社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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あゆみの家

2021年12月24日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 あゆみの家 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 就労継続支援(B型) 定員 20 名
所在地 242-0028
大和市桜森1-8-23
TEL 046-262-6880 ホームページ hppt://www.tomoni.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人県央福祉会
職員数
常勤職員:2 名
非常勤職員:3 名
専門職員
精神保健福祉士:2 名
社会福祉士:2 名
施設・設備の概要
作業室室:1
事務室:1
食堂:1
和室:1
面談室:1
トイレ:2
更衣室:1
テレビ、パソコン、複合機、軽自動車:

③ 理念・基本方針
・理念 
(1)障害児・者・高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャル・インクルージョ
   ン」(共生社会)を目指します。
(2)社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。

・基本の方針
(1)人権の尊重とサービスの質の向上を図ります。
(2)インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援
を推進します。
(3)地域との共生をめざします。
(4)ニーズの多様化と複雑化に対応します。
(5)社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します。
(6)説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します。
(7)人材の確保・育成のためにも研修体制を充実します。
(8)柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。
(9)財務基盤の安定化に努めます。
(10)国際化への対応に取り組みます。
(11)社会貢献活動に積極的に取り組みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
主に精神の病や生きづらさが原因でひこもり状態や入院等で日中活動を行えず、生活のリズムが乱れてしまった方が、社会生活を営む上で最初のステップとして、気軽に通所出来て、休憩時間も十分にあり、簡単な作業を提供することで継続して通所しやすい環境を整えています。
共生社会で生きていく上での、社会のルールや対人関係の築き方等をレクチャし、就労ややりたいことに一歩でも近づけるように支援しています。
幻聴や脅迫症状と上手に付き合いながら、自分に負担がかからない思考や行動をアドバイスし、平穏な日常が送れるように支援しています。
簡単にできる軽作業を通して、お金を稼ぐ喜びと仕事を通しての経験を糧にしていただき、自分の成長につながるように支援しています。
支援の方法は日々アップデートされているので、新しい知識を得るように研修に参加したり、書籍を読んだりして自己研鑽に励んでいます。
職員が幸せでないと、利用者さんを幸せにできないと考え、職員とのコミュニケーションも密に困りごとの共有を図っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/04/27(契約日) ~2021/11/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2018年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)利用者本人の自己決定の尊重
個別支援計画はサービス管理責任者である管理者が作成しています。アセスメントシートで基本情報や利用者の状態、意向などを把握し、個別支援計画に日常生活、対人関係、行動態度のアセスメント内容を記載しています。アセスメントに基づき長期・短期目標と就労支援・生活支援など具体的な支援内容を明示しています。アセスメントの下に関連づけて目標や支援内容が記載されていますので、簡潔で分かりやすくなっています。個別支援計画の作成にあたっては、法人の利用者個別支援システム「アコード」に日々の利用者の生活記録を記入・蓄積して、モニタリングに活用しています。

2)簡潔で分かりやすい個別支援計画
個別支援計画はサービス管理責任者である管理者が作成しています。アセスメントシートで基本情報や利用者の状態、意向などを把握し、個別支援計画に日常生活、対人関係、行動態度のアセスメント内容を記載しています。アセスメントに基づき長期・短期目標と就労支援・生活支援など具体的な支援内容を明示しています。アセスメントの下に関連づけて目標や支援内容が記載されていますので、簡潔で分かりやすくなっています。個別支援計画の作成にあたっては、法人の利用者個別支援システム「アコード」に日々の利用者の生活記録を記入・蓄積して、モニタリングに活用しています。
改善を求められる点 1)新規の利用者に選ばれる魅力ある事業所づくり
事業所は1998年大和さくら会により家族会の作業所として開設され、2017年 県央福祉会に移譲されました。利用者の平均年齢は55歳、高齢化が進み40歳以上の利用者が83%です。毎日の出勤率も課題となっています。新法人の運営になり若い新たな利用者に選ばれる魅力ある事業所づくりが期待されます。①建物の外観や作業環境・休憩室、ストックルームなどの明るく楽しい空間演出。②利用者一人ひとりへの声かけや、家族とのコミュニケーション強化の工夫。③事業所及び法人が一体となった新たな仕事の開拓や、仕事内容の多様化・働き方の工夫などにより、更に魅力的な工賃の実現、などを検討し、改善に取り組まれることが期待されます。

