社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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SEAKID保育園

2020年04月06日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター

② 施設・事業所情報
名称 SEAKID保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 105(116) 名
所在地 230-0078
横浜市鶴見区岸谷1-26-12
TEL 045-717-6473 ホームページ https://www.kid-g.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2011年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 一般社団法人KID-G
職員数
常勤職員:18 名
非常勤職員:14 名
専門職員
保育士:21 名
栄養士:3 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
保育室:6
事務室:1
調理室:1
調乳室:1

③ 理念・基本方針
【理念】夢と優しさに満ちた想像力豊かな人を育む
【基本方針】心育・体育・知育・調和のとれた環境の中で「生きる力」をはぐくむ

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・週に1回2~5歳児は英語の時間、3~5歳児は体操の時間があり、KID-Gグループ内の講師が訪問しています。
・月に1回2、3歳児はボランティアによるお話会があります。
・栄養士と保育士が協力して食育に取り組んでいます。園から歩いて40分の場所に畑を借り、ジャガイモやサツマイモを植えたり、夏は屋上のプランターで野菜を作り、給食で出してもらったり、クッキングをしています。0歳児からトウモロコシの皮をむいたり触ったり、食材に触れる体験を大事にしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/06/12(契約日) ~2020/03/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆多様な子どもたちが多い中で、どの子どもたちも共にのびのび育っています
地域の特性から、園には中国・韓国・ベトナム・ネパール等多様な国籍の子どもたちが多く在籍しています。また個々の発達の状況から、配慮の必要な子どもたちも多数在籍しています。そのような環境の中で、子どもたちはごく自然にクラスの仲間、友だちとして関わり、分け隔てなく仲良く毎日を過ごしています。入園したばかりで日本語がわからない外国籍の子どもに、日本語が話せるようになった子どもが自ら通訳をして担任との橋渡しをしたり、他の子どもたちも身振り手振りで伝えようとし、新入園児が1日目から安心して楽しく過ごすことができた事例がありました。また、子どもたちは遊びや生活の中で、障害のあるなしに関わらず、できないことがあれば自然に手伝ったり、代わりにやってあげたり、できるまで待ったり、助け合い、思いやる心を持って共にのびのび園生活を送っています。保育士も絵カードを使う等、個別に配慮しながら、日々クラスの仲間として過ごせるように努めています。また園は、外国籍の保育士を雇用して、外国籍の保護者や子どもたちとコミュニケーションが取れるように配慮しています。
改善を求められる点 ◆保育室の更なる環境作りの工夫が望まれます
どの保育室も採光に恵まれ、広々としています。また各部屋のおもちゃや絵本、教材等は数も十分用意されています。しかし、子どもが主体的に活動する環境としては十分ではありません。例えば、おもちゃ等が年齢、発達、興味にあった物であるか再度考え、自由に取り出して遊べるよう工夫されることが期待されます。また、好きな遊びができるコーナーや、一人でほっとできるスペース等を、既存の設備を活かしながら敷物や家具、衝立、布などの利用方法を工夫するなどして、どの子どもたちも長時間居心地良く過ごせる環境設定を園全体で話し合い、工夫される事が望まれます。

◆保育理念の実現のために中長期計画の策定が望まれます
保育理念を基に、「どの様な園をめざすのか」「どの様な保育をしていきたいのか」「どの様な保育士になっていきたいのか」「どの様な子どもたちに育てていきたいのか」などについて、法人、園長、職員全員で話し合いを重ね、自信をもって園運営ができるよう、3年から5年先の事業環境も見据えた園の中期・長期計画を策定していくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
SEAKID保育園は認可保育園に移管して5年目を迎えました。平成29年には幼児クラスが出来、今年2回目の卒園式を迎えます。若手の職員も多い中、第三者評価を受審するにあたり全員で2週間にわたり話し合いや勉強を行いました。保育施設として求められることや、より良い運営のために必要なことなどを改めて全員で見直すことが出来ました。

今回の受審でいただいた評価を通して明確になった課題を丁寧に受け止め、1つ1つを職員全員で話し合い、より良い保育の実現を目指していきたいと思います。また、保護者や地域の方々の声を積極的に受け取ることのできる体制を整え、運営本部・施設長・職員ともども一体となって皆様に喜ばれる施設とすることのできるよう努力してまいります。

SEAKID保育園
牧山久代

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念は「夢とやさしさに満ちた想像力豊かな人を育む」としており、保育方針が「心育・体育・知育 調和のとれた環境の中で『生きる力』育む、子どもl・保護者・保育者・地域 保育に関わるすべての人とのつながりを大切に考える」としています。全体的計画や職員ルールブックや利用案内に明示されており、事務所内にも掲示されています。年度末の職員会議でも職員に周知が図られています。保護者に対しては入園説明会で説明されています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

