社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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あいまーる保育園

2022年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 あいまーる保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50(58名) 名
所在地 〒251-0052
藤沢市藤沢551-1日進ビル2階
TEL 0466-52-4150  ホームページ https://harmonie-hoikuen.jp/aimaru-hoikuen/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 有限会社HARMONIE(アルモニー)
職員数
常勤職員:12 名
非常勤職員:8 名
専門職員
保育士:14 名
管理栄養士:1 名
栄養士:2 名
施設・設備の概要
保育室:5室 
トイレ:4
調理室:有(8.71㎡)
事務室:有(8.79㎡)
園庭:なし

③ 理念・基本方針
・保育理念:温かい心を持つ子どもに育てる。生き生きと未来を明るく歩んで行ける子どもに育てる。周りの人と協力し合える子どもに育てる。ルールを守れる子どもに育てる。

・保育目標:優しく、思いやりがあるのびのびとした子

・園の方針:社会性の獲得・習得を助け、身体の基礎的能力の発達の促進、食育の推進と体育の実施による健全な身体の成長を促進すること

④ 施設・事業所の特徴的な取組
あいまーる保育園は、基本的にはワンフロアで、可動式の壁やカーテンでフロアを仕切る事が出来るようになってい
る。そのため、保育内容や行事により、壁をなくして広々とした空間を利用した保育が行える。また、0歳児室は独立し
た保育室となっている。また、落ち着いた空間を保ちつつも、幼児室から聞こえてくるピアノの音に体を揺らしたりと刺激を受ける事も出来ている。1~2歳児・3~5歳児は異年齢で過ごすことが多く、小さい子に優しくしたり、大きな子からはたくさんの刺激を受けながら、自然と個々の育ちにつながっている。また、体育指導(4・5歳児)や美術指導(3,4,5歳児)夏季水泳教室(3,4,5歳児)を受けることで、専門的な視点からのアプローチを受けたり、保育士以外からの指導を受ける姿勢を学ぶことが出来る。
 天気の良い日は積極的に戸外へ出かける。0.1.2歳児は比較的近隣の公園へ行き、お友達と手をつないで歩くことや、交通ルールを知ることが出来るようにしている。幼児クラスは、交通ルールを身につけられるようにし、時期や季節を感じながら、駅を越え遠い公園へも出かけ、体力づくりに心がけている。
また、保護者支援にも積極的に取り組み、関係づくりに力を入れている。保護者からの疑問やご意見・要望等には、迅速に対応できるよう、園長・主任も保護者と積極的に顔を合わせるよう心がけている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/04/20(契約日) ~2022/02/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)無農薬・有機野菜、手作りにこだわり、食育に力を入れています

子どもにとって食はとても大切なことと捉え、食に関する豊かな経験ができるよう、法人全体で取り組んでいます。同じ法人の保育園と交流を兼ねて、姉妹園にて稲の栽培や夏野菜の収穫をしています。4、5歳児には、4色のパネルを利用し、食材が体のどのような栄養になるかという食育活動を行っています。給食には、毎食フルーツが付いています。おやつはすべて手作りにしています。食によって季節を感じられるよう、七草がゆ、七夕そうめん、十五夜のいも団子などを採り入れています。食材にこだわり、無農薬・有機野菜や無添加調味料を吟味し使用することで、安心安全な食を提供しています。

2)コロナ禍でも、外遊び、地域との交流を絶やさず積極的に取り組んでいます

コロナ流行による自粛ムードのさなかでも、感染対策に留意しつつも、できるだけ外へお散歩にでかけ、近隣の公園で外遊びをするようにしています。多少天候が悪くても外で遊ぶ元気な過ごし方を心がけています。勤労感謝の企画では、子どもたちは手作りプレゼントを持って、日頃お世話になっている近所の魚屋さん、鉄道の駅長さん、交番のお巡りさんを訪ねて、感謝の気持ちを届けています。また、赤い羽根共同募金の活動にも協力するなど、地域との交流を絶やさずに取り組んでいます。

3)保護者に対しても、職員間でも連携がとれ、風通しの良い組織となっています

保護者とは、日々のコミュニケーションに加えて、年に2回の個人面談を行い、信頼関係を築いています。園は連絡帳のみならず、ドキュメンテーションの手法を採り入れ、日々の保育を写真で構成した掲示物を通じて、保育の振り返りを保護者とともにできる工夫をしています。これによって保育への理解が深まり、活発なコミュニケーションにつながっています。職員間については、担任だけでなく職員全員で子どもを見守るように、連携を密にしています。また、社長、副社長、園長、課長、主任はSNSを活用し、すぐに課題を相談、解決できるような体制を作っています。
改善を求められる点 1)園としての自己評価

職員の自己評価に関しては、保育士の自己評価を年に2回実施し、園長、主任と面談を重ねながら自らの課題や目標をたてて日々実践を積み重ねています。また、年度末に保護者アンケートを実施し、結果を集計し、保護者に配布、園内に掲示するなど積極的な取組をしています。しかし、園としての自己評価への取組には改善の余地が残されています。職員との話し合いを積み重ねながら、園としての一年間の成果と課題を明らかにし、次年度の事業計画に結び付けるような取組が望まれます。