2)地域との交流・連携
自治会に参加し回覧版などで地域の情報を把握し、お祭りなどに参加していますが、理念に謳っている「ソーシャルインクルージョン」の地域との共生までには至っていません。障がい者が地域に溶け込むためには、事業所の特徴を活かし、障害についての研修を行うなど地域へ向けて情報の発信を行うことが望まれます。また地域の商店街や他機関との関係性を強化することも期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価を受けて、事業所運営を客観視することができて、新たな気づきを得ることができました。福祉事業所は閉鎖的になりがちで、虐待事件が後を絶たないのも、それらの理由があると思われます。利用者さんやご家族の本音の部分も見えましたし、常にニーズに耳を傾け、障がいがある人も、ない人も隔てなく生活できる社会の実現に向けて、事業所運営を行っていく使命を感じています。
 事業所運営に関する課題も明確になりましたので、改善していき、利用者さんはもちろん、地域に愛される事業所を目指して参ります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・基本方針は毎年発行される「社会福祉法人県央福祉会 紹介冊子」やホームページに紹介されています。事業所では玄関に掲示され周知しています。事業所は法人の理念等に則って運営され、職員は「職員ハンドブック」や職員会議で繰り返し法人の考え方を学んでいます。利用者や家族には、利用契約時に事業所パンフレットや重要事項説明書で丁寧に説明していますが、今後は毎年継続的に説明する機会をつくり、周知を図ることが期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

法人の経営状態は職員会議等で職員に周知しています。事業所の経営状況はグループ長と管理者を中心に分析し、課題を把握しています。職員会議等で職員に経営内容を伝え、経費削減の意識を一人ひとりに持ってもらうことで、収益力アップを目指しています。コロナ禍で、見学者や入所希望者が減少していますが、引きこもり等で悩まれている家族のニーズが地域の中にあることを把握しているので、今後そうしたニーズを掘り起こしていくことを課題としています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人では調査機関を利用して、各事業所を調査し、事業所が弱点を把握できるよう分析し報告しました。その結果、全体的に「ライバル・競合」への意識が低下しているとの結果が報告されました。管理者は、福祉業界も一般企業の参入で競合が激しくなり、一部では過剰なサービスを行い、「自立のための支援」から「依存させるための支援」を行う事業所もあると考えています。そうした環境下で福祉サービスの内容、組織体制や設備の整備、職員の育成等を検討し、「魅力ある事業所」作りに向けて模索が続いています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中期計画は法人で作成され、実行されていますが、現在次期中期計画作成中のため、事業所には手元に計画書がない状況です。事業所では中期計画の作成はしていませんが、2~3年後に向けて、収支改善の目標を持っています。利用者の出勤率の向上や、作業内容の単価アップへの取組、安定した収益体質を確立するための室内栽培や外部栽培での野菜作りのトライアル等、明文化はされていませんが、経営改善に向け積極的に取り組んでいます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中期に向けた生産性の向上や、工賃アップの目標は文書化されていないものの、今期の事業計画は目標に向かって作成されています。今年度の重点課題は、利用者・家族・地域に親しめる環境作りや、利用者本人の尊厳を尊重する支援(言葉遣い・敬称)の実施、生産する商品(菓子箱・封筒・田楽味噌)の品質向上、職員の専門性の向上等に取り組むとしています。魅力ある施設をつくるためにも「職員一人ひとりが、利用者と共に笑顔で働ける職場を作ること」に努め、利用者稼働率の目標を定員の7割とし、出勤率向上に取り組んでいます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は法人の理念・基本方針・ミッション・職員行動指針等をベースとして、管理者が策定しています。今期の方針について職員には職員会議で話し、周知しています。また、法人の基本方針について、特に人権尊重とソーシャル・インクルージョ ン(共生社会)について会議で詳しく話し、職員の理解を深めています。事業計画の実施状況の評価基準は一部を除いて定められていません。また、事業計画の作成プロセスにおいて、職員等の参画が十分出来ていません。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の主な内容は期首の利用者会議で話し、今年度の行事予定表等を配布・周知しています。家族会は実施していないため、家族に対する説明や周知は事業所に来所した一部の人だけになっています。利用者の希望やニーズを汲み取り、魅力ある事業所づくりへ向けた取組の一環として、家族会等の実施の検討が期待されます。また、新たに若い利用者の獲得に向け、家族に対するコミュニケーション強化のあり方など、運営内容の再検討が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

常勤職員は自己評価を法人のシステムである「あしたのクラウド」で実施しています。項目は 1.今期の自己の課題設定 2.部下指導・育成の目標設定 3.業務改善・品質向上 4.リスク管理等について自分自身で目標内容を設定し、中間・期末に自己評価して上司と面談し、達成度合いを確認しています。福祉サービスの質の向上に向けて常勤職員の自己評価を活用していますが、職員の3分の2を占める非常勤職員の活用や話し合いの実施が課題となっています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果を分析した結果やそれに基づく課題は文書化され、管理者が職員会議で職員に伝え、課題の共有化が図られています。課題によっては明快な解決策が直ちに実施できない事柄もあり、そうした事項については都度悩みとして保留し、時機を見て解決に取り組む必要があると考えています。改善策の実施にあたっては、利用者へ分かりやすく説明し、理解を得ることを大事にしています。まだ着手できていない課題への取組事項もあります。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

