社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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かじがや障害者デイサービスセンター

2022年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 かじがや障害者デイサービスセンター 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 25 名
所在地 〒213-0015
川崎市高津区梶ヶ谷5-8-27
TEL 044-853-5166 ホームページ http://www.kfj.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1992年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:9 名
専門職員
介護福祉士:8 名
社会福祉士:2 名
看護師(准看護師含):3 名
管理栄養士(兼務):1 名
施設・設備の概要
設備:機能訓練室
設備:作業室
設備:作業室
設備:食堂
設備:個別活動室
設備:相談室
設備:職員室
設備:浴室・脱衣室
設備:トイレ

③ 理念・基本方針
<法人理念>
1.充実した質の高いサービスの提供
時代やニーズの変化を先取りした新しい福祉サービス、地域の人々や利用者から信頼され、選ばれる福祉サービスの提供をめざします。
2.地域に根ざした施設運営
地域に根ざした福祉活動を通じて、豊かな地域福祉社会の発展に寄与します。
3.人材の確保・定着・育成
福祉の生命線である人材の確保・定着・育成に全力をあげて取り組みます。
4.法人の経営基盤の整備
充実した質の高いサービスの提供や地域に根ざした施設運営が行えるよう、運営基盤の充実・人事管理体制の確立・多角的な事業経営に取り組みます。

<基本方針>
1.法人の基本理念と職員規範を遵守し、「安心して楽しく通える施設」を施設目標に掲げ、重度心身障害に特化した専門性の高い、利用者本位のきめ細やかなサービス提供を行います。
2.利用者一人ひとりの尊厳と個性を大切にし、明確に意思表出することが難しい利用者のために独自の意思決定支援を模索しながら実践し、権利擁護を推進します。
3.利用者のニーズに合わせた多種多様なプログラムの充実を図り、「また、明日も通所したい。」と思っていただける質の高い支援に努めます。
4.住み慣れた地域での安定した在宅生活を送れるように、利用者の状態変化に速やかに対応するとともに、家族の声を丁寧に吸い上げて、関係機関と連携して積極的に支援を行います。
5.開所以来29年間で築き上げた地域住民との信頼関係をさらに深め、地域に愛される施設運営を継続していきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<かじがや障害者デイサービスセンターの特徴ある取り組み>
ア)個々のニーズに合わせた個別支援計画の策定
イ)安全で満足度の高い給食の提供
ウ)健康管理と口腔ケア
エ)専門性の高い支援の提供と在宅生活維持のための関係機関とのチームアプローチ
オ)業務改善に向けた取り組み
カ)利用者の権利擁護・虐待防止、意思決定支援の取り組み

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/06/14(契約日) ~2022/02/01(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【概要】
●かじがや障害者デイサービスセンターは、開所29年目を迎えた、生活介護(デイサービス)事業所であり、経営母体は、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以下、法人という)です。法人は、川崎市内に障害者の関係施設20施設と、高齢者施設6施設、児童施設8施設を展開し、誰もが安心して生活できる福祉社会の実現を目指し、地域、社会へ貢献しています。

●かじがや障害者デイサービスセンターは、昨年度まで川崎市の指定管理施設として運営していましたが、令和3年度より貸付民設化に移行しました。運営移管に先立ち、令和2年3月に建物の内装改修を行い、広さは変わらないもののより明るく、美しく、使いやすい事業所としてリニューアルしました。

●かじがや障害者デイサービスセンターは、田園都市線梶が谷駅から東急バスにて西福寺前で下車し、徒歩4~5分程度の静かな住宅地の中に位置しています。かじがや障害者デイサービスセンターは、定員25名で、現在の登録利用者は23名です。建物2階には別法人運営の「梶ヶ谷老人いこいの家」が併設され、高齢者の心身の健康増進を図ることを目的として、地域の健康な高齢者の健全なる「いこいの場」を提供しており、かじがや障害者デイサービスセンターの利用者も同じ玄関ホールを利用するので、交流が図られています。

1.【専門性の高い支援の提供】
●かじがや障害者デイサービスセンターの利用者は、生活介護を必要とする重度の方が通所する施設です。23人中22人が障害支援区分6であり、全員が身体障害者手帳を保有し、療育手帳は22人が保有しています。精神障害者保健福祉手帳保有の利用者はいません。重度の障害を持つ利用者が多いことを踏まえ、日常的に利用者の健康状態や身体機能、生活動作の変化を観察し、関係機関、家族と密に連携を図り、支援方法を検討する機会を持ち、法人の系列入所施設である「れいんぼう川崎」の在宅支援室の協力(セラピストによる機能評価や助言・指導)を得、安全で利用者本人の機能を生かしたより専門性の高い支援方法を取り入れているのが特長です。職員は、現場でのスーパービジョン、各種研修を通じて、医療的ケア、姿勢管理、福祉用具等の専門的知識を深め、日々研鑽を重ね、高次脳機能障害や行動障害を併せ持つ利用者についても、障害特性を理解し、利用者一人ひとりに合わせた適切で専門的な支援が展開できる体制を整えています。