2)事業計画(中・長期計画と単年度事業計画)の具体化

保育のさらなる充実、地域の保育ニーズに応えるというミッション、ビジョンはありますので、それを具体的な指標を伴った事業計画(中・長期計画と単年度事業計画)にしていくことが求められます。そのためには、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、収支計画が盛り込まれることが必要です。単年度の保育の各種計画にとどまらず、園がめざす将来にわたる方向性を具体的計画のなかで明らかにすることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度、第三者評価を受けるに当たり、日常の保育や保育園運営に関するこれまでの取組について、職員全員が評価項目に照らして様々な観点から振り返りを行ったことで、保育所に求められる事柄について改めて学ぶことができ、大変貴重な機会となりました。
また、コロナ禍にあっても、姉妹園を含む法人全体で保育園運営について創意工夫を図り、行事運営などについて連携を図りながら取り組んだことについて、園児やそのご家族の皆様から高く評価していただき感謝しております。
今後は、さらなる保育の質の向上、より地域に根差した保育園となることを目指し、評価を通じて明らかになった課題や気付きについて、改善に向けて積極的に取り組んでまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念、基本方針は、パンフレット、ホームページに掲載され、玄関にも掲示されています。保護者には入園説明会で直接説明しています。職員は単に言葉として理解するだけでは不十分で、日々の保育の中で理念を実現するにはまだ課題があると考えています。年度当初に「めざしたい保育園像」をテーマに、職員全員を集めた研修会を開き、どのような保育をめざすのか一人ひとり発言し、理念と保育観を考え合いました。年度後半に再度、振り返りの会を行い、園の自己評価につなげていくことに期待します。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人と毎月、オンラインでのミーティングを開き、その場で経営をとりまく様々な状況や情報を把握しています。ここには、系列園の園長も参加しており、運営に関する意見交換を行っています。コロナ禍で地域との関係は希薄となっていますが、見学希望者等から「今、保育園は何を期待されているのか」という生の声を聞き取って法人にも伝え、運営に役立てています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

経営環境、職員体制、財務状況等は主に法人が、保育内容や人材育成は主に園が現状を把握して具体的な課題を明らかにし、組織全体で共有しています。社長、副社長、施設統括課長、系列の園長、主任が定期的なオンラインミーティングを開くとともに、SNSのグループを作って、日常的にやりとりをしています。目下、園としては職員体制、人材育成、修繕を経営課題と考え、法人と話し合いながら解決に向けて取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、地域の保育ニーズに応え、長期的に保育園の運営を増やしていくビジョンを持っています。園は、人材育成を進め、保育理念にもとづいた保育の質の向上を図っていくことを中・長期の課題として考えています。保育内容については全体計画があり、中・長期にわたって達成する目標を掲げています。しかし、目標達成に向けた工程、担当者、人員、資金的裏付けなどについて、具体的内容が不明確なので、実効性のある中・長期計画を策定することが課題です。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

園の長期目標は、保育理念である「温かい心を持つ子、生き生きと明るく未来を歩める子、周りの人と協力できる子、ルールを守れる子」を育てることです。その一環として、単年度の全体計画をたて、そのもとに指導計画、行事計画、保健計画、防災計画があり、それぞれ実行可能な内容となっています。ただし、事業計画とは、子どもへの直接援助にかかわるテーマだけでなく、それを支える資金、人材育成、環境整備、将来の事業展開への準備も含んだ計画です。そのような視点からも事業計画の内容をさらに充実されることを期待します。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の根幹である保育計画については、職員の参画のもとで策定され、定められた時期・手順にもとづき実施状況が把握され、評価、見直し、全体共有されています。全体計画は、系列4園の統括園長が原案を作成し、各園の特徴に合わせて修正します。年間計画は新旧担任が引き継ぎ、新担任が作成し、主任、園長の承認を得ます。月案、週案も担任が作成します。年間計画は期ごとに、月案は毎月評価、見直しをしています。保育以外の課題についても計画をたて、実施状況の把握、評価、見直しのサイクルの具体化を期待します。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画のすべてを保護者に説明してはいません。全体計画についても、記載内容が適用されない子どももいるので、あえて掲示していません。事業計画の中でも、月間計画の各クラスの目標については、園だより(あいまーるレシピ)に毎月載せています。また、年間行事計画を配布し、行事ごとに口頭、おたより、園内掲示などを通して保護者に周知しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

毎月の会議で、一クラスごとに保育の振り返りを行い、全職員で一つのクラスの保育について話し合う場を設けています。あるクラスの具体的な保育目標、心がけたことがどのような結果になったか、課題は何かを報告し、大判の紙に書き出して事務室に掲示、職員の意見を付箋に書いて貼り出しています。また、職員は年2回、保育に関する79項目に及ぶ自己評価表をチェックし、主任・園長との面接を繰り返しています。園長は、これらをもとに園としての自己評価をまとめていますが、今後はこれを公表していくことが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