管理者は自らの事業所の経営・管理に関する方針と取組を職員会議等で明確にすると共に、日常業務を通じて最終判断や責任が管理者にあることを職員に周知しています。職務分掌については法人の規定集に記載されていますが、事業所内で独自の作成はありません。管理者不在時の責任体制は、常勤職員が所長を含めて2名であるため、もう一人の常勤職員を指名していますが、事業所に配属されて間もないため、事業所での経験期間が短いことが現在の課題となっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所として必要な法令等の情報は、法人本部から得ています。また大和市障がい福祉課等からその都度、情報を得ています。利害関係者(取引事業者、行政関係者等)との関係においても、遵守すべき法令等を十分理解しており、適正な関係を保持しています。管理者は法令順守に関する研修に参加はしていませんが、職員会議の場で業務や支援に関連する法案について注意を喚起しています。特に人権侵害や個人情報の取り扱い、虐待の防止、利用者等への説明責任等、重要なことに関して、印刷物を使用して職員に伝えています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

管理者は、実施する福祉サービスの質の向上に意欲を持ち、自ら外部の「認定NPO法人地域精神保健福祉機構(COMHBO:コンボ)」が実施する精神障害者自立支援の各種研修会に参加し、専門知識の研鑽に励んでいます。職員に対しては、自ら学んだ内容を職員会議内で勉強会として実施し、知識・技能の共有に努めています。また、当事者向け雑誌 「こころの元気」 も継続購読し、毎月閲覧できるよう事業所入口付近に備えています。管理者は非常勤職員の育成については、支援に必要な研修の実施が不足し、課題と考えています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

管理者は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、事業所の活動内容を分析しています。特に理念や基本方針の実現に向けて、利用者の希望に配慮した仕事の進め方や、治具の活用による品質の安定化・効率アップに指導力を発揮し取り組んでいます。職員には働きやすい環境整備の一環として、残業0を継続しています。今後の課題として、利用者の拡大に向けて他事業所との連携強化に取り組み、現在の利用者の出勤率向上に向けては、利用者一人ひとりのニーズ・要望に応じて課題に寄り添い、楽しめる作業の導入が課題と考えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

常勤職員については、法人では目標とする福祉サービスの質を確保するため、必要な福祉人材や人員体制に関する具体的な計画が確立しており、それに基づいた取組が実施されています。非常勤職員は事業所において、働きやすい環境や勤務体系を整備して採用し充足していますが、専門的支援サービスの知識や技能の習得が課題となっています。常勤職員にはメンター・メンティー制度の実施により、気楽に先輩社員に相談できる仕組みがあり、新人職員の孤独化・孤立化を防ぎ、職員の定着化に努めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念や基本方針に基づき「職員倫理行動綱領と行動マニュアル」に利用者支援の根幹が明記されています。人事基準は法人の就業規則で明確に示されていますが、「サービス管理責任者や指導員、生活支援者等の昇進・昇格基準」について、はっきりとは明示されていません。職員個々の職務遂行に係る能力や成果等については「あしたのクラウド」で目標設定し、年2回中間と期末に達成状況を上司と確認していますが、人事プロパーの定期的な面談も期待されます。法人は多岐にわたる福祉事業を展開しているので、異動の希望を提出できる環境になっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況や意向を定期的に把握するしくみはありますが、改善する仕組みの構築はまだ十分ではありません。法人では残業時間削減のための業務システム改善や、効率化に向けての取組が実施されています。事業所では残業0を継続しています。有給休暇の取得については、管理者は職員の取得状況をチェックしています。法人としても推奨し、年間最低5日は取るように指導し、職員は5日の取得は出来ていますが、それ以上の取得が出来ていません。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人は「職員倫理行動綱領・行動マニュアル」で期待する職員像を明確に示し、「職員ハンドブック」や各種マニュアル等で、いつでも学習できる仕組みを用意しています。併せて、職員の育成を実現するツールとして「あしたのクラウド」をスタートし、目標管理を推進しています。職員自身で、年度当初に自らの業務や資質向上への取組目標を設定し、半年後と年度末に達成度の自己評価を実施します。所属長は中間面接・最終面接を行い、達成度の確認を行っています。管理者は職員一人ひとりに対する目配りの時間不足が課題と考えています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」は「職員倫理行動綱領」等で明示し、専門資格や職種等も全職員に配布している「職員ハンドブック」に記載しています。法人全体では経験年数に応じた階層別研修(1年目・2年目・3~5年目)を実施し、併せて「苦情受付研修」や「専門分野別研修」も実施しています。事業所では、非常勤職員の参加者が少ないことや、研修内容や実施方法の多様化(読書によるレポート提出や、より専門性の高い分野別研修等)ニーズがあり、業務に直結した、必要性の高い研修の実施を課題としています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

