社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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あいみー平間保育園

2022年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 あいみー平間保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(利用者65名) 名
所在地 231-0015
川崎市中原区北谷町21-2
TEL 044-201-6941 ホームページ https://aime.ed.jp/company
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) あいみーキッズ株式会社
職員数
常勤職員:20 名
非常勤職員:6 名
専門職員
保育士: 名
看護師: 名
調理師: 名
施設・設備の概要
保育室:6
トイレ:3か所 
調理室:厨房
事務室/医務室兼:
沐浴室・調乳室:
職員トイレ:
更衣室:
園庭:なし
中庭:あり

③ 理念・基本方針
【保育理念】                                           
・健康、安全などに必要な基礎的な習慣を養い、生命の保持及び情緒の安定を図る。                         ・人に対する愛情と信頼感、人権を大切にする心を育てると共に自主性、協調性の態度を養い道徳性の芽生えを培う。
・保育生活の中で様々な体験を通し豊かな完成を育て、想像力、思考力の芽生えを培う。        

【保育方針】                                           
1.思いやりの心を育てる。                                    
2.健康なからだを育む。                                      
3.自主性と意欲を養う。                                      

【保育目標】                                           
・思いやりのある素直な子                                     
・心身共に豊かな子                                        
・意欲を持って自分で考え行動できる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
保育園では「子どもたちの安全を守る」こと、「質の高い保育を実施する」ことを最重要課題として、様々な課題に取り組んでいます。
社内外の研修を充実させ、全ての職員に社会人マナーから緊急時対応、保育実技まで多様なテーマを取り上げて受講できるようにプランニングしています。
「子どもたちのためにできることは何でもやる」というポジティブな姿勢で職員一同心を一つに取り組んでいます。         
毎週ネイティブ講師による英語教室で英語の歌や言葉と親しみ、リトミック教室で歌やリズム遊びと親しんだり、季節ごとにアットホームなイベント(クリスマス・ハロウィン・老人ホーム訪問など)を行い、地域との交流もはかり、社会見学(消防署など)も毎月の行事として実施し、グループ保育合同でのイベントの取り組みも行っていきます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/11/30(契約日) ~2022/02/28(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)職員による質の高い保育の実施

中長期ビジョンや単年度計画に人材教育・人材育成を明記し、毎年最重要項目として掲げています。法人本部と園長は定期的に職員の個人面談を行い、本人の将来設計や意向をもとに職員一人ひとりのスキルアップの目標設定を行っています。自己研鑽、自己啓発を奨励し、階層別、専門別、課題別フォローアップを行っています。働きやすい職場環境のもと、職員の技術水準を高める研修受講を設け、一人ひとりの専門性、人間性の向上に努めています。 

2)幅広い地域との交流活動

園は、開園して4年目ですが「在園児や地域子育て家庭の健全育成と支援を図る」を目的に年間4期に分けた期ごとの計画を作成し、子育ての知識や経験、技術を生かした子育て支援を積極的に行っています。中原区主催の行事や近隣園と協働で行う「ミミケロの会」では、子育て相談やベビーマッサージなどを定期的に開催し、園内では体を動かすリズム遊び、絵具やはさみを使ってつくる制作遊びなどを行っていて、地域の子育て親子から好評を得ています。世代を超えた地域交流として、高齢者の施設訪問や地域住民とのハロウイン交流、地域の農地での芋ほり、消防署、警察署見学など、地域に馴染んだ幅広い交流活動を行っています。次年度は園のホームページに子育て相談窓口の開設も検討しています。

3)子どもに食への興味

食の安全と安心について職員が一丸となって取り組んでいます。食事を個別に形状や量を調節し、1ヶ月に一回開催する給食会議で、子ども一人ひとりの食事が適切に提供されているかどうかの見直しをしています。栄養士と保育士の連携で食農で育てた野菜を給食で提供したり、子ども自身で盛り付けを行うなど食べる意欲を高める調理実習を行っています。保護者は、QRコードで当日の野菜生産者の情報を知ることが出来ます。月に1回、食への関心を高めるために郷土料理メニューの日を儲け、みそカツやいも煮など各地方の伝統料理を知る機会を設けています。

改善を求められる点 1)定期的に実施する園全体の自己評価

各職員が行う自己評価や行事後の保護者へのアンケートを実施していますが、それぞれの評価結果の分析内容を園全体の自己評価に継続的に反映する仕組みが十分ではありません。職員や保護者の評価結果から明らかになった課題の把握・分析・改善・実施に繋がる園全体の自己評価を組織的・継続的に行い、園の質の向上につなげるPDCAサイクルの活用が望まれます。


⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 初めての第三者評価を受け、開園から4年目を迎えている園の運営において、「強み」の確認と、次年度以降より改善や導入していくべきことが明確になりました。職員もそれぞれの評価項目を確認することによって、自身の保育を振り返ることができたと思います。
 次年度以降の保育計画に地域における保育園の役割をしっかりと充実させ、「保育の質」の向上を図るために、職員がしっかりと保育できる環境を整え、子どもたちが健やかに成長していき、保護者の方には安心して預けられる保育園にしていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念・基本方針は、園のしおり、重要事項説明書、ホームページなどに明文化し、園内や保育室に掲示しています。理念からは、園の使命や目指す方向・考え方を読みとることができます。保育ガイドや運営規定に職員としての行動規範を明記し、入職時の研修や個人面談で理解を深めています。周知状況の確認方法はありませんが、入園案内や毎月発行される園だよりなどで、理念や基本方針に沿った園活動を分かりやすく周知しています。また、保護者懇談会や保育参加では、園の方針に沿った保育活動の様子や継続的な取組・目標なども説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向については法人が分析し、情報は各姉妹園に伝達されます。地域的な動向は、川崎市や中原区が開催する園長会や幼保小連絡会などに参加して確認しています。地域における園環境の課題、保育コストの分析、利用者の推移・利用率の分析などは、法人が中心に行い、分析結果などの情報は、毎月の園長会で共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や経営状況における課題や問題点を明らかにし、姉妹園合同の園長会で共有しています。経営に関する課題は、必要に応じて職員に周知しています。具体的な改善・解決策は、法人と協議し、法人を中心に取組を進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は関連姉妹園全体の統一した中長期計画(1年~3年)を策定しています。全体的な経営課題や問題点を明確にし、目指す成果をあげていますが、数値目標や具体的な成果の設定が十分ではありません。中長期計画は必要に応じて見直しが行われ、各園の園長会で周知しています。園の中長期計画は法人と同様です。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中長期計画に沿った単年度の計画を策定しています。前年度に続き、中長期計画に明記する人材育成と業務執行の強化など、目指す方向性は明記していますが、数値目標や前年度で明らかになった課題など、具体的な取組が明確ではありません。単年度の報告から次年度の計画に繋がる具体的な改善策の内容を明確にすることが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画策定は、保育内容、保護者との交流、危機管理や職員の意向・質の向上などを反映し、各姉妹園共通の事業計画を法人主導で立案しています。全職員に次年度の園の方針を年度末に説明していますが、具体的な課題の改善策や継続内容などの周知が十分ではありません。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者に関連する事業計画は、年に2回実施する保護者会や運営委員会で報告しています。現在、ICTシステムの導入を検討しており、進捗状況なども説明していますが、園では、タイムラグのない情報伝達が十分ではなく、善処していきたいとしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育内容に関する指導計画や行事などは日常的にPDCAサイクルを活用しています。保護者のアンケート(主に行事関連)や定期的に行う職員の自己評価の結果は、職員会議や園長会で把握していますが、評価結果をもとにした園全体の分析、分析課題の検討・改善・反映に繋げるPDCAサイクルの機能が十分ではありません。第三者評価は今回初めての受審です。結果を反映していきたいとしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保育の指導計画や行事計画に関しては、職員参画で課題を文書化し、改善策に向けて進めています。園全体として取り組む課題や改善策は、法人主導の各姉妹園統一の事業計画に沿って行われています。職員参画のもとで策定する園独自の具体的・計画的な実施方法が明確ではなく、組織的なPDCAサイクルが十分に活用されていません。園は、理念に向けた園全体の質の向上につなげる改善計画の策定が必要だと考えています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、週1回行っている職員会議で園の方針、取組や進捗状況などを説明しています。法人傘下の組織図、職務分掌・職務分担表、運営規定などに園長としての役割と責任を明記しています。有事における園長不在時の権限委任などは、口頭で伝え、事あるごとに確認をしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、園運営における法令遵守について十分理解し、取引事業者や行政関係者らと適正な関係を保持しています。また、全国保育士会主催の施設長研修や法人の園長会などに参加し、遵守すべき法令について理解を深めています。法令遵守について職員が正しく理解するために、職員としての行動規範や業務ルールについて保育マニュアルを基に勉強会や研修を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、職員会議や日常の保育実践で職員の意見を聞き、理念や保育方針に沿った保育が実施されているか評価・分析を行っています。指導計画に対する職員の評価や反省をもとに各クラスの保育活動を確認し、必要な助言や研修受講を促すなど、一人ひとりのスキルアップに取り組んでいます。毎週行う職員会議や定期的に行う個別面談で出た提案や意見は、職員間で共有し、保育活動に反映する仕組みができています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