行政監査も法的基準にもとづく評価の一つと言えますが、最近の行政監査において特に指摘事項はありませんでした。日々の保育において課題が生じた場合、職員全体に伝えられ、職員会議などで改善策が話し合われています。園の自己評価や、今回の第三者評価で明らかになった課題などを、整理、分析し、具体的な改善計画につなげていくことは今後の課題としています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、園規則とおり、園全体の運営の責任をもち、職員を統率し、保護者や取引先等に対する責任ある窓口として位置付けられています。園長は、園の考えや課題、保護者に伝えるべき事項、協力を依頼する事項など重要な事項を毎月の園だよりに掲載しています。園長は職員や保護者とコミュニケーションを密にとり、事故やトラブルの対策や予防に努めています。有事の際、園長が不在の時は、園長の権限は主任に、主任が不在の時はリーダーへと権限が委譲されることになっていますが、これらを文書化する必要が認められます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、広範囲にわたる法令遵守すべき内容を、市役所からの情報や業界専門新聞などをから吸収し、必要に応じて職員に回覧して、組織として徹底するように努めています。園長が法令遵守に関する研修に参加することを今後の課題としています。園の保育園規則に「法令遵守」としての明文化が十分ではありません。今後は、規定類に法令遵守、社会的ルール遵守についての明記が期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、各クラスのデイリープログラム・週日案・月間指導計画・年間指導計画が、全体の計画に沿って実施されているか確認をしています。職員の自己評価や保育現場の観察などから、必要に応じて助言、指導を行い、保育の質の向上に努めています。園長は、保育の現場、リーダー会議、給食会議などに参加し、職員から出た意見をリーダー会議や職員会議で取り上げ、改善策は保育活動に反映しています。保育の専門性を高めるために階層別研修やキャリアアップ研修への参加を促し、職員全体のレベルアップに努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

職員の人員配置は、法人で決めていますが、園長は現場の園の現状、意見を積極的に提案して実効性のある職員体制になるよう努めています。園長は職員が働きやすいように、こまめにコミュニケーションをとり、精神的ケアを心がけています。また、非常勤職員が職員会議に参加できるように検討しています。経営改善については、業務のなかでコスト意識をもつように職員に伝え、無駄遣いのない、効率のよい経営になるようリーダーシップを発揮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材の確保に関しては、求人、異動、職員配置を含めて法人が一元的に実施しています。昨今の厳しい採用難の状況や、急な職員の異動もあり、実態に合った人員配置が整うまでに時間がかかることが課題です。人材育成については、研修計画をキャリア別に計画しています。求人活動は、法人が学校訪問、ハローワーク、人材紹介会社等を活用して実施しています。法人ホームページに採用のページがあり、必要としている人物像、保育業務の一日、先輩からの一言などを掲載し、写真をふんだんに使ってわかりやすく効果的な内容になっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

園が「期待する職員像」は明文化へ検討が進んでおり、今後は保育園規則などに明記することが期待されます。人事基準は、保育実践、個人面談、自己評価チェックリストから、職員の専門性、職務遂行能力、成果や貢献度を総合的に分析し、評価しています。人事評価は年に2回、勤務実績・態度、資質・能力、言動・保育実践の28項目を自己評価、1次評価、2次評価を通して行われます。個人面談や日々の会話から将来の思いなどを確かめ、必要な研修の受講を推奨しています。階層別研修やキャリアアップなどの研修計画表を作成しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長、主任は、日々職員の就業状況、心身の健康と安全を確認し、コミュニケーションを絶やさぬよう努めています。職員が働き過ぎにならないよう、有給休暇の取得を勧奨したり、時間外労働の管理をしています。職員数の関係であらかじめ超勤を組み込まざるをえない場合もありますが、園児が少ない日には早く帰れるようにするなど調整を図っています。改善策を計画に盛り込み、実行することが期待されます。通勤手当は上限がなく、資格手当、お祝い金制度があります。確定型拠出年金の保険料は法人が負担するなど、福利厚生が充実しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園として期待する職員像はまだ明確にされていませんが、定期的に行われる自己評価チェックシートで職員の専門性、人間性や倫理観を確認しています。個人面談で本人の目標に合わせたキャリアアップ、階層別研修などの研修を促し、職員の専門性の向上に繋げています。研修計画にもとづき、目標に向けた研修を推奨していますが、目標を立てていない職員もおり、目標達成に至る過程の管理体制が十分ではありません。今後は、職員一人ひとりの目標の設定から達成に至る仕組み作りが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」は現在策定中であり、完成が期待されます。ただし、保育士自己評価表、人事評価シートに、職員としてのあるべき姿が具体的に示されています。職員面接のなかで、職員の課題や目標を明らかにして、研修計画の中に反映するようにしています。キャリアに応じた研修に全職員が参加しています。研修計画は、前年の実施状況や職員の課題を検討して、年度当初に見直しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

