社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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あずさの家

2025年02月03日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社 R-CORPORATION
評価対象事業所名 あずさの家
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)短期入所事業(空床型)
設立年月日 2013年06月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 よるべ会
③ 理念・基本方針 <理念>
障害のある人もない人も、平等に、自立に向かって努力し、共に暮らし合う社会をめざした活動を基本とする。そして法人が行う様々な活動を通して、利用する人たち自身が主体的に社会参加に向かい、その関わり合いの中で成長し、人としての喜びが広く生まれ続ける環境づくりとその支援に努める。また、そのためにも地域社会の福祉に積極的に貢献する。

<基本方針>
1.私たちは、適切なサービスを提供するために、各部署で高い技量と能力を得る努力を行い、それを支援の場で実践します。
2.私たちは、その実践にあたり、常に利用者一人ひとりの尊厳と権利を尊重し、利用者本位を元にしたサービス提供を基本とします。
3.私たちは、日々、親切・笑顔・挨拶をモットーに気配りの行き届いたサービス提供を行います。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 <施設・事業所の特徴的な取組>
法人内に横断的にプロジェクトチーム「権利擁護部会」「人材育成部会」「ICT部会」「サービス向上部会」の4つを設置、職員のレベルアップを図ることでサービスの向上に取り組んでいる。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2024年05月30日
終了:2025年01月23日(評価結果確定日)
受審回数:初回(年度)
⑥ 総評
◇ 特長や今後期待される点
〈あずさの家の概要〉
●あずさの家(以下「事業所」という。)は、小田急線「蛍田駅」の東方約500m、徒歩6分程のところにあります。事業所周辺は、住宅やアパートが並ぶ住宅地ですが、酒匂川からの用水路が近くに流れ、畑が点在すると共に、晴れた日には、富士山や、箱根外輪山、丹沢山塊が望める風光明媚な、恵まれた環境を有しています。

●事業所の経営主体は、障害児・者福祉に関わる事業を運営する、社会福祉法人よるべ会(以下、「法人」という。)です。事業所は平成25年6月1日に開設され、法人の経営する種々の事業の内、共同生活援助(障害者グループホーム)事業を行っています。共同生活援助事業として事業所は、平成25年に「あずさの家(女性用:定員7名)」を開設し、その後、平成26年に「ポプラの家(男性用:定員7名)」、平成30年にアパート形式の「わたくも(男・女兼用:定員7名)」をそれぞれ開設しています。また、空所対応型の「短期入所」を受け入れています。入居者の平均障害支援区分は3.8で、「あずさの家」と「ポプラの家」には障害の程度の比較的重い利用者が生活しています。それぞれのグループホームは、木造2階建ての戸建で、「あずさの家」と「ポプラの家」は住宅形式です。尚、これらグループホームの法人内の所管部署は、組織内再編によって、令和6年度から、地域生活支援室となり、同室が二宮地区の「かめりあホーム」と、小田原地区の「あずさの家」を運営しています。管理者は、二宮地区、小田原地区とも同室室長(以下「施設長」という。)ですが、二宮地区と小田原地区との連絡には車で30分程度を要しますので、日常の運営は、二宮地区は同室課長(以下「課長」という。)が、小田原地区は施設長が主として担っています。

〈あずさの家の特長〉
1.【丁寧かつ適切な利用者支援】
職員の規範や指針となる法人の理念や方針、職員ハンドブック「よるべ会で働くあなたへ」、さらに、業務マニュアルを基本としながら、利用者支援に取組んでいます。個別支援計画の策定、見直しに際しても利用者の希望を丁寧に聴取し、計画に反映しています。調査時の職員ヒアリングで聴取したように、職員は、利用者の状態に合わせて、コミュニケーション作りに努めて利用者の意思を把握し、適切な支援に取組んでいます。利用者の状態についての職員の共通の理解を図りつつ、利用者のニーズに丁寧に対応しながら、柔軟かつ適切な支援が行われていることは評価できます。尚、利用者(本人)アンケートでの、「あなたは職員・スタッフから大切にされていると感じますか」の質問に対して、「感じる」との回答は88%と高い数値を示しています。

