社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ラフ・クルー元町保育園

2021年01月27日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信

② 施設・事業所情報
名称 ラフ・クルー元町保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60 名
所在地 231-0868
横浜市中区石川町2-64 プラザセレス石川2F 
TEL 045-633-2203 ホームページ http://www.laugh-crew.net/nursery/motomachi/intro.php
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社コミニティハウス
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:8 名
専門職員
園長:1 名
保育士:19 名
看護師:1 名
栄養士:3 名
調理員:2 名
子育て支援員:3 名
施設・設備の概要
保育室:6室(乳児2室・幼児4室)
調理室:1室
医務室:1室
休憩室:1室
調乳室:1室
トイレ:2個
事務室:1室
屋外遊技場(園庭):71.60㎡

③ 理念・基本方針
【保育理念】
子どもの個性を尊重し、豊かな心を育て、たゆみない笑顔を創造します。

【保育方針】
・子どもひとりひとりが自分で考え行動できる自主性・自立性を育みます。
・本物の体験を多く取り入れ、豊かな感受性を育みます。
・集団生活の中で、社会性を身につけ思いやりの心を育みます。
・落ち着いた環境の中で、生きる力の基礎を育みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【園全体で多角的な視点から子どもの姿について語り合い、振り返り、保育実践につなげています】
 日ごろから、保育の質について、子どもの姿を中心に多角的な視点で語り合い、保育実践につなげています。
 一例として、WEBマップと呼ばれる手法を用いています。WEBマップを用いて、活動における子どもの姿を書き出し、活動間の関連性などを可視化しながら、子どもの興味や関心の把握につなげています。把握された内容について、「語り合いの風土」から職員間で子どもの姿を語り合い、指導計画につなげています。計画で実践された内容は、各種会議で振り返り、さらなる質の高い保育の実践につなげています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/06/28(契約日) ~2021/02/12(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 5 回(2017年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【子どもたち一人ひとりのペースや発達に合わせて生活できる空間と関りを実践しています】
 0歳児の別室として過ごせる空間を除き、1歳児以上はワンフロアーの中で子どもたちが生活しています。
 各年齢が過ごすスペースには、一人ひとりのペースや発達に合わせて過ごせるよう、様々な工夫がみられます。0歳児クラスでは、はいはいやよじ登りなどの粗大遊びが十分にできるよう、クッション性のスロープの遊具が常設されるとともに、歩き始めた子どもたちの探索欲求が満たされるよう、子どもの目線の高さに、マジックテープを剥がして遊ぶ素材や、子どもたちの顔を映し出す鏡などが置かれています。また、遊び疲れた子どもがゆったりと休めるよう、置き畳が常設されています。
 1歳児、2歳児クラスでは、限られたスペースの中で、各年齢に合わせた玩具や、構成遊びのコーナー、ままごとコーナーなどを設定することで、一人ひとりのペースで十分に遊び込める環境づくりに努めています。また、子どもたちが集中して遊び込めるように、保育者の動線と遊ぶ空間が交わらないよう配慮し工夫をしています。
 3歳児~5歳児は同じ空間で生活しています。ままごとコーナーや、構成遊びのコーナー、また机上の遊びのコーナーがあり必要な玩具等は整理整頓され、子どもたち自ら、すぐに取り出せる環境になっています。また、発達に合わせたコーナーとして製作コーナーが常設されています。画用紙や新聞紙、プラスチックの容器やアルミホイルなどの素材とハサミやのり、マジックやクレヨンなどの道具が常設され、子どもたちは一人ひとりのイメージに沿って表現することを楽しんでいます。保育者は子どもたちの興味に応じて、さまざまな素材を順次用意しています。
 このような空間づくりを支える環境として、保育者の関りが挙げられます。保育者の配置数を規定より多くすることで、一人ひとりの子どものペースに合わせてゆったりと見守ることができるよう体制を整えています。また、大きな声で遠くから子どもを呼ぶようなことはなく、必要に応じた声かけを子どもの側ですることによって、ワンフロアーの中でも騒々しさは感じられず、子どもたちがゆったりと過ごしている様子が見られました。
 このような保育者の関わりの根底には、園の理念である「子どもの個性を尊重する」という職員間の意識が感じられます。そのため、子どもたちは散歩の準備や、食事の準備、午睡などを一斉に行うのではなく、個々のペースに合わせて行っています。保育者は個々のペースで行うことを尊重しています。
 このような空間と関りから、子どもたち一人ひとりのペースや、発達に合わせた生活の実現に取り組んでいます。

【職員一人ひとりに応じた、育成体制が整えられています】
 園長、主任、リーダー、中堅、新任、新卒と段階ごとに求められる能力や、目標・到達点が「段階別・項目別の到達点」で具体的に示され職員に周知されています。また段階ごとに応じた法人主催の研修、及び自治体等で実施される外部研修が必要な研修として計画されています。
 職員の自己評価に関しては、目標管理・分析シートにより専門知識・技術や子育て・地域支援、対応など項目ごとに5段階で自己評価し園長が考課する仕組みになっています。その際に、園長面談を通して各職員の目標を立てています。
 また、園全体の自己評価については、保育所保育指針に沿った項目で、園長が園の実態に合わせて独自の保育所自己評価を作成しています。これらの内容を全職員で実施し、保育所全体の自己評価につなげています。
 このような個人ごとの自己評価と保育所全体の自己評価を通して、各自が求められる能力や目標を明確にしています。明確にされた内容について、「段階別・項目別の到達点」で具体的に示された求められる能力や目標と照らし合わせ、必要な研修を受講することで職員一人ひとりの育成につながっています。
改善を求められる点 【定期的な園内研修を通して、保育の方向性を確認する機会にしていくことが期待されます】
 法人では新任研修をはじめ、園長、主任、リーダー、中堅など段階別に求められる能力を明記しています。明記された内容に応じて、必要な研修が挙げられ、職員は各々に研修を受講しています。また、自治体等が主催する外部研修も幅広い分野で常勤、非常勤問わず研修を受講しています。
 さらに、講師を招いて園内研修を実施し、同じ研修内容を全職員で受講することで、職員間の理解や連携の深まりにつなげています。
 今後は、園内の課題を取り上げ、課題に沿った園内研修を実施することにより、さらなる職員間の連携や、保育の方向性を確認する機会にしていくことが期待されます。

【園全体を見据えた中・長期計画の策定が望まれます】
 中・長期計画については、法人全体で各園の課題を出し、作成しています。当園の具体的な課題として、中堅職員の育成、保育の質の向上を掲げています。
 課題への取り組みとして、法人主催の研修及び自治体等が主催する外部研修の研修計画を立案し、職員は計画に沿って受講しています。研修計画に沿った受講を通して、中堅職員の育成、保育の質の向上につなげています。また、中・長期計画を踏まえた収支計画も立てられています。収支計画は、3カ月を見越した収支を毎月確認し、人員配置や、修繕など総合的な経費を確認した上で、研修費として算出し計画に反映させています。
 中・長期を見据えた研修計画及び収支計画はありますが、園全体を見据えた中・長期計画の策定には至っておりません。今後は、研修計画及び収支計画も含めた園全体を見据えた中・長期計画の策定が望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・評価分類・評価項目に沿って自園の保育や自園で行っていることを全員で確認することで、日頃行っていることの意味や保育の方向性の確認ができ、良い機会となった。また改めて話し合う機会をいただき、細かく話し合うことで各自が疑問に思っていたことや、何気なくしていたことの意味を認識する機会となり、園の方針等の理解、保育士各自の自己評価にも繋がった。
・改善・向上しなければならない点を、第三者の視点で明確化されることで、短期的課題・中長期的課題が見えやすくなったように感じる。
・日頃行っている保育内容の良い点を伝えていただけることで、保育士一人ひとりの保育に対しての意欲に繋がり、また保育の質の向上にも繋がっていくと感じる。
・各クラスのものをまとめることで各自の保育方針の捉え方が見え、園長として改めて捉え方の把握ができた。