勤怠管理、小口経費管理については、園長が適正に行っており、園全体の経営改善や業務の効率化に向けた人事、財務、労務に関する分析は法人が行っています。園長は、職員が意欲を持って働ける職場環境を心がけ、現場の意向を法人に報告をしていますが、まだ、十分な職場環境ではないと考えています。法人は、今年度より、「職場環境向上委員会」を立ち上げ、職員の労働環境の整備を進めています。また、園では、同じ目的意識を持って園業務を行うために担当業務を細分化した職務分担表や法人傘下の組織図も作成しています。 業務の効率化、業務の見える化を行い、業務負担の軽減に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

人材に関する基本的な考え方は、法人の方針に同じとしてしています。必要な人材や人員体制は、法人主導のもとで計画的に行っています。有資格者の取得リストを作成し、障害児担当、看護師、栄養士や乳児・幼児リーダーなど、適切な配置を行っています。また、資格のない職員には、必要な資格取得を促しています。人材確保については、大学・短大の幼児保育・児童学科の就職活動に企業紹介として参加したり、川崎市主催の就職相談会などで説明をしていますが、最も効果的な人材確保として、職員の紹介制度を利用し、人材確保に繋げています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

中長期ビジョン、保育マニュアルなどに法人の職員として「求める職員像」を明確にしています。人事基準は、就業規則、賃金規定に定めており、入職時に説明しています。また、必要な時は事務室で閲覧することもできます。法人の人事基準に基づき、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度などを評価し、処遇に反映しています。法人本部と園長は、年2回職員の個別面談を行い、本人の自己評価、次年度の意向や将来の抱負などを把握し、職員が意欲を持って働ける就業環境に努めています。今年度は、「職場環境向上委員会」を立ち上げていますが、まだ、十分ではないとしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の心身の健康状態、就業状況、有給休暇の取得状況などの勤怠状況は定期的に確認し、把握しています。園長・主任は、日頃から職員とコミュニケーションをとり、会話の様子から個人的に相談を行うなど、総合的なメンタルケアに努めています。今年度から外部通報制度や「あいみーホットライン」のQRコードで いつでも相談できるシステムを導入しています。福利厚生の利用やシフト調整、勤務地の選択など、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を行い、職員のストレス軽減に配慮した働きやすい職場づくりに努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「求める職員像」を明確にしています。職員一人ひとりの技術性・専門性をキャリアアップリスト(研修受講リスト)で作成し、確認しています。法人と園長は定期的に個人面談を行い、本人の将来設計や意向をもとに職員一人ひとりのスキルアップの目標設定を行っています。個別面談を年2回行い、進捗状況の確認をしています。人材教育・人材育成を重要項目として実施していますが、まだ十分とは言えず、さらに継続した人材育成に努めていきたいとしています。 

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の「求める職員像」を明示し、人材教育・人材育成に関する基本方針や人材計画を明確にしています。法人の職員として、必要な専門資格や専門技は就業規則に明示され、研修計画に基づいた教育や研修を実施しています。受講後は報告書を提出し、会議や園内研修時に発表の機会を設け、他の職員との共有化を図っています。定期的に行う個別面談で職員の進捗状況や意向などは把握していますが、計画の見直しや評価が十分ではないとしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

年度初めに職員の研修計画を立案し、キャリアアップリストに研修受講歴や受講予定などを記載しています。リストをもとに職員全員の知識・技術水準・専門資格などの取得状況を把握し、必要な知識・技術水準に応じた教育・研修を実施しています。一人ひとりの教育・研修の機会が確保され、経験や習熟度に応じてクラスリーダー、主任、園長らによる個別的なサポートが行われています。非正規職員はe-ラーニング受講や職員会議で研修の記録を確認しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