2.【利用者の権利擁護・虐待防止、意思決定支援の取り組み】
●かじがや障害者デイサービスセンターの方針は、利用者にとっての安心・安全な介護の提供を心がけています。特に、障害者施設において大切な権利擁護・虐待防止については、内部研修で「権利擁護に関する所内研修」、「虐待防止チェックリスト」を計画的に実施し、権利侵害や虐待の芽が出ないよう、常に職員の意識の向上を図っています。令和2年度から意思決定支援に着目し、希望や思いを明確に表現することが難しい重度心身障害の利用者について、意思決定支援の方法等の検討と取り組みを継続しています。かじがや障害者デイサービスセンターでは、「言葉での意思表出が難しいだけで、誰でも必ず自分の意思を持っている」という基本の考えの下、利用者一人ひとりの僅かな反応や表情の変化を見逃さないよう観察し、本人の意思を推測しながら確認し、日常生活の中で小さな選択の機会を設け、自分で選択ができるよう支援を心がけています。

3.【業務改善に向けた取り組み】
●かじがや障害者デイサービスセンターでは、質の高いサービスの提供を目指し、職員に専門職としての意識の醸成、知識・技術の向上と併せ、介護の質の向上に力を入れています。特に、職員の質の向上に向けて2つのテーマを定め、展開を開始しています。テーマ1.「グループ検討会」とし、PDCAサイクルによる業務改善を目的としたグループ検討会を1年サイクルで実施し、常勤職員を2グループに分け、事業計画の重点目標達成に向けての計画を立案し、試行・結果分析・再試行を繰り返し、必要に応じて計画を見直し、年度末に所内発表会を実施し、成果を発表しています。テーマ2.「目標管理制度の活用」では、法人全体の取り組みとして、「人事管理トータルシステム」による目標管理を全職員に対して実施し、職員一人ひとりと組織の成長を図ります。PDCAサイクルによる業務改善につながる目標設定と、その取り組みの評価を通して、法人の基本理念、施設の基本方針に沿った業務改善に取り組んでいます。この取り組みにより、職員の質の向上を図り、より良い支援に向けて努力を続けています。
改善を求められる点 1. 【作業室、食堂の改善の工夫について】
●利用者は定員25人(現在の登録利用者は23人)であり、作業室、食堂の広さは規格を満たしていると思いますが、全利用者の車椅子も重度用の大きく嵩張る形体であり、車椅子から下りた時は布団や敷物の上に横になる状態を鑑みると、現在の活動室、食堂の広さの余裕が欲しいところです。昼食時は、食堂のテーブルを使用して食事をする利用者(7名)、活動室のテーブルを使用している利用者(14名)、経管栄養を注入する利用者(2名)と、活動室と食堂の空間をフルに使用している状態が見られます。また、他人と一緒だと不穏になる方等への配慮として、移動できる空間・部屋が無く、職員のケアにも負担がかかるのではと思われました。令和3年度より貸付民設化に移行したばかりですが、今後の課題として、利用者の特性に合った空間作りを長期的に捉えて取り組んでいかれることを期待いたします。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: かじがや障害者デイサービスセンター         


<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
   
60項目の自己評価に、契約職員も含む常勤職員全員が小グループで取り組んだことは、かなりの時間や労力を要し、厳しい課題となりましたが、予想を超える多くの成果がありました。
自分たちがやってきたことを振り返る良い機会になったのは勿論のこと、自分たちが知らないことが多くあることを知ることができたことも大きかったと思います。ここは頑張っていると確認できたり、知らない言葉を調べたり、曖昧なことを確認したり、これは出来ていなかったなということに気付くことができました。最終的にどのような評価が出るかは勿論大事ですが、そこに至るまでの過程がとても貴重で、重要な経験になったと感じています。

職員にとって、小さな閉ざされた施設の中での自己満足ではなく、第三者から日頃の努力の成果を評価していただくことは、確かな自信と自己肯定感につながるものと思います。取り組みの中で気付いた課題を共有し、実践に生かせるよう努力していきます。


<評価後取り組んだ事として>


1.自己評価に取り組んでみての感想を出し合い、気付いたことの中から改善すべき点を確認しました。

2. サービスマニュアルの見直し
今までも定期的に正規職員が見直しをしてきましたが、今回は契約職員も一緒に自分に割り当てられた部分のマニュアルの確認と修正を行い、みんなで作り上げた身近な分かりやすいマニュアルになったと思います。