園長、主任は、職員面接、自己評価等を通じて、個別の職員の知識、技術水準、保育士以外の専門資格(レク、体育などの資格)を把握しています。新任職員には、指導担当の職員を一人つけて、OJTを実施しています。外部研修を研修計画のなかに採り入れ、参加を勧奨し、参加できるように超勤職員をつけたり、職員配置を工夫するなど体制を整えています。研修参加者は研修報告書を提出していますが、今後に研修参加者を講師役にした研修報告会を開くことを検討しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

神奈川県限定保育士資格の実習生を1名受入れたことがあります。「実習受け入れにあたって」という手引きがあり、オリエンテーションでの説明の仕方、指導内容、日誌の書き方、学校との連携方法などが決められています。指導者研修は実施したことはありませんが、今後、実習受け入れが決定すれば、指導者への研修を行う予定でいます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページには、理念や基本方針が掲載され公開されていますが、事業計画、事業報告、予算、決算が未公開となっているので、今後の課題といえます。苦情窓口、第三者委員などを定めた苦情・相談体制については、玄関に掲示されています。第三者評価を受審することは、保護者にも伝えられており、アンケートへの協力を求め、結果についても掲示、公開しています。第三者評価とは別に、年度末に保育の実施状況に対する保護者アンケートを独自に実施しています。これについても結果を集計し、保護者に配布、掲示されています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

職務分掌は園の規則、組織図、分担表に明示され、それそれの権限と責任が明確にされています。経理に関しては、園では小口現金の出納管理だけを行っています。小口現金は小口一覧表に日付、科目、内容、支払先、入金額、支出額を記録し、法人の事務センターが点検し、副社長の決裁を受けることになっています。また、法人としては会計士、社労士などの助言を受けており、行政監査の際には会計士が立ち合い、必要な助言を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体計画の中に、「地域の実態に対応した保育事業と行事への参加」の項目があり、「・子育て支援の一貫として、随時見学、相談の受け入れ・園行事での地域への協力要請(近隣商店)・園舎で行う行事への近隣世帯のお誘い」の実施を明記しています。コロナ禍で地域とのかかわりは制約されていますが、勤労感謝のイベントでは、食材を配達していただいている魚屋さん、近所の鉄道の駅長さん、交番のお巡りさんなどに子どもたちが制作したプレゼントを届け、たいへん喜ばれました。赤い羽根募金活動では街中に立って協力しました。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

コロナ前には図書館の絵本の読み聞かせボランティアが来ていましたが、それ以外の実績はありません。系列園では受け入れを行っており、受け入れ体制はあります。ただし、受け入れに関するマニュアルの整備がありません。今後、マニュアルを作成し、受け入れの基本的な考え方や手順を職員に明確にしていくことが望まれます。小学校との連携は、全体計画に位置付けられており、地元の小学校には、コロナ前には見学に行っていました。幼保小中特別支援学校連携の会議に参加し、小学校単位のグループで交流をしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