施設長は鶴見区の保育園園長会議や運営法人の施設長会議に参加しており、事業運営を取り巻く環境について情報を入手しており、また横浜市の保育のニーズ、潜在的な待機児童数などについては把握しています。鶴見区内に新規に設立される保育園の動向などの情報も入手しています。園の運営コストについては、毎月運営法人に収入や経費等を報告していることからコスト分析は行っていますが、これらを体系的に把握し分析しているところまでは至っていません。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:c】

現段階で経営環境や保育の内容、組織体制などの問題点がについては明確にはされていません。今後経営課題を明確にして課題解決・改善に向けて具体的な取組を進めていくことが期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画は現在作成されていません。これからの園の運営を的確にしていくためにも経営環境を分析しつつ、早急に中・長期的なビジョン及び計画を策定することが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の事業計画も現在作成されていません。毎年の園の運営を進めていくうえで、計画を作成して、それに基づいて運営を進めていくことは、職員も同じ方向で保育を進めていく上でも重要です。中長期計画を策定し、それを踏まえた単年度の事業計画を作成していくことが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

事業計画は現在作成されていません。今後、中長期計画を作成しつつ、職員参画の下で事業計画を作成していくことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

園の事業計画は、現在策定されていないため保護者に提示されていません。今後、事業計画を策定した後には、園だよりや保護者会で保護者等に必要に応じて説明していくことが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:c】

人事評価シートを活用して園としての自己評価を実施していますが、職員全体によるものではなく、課題や改善点が次年度の計画に必ずしも結びついていません。今後事業計画を策定し、その実施状況を評価する仕組みを策定することが期待されます。職員全体で保育の質の向上を目指して課題や改善点を明らかにしていくための組織体制の構築が期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

園の簡単な自己評価は運営法人と施設長とで行われていて、今年度の課題として「子どもの気持ちを優先する」を挙げています。取組状況は、「一人ひとりで丁寧に関わるようにしていく」「研修やワークを通して意識統一を図った」とし、次年度の課題・改善点の4つのポイントを指摘しています。ただし、職員全体で作成したものではなく、具体的な運営課題とは必ずしもいえません。今後は、職員参画の下で改善策や改善計画を策定する仕組みを構築していくことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:c】

施設長は日常の園運営において施設長としてのリーダーシップを発揮しています。また、キャリアパスの全体像の中では管理者として必要とする能力・技術が明記されていて、間接的ではありますが施設長の役割を明らかにしています。ただし、直接的に施設長の職務分掌を規定したものは作られておらず、今後の課題となっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員ルールブックが運営法人で作成されています。施設長は研修にも参加し、遵守すべき法令等を十分に理解しており、関係先との関係も適正なものと言えます。またルールブックでは基本方針、保育目標、保育方針、法人として求める職員像が明記されています。環境への配慮を含む分野について遵守すべき法令等を把握したり、職員に対して遵守すべき法令等を周知するための具体的な取組は実施しておらず、今後のさらなる取組が期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:c】

施設長は、保育の質の現状について継続的に評価・分析を行い、その問題点を把握していて、具体的な取組を明示しています。現時点では人材の不足が大きな課題となっており、このため、必要だと思われる改革の実施には至らない状況となっています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:c】

施設長は、職員が働きやすい環境を整備するために具体的な取組を行っています。子育て中の保育士が働きやすい職場を目指し、育児と両立しやすい環境を整備したり、有給休暇を取得しやすくしたり、業務の簡素化のためにクラス分のノートパソコンを導入し、業務の効率化などを図っています。ただし、こうした取り組みも経営の改善、業務の効率化を体系的に検討した結果とはいえず、今後、経営改善を職員との議論の中で組織的に検討し、運営法人も含めて全体として取り組んでいくことが期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