3.利用者満足度アンケートの実施
第三者評価を受審した年はアンケートの実施を省略することがありますが、今回は敢えて、家族も含めた満足度の調査を実施しました。第三者評価の利用者アンケート結果や自己評価と利用者満足度アンケートの結果に概ね乖離はないことを確認できました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念、基本方針はパンフレット等の書類、ホームページや各種掲示物等に明示し、周知しています。独立行政法人福祉医療機構総合情報サイト(WAMNET)の事務所情報にも掲載しています。また、法人の施設長会議等で理事長から理念等について話を受け、職員に施設長会議等での報告を行い、伝達しています。各年度の事業計画の方針と重点目標は、家族会でルビ付き資料を配付し、説明していますが、理念や基本方針についてはホームページ等での周知に止まっています。今後、周知、理解への工夫が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

川崎市の障害者施設協議会での行政説明の資料や、神奈川県の身体障害施設協会での行政説明、川崎市や高津区の社会福祉協議情報会からの情報等、また、法人の施設長会議等で報告された内容等については、資料により職員に報告及び回覧を行い、周知しています。養護学校卒業生の受け入れについては、養護学校高等部在籍者の状況や相談支援センターからの情報等を把握し、今後の受け入れについての分析及び、計画を行っています。毎月、法人事務局に事業実施報告を提出しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

毎月、法人において、経営状況について、法人系列全事業所の実績報告・収支状況をまとめた事業報告として、施設長会議で報告し、課題の共有を図っています。理事会にて事業計画、予算決算報告を行い、決議された内容は文書として各事業所に配付され、各事業所で職員に周知を図っています。中・長期計画の取り組み状況についても、全職員から意見を抽出し、法人としてまとめを行い、結果を各事業所に配付し、周知しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体の長期計画として、10年計画(平成31年~令和10年)として策定しています。長期計画の見直しについては、各事業所から代表者が話し合いに参加し、中間でモニタリングを実施し、検討を重ねて修正を図っています。内容については、施設長から全職員へ口頭で報告を行い、併せて回覧によって周知しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

基本理念に基づいた長期計画を策定し、計画内容を踏まえた上で単年度の事業計画を作成しています。法人の事業計画は、各事業所の事業計画を集結し、法人事務局で法人全体の事業計画を策定しています。事業計画内容は、年度の方針、重点目標を具体的に立案し、実現に向けて検討会を中心に計画的に取り組み、毎月、その成果を確認し、年度末にまとめの発表会を実施して全体で共有しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

かじがや障害者デイサービスセンターとしての事業計画は、職員会議で計画の内容(年度の方針、重点目標)を検討し、策定しています。策定に当たっては、前年度末に職員会議で前年度の計画の達成状況や新たな課題の確認を行った上で策定しています。職員全員の共通理解の下、グループ検討会で課題に取り組んでいます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、家族に対しては「家族会」にてルビを振った資料を配付し、説明を行い、理解を促しています。利用者に対しては事業計画を行事に落とし込み、「利用者の会」を通して、その評価や、希望する行事について募り、「帰りの会」で1日の振り返りと明日の予定や本人の気持ちを聞くようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

所長は、「自己点検シート(運営編)・(報酬編)」を活用し、定期的に点検しています。人事考課に関するガイドブックに階層別の職務基準が定められており、基準に沿って自己目標を作成しています。入職1年目は「業務管理シート」で目標設定を行い、2年目以降は「目標管理シート」で目標設定を行い、それを基に目標管理面接を所長と行っています。第三者評価も定期的に受審して質の向上に向けて取り組んでいます。また、利用者満足度調査や指定管理セルフモニタリングも実施し、サービスに反映させるように努めています。業務分掌では、年間計画を立案し、年度末には結果を確認して次年度につなげています。また、日常的にグループ検討会ではサービス向上に資する提案に取り組み、試行・検証を行い、良いものは定着させるよう実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

事業所内の課題に対する検討や事故(ヒヤリハット)検証等の会議を開催し、解決、改善のための話し合いや研修を計画的に実施しています。利用者満足度調査や指定管理評価の結果は、分析及び課題を共有し、改善策を明文化して改善に向けて取り組んでいます。かじがや障害者デイサービスセンターでは、月1回、課題及び事故の検証を行う全職員参加による職員会議を行い、男性職員、女性職員各々の視点で行う各職員会議、カンファレンス、正規職員のみの職員会議等を設け、改善についての話し合いと対応策を検討する取り組みを行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

業務分掌表にて、所長の役割を明示しています。事業計画(今回の法人・民営化応募時点での事業計画)では、経営や管理についての方針や取り組みを示し、家族会でも示し理解を促しています。所長は、就任時に広報誌に目標を掲載し、表明を行っています。消防計画、BCP、避難計画等についても、所長を含めた各職員の役割を明示しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