内部で収まらず客観的なご意見をいただくことで、違った視点で考えることができ良い機会となりました。ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や基本方針は、パンフレットやホームページに記載されています。
 保育理念は「子どもの個性を尊重し、豊かな心を育て、たゆみない笑顔を創造します」です。保育方針は「子どもひとりひとりが自分で考え行動できる自主性・自立性を育みます」「本物の体験を多く取り入れ、豊かな感受性を育みます」「集団生活の中で、社会性を身につけ思いやりの心を育みます」「落ち着いた環境の中で、生きる力の基礎を育みます」であり、保育所の使命や目指す方向、考え方を読み取ることができます。
・職員一人ひとりに園の理念に沿った具体的な行動規範が示された「職員ルールブック」及び各種マニュアルを配布し入社時に園長と読み合わせを行っています。また会議等で理念や方針に沿った具体的な保育内容について伝え、周知が図られています。
・保護者へは新入園児説明会にて重要事項説明書を通して伝えたり、保護者会で伝えるなどの取り組みを実施しています。また、園の玄関にも理念の掲示があります。
・保護者の保育に対する要望や行事開催の有無などについて説明する際に、必ず園の保育理念や基本方針に沿って伝えています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向については、法人代表の日本こども育成協議会への参加や、園長の自治体園長会への参加などを通して把握し、情報を共有しています。
 また、保育所における自己評価試行検証の実施園となったことから、保育所の自己評価を通して保育の質の向上など保育業界全体の動向の把握に努めています。さらに各種研修への参加や、業界の動向が掲載されている情報誌を購読することにより情報収集に努めています。
・地域の各種福祉計画については年間を通しての幼保小の連携会議への参加や区の園長校長会への参加、また私立園長会への参加などを通して把握しています。当園は幼保小連携の推進地区に指定され、スタートカリキュラムを踏まえた接続期の重要性について、3年間の計画を立て連携方法について検討し、報告しています。
・コスト分析については、定期的に園児の人数の推移を確認し分析を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・経営課題については、0歳児クラスにおける子ども一人に対する室内のスペースを広げることを取り上げ、法人代表と園長が共有し取り組んでいます。また、課題については日ごろから園長が会議等を通して職員に伝えるとともに、法人代表も園を訪問し職員への周知を図っています。
・具体的な取り組みとして、0歳児クラスの定員変更やそれに伴う、職員体制の変更、職員の採用や収支の状況等も考慮し、検討されています。定員変更をすることにより、子ども一人に対する室内のスペースを広げることは可能です。しかし、利用者や区からの要望を踏まえると、実施の是非について慎重な検討をしています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人全体で各園の課題を検討し、法人代表と園長が課題を共有した上で中・長期計画の作成につなげています。当園の重点課題として、中堅職員の育成及び保育の質の向上を掲げています。
・具体的な取り組みは研修計画に反映され、中堅職員の育成及び保育の質の向上につなげています。内部研修では各職員の経験に合わせてステージごとに研修が設定されているため、中堅職員育成に必要な研修が受講できる体制となっています。また、園に講師を招いて全職員で同じ研修を受けることにより、保育に対する方向性を一致させていくなど、保育の質の向上への取り組みにつなげています。その他、外部研修にも積極的に参加しています。職員数を規定より多く配置することで、常勤・非常勤問わず研修に参加できる体制となっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画の重点課題を単年度計画に反映させています。重点課題として、中堅職員の育成及び保育の質の向上を掲げ、各職員の経験に合わせてステージごとに研修が計画されるとともに、外部講師を園に招いての研修、外部研修など幅広く詳細な計画が立てられています。研修の受講状況は記録され、具体的な成果等で評価を行うことが可能です。また、研修を実施するための職員配置に伴う収支計画を立て、キャッシュフロー、貸借対照表、損益計算書を毎月見直すなど、数値目標を含め単年度計画に反映させています。
・単年度計画には修繕計画も含まれ、法人代表と園長が収支計画の実績、差異等を共有し修繕する時期を検討しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画は園の実態を共有した上で、代表と園長により作成されています。園長は日ごろから、園の課題や取り組みを代表と共有するとともに、会議等で職員に伝えています。
・事業計画は月ごと、期ごと、年ごとと実施状況が、あらかじめ定められた時期、手順にもとづいて把握され評価されています。評価内容については、必要に応じて見直し、次月に生かすなどの取り組みが実施されています。
・事業計画については、日ごろから重点課題として取り上げている中堅職員の育成及び保育の質の向上について、具体的な保育の内容やかかわり方などを、職員会議やクラスミーティングなどで必要に応じて伝えています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画の重点課題として取り上げている、中堅職員の育成及び保育の質の向上については、年2回実施される運営委員会にて説明し、議事録を掲示することで周知しています。運営委員会は、保護者代表4名、第三者委員2名、法人代表、園長、主任が参加し実施されています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・日常の保育については、指導計画等を通して園長、主任が確認し、必要に応じて指導することで保育の質の向上につなげています。また、園長と主任はクラスミーティングにも参加し、具体的な保育内容を確認するなど組織的に検討する体制が整えられています。
・保育所自己評価については、保育所保育指針を土台とし、園の理念及び方針に合わせ園長自ら作成しています。作成された保育所自己評価は、年度末に全職員にて取り組み、気付いたことを記述するなど検討する場が組織として位置づけられ実行されています。また、第三者評価は法人の規定により3年に1回の受審をしています。
・職員の自己評価は園長面談と共に年に2回実施されています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・園長が園の理念や方針に即して作成した、保育所自己評価は保育所保育指針の項目に沿って見直しが行われ、総合的な気づきを文書化し、全職員で共有が図られています。
・課題として、保育の質の向上の観点により「子どもの姿」から保育環境を整えることを取り上げています。具体的には、子どもの姿について職員同士で語り合い、保育者主導でなく子どもが自ら選択できる保育環境の在り方について計画しています。
・計画された内容は、職員会議やクラスミーティングで振り返り、必要に応じて指導計画を修正するなどの取り組みにつなげています。
・今後は、計画された内容について園内研修を実施し、より全職員での共有化を図ることが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・園長は日頃から職員に対し、自らの役割を伝えています。具体的には、園の理念や方針に沿った、保育実践の方向性を示すことや、最終責任の所在が園長にあることなどを伝えています。
 今年度は、コロナ禍で行事の開催の是非について判断が問われました。その際も、理念や方針を軸に、職員の意見と感染症防止対策を踏まえ、行事開催の是非について判断するなど園長の役割と責任に沿って実施しています。
・園長の役割については、段階別・項目別の到達点に、「園の運営統括責任者として園全体の管理を行う」「職員の指導、育成、モチベーションの維持と向上」などについて記載され、会議や研修において表明し周知が図られています。今後は、職務分担表への記載をすることで、より園長の役割を明確にすることが期待されます。
・有事(災害、事故等)における園長の役割と責任及び不在時は主任へ報告をすることなどの権限委任等については、消防計画や危機管理マニュアル等に記載されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は防火管理者講習や衛生推進者講習などを受講するなど遵守すべき法令等について、積極的に理解することに努めています。また、市が主催するマネジメント研修や日本保育協会が主催する施設長研修、さらに法人主催の施設長研修では、人事、運営、組織力を高める研修や危機管理研修を受講するなど幅広い分野の研修や勉強会に参加しています。
・法人全体で、コーポレートポリシーや人材育成ポリシーを掲げています。また、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した情報の収集が図られています。これらの内容について、園長は十分に理解するとともに職員への周知を図っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は保育の質の向上に意欲をもち、その取り組みに指導力を発揮しています。具体的には、週に1度行われる各クラスミーティング、月案ミーティングに参加し子どもの姿や保育内容の共有及び必要に応じて質の向上に向けた助言をしています。