マニュアルを整備し、実習生育成に関する基本姿勢を明文化しています。受け入れ態勢を整えていましたが、コロナウイルス自粛期間中のため、活動は中止しています。園は、まだ、実習生受け入れの実績がありません。今後は、コロナウイルス感染状況を確認しながら積極的に受け入れていきたいとしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページに園の理念・基本方針・保育の内容などの情報を公表していますが、事業計画、事業報告、予算・決算情報は公開していません。第三者評価は今回初めて受審し、評価結果については公開予定です。苦情・相談の体制は、重要事項説明書に明記しています。地域子育て支援について園の基本姿勢を明文化しています。4期/年間ごとの園児保護者支援・地域子育て支援に分類した計画を作成し、中原区保育・子育て総合支援センターや近隣園と協働で行う支援活動を積極的に行っています。活動情報は、中原区、園のホームページ、中原区保育総合支援センターや地域支援センターに情報公開されています。園内にもパンフレットなどで周知しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経理規定、現金規定に事務、経理、取引に関するルールを明記しています。保護者には園のしおりに職務分掌を記載し、職員への周知は、職務分掌・職務分担表・運営規定などに権限と責任を明文化しています。定期的に内部監査を実施し、適正な経営・運営が確認されています。公認会計士による会計監査も定期的に実施し、監査支援や指摘事項などがある場合は、法人中心に経営改善に向けて取り組みます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本姿勢を明文化し、保護者と地域の子育て支援計画を年間4期に分けて策定しています。園は、開園して4年目ですが「在園児や地域子育て家庭の健全育成と支援を図る」ことを目標とした子育て支援を積極的に行っています。中原区主催の行事や近隣園と協働で行う「ミミケロの会」では、子育て相談やベビーマッサージなど定期的に開催しています。園児の地域交流として高齢者の施設訪問や地域住民とのハロウイン交流など、幅広い地域交流を行っています。次年度には園のホームページに子育て相談窓口の開設も検討しています。園ホールに保護者や子どもが活用できる情報を提供しています。コロナウイルス感染自粛のため、現在は中止している活動もありますが、コロナ感染の状況により、通常通り再開していきたいとしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明文化し、マニュアルを整備しています。現時点では、ボランティア受け入れの実績はありませんが、令和3年12月1日から3日間、小学校生活科の授業「街探検」で小学生が訪問します。今後は、地域の小学校や中学校など、学校教育への協力を積極的に取り組んで行きたいとしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

子どもや保護者に対応出来る関係機関や団体との連絡方法は、まとめて一覧表にし、職員間で共有しています。定期的に関係機関の園長会やケース検討会などに出席したり、川崎市発達見守り相談や中央療育センターなどの連絡協議会などにも参加しています。家庭での虐待が疑われる子どもに関しては、中原区役所の担当者と定期的に情報交換を行い、必要に応じて適切な助言や指導を受ける体制ができています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園は、保護者や地域の子育て家庭の健全育成や支援に取り組み、信頼関係が築ける開かれた保育園を目指しています。年間の在園家庭と地域への子育て支援計画を作成しています。中原区子育て支援課や他園と協働で行う「ミミケロの会」は、子育て相談やベビーマッサージを実施しています。園長は、地域の福祉ニーズの把握につとめ、中原区主催の園長会、幼保小連絡会や地域子育て支援センターなどの連絡会に出席し、区の現状や課題について意見交換や情報交換を行っています。また、定期的に開催する園の運営委員会に更に民生委員・児童委員の参加依頼も検討しています。園は次年度より、ホームページに子育て相談窓口のページを開設し、地域への支援を幅広く進めていきたいとしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

世代を超えた地域交流として4歳5歳児が年2回高齢者施設を訪問し、歌や合奏、手遊びなどを披露しています。また、ハロウイン祭り、芋ほり、消防署、警察署見学など、地域住民と定期的な連携を持ち、交流を深めています。中原区や近隣の他園協働で年間3回実施する「親子連続講座ベビーミミケロひろば」には園長が参加し、おしゃべりタイム、子どものスキンケア、子育て相談など、親子で楽しめるプログラムを作成して実施しています。地域の福祉的支援としてAEDの設置、職員の救命救急講習修了、看護師、栄養士や発達障害児への対応も可能ですが、地域への公表が十分ではありません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育について、共通の理解を持つための取組を行っています。「子どものために出来ることは何でもやる」という姿勢で、年間・月・週と保育計画を立て、子どものその時の状況に応じた保育を心がけています。子どもの人権に関するマニュアルを整備し、定期的に保育の内容についてセルフチェックを行っています。子どもの人権に関する外部研修を受け、職員会議の場で報告しています。保護者に対し、子どもの権利条例についての書面を懇談会で配付していますが、さらなる保護者の理解を図る取組を期待します。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシーを守るための規定があり、職員は遵守しています。日常的な保育の中で子どものプライバシーについて随時、職員会議で話し合っています。職員は研修に参加し、デリケートゾーンについて学び、保護者や子どもに説明しています。入園時の説明で、子どものプライバシーを守ることを保護者に伝えています。可動式の衝立を用意し、おむつ替えは決まった場所で行っています。着替えをする時は上半身、下半身を別々に脱ぎ着するようにし、子どもの羞恥心に配慮しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