当事業所は、昨年まで指定管理施設であったため、指定管理施設として法令順守を含む事業報告書を川崎市へ提出し、川崎市の調査も受けており、令和3年度に移管した貸付民設化後も同様に実施して行く予定です。コンプライアンス研修はほぼ毎年受講し、遵守すべき法令等を把握し、職員にも周知して徹底に努めています。また、年2回、法人から全職員に対して服務規律に関する通知が出され、職員会議で読み上げ、周知徹底しています。法人独自のコンプライアンスチェック(訪問巡回)も実施しています。訪問巡回では、法人本部の事業推進担当者が各施設を巡回し、コンプライアンスの遵守状況のチェックを行っています(当事業所は令和5年度実施予定)。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

所長は、検討会や業務の進捗状況を把握し、必要に応じて助言・指導をしています。目標管理面接を通じて、職員一人ひとりの意見等を聞き、その方向性の明確化を援助しています。事業計画策定(案)に関しては、職員会議で意見を聞き、適宜修正または加筆を行い、最終決定をしています。職員研修については、各職員のニーズに合わせて計画的に実施し、専門職としての知識や技術の向上、サービスの質の向上を図り、指導力を発揮しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

事業所単位での運営状況や職員配置、労働環境等を分析し、所内で改善できることは取り組みを継続し、定期的に法人に報告を行い、改善を求めています。また、職員満足度が上がるよう、職員の意見等を聞きながら、常に働きやすい職場環境作りに努めています。職員の満足度は、利用者の良い反応が見えた時の喜びにあり、モチベーションの根幹イコール働き甲斐につながるようプロジェクト等を設定し、職場環境整備に取り組んでいます。なお、係やプロジェクトの設定については主任が中心となり、無理なく継続できるよう配慮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

正規職員の人材確保と育成方針は、法人本部とし、事業所の契約職員の採用募集は求人広告への掲載や、実習生の受け入れ等から確保に努めています。法人の中・長期計画においても、具体的な職員確保や育成、定着について盛り込み、取り組んでいます。人材育成については、目標管理面接を中心に、職員一人ひとりの状況に合わせた指導及びアシストを行い、育成に努めていますが、現状、人材不足の状態は否めません。有資格者の配置基準を考慮して研修受講計画を立て、必要に応じて受講を進めています。介護実習の受け入れについては、介護福祉士の資格を有し、実習指導者講習を修了した職員が対応し、いつでも受け入れる体制を整えています。事業所内の「人材育成マニュアル」の策定について、今年度検討を始めており、期待いたします。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職務基準については、人事考課ガイドブックに詳細を定めています。目標管理シート、人事考課自己評価シートを活用して職員一人ひとりの成果や貢献度、今後の課題を目標管理面接等で確認し、所長によって人事考課を実施しています。キャリアパスについては、法人で構築に向けて準備中であり、今後に期待いたします。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

毎年、定期的に健康診断、腰痛健診、ストレスチェックを受診できる制度を設け、特に、腰痛健診については、介護現場の全職員を対象に行い、該当者は二次検診を受けるよう健康管理を行っています。また、法人の制度として、産前・産後休業、育児休業、子どもの看護休暇、介護休暇、育児時間休等を完備しています。目標管理面接(年2回)では、昇格や異動の希望、目標管理だけではなく、個人的な相談等にも応じ、ストレスの緩和につなげています。福利厚生については、職員の意見や希望があれば、協議・提案できる体制としています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

目標管理面接を通じて、職員一人ひとりの課題の発見・設定・取り組み・達成について確認しています。所長はそれぞれの自発的な取り組みを援護し、力添えとなる言葉かけを行うようにしています。目標管理の確認、進捗については、中間面接は実施せずに職員会議で行っています。職員一人ひとりが目標達成できるよう、必要に応じて研修参加への促し及び案内を行っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人の研修委員会で研修要綱が定められ、「期待する職員像」及び職務基準に基づき、階層別研修を計画的に実施しています。所内の研修担当者が年間研修計画を立案し、外部研修では専門技術や知識を学ぶ研修を中心に検討し、情報収集と選別、希望者の募集、参加の推奨を図っています。内部研修については、正規職員が講師となり、外部研修受講の伝達研修と、主に介護技術、口腔ケア等、職員のニーズに応じたテーマで研修を実施しています。内部研修終了後はアンケートを実施し、研修成果を確認し、次につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

個別的なOJTを実施し、主任が計画を行い、主に中堅職員が指導する体制を整備しています。OJTについては、小手先の技術ではなく、利用者の特性と個別支援計画に基づいた支援方法を丁寧に伝えるようにしています。正規職員に必要な資格や知識の獲得に必要な研修は計画的に参加を推奨し、職員全体の伝達研修も行い、技術・知識の共有化を図っています。新規採用者の育成マニュアルについては、主任を中心に作成を検討中であり、期待いたします。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