2.【運営の適切化・効率化を図るサービス向上への仕組み・機能】
法人横断的なプロジェクトチームとして、「権利擁護部会」、「人材育成部会」、「ICT部会」、「サービス向上部会」の4つの部会が設置されると共に、「労務管理委員会」が設置されています。これら4部会と1委員会は、法人の事業計画の柱である「権利擁護」、「人材確保・育成」、「業務の検証と改善」、「地域社会との連携」、「職員労務管理の改善」の課題の解決に向けた検討や、改善策の提案を行っています。各部会には、事業所から職員が参画しており、組織的な取組が行われています。これらの取組の評価にあたっては、「ISO9001」の機能と基準を、法人のサービス向上部会と、事業所のサービス向上委員会が引継ぎ、PDCAサイクルに基づいた評価が行われています。PDCAサイクルの取組は、各事業所レベルでも同様に、法人の共通計画項目として、「権利擁護」、「人材育成」、「業務検証と改善」、「地域社会との連携」をサービス向上計画として事業計画に位置付け、それぞれ、取組内容、実施者、到達点が記載され、達成度を振り返りのコメントとともに、〇・×・△で捉え、評価しています。事業所のPDCAサイクルに基づくサービスの評価結果は、各セクションからの報告の下に、サービス向上部会で検討、課題抽出が行われ、改善に向けた取組が法人一体となって図られています。

3.【目標管理制度による総合的な人事管理】
「期待する職員像」については、「よるべ会職員倫理綱領」に明記され、職員ハンドブックに掲載された社会人・組織人のマナーとルール等の行動規範と共に、職員周知が図られています。人事考課については、人事考課表や就業規則に能力基準や昇格基準が明記され、目標管理制度が確立しています。目標管理は、目標管理シート(個人目標・チャレンジ目標(自己啓発)等を縦軸に、業務目標・期限・目標達成手段等を横軸にし、その成果を自己評価する)により、課長(1次評価)が面接した後、施設長(2次評価)・理事長(3次評価)がそれぞれコメントと点数(1・2・3点)を記入し、職員の取組の成果や組織への貢献度等の総合的な評価を行うもので、評価結果は、人事異動や、昇任・昇格や賞与に反映されています。また、人事・意向調査が8月に実施され、異動希望者には理事長面接が行われています。尚、その結果は、理事長から施設長に伝えられる仕組みとなっています。

4.【戦略的な職員の育成・定着に向けた取組】
法人では、法人の主要課題の一つに「人材の確保・育成への取組」を掲げ、令和6年度は、「よるべ会活動内容の発信」、「働き続ける意欲が生まれる職場づくり」、「安定した良質な人材確保と育成」、「必要な資格把握と取得計画」の4本の柱を事業計画に位置付けて取組んでいます。職員の確保・育成については、法人の横断的な組織である人材育成部会で検討し、人材確保策を講じると共に、階層別の研修体系の構築・推進等、人材育成施策に成果を反映しています。また、処遇加算制度を背景に計画的な資格取得促進が図られています。事業所では、ベテラン職員が新任職員にOJTを行うチューター制度での新任職員の育成や、職員が自らの業務の状況に即して学べるeラーニングを積極的に活用することにより、非常勤職員を含めた職員の研修機会の確保と、職員の質の向上を図っています。人事考課については、人事考課表や就業規則に能力基準や昇格基準が明記されると共に、目標管理制度が確立しています。ワーク・ライフ・バランスに配慮したシフト管理や、働きやすさの視点で定期的な職員面談を行う等、働きやすい職場環境作りに取組んでいます。福利厚生については、リフレッシュ休暇制度の導入をはじめ、損害保険会社加入による医療保険制度やメンタルヘルス対応、親睦会による慶弔・見舞金、福利協会の退職金制度、住宅手当等の各種手当、資格取得奨励金制度等、充実が図られています。