現在コロナ禍のため、研修はオンラインで実施しています。研修情報は、管理者から各職員に伝えています。人権や虐待防止、情報管理等は必須で、全体研修が実施されているほか、採用年数や役職による階層別研修、職種によるテーマ別研修等が実施されています。事業所では、非常勤職員の専門職としての知識・技能の習得に向けた研修参加を課題としています。OJTは入社直後は実施されますが、日々の業務の中で習熟度に配慮して継続して実施することは難しい状況です。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

法人では実習生の受け入れについて体制を整備し、福祉サービスに関わる専門職の研修・育成への基本姿勢を明文化しています。事業所ではヘルパー研修実習生の受け入れを行っており、今年も12月に3名程度受け入れる予定です。実習生は「公益社団法人神奈川福祉サービス振興会・神奈川県精神障害者ホームヘルパー研修運営事務局」が窓口になっています。事業所では現在、マニュアルの整備や研修指導者に対する研修が実施できておらず課題としています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページには、理念や基本方針、ビジョン、提供する福祉サービスの内容、更に事業計画・事業報告・予算・決算情報が適切に公開されています。また、地域の福祉向上のための取組の実施状況、苦情・相談の体制や内容についても公表しています。事業所では、事業所の理念や概要、作業内容や1日のスケジュール等を記載したパンフレットを作成し、「大和市地域活動支援センター ポピー」や「大和市障害者自立支援センター」等に配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人では運営規定により、事業所における事務・経理・取引等に関するルールが定められ、職務分掌規程で権限・責任が明確に示され、職員に周知されています。法人総務部の職員により、行政(神奈川県)による監査の前に事業所運営に関わる事務・経理監査が実施されています。また事業所の経理については、年1回内部監査が行われ、別途外部監査も定期的に実施されています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人は基本方針で、「地域との共生」を掲げています。事業所では事業計画書で、法人の方針を具体化して①自主製品(田楽味噌)の製造・販売を通して、地域のお祭りやフリーマーケットへの参加、事業所での販売等販売機会を増やし、利用者の「社会参加」を増やします。②地域の清掃活動や行事に積極的に参加して親睦を図って行きます。③地域連携支援を目的として、精神保健に関する会議や行事に参加して地域連携を深めます、等の方針を掲げています。今年度はコロナ禍で、諸行事が中止となっていますが、地域連携に取り組む姿勢は変わりません。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティア等の受け入れに関する基本姿勢を明示していません。ボランティア等の基本姿勢を明確にして、その体制の検討が望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

利用者により良い福祉サービスを提供するために必要となる、関係機関・団体との連携が適切に行われています。定期的に行われる「大和市精神保健協議会」や「福祉事業所連絡会」に参加して、状況や課題を共有化しています。
大和市精神保健協議会には「大和市障害者自立支援センター」や「大和市地域活動支援センター ポピー」を始めとして、「就労継続支援施設」、「家族会(精神障害者を持つ親の会)」、「当事者会」等が参加し、定期的な連絡会を行っています。管理者は積極的に参加し、交流を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

市内の福祉サービス提供事業所の連絡会議が定期的に開催され、それぞれの事業所の状況について情報交換したり、課題等の共有をしています。所長は、「引きこもり家族・こもりびと」のニーズに対しての協議で、オープンダイヤローグ(Open Dialoge : 開かれた対話・患者の自宅を訪問し症状が治るまで毎日対話する治療法)の手法を用いた支援方法を提唱し、会として支援に活用することを推進しています。現在は、全事業所が毎回の参加が出来ていない状況にあり、課題と感じています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業所は、町内会に加入しています。現在はコロナ禍で実施出来ていませんが、地域での清掃活動に参加していました。役員と挨拶を交わし、地域での困りごとや、ひきこもりの状況等の聞き取りを行っています。事業計画では事業所を地域に開放し、周辺住民・地域と共生する礎を築いていく計画を立てています。まだ具体的な取組は実施出来ていませんが、事業所として災害用の食料や水等の備蓄をしています。今後災害対策等で地域に貢献できないか、協議していくことが必要と考えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針には、利用者尊重の姿勢が明記され、職員が理解し実践するための「職員倫理行動綱領」や「行動マニュアル」があります。事業所では、毎月の職員会議で「人権・虐待防止」や「苦情対応」、「危機管理」等について振り返り、理解を深めています。支援にあたっては利用者本人の自己決定を大切にし、標準的な作業手順を分かりやすく伝え支援しています。法人では研修制度の充実と合わせて、年1回の実践報告会での各事業所の福祉サービス具体的取組事例発表を通して交流を図り、職員の技能向上に取り組んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