見学の希望者には、パンフレットを渡し、コロナ感染防止に留意しながら短時間で案内をしています。代わりにホームページには園内設備の写真や行事の写真を数多く掲載しています。また、食育、保健活動も含め、保育活動の様子の写真をタイムリーに掲載するようにしています。パンフレット、ホームページともに保育理念や保育方針、園の概要をわかりやすく載せています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園が決定すると川崎市より入園前健診を知らせています。健診後、保育説明会を開催し、入園1ヶ月前に個人面談を実施しています。個人面談は、保育士だけでなく看護師や栄養士とも行っています。保護者の意向に十分に配慮し、保育の具体的な内容や日常生活に関する事項、その他の留意事項等をわかりやすく説明しています。重要事項説明書に基づき、保護者の同意を得ています。保護者の就労状況による時間変更があった場合は、担任を交えて個別に話し合いの場を設けています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更にあたり、移行先保育園と引き継ぎをしています。別の市町村に変わった場合は、電話などで情報提供して保育の継続性に配慮した対応を行っています。卒園時には、いつでも気軽に遊びに来ていいことを伝え、クラス便りにもそのことを一言添えています。今後、保育園の利用が終了した時に、その後の相談方法や担当者について、さらに丁寧な説明とその内容を記載した手紙を渡すことを検討しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

運動会や発表会など年に4回以上の行事後に、必ず保護者アンケートを実施しています。回収率は100%に近く、行事担当職員がアンケートを集計し、職員会議で報告しています。アンケートの分析、検討の結果、例年子どものみで行っていた夏祭りを保護者も参加できるようにし、大成功を収めています。職員は、利用者満足を把握する目的で保護者会に参加しています。行事以外の運営や園全体の満足度に関するアンケートを実施し、運営委員会などで検討することが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みが確立しており、周知しています。立地上、近隣住民から園児の声に対する苦情がありましたが、その内容を公表し、保護者からの理解協力を得て対応策を取っています。保護者からの苦情も迅速に対応し、記録を保管しています。苦情相談内容にもとづき、保育の質の向上に関わる取組が行われています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

意見箱を園の玄関に設置し、いつでも意見を言いやすい環境を作っています。登降時には、保護者に気軽に声をかけてもらえるように心がけ、コミュニケーションをとるようにしています。その他に連絡帳、アンケート、電話での相談も受けています。職員室は職員がいるときはドアを開けており、園長や保育士と相談しやすいような環境に配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

意見箱の設置、アンケートの実施等、保護者の意見を積極的に把握する取組を行っています。保護者からの相談や意見があった場合には、職員は速やかに主任保育士及び園長に報告し、具体的な指導や助言をもらい、保護者に回答しています。その意見は職員間で共有し、保育の質の向上に役立てています。保護者会の中で、気になることは何でもその場にいる保育士に要望として出してほしい旨を伝えています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する職員の意識は高く、体制を整備しています。首から上のけがは、基本的に受診するようにしています。事故発生時の手順は、保護者に連絡して受診するかどうか確認し、保護者が付き添えない場合は、職員が病院に連れて行くという手順を明確にし、周知しています。事故発生時の対応マニュアルを用いた研修を実施し、定期的な確認を行っています。ヒヤリハット検証記録を作成し、子どもの安全確保と事故防止につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症マニュアルについて、昨年度見直しを行っています。コロナ感染防止のため、毎日、玄関や廊下や手すりを消毒しています。各教室にCO2センサーを設置し湿度と気温を可視化し、換気を心がけています。午睡時は寝る子どもたちの頭と足の向きを交互にし、出来る限り間隔をあけるなど配慮しています。感染症に関する研修は、看護師を中心に積極的に行っています。月に1度保健便りを発行し、保護者への情報提供がなされています。園内で、感染症の発生の連絡を受けた際は、早急に対応しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時マニュアルがあり、災害時の対応体制が決められています。子どもたちの安全の確保に力を入れ、月に一度、様々な災害を想定して避難訓練計画をもとに実施しています。豪雨による浸水を想定した訓練も行っています。年に2回、保護者に対して防災伝言ダイヤル体験を行っています。保護者に配布している「しおり」には、保育時間内非常事態について第一避難場所と広域避難場所が明記されています。備蓄リストを作成し、備蓄を整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

今年度、保育マニュアルを作成し、標準的な保育の実施方法を文書化しています。職員の経験年数によって保育の質にばらつきがないように努めています。職員は、保育の実施時の留意点や子ども・保護者のプライバシーへの配慮、業務手順など保育全般にわたって理解しています。一定の水準、内容を保った保育実践がなされ、それぞれの子どもの個別性に対応し、保育士と子どもと1対1で関わる場面もあります。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