〈今後期待される点〉
1.【総合的な視野を持った後継者育成が期待されます】
今後、特に、法人・施設で取組まれていく課題は、バランスの取れた資質を有する後継者の育成であると認められます。法人・事業所では、階層別の職員の育成を計画的に進めており、利用者支援や自立支援の知識やノウハウを備えた職員が育っています。一方、今回の第三者評価では、利用者支援に関する内容評価基準については、職員は自信を持って評価していますが、事業所運営に関する共通評価基準については、低い評価が目立っています。今後、施設長や、施設長を補佐する立場の職員、ひいては法人の運営に携わるに足る職員の育成について、戦略的な研修によりマネジメントの知識を身に付けると共に、理事会の傍聴、理事会の課題や審議内容、施設の決算状況や課題等を職員に伝えて共に考える等、施設経営への理解を促進する取組が必要と思慮されます。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 施設名:あずさの家

〈第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想〉
・一つひとつ丁寧にチェックしていただいたので、当方で見逃していた事項を確認することが出来ました。
・ちゃんと出来ていると思っていた事項が不十分だったと気付くことが出来ました。
・自分たちのやっている業務について、説明することが出来た。
・入居者へのアンケートは、とても良かった。改めて、入居者の皆さんの意見を伺えた。

〈評価後取組んだこととして〉
1.契約書・重要事項説明書等、改めて見直すこととした。

2.利用者(入居者)とのミーティングを始めた。

3.職員間の情報共有のため、打ち合わせを開催、開催の準備を行った。
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人パンフレット、ホームページなどに掲載して情報公開している。

◇評価機関からのコメント

理念・基本方針は法人のホームページや、パンフレットに掲載され広く周知されています。理念・基本方針は職員ハンドブックに掲載し、職員に入職時に説明すると共に、職員の携行による周知・活用を図っています。利用者や保護者に対しては、入居時や、年2回の個別支援計画見直しの時に、事業計画等法人・事業所の情報と併せて伝えています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

ホームページに決算状況を情報公開している。

◇評価機関からのコメント

施設長は、小田原市及び足柄下郡3町の障害支援区分審査員として活動する等、地域の福祉ニーズに精通しています。さらに、神奈川県知的障害者施設団体連合会や県西地域施設長会からも、国や神奈川県の福祉政策動向や、障害者福祉事業に係る経営環境を把握しています。また、法人の経営状況は、施設長が法人の責任者会、運営会に参画して情報を共有するとともに、事業所の経営状況については常に把握・分析に努め事業計画に反映しています。法人・事業所の経営状況は、法人のホームページや、事業所内の会議やLINE等の回覧で職員への周知が図られています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎年事業計画を法人、各事業所で立案して理事会・評議員会で承認を得ている。

◇評価機関からのコメント

事業所の事業計画は、運営目標、年間計画を柱に作成されています。年間計画は、各ホームの利用者の状況、支援項目と支援内容、年間スケジュール等が具体的に記載されています。事業計画は、理事会・評議員会の承認を得て、法人の事業計画に纏められ、法人のホームページで公開されています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人内にサービス向上部会を組織して、年間のサービス向上計画をテーマごとに各事業所で策定し、その進捗を部会で確認している。

◇評価機関からのコメント

法人に「サービス向上部会」が設置され、法人本部及び各事業所のサービスの向上目標と、その進捗状況、成果がPDCAサイクルにより把握される仕組みが組織的に構築されています。月2回開催される責任者会で事業所の運営状況や職員の状況が理事長に報告されています。PDCAサイクルに基づくサービスの評価結果は、事業所からの報告の下に、サービス向上部会で検討、課題抽出が行われ、改善に向けた取組が図られています。ヒヤリハット等、リスクマネジメントについても、各事業所のサービス向上委員を中心に事業所内で共有し、サービス向上部会に各事業所がヒヤリハット事例を持ち寄って、原因の究明や再発防止策の策定等、改善に取組んでおり、是正の仕組みが効果的に機能しています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

理事長からサービス向上のためのテーマが毎年提示され、それに沿って各事業所でその展開を図る仕組みが出来上がっている。
管理者による責任者会が毎月2回以上行われ、管理者が各事業所の運営状況等を報告して、責任者会の決議により運営を実施している。

