社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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いーじゃんホームⅠ

2019年12月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 いーじゃんホームⅠ
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2010年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 法人理念
(1)障がい児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャル・インクルージョン」(共生社会)を目指します。
(2)社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。

法人基本方針
(1)人権の尊重とサービスの質の向上を図ります。
(2)インフォームドコンセント及びエンパワメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。
(3)地域との共生を目指します。
(4)ニーズの多様化・複雑化に対応します。
(5)社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します。
(6)説明責任(アカウンタビリティ)を徹底します。
(7)人材の確保・育成のための研修体制を充実します。
(8)柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。
(9)財政基盤の安定化に努めます。
(10)国際化への対応に取り組みます。
(11)社会的貢献活動に積極的に取り組みます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 法人の理念や方針に則り、利用者の笑顔がいつも見られる施設、職員にとっても働きやすい職場を目指しています。

1.利用者主体の支援・サービス提供
  職員は、食事のメニューや余暇活動など、普段から丁寧に利用者の希望や意見を聞き、それを支援に生かしていくという方針で支援を提供しています。利用者も、日常的に自由に職員に要望等を伝えることが自然に行われており、活発に意見が出されています。
  特に、平成30年度から、休日の日中支援として昼食の提供を始めました。余暇活動の選択肢を増やすことで、生活レベルの向上が図られ、利用者と職員交流の機会も増えて利用者や家族には好評を得ています。様々なイベントも、同エリアの他の施設と合同または単独で、活発に行っています。

2.組織的対応で働きやすい職場 
  利用者の状況や利用者から伝えられた希望や意思について、職員はその情報をきちんと受け止め共有しています。支援上の困難については、管理者が責任者ということで、各職員に過分の負担がかからないよう責任の範囲を明確にするとともに、管理者と職員が特別に時間を取ってOJTの機会として活用し、利用者への理解を深めるなど、支援力の向上に生かしています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2019年03月30日
終了:2019年11月14日(評価結果確定日)
受審回数:1回(平成27年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1.利用者の意思や主体性を尊重した安心・安全なサービスの提供
 必要なサービスは、必ず利用者本人の希望や意思を確認したうえで、その利用者のニーズに合った支援を個別に提供しています。日常生活の中での支援はもちろんのこと、行事の参加等についても、案内を掲示、配布するだけではなく、利用者の状況に合わせて説明をするなど、意思確認は時間をかけて丁寧に行っています。
 また、日ごろから職員は利用者の話をしっかり聞き取ることを支援の基本としており、利用者も安心して自分の意見や要望を職員に伝えることができる雰囲気が確立しています。

2.余暇行事の充実
 事業所として、利用者が明るく元気に笑顔でいられる施設を目指し、余暇行事の充実に努めています。日中活動のない週末や夜に、利用者の希望を反映する形で、同じエリアのグループホーム合同でバス旅行やホテルでの宴会を実施する他、年4回「いのちの学習」と称したグループワークを行い、利用者は自分を表現する力を養いながら、他のホームの利用者や職員との交流を図っています。ホーム単独行事も、利用者の希望を取り入れながら、家族旅行の雰囲気で行っています。
 平成30年度からは、休日の日中支援として昼食の提供を始め、利用者の健康面に寄与するとともに、職員との交流機会が増えることで、利用者の安心感や信頼感の醸成につながっています。

3.地域との交流
 地域住民との関わりが、自然に行われています。日常的な挨拶はもちろん、ホーム開設以来、町内会の旅行に誘いがあり、毎年利用者・職員ともに参加し交流を続けています。地区の防災訓練にも、利用者と職員で毎年必ず参加しています。また、近隣の住民には、ホームにAEDの設置があることを知らせています。
改善を求められる点 1.職員の研修への積極的参加
 支援上困難な状況が発生した時や、利用者に対するアセスメントが職員によって異なる場合など、特に職員全体としての資質向上が必要と考えられます。OJTだけでは習得できない利用者理解のための知識や技術に関する研修等に積極的に参加をすることで、利用者へのより適切かつ質の高い支援が提供できると考えています。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

理念・基本方針・使命・職員行動指針を各階の事務室内に掲示し、必要に応じ職員が確認できるようにしています。職員は入職時の研修で、必ず理念等について確認をしています。支援に困難が生じた時に、法人の理念や基本方針を、基本に立ち返る指針として活用しています。

◇課題と考えていること

理念等を職員が確認する機会を確実に確保するため、職員会議の年間計画等を立てることを検討しています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

本部経理部から毎月送られる試算表を確認し、状況を把握した上で、本部に返しています。予算作成時に年間の収支について確認し、長期スパンも念頭に置いた事業計画作成の資料としています。