運営法人では、職種・職階別の必要とする能力、技術を明確にした「職務条件表」を作成しており、これに基づいて職員の育成が行われています。また、運営法人として福祉人材の確保に向けた取組をしています。ただし、この職務条件表に基づいた専門職の配置、活用の実現までには至っていません。各園で人材確保や定着に結び付けていくのは今後の課題となっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職務条件表を職員の昇進や昇給に活かしています。ただし、まだ職員には開示しておらず、職員が自ら将来の姿を描くような仕組み作りには至っていません。一方、職員の目標設定シートを用意して、職員の自分自身の自己評価する仕組みを作っています。年に1回職員は保育に対する姿勢・態度、作業・業務といった項目について5段階評価を行い、施設長と面談して自分自身を振り返っています。今後、職務条件表や目標設定シートを体系的に位置づけ、将来的にはキャリアパス制度の中に総合的に位置づけて行くことが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の労務状況や意向の把握は施設長がおこなっており、職員の有給休暇の取得状況や時間外労働のデータは把握しています。職員との定期的な面談は施設長・主任が行っており、職員の意向の把握に努め、職員の勤務ローテーションに配慮しています。職員の不足状況への対処として、アルバイトを採用したり、保育士の資格を持つ法人職員がサポートする体制を作っており、体系的なワークライフバランスに配慮した取組を進めています。組織の魅力を高める取組や働きやすい職場づくりはこれからの課題です。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職務条件表により、それぞれの職員の運営法人全体としての職位・職階が決められています。本人の位置づけも明確にされています。職員一人ひとりの目標は目標設定シートに基づき設定しています。施設長、主任は期初に職員の目標を聞き取っており、目標設定を行っています。また期末には目標値の到達状況について施設長、主任が面談の中で評価しています。ただし、目標設定に当たっては、期待水準、達成時期、達成方法等については設定していません。今後は、このような項目を具体的に設定し、目標達成のための動機づけを行っていくことが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職務条件表によってキャリアパスが明確にされています。各職位・職階別に求められる専門技術や専門知識が明らかにされています。ただし、キャリアパスは全職員にすべて開示しているわけでなく、園の資料として保有しているため、それに基づいて研修計画が策定されているとは言えません。今後はキャリアパスを開示し、園として運営本部と連携し体系的な教育・研修体制を構築することが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

施設長は職員の知識、技術水準、専門資格等について毎年の面談時に把握しています。新任職員に対してはメンター制を導入し、OJTを担当する職員をつけ、夏のプール遊びや虐待についてなど、必要に応じて研修を実施しています。階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の目的を設定した研修は特に実施していませんが、横浜市や神奈川県等の外部機関が実施する研修会の案内は常に職員に情報提供をしており、職員が参加を希望した場合勤務時間内で参加できるように配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れマニュアルが整備されており、基本姿勢を明確にしています。実習生を受け入れるに際し、専門学校等の依頼先とは、実習生の求めるカリキュラム内容について調整し、実習生に配慮したプログラムを用意しています。実習終了時には実習生と共に振り返りを行い、実習生の達成度合いを評価しています。ただし、実習期間中の取組について学校側と継続的な連携はとっていません。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:c】

運営法人がホームページを作成しており、園の取組や内容を公開していますが、事業計画や予算・決算報告の公開は実施されておらず、今後の課題です。また、地域の福祉向上のための取組、苦情・相談の体制、内容についても公表していません。園のパンフレットは地区センターや町内会に配付しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園における事務・経理・取引等に関するルール及び職務分掌規程等について文書化したものは作成していません。運営法人から、経理・取引等について園に監査が入っており、定期的に確認されています。また公認会計士、社労士、弁護士は運営法人の運営に関し外部監査を実施していますが、園が直接外部の専門家の指摘事項にもとづいて経営改善を実施するまでには至っていません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中で地域との連携について記載しています。子どもたちは、ハロウィンの時に地域の商店会を回ったり、岸根会館で敬老会のイベントに参加するなどして地域との交流を楽しんでいます。玄関ホールには地域ケアプラザ、地域文化イベント、女性の就労に関する研修の案内などのチラシが置いてあり、保護者に地域の情報を提供しています。一方、保育所や子どもの理解を得るために地域の人々と定期的な交流の機会を設けるなどの取組は、今後の課題となっています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受入れに関するマニュアルがあります。市内の高等専門学校の生徒を受け入れる際、事前説明や登録手続きを実施し、その後活動に入ってもらっています。また、今後は地元の中学校に協力して、中学生の職業体験を受け入れていきたいと考えています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

鶴見区こども家庭支援課、鶴見区福祉保健センター、東部地域療育センターなどの関係機関の電話番号などのリストを整備しています。こうした機関との連携の方法については職員間で共有化が図られています。虐待等の問題に関しては区の虐待防止会議に定期的に参加し、情報共有を図っています。一方、関係機関・団体との定期的な連絡会の開催や問題解決に向けた取組は今後の課題となっています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設長は鶴見区園長会や幼保小連携事業の活動に参加したり、地域の各種団体と連携を図っています。地域住民との交流活動を行うには至っていませんが、生麦地区育児支援イベントなどに参加して、地域の子育てニーズに関する情報や生活課題については把握するようにしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

地域の生活課題などの解決のための公益的な事業・活動を展開するまでには至っていません。保育士だけではなく、例えば看護師、調理師などの専門職の知識・技術を活かした、積極的な地域貢献活動の展開が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、理念や基本方針について、読み合わせなどを通じて周知の取組を行っていますが、その実施については職員による個人差が大きく全体として取組に課題があると考えています。倫理綱領は未策定ですが、子どもの尊重や基本的人権への配慮などを記したルールブックを職員一人ひとりが持ち、2カ月に一度園内研修を実施して理解を深める取組を行っています。名簿の配列や色の固定化など、性差への先入観につながる固定的な対応をしないように配慮しています。中国、ベトナム、ネパール、韓国などの多様な国籍の子どもたちが在籍しており、人権や文化の違いに配慮した取組を行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