利用者のプライバシー保護について、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務等を明記した規程・マニュアル等が整備されています。職員へは職員会議等で定期的にプライバシー保護について周知し、注意を促しています。精神障害の介護支援については、シリーズでその歴史から伝え、共通認識を深めています。利用者の写真については取り扱いに注意し、事業所内の掲示や、印刷物には一切掲出していません。写真を出す場合は都度同意書を取っています。一人ひとり鍵付きのロッカーが用意されています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

事業所のパンフレットには、提供している作業や活動内容と共に、法人の理念や基本方針が紹介されています。パンフレットは「大和市地域活動支援センター ポピー」や「大和市障害者自立支援センター」等に置かれており、利用希望者に配布をお願いしています。施設見学希望者には個別に見学を実施し、丁寧な説明をしています。
より高度な作業により工賃のアップを希望する利用者には、コロナ禍の現在、オンライン見学会を実施して、他事業所の紹介を行う等の支援をしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

事業所はサービスの開始や変更時に、福祉サービスの内容に関する説明と同意にあたって、利用者の自己決定を尊重しています。説明は利用者が分かりやすいように、個別支援計画書等は漢字にルビをふった資料を使うなど、工夫して説明しています。所長は今後、文字のないエコマップ【ecomap : 生態地図・要介護者を中心として、その周辺にある社会資源(家族・兄弟姉妹・友人・近隣住民・医師・各種介護関連機関など)との相関関係をネットワークとして表現した地図】を活用した利用者への説明も検討しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業所の変更や移行等にあたっては、利用者本人に確認をとった上で、本人に係わる情報を移行先の事業所に引き継いでいます。引き継ぎ時の書面は、移行先の要請にもとづいて実施するため、事業所としての特定の様式は定めていません。利用者の移行に際しては、家族、市障害福祉課、グループホーム、地域包括支援センター、市生活援護課等と連携を取りながら包括的な支援体制を整えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者に対する満足度調査は行っていませんが、第三者評価受審の際のアンケート等で内容を確認しています。事業所では利用者・家族からの声を聞くため「ご意見箱」を設置し、また、年3回、定期的に利用者会議を開催して、意見や要望を聞くよう努めています。個別支援計画作成に関しては個別面談を実施していますが、その際も利用者・家族から満足度を把握するよう努めています。以前、工賃アップの要望が出されましたが、新たな作業を取り入れ、利用者の工賃のアップ、更に1ヶ月の収入アップに繋げた事例があります。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

法人では苦情解決の体制が整備され、職員に周知されると共に、利用者や家族が苦情を出しやすい工夫をしています。事業所においては苦情受付担当者や、苦情解決責任者、外部の第三者委員の氏名連絡先が重要事項説明書で明示され、併せて事業所玄関に常時体制表が掲示され、告知されています。「みんなの声ボックス」も玄関先に設置し、いつでも受付をしていますが、現在利用は少ない状況です。苦情内容の公表は苦情を申し出た利用者や家族等に配慮したうえで、公表されています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者が意見を述べたい時は、事業所でいつでも職員が対応しています。受付担当者としては管理者が任命されていることも周知しています。また、直接言いにくい内容の意見は第三者委員が聞き取りする旨を周知し、第三者委員の氏名・連絡先を玄関脇に掲示して紹介しています。相談は事業所の中で、都度利用者の希望に応じて聞いています。聞く場所は事務所の中が多いです。利用者が相談する時の複数の方法や相手を自由に選べることを説明した文書は作成していません。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

利用者からの相談や家族からの要望等があった時は、夕礼や業務日誌で職員は情報を共有し、翌日の朝礼等で話し合い、早めに改善案を出して回答する様に心がけています。事業所では、苦情やクレームに対するマニュアル等は整備されていますが、相談や要望に対するマニュアルは特にありません。利用者の意見や要望、提案等は丁寧に聞き取りをして、迅速に対応しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

法人ではリスクマネジメントに対する体制が構築され、事故発生時の対応と安全確保についてマニュアルを整備しています。職員へは研修を通じて周知しています。事故発生の分析や再発防止策の実施等、法人内で起きた事故等については収集・分析し、各事業所に資料として配布しています。
職員は研修に加え「職員ハンドブック」や職員会議等で安全確保と管理手順を学んでいます。事業所では、ヒヤリハットの事例は少ないのですが、今後定期的な再発防止策の検討・見直しや管理手順の確認が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症やコロナ対策の予防策が講じられ、発生時等、緊急時の利用者の安全確保について組織として体制を整備し、取組を行っています。法人本部では危機管理委員会と法人内のさくらクリニックが連携して対応しています。感染症の予防と発生時の対応マニュアル等が作成され、職員に周知されています。事業所では従来から実施してきた感染症対策に加え、新型コロナウイルス対策として、検温・消毒・手洗い・清掃・除菌等に取り組んでいます。1日の作業終了後、職員は次亜塩素酸ナトリウムを噴霧して消毒し、作業所はきれいに整頓された状態を維持しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