関係機関などの連絡先リストを作成し、事務室に備え付けています。藤沢市の子ども家庭課、保健所、療育センター、民間の支援団体などと連携を図り、情報の交換も行っています。要保護児童対策地域協議会や児童相談所と連携し、家庭での虐待から子どもを守る適切な対応に努めています。特に配慮の必要な子どもについて藤沢市の保健師と臨床心理士から子どもの観察や指導、助言をもらっています。嘱託医による健康診断(年2回)、歯科医の健診(年2回)、眼科医による4歳児と5歳児、新入園児の健診(年1回)を実施しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営委員会、町内会への参加は、法人が担当していますが、これらを通じて、地域の課題、福祉ニーズや生活課題の把握に努めています。園としてはコロナ禍もあり、なかなか地域とのかかわりを持ちにくくなっています。子育ての悩みなど一人で抱え込まないで相談できるよう、子育て相談の案内を玄関に掲示しています。また、園見学の折には、いつでも相談をしてほしいと伝えています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍でもあり、積極的に地域に貢献する活動への取組は困難な状況ですが、赤い羽根共同募金の活動には参加しています。また、コロナ流行期でも、医療従事者や仕事を休むことができない家庭のために、体制を整えて開園してきました。今後、コロナ感染の心配がなくなれば、土曜日の園内開放や、散歩先の公園で紙芝居をするなど、地域の子どもたちと楽しめる取組をしたい、と考えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針に、子どもを尊重した保育の実践について明示し、年度初めの職員会議の中で確認しています。職員は子どもたちのことを一番に考えながら保育を行い、デイリープログラムに反映しています。朝の会では、子どもたちにその日に行きたい公園や、室内活動、好きな遊びなどの希望を聞いています。年に1度、人権チェック表を活用し、職員一人ひとりが子どもへの尊重や基本的人権に配慮しているかどうか振りかえりを行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもの人権尊重とプライバシー保護については、保育士自己評価表のチェック項目になっており、各職員が自覚を持つようにしています。着替えの時は、ブラインドを下げて外から見えないように気を付けています。保護者から相談があった際は、他の保護者や子どもに知られないように個室で話を聞いています。子どものトイレにはドアがありませんが、トイレの外で順番を待ち、子どもの排泄に対する羞恥心とプライバシーに配慮しています。子どもが失敗してしまった時に、職員が大きな声を出さないように注意していきたいと考えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園見学の希望者には、パンフレットを渡し、コロナ感染防止に留意しながら玄関で案内をしています。電話で見学の受付後、日程を調整し、園長と主任が時間を取ってゆっくり丁寧に説明しています。見学後は、いつでも相談を受け付けることを伝えています。パンフレット、ホームページともに保育方針や園の概要をわかりやすく載せています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始、及び保育内容の変更は、メールや玄関の掲示板を利用して保護者に伝えています。特に配慮が必要な保護者への説明は、担任や園長、主任が直接伝えるようにしています。入園にあたっては「あいまーる保育園規則」にもとづいて説明し、同意を得ています。保護者の就労の変更の際には、役所に提出する変更届についてわかりやすく説明して書類を渡しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更にあたって、保育の継続性に配慮した手順と引き継ぎ文書は定めていませんが、必要に応じ、子どもや保護者の意向を踏まえ、他の保育園や幼稚園をはじめとする関係機関と連携を取っています。卒園式では、子どもや保護者にいつでも相談に乗ることを口頭で伝えています。卒園児の半分以上は、ランドセルを見せに遊びに来ています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者会は設置していませんが、行事ごと、また、年度末にアンケートを実施し、保護者の声を常に聞き取るよう努めています。利用者満足を把握し、結果を分析し、次の行事に生かしています。年2回の個人面談では、子どもがどれだけ満足しているかということを、保護者の視点から聞き取っています。内容によっては職員全員で共有し、保育の質の向上を図っています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

園長は、入園説明会や懇談会の中で、保護者とともに何でも一緒に解決していきたいという意向を表明しています。「あいまーる保育園における意見・要望等解決実施要領」を定め、わかりやすく説明した掲示物が掲示され、苦情解決の体制が整備されています。苦情内容や話し合いの内容、対応の結果を記載した記録を適切に保管しています。今後、保護者への第三者委員の周知が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入園ガイドの中や入園説明会で、保育園のことで気が付いたことは、遠慮なく意見としてあげてほしいと保護者に伝えています。悩みや相談などを子どもの送迎時に保育士に話す、園長・主任に直接伝える、第三者委員に相談など複数の方法を保護者に自由に選んでもらえる説明をしています。保護者から相談があった際は、相談しやすいように個室で話を聞いています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

玄関には意見箱を設置し、保護者が無記名で意見を出せるようにしています。行事ごと、また、年度末にアンケートを実施し、保護者の声を常に聞き取るよう努めています。アンケートを集計し、結果を分析して次年度の行事に生かしています。年2回の個人面談でも保護者の意見を積極的に把握するよう心がけています。園長・主任は、法人運営に関わる要望も含め、保護者からの意見に迅速に対応しています。対応マニュアルはありますが、定期的に見直しを行うことが課題です。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者を園長・主任とし、リーダーを交えて事故防止について話し合いの場を持っています。園外保育を行う際には、保育士を多く配置するよう心がけています。首から上のけがは、基本的に受診するようにしています。ヒヤリハット検証記録を作成し、子どもの安全確保と事故防止につなげています。事故発生時の対応マニュアルを用いた研修を実施し、職員間で確認を行うことが期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対応マニュアルがあり、感染症が発生した場合の対応が適切に行われています。コロナウイルス感染予防のため職員は、自宅で検温してから出勤しています。また、室内の玩具やロッカー、玄関の外のドアノブ、階段手すりなどを時間を決めて消毒しています。保護者への情報提供として、玄関の掲示板に市内の感染症発生状況を掲示し、注意を呼び掛けています。感染症マニュアルを活用して実技と合わせた研修を行い、職員全員に周知することが期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

避難訓練年間計画を作成し、月に1回、様々な設定での避難訓練を行っています。離乳食、水、寝袋、カイロ、カセットストーブなどを準備し、園で長時間過ごすことを想定した備蓄を完備しています。保護者に対して、子どもの引取訓練を行い、配布している「入園ガイド」には災害時の避難場所と災害連絡先を記載して周知を図っています。年2回消防署への通報訓練を実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

デイリープログラムを作成し、標準的な保育の実施方法を文書化しています。一日の基本的な保育内容を時間・援助や配慮すべき点・環境設定と具体的に明記し、職員の経験年数によって保育の質にばらつきがないように努めています。職員は、保育の実施時の留意点や子ども・保護者のプライバシーへの配慮、業務手順など保育全般にわたって理解しています。一定の水準、内容を保った保育実践がなされ、それぞれの子どもの個別性に対応し、保育士と子どもと1対1で関わる場面もあります。全職員がデイリープログラムにもとづいて保育を実施ができる仕組み作りが期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