・保育の質に関する課題については、クラスミーティングなどに参加する中で、各職員の保育に対する思いも含め把握に努めています。把握された内容について、各職員の目標、課題に合わせた助言を行うことで、保育の質の向上につなげています。
・保育の質の向上に向けた組織的な体制づくりについては、各クラスに中堅保育士を配置することにより、次期リーダー層の育成につなげるとともに、リーダー会議に参加することで、体制の構築につなげています。
・研修は法人が計画する、「段階ごとの目標・到達点」に応じた、研修計画及び県や市が主催する地域ごとの研修一覧が作成され、計画に沿って受講する体制が整えられています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は法人代表との情報共有を密にし、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、人事、労務、財務等を踏まえた分析を行っています。
・職員が保育内容について十分に語り合うことができるよう、人員配置に配慮しています。具体的には担任同士で語り合う場を十分に確保できるよう、午睡の時間を担任以外の非常勤職員が担当するなどの取り組みを行っています。
・職員数は、配置基準以上に配置しているため、子ども一人ひとりと丁寧にかかわることができるとともに、有給が取得しやすくまた研修が受講しやすい体制となっています。
・職員会議、リーダー会議、給食会議、クラスミーティング、月案ミーティング、パート会議など経営の改善や業務の実効性を高めるために組織内に具体的な体制を構築しています。また、保護者の意見の把握に努めるため、運営委員会も実施しています。園長はこれらの会議に参加し、組織の理念や基本方針の実現に向けて積極的に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・必要な福祉人材や人材の確保と育成に関する方針として、法人のコーポレートポリシーや人材育成ポリシーに示されています。
・計画にもとづいた育成については、段階別・項目別到達点に示されています。職務に応じた「求められる能力」「段階ごとの目標・到達点」「職務内容」「必要な研修・連携」が具体的に記載されています。
・計画にもとづき、職員は新卒、新任、中堅、リーダー、主任、園長とステージごとの研修を受講することにより、人材の育成が実施されています。
・福祉人材確保については、法人本部を中心に人材紹介会社の利用や各自治体の就職相談会への参加、私立園長会からの情報収集等を通して採用につなげています。また、実習生を受け入れ、実習中に園の方針や取り組みを伝える中で、採用につながることもあります。今後は、新卒に関しては就職後1年目の様子を写真と手紙で母校に伝えるなどの養成校との連携や、職員の知り合いから採用につなげるなど、人材確保が難しい状況ですが、園において可能な採用活動をさらに工夫して取り組むことが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」は、段階別・項目別到達点にステージごとに示されています。ステージは、新卒、新任、中堅、リーダー、主任、園長に区分され、それぞれに求められる能力として、具体的な業務内容が示されています。
・ステージ表に対応して昇給昇進の人事基準が明確に定められ、職員に周知されています。職員は具体的に示された、「求められる能力」「段階ごとの目標・到達点」「職務内容」「必要な研修・連携」により、自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みづくりができています。
・日ごろの会議等や、年2回の園長面談を通して把握した職員の意向・意見や評価・分析等にもとづき、法人代表と園長が情報共有のうえ改善案を検討し、実施につなげています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・労務管理については勤怠システムを利用し、園長が把握しています。勤怠システムへの入力を通して、職員の有給休暇の取得状況などについて把握しています。把握された内容は、半月ごとに本部に報告し共有しています。
・職員数は、配置基準以上に配置しているため、希望に応じた有給が取得しやすい体制になっています。また、有給取得日数を把握し、取得率の低い職員には個別に声を掛けるなど職員の心身の健康と安全の確保に努めています。
・年2回の園長面談を行うと共に、状況に応じて職員に個別に声を掛け面談を行っています。また、職員からも希望が上がれば随時面談の機会を設けています。
・総合的な福利厚生の一環として、有給休暇を取得しやすいよう、取得方法の変更、永年勤続表彰の導入を実施しています。
・職員数を多く配置するなど、産休・育休が取得しやすい労働環境作りに努めています。また、子育て家庭の職員に対しては、子育てがしやすいよう短時間労働勤務を導入し、取得実績も積んでいます。シフトの作成では、1週間を通して同じ時間帯でシフトを組むとともに、時間帯変更は段階的に実施するなど、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・期待する職員像については、段階別・項目別到達点に、新卒、新任、中堅、リーダー、主任、園長のそれぞれに求められる能力として、具体的な業務内容が示されています。
・年2回の園長面談の際に使用される、目標管理・分析シートにより、職員一人ひとりの目標管理のための仕組みが構築されています。各職員の目標は、園長面談にて、個々の職員への期待を伝え、職員と検討する中で設定されています。
・目標管理・分析シートは法人の理念等の理解、専門知識・技術、子育て・地域支援、対応など項目ごとに自己採点と、園長の採点する欄が設けられ、数値化できる仕組みになっています。さらに、文書にて記述する項目もあり職員一人ひとりの目標設定が明確にされています。半期に一度、園長面談を通して進捗状況の確認が行われています。また、その際に、目標達成度の確認を行い、次年度の目標や努力項目につなげています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」については、法人のコーポレートポリシーや人材育成ポリシーに明示され、新任研修などの際に、法人代表より伝えています。また、「求められる能力」が明記された、段階別・項目別到達点には、新卒、新任、中堅、リーダー、主任、園長のそれぞれに求められる能力に応じた必要な研修や連携が具体的に記載されています。
・研修は法人が計画する、「段階ごとの目標・到達点」に応じた、研修計画及び県や市が主催する地域ごとの研修一覧が作成され、計画に沿って受講する体制が整えられています。また、外部講師を園に招き、全職員で研修を受講する体制なども整えられています。
・各種研修計画は、年度ごとに研修種別や、研修先、また講師のわかりやすさなどを踏まえ、評価と見直しを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況等については、入社面接や年に2回実施される園長面談などを通して把握してます。また、クラスミーティングなどを通しても把握しています。
・新任研修では、法人代表から法人の根本となるコーポレートポリシーや人材育成ポリシーについて直接学ぶ機会があります。その他、子どもの権利条約に沿った人権擁護の確認や、緊急時の対応、社会人としてのマナーなどの教育、研修を実施しています。リーダー層の育成については、日々の保育の中で園長や主任が個別的なOJTを実施しています。一例として、クラスミーティングにおいて、リーダー層が進行を行い、必要に応じた助言や、助言の伝え方などを園長、主任が指導することで個別的な習熟度に配慮した取り組みにつなげています。
・職員は年度始めに、第一から第三希望までの受講を希望する研修について提出をしています。現在は、法人本部のステージごとの研修や、地域ごとの研修に積極的に参加しています。また職員の意向を踏まえ、個々の興味に応じて研修を促す取り組みも実施されています。今後は、園内研修を充実させ、園全体で同様の意識形成を行っていく取り組みが期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢は、保育実習受け入れマニュアルに明文化しています。
・実習生受け入れマニュアルをもとに、主任が連絡窓口を含め、中心となり対応しています。受入れの際は、守秘義務等の説明も行っています。
・園だよりや園内掲示を通して実習生の受け入れについて保護者にも周知しています。
・各養成校の意向に合わせて実習のプログラムを実施しています。観察実習や参加実習など実習形態の他、実習の記録方法についても、従来の時系列に沿った実習記録や、ドキュメンテーション型の記録方法など、各養成校の取り組みに合わせ実施しています。
・指導者に対する研修として、日本保育協会が実施する、実習生受け入れ研修の受講や、法人が主催する主任を対象とした、実習生の受け入れに関する研修を受講しています。また、園長は、実習生に実習日誌を記載する時間を設けることや、保育の方法などについて学ぶことができるよう、指導者に伝えています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人のホームページや園のホームページに、理念や方針、概要や具体的な取り組みなどが公開されています。事業計画等については、ホームページでの公表は行っていませんが、今後、情報公開の媒体を使用した公開を検討しています。園規則は保護者が常時閲覧可能になっています。