プライバシー保護に関する規程・マニュアルがあり、子どもの写真の利用についても、保護者から入園時に写真・動画等使用承諾書を得ています。職員は、子どもや保護者に関する個人情報保護の研修などにも積極的に参加していますが、全体として職員の意識の徹底は今後の課題となっています。0歳児から5歳児までそれぞれ教室が独立しており、十分な広さと窓が大きく採光にも恵まれている環境があり、幼児トイレにはドアをつけるなどの配慮もされていますが、一人ひとりの子どもにとって生活の場にふさわしい、より一層の環境づくりに期待します。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

保育園を紹介するパンフレットには、理念や基本方針、施設の概要、提供する保育、入園時に必要な書類などが分かりやすい内容で記載されています。このパンフレットは、地区センターや鶴見区役所に置かれており、誰でも手にすることができます。保育園の利用希望者への対応は施設長が担当し、保護者の都合に合わせて一日2組に施設見学や分かりやすい説明を行っています。年に一回パンフレットの見直しも行っています。インターネットのホームページもありますが、内容の見直しと更新の充実が期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保護者へは入園説明会で利用案内を使って説明を行っています。保育の開始にあたっては、慣らし保育の期間(二週間)を設けるなど、子どもや保護者に配慮した取組を行っています。保育の開始や変更の説明と同意などにあたっては、保護者と一対一で説明し、保護者の同意を得たうえで慣らし保育計画書などの書面を残しています。特に配慮の必要な子どもの保護者への説明については、話し合いや意思の確認などについてのルール化を検討していく予定です。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

担当窓口は決めていませんが、保育園の利用が終了した後も保護者からの相談を受けられることを伝えています。個人情報保護法の規定もあり、守秘義務を尊重しており、原則転園先にこちらからから情報提供は行っていませんが、要請があれば、保護者の承諾を得た上で、保育の経過記録や発達記録を提供しています。転園などに際し、保育の継続性に配慮した手順や引継ぎ文書は定めていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者満足については、運動会、親子遠足、夏祭りなどの行事の後に保護者に対して子どもの満足度を含むアンケート調査を実施しており、職員間で周知しています。日々の保育の中では、子どもの満足を把握し日誌などに記載しています。学級懇談会を年度末に、保護者への個人面談は進級時に年一回秋以降に行っていますが、その際にも利用者満足を把握する取組を行っています。保護者の利用者満足に関する結果の分析や、検討のための検討会議の設置などが今後の課題となっています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備され、保育園の利用案内にも記載されており保護者への周知を行っています。苦情内容に関する検討・対応策などの個別のケースに関しては、施設長から保護者へ説明を行っています。苦情受付マニュアルを策定しており、苦情内容に関する受付と解決を図った記録を保管しています。保育園の玄関には苦情解決の仕組みの掲示物が掲示され意見箱も設置されていますが、より申し出をし易い工夫が期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者が相談や意見を述べやすいように、意見箱の設置や行事後のアンケートの実施、連絡帳の活用などを実施しています。保護者の相談を受ける際には個室を利用し、他の保護者に配慮しています。特に保護者に文章の配布や掲示物の掲示は行っていませんが、利用案内などで、保護者が相談したり意見を述べる際に、複数の方法があることを記載しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

園は、保護者からの相談や意見を受けた際の記録や対応策を定めたマニュアルを策定しています。職員は保護者が送迎の際に相談や意見を述べやすいように心がけており、意見箱の設置や運動会、親子遠足、夏祭りなどの行事の後に保護者へアンケート調査などを実施し保護者の意見の把握に積極的に取組んでいます。職員は保護者からの意見や相談について、出来る限り迅速な対応を心がけていますが、保育への反映は十分ではありません。また、対応マニュアル等の定期的な見直しも今後の課題となっています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関しては、施設長が責任者となっています。安全対策マニュアルのなかに、危機管理の流れ、安全管理体制、危機予知・未然防止、保育における安全管理などがあり、マニュアル等が整備されています。ヒヤリハット記録や新聞、インターネットなどでリスクマネジメントの事例を収集し、発生要因の分析や改善策、再発防止策など日々のミーティングなどで職員に周知しています。遊具や散歩道などにおける事故防止策等の安全確保について、実施状況の定期的な評価・見直しや、全職員のリスクマネジメントに関する意識の徹底が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策マニュアルを策定し、職員に周知徹底しています。看護師が毎日クラスを巡回して子どもたちの体調や感染症などに注意をはらっており、昼礼で体調を確認しています。職員は給食前にはテーブルを消毒したり、子どもたちに手洗いやうがいを指導して感染症の予防に努めています。インフルエンザなどの感染症が発生した場合などは、玄関に掲示したり、子どもを別の部屋に隔離するなど、適切な対応が取られています。感染症対策マニュアルの定期的な見直し、保護者などへの情報提供としての一斉メールなどが今後の課題となっています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時の対応マニュアルが策定されています。建物の耐震工事が実施されており、災害時に対応できる備品等は近くにある姉妹園に備蓄されています。毎月、避難訓練や子どもの引取り訓練も実施しています。災害への対策や意識が職員間でも高まり、0歳児クラスには職員が手作りした防災帽子、1歳児、2歳児クラスには防災頭巾、3歳児クラスからはヘルメットが常備されています。災害が発生した際の、子どもや保護者および職員の安否確認方法の決定と周知が今後の課題となっています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