毎年、複数人の実習生(高校生・大学生)を受け入れ、マニュアルに沿って指導しています。高校生は、市立川崎高校の福祉科の学生の実習を受け入れ、大学生は教員免許に付随する実習(5日間)を受け入れています。現場で実習生を指導する複数の支援員については、実習受け入れ担当者を中心に情報共有を図り、効率的かつ状況に合わせた指導に努めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業所の第三者評価の結果、法人の事業計画・報告、予算・決算報告、苦情相談の体制はホームページで公開しています。また、福祉医療機構総合情報サイト(WAMNET)にも情報公開をして情報を発信しています。法人本部の事業推進担当者を中心に、行政等に積極的に発信し、成果や役割について理解を求めています。広報誌(かじがや通信)は、活動内容が目で見てわかるよう工夫し、掲示を行い、近隣の学校や施設、店舗等に配布する等、情報提供に努めています。理念や基本方針はパンフレット等に掲載しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

透明性の高い経営・運営に向けて、法人で経理規程等を整備し、経理規程に沿い、事業所内の業務分掌に基づいた適正な経理処理を行っています。定期的に法人の内部監査(法人本部の経理部門による監査)を受け、外部の会計監査人による監査を定期的に受け、指摘事項があれば、速やかに対応及び改善をしています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日中活動以外の買い物・通院・地域行事への参加についてはサポート対象外ですが、事業所として参加する「ふくシティたかつ」(障害に対する理解と関心を深めることを目的とし、高津区と障害福祉サービス事業所が活動紹介や福祉体験コーナー等を行い、区民と交流の場面を設定)や、ふれあい作品展(川崎市特別支援教育研究会主催)等に利用者数名が職員の付き添いで参加し、見学の機会を設けていましたが、新型コロナウイルス禍により今年度は事務局でオンライン作品展を行いました。例年、近隣の保育園園児と交流行事を行ったり、近隣住民と交流目的の祭りを毎年実施していましたが、現状、実施を控えています。利用者のニーズに応じて、各種福祉サービスの情報提供を行い、地域との交流が広がるよう支援しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れについての方針、マニュアルを整備し、活動中のボランティアの交流会を行い、意見や要望を聞く機会を設け、円滑に有意義な活動を支援しています。昨年は新型コロナウイルス禍で実施していませんが、今年は近隣小学校の「まち探検」の受け入れを9月に行い、小学校2年生の訪問がありました。また、小学校PTAが実施しているベルマーク集めにも協力しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

事業所の社会資源の活用リストとして、川崎市発行の「ふれあい―障害福祉の案内ー」の冊子をリストとして活用し、利用者、家族に紹介しています。関係機関では、川崎市障害福祉施設事業協会や川崎市社会福祉協議会、神奈川県身体障害施設協会等の会議や、サービス担当者会議、生活介護分科会の研修や見学会に参加し、情報を把握すると共に連携を図っています。また、相談支援センター、リハビリテーションセンター、法人系列入所施設「れいんぼう川崎」等と密に連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

川崎市社会福祉協議会の「地域生活支援SOSかわさき事業」へ参画し、高津区での地域内分野(高齢・障害・保育・児童)を横断した専門的領域のネットワーク化を図り、地域住民への制度、生活課題に対応する活動を通して福祉のニーズを把握しています。また、高津区社会福祉協議会・地区社会福祉協議会の研修への参加や、川崎市社会福祉協議会・障害者福祉施設協議会主催の民生委員との意見交換会の情報、報告等から、地域の福祉ニーズや課題の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業所の特性上、公益的な活動等が限られた中、事業所の花壇の整備を通して、近隣住民の目を楽しませると共に交流の機会を提供しています。また、二次避難所(登録)として、災害時の要支援者への施設設備の開放も視野に入れ、風呂の使用、トイレの使用等、設備の活用を含めて支援することにしています(但し、宿泊外)。また、利用者の「家族会」の研修会(オムツ交換や嚥下障害の食事について等)に建物併設の高齢者施設「梶が谷老人いこいの家」の利用者へ参加を呼びかけています。さらに、専門知識を生かした相談を含め講習会の開催等、地域に向けた公益事業の取り組みを期待いたします。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者を尊重した福祉サービス提供については、職員倫理綱領、行動規範、事業計画等に明示し、職員は理解して実践しています。サービスマニュアルにも利用者本位の基本姿勢が反映されています。虐待防止マニュアルを備え、マニュアルに沿った虐待防止チェックリストにより、年1回、全職員にチェックを実施し、結果を共有して話し合う機会を設け、必要な対応を検討し、実践につなげています。また、権利擁護や意思決定支援の研修を実施し、権利擁護の意識の向上を図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