・第三者評価受審結果については、園のホームページ、かながわ福祉サービス第三者評価推進機構にて公表しています。また園内においても閲覧が可能です。
・区のグランマ保育事業に参加し、園内開放や子育て相談、絵本貸し出し事業などに取り組んでいます。これらの内容については、園のパンフレットに記載されています。パンフレットは、区の保育申請説明会や区民祭などで配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育所における事務、経理、取引等に関するルールについては、本部の組織図により明確にされ、新任研修にて周知しています。また、ラフ・クルー元町保育園職員ルールブックにも金銭の使用方法について明記され職員に周知しています。
・園では小口現金を取り扱い、月末に本部の担当職員がチェックすることで、定期的に確認されています。
・外部の専門家による監査支援等として、市の監査課による指導監査を実施しています。監査内容については、指摘事項にもとづいて改善し、市へ報告及び必要書類の提出を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域との関わり方についての基本的な考え方は、全体的な計画に記載されています。
・病後児保育の情報や学童情報、自治体の子育て支援パンフレット、小児救急電話相談などの情報を収集し、掲示板の利用等で保護者に提供しています。
・町内会の行事や区の区民祭や駅伝大会、保育申請説明会など園長を中心に必要人数に応じて職員も参加する体制が整えられ、実施されています。
・地域の人々と子どもとの交流の機会として、園の1階部分にある地域の交流拠点となっているカフェに、子どもの作品を定期的に展示しています。また、2年に1度の町内会と共催する夏祭りの実施や、毎年の商店街のハロウィンイベントへの参加など、定期的な交流に取り組んでいます。
・町内行事のお知らせなど日常的な地域の情報の他に、必要に応じて療育センターや子ども家庭支援機関への利用を推奨しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・ボランティア受け入れに関する基本姿勢は、ボランティア受け入れマニュアルに明文化されています。また、体験学習等の学校教育等への協力についても、ボランティア受け入れマニュアルに則り実施する旨が記載されています。
・ボランティアの受け入れについては、オリエンテーションを行い、守秘義務やプライバシーの尊重、子どもへの関りなどの注意点を伝えています。また、受け入れの際は、園だよりや園内掲示にて保護者にも周知しています。
・保育補助資格取得研修の一環として、研修受講者のボランティアを受け入れています。また、近隣中学校の体験学習の受け入れを、年に1回実施しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・公園の特徴や危険個所を記載した散歩マップ、また災害時避難マップや近隣病院マップ、地域の社会資源一覧(病院、学校、役所など)を玄関に掲示しています。
・市の療育センターや子育て支援関係機関、各区役所の保健師等の情報については、職員会議にて全職員で共有しています。
・市の療育センターには年に1回の巡回を依頼しています。要保護家庭等については、各区役所の保健師より2~3ヶ月に1度、定期的に園に連絡があります。また必要に応じて園から連絡し、園に保健師が訪問することもあります。関係機関との連携の中で、解決に向けて協働し具体的な取り組みを行っています。
・基本的には区の関係機関との連携で対応できますが、地域に適当な関係機関・団体がない場合には、区の保育課に相談し適切な機関を紹介してもらいます。
・家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、虐待対応マニュアルに沿って対応しています。区役所の保健師との定期的な情報共有が図られています。また、必要に応じて児童相談所との連携を図る体制が整えられています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の福祉ニーズの把握については、年に2回、保護者代表4名、第三者委員2名、法人代表、園長、主任が参加し実施される運営委員会を通して情報収集や、把握に努めています。また、区の子育て広場に主任が参加しており地域の親子との交流や育児相談をする中でも把握に努めています。
・園の見学者との話においても、核家族化の進行に伴い、子育てを支援してくれる人が身近にいないことなどが語られており、地域の生活課題等としてこれらの情報の把握にも努めています。
・区の園長会には、子育て支援センターの園長も参加しています。そのため、情報共有をする中で地域の福祉ニーズの把握にもつながっています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・地域貢献に関わる事業の一環として、町内会と共催で夏祭りを実施することで、近隣の高齢者と交流を持つ機会になっています。
・区が主催する子育て広場への参加や、区のグランマ保育事業に参加し、園内開放や子育て相談、絵本貸し出し事業などに取り組んでいます。
・年に1回、町内会で行われる、一時避難場所への避難訓練に園長が参加しています。内容については、職員と共有しています。
・今後は、把握された地域ニーズにもとづき、地域の子育てを支援するため、定期的な育児相談や離乳食セミナーなど専門的な知識・技術や情報を地域に提供することも期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもを尊重した保育の実施については、全体的な計画や、園長が自園の実態と照らし合わせて作成している、ラフ・クルー元町保育園職員ルールブックなどに明示し、職員会議等で子どもの姿を通して園長が伝えています。
・子どもを尊重した保育の提供に関して、職員は法人主催の研修や自治体主催の研修に積極的に参加し、理解し実践するための取り組みにつなげています。理解された内容は指導計画に反映されています。
・基本的人権への配慮については、新任研修の中に組み込まれ実施されています。また、法人主催で子どもの基本的人権への配慮をテーマとした研修も実施されています。日常の保育の中で、子どもの尊重や基本的人権への配慮に関する内容は、ミーティングや職員会議等で子どもの姿を通して園長が伝え、具体的な保育内容につなげています。
・子どもが互いを尊重する心を育てるために保育士が日ごろから一人ひとりの子どもの気持ちを聴くことを大切にし、子どもたち自身が考え選択できるよう心掛けています。また、異年齢での関りの中で、年上の子どもが年下の子どもを思いやる姿を十分に認めることで、互いを尊重する心を育てる取り組みにつなげています。
・性差への先入観による固定的な対応については、NG用語集としてマニュアルに記載があります。日ごろから、男女でのグループ分けをしないことや、「男のくせに、女のくせに」などの価値判断をもった言葉がけをしないこと、また男児は寒色系、女児は暖色系の色を使うなどの基準で判断しないよう配慮しています。
・子どもの人権や、互いを尊重する心については、園のしおり(重要事項説明書)の保育理念や方針また、保育内容等、保育計画の中に記載されています。内容については入園の際にしおりをもとに保護者へ伝えています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どものプライバシーの保護については、オムツ替えマニュアル、水遊びマニュアル等に記載されています。会議等でマニュアルの読み合わせや、法人主催の研修、自治体主催の研修に参加することで、職員の理解が図られています。
・オムツ替えは必ずトイレ内で行う、着替えは上を脱いだら上を着るなど順に着替える、プール、水遊びの服装や場所などに配慮するなどマニュアル等にもとづいて、プライバシーに配慮した関わりが実施されています。
・入園時には必ず、画像や動画の使用について、保護者に説明し同意書をいただいています。また、ホームページなどでの写真使用時には、必ず保護者に確認し、同意を得ています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等を紹介したパンフレットを区役所に設置しています。また、区の保育申請説明会や区民祭などで配布しています。
・園見学は、事前に電話で予約を受け付け実施しています。実施時間帯については、見学者の希望に応じて、柔軟に対応しています。時間や希望人数に配慮し、丁寧な対応ができるようにしています。見学の際は、保育室内の案内に合わせて保育内容を具体的に伝えることで、園で大切にしている関わりについての理解につなげています。
・利用希望者に対する情報提供については、見学の際に質問に答える中で、全体的なニーズを分析し案内のポイントや説明内容の変更などにつなげています。また、必要に応じて職員会議で共有しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園前に重要事項説明書について説明を行い、保護者は同意書に記入をしています。重要事項変更の際は、園の運営委員会の議題に取り上げて説明し、議事録を掲示するとともに、保護者からその都度変更内容について同意書を得ています。