◇評価機関からのコメント

毎年度の活動計画のテーマと、サービス向上に向けた方針が理事長から示され、法人本部及び事業所が、そのテーマと方針に沿った取組を行っています。令和6年度は、テーマ『利用者お一人ひとりの可能性を引き出すために~そだつ・まなぶ・はたらく・くらす・たのしむ~の成長・充実を実現する』、方針「権利擁護」、「業務の検証と改善」、「人材確保・育成への取組」、「地域社会との連携」、「職員労務管理の改善」の各項目に取組むべき内容が掲げられおり、事業所の管理者は、法人の方針に沿った事業展開を図る責任者として、リーダーシップを発揮し、サービスの向上に取組んでいます。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

人材育成部会が法人内にあり、人材確保のための方策及び階層別研修体系を検討している。また、計画的な資格取得が行われるように、そのための活動も行っている。

◇評価機関からのコメント

法人では、法人の主要課題の一つに「人材の確保・育成への取組」を掲げ、令和6年度は、「よるべ会活動内容の発信」、「働き続ける意欲が生まれる職場づくり」、「安定した良質な人材確保と育成」、「必要な資格把握と取得計画」の4本の柱を事業計画に位置付けて取組んでいます。職員の確保・育成については、法人の横断的な組織である人材育成部会で検討して、人材確保策を講じると共に、階層別の研修体系の構築・推進等、人材育成施策に成果を反映しています。また、処遇加算制度を背景に計画的な資格取得促進が図られています。事業所では、ベテラン職員が新任職員にOJTを行うチューター制度での新任職員の育成や、職員が自らの業務の状況に即して学べるeラーニングを積極的に活用することにより、非常勤職員を含めた職員の研修機会の確保と、職員の質の向上を図っています。人事考課については、人事考課表や就業規則に能力基準や昇格基準が明記されると共に、目標管理制度が確立しています。ワーク・ライフ・バランスに配慮したシフト管理や、働きやすさの視点で定期的な職員面談を行う等、働きやすい職場環境作りに取組んでいます。福利厚生については、リフレッシュ休暇制度の導入をはじめ、損害保険会社加入による医療保険制度やメンタルヘルス対応、親睦会による慶弔・見舞金、福利協会の退職金制度、住宅手当等の各種手当、資格取得奨励金制度等の充実が図られています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

すでに3つの事業所で第三者評価の受審を経ている。
年2回、広報誌を発行して、活動状況を周知している。

◇評価機関からのコメント

法人では、WAMNET(全国社会福祉協議会の福祉・保健・医療情報サイト)に、法人の現況報告書や、事業活動計算書等の計算書類を、法人・事業所ごとに掲載しています。法人のホームページに定款や役員名簿、事業計画・事業報告、各事業所・施設概要、職員採用に向けた処遇内容等、多岐に渡る情報を積極的に掲載しています。さらに、法人の広報誌「KAWARABANよるべ」と事業所の広報誌「はーとふる通信」を関係機関に配布して、地域への情報提供を図っています。法人では、外部評価については、これまでISOに基づく評価を行っていましたが、昨年度から第三者評価を受審することとしています。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

よるべ沼代、梅香園などを中心に地域の方々をお招きするお祭りを開催して交流を図っている。
また、ボランティアの受け入れについても積極的に行っている。

◇評価機関からのコメント

法人の公益的な取組としては、実習生の受入れや、地域社会福祉協議会と連携したイベント等での地域住民との交流による障害者理解促進、地域障害者施設の協働による要支援者に対する権利擁護支援(KWネット)、災害時に備えた地域のコミュニティ作り、地域の団体と連携した住民参加による季節行事の開催、各種行事を通じた相談事業や、在宅障害者への余暇・相談支援や仲間作り等、多岐にわたる公益的な事業・活動に積極的に取組んでいます。事業所は、上記事業への参加や協力を行うと共に、法人内の他事業と協働でのお祭りの開催や、ボランティアの受入れ、地域課題に関わる「きずなふかめたい」、「おだわらっこ見守りサービス」への参加・連携を行っています。さらには災害時には地域住民の受入れを予定しています。
Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