人権、プライバシー保護について、サービスマニュアル、職員倫理綱領に明示し、遵守しています。マニュアル類は定期的に教育等で活用し、再確認及び周知を図っています。事業所では、同性介護を徹底し、排泄や入浴場面では利用者の羞恥心に配慮した環境を整備し、おむつ交換時にはカーテンで仕切り、プライバシーには十分配慮しています。排泄内容の情報は、記号で記録したり、最小限の声で報告する等、プライバシーに配慮しています。個人情報については、個人情報保護の基本方針に基づき、適切に管理を行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

事業所のパンフレット、機関紙を備え、法人のホームページにサービス内容等を掲載し、機関紙は建物外の掲示板に掲示し、情報を提供しています。独立行政法人福祉医療機構総合情報サイトの掲載内容については毎年見直しを図り、新しい情報を掲載して発信するようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

サービスの開始は契約書において行っています。利用開始前には、事業所見学、実習の経験、行事・日課の写真提供や、掲示物、機関紙を見てもらう等、分かりやすく丁寧に説明を行っています。利用開始時は、重要事項説明書で具体的に説明を行っています。支援内容については、丁寧にアセスメント、モニタリングを実施した上で個別支援計画を策定し、利用者、ご家族へ説明して同意を得ています。意思決定が困難な利用者とのコミュニケーションについては個別対応を行い、サービスマニュアルを基に配慮した支援を行っています。契約については保護者中心で交わし、支援計画については利用者同席で実施するようにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者が退所もしくは、事業所変更等を行う場合には、移行前・後に引き継ぎに必要な情報共有を行い、円滑に実施されています。退所する利用者へのサポートについては、退所後も相談があればサービス管理責任者が対応していますが、今後、相談担当者を決め、体制作りの検討を期待いたします。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎年、利用者満足度調査を実施し、分析結果を職員会議等で話し合い、計画を立てて利用者満足の向上に取り組んでいます。利用者参画の検討会議は実施していませんが、ご家族に調査結果を報告し、改善計画等を説明しています。「利用者の会」、「家族会」は毎月開催し、職員が必ず出席して意見や要望等を聞き、把握した内容は運営に生かしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みについては、苦情受付と相談・解決の仕組みを整えています。利用者満足度調査時での自由記入欄への記述や、苦情受付箱を設置して申し出しやすいように工夫しています。事業所では、苦情受付カードは用意せず、重度の利用者が多いことを考慮し、職員が利用者本人の要望や思いを聴取することに重点を置いて活動しています。利用者満足度調査で抽出された要望や苦情については、解決策を「家族会」で説明しています。また、川崎市の指定管理事業報告(4半期ごとのモニタリングや年度の報告書)においても、苦情の内容や解決策を報告しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書に苦情相談窓口を記載し、説明を行い、苦情相談、受付の仕組みをフローチャートにして掲示しています。相談の申し出があった場合は、相談室を活用し、話しやすい雰囲気作りに努め、意見が述べられる環境を整備しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

利用者が相談や意見を述べやすいよう、意見箱の設置、定期的な利用者満足度調査を実施して、自由に述べられる環境作りを行っています。苦情対応マニュアルを整備し、定期的に見直し、苦情や相談内容に応じて、必要な対応を速やかに行い、職員間で情報の共有を図っています。また、関係機関と連携し、いつでも相談できる体制を整備しています。受けた意見等の回答に時間を要するものについては途中経過を伝え、安心を提供するようにしています。「利用者の会」は午前中のプログラムで行い、利用者の特質上、事業所の主導に成らざるを得ないですが、意見や要望等を聞くよう支援に努めています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

安心・安全なサービスの提供について、リスクマネジメントについては、リスクマネジメント担当職員を配置して進めています。併せて事故報告書及びヒヤリハットを中心に取り組み、職員会議、研修等で他施設の事例検討を行う等、未然の事故防止を図っています。朝・夕礼で事故発生報告を行い、職員会議で事例に対して原因及び発生を構造的に未然に防ぐ方法、改善方法を話し合っています。報告書は全職員へ回覧して共有しています。また、研修として、危険予知訓練や過去の事例を基に内部研修を実施しています。法人本部へは、事業所ごとに毎年、事故やヒヤリハットの報告を行い、組織全体で安心・安全なサービスの提供に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の種別に合わせた感染症対応マニュアルを整備し、必要な場所に掲示し、職員が確認できるようにしています。新型コロナウイルス感染症の流行に合わせて「感染症対策委員会」を設置し、最新情報の収集や新たな予防策の検討を図り、全職員へ周知徹底を図っています。感染症対策では、「持ち込まない・媒介しない」を大原則として、所内の消毒を徹底し、自然換気や「3密」に留意しています。事業所では、利用者の基礎体力を考慮し、感染症対応について、定期的に研修を行い、万全を期しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害に関しては、防火管理者が消防計画、避難確保計画の他、BCPも作成し、二次避難所も含め、食料や備品類等を備蓄してリスト化し、定期的に内容や消費期限を確認し、見直しの都度、周知しています。避難確保計画やBCPは事務室にファイルし、災害時の対応体制を整備しています。同建物2階の「梶ケ谷老人いこいの家」とは定期的に合同避難訓練を実施し、協力体制を確認しています。年1回、ご家族に対して緊急時の伝達訓練を実施し、円滑な連絡・対応ができるよう、協力体制をお願いしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供するサービスの標準的実施方法は、サービスマニュアルを整備して活用し、標準化を図っています。サービスマニュアルは定期的に見直しを図り、内容は全職員へ周知しています。新規採用職員にはオリエンテーション時にマニュアルの活用について指導しています。実施状況については、適宜、現場(介護場面)で直接確認し、必要な指導・助言を行い適正な実践に努めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