年度初めに、担任保育士が前年度の評価と子どもたちの状況や発達過程を考慮し、、デイリープログラムを作成しています。デイリープログラムを基本にしながらも子どもの成長や季節などに配慮し、柔軟に対応しています。見直しにあたり、指導計画の内容を反映しています。保護者からの意見について職員会議で話し合い、デイリープログラムの見直しを行うこともあります。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

アンケート、個人面談、連絡帳や送迎時の会話の中から保護者のニーズや意向を把握しています。前年度の全体的な計画の評価や反省を踏まえて指導計画を作成しています。その指導計画にもとづき、保育を実践し、振り返りや見直しを行う仕組みが構築され、機能しています。支援困難ケースへの対応については、個別ケース事案として市の子ども家庭課と連携し、適切な保育の提供を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

年度の終わりに次年度の新しい担任が決まると、指導計画の反省と評価をし、職員間で引き継ぎをしています。年間指導計画は4期に分け、期ごとに評価と反省をしながら月案、週案を立てており、必要があれば見直しています。園長と主任は全ての指導計画を確認しています。指導計画を変更する場合、お便りや玄関の掲示板に記載したうえで、送迎時に保護者に口頭でも伝えるようにしています。指導計画の見直しにあたって、保育の質にかかわる課題を明確化し、次の計画を作成することが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

記録は、事務室の鍵のかかる書庫に保管され、職員は誰でも閲覧できる仕組みが整備されています。子ども一人ひとりの保育の実施状況を、園が定めた統一様式によって適切に記録しています。定期的に職員会議で各クラスのケースカンファレンスを行い、その内容は会議録として記録し、職員全員が回覧し把握しています。園長と主任が記録の内容や書き方を指導しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

「文書取扱規程」により、園の事務の適正な処理を図る必要な事項を定めています。個人情報に関わる記録の保存基準期間を明示し、適切に管理しています。職員は、入職時に保育業務内容に関する情報・個人情報の秘密保持に関して遵守することを誓約しています。入園面談や懇談会では、個人情報の取り扱いについて保護者に説明しています。記録の管理について個人情報保護の観点から、職員に対して研修を行い、再確認する予定です。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、保育所保育指針等の趣旨を捉え、保育理念や保育方針、園の保育目標にもとづいて作成しています。地域の実態、子どもと家庭の状況や保育時間などを考慮し、子どもの発達過程に応じて作成しています。園長の責任の下、保育に関わる職員が参画して作成し、年2回の園独自の自己評価の中で、保育士自身が計画に沿って保育を行っているか再確認をしています。全体的な計画にもとづいて、年間カリキュラムや月案、個別指導計画案を作成して定期的に見直し、次の作成に活かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

各クラスに空気清浄機や加湿器を設置し、温度や湿度を調整しています。午睡用の寝具については、週に一度シーツと肌がけを保護者が持ち帰って洗い、布団は園で消毒をしています。保育士は、一人ひとりの子どもの表情や様子をよく観察し、臨機応変に対応して子どもが落ち着けるように努めています。園の建物の構造上、死角がなく、子どもが落ち着ける場所の確保が難しい状況ですが、パーテーションやカーテン、手作りの衝立などで必要に応じて部屋を区切ったり広げたりして工夫しています。子どもが安心感を持ってくつろぎたい時に事務室や0歳児保育室を利用し、子どもの意思を尊重できるように配慮しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりの家庭環境を把握し、子どもの発達の状況等に合わせて保育を行っています。職員は、出来る限り子どもと目線を合わせて接することによって、子どもが不安になったり焦る気持ちにならないよう心がけています。子どもの気持ちを受け止め、優しく話しかけ、スキンシップを取ることを大切にしています。職員会議で、一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育に関して話し合う機会がありますが、定期的に職員間で意識し合える仕組み作りが期待されます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

各クラスで、年齢に合った目標を持ち、基本的生活習慣を身に付けることができる活動を採り入れています。マークやシールで自分の物や自分のロッカーを認識できるよう工夫しています。それぞれの子どもの発達に応じて自分でできることは自分でやることができるように、職員は、「褒める」「励ます」ことを心がけています。
他の園児より活動が遅れてしまう子どもには、保育士が個別に対応できる体制を整えています。子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重し、意欲を持って行動できるように、職員は環境を整えて保育を行っていますが、まだ十分ではないと考えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