倫理綱領を定め、利用者に対する行動規範を盛り込んで、法人職員として一人一人が利用者尊重の姿勢で取り組んでいる。

◇評価機関からのコメント

法人に権利擁護部会が設けられ、各事業所で権利擁護に関する意識啓発がなされると共に、全体職員研修で権利擁護をテーマに毎年研修が行われています。また、職員ハンドブックに、法人の理念・倫理綱領、障害のある人の理解と関係作り、支援の基本、虐待等利用者に行ってはならない行為、苦情対応や、プライバシー保護、利用者や家族との関係で大切な事項、等を掲載することにより、利用者を尊重したサービスの提供について、職員の理解増進と取組の徹底が図られています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

入居時に、契約書、重要事項説明書を通して共同生活援助の支援内容を示して同意を得ている。
また、半期ごとに同意会を実施して、作成した個別支援計画等を説明し同意を得ている。

◇評価機関からのコメント

事業所の選択に当たっては、法人のホームページに法人、事業所の事業内容等がビジュアルかつ分かり易く掲載されています。事業所の見学には随時対応しています。また、入居時に、各ホームの重要事項説明書、契約書によりサービス内容を示して、利用者、家族の同意を得ています。個別支援計画の説明は、分かり易く動画や絵等を使用して、利用者が理解できる言語や表現を工夫しています。個別支援計画の利用者・家族への説明は、年2回(前期・後期)の同意会で利用者アセスメントや個別支援計画の見直しの内容を丁寧に説明して、内容についての理解と同意を得ています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

個別支援計画に、利用者の希望等を記載して、その実現のための個別支援の実施を目指している。

◇評価機関からのコメント

利用者満足度の向上については、職員が意識して常に支援に取組むと共に、調査時での職員ヒアリングでも適時の声掛けや、コミュニケーション作りに留意しているとの話を聞くことができました。利用者への個々のサービス提供については、個別支援計画に利用者の希望等を記載して、希望に沿った支援に努めると共に、毎月の職員のミーティングや、モニタリングで支援方法の効果を把握し、改善を図っています。また、利用者会や同意会の場を活用して、利用者の満足度の把握に努めています。利用者(本人)アンケートでは、「グループホームの生活は好きですか」では「すき」が81%と概ね満足が得られていました。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

苦情解決に関しては受付担当者を明示して受け付けられるようにしている。

◇評価機関からのコメント

苦情解決については、苦情受付窓口として担当者を設置すると共に、施設長を苦情解決責任者としています。第三者委員は障害分野の施設長経験者1名に委嘱しており、苦情処理要領を整備する等、苦情解決の仕組みが整っています。苦情解決担当者を各ホームに掲出すると共に、利用者・保護者には重要事項説明書で苦情の受付を説明する等周知が図られています。さらに、苦情解決に係わる行政機関として、神奈川福祉サービス運営適正化委員会を重要事項説明書で教示しています。また、重要事項説明書に、「職員に何でも相談して下さい」と明記すると共に、日頃から利用者との関係作りに取組んでいることから、利用者(本人)アンケートでは、「生活に関する不満や苦情があるときに伝えることができますか」では「できる」が94%でした。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

権利擁護、虐待防止といったテーマについて、法人内に部会及び委員会を設置している。
各事業所から担当者が部会・委員会活動に参加して、内容をフィードバックしている。

◇評価機関からのコメント

法人では、事業方針の第一に「権利擁護」を掲げ、各事業所から職員が参画する、権利擁護部会や虐待防止等の関係委員会を設置して体制整備を行うと共に、虐待防止・身体拘束適正化のための指針の作成や、全体職員研修会を実施しています。また、事業所では、ヒヤリハット事例を記録し、是正等の対応を行い、法人横断的な組織であるサービス向上部会に、ヒヤリハット事例とその是正措置を報告し、リスク対応や事故防止に効果を上げています。また、職員ハンドブックに「緊急時の行動と対応」を記載して職員への周知を図っています。感染症や災害時の対応については、関係のマニュアルを整備すると共に、それぞれ事業所ごとに消防計画や、事業継続計画(BCP)を策定しています。消火・避難訓練は、利用者と職員で定期的に行っています。備蓄品は、近隣の法人系列の梅香園で整備され、酒匂川支流の小河川の浸水災害を想定して、梅香園2階の食堂が宿泊場所として予定される等、災害時の施設間の応援体制・連携が図られています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