職員ルールブックが用意されており、基本的な手順は記載されています。プライバシー保護の規定も明示されています。職員ルールブックは職員全員に1人1冊配布し、また事務所にも常に保管されており、職員はいつでも見ることができます。ただし、個別の指導や会議などで標準的な実施方法を周知徹底する取組については明示されていません。また標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかを確認する仕組みも決められていません。その一方保育の実践は画一的なものではなく、その時々の保育士の適切な判断で実施されています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:c】

保育の基本的な手順が記載されている職員ルールブックの見直しはされてはいませんが、職員会議では実施方法などについて話し合われ、見直しをしていくことも検討しています。今後、職員や保護者からの意見を参考にしながら、定期的に見直しを実施していく仕組みづくりが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

各年齢別に年間指導計画が作成されており、クラス担任がその責任者となっています。また、月間指導計画や、乳児に対しては個別指導計画が作られています。各指導計画については期末に振り返りの項目が設けられており、次期の計画に反映されるようになっています。日常的に保護者と接して要望や意見を把握しており指導計画に反映しています。さらに東部地域療育センターの意見も取り入れて計画策定を行っています。気になる子ども、要配慮児に関しては日常の保育の中で職員間でケースに関する振り返りが行われており、より適切な支援が行われています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別指導計画や月間指導計画について、計画の更新や策定のサイクルは決まっており、その期の終了時に振り返りを行ってクラス担任や周りの職員と話し合って作成していきます。作成に当たっては、クラスの状況、子どもの状況を把握するだけでなく、日常的に得られている保護者の意向や意見を活かしています。指導計画はクラスの保育士や関連する職員も周知するようにしています。しかし、計画の見直しについて全職員が周知するのは今後の課題となっています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達記録、健康台帳が作成されており、入園から卒園までの発達状況を記録しています。個別指導計画に基づいて保育が行われておりその記録も残されています。乳児の場合は2か月ごとに、幼児の場合四半期ごとに経過状況を記録しています。個別指導計画や発達記録については園で統一した方式で記録しています。子どもの様子や状況は毎日の昼礼、伝達用ノートや月に1度の職員会議で職員間で情報共有されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護規程が定められており、子どもに関する記録は適切に管理されています。職員には子どものプライバシーを保護することを明記し、守秘義務を提示しています。入職時には個人情報保護規程について説明し理解を得ています。またボランティア、実習生などの外部の人間が子どもたちと接する機会を持つ事に対しても、守秘義務の誓約書をとっています。また、個人情報取り扱いについて、保護者に対しては入園時に説明しています。子どもの成長記録、個別支援計画などは鍵のかかるロッカー等に保管管理していますが、個人情報取り扱いについて意識統一や研修が必要と園では捉えています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針や保育目標、保育方針、に基づいて作成した全体的な計画があります。全体的な計画は園の理念や保育の方針や目標に基づき、また園の地域性にも考慮されて編成されています。現在は作成も見直しも施設長・主任でおこなっています。今後は年度末にクラスリーダーを交えて編成する予定にしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

看護師の指導のもと、衛生管理マニュアルを活用しています。保育室には園全体の清掃担当表も明記されており、トイレには掃除の手順やチェック表が貼られ、屋内・外とも清潔に保たれています。室内は明るく、エアコンや加湿器付き空気清浄機を用いて、子どもたちが心地よく快適に過ごせるように努めています。各保育室は独立しており、他のクラスの音や動きに影響されずに過ごすことができます。すべての保育室には床暖房が入っています。0歳児室には沐浴設備があり、清潔に保たれています。0~2歳児は食事と午睡の場所を分け、3歳児以上は給食後、清掃して午睡の場所にしています。コットを使用しています。広い保育室を既存の家具の配置の工夫や簡易の衝立や布を利用して、一人で過ごす空間やそれぞれが落ち着ける場所を作る工夫が期待されます。また、乳児クラスには布やフエルトなど様々な材質のおもちゃが準備されることが期待されます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

