社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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KFJ多摩はなもも

2020年01月23日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 KFJ多摩はなもも 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 40 名
所在地 214-0014
川崎市多摩区登戸2249-1
TEL 044-930-3431 ホームページ http://www.kfjtama.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:18 名
非常勤職員:5 名
専門職員
社会福祉士:4 名
介護福祉士:5 名
精神保健衛生士:2 名
看護師:1 名
管理栄養士:1 名
介護職員初任者研修:8 名
施設・設備の概要
居室:支援員室
居室:配膳室
居室:作業室
居室:シャワー室
居室:EVホール
居室:玄関ホール
居室:食堂

③ 理念・基本方針
<理念>

●充実した質の高いサービスの提供
●地域に根差した施設運営
●人材の確保・定着・育成
●法人の経営基盤の整備

<KJF多摩はなももの基本方針>

●法人の基本理念に基づき職員規範を遵守する。
●権利擁護の意識を向上させ、利用者の立場に立ち、個人の意思や人格を尊重した支援を行う。
●利用者の自己選択・自己決定を促すため、意思決定支援に重点をおき支援を展開する。
●第三者評価の結果を受け、支援の振り返りを行い、改善課題を明確化し、サービスの質の向上のための取り組みに生かす。


④ 施設・事業所の特徴的な取組
●KFJ多摩はなももは、小田急電鉄・JRの利用により、登戸駅から徒歩10分程度であり、地理的には小田急線登戸駅と向ヶ丘遊園駅との北側の中間地点に位置しています。多摩区役所はやや向ヶ丘遊園駅寄りですが、多摩区の行政の中心地として発展が期待される地域です。現在、駅周辺の再開発が急ピッチに進められており、道路も道幅を拡大して幹線道路を建設中であり、数年を待たずして大きく様変わりすることは確実です。KFJ多摩はなももは、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以降、法人という)独自の専用ビル(KFJ多摩)を有し、この生活介護事業所「はなもも」の他、就労継続支援B型事業所「はなみずき」、認可保育所「なのはな保育園」、児童館「すかいきっず」が同居する複合福祉施設であり、複合施設としての利点を生かし、法人系列の地域の他施設との事業連携、利用者同士の交流活動等に積極的に取り組んでいます。さらに、近隣小学校の福祉学習への協力や地域の清掃活動への参加を通じて地域との協働活動及び、地域貢献に取り組んでいます。KFJ多摩はなももでは、理念、基本方針に沿い、支援に対する職務への意識・行動の様式を定めた職員行動規範を定めており、職員行動規範は会議室、事務室他に職員が常に目の付くところに掲げ、定めに沿った支援を丁寧に提供するよう全職員で心がけています。併せて、目標管理・業務管理制度に取り組み、職員一人ひとりの目標を設定し、「目標管理シート」にて自己管理を行い、シートに沿って上長と面談を行い、自己統制のマネジメント力の向上を図る等、実施と体制のバランスの確立に努めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/07/24(契約日) ~2020/01/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2013年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【地域との交流・取り組み】
●地域に根差した施設運営について、所長は、年頭に機関誌「はな*はな」等を通して理念に沿って「地域」に向けた意識付けの挨拶を行い、地域との連係に力を入れています。具体的には地域の小学校との協働の清掃活動や、小学生とのボッチャ(皮製のボールでのターゲットゲーム(パラリンピック正式競技))大会などでの交流、地域の小学校の体験学習の受け入れ、養護学校卒業予定者の利用体験実習の受け入れ、また、KFJ多摩まつりや地域イベントへの参加等に「はなもも」のみならず、KFJ多摩全体で取り組み、地域との協働に取り組んでいます。

2.【利用者への「勉強会」の工夫・成果】
●KFJ多摩はなももでは、利用者に対して社会生活を意識した「勉強会」を実施しています。特に理解と定着が難しいボタンの掛け違いや衣服等の汚れ等の整容については、気を付けるべき点を強調したり、視覚的にわかりやすい画像を活用して行い、参加の回数を増やして実施した結果、「勉強会」を意識して行動する人や、「勉強会でやった」と発言する利用者も増え、内容の工夫次第で着実に学びが進むことが確認されました。今後も継続して「勉強会」を繰り返し取り組んで行く予定であり、さらに着実な成果が期待されます。