ホーム毎に担当者会議を毎月開催して、支援員・世話人ですり合わせながら住居のそれぞれの特性を踏まえて取り組みしている。

◇評価機関からのコメント

提供するサービスについては、各ホームの重要事項説明書に、提供するサービスの概要として、「居室」、「食事」、「入浴」、「健康管理」、「金銭管理」、「個別支援計画の実施」等、利用者の生活上想定されるサービス種別ごとに、その内容や提供方法が具体的に明示されています。また、これらのサービスは「個別支援計画」によって個々の利用者の状況に即して柔軟に行われています。個別支援計画に基づく個々の利用者の支援については、支援員・世話人で毎月担当者会議を開催して、支援方法のすり合わせを行いながら、利用者の介護度や状態等の各ホームの特性を踏まえて、取組んでいます。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

アセスメントは年1回実施している。個別支援計画は半期に1度モニタリングを行い、見直ししながら実施している。

◇評価機関からのコメント

利用者のアセスメントは、年1回実施しています。個別支援計画は、半期に1度モニタリングを行い、見直しを行っています。利用者のアセスメントや、個別支援計画のモニタリングには、事業所のサービス管理責任者をはじめ、提供する支援サービス立案に係わる計画相談員や、看護師や精神保健福祉士等の専門職、担当職員が参画して、アセスメントに基づく、個別支援計画の策定が適切に行われています。個別支援計画の見直しに合わせて、利用者本人意向と家族、後見人の同意会が開催され、利用者等の意向が個別支援計画に反映されています。個別支援計画は、パソコンのネットワークシステムで、職員の情報共有が図られています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎日、各ホームの勤務者が各利用者に対する支援の内容や様子を記録している。

◇評価機関からのコメント

個別支援計画の実施状況等は、アセスメント会議や、パソコンに掲載された支援計画経過報告書等により、職員の周知が図られています。支援サービスの実施状況の記録方法は、年度当初のホーム会議や担当者会議で注意点等が説明されています。また、施設長や主任によって、不適切あるいは誤った記述は是正指導がなされます。また、パソコンのネットワークを通じて職員間でもアドバイスを行う環境があります。尚、記録の書き方については、外部講師による研修を予定しています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

意思決定支援をふまえて、利用者がしたいことや願っていることには丁寧に応じながらその実現を図る努力をしている。

◇評価機関からのコメント

利用者会議を設置して、事業所の権利擁護等のルールや、旅行、外食、クリスマス会等のイベント等の実施内容に、利用者の話し合いの結果を尊重して反映しています。個別支援計画に本人の意向欄を設けて、本人の意向に沿った支援に努めています。日々の支援においては、利用者の希望や要求を受け止めて、利用者の意向に丁寧に応じながら、その実現を図るよう努めています。障害の程度の重い利用者が多く生活することから、意思の伝達が困難な利用者には、字で書いてもらう、絵で選ぶ、コミュニケーションボードを利用する等の工夫をしています。事業所では、選択肢を多く用意して利用者に選んでもらうことに、特に配慮しているとのことでした。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人が設置した部会・委員会活動のフィードバックや、研修の受講などを通して、権利擁護の姿勢を守るようにしている。