地震に対して年4回、利用者の安全確保の防災訓練を実施しています。利用者はヘルメットを着用して、屋外退避の訓練を実施していますが、建物が平屋建ての為、スピーディーな退避が出来ています。利用者及び職員の安否確認は法人の安否確認システムで実施しています。今後は、火災発生を想定した避難や消火訓練の実施が期待されます。消防署との連携は十分ではありません。食料や飲料水等は3日分備蓄され、リストで管理されています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

「倫理行動綱領」には利用者の人格の尊重、権利擁護、プライバシーの保護等の基本理念や基本的支援姿勢等について明記しています。「倫理行動マニュアル」には、「倫理行動綱領」を基に利用者の支援について人権の尊重を基盤として具体的に明示しています。法人の新人研修で職員へ配布し説明しています。その他緊急時対応マニュアルや虐待防止マニュアル等、各種マニュアルで標準的実施方法を文書化しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の苦情解決制度運用委員会、人権委員会、安全運転委員会等で、定期的に会議を持ち、マニュアルの見直しを行っています。マニュアル類の見直しの時期が文書で定められていないものもありますが、必要時見直しを行っています。個別支援計画🄱の内容により、手順書等を作成し、職員や利用者が共有しています。利用者の意見を取り入れて、休憩時間の変更や工賃の仕組み等の見直しを実施しました。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画はサービス管理責任者である管理者が作成しています。個別支援計画を作成する際はアセスメントシートで利用者の身体状況や生活状況を把握し、ニーズを抽出しています。個別支援計画の原案を基に個別支援会議で職員からの意見を聞き、個別面談で本人の意向を聞いて作成しています。個別支援計画には日常生活、対人関係、行動・態度のアセスメントが記載され、就労支援と生活支援の具体的な支援内容が分かりやすく記載されています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画のモニタリングは年2回モニタリング票で達成度を評価しています。「援助履歴一覧」の内容もモニタリングの参考にしています。年1回の見直しや変更は個別支援会議を経て、担当者の意見を聞いて行っています。利用者には個別面談で意向を確認しています。個別支援計画は個別ファイルに入れ、職員が常に確認出来るように事務所で保管しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

毎日、担当職員が「日別記録」をパソコンに入力しています。利用者名、利用者の様子、作業内容、連絡事項、電話や訪問等について記録しています。毎日プリントアウトし、朝のミーティングで前日の出来事や利用者の様子を報告しています。個別支援計画についての面談記録は援助履歴一覧で確認できます。毎朝のミーティングや月1回の職員会議で必要な情報を共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の「個人情報保護規定」に個人情報の収集、利用及び提供、個人データの保存・廃棄、開示等に関する規定が定められています。個人データ漏洩防止等、個人情報管理規定も定めています。常勤職員はパスワードでパソコンの情報管理を行っています。役職によるアクセス制限があり、情報漏洩の防止に努めています。USBは使用・持ち出し禁止になっています。利用者・家族には利用契約時に「個人情報の提供に関する同意書」で説明し同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎朝9時30分から利用者が参加する「朝の会」で、利用者の意向を確認しながらその日の作業の担当者を決めています。納品は希望する利用者から選んでいます。トイレ掃除や食事当番も自主性を尊重しながら決めています。3ヶ月に1回利用者会議を開催しています。その日の通所の利用者全員と職員が参加し、利用者が自由に意見を出し話し合っています。レクリエーションの旅行で行きたい所や休憩時間、工賃などについて利用者から出た意見を取り入れています。休憩時間に食べていたお菓子を中止し、コーヒーに変え、その分、皆勤ボーナスを支給する仕組みに変更したことも利用者の意見を取り入れて行いました。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

法人の「倫理行動マニュアル」を新人研修で職員へ配布し、説明しています。人権の尊重を基に利用者支援について具体的に例示してあり、職員は内容を理解して支援しています。「虐待防止マニュアル」が整備され、常勤職員は毎年、法人の人権委員会が開催する虐待防止研修に参加して理解を深めています。利用者や家族には利用契約時に身体拘束防止や虐待防止の取組について説明し、虐待防止に関する相談窓口も書面で伝えています。事業所では虐待防止のDVDを見て、職員の行動の振り返りを行っています。虐待が疑われるケースがあった場合は法人のグループ長に報告し、指示を仰ぎながら関係機関と連携し対応しています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