・保育の開始時は、園のしおりにて保育理念・保育方針の他、行事、持ち物、生活の流れ等について説明しています。また、家庭状況の把握のため、食事、睡眠、発達などの生活状況について確認する中で、園の保育内容に関する必要な情報を具体的に説明しています。
・食物アレルギーなど、特に配慮が必要な保護者への説明については、アレルギーに関する面談を実施し説明しています。また、発達に配慮が必要な場合についても、保育士の配置などについて個別面談を実施し説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育所等の変更にあたっては、保護者の同意を得た際は、転園先の施設と連携をとり、電話でのやり取りや、必要に応じて文書化して情報を共有しています。
・保育所の利用が終了した後の相談窓口は、園長としています。必要に応じて、主任や卒園児の担任を務めた保育士が担当しています。
・保育所の利用が終了した時に、子どもや保護者等に対し、いつでも来園できることを必ず伝えています。また、法人は退園後にアンケートを実施しており、保育内容や行事などについて質問するとともに、自由記述欄を設けています。アンケートは本部への送付となっており、保護者は引き続き、退園後の相談窓口として利用することが可能です。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、日々の保育の中で、子どもの姿を中心に保育内容を多角的な視点で話し合い、保育計画につなげています。また、送迎時の保護者とのコミュニケーションを通して家庭の子どもの様子について、把握に努めています。
・日ごろのコミュニケーションや、意見箱の設置、夏祭り、運動会、生活発表会、遠足などの行事の後にアンケートを実施するなど、保護者の満足に関する意向の把握に努めています。また、福祉サービス第三者評価は3年に1回受審しています。
・運営委員会を通して直接保護者から意見を聞くことで、保護者の意向の把握につながっています。。
・保護者会、クラス懇談会はそれぞれ年に1回、実施しています。また、乳児クラスは保育参観時に懇談会を設けています。個人面談は年に2回実施していますが、希望があれば随時行っています。
・保護者会に職員も参加することにより、保護者の意向の把握に努めています。また、保護者の意向を把握するため、クラス懇談会は、担任だけでなく園長、主任も必要に応じて参加しています。
・行事実施後のアンケートについては、行事担当者が取りまとめ、職員会議にて共有しています。また、意見箱や保護者会、運営委員会での保護者の意向については、園長がまとめ会議等で職員と共有しています。
・取りまとめられた保護者の意向については、園の理念や方針に沿って改善を行っています。一例として、生活発表会の実施場所については普段過ごす園内で行うことで、子どもたちの生き生きとした表情がみられることなどを運営委員会で説明し、検討したり、運動会での保護者席を広く設けたりするなどの対応を実施しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の体制については、受付担当を各担任及び主任とし、解決責任者を園長としています。また、2名の第三者委員を設置しています。これらの内容は、入園のしおり(重要事項説明書)に記載があるとともに、玄関にも掲示しています。
・意見箱を設置し、保護者等が苦情を申し出やすい工夫を行っています。また、運営委員会の前には、園だよりにて意見箱への投函を呼び掛けています。
・苦情内容については、苦情対応報告書に記載しています。また、児童票や個人面談記録にも記載しています。
・日々の保育の中で把握された苦情内容に関しては、園長を含め臨時会議を開催し、職員で検討した上で、迅速な対応と報告につなげています。
・苦情内容及び解決結果等は、苦情を申し出た保護者等に配慮したうえで個別に伝えています。また、園全体に関わる内容の際は、園だよりで公表することもあります。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・相談の受付担当については、各担任及び主任、また必要に応じて園長や第三者委員など複数の相手を自由に選べることを玄関でわかりやすく提示しています。また、直接の相談以外に、意見箱を通して意見を述べることができることを園だよりなどを通して伝えています。
・相談をしやすいスペースの確保として、医務室や園と同じ建物内にある職員休憩室を利用し、面談を実施しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・連絡帳や、送迎時のコミュニケーションを通して、保護者の様子を把握し、保護者が相談しやすく意見を述べやすいように配慮しています。また、園長も送迎時の保護者の表情などを把握し、必要に応じて声をかけています。
・意見箱の設置、行事後のアンケート、年に2回実施される運営委員会を通して、保護者の意見を積極的に把握する取り組みを行っています。
・相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等については、苦情対応マニュアル、苦情解決に関する要綱で定めています。
・把握された意見については、園長を含め職員会議で必ず話し合い、検討し、保護者へ報告後実践や改善などにつなげています。
・法人にて対応マニュアル等の見直しを行っています。また、園長会を通して意見を抽出し、マニュアルの見直しに反映させています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

・リスクマネジメントに関する責任者の明確化については、危機管理(リスクマネジメント)マニュアル、事故発生マニュアル等で責任者を明確にしています。園児の怪我のフローチャート、侵入者・不審者フローチャート、災害発生時対応フローチャートなど、項目ごとのフローチャートを整備し職員に周知しています。また、職員は各自マニュアルを所持しています。
・子どもの安心と安全を脅かす事例の収集については、事故報告書、事故記録メモ(軽傷・ヒヤリハットを含む)で積極的に行われています。
・ヒヤリハットの内容によっては、クラス会議や職員会議にて話し合い、発生要因を分析し、改善策・再発防止策を検討・実施する等の取り組みが行われています。また事故報告書の内容は全職員で共有しています。
・安全確保、事故防止に関する研修については、外部研修のリスクマネジメント研修を受講しています。研修内容については研修報告書にまとめられ職員で共有しています。また、各クラスで危険個所を確認し職員会議で共有も図っています。
・今後は、事故防止策等の安全確保策の実施状況や実効性について、統計を取り検証していく予定です。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策について、看護師を中心に管理体制が整えられています。
・感染症の予防と発生時等の対応については、衛生管理マニュアル及び嘔吐物処理方法に記載され、職員に周知しています。嘔吐処理に関しては1年に1回、看護師が実演、講習を行っています。また、各季節の感染症が流行する前に、看護師より説明し予防につなげています。
・感染症の予防対策として、園児、職員共に戸外から園内に入った際は、手洗いを徹底しています。また、日々、玩具の消毒や消毒液を使用した園内清掃等を行っています。
・嘔吐の対応については、各トイレに常備されている嘔吐処理セットを使用し適切な処理をしています。また、該当児は医務室で過ごすと共に、兄弟児、妊婦等が室内に入らないよう対応しています。
・感染症に関するマニュアルについては、看護師と園長にて必要に応じて見直しを行い、職員会議にて周知しています。
・保護者への情報提供については、保健だよりや園内掲示にて行っています。また、市のニュースレターに登録しているため、情報提供があれば掲示にて伝えています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害・事故対応マニュアルにより災害時の対応体制が決められています。
・耐震措置、消火設備については建物の管理会社と共有し必要な対策を講じています。園内の棚の下には耐震マットを敷き対応しています。
・子ども、保護者及び職員の安否確認の方法については、安心伝言板という一斉メールを使用しています。安心伝言板は、保護者、職員共に全員が登録しています。伝言板について、園のしおりに記載するとともに、年に数回、避難訓練時に配信することで周知、確認をしています。
・食料・備品は3日分備蓄され、園内と同じ建物内の3階にある職員休憩室で保管されています。食料は消費期限等も含め栄養士が管理しています。備品については、防災管理者である園長を中心に管理しています。
・毎月、園で避難訓練を行うと共に、年に1回消防署立ち合い訓練を実施しています。訓練は、火災、地震、洪水、津波、不審者を想定して実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・標準的な実施方法については、保育業務マニュアルやハンドブック等で適切に文書化されています。子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護については、保育中の注意事項や、NG用語集に記載されています。
・本社主催の新任研修や、入社時の園長とのオリエンテーションを通してマニュアル等の標準的な実施方法について説明をしています。また、全職員がマニュアルを所持し、必要な際に確認できる体制になっています。