◇評価機関からのコメント

権利擁護については、サービス向上部会のチェック項目(体罰・差別・人権無視等)として機能しています。さらに、障害者の虐待防止や身体的拘束等の適正化に関する委員会が設置され、虐待防止等のための計画作りや、虐待防止や人権の意識を高める研修等が実施されています。職員倫理綱領の第一に「人権侵害」、同第二に「利用者の自己決定・自己選択」、第三に「プライバシー保護」が位置付けられています。職員ハンドブックにも、「利用者が主人公」、「自己決定」、「エンパワメント」、「合理的配慮」、「権利擁護」の5つの支援のキーワードが掲げられています。また、権利擁護部会で、関連マニュアルの見直しを行っています。虐待防止については、年2回、自己チェックを行うと共に、虐待か否かのグレーゾーンの事案を虐待関連報告として、サービス向上部会に上げる等、徹底した取組がなされています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

事業計画に運営目標を定め、事業所の基本的な方針を念頭に支援を行うようにしている。
昨今は、権利擁護、意思決定といった社会から求められている生活支援に関する視点を忘れずに取り組んでいる。

◇評価機関からのコメント

事業所の事業計画に、『入居者が安心できる存在となる』と運営計画を掲げ、年間計画に、「健康・医療」、「楽しみづくり」、「生活づくり」、「夜間支援」の項目ごとに支援内容(方針)を位置付けて、利用者支援に取組んでいます。また、利用者の自律・自立生活支援に向けて、利用者の意向や身体能力に応じた主体的な活動を尊重しながら、配膳、洗濯、身だしなみ等、支援を行っています。言葉等での意思の表出が困難な利用者については、前述のように、筆談、ジェスチャー、絵やコミュニケーションボード等を用いて、工夫しながらコミュニケーション作りに努めると共に、能動的に働きかけるのではなく、選択肢を用意しながら、利用者からのアクションを待って、受容し、利用者の意向に沿った支援に努めているとの説明がありました。利用者からの相談には、常時対応して、利用者支援サービスへの反映に努めています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

各ホームに、早番勤務者、遅番勤務者を毎日シフトを作成して配置している。また、ホームごとの支援担当者が日中の生活支援や余暇の支援を担当している。

◇評価機関からのコメント

利用者支援体制は、シフト制により、職員配置を講じています。利用者の自律・自立生活支援に向けて、利用者の意向や身体能力に応じた主体的な活動を尊重しながら、配膳、洗濯、身だしなみ等、支援を行っています。利用者は、日中は就労継続支援B型事業所や、生活介護事業所に通っており、土・日曜日には、適時にスポーツやドライブ、外食等の余暇支援を行っています。デイサービスや、梅香園での多様なクラブ活動を利用する利用者もいます。
A-2-(3)生活環境

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎日、支援環境チェックを行って利用者の生活環境や住居の生活環境を衛生的に維持できるようにしている。

◇評価機関からのコメント

少数の利用者が3つのホームに分かれて、生活しています。あずさの家は女性が、ポプラの家は男性が入居しています。両ホームともユニット形式で、個室が設けられ、食堂・リビング、浴室、洗面所、トイレ等が供用されています。「わたくも」は、アパート形式で、全室バス、トイレ、台所付きです。食事は、「わたくも」の調理室で調理され、利用者が受け取っています。土・日曜日の昼食は、各ホームで自炊や買ってきたものを食べています。「あずさの家」、「ポプラの家」は職員が常駐して共用スペースの清掃を行うと共に、両ホームの個室や「わたくも」の各室は、職員が毎日、支援環境チェックを行い、利用者の生活環境や住居の生活環境を衛生的に維持できるように支援しています。事業所見学では、共用スペースは清潔に保たれており、個室も基本的に南向きで明るく、リビングが吹き抜けになった構造のホームもあり採光や通風も快適であると認められました。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

ニーズがある方については、医療機関及び通所先の力を取り入れながら、生活上のリハビリ等を行っている。

◇評価機関からのコメント

機能訓練の必要な利用者については、梅香園の理学療法士の定期的な巡回による指導・訓練が図られると共に、日常は理学療法士が作成したメニューに沿って、利用者自ら運動を行っています。近隣のアリーナでの太極拳に参加して、身体機能の維持を図る利用者もいます。職員の支援により、室内での運動や散歩等で日常的な身体機能の維持・向上が図られています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