3.【支援の工夫】
●KFJ多摩はなももは、生活介護利用者を中心とした個々の特性に応じて「Aグループ」と「Bグループ」に分けて利用者一人ひとりに合った支援に努めています。Bグループでは、比較的発信力が苦手な利用者の方が多く、苦手なことや問題行動に着眼するのではなく、利用者一人ひとりのストレングスを伸ばすことを方針として、支援に取り組んでいます。Bグループの利用者の特性を踏まえ、日常生活、レクリエーション、ビーズ作り、チラシ配布等、具体的な36項目にわたる「ストレングス・チェックシート」を作成し、利用者個々の得意なストレングスを見極め、一人ひとりの強みを生かし、実践支援に取り組んでいます。取り組みの結果、利用者自身で選んだレクリエーションを楽しむ等、良い成果が見られています。今後も継続して利用者それぞれのストレングスを伸ばす支援に取り組む予定であり、利用者の喜びにもつながっています。
改善を求められる点 1. 【従業員満足の取り組みについて】
●職員の確保、育成、退職の防止は障害分野に止まらず、福祉業界全体の大きな課題として体制を検討して行く必要が求められています。特に、職務が担うべき意義の伝承や、チームとして持たらされる魅力が必要です。KFJ多摩はなももでは「求める職員像」を明確にし、魅力ある職務とするためのES(employee satisfaction従業員満足度)を向上させることを経営課題として掲げ、取り組んでいます。ESにおいて、業務内容(仕事内容・人事評価・やりがい)、職場環境(報酬・就労条件・福利厚生)、人間関係(上司・同僚・部下)等の満足度により、「ESなくしてCSなし」と言われるよう、ESはCSと深く関連しています。全職員が万全の健康状態でモチベーション高く仕事に取り組むことで業務の質が上がり、より良いサービスを利用者に届けることができます。CSとESの相互向上のため、業務生産性の向上(ES)を図り、事業所内連携の強化につなげ、組織力の向上によりCSにつなぐべく組織内の好循環が図られるようさらなる努力を期待しています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名  KFJ多摩はなもも
施設長名 松岡 景子

≪第三者評価を受審した感想≫

 着任初年度に受審できたことは、施設の強みと弱点を知ることができ、非常に好運だった。職員による自己評価は、それぞれが抱いている課題や不満足感が表れていると思うので、重要度・緊急度に照らし、職員全体の合議を取りながら優先順位をつけ、施設全体で取り組むべき課題解決として共有していく。
また、支援員として日常努力していることについての評価はなかなか得にくい。第三者からの視点で強みや誇れる点を明確にしてもらい、達成感や満足感を持つことで、これからの弱点の克服への意欲につながると思う。

≪評価後取り組んだ事として≫

1.施設の強みの確認と共有
2.課題の整理、計画
3.具体的な取り組みのための役割分担

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●法人として理念4項目、基本方針4項目を定め、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以降、法人という)が運営する全施設で共通展開を図っています。法人全体で理念の中で特に力を入れている項目に、「自己選択」、「自己決定」を推進しており、KJF多摩はなももでは、事業が「生活介護」中心であり、難しい面もありながらも工夫しながら推進を図っています。職員に対しては、理念等について年頭や節目々の会議で再確認するようにし、理念・方針に沿って「KFJ多摩」として定めた行動規範も併せて掲示し、周知しています。利用者家族に対しては毎年、事業報告会を開催し、前年度の報告を行うと共に、今年度の計画と併せて理念等を話し、確認及び理解を促しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●事業の動向については、NPO法人 川崎市障害福祉施設事業協会に加入し、特に障害分野に関しての情報交換を図り、業界の動向等も把握しています。また、法人では福祉の多方面の事業所を運営しており、障害に限らず、高齢、児童等の他分野の情報も法人内の施設長会議等で得ることができます。毎月の収支のバランス、人材の確保、福利厚生、有給休暇の取得状況等についてはデーター化され、パソコンで共有できる体制を構築し、職員会議、調整会議等で前年比、前月比等を含めて報告しています。また、労働基準監督署の指導を受け、残業申請を行う体制の定着を図り、時間内で仕事が終えられるよう各職員へ時間管理の喚起を行っています。相談支援センターとは密に連携を図り、支援に生かしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●経営環境等の課題については、財務・人事・組織について全社的に中・長期計画等で課題を抽出し、話し合っています。KFJ多摩はなももでは、法人で定めた中・長期計画に基づき、人事、ビジョン(3年~5年レンジ)、課題を抽出して独自の計画を作成しています。法人の改善すべき課題については、職員会議で職員に説明及び周知し、事業計画の中に組み入れて立案し、実施しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期的なビジョンについては、法人で10年間の中・長期計画(令和1年度~令和10年度)を立案して1年目の年度でもあり、法人内にプロジェクトチームを立ち上げて計画策定の実効に取り組んでいます。KFJ多摩はなももでもビジョンを策定し、全事業所とのビジョンと足並みをそろえて推進して行くよう取り組んでいます。数値目標の設定については、具体的な設定は困難でもあり、ゴールの日程、途中での達成状況の進捗日程等を設定して進捗管理を進めて行く方針としています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期計画に沿い、単年度の事業計画を策定し、法人へ提出を行い、経営計画、人員計画等も併せて検討の上、承認を得ています。事業計画については前年度の事業報告を踏まえ、重点目標の達成状況、実施事業の実施状況や、地域関係の取り組みについて特に、地域交流や地域貢献について報告し、次年度の事業計画に反省を組み込み、方針と今年度の重点目標を策定する等、具体的に検討を図り、実施につなげています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画策定のプロセスでは、1つの流れとして全社的な事業計画に沿った各事業所の展開による方針と、もう1つのプロセスは、KFJ多摩はなももの各職員・チームで積み上げていく流れがあります。全社的な事業計画の展開については、職員会議等で下ろした内容を各職員、チームでの計画に反映し、それらをまとめて事業計画に組み上げています。職員一人ひとりが今年度の目標達成計画を作成し、所長の承認を経て年度目標として取り組みます。チーム目標では、チームメンバーで計画を作成し、1年間の目標として取り組みます。年度末(2月)にはKFJ多摩全体での「研修発表会」があり、事業計画に沿った課題の取り組みについて発表しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画に関して、ご家族に対しては年4回(概ね4月、7月、10月、1月)、事業報告を行い、丁寧に進捗等を説明しています。福祉行政に関して、一般の方には手掛かりが掴めにくい面がある等を考慮して開催数を多く設け、ご家族に配慮しています。利用者については、個別に質問に答える体制で進めてきましたが、整容について「勉強会」を実施したところ、「勉強会でやった」と発言する利用者も増え、内容を検討しながら「勉強会」を通して理解が進む可能性を得、今後継続して工夫を進めて行きます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