0~2歳児は毎月個別指導計画を作成しています。幼児に関しても特別な配慮が必要な場合は月の指導計画の中に個人欄を設け、子どもの発達過程に合わせて、一人ひとりの個人差を尊重した保育をおこなっています。保育士は子どもたちに笑顔で応答的に関わり、寄り添い、思いを共感するよう努めています。まだうまく自分を表現できない子どもの気持ちを汲み取り、言葉にして確認したりして、受け止め、丁寧に話して納得できるようにしています。保育士は急がせたり、制止する言葉を不必要に使わないようしたり、穏やかな語り口調でわかりやすい言葉かけをおこなうように気をつけていますが、園はまだ不十分だと感じています。園内研修でロールプレイングをしたり今後も職員同士で気づき合う取り組みが期待されます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりの発達に合わせて基本的な生活習慣を身につけることができるように環境を整え、丁寧に援助をおこなっています。トイレットトレーニングについては、家庭とも連絡を取りながら、1歳児クラスの後半、午睡明けから紙パンツが濡れていなければ便器に座ってみることから始めています。子どもの発達年齢に応じた時期を見極め、進めています。着換えも自分でできることから始め、自分でできた達成感や満足感を感じられるよう、保育士も一緒に「できたね!」と共感しています。子どもが主体的に取り組めるように配慮していますが、子どもの発達状況や家庭状況にもより、一人ひとりの子どもの主体性を尊重する難しさを感じています。歯磨きや手洗い、うがいの大切さは発達年齢に合わせてわかりやすく説明しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

天気の良い日は公園に散歩に行って身体を動かしたり、探索活動をしたり、集団でルールのある遊びをしています。園の屋上には遊具のあるスペースと何もないスペースがあり、年齢や遊びによって使い分けたり、年齢に合わせた屋外活動をしています。散歩に行く道で出会う近隣の方とは挨拶を交わし、ハロウィンの時には商店街を訪問したり、本屋でおこなわれるお話会に参加したり、地域と関わっています。子どもたちが遊びの中で社会的ルールや態度を身につけられるように保育士は声をかけたり、見守っています。レストランごっこではコースターやメニューを作ったり、様々な素材を自由に使って制作しています。子どもの年齢に合わせて、玩具や絵本、教材などが各保育室に整えられ、それぞれのおもちゃや絵本等は豊富にそろえられていますが、自分たちで自由に選んで取り出し遊んだり、読んだり、自主的に遊びが展開できる環境作りが期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

食事の場所と遊び場を分けられるように、大型のクッション積み木で仕切ったり、その積み木を片付けて全体に広く使ったり、活動によって臨機応変にレイアウトを変えています。また、マットを敷いて、遊びに集中できるようにしています。部屋の外には人工芝の中庭テラスがあり、屋上や園外に行かなくても室外にすぐに出ることができるようになっています。クラス担任が非常勤も含め、固定で入り、子どもの表情や喃語には笑顔で応答的な関わりに努めています。朝夕の時間を除き、合同保育にせず、0歳児のみで落ち着いて過ごしています。日々連絡ノートで園での様子や家庭での様子を伝え合い、特にミルクの量や離乳食の進め具合、睡眠については家庭と密に連絡を取り、進めています。子どもたちが自分たちでおもちゃや絵本を選べるよう、おもちゃの内容を含め、子どもたちが発達に応じて興味関心がもてるような環境作りが期待されます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

子どもたちが基本的生活習慣を身につけられるように、排泄、手洗い、着替えのための環境が整えられています。保育士は子どもたちの自我の育ちを受け止め、一人ひとりにあった声かけをしたり、個々の気持ちを汲み取って、言葉にし、友だちとの関わりの仲立ちをしています。朝夕の時間に他の年齢の子どもたちと交流したり、リトミックの外部講師やお話会のボランティアとの関わりを持っています。トイレットトレーニングでは家庭との連絡を密に取り、子どもの発達状況に合わせて、できた時の喜びや自信につながるよう配慮しています。探索活動ができるような環境や自発的におもちゃを取り出したり、片付けられるような環境作り、また敷物や簡易の仕切り、家具を使ってコーナーを作るなど落ち着いた遊びができるような環境作りに更なる工夫が期待されます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