晴れている日は、出来る限り戸外に出かけ、四季を感じたり、公園でのびのびと体を動かすことができるよう努めています。自由に遊ぶこともありますが、子どもが友だちと協同して遊びや活動ができるよう配慮しています。室内では、好きな遊びや玩具を自分で選んで遊ぶことができるような環境づくりを心がけています。コロナの影響もあり、例年より地域の人たちに接する機会が減っていますが、公園に出かける道すがら近所の人と挨拶を交わしています。毎年勤労感謝の日には、給食の食材を届けてくれる魚屋さんと近所の鉄道の駅長室に手作りプレゼントを持って感謝の気持ちを伝える機会を設けています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児が、長時間過ごすことに適した生活と遊び、環境を工夫しています。保育室には、0歳児が安全にハイハイできるように畳のスペースがあります。部屋のコーナーに衝立を作り、一人ひとりの子どもにとって安心な環境づくりに努めています。0歳児の保育室は幼児の保育室と隣接していて、音の遮断が完全とは言えませんが、できる限りドアを閉め、ゆったりと落ち着いた空間になるように心がけています。職員は、玩具のみにたよらず保育士とのスキンシップが大切と考えています。園と家庭が毎日記入する連絡帳を活用し、園での様子、家庭での様子を伝え合っています。子ども一人ひとりに月案を立てて実践し、発達過程に応じた必要な保育を行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育士は、遊びの中で子ども同士の思いがぶつかり合ったり、危険なときはすぐに仲立ちができるようにしています。合同での散歩や朝夕の異年齢保育の時間に様々な年齢の子どもとの関わりを図っています。現在、1歳児10名、2歳児11名のクラス編成となっているため、じっくりと子どもと関わっています。保育士は子どもの発達に合わせて生活環境を整え、子どもが自分で何かをやろうとしている時には見守り、必要に応じて援助しています。絵本や玩具など子どもが興味を持つものは、子どもの手に取りやすい場所に配置しています。連絡帳や送迎時のやり取りで一人ひとりの子どもの家庭状況を把握し、必要に応じて保育内容を変更するなど臨機応変に対応しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

行事を通し、集団の中で安定して過ごすことができるよう保育環境を整えています。友だちと協同して何か一つのことをやり遂げる楽しさを味わえるように配慮しています。行事の準備や練習の中で、友だちと助け合ったり、話し合う時間を作るようにしています。子ども同士のトラブルがあった際は、子どもが自分なりの言葉で表現する大切さに留意しながら関わり、必要に応じて代弁をして仲立ちをしています。子どもについて小学校や保護者に伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

配慮が必要な子どもに対して発達状態を把握し、落ち着いた環境で過ごせるよう努めています。はっきりとした診断名がついておらず、個別の指導計画は作成していませんが、個別記録や保護者とのやり取りの内容を記載するケア記録があります。職員は障害について理解を深めるため、できる限り園外研修に参加しています。配慮が必要な子どもとの関わり方は市の子ども家庭課と連携しています。保育園の入っているビル内にはエレベーターがあり、保育室内はほとんど段差はありません。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一日の生活を見通して、その連続性に配慮し、子ども主体の計画性を持った取組をしています。午前寝、午睡、夕寝など子どもの健康状態や発達に合わせ休める環境を確保しています。習い事などで早帰りする子どもには、早めにおやつを提供しています。おやつは、おにぎりやパンなど腹持ちの良いメニューにし、在園時間の長い子どもにも配慮しています。延長保育の時間帯は、子どもが好きな遊びが好きなようにできるよう玩具を用意し、保育士とゆったり過ごしています。延長保育を利用する子どもには、調理する必要のないおやつを持参してもらうなど、長時間在園に考慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携、就学を見通した計画にもとづいて、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮しています。年長クラス担当の保育士は、就学に向け、進学先の小学校へ子どもの育ち・発達の状況を記録した「保育所児童保育要録」を送付しています。配慮が必要と思われる子どもの保護者には、個別に声かけし、就学に向けた連携を取っています。地域の幼保小連絡会に参加し、保育士及び小学校教員と意見交換を行い、就学に向けた小学校との連携を図っています。1月ごろから午睡の時間をなくし、文字を書いたり、迷路をするなど就学を意識した座って行うプログラムを取り入れています。近隣の小学校を見学し、子どもたちが小学校生活に期待が持てるような機会を設けています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