◇課題と考えていること

週末帰宅者が多いことで、利用率が低い傾向があり経営上の課題となっていますが、将来的に帰宅が困難になる状況も考慮し、現状を前向きに捉え、家族との交流を優先的に考えています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

単年度の事業計画は、利用者への支援目標達成を念頭に置き、新しいことを積み重ねています。管理者が案を作り、常勤職員が目を通した上で策定しています。

◇課題と考えていること

非常勤職員も参画して上で、事業計画の策定が望ましいと考えますが、現状では、策定後の周知にとどまっています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

支援向上を図り、障がい理解のための外部実務研修について、意識的に参加を勧奨しています。人権等に係る研修は、法人全体で確実に受講する体制を取っており、更に今年度から法人としての研修が体系化され、年間研修開催計画が出されています。

◇課題と考えていること

非常勤職員の研修参加が困難で、更なる働きかけと、参加した研修を職員間で共有する工夫が必要と考えています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

家族等のクレームには、関係機関とも協力し、管理者が前面に立って対応をしています。職員に対しては状況説明と対応を具体的に指示するなどで、職員の安心を図っています。職員の業務上の困難に対して、管理者は話を聞き、その都度個別に助言やサポートを行っています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

非常勤職員は、採用前に5日間の実習で、3回の泊りを体験し利用者や業務の理解を図っています。常勤職員は、定期的に法人の研修計画に則って必修の研修を、特に採用後集中して受けています。欠員だった常勤職員を7月に補充し、各職員の負担を軽減しました。

◇課題と考えていること

非常勤職員の研修について、技術研修を中心に参加を促進し、支援力の底上げをする必要があると考えています。常勤職員の経験年数が浅く、今後OJT や研修への積極的な参加等で育成していきます。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

事業所で力を入れている、休日や日中支援について、管理者が職員会議でその目的や効果について職員に説明し、職員全体の理解を促進しています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

近隣住民との日頃の挨拶は、利用者も含め日常的に行っています。町内会の旅行には、利用者と職員が毎年参加し、そのことで近隣住民との日頃の声掛け等が自然に行われています。年1回の地域の防災訓練には必ず参加しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

法人の支援マニュアルで、利用者の呼称は「さん」と示されており、遵守しています。・法人の基本方針を事務室に掲示し、必要な都度職員が確認できるようにしています。・支援はマネジメントであり、コントロールすることではないことを、業務の中で確認しています。

◇課題と考えていること

利用者に対するアセスメントを、全職員が的確に行えるよう質の向上を図る必要があると考えています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

サービスの内容については、ルビを振った重要事項説明書で入所時に利用者に説明し、同意の署名をもらっています。イベントや余暇活動への参加については、その都度利用者に案内し、本人の希望を尊重して確認しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

玄関に「みんなの声」ポストが設置されていますが、殆ど活用されることはなく、利用者の要望や意見は気軽に直接職員に伝えられます。要望は、日常生活の中で活発に出されており、職員は要望に応じられるかどうか、時間をおかずに結果を利用者に伝え、可能なことは早めに対応しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

職員全体で、利用者の意見や要望をきちんと聞くという対応を心がけ、聞く場所を確保しています。言葉で言い辛い場合は、紙に書いて伝える提案をするなど、意見を出し易い環境をつくっています。合同レクリエーションの実施等については、各ホームから利用者を選抜し、会議を行っています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

家族や日中活動先との情報を共有するため、普段から必要な都度電話等でやり取りをし、連絡帳を活用しています。事務室に緊急連絡先、利用者通所先などを掲示しています。防災訓練を年4回実施し、防災用品を備蓄しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

支援マニュアルを職員に配布するとともに説明を加え、必要の都度立ち返って確認しています。支援の内容と具体的手順を、利用者ごと、時間ごとに記載した一覧表を事務室に掲示し、必要な支援に遺漏が無いようにしています。

◇課題と考えていること

マニュアルを職員に配布し説明していますが、実行されている支援内容の確認をしていく必要があると考えています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

個別支援計画は入所時に策定し、半年後に見直しを行います。策定にあたっては、利用者の想いを聞き取り、職員会議で共有しています。通所機関の支援計画見直し時期と合わせて、半年ごとに通所機関と一緒に利用者との面談をし、支援を見直しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

支援記録は紙媒体のみで行い、職員全員が利用者の状況を把握できるようにしています。記録には、事実、行った支援とその結果を記載することを基本とし、適切ではない記録については、管理者がチェックし、当該職員に伝えています。

