従って除去食の対応を行っています。また、通所中に問題があった場合は、「クレヨン」(ソフトウェア)に記載し職員間で共有しています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●KFJ多摩はなみずきでは、就労支援として様々な就労体験活動について情報の提供を行い、利用者の希望に応じて参加申込みや各機関との調整を行い、就労体験の機会を提供しています。また、就労支援センターの登録者については、就労の支援をサポートすることもあります。社会参加のための情報や学習に関しては、通所の施設であり、通所利用時以外は自由であり外泊、学習支援の支援は行っていません。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●就労継続支援B型の狙いに沿い、社会生活力と地域生活への移行や地域生活の意欲を高めるための支援や工夫を行っています。地域生活への移行や生活については、利用者の意思や希望、・題等を把握し、具体的な生活への配慮や支援を個別支援計画に組み込み、行政(区役所の高齢障害課他)、支援センター、グループホーム等と連携を図り、支援に努めています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●ご家族等との交流については、連絡帳、電話,面談等で情報共有を図り、連絡帳に家族からコメントがあれば必ず回答するようにしています。定期的にアセスメントを行い、個別支援計画策定時には家族にも参加してもらっています。事業報告会では制度の変更等の情報について説明を行い、KFJ多摩祭りには利用者及び家族も参加してもらっています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

●発達障害児はいないため、非該当です。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●川崎市障害福祉施設事業協会の就労支援部会のしごとセンター等と連携を図っています。川崎市中部就労援助センターに登録している利用者もあり、就労支援活動を行っています。利用者の仕事の希望はデスクワークが多く、仕事の依頼では喫茶店の手伝いや商品の製造・販売等もありますが製造、清掃が中心であり、希望職種の需要は少ない状況です。就労体験では、外部施設の清掃活動や市内社会福祉施設の喫茶の実務に参加しています。就労体験は地域の協力が必要であり、施設では関係維持に努め、支援に努めています。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

●仕事時間、内容・工程等については、利用者が選択できるよう多様な仕事の内容、工程等に工夫し、作業も午前と午後で異なる作業を選択できるようにし、食堂を含む複数の作業所内でも数種の作業ができるように提供しています。また、パンの製造工程も細分化し、作業能力に応じた参加ができるようにする等、利用者が職種を選択できるよう工夫に努めています。年2回、工賃の評価を実施し、利用者にはわかりやすく説明を行い、適正に支払っています。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職場や受注先の開拓については就労担当者を中心に実施し、川崎市中部就労援助センターと協力する等、職場や受注先の開拓に努めています。5S推進での整理整頓については、様々な道具の置き場所を利用者の作業に特化して使いやすく且つ、間違えにくい場所を設定して配置しています。就労ではマッチングを行い、1ヶ月間実習を行い、他の職場実習も経験した上で採用のステップを踏むようにしています。法人が経営する特別養護老人ホームでの清掃の仕事では、全体の掃除に1名の利用者が就労し、仕事の高好評を得、現在2人目の実習が予定されています。利用者の一般就労、離職者の受入れの実績はありません。KFJ多摩はなみずきの問題点として、施設での生活が快適であり、利用者本人、保護者もKFJ多摩はなみずきに通所することで満足感を得、就労の意欲が希薄な様子が見受けられます。新規の利用枠、高齢化については課題として取り組みが期待されます。