行事や大きなイベントの後は、必ず検証・見直しを行っています。保護者からのアンケートを集計し、分析した結果を職員会議で検討しています。職員や保護者からの意見や提案は、園長会議や法人本部での議題にあがり、反映される仕組みとなっています。今年度作成した保育マニュアルは、今後モニタリングを行い、定期的に見直す予定です。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

保護者会、個人面談、連絡帳や送迎時の会話の中から保護者のニーズや意向を把握しています。入園前面談は、担任保育士だけでなく、看護師や栄養士も参加して、子どもの身体状況や生活状況をアセスメントしています。前年度の全体的な計画の評価や反省を踏まえて指導計画を作成しています。その指導計画に基づき、保育を実践し、振り返りや見直しを行う仕組みが構築され、機能しています。支援困難ケースへの対応については、個別ケース事案として職員間で検討し、必要に応じて職員を一人多く配置することによって適切な保育の提供を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年度の終わりに次年度の新しい担任が決まると、指導計画の反省と評価をし、職員間で引き継ぎをしています。年間指導計画は4期に分け、期ごとに評価と反省をしながら月案、週案を立てており、必要があれば見直しています。全ての指導計画を園長と主任は確認しています。指導計画を変更する場合、お便りや玄関の掲示板に記載したうえで、送迎時、保護者に口頭でも伝えるようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達に関する記録は、職員が共有し保育計画に生かしています。週案には、その週の保育のねらい、養護、環境構成を記載し、保育内容と援助の配慮を考えていく記録となっています。記録内容や書き方を園長や主任が確認し、職員に指導しています。法人では6ヶ所ある「あいみー保育園」の行事計画やお便りをネットワークで一括管理し、職員間で情報を共有する仕組みとなっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

「個人情報保護規定」により、子どもの記録の保管、個人データの安全管理、個人情報に関する組織の体制などを定めています。入園時に、保護者に対し個人情報について説明し、「個人情報使用同意書」にて同意を得ています。特定教育・保育の提供に際して、利用児及びその保護者等に係る個人情報について、小学校への移行時や緊急時など必要最小限の範囲内においてのみ使用することを定めています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

理念、方針、目標は、法人共通の内容となっています。それに沿って園独自の目標を定め、毎年職員の意見を聞きながら全体的な計画をまとめています。全体的な計画は、法人も目を通しており、法人全体の方向性を明らかにして保育の質の向上に結び付く積極的な取組を行っています。警察官及市職員による安全教室を開催していますが、さらに地域の実態を捉えた全体計画を作成することが望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

生活にふさわしい場として子どもが居心地良く過ごせるように、清潔と整理整頓を心がけています。各部屋にCO2センサーを取り付け、温度、湿度、換気などの環境を適切な状態で保持しています。扉やトイレのドア、水道などにコーナーガードを付けて、鋭角なもので子どもがけがをしないように安全対策に努めています。園の建物の構造上、死角がなく、子どもがくつろいだり、落ち着ける場所を確保することはできません。保育士は、一人ひとりの子どもの表情や様子をよく観察し、臨機応変に対応して子供が落ち着けるように工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

泣いている子どもがいたときは、子どもの気持ちを受容し、落ち着くまで保育士がそばにいるようにしています。職員間で一人ひとりの子どもの発達過程や家庭環境から生じる個人差を共有し、子どもの気持ちにそって適切に対応するよう心がけています。せかす言葉や静止させる言葉は、基本的に用いていません。園長は、職員の気になる言葉遣いをみかけた場合、職員会議で話し合っています。接遇マニュアルがあり、職員は子どもに対し、きめ細やかなかかわりや援助をしています。子どもには、「おはよう」だけでなく、「○○ちゃん、おはよう」と必ず名前を呼ぶようにしています。自分だけに目を向け、呼びかけてもらえることで大きな満足と安心につながると考えています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもが基本的な生活習慣を身に着けることができるように配慮しています。職員は子どもに対し、やる気が出るような声かけを工夫し、子どもが自主的に意欲を高められるように働きかけています。食事は、個別に形状や量を調節し、1ヶ月に一度の給食会議で、子ども一人ひとりの食事が適切に提供されているかどうか見直しをしています。トイレトレーニングや睡眠に関しても個別で対応しています。活動計画を年齢で分けることによって、子どもの状態に合わせた活動と休息のバランスが保てるように努めています。生活習慣を身に着けることの大切さを、子どもが理解できるように、わかりやすくやさしい言葉で伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