◇課題と考えていること

A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者のニーズは日頃のやりとりからも拾い上げる様に努めています。利用者への様々な案内、説明、相談などでは、個々に応じた支援を行い、夜勤の時間なども用いて、時間をかけて本人の「納得感」を引き出す支援を心がけています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

呼称は、苗字でのさんづけを基本としています。利用者の意思表示・表出をできる限り待つようにするなど、利用者が気軽に意見が言い易い関係づくりに努めています。利用者からの生活上の意見や要望は口頭のほか紙に書いたものにより日常的に活発に出されています。

◇課題と考えていること

法人内で作成された「人権擁護ツール」のロールプレイを活用し、職員研修にて利用者支援のスキルアップを図りたいと考えています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

生活の流れの中で、職員がタイムスケジュールに縛られるあまり、利用者を必要以上に急かすことのない様に、個々の利用者や場面に応じた臨機応変な対応に努めています。支援にあたっては、拙速に結果を求める「最短距離の支援」にとらわれず、時間をかけて本人と共に準備を進めるなど、段階を踏んで意図的に声掛けや促しを行うなど、利用者が取組み易い支援方法を工夫しています。

◇課題と考えていること

個々の個別支援計画については職員会議で各職員へ周知しています。月1回の職員会議では、計画作成やモニタリングなど検討の時間を十分にとることが困難な状況ですが、必要に応じて臨時会議を開くなどの方法で改善を図る方針です。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

利用者の意向やペースを尊重し支援を行っています。食事は利用者の嗜好を考慮し、利用者の意見を聞きながら工夫しています。また、個人の好みの食器を使用し、個々の利用者の生活の流れやペースに合わせた時間帯で食事がとれるようにしています。入浴は、毎日午後4時から9時まで可能と重要事項説明書で案内していますが、利用者のペースに合わせ実際は、午後4時から午後11時までとなっています。利用者同士が話し合い、時間や順番等のルールを確認しています。芳香剤などの生活用品も利用者の希望を踏まえて購入しています。

◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

きれい化計画の一環として、日々の掃除チェックシート、年末の大掃除チェックリストを作成し、環境美化に力を入れています。居室は各利用者が清掃しますが、共用部分は職員が行います。風呂場や洗面所など共用部分の清掃に抜けや漏れがないように、清掃箇所のチェックシートは、業務マニュアルに組み込んでいます。細かい修繕も早めに行っています。必要な備品等の購入・設置は利用者へ提案の上、了解を得て行っています。

◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

生活習慣の改善については、日頃から生活の中で利用者と話題にし、心身の状況に合わせて必要なアドバイスをしています。また体重の増加で食事のコントロールが望ましいケースでは、利用者と職員が共に、減量の取り組みを行うこともあります。総じて「一緒に行う・付き合う・相談に乗る」支援を行っています。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

突発的な通院のほか定期通院もできる限り同行して、適切に医療が受けられる様に支援しています。月1回、看護師が訪問しています。訪問時にはリビングに利用者が集まり、看護師が血圧や体重を測りながらオープンに話をする設定のほか、希望者には別室で個別相談の形を取るなど、利用者が相談しやすい環境設定を心がけています。尚、当該看護師には緊急時に夜間・休日の連絡も可能です。誤薬防止に努めています。当日服用分をそれと表示した壁のポケットに入れ、職員が服用の確認をします。帰宅時に持ち帰る薬は職員が二重チェックします。ヒヤリハットで報告された場合は、職員会議で確認しています。

◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

利用者の「宴会したい」との希望によりホテルでの飲み会が実現しました。改まった服装での参加者もおり、利用者の希望に応じた社会参加・活動の機会となりました。利用者・職員の交流目的で法人エリア内にて合同開催される、「いのちの学習会」に年4回参加します。例えば『もっともっと自分の良い所を探しましょう』というテーマでは10人から自分の良い所を聞き各自発表しました。お金の使い方をテーマにした外部の研修を職員と共に受講しました。

◇課題と考えていること

学習や社会参加の機会を、現状で可能な限り提供していますが、更に、利用者への個別アプローチを強化して、広くイベントや学習への参加を促したいと考えています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

職員は一人暮らしを希望している利用者と、その目的や将来像を話し合っています。また、一人暮らしの具体的イメージを持てるように、利用者と共にパソコンで検索をしながら、どこに住みたいか、家の間取り、家賃相場、光熱水費に係る出費、収入や就労との関係などについて、情報を提供しながら話し合っています。

◇課題と考えていること

地域生活に向けて将来像を話し合う際に、利用者自身の就労の現況や就労意欲、心身の状態なども大きく関係するため、その都度本人の気持ちが揺れたり本音がどこにあるか把握する難しさがあります。支援の質の向上を図り、工夫することが必要と考えています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