●福祉サービスの質の向上については、職員一人ひとりの年間目標を設定し、目標達成について目標管理シートを作成し、上長と面接を行い、組織的にPDCAサイクルに基づく福祉サービスの質の向上への取り組みを実践しています。福祉サービスの内容については、組織的にCheck(面接の実施)体制を整え、職員の質の向上に努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●課題の抽出については、目標管理シートを基に面接の実施や、記録管理システム「クレヨン」(ソフトウェア)を活用した支援計画等の分析、年1回の利用者満足度調査により重点目標の進捗と課題の抽出を行い、職員会議で気付いた点を職員間で述べ合い、課題の発見に取り組んでいます。課題抽出後は、解決策を話し合い、記録に残して今後の課題解決に役立てるようにしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長の権限と職務については、大枠では施設の運営規定に明文化され、詳細は職務分掌表に明示しています。KFJ多摩はなももの園長は、KFJ多摩の所長でもあり、KFJ多摩の4事業所(ビル1F:なのはな保育園、2F:はなもも(生活介護)、3F:はなみずき(就労継続支援B型)、4F:すかいきっず(児童館))の統括業務を担い、KFJ多摩全体で行うイベント等も責務としています。新規赴任に際し、職員に対しては機関誌「はな*はな」で意向を表明しています。また、平時及び有事の際の不在時の権限委任等については周知を図り、防災マニュアル内にも記載しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●遵守すべき法令等の前提として、KFJ多摩はなももとして「倫理綱領」を設け、倫理について全職員へ周知を図っています。また、法人の事務局長通達による「社会規範について」、「管理・運営について」、「内部統制について」の文書を受け、それらに従って運営を進めています。職員の賞罰については、就業規則に詳細に記して示しています。関連法令に関しては必要に応じて検討し、遵守するようにしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●職員のサービスの質の向上に関しては毎年、職員のセルフチェックを継続して実施し、職員面接により確認し、幹部の調整会議でも内容を確認しています。園長は、サービスの質の向上に向けて、委員会やプロジェクトチームを設けて推進を図り、今年度は事業計画に重点項目を取り上げて展開を図る等、指導力を発揮しています。利用者については、特性・能力等によりAグループとBグループに分け、作業ができるAグループは生産・製作目標を立てて継続して取り組み、Bグループについては、毎日の活動内容に対してやる気や、面白い・やってみたい、と思えるよう個々のスキルを見つけ、一人ひとりの強み(ストレングス)を発見し、それらに沿った活動であるよう取り組んでいます。ストレングスの発見を含めた職員のサポート力については毎月の会議で確認し合い、園内研修も実施しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●園長は、人事、労務、財務等の状況を法人の担当職員と連携を取りながら最善の体制で取り組めるよう、改善を含めた業務の効率化に向けて取り組んでいます。特に、人材管理については働きやすい職場環境の整備に意欲的に取り組み、事業計画やグループ計画に組み入れて進めています。園長は、サービス管理責任者には福祉サービスのまとめ役として、また個々の職員・利用者への配慮等、周囲からの信頼に応えられるよう、従来の研修の他、権利擁護に関する研修にも参加を促しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●必要な福祉人材の確保、定着に関する具体的な計画は、法人で「人材定着計画」を作成し、中期計画に組み込み、人材育成プログラムも整備しています。しかし、福祉業界の人材不足の実態を踏まえ、色々な施策に取り組んでいますが十分とは言えません。施策として、正規職員の場合には資格取得が給与に反映する等の配慮の他、人材を活かす施策の実施や、定年を70歳までにする等、ESに力を入れるようにしています。今後も要員を確保する取り組みを持続し、人材の確保に努めて行きます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●総合的な人事体制については前述のように、同一業務・同一賃金の考え方や、キャリアパスを活用した処遇改善体制の構築等を検討するプロジェクトチームを設定し、集約を進めています。人事考課に関しては「人事考課ガイドブック」の中に「期待される職員像」を階層別に明示し、昇給、昇格と併せて勤続5年を経過したら異動対象となる旨も記しています。人事管理制度は充実しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員のシフト等については園長の管轄とし、月・日の単位で計画を立てています。年休、代休の取得率等はデーダーで把握及び検討を図り、偏りのないようシフトの作成を心がけています。しかし、リーダー職員に負荷がかかりがちになる面は否めない状況ではあります。園長は、職員の意識を教化し、終業後は速やかに帰宅するよう促しています。また、目標管理・人事考課時に職員との個別面談を実施し、その中で職員一人ひとりの話を聞くよう配慮しています。福利厚生として健康診断やストレスチェックが受けられ、ストレスチェック結果は本人のみに知らされ、会社に知られずに診断を受けることを可能にしています。さらに、法人に産業医を配置し、園長も親身に相談に応じる等、職員の心身のケアに配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●目標管理を取り入れ、目標管理シートに個人の目標を定め、目標管理シートに沿って上長との面談の中で個々の目標をコミットし、年間で達成できるよう定期的に途中経過を確認し合いながら進めています。10月頃に目標の進捗チェックを行い、必要に応じて助言・指導を行いながら修正計画を立てて進めています。また、個別面談は人事考課に連動させています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●職員の研修については、法人での研修計画、KFJ多摩としての研修計画、KFJ多摩はなもも独自の研修計画を策定し、実施しています。特に、法人での研修は階層別に計画されており、資格取得と連動して昇給に反映されています。階層別研修は、階層別の「期待される職員像」をベースに構築され、階層に期待する内容で育成につなげています。