サービスマニュアルの見直し・改定は、2年~3年ごとに実施していますが、実施時期の明示が成されておらず、今年度の見直しで明示する予定でいます。身体的拘束等廃止マニュアルについては、利用者の個別支援計画の内容に応じて、必要時に改定しています。また、利用者から行事内容の意見、希望や状況をマニュアルに反映させている内容になっていますが、見直しの際は職員から意見等は聞いていますが、利用者へは直接意見を聞いていない点は課題です。マニュアルの一部修正では、新型コロナウイルス禍での食事介助や活動参加の方法が挙げられます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画策定は、サービス管理責任者を配置して原案を作成し、アセスメントは、利用者本人・ご家族、職員の他、法人系列施設による支援(「れいんぼう川崎」)も活用し、「れいんぼう川崎」の医師・PT・OT・栄養士等、様々な職種による関係職員による評価も含めて実施しています。相談支援センターの聞き取りも行っています。アセスメントでは、長期・短期の要望を聞き、支援の課題を決めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

サービスマニュアルに沿い、個別支援計画は、中間・まとめのカンファレンスを中心に、計画の実施状況の評価を行い、6ヶ月に1回見直しを図っています。その内容は全職員へ回覧し、変更点は職員会議等で担当者から報告しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の身体状況や生活状況等については、生活記録に記録し、ケース記録はパソコン内で記録して共有しています。医療面に関しては看護記録に記録を残しています。生活記録は毎月、ケース記録は6か月ごとにまとめ、全職員へ回覧し、決裁しています。生活記録、ケース記録の記録については、正確にわかりやすく、簡潔に記載するようにし適宜、記録方法を指導しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

文書の保管については、映像情報共にプライバシーに配慮し、適切に管理しています。個人情報保護の基本方針を掲示して周知し、契約の際は個人情報の取り扱いについて説明しています。個人情報の持ち出しは基本禁止し、必要時の持ち出しについては管理簿にて徹底管理をしています。「記録管理」の責任者は明文化されていませんが、個人情報保護基本方針は所長名で示されており、全ての管理責任者は所長としています。文書の保存期間は種別による法定に沿い、期限を超過したものは業者に溶解処理を依頼し、適切に処分しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

第三者評価受審を通して「エンパワメント」や「合理的配慮」についての共通理解が図れました。利用者が持っている力、反応・興味を引き出し、好きなことを伸ばし、また、意見を引き出せるよう支援の発展に努めています。利用中のルールや日課は職員が利用者の状況に合わせて設けていた日課等を今後、利用者主体の意識に合わせて進めていくよう共通認識を図っています。また、「スヌーズレン」(感覚刺激空間を用いて最適な余暇やリラクゼーション活動を提供)の部屋を設置し、意思表示できない利用者の好みに応じて実施しています。問いかけに意思表示・言葉にできる利用者については、自身でダウンロードした音楽を仲間の好みに合わせて選曲して持参する等、好きなことを自分の役割として実行する等、大きな反応もあります。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

職員倫理綱領、行動規範、虐待防止マニュアル、身体的拘束等廃止マニュアル等を整備し、全職員に周知しています。利用者の権利擁護については、外部研修への参加と所内で伝達研修及び意思決定支援研修等を実施し、職員間で理解及び共有を図っています。また、毎年、虐待防止チェックリストを活用し、その結果を基に研修や話し合いを実施しています。安全上やむを得ない一時的な身体拘束については、マニュアルに沿って手続きを行い、実施した場合は必ず記録をしています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりの身体・精神機能を理解した上で、利用者が可能な生活動作を行い、判断、決定、行動できるよう支援を心がけています。「自律・自立生活のための動機づけ、生活の自己管理ができるように支援、行政手続、生活関連サービス等の利用の支援」項目では、かじがや障害者デイサービスセンターは通所施設であり、障害特性上、自立や生活の自己管理はご家族が管理している領域となり、事業所では立ち入ることができない面があります(特に年金管理等)。よって、家族管理の項目であるため、この事業所では該当しません。利用者によっては、通所時間以外、自宅での機能訓練の指導等、自己健康管理についての支援を行っているケースもあります。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