家族とは、年2回の個別の面談を中心に連携を図っています。また週末帰宅をする利用者については連絡帳等を用いて家族との情報交換を行っています。日常的には、必要に応じて、電話等で連絡を取り合い、情報の共有を図っています。家族との関係の構築が困難な場合は、行政、基幹相談支援事業所、発達障害支援センター、通所先の職員など関係機関とも連携しアセスメントを行いながら利用者支援を行っています。

◇課題と考えていること

利用者の権利や財産を守り、福祉サービスを適時適切に利用していくために、今後は成年後見人の選任に係る支援も取組む方針です。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 非常勤職員の質の更なる向上を図るための研修参加の促進について
管理者以外の常勤職員の経験年数が1年未満ですが、法人としての研修計画に基づき育成の対象になっています。しかし、非常勤職員の場合、シフトや時間的制限から、研修への参加が厳しい状況にあります。
 研修参加により、障がいに対する理解を深め、利用者に対するアセメント力の向上を図ることで、支援の質の更なる向上が期待されます。
分類 事業計画書の策定と全職員への周知について
事業計画書の策定に当たっては、管理者が策定し理事会で承認されたものを職員に配布することにしています。
 計画書にはその年の支援方針や重点目標と共に、支援の基本となる事項が示されていることから、配布のみではなく、策定段階からの職員の参画や、全職員が内容を確認できる機会を計画的に作るなどの工夫で、より良い支援につながることが期待されます。
分類 個別支援計画の立案後のPDCAサイクルの実施について
「やりきれていない支援」についてPDCAサイクルやインパクトゴールの設定が課題として挙げられています。
会議での時間の確保など物理的限界はありますが、職員の参画により、個別支援計画の再アセスメントの機会を計画的、もしくは必要に応じて実現可能な形で設ける工夫が期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) 男性2名、女性2名に対し、1名ずつ調査員2名で聞き取りをしました。

1 ・スタッフは、利用者に対して乱暴な言葉や態度で接することはありません。

2 ・スタッフが部屋に来るときは、ノックをし、声を掛けて「どうぞ」と返事をしてから入ります。勝手に物に触ることはありません。探し物を頼んだ場合は、一緒に探してくれます。

3 ・食事や入浴など生活上の問題はありません。食べられない食材にも配慮してくれます。困ったときにはスタッフと話をし、忙しい時以外はよく話を聞いてくれます。その他、意見や要望などあれば何でも聞いてもらえます。

4 ・今の生活が楽しく、これからの目標や計画についてスタッフと話したことはありません。ガイドヘルパーが見つからず困っていることは職員も知っているが、解決は難しいです。
  ・一人暮らしできちんと仕事ができるかどうか職員に相談しているが、一緒に考えてくれているかどうかはわかりません。

5 ・預けているお金について、職員は毎月残金を報告してくれます。

6 ・困りごとなど職員に話をするが、すぐの対応は難しいことがあります。
  ・食事を作ってくれたりするので、無理も言えないと思っています。
  ・ホームでの困りごとを職員に相談すると、すぐ対応してくれアドバイスももらっています。
  ・イライラしているときに話をしっかり聞いてくれ、楽になりました。

7 ・ホーム以外で相談できるのは、兄弟、仕事場のスタッフ、就労相談センターの人などがいます。

8 ・スタッフは、体調が悪い時等、すぐに対応してくれます。

9 ・自由な時間は、外出したりリビングでくつろいだり、職員と話したり好きに過ごせています。
  ・車いすでの外出になるため、ガイドヘルパーの手配や人に押してもらう必要があるので、全てが希望通りとはいかないが、イベントに参加すると楽しいです。

10 ・ホームでの暮らしは好きだし楽しいです。スタッフから大切にされていると思います。今は平和です。
  ・楽しいけどできるだけ早く一人暮らしをしたいです。自分が大切にされているかどうかはわかりません。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
常勤職員が不足している状態だったため、支援に関してはなかなか取り組めていない部分があったことは十分承知していましたが、今回評価を受け、自分たちの行っている、または行うべき支援の再確認や、方向性を改めて考えることができました。事業所としての必要な設備や物品、整備すべき書類関係なども、再確認することができたので良かったです。
第三者を通して、利用者から直接ホームや職員に対する意見が聞けたのは良いことだと思いました。普段言いにくいことや言えないこともあったと思うので、利用者が感じていること、思っていることを知ることができました。
事業所としての課題は何か、例えば個別支援計画立案後のPDCAサイクルの実施について、どんなことを取り組んでいけばよいのかを確認することができました。事業所としての体制が整いつつあるので、今後は解決できるよう取り組みをしていきたいと思います。