定期的な受診、急な対応での受診等に家族及び有償ボランティアが同行する形で実施している。服薬管理は、ホームの中で管理を行い、処方通りに服薬ができる支援を行っている。
バイタルチェックは毎日2回、利用者に対して行っている。

◇評価機関からのコメント

事業所では、コロナ禍での経験から、特に感染症予防に配慮しています。日常は、バイタルチェックを毎日2回行い、利用者の健康状態の把握と体調の変化について注意深く観察し、体調の変化に迅速に対応するよう心がけています。また、月1回、体重・血圧測定を行い、年2回健康診断を実施しています。服薬管理も薬ポケットを利用し、複数の職員が服薬を確認する等事故防止を図っています。また、事業所の看護師による健康面の相談や説明も行っています。職員には感染症予防研修をeラーニング等を活用して受講させています。さらに、必要に応じて、成人病予防に向けた食事管理や栄養指導を行う等、利用者の心身の状況やニーズに応じた支援を行っています。尚、医療機関は、内科・歯科の担当医の他、脳神経科等の他科の利用は、総合病院である小田原市民病院と連携しています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

個々のニーズに合わせて、社会参加が進むように支援を行うようにしている。また、利用者に有益な情報があれば、積極的に情報提供している。

◇評価機関からのコメント

利用者の地域社会への参加については、他事業所と協働でのイベント等での地域社会とのつながりを図ると共に、地域でのコンサートやイベントの情報を収集・提供して参加を促しています。先ごろの衆議院選挙では、希望者がボランティアの付添により、投票所に出かけています。日常の生活では、買い物、外食等に、職員やボランティアの支援で外出しています。また、日記を付けている利用者や、職員の支援で、漢字や算数を学んでいる利用者もいます。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

昨年度1名の利用者が、家庭復帰されている。

◇評価機関からのコメント

地域移行支援は、利用者の希望や意向を尊重して、その希望等に沿って、支援を行っています。利用者の地域移行先のニーズは、家庭復帰の他、日中支援型のグループホームや、「わたくも」等アパート形式の施設、一般のアパートと、多岐に亘っています。利用者の地域移行は、利用者ニーズと移行先のミスマッチや、社会制度上の制約等があり難しい課題ですが、事業所の継続的な取組により、昨年は1名の家庭復帰が実現する等の成果が得られています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

適宜、帰宅する機会を設けている。利用者によっては児童施設入所時に関わった里親さん宅に宿泊している。

◇評価機関からのコメント

家族等保護者との交流については、通所先の梅香園で行う定期的な保護者会や、年2回行う同意会を通じて、利用者の状況報告や、法人・各事業所の取組方針や、事業報告、行事説明、人事異動、トピックス等を周知すると共に、その折に、家族の希望や相談等に応じています。さらに、他事業所と合同で行う祭り等のイベントに保護者を招待して、利用者・保護者・事業所・地域との交流を図っています。また、利用者が実家や里親宅に適宜帰宅する機会を設けて、帰宅時の情報を家族や、里親から聴取し情報の共有を図っています。

利用者調査結果<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:18名
アンケート調査対象:18(回収16)名
ヒアリング調査対象:1名
質問1 スタッフは、あなたに丁寧な言葉で話したり、接したりしていますか
「まあ丁寧です」
質問2 スタッフはあなたに、預かっているお金の使い道や使った金額等を毎月報告してくれますか
「小遣いは毎月いくらと決まっている。その中から、タバコ、コーヒー、洗剤等を買っている」
質問3 スタッフはあなたがホームでの暮らしについて嫌なことや困りごとを相談したときはすぐに対応してくれますか
「対応してくれる」
質問4 あなたはグループホームのスタッフ以外でホームでの暮らしについての困りごとや悩みごとを相談できる人がいますか
「職員で何人かいる」
質問5 あなたは好きな時に外出したり、買い物に行ったりなど、ホームで好きなように過ごすことができていますか
「できる」
質問6 食事は楽しみですか
「まあ楽しみ」
上記のように、ヒアリングでは、グループホームの生活に概ね満足されていると認められました。