・標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかについては、クラスミーティング、職員会議にて園長を含め保育内容を語り合い、振り返りを行っています。振り返られた内容は、個別の月間指導計画に反映させ、一人ひとりの子どもの姿に応じてねらいを立て実践につなげています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・標準的な実施方法等については、年に1回実施される系列園の園長のヒアリングを通して検証、見直しを実施しています。また、緊急時の対応等、マニュアルの内容によっては、随時必要に応じて検証し、見直しています。
・勤務時や保育中の配慮事項など、園の実態に合わせて園長が作成している、「ラフ・クルー元町保育園 職員ルールブック」は年度末に職員から意見を募ると共に、年間を通して保護者から得られた意見を踏まえ検証し、見直しています。
・見直された内容については、週案、月案を話し合うクラスミーティングで検討し、反映されています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の策定は、各クラス担当者が行い、園長、主任が確認し、園長を最終責任者としています。
・家庭状況表、子どもの生活状況表、発達チェック表、児童票などの書類は入園前に記載内容を確認しています。把握された内容をもとに、新入園児面談を行い、適切なアセスメントにつなげています。
・アセスメント内容については、職員会議にて保育士、看護師、栄養士で共有しています。また必要に応じて、関係職員や、区の保健師が面談に同席し、アセスメント等に関する協議を実施しています。
・全体的な計画にもとづき保育計画が立てられています。子どもの姿から保育を語り合い、指導計画等に反映させています。また、発達の記録を通して、生活面、遊び面を5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)から見直しアセスメントにつなげています。計画の際は、日ごろの保護者とのコミュニケーションの中で得られた、保護者の意向を反映させています。
・指導計画等の作成にあたり、子どもの姿を中心に語り合い、保育計画を立てていく中で、栄養士との給食会議の内容等も反映させています。個別月案については、必要に応じて保護者に意図を伝え、計画を立てることもあります。
・1週間に1度のクラスミーティングに、園長、主任が参加することで子ども中心の保育の振り返りを徹底しています。
・支援困難ケースへの対応については、クラスミーティングだけでなく、職員会議等でも支援の仕方等を検討する時間を設けることがあります。検討内容については、全職員で共有しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、年度末に法人園長会にて見直しを実施しています。また、年間計画は4期ごとに振り返っています。年に1回、保育所自己評価を実施し、結果内容は年度末に保護者に公表しています。公表内容は、閲覧ファイルに綴じられ、保護者は常時確認することができます。
・見直しによって変更した指導計画の内容は、職員会議にて周知しています。状況に応じて、各クラスミーティングでも共有しています。
・全体的な計画は、法人管理のため、変更があった際は、園長を通して職員に周知される仕組みになっています。年間計画等、その他の指導計画は各担当者から園長に相談、報告され、園長から全職員へ周知する仕組みを整備しています。
・指導計画の評価、見直しについては、WEBマップと呼ばれる手法を用いて実施されています。WEBマップを用いて、活動における子どもの姿を書き出し、活動間の関連性などを可視化しています。可視化された内容から、現在の子どもの興味や関心を把握し、指導計画につなげています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況等は、個別指導計画、保育日誌、健康記録、連絡帳、児童票、発達チェック表、個人面談記録等定められた書式によって記録され、保管されています。個別の指導計画等にもとづく保育が実施されていることを記録により確認することができます。
・記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないよう、主任が記録内容を確認し、指導しています。また、必要に応じて園長が主任に伝え、各担当者に伝えるなどの取り組みも実施されています。
・情報が的確に届くよう、情報の分別は園長が行い、主任と共有後、内容に応じてクラスミーティングや職員会議を通して伝える仕組みが整備されています。
・情報共有を目的として、週1回のクラスミーティング、月2回の給食会議、月1回のリーダー会議、月1回の職員会議が行われています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

・子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する個人情報の取り扱いについては、個人情報保護方針等のマニュアルにより定められています。また、就業規則にも定められています。各職員はマニュアルを所持しているため、必要に応じて確認できると共に、クラスミーティングや職員会議等では関連した具体的事項を踏まえ理解を深めています。
・記録管理の責任者は園長と定めています。
・記録の管理については、入社時の園長オリエンテーションを通して教育しています。
・個人情報の記載がある書類等は施錠される書庫で管理しています。書類を使用する際は、園長に報告した上で、各クラスミーティング等で使用しています。
・園で使用するパソコンは、園長と職員は別のパソコンを使用し、各パソコンにパスワードが設定されています。
・個人情報の取り扱いについては、園のしおり(重要事項説明書)に記載され、入園時に説明し、個人情報取り扱いに関する同意書で同意を得ています。また、園内にも掲示をしています。
・現在、データの共有方法としてUSBを使用していますが、より安全性を高めるため、インターネットを利用した共有方法を検討しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

・全体的な計画は、法人内で保育経験年数が長い園長が主となり骨子案を作成し、保育アドヴァイザーが確認し作成されています。また作成された骨子案に対して法人内の園長会にて数回にわたり検討がされています。
・園では全体的な計画の中にある、特色のある保育や、食育、地域関連などの項目について職員会議で検討し作成しています。
・保護者へは全体の保護者会にて、園長が園の方針を含めて全体的な計画の内容に触れ伝えています。さらに、クラス懇談会では全体的な計画に記載のあるクラスの目標や心がけなどについて伝えています。
・今後は、さらなる職員参画のもとで全体的な計画が作成されることが望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・室内の温度、湿度、換気、採光については温湿度計にて管理するとともに、適宜に換気し、採光を取り入れるよう配慮しています。
・音については、ワンフロアーの構造を意識し、遠くから子どもの声を呼ぶのでなく、近くに行って子どもに声をかけるなど、保育士の声量に配慮しています。また、各クラス間で活動の確認をしながら、他のクラスが製作をする際は、音の出る遊びの時間を変更するなど、各クラスの子どもたちが集中して遊べる環境づくりに努めています。
・各クラスでコーナーごとに遊びのスペースを設定することで、一つの遊びに集中できるよう配慮しています。また、子どもの集中が途切れないよう保育者の動線も配慮しています。
・食事と睡眠のスペースを分けることにより、一人ひとりの生活リズムに対応できる生活空間になっており、そのための工夫が見られます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達と発達過程、家庭環境の状況などについて、毎日クラスミーティングの時間を設けています。その際に、子どもの様子やエピソードなどについて語り合うことで、一人ひとりの子どもの個人差を十分に把握するよう努めています。クラスミーティングには週に1回、園長と主任も参加し、各クラスの子どもたちの様子の把握に努めています。
・全クラスにおいて既定の定数より保育者を多く配置することで、子どもの気持ちに丁寧に応えられるよう配慮しています。
・言葉づかいについては、危険なこと以外は、「走らない」ではなく、「歩こうね」など肯定的な言葉で言い換えて伝えるよう意識しています。また、保育者が一方的に伝えるのではなく、子どもに理由を添えて伝えるとともに、子ども自身で気付けるような言葉がけに配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・食事については、一律に離乳食の段階に合わせた食事の提供をするのではなく、家庭での子どもの様子を十分に聞き取り、連携しながら、子どもの咀嚼や嚥下などに応じて、食事の硬さや形状などを決め、提供しています。
・基本的な生活習慣の習得にあたっては、家庭との連携を大切にしています。例えば着脱では、自分でやろうとする気持ちを削がないよう、保護者には脱ぎ着のしやすい衣服を準備してもらうよう協力を仰いでいます。また園での着脱の際の子どもの様子やしぐさなどを伝えることで、家庭でも声を掛けるタイミングなどに気づけるよう配慮しながら伝えています。