カリキュラム及び研修の内容は、定期的に見直しを図っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●人事管理の重要な要因として、法人、KFJ多摩はなももで、職員個別の知識・技術水準・専門資格の取得状況・研修受講履歴等を把握しています。新入職員については「業務管理制度」を導入し、個別に一定期間にOJTを受ける体制を整備しています。研修内容として、階層別研修、職種別研修(例えば栄養士研修や看護師研修等)、テーマ別に研修を設け、受講する機会を確保しています。また、内外の研修を問わず、昇格・昇給に係る研修もあり、対象者にはできるだけ業務等に配慮するようにしています。利用者のAグループ、Bグループのリーダー職員には、昇格・昇給に係る外部研修の受講を促しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生の受け入れについては、受け入れマニュアルを用意しています。現状では、保育・介護等、実習指導者の資格を要さない実習を定期的に受け入れています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●運営の透明性については、社会福祉法人として事業報告の開示を行い、ホームページ等でも情報を公開しています。地域に向けて、年1回(11月)、「KFJ多摩まつり」に地域の方々を招き、大きなイベントとして開催し、所長として挨拶を行い、交流及び情報、理解を促す機会にしています。また、福祉サービス第三者評価の受審も今回が3回目であり、外部の意見を聞き、より良い組織作りに努めています。さらに、第三者委員を設置し、苦情解決についての周知と共に、玄関に苦情解決の仕組み・連絡方法等を掲示する等、運営の透明性確保に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人運営の透明性に関しては、法人及び法人系列他施設と共通で、事務・経理・取引等に関するルール・職務分掌と、権限・責任等は明確になっています。職員の誰もが内容を閲覧できるようになっており、ホームページにも掲載しています。経理に関しては、外部の会計事務所に委託し、透明性を確保しています。また、監査等での指摘も踏まえ、実情に即した経営改善への取り組みを行うよう努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●所長として、地域との交流を大切に考え、理念に「地域に根差した施設運営」と掲げ、交流を広げるための取り組みを積極的に展開し、職員の意識を促し、指導に努めています。利用者にも地域情報を提供するようにし、利用者と共に地域のお祭りに参加し、川崎市の福祉まつりではポスターを建物の外に貼り出して地域に周知を行い、多摩区ふれあい祭り・パサージュ多摩では自主製品の販売も行っています。地域の小学校とは「ボッチャ」や清掃を通して交流があり、「ボッチャ」は地域の子ども達と「すかいきっず」(児童館)で一緒に活動することもあります。ライオンズクラブとはペットボトルキャップの収集活動を行い、表彰を受けています。KFJ多摩の4階の「すかいきっず」(児童館)でも地域の方との交流を大切にし、活動等で交流を図っています。利用者は、近所の商店街に職員と一緒に買い物に出かけ、地域の方、商店の方々と交流をしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティア受け入れのマニュアルを整え、守秘義務、プライバシー保護の項目を定め、ボランティアに周知し、マニュアルに沿って行動してもらうよう事前に説明しています。利用者Bグループで作成したマニュアルには「地域交流」を記載しています。ボランティアは、多摩区社会福祉協議会のボランティア委員に希望を伝え、施設に合ったボランティアの紹介をしてもらっています。また、近隣の登戸小学校の他、カリタス学園の奉仕活動の受け入れや、地域の中学校の体験学習を受け入れ、登戸小学校とは福祉学習で「ボッチャ」を行ったり、交流として清掃活動を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関等との連携では、相談支援センターと密に連携を図り、連絡会も設け、定期的に情報交換を行っています。多摩区社会福祉協議会とはボランティア委員会と連携し、赤い羽根に協力を行い、川崎市障害者福祉施設事業協会とは2か月に1回打合せの機会を設け、川崎市の担当職員とも交流を図っています。また、常時連絡先として(相談支援センターや病院等)の社会資源等については川崎市発行の「ふれあい」を常備して活用しています。法人が運営する障害者施設とのネットワークでは、OT、PT、ST等の職員も多く配置されているため、互いに交流して助け合っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズを把握については、相談支援センター、多摩区社会福祉協議会、障害者施設協議会等と連携し、地域の福祉ニーズを把握しています。地域の方々とは地域の祭り時に交流をし、寄付金を行う等、良好な関係を築いています。また、稲田地区のライオンズクラブとも交流もあり、梨狩りやペットボトルのキャップ集めの協力をしてもらったり、近所のボランティアからはお花、歌、読み聞かせ等をしてもらう等、交流を通してニーズを把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズに基づく公益的な事業、活動では、登戸小学校との福祉学習、交流清掃活動を行い、「ボッチャ」や清掃活動は年間計画に入れて取り組んでいます。また、障害者相談を受け付け、問い合わせ相談への回答の他、相談支援センターの紹介も行っています。さらに、川崎再発見対隊による「川崎、再発見」という活動にも参加し、福祉まつり等では地域の福祉施設の紹介を行っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者を尊重した福祉サービス提供について、理念は職員の行動規範であり、加えてKFJ多摩はなももの「倫理綱領」を基に規程等を策定し、職員が理解して実践につなげられるよう取り組んでいます。福祉サービス提供に関する職員の基本姿勢として利用者を尊重した支援計画を作成し、サービス提供に反映させています。新入職員に対しては、具体的な業務の場面集を作成し、事例を示して教育をしています。KFJ多摩はなももでは、「権利擁護委員会」を設け、2か月に1回開催(検討)し、検討内容は普段のケアに反映させ、年2回、セルフチェックによる事例検討を実施し、振り返る活動を行っています。結果内容は職員会議等で周知し、日々のケアに役立てています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●利用者のプライバシー保護に関しては、権利擁護委員会での実施や倫理綱領に沿って十分配慮しています。