保育士は年齢に合わせてルールのある遊びを取り入れています。子どもたちの意見を聞いて野菜を育てたり、クッキングのメニューを決めたりしています。レストランごっこの時は、室内の装飾について子どもたちが意見を出し合い制作しました。友だちと協力して遊ぶ楽しさや、やりとげる喜びが味わえるような保育内容の工夫に努めています。また、子ども同士のけんかについては、保育士は安全に考慮した上で、子どもたち同士で解決できるように見守っています。年長児は学校見学に行ったり、給食体験をさせてもらっています。保育士は就学時に学校に出向き、情報交換を密に行っています。一方、各年齢での環境や保育内容、方法については今後更に工夫しなければならないと、園では考えています。今後の取組が期待されます。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園は3階建て2棟からなり、エレベーターがあります。玄関、トイレは段差がなく、多目的トイレも整備されています。横浜市東部地域療育センターから年に1回巡回指導を受けており、個別指導の話し合いの時間を持っています。また民間の通所施設とも情報交換をしています。毎月、指導案の個別配慮の欄に具体的な内容を記載し、クラス全体の指導計画に関連づけて、子どもに合わせた保育をしています。他の子どもたちとの関わりに配慮し、クラスの仲間として共に楽しい生活ができるようにしています。横浜市の要配慮児研修を受けた職員は研修報告をしていますが、園内研修で取り上げるなど園全体としての取組に向け、更なる工夫が期待されます。また、障害のある子どもが落ち着いて過ごせる空間の設定や人の配置についても、更なる工夫が期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

朝夕は乳児3クラス、幼児3クラスを合同にした2クラスで過ごす時間帯や、全学年一緒に異年齢で過ごす時間帯があります。子どもの状態に変化があった場合などは、降園時間まで職員間で情報を共有し状況を見ながら対応しています。日中の様子などは引き継ぎ表に情報を記録し、担当の保育士に引き保護者に伝えていますが、工夫が必要だと考えています。長時間保育については、人数に配慮してゆったりと過ごせる環境を作るようにしています。それぞれの年齢の子どもの生活リズムを考えた1日の連続性に配慮した保育を目指していますが、まだ不十分なところがあると園は考えています。今後の取組が期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

小学校と連携を図り、全体的な計画・年間指導計画の就学に関する内容に基づいて、保育内容や方法に配慮しています。近隣の小学校を散歩で訪れたり、給食体験に参加させてもらい、子どもたちが小学校以降の生活について見通しを持ったり、就学に向けて期待を持てるように配慮しています。保護者には見学に行った機会や学級懇談会等で小学校以降の子どもたちの生活がイメージできるようにしています。園長、年長児担任は幼保小の会議で意見交換をする機会を持っています。小学生や小学校教諭が園を訪れる機会はまだありませんが、園はゆくゆくは交流できるような取組を実施したいと考えています。就学に向けて作成した経過記録は園児が多く就学する2校には直接学校に出向き、密に情報交換をするようにしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康に関するマニュアルがあり、看護師を中心に1人ひとりの子どもの健康状態を把握し、昼礼で情報共有しています。毎朝、保護者と健康状態の確認をし、子どもの体調悪化時には保護者に連絡し、降園後の対応について話し合っています。感染症が出た場合は玄関に情報を貼り出し、注意喚起をしています。毎月「ほけんだより」を発行し、歯磨きのポイントや熱中症対策、予防接種について、インフルエンザと風邪の違い、などわかりやすく説明しています。予防接種状況など個々の健康に関する情報は健康台帳に記載していますが、新しい情報の入手が徹底されていません。今後は年度末に保護者に返し追記して提出してもらうことを考えています。子どものアレルギーや既往歴などは一覧表にし、職員全員が周知しています。乳幼児突然死症候群の対策のため、0歳児は5分おき、1、2歳児は10分おきにチェックし、保護者にもポスターなどで注意喚起しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

嘱託医によって健康診断は年に2回、歯科健診は1回、3~5歳児は尿検査を年に1回、視力・聴力検査は4歳児で1回おこなわれています。結果は保護者に個別に規定の書式で伝え、健康台帳にも記載しています。特に受診が必要な場合は受診を勧め、受診結果を保護者から伝えてもらっています。健診・受診の結果により、配慮の必要な子どもについては職員会議などで話し合い、職員間で共有しています。身長・体重測定は毎月行い、それぞれ健康台帳にも記載しています。0歳児クラスから昼食後の歯磨きを取り入れています。今後は、健診結果を受けて看護師を中心とした歯磨き指導の実施など、保健計画に反映させることが期待されます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

園の給食では「卵・乳製品・そば・ナッツ類・甲殻類・青魚」を使わず、調味料も全て食物アレルギーに対応した物にしています。それ以外のアレルギー疾患のある子どもについては、医師から提出された「アレルギー疾患生活管理表」を基に保護者と保育士が年度初めに面談を行って対応することにしています。現在は、保護者と調理師や看護師と面談する機会を設けていませんが、今後は一緒に面談をし、保護者と連携を密にすることを考えています。アレルギー疾患や慢性疾患について子どもたちには年齢に応じてわかるように説明しています。今年度、保育士は市の研修や園内研修を受けたり、専門的な知識や新しい情報を得る機会がなく、園では今後の課題と捉えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