・トイレトレーニングは、月齢だけではなく膀胱機能の発達など、個々の身体的な発達についても保護者に伝え、相談しながら始める時期を検討するなどの配慮をしています。
・手洗い指導については、手の洗い方のイラストを掲示したり、歌に合わせて行ったりするなど、子どもが理解しやすく、また取り組みやすいよう心掛けています。また、特殊な光を当てることで汚れが見える器具を使いながら看護師が手洗い指導を行うこともあります。
・生活習慣については、散歩から帰ってきて、靴をしまい、手を洗うなど、毎日同じ順序で行うことで、子どもたちが見通しを持って取組、生活習慣が身に付きやすいよう配慮しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・全クラスにおいて、子どもたち自身が玩具を取り出せる環境を設定するとともに、一人ひとりの子どもたちが集中して遊べるようコーナーごとに遊びの空間を分けています。
・3,4,5歳児の異年齢の子どもたちの育ち合いに配慮し保育に取り組んでいます。戸外活動では、行先の公園の候補を示し、子どもたちは自分が行きたい公園を選んで2つのグループに分かれて散歩に行くなど、子どもたちが自発性を発揮できるよう援助しています。また、リトミック活動を取り入れ、すすんで身体を動かすことができるよう援助しています。リトミック活動は運動会で発表する機会を取り入れています。
・週案を計画する際も、保育者主導ではなく、職員間で具体的なエピソードから子どもの姿を出し合い、子どもの興味、関心を把握したうえで計画を立てています。さらに計画に沿って、言葉がけなども含め、具体的な配慮事項を検討しています。
・子どもたちが協働して活動できる機会の一例として、行事なども子ども主体で進めています。保育者は決められた内容を行うのではなく、子どもたちに何がしたいかを尋ねることから始めます。子どもたちの意見に対して、保育者が環境を整えることで、協働して活動できるよう援助しています。
・2年に1回町内会と夏祭りを共同開催しており、子どもたちは町内会の山車引きで参加します。町内会の方に、園の出店で使用できるチケットを配布し参加を促しています。また、日ごろから地域の清掃当番の方に挨拶をしたり、園長が町内会単独で行う夏祭りに参加したりするなど、子どもたちが地域の方に接する機会を多く設けられるよう配慮しています。
・様々な表現活動ができるよう、製作コーナーを設けています。子どもたちの発想を十分に表現できる環境を整えられるよう、廃材やダンボール、折り紙や毛糸などの素材と共に、ハサミや油性ペン、クレヨン、クーピーなどの道具も準備しています。子どもたちの製作意欲に応じて素材を増やし、自由に表現できるよう配慮しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・生理的欲求や、興味関心から生じる一人ひとりの感情の表出を大切にしています。保育者が先回りして介助をするのではなく、子どもの感情の表出や発信を受け止めて応答的にかかわることを通じて、一人ひとりの子どもとの信頼関係につなげています。また、感情の表出を通して、子どもが自らを表現して良いという実感につなげています。
・食事の提供に関しても、登園時間や欲求などを考慮し、一人ひとりの空腹の時間に合わせて食事が摂れるよう配慮しています。
・日々のクラス会議の中で、一人ひとりの子どもの姿を語り合い、多角的な視点からの子どもの理解に努めています。発達が目覚ましい時期の、一人ひとりの興味関心を見逃さず、応答的に対応できるよう配慮しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・規定数より職員配置を多くし、一人ひとりのペースに合わせてゆったりと対応できるよう環境を整えています。
・一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重できるよう、ゆったりと待つことを心掛けています。また、自分でできた際は、一緒にできたことを喜んだり、子どもの思いを言葉にすることに配慮しています。
・自我の育ちに対して、子どもの気持ちの代弁や「手伝おうか」「待ってようか」などほどよい声かけを意識し、子ども自らが選択できるよう配慮しています。子どもの気持ちが切り替えられる工夫の一つとして、状況に応じて職員を交替し取り組む配慮もしています。
・今後は、室内にクッションを置いたり、絨毯を敷き寝転がることのできるスペースを作るなどの取り組みが期待されます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3,4,5歳児の異年齢の子どもたちの育ち合いに配慮し保育に取り組んでいます。
・3歳児クラスは、単独で生活していた2歳児クラスから、異年齢で生活する幼児クラスへの移行時期のため、一人ひとりの子どもが安心して過ごせるよう配慮しています。例えば、食事の時間は異年齢混合で座るのではなく、3歳児クラスが単独で席に着くなどの配慮をしています。また、保育者との信頼関係をはじめ、年上の子どもたちに手伝ってもらう機会を作ることで、安心して生活できるよう配慮しています。
・4歳児クラスは、年下と年上の子どもたちの間のクラスのため、年下の子どもの手本となる一方で、年上の子どものように上手くできないという心の葛藤を感じる年齢でもあります。そのため、保育者は子どもの心の葛藤を感じ取り、子どもが自ら調整できる力を育むことを大切にしています。
・5歳児クラスでは、友だちと協力して一つのことをやり遂げる機会をもうけています。一例として、運動会や発表会の行事の際には「お父さんやお母さんに何を見せたいか」という保育者の問いから始まり、子どもたちは友だちの意見を聞いたり、折り合いをつけたりしながら活動に取り組んでいきます。保育者は、この過程の中で協力することの大切さや、保育者の意見でなく自分たちで考えることの大切さを学べるよう、関わっています。
・夏祭りには地域の方を招待し、山車引きや出店への招待の他、盆踊りなど子どもたちが取り組んできた活動を見てもらう機会を設けています。また、子どもたちの製作を室内に飾り、来園者が見られるよう工夫や配慮がされています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・園は建物内の2階に位置し、防犯上エレベーターの設置はありませんが、今後は、玄関にスロープを設置するなど、設備面でのさらなる環境整備への配慮が期待されます。
・家庭との連携においては、日々の子どもの様子を、「できた、できない」ではなく、「その子らしさ」を大切にしながら伝えています。伝える際は、クラス担任だけでなく園長からも日々の様子についてエピソードも含めて伝えることにも配慮しています。
・必要に応じて、区の相談窓口の情報を伝えたり、パンフレットを渡すこともあります。また内科健診を通して、嘱託医に観察してもらい、嘱託医の意見を保護者に伝えることもあります。
・療育センターのケースワーカーによる巡回指導を必要に応じて依頼し、助言を受けています。また、区の保健師との連携を大切にし、気になる様子が見られた際は、区の定期検診などを通して観察を依頼し、保護者に適切な情報を伝えるための取り組みにつなげることもあります。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・保育時間が長い子どもも、個々のペースでゆったりと過ごせるよう、職員配置や空間設定の工夫をし、可能な限り所属しているクラスで過ごせるようにしています。合同で過ごす際も、0歳児と1歳児や1歳児と2歳児など、年齢や発達ごとに、少人数で過ごしやすい組み合わせを工夫し、過ごすようにしています。
・保育時間の長い子どもに配慮した、補食・夕食の提供を行っています。また、落ち着いてゆったりと食事がとれるよう環境設定にも配慮しています。
・早遅表と呼ばれる引き継ぎノートを使用し、文書にて引き継ぐとともに、必ず口頭でも引き継ぎ内容を職員間で伝えるようにしています。保護者に伝え忘れがあった際は、その日のうちに電話で連絡することもあります。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・区内の小学校及び幼稚園、保育園の数園で構成されるブロックごとの交流が年間を通して実施されています。交流内容や実施時期は、園長、校長会で検討され計画的に実施されています。小学校との交流では、園長、5歳児担任、栄養士が給食試食会に参加しています。また、子どもたちは秋のフェスティバルに招待され、ドングリなど秋の自然物を使ったゲームなどに参加しています。さらに、学校見学として5年生が校内を案内してくれる機会もあります。幼稚園、保育園を含めた交流では秋の自然交流に参加しています。1年生と幼稚園、保育園の子どもがグループとなり、公園でドングリ探しなどを楽しみます。また中区駅伝大会に参加し、その際は同じ就学先の年長児が集まり交流する機会もあります。
・保護者が、小学校以降の子どもの生活について見通しを持てるよう、年間を通して計画的に実施される、小学校及び幼稚園、保育園との交流内容を伝えています。また、小学校の授業参観への案内も伝えています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育者は受け入れの際に視診を行い一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。また0歳児の担任も務めている看護師は、各クラスへ巡回し、一人ひとりの子どもの体調等を確認し、看護日誌に記入しています。