特に、排泄での場面に際しては利用者のプライバシーを侵すことは絶対に無いよう心がけています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●事業所のパンフレット、KFJ多摩のパンフレットは、KFJ多摩はなもも入口の玄関に置いて自由に閲覧できるようにし、相談支援センターにもパンフレットを設置して不特定の方に情報を提供しています。パンフレットはルビ付きで作成し、誰もが読めるようにしています。利用希望者に対しては、施設見学を随時受け付け、個別に丁寧に説明するようにしています。体験実習については、特別支援学校卒業予定者で当事業者の利用希望において、教育の一環として実習を受け入れています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●利用の開始・変更時にはサービスの内容に関する説明を行い、利用者の自己決定を尊重し、同意を得ています。支援内容の変更時の支援計画の変更については、必ず説明を行い、費用の変更等についても説明し、利用者に同意を得ています。説明に際しては、ルビ付きの書類で分かりやすく説明を行い、内容は記録に残しています。作業では、発語の難しい方や言葉が思い出し難い方へは要求の多い場面(トイレ等)を絵で示し、指を指して意思を表せるよう工夫し、配慮しています。また、利用者への伝え方については、支援職員間でルール化を図って共有し、利用者の混乱を軽減するよう工夫に努めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●サービスの内容を変更する場合には、これまでの内容が変更することにより利用者の不利益にならないよう配慮し、特に、6か月ごとの支援計画の変更時には留意しています。地域・家庭・他の福祉施設への移行にあたっては、相談支援センターの相談員と共に対応し、相談員は情報を保持すると共に相談員から伝えるようにし、福祉サービスの継続性に配慮しています。サービス利用終了後も利用者や家族等が相談できる相談窓口を設け、担当はサービス管理者とし、利用者に相談方法や担当者について事前に説明しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者満足の把握については、法人で年1回、利用者満足度調査を実施し、集計結果から満足度を把握し、課題を抽出して改善に取り組んでいます。利用者に対しては、半年に1回、面談を行い、満足の様子を確認しています。面談は、サービス管理者・ケース担当者が対応し、必要に応じて相談支援センターの相談員も立ち会う場合もあります。面談の分析結果等については、ご家族へ報告を行い、要望等の内容については事業報告会で報告しています。利用者から要望等を受けた内容については、個別に返答し、出来得る限り応えるよう努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについては「重要事項説明書」の中に、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員等の設置、苦情解決の方法を明示し、苦情解決の仕組みがわかりやすいように書面でロビーにも掲示しています。「重要事項説明書」は、利用開始時に詳細を説明し、同意を得ています。また、苦情受付ボックス(投書箱)・用紙を事務所前に設置し、苦情等の投書ができるようにしています。苦情等の投書を受けた場合は、個別(氏名記載の場合)に必ず返答を行い、受けた苦情等は法人のホームページに公表するようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●利用者が相談や意見を述べやすいよう環境整備に努め、事務所の入り口(廊下)に「悩みがあったら話に来て」と、気軽に話せることをお知らせし、相談や意見が言えることを周知しています。話しやすい環境作りとしては、廊下にソファを設置してリラックスできる空間作りや、会議室や医務室を活用してプライバシーを保護する等、環境を整えています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●サービス提供の場面において利用者が相談しやすいよう、職員は常に相談が受けられる態勢作りを心がけています。年1回、マニュアルを確認し、職員間で共通認識を図り、組織的に対応できるよう体制を整えています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●リスクマネジメントに関しては、法人・事業所双方で体制を整え、リスクマネジメント委員会は設けていませんが、「調整会議」(KFJ多摩はなももの幹部会議)においてリスクマネジメント委員会の役割を担っています。事故及びヒヤリハットについてのマニュアルを完備し、調整会議で事故及びヒヤリハットの分析を行い、改善策・再発防止策を検討し、結果は職員に周知しています。ヒヤリハットは月ごとにデーターにて集計を図り、実態を確認し、事故については、事故報告書により事例検討を行い、状況等を共有し、再発防止につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●感染症対策については、責任者を看護師として管理体制を構築し、感染症マニュアルを完備し、看護師を中心に園内研修を行う等、感染症に関する知識を深めています。感染症マニュアルでは、感染症発生時の対応について、利用者が37.5℃以上の熱がある場合は通所を控えてもらい、職員も同様に出勤を禁止とし、蔓延防止に努めています。感染症情報は、川崎市から入手し、1階のなのはな保育園からの情報や、地域の小学校等の情報を的確に把握し、蔓延を最小限に止めるよう事前に心がけ、利用者の安全の確保に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時における利用者の安全確保の取り組みでは、「消防体制」の中に定め、KFJ多摩全体の「自衛消防団」を中心に4施設間で協力し合い、消防署とも連携を図り、全体で防災訓練を実施しています。防災計画の中には、BCP(サービス提供を継続するための計画)を組み込んでいます。安否確認については、「自衛消防団」の団長である所長に収集される体制を構築し、所長不在時は所長補佐が指揮を執る体制を整備しています。周辺は多摩川の水害の可能性のある地域でもあり、水害は建物2階までと想定される為、備蓄品類は3階に設備するよう検討しています。また、台風警報等の対策として、遠距離通勤の職員には休み等の配慮を行う検討もしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