サービス開始時や個別支援計画作成時に「アセスメントシート」で利用者の状態を詳しく把握しています。好きなこと・得意なこと、嫌いなこと・苦手なこと、希望する暮らし・生活などを聞き、個別支援計画に反映しています。作業内容でも出来ること、できないこと、努力したら出来る、工夫したらできるなどを考慮して、本人の意向を聞き、自立に配慮して次のステップを決めています。作業工程は殆ど利用者に任せ、最終チェックもできる利用者にしてもらっています。職員は全体を見渡し、必要時に指示を出しています。 ホームに入所しないで、一人暮らしの利用者には通院同行や、緊急通報サービスの利用を促すなど、自立した生活を支援しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個々の特性を理解して、職員との信頼関係を作っていくことを大切にしています。言葉での説明が理解できない利用者には文書にして休みの過ごし方などを伝えています。また写真や絵、文字などを入れた手順書を用いて作業手順を伝えています。興奮して落ち着かない利用者には、傾聴を心掛けています。幻聴で悩んでいる利用者には、「だれが言いましたか?」「それは幻聴かもしれない」と話し、現実と幻聴を分けて考えられるように、幻聴との付き合い方を支援しています。現在、コミュニケーション機器を使用する利用者はいません。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

毎月月初に工賃を渡すために相談室で利用者と管理者で個別面談を行っています。毎日の来所時間、退所時間を記入した実績記録票に確認印をもらい、その場で困りごとや変わったことがないかなどを聞いています。一人暮らしの利用者からは、生活状況についても聞き取りをして状況の把握に努めています。利用者から「ちょっと話していいですか?」と言われた時は、相談室で管理者が傾聴し、アドバイスをしています。面談したことは業務日誌に記録し、夕方のミーティングで職員へ内容を伝え共有しています。支援経過記録にも記入し、内容によっては家族やグループホーム職員とも連携をとっています。モニタリングや個別支援計画に反映することもあります。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画はサービス管理責任者である管理者が作成しています。個別支援計画の中にレクリエーションプログラムや作業プログラムが記載されています。生産活動としては、自主製品「田楽味噌」の作成販売や受注による販加工・検品、封筒加工・シール貼り、封入封かんなどがあります。余暇活動としては毎月トランスフィットネス、3ヶ月に1回トランスミュージック、外食レクリエーション、日帰り旅行などがありますが、コロナ禍ので外出はできず、外食レクリエーションの代わりに弁当をとっています。個別支援計画は毎年作り直しを行っています。作成時には個別面談で利用者や家族の意見を聞き、職員にも見てもらっています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

管理者はNPO地域精神福祉に登録し、精神障害に関する研修を受講し、専門知識の習得に努めています。研修内容は職員へも伝達し共有しています。行動障害の利用者はいませんが、怒って机を叩く利用者はいます。精神病院から退院し、日中活動の場として通所している利用者には、病院相談室長や計画相談員など関係機関と連携を取りながら支援しています。幻聴で来られない利用者には電話で話をし、季節的に来られない利用者は通えるようになるまで待つ姿勢をとっています。管理者は職員へ利用者との距離感に注意するよう指導しています。他人が気になって落ち着かない利用者は窓や壁に向かって作業できるような環境調整をしています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

昼食は同法人他施設から調理済みの物が届き、配膳は利用者と職員で行い、盛り付けの量も配膳時に調整できます。メニューは1ヶ月毎に届き、希望で注文が出来ます。弁当を持参したり、コンビニで買ってくる利用者もいますが皆で一緒に食べています。食後は食器を利用者が自分で洗っています。昼食時に使用するパーテーションは、管理者が希望する利用者へプラスティック段ボールを使って作成しました。入浴介助は事業として行っておらず対象者がいません。排泄介助は作業中に声かけをする利用者がいますが、トイレで介助を必要とする利用者はいません。利用者は送迎なしで通所していますが、大雨や風の強い時は駅までワゴン車で送迎をしています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

毎日作業終了後から利用者が職員と一緒に掃除をしています。利用者は作業室、玄関の掃き掃除、テーブル拭き、当番のトイレ掃除などを行っています。職員は次亜塩素酸ナトリウムを噴霧し消毒しています。食事の前後はアルコールでテーブルを拭き清潔を保っています。昼食時など定期的に換気をしています。新型コロナ感染防止のため、食事はテーブルを増やし、間をあけて座って摂っています。作業室の一角が休憩スペースになっていてソファーが2台設置されています。体調が悪い時や休憩時間、昼休みなどに横になって休むことが出来ます。必要時アコーディオンカーテンで仕切りをしています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