・年度末に各家庭へ予防接種の実施状況を確認するアンケートを実施しています。確認された内容は、園の健康記録に記載しています。
・感染症が発生した際は、感染症名、感染症の症状、対処法などを事務室に掲示し保護者に周知しています。またクラス別の感染者数も知らせています。
・保健年間計画が立てられ実施されています。年間計画は、月ごとの目標、行事、気を付けたい病気・症状、留意点で構成されています。具体例として、6月7月の目標は「夏に向けた体力づくりができる」「虫歯・歯磨きについて知る」が立てられ、プール活動や虫歯状況の把握など具体的な取り組みが記載されています。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する知識については、SIDSマニュアル及びブレスチェックマニュアルを用いて職員に周知しています。ブレスチェック表を用いて5分ごとにチェックし、確認者の名前を記載しています。
・保護者に対し、乳幼児突然死症候群(SIDS)について新入園児面談の際に各家庭に伝えています。また、園内にはポスターを掲示し必要な情報を提供しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

・身長、体重の計測は毎月1回行い連絡帳で保護者に伝えています。内科健診、歯科健診は年に2回実施されています。健診結果は個々の健康記録カードに記載しています。また、保護者への伝達内容は、全クラスの健診に同席した看護師が各担任に伝え、担任から保護者に伝えています。内容によっては、園長や看護師から伝えることもあります。これらの内容は職員会議にて職員に周知しています。
・内科健診の前には、保健だよりにて事前に相談がある際は申し出てほしい旨を保護者に伝えています。また歯科健診については事前に保護者に質問票を配布し、健診の際に歯科医に回答を記入してもらい保護者へ渡しています。当日に欠席した子どもは、園で嘱託医に連れて行き受診しています。
・歯科健診の際に赤染を実施し、歯科医より指導を受けています。指導内容を職員間で共有し、指導計画に反映させています。今後は園全体において、健康診断・歯科健診の結果を保育に反映する取り組みが期待されます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育所におけるアレルギー対応ガイドラインにもとづき、子どもの状況や園の取り組みを考慮した独自のアレルギーマニュアルを作成し、対応しています。
・食事の提供については、専用トレーに該当園児の名前とアレルゲンが記載されたシールを貼っています。また、食器の色を変えています。配膳の際は担任が献立をもって調理室に行き、栄養士と確認した上で提供しています。担任は子どもが食事をしている際はその場を離れないよう配慮しています。
・栄養士と園長で確認された献立は、保護者にも確認を仰ぎ、了承を得た上で提供しています。
・他の子どもや保護者に、アレルギー疾患、慢性疾患等についての理解を図るための取り組みが期待されます。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食育年間計画を立て、子どもが食についてさまざまな経験ができるよう、旬の野菜に触れたり、季節の食材を使用したクッキングなどに取り組んでいます。
・園長と栄養士は幼児のバイキングでの食事の在り方について話し合う中で、具体的なねらいやプロセスについても検討しています。子どもたちに自分の食べられる量を知ってもらいたいことや、残すことへの罪悪感をもって欲しくないこと、また残す経験を通して自分の食べられる量を把握してくことなど、食に関する豊かな経験ができるよう、保育の計画に位置づけた取り組みが行われています。
・食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう無理強いはせず、一口食べてみることから促したり、同じものを保育士が一緒に食べることで美味しさを伝えられるよう援助しています。
・子どもの食生活や食育に関する取り組みについて、給食だよりを発行し保護者に知らせています。また、給食のサンプルを掲示するとともに、人気のあるメニューのレシピも配布しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・離乳食は、一般的な時期に応じた対応ではなく、個々の咀嚼状態なども含め刻み方を変えるなど調理方法を検討し、一人ひとりの子どもの発育状況や体調等を考慮した、献立・調理の工夫をしています。
・乳児は個々のリズムに合わせゆったりと少人数で食事の時間を設けるよう、職員の配置や活動の流れに配慮しています。介助の中で一人ひとりの嗜好を把握しています。幼児は例年バイキングを取り入れているため、一人ひとりの盛り付ける量などから食べる量や好き嫌いなどを把握しています。
・園で提供される食事やおやつは、平日から土曜日まで、すべて手作りで提供しています。パンも手作りしており、カエルやカタツムリの形を模ったパンを提供しています。
・季節感のある献立として、春の野菜を使ったパスタや竹の子ご飯、モロヘイヤの納豆和えや焼きトウモロコシなど子どもたちの好き嫌いを把握した上で献立を作成し提供しています。また端午の節句にはこいのぼりを模ったケーキを提供するなど行事食も取り入れています。
・食の調査記録や検食簿をまとめ、献立・調理の工夫に反映しています。献立は和食中心で魚の割合を多く取り入れています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・連絡帳によるやり取りや、送迎時のコミュニケーションの中で、各家庭の状況や保護者の意向も踏まえ情報を共有しています。
また、3歳児以上は、ホワイトボードにその日の活動の様子を記載し、活動によっては写真の掲示をしています。
・保育の意図や保育内容について、保護者の理解を得る機会として、保護者会、懇談会、個人面談、保育参観などの機会があります。保育参観では園での普段の様子を見てもらいたいという思いから、0~2歳児は子どもに気づかれないようのぞき穴を作り実施しています。その後、保護者同士で交流する機会も設け、担任からクラスの様子や今後の活動などを伝えています。3歳児以上は、行事への取り組み過程も把握してもらいたいという思いから、運動会で発表する機会を設けている体操教室の参観を実施しています。子どもたちの日ごろの頑張りや、「できた」「できない」ではなくプロセスを大切にしていることなどを伝えています。また、保護者が参加しやすいよう実施時間や実施回数についても配慮しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者との信頼関係の構築を図るため、行事の開催の有無なども含め、園の理念を踏まえた上で具体的な内容や取り組みを説明しています。内容は職員に周知し、各職員も説明できるようにしています。利用者家族アンケートの結果からも「園の情報提供」についての満足度が高く、理解されていることがうかがえます。
・個人面談を実施するほか、保護者の要望に応じて面談を随時受け付けています。また、保護者の様子から、園で必要と感じた際は、園から保護者に面談のアプローチをすることもあります。
・保育所の特性を生かした保護者への支援として、懇談会などの際に担任が日ごろの子どもの様子を写真を使い伝えながら、保護者同士が交流する機会を設けるなどの取り組みも行っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・登園時は担任と看護師により必ず視診を行っています。また、送迎時の親子の会話や子どもの様子などを観察し、子どもの心身の状態、家庭での養育の状況についての把握に努めています。
・虐待等権利侵害の可能性があると職員が感じた場合は、速やかに園長に報告します。園長は区役所の保健師や担当課、法人本部や児童相談所と対応を協議する体制が整えられています。
・送迎時の保護者の様子を見て、少しでも気になることがあれば全職員で共有し、保護者とコミュニケーションを多くとることや、状況に応じて必要な援助の把握に努めています。
・日ごろから地区担当の保健師と綿密に連絡を取っています。保健師は、必要に応じて園を訪問し事実関係等を把握しています。園では情報共有を図るため、日ごろから子どもの状態や経過、また写真などを使った記録をしています。
・園の虐待対応マニュアルや市の虐待ハンドブックにもとづき、職員会議で具体的な事例を踏まえ共有しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・年に2回の園長面談で、目標管理・分析シートを使用し各職員の自己評価を行っています。目標に関しては園長の助言も踏まえ、各職員が作成し、達成状況の振り返りも行われています。
・園長が園の実態に合わせて評価内容を作成した、保育所自己評価によって、保育所の自己評価を全職員で実施しています。実施された自己評価は、クラスミーティング等を通して、子どもの心の育ちや意欲、子どもの姿などに配慮し語り合う中で、互いの学び合いや意識の向上につながっています。
・各職員が実施した自己評価は、「保育所自己評価の結果について」とし、書面でまとめられ、保護者向けの閲覧ファイルで管理することにより、保護者が閲覧できるよう配慮しています。