●提供する福祉サービスについては、日常業務としてマニュアル化されています。プライバシーの保護・権利擁護については理念で周知し、必要に応じてマニュアルに明記しています。標準的な実施方法については、基本的にはOJTで指導を行い、利用者のAグループ・Bグループの動きを確認及び把握し、個別の支援計画は半年ごとに見直しをして職員間で共有しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●標準的な実施方法(マニュアル等)の見直しについては、年1回見直しを実施し、伴って利用者の個別支援計画に関する見直しの案件が生じた場合は検討し、反映するようにしています。また、職員会議等や職員から出た意見を吸い上げ、検討の上、反映させるようにしています。利用者Aグループ、Bグループの活動内容についても年度末に見直し、意見をまとめて提案する体制を確立しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●個別支援計画の作成については、サービス管理責任者を作成責任者とし、作成におけるアセスメントは担当職員とサービス管理責任者で行い、個別面談を含めて実施しています。個別支援計画策定会議には看護師も参加し、栄養士の意見は看護師が確認して会議で共有するようにしています。KFJ多摩はなももでは、各利用者に担当があり、担当が中心に関わりながらサービス管理責任者が支援計画を作成しています。支援困難ケースでは、主に行動障害についてであり、サービス管理責任者は詳細に支援を提示し、個別の時間配分に考慮した計画を立案する等、それぞれの行動特性に対応した支援を行っています。個別支援計画は、利用者一人ひとりの具体的なニーズを明示し、ご家族の同意(サイン)を得、半年ごとに見直しを実施しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●個別支援計画の見直しは、6か月に1回実施し、見直した個別支援計画は全職員で共有しています。個々の障害特性に応じた個別支援計画は「クレヨン」(ソフトウェア)を活用して作成し、共有化を図っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●個別支援計画、記録管理業務は「クレヨン」(ソフトウェア)で管理しています。職員間で記録内容、記載の仕方に差異がないよう、「書き方の要領」を配付し、統一に向けた指導を行っています。データーは、誰でも何時でも閲覧できる他、各会議においても必要なデーターを抽出し、会議終了後は回覧して共有化を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●個人情報保護規程を備え、利用者の記録の保管・保存・廃棄・情報の提供に関して定め、記録等の管理責任者は園長とし、個人情報の不適正な利用や漏洩禁止等について周知徹底を図っています。また、職員に対して、教育・研修を行い、個人情報保護に関する誓約書を交わしています。個人情報保護の基本として、各職員自身の記録に関しては自由閲覧ができることを周知しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●KFJ多摩はなももは、利用者の自己決定・エンパワメントについて力を入れて取り組み、個別支援計画策定会議でも支援方法について正確に確認し、共有しています。エンパワメントについては、利用者のストレングスに着目し、重点目標に取り入れ、利用者個々の意向を反映できる場面を増やし、利用者が選択しやすいよう工夫しています。KFJ多摩はなももは基本的に生活の場ではないので、趣味活動・衣服・理美容・嗜好品等の項目は必ずしも整合しない面もありますが、作業種や活動については選択できるようになっています。また、利用開始時の日課に対する対応のルールついては重要事項説明書にて説明を行い、また、勉強会(社会的ルールを利用者に伝える会)を開催して伝えています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の権利侵害の防止等について、利用時のルールの相関で、してはいけない「社会的ルール」を伝えると共に、利用者が主張できることは発言しても良い、嫌なことはイヤと言って良い、と伝えています。また、相談・困ったことがある時は事務所前に貼り紙をして、いつでも相談できることを伝えています。今後、さらにCAP(Child Assault Prevention子どもへの暴力防止)の内容程度は伝えていくことを検討しています。権利侵害の防止と早期発見については、支援職員が常に早めに気付くよう心がけ、話を聞くことを大切にし、実施しています。身体拘束の禁止に関してはマニュアルの中に規定し、止むを得ず拘束を行う場合は支援計画に組み入れ、ご家族の同意を得、記録しています。「権利擁護委員会」の決定事項については全職員に委員会から周知を図り、支援に当たっています。虐待の届出・報告の手順等はマニュアルに明記しています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●一人ひとりの自律・自立に配慮した個別支援を行い、日頃の作業を通じて自律・自立生活ができるよう生活上の行為の見守り、支援しています。状況に応じて相談支援センターの相談員と共に利用者に合ったグループホームへの選択も行っています。また、障害支援区分認定調査の手続き、ショートステイの手続き等のサポートでは、行政と共に実施することもあります。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の心身の状況に応じたコミュニケーションの工夫では、個々の特性を考慮し、作業室に意思表示がしやすいよう絵(トイレのイラスト等)や絵カード、写真を貼り出し、利用者が指さして伝達できるようコミュニケーションを工夫しています。発語が困難な利用者については、トーキングエイド(携帯型意思伝達装置)をコミュニケーション用ツールとして使用する等、必要に応じた支援を行っています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●随時、利用者が職員に話したいことを話せる機会を個別に設けています。面談の場面ではコミュニケーションツールとして、絵カード、写真等を活用し、面談内容は職員間で共有し、サービス管理責任者が必要に応じて支援計画に反映させています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