月1回法人のトランスフィットネス事業部から3、4人のインストラクターが来て、トランスフィットネスを実施しています。機械を持ち込み、筋力をつける運動やヨガ、ボクササイズ(ボクシングエクササイズ)など機能訓練を行っています。利用者はその日の体調により参加しています。昼休みの12時45分~ラジオ体操をDVDを見ながら行い、筋力維持に努めています。理学療法士などから指導を受けたり、福祉用具などを利用している利用者はいません。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年1回定期健康診断を同法人系列事業所に出向き、受けています。健康診断結果は本人・家族に知らせ、再検査などは個人的に受けてもらっています。緊急時連絡先を基本情報に記載し、いつでも確認できるようになっています。協力医療機関の大和さくらクリニックとは連絡を取れる体制になっています。日中活動中に倒れて、救急車を呼び入院するなど緊急対応したケースもあります。看護師は在籍していませんが、毎日体温測定をし、検温記録表に記録して体調管理を行っています。新型コロナワクチン接種は協力医療機関の大和さくらクリニックが巡回して希望者に接種しました。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

非該当

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

大和市障害者自立支援センターの相談会について、作業室に掲示して利用者に情報提供しています。利用者向け月刊誌メンタルヘルスマガジン「こころ元気プラス」を置いて、利用者自身の病気や障害について勉強しようとする環境を整えています。一昨年前まで、相模大塚駅周辺のごみ拾いを毎週土曜日1時間程、利用者と職員で実施していましたが、昨年からコロナにより中止しています。近隣のブルーベリー畑の除草作業を利用者と職員で手伝っています。同法人他事業所のお祭りに参加し、自主製品の「田楽味噌」を五平餅につけて販売し、交流しています。自治会に加入し、地域の情報を把握しています。地域のお祭りにはコロナにより参加できませんでした。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域生活をするためのグループホームや体験入所などの情報を利用者に紹介しています。グループホームに入所しないで一人で生活している利用者には、安心して生活できるように緊急通報システムや福祉用具利用などの情報を提供しています。ホームに入所している利用者には、ごみの分別方法や出し方などを具体的に指導しています。服装についても臭いのない清潔感のある格好をするよう細かい点までアドバイスをして地域生活の支援をしています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用開始時に家族の状況を聞いてアセスメントシートに記載しています。家族に連絡を取る際は、緊急時以外は利用者本人に話し、承諾を得ています。家族との関係性がよくない利用者が多く、場合によっては事業所からの家族へのアプローチは行っていません。利用者が怪我をしたり、体調不良などの時は家族やグループホームの職員へ電話連絡しています。個別支援計画を作成する際に「モニタリング面談のお知らせ」を家族やグループホーム職員へも出しています。旅行などレクリエーションの予定なども書面で知らせています。希望があれば定期的に家族面談を行い、場合によっては訪問するなどの家族支援も行っています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画の就労支援の欄に、アセスメントの結果や本人の意向を確認して具体的な支援内容と支援期間を記載しています。個別支援計画に沿って個別に就労支援を行っています。作業の振り分けは障害の程度を配慮して行い、作業がスムーズに行えるように道具を使用するなど工夫しています。封筒のシールの部分を折る位置がずれないようにバインダーを使用している利用者もいます。また目印を付けて分かりやすくするなど工夫をしています。手順書の文字が読めない利用者には、絵や写真を用いながら、口頭で分かりやすく説明しています。障害者就労・生活支援センターやハローワークに職員が同行し、就労に向けた支援を行っています。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

工賃が支払われる生産活動として、自主製品の「田楽味噌」作り、販促物の加工、封筒加工・シール貼り、封入封かんなどがあります。工賃は一律に半日150円、一日300円にしています。活動時間は「就労継続支援提供実績記録票」に利用者本人が自主的に記載しています。工賃の計算は実績記録表を基に利用者の主体性を尊重して行っています。毎日の活動内容は利用者参加の「朝の会」で決めていますので、希望により選択出来るようになっています。休憩時間に提供していたお菓子を中止し、皆勤ボーナスを支給するなど利用者会議で決めた内容を反映して、賃金を上げるための取組を実施した経緯があります。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の就労支援部会と情報交換をしながら、受注作業の開拓を行っています。大和市障害者自立支援センターが毎月開催する研修に管理者か担当職員が参加し、他事業所と連携を図っています。ハローワークや障害者就労・生活支援センターなどの関係機関と連携し、利用者の就労に対する適正や要望に応じた職種や実習受け入れ先企業の確保などの就労支援を行っています。就労までには至っていませんが、就労移行支援事業所に移行した利用者はいます。より賃金の良い就労継続B型事業所に繋げる働きかけも行っています。