発達年齢に合わせた食育計画が立てられています。保育士は、子どもたちが完食できるよう量を減らせることや、苦手な物も少しでも食べられるように、声かけを工夫しています。幼児クラスになると当番活動が始まり、エプロン・バンダナをして、配膳したり、献立を発表したりしています。幼児は各クラスで相談して決めた夏野菜(きゅうり・ナス・トマト等)をプランターで育て、それを調理に頼んで給食に出してもらったり、畑でジャガイモやサツマイモを育て、スイートポテトを作るなど、クッキングしています。乳児は野菜を洗ったりちぎったりする経験をしています。クラスだより等で園での子どもたちの取組を知らせています。給食は事務室前に展示され、子どもに人気のレシピは調理室前に持ち帰れるように置いてあります。どのクラスも楽しく落ち着いて食べられるよう、時々テーブルの配置を変えたり、季節の花を飾ったりするなど、一層の工夫が期待されます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

園内の調理室で給食・おやつ・夕食を提供しています。食材は国産の物、遺伝子組み換えされていない物、食品添加物のない物を使い、旬の野菜や魚、肉を使用しています。毎月、栄養士は保育士や看護師と給食会議を持ち、残食や好み、形状について意見交換をして、2回目の提供の時に食材の切り方や味付けなど献立を工夫しています。栄養士は子どもたちの喫食状況を確認したり、その場で保育士とも意見交換をしています。また子どもの体調に合わせた食事形態を提供することもあります。「季節の給食だより」や「わんぱくだより」を発行し、家庭での献立のヒントや人気メニューのレシピ、「食べさせたいおやつ」などの情報を提供しています。また、今年度から行事食を提供しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

乳児クラスでは毎日連絡帳を用いて園での様子、家庭での様子について、こまめに連絡を取り合っています。園だより、クラスだよりを毎月発行して、保護者に園での子どもの様子を知らせています。幼児クラスは毎日の活動の様子を保育室の入口のホワイトボードに記入しています。学級懇談会は年度末に開催し、主に進級に向けて話し合う機会を持っています。来年度からは年度の初めと終わりに開催し、保育の意図や保育内容について、保護者の理解を深められるようにしたいと考えています。園の行事や掲示されている制作物などを通して子どもの成長を保護者と共有できるようにしています。保護者との面談記録が整理されていませんので、今後は書式を決めて記録、整理して保管され、情報が職員間で共有されることが期待されます。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

登降園の際や連絡帳等で保護者とは日々コミュニケーションを取って、保護者が安心して子育てができるように支援しています。日々の何気ないコミュニケーションから保護者の心配事や相談、意見が引き出せるよう、直接話せる機会を大事にしています。個人面談は年に1回実施し、面談はプライバシーに配慮した場所を準備しおこなっています。それ以外でも希望があれば随時面談をしています。相談内容により、施設長や主任が同席し、いつでも助言が受けられる体制ができています。また、鶴見区役所等、相談機関との連携も活かし、適切に助言ができる体制があります。現在、相談内容の記録方法が曖昧になっています。今後は記録の書式や保管方法などを見直し、どの職員も同じように保護者の支援ができるよう情報が共有されることが期待されます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

園では子どもたちの遊ぶ様子、表情、着替えの時や登降園時の保護者の様子を日々観察し、虐待などを早期発見できるよう、見逃さないように気をつけています。また保護者に暖かく声をかけ、相談に乗るなどして予防できるよう努めています。虐待等権利侵害の疑いがあった場合には、すぐに鶴見区こども家庭課に連絡する体制が整っています。また、全国で起こった虐待等権利侵害の事例を職員に周知したり、「虐待発見や支援に迷ったらQ&A」や「発見シート」などを使って園内研修をおこなっています。しかし、園は取組が不十分であると考えており、今後は外部の研修を受けたり、園全体で虐待等権利侵害の早期発見、早期対応ができるよう、更なる取組が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は計画で意図した保育のねらいが達成できたか、決められた書式に自己評価を記入し、保育実践の向上に努めています。毎月の会議の中で子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの成長や意欲、取り組む姿勢についても話し合い、保育の自己評価をおこない、次の月間指導計画に振り返りの課題を反映させています。正規職員は人事考課評価シートを年に1回記入し、目標設定シートに「自分の強み」「苦手なこと」「1年後のありたい姿」を記入し、施設長と年に1回面談をおこなっています。今後は職員全員でお互いに課題について話し合ったり、保育士自身の保育の改善や資質向上に向けて話し合ったり、園全体の課題について全員で話し合い、取り組んでいくことが期待されます。