朝の受入れ時の観察と1日1回の着替えを行うことで、子どもの身体に異常がないか確認を行っています。全園児の健康状態を把握し情報共有を図るため、職員は業務日報を活用しています。午睡中の乳幼児突然死症候群の危険性に注意し、全園児の午睡チェック表を作成しています。0歳児は5分毎、1歳児10分、2歳児15分、3歳以上30分毎に子どもの呼吸・体勢などについてチェックを行っています。子どもの体調が悪いときは、事務室の一画にカーテンを引き、個室のようなスペースを確保して安静にしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回の健康診断や歯科健診、年1回の尿検査、眼科健診(4歳児と新入園の5歳児)を行い、保護者に結果を伝えています。健康診断の日に欠席した子どものために、予備日を設けています。健康診断や歯科健診、身体測定の結果を職員で共有し、保健年間計画や指導計画等に反映させて、子どもの心身の健康教育につなげています。歯科健診で子どもたちの歯の状態を把握し、歯科医の指導のもと、給食後に保育士が仕上げ磨きを行っています。虫歯予防デーの日には、パネルシアターを利用し、子どもたちに歯磨きの重要性や磨き方を伝えています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもには、除去食や代替食を提供しています。必要に応じ管理栄養士が同席して保護者との個人面談を行い、連携を密にとるよう努めています。全職員がアレルギー疾患について、研修や会議にて知識や情報を習得しています。食事の提供時には、誤食がないように複数の職員で声だし確認を行っています。他の子どもにアレルギーの危険性を話し、理解を図るための取組を行っています。卵や牛乳アレルギーのある子どもに配慮し、工作で利用する廃材は牛乳パックやプリンの容器を使わないなど徹底したアレルギー対策をしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもにとって食はとても大切なことと捉え、食に関する豊かな経験ができるよう、法人全体で取り組んでいます。同法人の保育園と交流を兼ねて、姉妹園で稲の栽培や夏野菜の収穫をしています。トウモロコシの皮むきやそら豆の皮むきを保育に採り入れ、旬の野菜に触れる機会を作っています。4、5歳児には、4色のパネルを利用し、食材が体のどのような栄養になるかという食育活動を行っています。苦手な食べ物でも一口は食べてみることを声かけしますが、無理強いはしないようにしています。子どもの個人差や食欲に応じて、量を加減しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

食材にこだわり、無農薬・有機野菜や無添加調味料を吟味し使用することで、安心安全な食を提供しています。給食には、毎食果物が付き、おやつはすべて手作りにしています。食によって季節を感じられるよう、七草がゆ、七夕そうめん、十五夜の芋団子などを採り入れています。子どもの食べる量や好き嫌いを把握し、食べきれる量を提供することによって、完食できた達成感を感じ、自信に繋げられるようにしています。生のままで食べる果物類は、電解水を利用し消毒をするなど衛生管理を適切に行っています。定期的に調理師や栄養士が食事の様子をみたり、子どもたちの話を聞いたりする機会を持つことが期待されます。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは懇談会や個人面談、連絡帳、日々の送迎時でも積極的にコミュニケーションを図っています。園長の言葉、全体の方針や月間予定、各クラス目標などを園だよりである「あいまーるレシピ」に毎月、掲載しています。各クラスだよりで、室内遊びの様子、外遊びの様子、お願いごとなどを掲載しています。インターネット写真サイトを通じて日々の保育の写真をアップしています。また、毎日の保育をどのような観点で行っているかがわかるように、写真で構成した「ドキュメンテーション」を作成し、園内に掲示しています。「ドキュメンテーション」によって職員、保護者が共に効果的な振り返りができ、保護者と園のコミュニケーションが活発になり、相互理解が進んでいるようです。年2回の個人面談では、前半は子育ての悩みを聞いたり、保護者との信頼関係を築くことに重点を置きます。後半は進級にむけて子どもの成長ぶりを共感しあう場にしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎日の送迎時、面談、連絡帳、電話などを通じて、保護者からの相談に応じるようにしています。送迎時には保護者の様子や表情にも注意を払い、「疲れていませんか?」など、体調を気遣う言葉をかけをしています。担任以外の職員も、保護者や子どもを気遣っていることを感じとってもらえるよう心がけています。相談の際は、園長か主任が対応し、担任も立ち会うようにしています。相談内容は、「ケア経過記録」に記入します。相談当日の相談内容だけでなく、事後の経過も記録するようになっています。相談は、プライバシーに配慮して、夕方に、空いた保育室を利用しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待などの兆候を見逃さないよう、登園時や着替えの時の身体チェック、園児の会話や様子などを観察しています。気になることがあれば、職員間で情報を共有し、全員が気にかけるようにしています。ケア記録に状況を記録しています。園長を窓口にして、市役所をはじめ関係機関と連携を図っています。園規則には、児童虐待防止法遵守の規定があり、園児の虐待が疑われる場合は、園児の保護とともに、家庭の養育態度の改善を図ることとし、関係機関、市町村に通報する、と定められています。虐待等の権利侵害を発見した場合の対応マニュアルがあります。職員の理解を徹底するために、マニュアルをあらためて職員全体で読み合わせをしたいと考えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育では、クラス会議など各種会議における職員間の話し合いを通じて保育実践の振り返りを行っています。保育士一人ひとりの自己評価は、年に2回、定められたチェック項目に従って行っています。園に提出後、園長、主任と面談することになっています。自己評価は、子どもの発達の理解、保育理念への理解、食事、排泄、環境、保育内容、人権尊重、組織性、安全意識、保護者支援、守秘義務の意識、研修・研究への意欲等、多岐にわたった項目を網羅しています。前回までの課題にどのように取り組んで、成果はどうであったか、次回の課題は何かを振り返ることにしています。保育士の自己評価を通じて明らかになった課題を、互いの学び合いやさらなる意識の向上につなげていくことについては、課題があると感じています。今後は、自己評価を具体的な研修計画や職員の能力開発につなげていきたいと考えています。