保育室の玩具は、子ども達が自由に取り出せるように設置しています。週に3回ほど戸外の大きな公園に出かけ、のびのびと体を動かす機会を確保しています。公園では虫や木の葉を集め、園に持ち帰って観察しています。散歩に出かけない日は、室内でリトミック体操を行い、十分に体を動かすことができるよう適切な環境を整備しています。雨の日は、2階の部屋の間仕切り壁を取り外し、マットを敷き、トランポリンや平均台などを設置して、障害物競走のような遊びを楽しんでいます。遊びを通して、友達と人間関係が育まれ、子どもが友達と協同して活動ができる保育内容を提供しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児が、長時間過ごすことに適した生活と遊び、環境を工夫しています。保育室には、職員手作りの積み木があり、安全で丈夫な作りになっています。職員は、玩具のみに頼らず、保育士と触れ合うことが大切と考えています。玩具は、0歳児が興味と関心を持つことができるような音が出るもの、重ねられるもの、落として遊ぶものなどを職員が手作りしています。園と家庭双方で毎日記入する連絡帳を活用し、食事や睡眠、排せつ、園での様子、家庭での様子を伝え合っています。子ども一人ひとりに月案を立てて実践し、発達過程に応じた必要な保育を行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

職員は、子ども一人ひとりの状況に合わせた関わりが持てるように努めています。子どもたちがお店のレジ店員の真似をしたいという気持ちに応え、職員がレジスターを手作りしたところ好評です。子どもが安心して遊びを中心とした自発的な活動ができるよう指導計画を作成しています。戸外に出た際は、公園で虫を探して楽しんだり、木の葉を集めて自然を感じる機会を頻繁に作っています。担任保育士を2人配置して、保護者の送りの時間帯と迎えの時間帯に必ずどちらか一人はいるようにしています。送迎時に保護者とコミュニケーションをとることで信頼関係を築き、保育に生かしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが集団の中で自分の力を発揮しながら、達成感が感じられるような保育を目指しています。運動会の組体操やリトミックの先生が指導しての合唱や合奏など、一人ひとりの子どもの個性を生かし、友だちと協力してひとつのことをやり遂げる活動に取り組める環境を整えています。3歳児は、集団の中で安定しながら、本人が興味関心のある遊びができるよう支援しています。4歳児は自分以外の人を意識し始めるので、楽しみながら社会性を培えるような支援をしています。5歳児は友達と思ったことを話し合い、創意工夫を凝らして共同作品を作る環境を設定するよう努めています。区役所主催の「中原区年長保育園作品展」に季節のちぎり絵を出展しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

配慮が必要な子どもには、川崎市南部療育センターと連携をとる体制があります。関係機関、家庭、保育園が適切に連携できるように情報共有をしています。支援が必要な子どもに対し、個別計画を立て職員会議で話し合い、職員が子どもに関する共通認識を持って保育に臨んでいます。他園児と同じ環境で過ごせるように保育士を一人多く配置するなどし、子ども同士の関わりに配慮しながら共に成長できるよう取り組んでいます。職員は年1度、障害のある子どもの保育について研修を受けています。発達支援員の資格を取得している保育士と担任保育士を中心に障害のある子どもが安心して生活できるよう保育内容や方法に配慮しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一日の生活を見通して、その連続性に配慮し、子ども主体の計画性を持った取組をしています。延長保育の子どもに対し在園時間や生活のリズムに配慮して、おにぎり、パン、おやつなど補食を提供しています。延長保育の時間帯は、子どもが好きな遊びが好きなようにできるよう玩具を用意し、保育士が見守ったり、一緒に遊んで過ごしています。子どもの日中の様子を書面に記載すると共に、遅番の保育士に口頭で伝えて引き継ぎを行っています。毎日の連絡帳や送り迎えの際には、保護者に子どもの様子を細かく伝え、家庭との連携が十分取れるよう配慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携、就学を見通した計画にもとづいて、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮しています。年長クラス担当の保育士は、「幼保小連携連絡会」や「年長児担当者連絡会」など地域の連絡会に参加し、連携を図っています。就学先の小学校へ子どもの育ち・発達の状況を記録した保育所児童保育要録を送付しています。日々の保育では、お当番活動や箸の持ち方指導を行っています。1月ごろから午睡の時間をなくし、入学に向けた取組をしています。2月には、保護者懇談会で小学校入学についての説明とアドバイスをしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理に関するマニュアル、保健年間計画などに沿って、子どもの健康管理を行っています。子どもの体調悪化の際は、まずは保護者に連絡し、場合によっては職員が病院に連れて行きます。かかりつけ医、予防接種状況、健康診断結果を記載した「すこやか手帳」を活用し、子ども一人ひとりの健康状態を把握しています。「すこやか手帳」は、月に一度保護者に渡して健康状態に関する情報を保護者と関係職員で共有しています。職員は乳幼児突然死症候群に関する知識を周知し、午睡時には子どもの呼吸・体勢などについて、チェックしています。保護者には、保健たよりやポスターで啓発しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による健康診断・歯科健診を実施し、「すこやか手帳」に記入し保護者に渡しています。保護者が、子どもの健康状態を理解することによって、家庭での生活に生かされるように配慮しています。看護師がわかりやすくアドバイスをし、適切な支援を行っています。0、1歳児は、2ヶ月おき、その他の年齢の子どもは年3回の健康診断に、内科小児科クリニックの医師が訪問し、健康の状態を把握しています。健康診断や歯科検診、身体測定の結果を職員で共有し、保健年間計画や指導計画等に反映させて、子どもの心身の健康教育につなげています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「保育所におけるアレルギーガイドライン」をもとに子どもの状況に応じた対応を行っています。食物アレルギーに関しては、入園面談時に保護者から個別に聞き取り、情報を得ています。医師の意見書を提出し、自治体の健康管理委員会を通したうえで、除去食を提供しています。提供の際にミスがないように、給食担当、園長、担任等複数でチェックしています。保育室では、食事前に他の子どものアレルギー食についての伝え、理解を図る取り組みを行っています。食器の色を変え、テーブルを別にして、食後はすぐに清掃を行い事故が起きないように配慮しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもが楽しく落ち着いて食事をとれる環境づくりを工夫し、子どもの発達に合わせた食事の援助を行っています。2歳児は保育室から隣の部屋へ移動して食事をとることによってくつろぎの場となるようにしています。食事は無理に食べることはせず、完食の達成感を感じられるよう食器の大きさや量を日々見直しています。栄養士は、保育士と連携し、食農で育てた野菜を給食で提供したり、子ども自身で盛り付けを行うなど食べる意欲を高める工夫をしています。保護者に対して、当日の給食で使用された野菜の生産者情報が提示されたQRコードを読み取ることによって簡単にわかるようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