●日中活動と利用支援については、作業では利用者が選択の幅を広げられるよう、受注の範囲を広げる努力をして提供し、日中のレクリエーション活動については音楽、ボッチャ、買物等を選べるよう選択の幅を増やすよう努めています。季節行事は、1か月に1回程度、行事を設け、利用者の楽しみの場を提供するよう支援し、KFJ多摩まつりやパサージュ多摩、多摩ふれあい祭りにはKFJ多摩はなももの店を出し、利用者の作品等を販売しています。また、日中活動として、季節の花を育てる活動を利用者5~6人で行っています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員の障害に関する専門知識の習得に力を入れ、内外の研修に参加する他、自主的な研修にも力を入れて取り組んでいます。利用者個々の障害、支援方法に関して絶えず話し合い、職員間で理解・共有を図り、利用者一人ひとりの特性に応じた支援に努めています。不適応行動等の行動障害については、個別的に且つ、適切な対応を継続して根気よく支援しています。異食行動については、苦慮しながらも対策、環境面を整えるよう支援に努めています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●KFJ多摩はなももは、日中活動の場を提供して安定した地域生活が送れるよう支援している事業所であり、評価対象の項目は、食事支援、排泄支援、移動・移乗支援とし、入浴支援は非該当です。食事の提供については、美味しく・目新しく・利用者が興味を持って食べられるよう献立の工夫を行い、また、食の楽しみにつなげられるよう選択メニューや行事メニュー等も取り入れて提供しています。調理方法についても利用者の状況に応じて具材の形状に配慮し、個別対応を行っています。排泄では、定期的な時間での誘導が必要な利用者へ適切に介助し、プライバシーにも配慮しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●KFJ多摩はなももは、入所施設ではなく、作業室が主になった生活介護の事業所です。KFJ多摩はなももでは、5S活動を推進しており、館内は清掃が行き届き、白い床・壁は清潔感溢れ、作業室も明るく衛生的です。昼休憩は、作業までの間の休養の時間とし、ソファで横になったり、思い思いに過ごし、支援職員と話したい時には廊下や医務室等を利用して1対1で話せるようにしています。生活環境について、利用者の意向は面談時等に聞き、快適な環境作りに努めています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練について、KFJ多摩はなももでは生活リハビリが中心ですが、必要な利用者については、法人系列施設にOTやPTが在籍しており、相談・協力が得られ、KFJ多摩はなももの強みでもあります。また、主治医に指導を受けている利用者は、主治医、看護師の助言を受けて支援計画に組み込んで実施しています。生活リハビリでは、朝の体操、ポスティングの仕事で歩く、作業中にテーブルに手をついて体幹を整える等、様々に実施しています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●日々、利用者の健康状態を把握し、体調変化時には迅速に対応しています。入所施設ではないので入浴のサービスはありませんが、排泄支援については個別支援計画に沿って対応しています。年2回、健康診断を実施し、肥満気味の利用者については食事・栄養バランスの配慮も行っています。また、感染症に罹患しないよう健康管理に十分留意し、薬の服用については看護師が職員に対して講義を通して喚起する等、日々の支援に生かしています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