栄養士や調理員は、子どもたちが喫食している様子を見に行き、子どもたちの好むメニューや苦手なメニューを把握しています。食材がより食べやすく、おいしくなる調理法を検討し、日々改善しています。子どもたちに味付けや食材の栄養について話し、食に関心が持てるように努めています。節句などの行事に合わせて、調理実習を計画し、行っています。月に1度郷土料理メニューの日があり、みそカツやいも煮など各地方の料理を提供しています。衛生管理の体制を確立し、調理や火を通してから1時間以内に提供するなど衛生管理が適切に行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳や登降園時のコミュニケーションで日常的な情報交換を行っています。毎月の園だより、保健だより、定期的に行う保護者会、保育参観や個別面談で保育の意図や保育内容について説明しています。制作遊びや運動会、生活発表会などの年間行事や健康診断で年齢ごとに成長していく子どもの様子を保護者と共に喜び、共に子育てをしていることを伝えています。保護者の家庭状況や就労環境について必要に応じて記録をしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は子どもたちの登降園時に、子どもや保護者とコミュニケーションをとりながら、様子を観察し、普段と異なる場合は声をかけ、必要に応じた支援を行い、継続的に状況を確認しています。保護者の相談は、定期的に行われる個別面談の他に保護者に配慮した体制を整え、一人ひとりの保護者に応じた支援に努めています。相談内容は記録し、必要に応じて職員間で共有しています。相談内容によっては、担任保育士だけではなく、主任保育士や園長、他の関係機関に援用する体制も整えています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

運営規定に「子どもの人権擁護、及び虐待防止を図るための責任者を設置し、必要な体制の整備、職員の研修を実施する」としています。園では、虐待防止マニュアルを作成し、虐待の早期発見・対応に努めています。虐待の疑いが見られる場合は、速やかに園長・主任に報告し、写真や状況などの記録をとり、職員間で対応について協議する体制ができています。虐待について定期的に園内研修を行い、職員の自己チェックシート、発生している家庭の援助や子どもへの対応など、保育園が支える役割について理解を深めています。川崎市中原区の児童虐待防止センターや児童相談所などとの連携体制を整えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は、日常的に指導計画に沿った保育実践が行えたか、また、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程が、適切であったかなど、自身の保育実践について自己評価を行っています。半年に1回、職員の総合的な自己評価を行い、全体的な課題や職員の保育水準などは把握していますが、評価結果を分析し、明らかになった課題などを園全体の自己評価に繋げていません。今後は、継続的に職員の自己評価・園の自己評価・単年度の報告・計画に繋がるPDCAサイクルを実施し、中長期ビジョンの実現に向けた体制作りが望まれます。