●医療的な支援について、健康で通所できることが利用の前提であるため、医療的なサポートでは常駐する看護師が与薬を行い、必要に応じて医師の指導の下、喀痰吸引を行っています。食物アレルギーを持つ利用者には、医師の指示に従って除去食の対応を行っています。また、医療的な処置については、発熱等、異常が発生した場合は看護師が主治医へ連絡し、指示に従って適切に措置を行っています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者の希望と意向を把握した上で社会への参加を支援し、社会参加のための情報や、学習・体験の機会を提供するよう努めています。職員は、意思決定のための選択肢の工夫、自己選択、自己の意思を引き出すサポートを行い、社会参加のためのマナーやルールをバスハイク等の外出時に見聞するよう促し、社会性向上の勉強会を実施して支援しています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●地域生活への移行については、通所施設であるため利用者は地域生活を既に行っていますが、例えば、家庭においてグループホーム等への移行が必要な事象が生じた場合等、自主的生活ができるための支援が必要であり、支援センターの相談員と連携してグループホームでの自主的生活の場合でのショートステイの利用方法等、自立に向けた支援を行っています。グループホームへの交通・道順の教えや、利用体験等を支援しています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●ご家族等との交流については、利用者の意向を尊重して行い、送迎時に支援職員が添乗してご家族との会話から情報交換を行い、毎日の連絡帳でも情報共有を図り、面談の機会も設けています。また、日中のご家族の緊急連絡先を事前に聞き、必要に応じて報告しています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

●障害児はいないため。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

●生活介護事業所なので、就労支援は行っていません。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

●生活介護事業所なので、就労は該当しませんが、利用者をAグループとBグループに分け、Aグループは作業ができるグループ、Bグループは自由な創作活動を中心とし、能力に合った作業を行っています。Bグループは今年度のグループ目標を「ストレングス」に置き、できないことを訓練する考え方よりも「ストレングス」を見つけて伸ばすポジティブな取り組みを行い、創作でも好きな製作に取り組んでいます。1日の予定はAグループ、Bグループ共、朝に決めています。Aグループは受託作業、自主製品作成等を通して仕事の機会を作り、道具や作業種の工夫、仕事の受注等を積極的に行っています。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

●生活介護事業所なので、就労支援は行っていません。