コミュニケーション手段では、丁寧に分かりやすい言葉を用い、時には写真や実物を示しながら対応しています。利用者からの反応は言葉の他、表情、視線、音声、体の動き等から読み取るよう努力しています。一部の利用者は文字盤やハンドサインも活用しています。職員は、「意思決定支援」の取り組みを通じて、より利用者の意思を確認しようとする意識が高まり、楽しいのか、他の事をやりたいのか等を見極め、できるだけ利用者の思いに沿った対応を心がけ、支援に努めています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

個別面談での相談や日常の関わりや会話から話したいことは把握できています。相談を受けた場合は、職員会議やカンファレンスでできるだけ利用者の希望や要望に沿えるよう検討を図り、結果は利用者本人に伝えています。利用者の選択・決定のための情報提供や説明については今後さらにできることを検討し、具体的に取り組んでいく所存でいます。利用者の意思を汲み取る努力を継続し、様々な方法を考えながら支援に努めています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

障害特性を踏まえ、できる限り楽しめる活動を提供するよう努力しています。新型コロナウイルス禍により、以前よりも人手や時間の制限がある中、「検討会A」削除を中心に、集団活動、個別活動を提供するための試行を重ねています。「検討会A」は、新型コロナウイルス感染症予防対策をしながら楽しめる日中活動の提供を考えるグループとし、「検討会B」は意思決定支援に取り組み、二者択一の機会を与える等、利用者の「自分で決める」状況を作り出せるよう取り組んでいます。情報提供については、福祉関係団体の広報紙を連絡帳を通じて配付したり、事業所内にポスター・掲示物で告知していますが、需要は希薄であり、積極的な支援には至っていません。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

支援については、利用者一人ひとりの障害特性に合わせ行い、穏やかに過ごしていただけるよう支援しています。不穏になった場合等は、危険のないよう個別に対応し、事前にトラブル回避に努めています。てんかん発作や睡眠の乱れ、体調不良等、利用者の健康状態に応じて静養してもらう対応も留意しています。高次脳機能障害の利用者の受け入れについては、高次脳機能障害についての内部研修で知識・技術を深め、行動障害の利用者の支援については職員会議で確認し合い、適切に対応できるようにし、言葉がけや環境作りに配慮しています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

給食は、「利用者の会」で話し合ったセレクトメニューやお楽しみメニュー等、希望に応えた献立を立て、楽しみのある給食提供に努めています。嚥下状態に合わせた食事形態の給食を提供し、介助方法や姿勢調整、自助具の選定、咀嚼ペースや一口量の調整等を行い、安全な摂食を支援しています。利用者一人ひとりの身体・精神機能、状態に合わせた適切な介護と支援に努めています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境の確保については、利用者一人ひとりの障害特性や好みに応じた環境(日当たり、他利用者との距離、落ち着く環境等)を確保するようにしています。食堂・トイレ・浴室・廊下等は毎日、外部清掃業者に清掃を依頼し、清潔を保つようにしています。活動室については、職員がサービス実施後に畳・マット・床の清掃及び消毒を行っています。利用者満足度調査での「快適に過ごせているか、清潔か」項目の回答では満足を確認できています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練・生活訓練については、日常生活の中で「トイレまで歩行する機会を作る」等、常に身体機能の維持・向上に努めています。また、法人系列施設の「れいんぼう川崎」の協力を得た支援(リハビリテーション医の診察やPT・OTの評価や助言)を受けて、機能訓練メニューを作成し、個別活動メニューに実施内容を明示し、都度記録を取り、カンファレンスごとに検討及び見直しを行っています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄・入浴・食事等の場面で、心身の状況に普段と異なる点があれば担当を中心に把握し、看護師への報告、相談を行っています。日常的に健康状態について家族と連絡を取り合い、情報共有をしています。定期的に内科検診(月1回)・歯科健診(6か月に1回)を受け、栄養士による栄養相談等や、専門職による診察・相談の機会を設け、利用者の健康状態を適切に管理しています。月1回、体重・血圧測定の健康チェックも実施しています。また、てんかん発作時の対応について、家族や主治医と確認し、適切な処置や対応を行っています。職員は、医療ケアの基本知識、口腔ケア、姿勢管理等、利用者の健康管理についての学び、知識を高めています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

医師の指示書に基づいて、必要な医療ケアを適宜提供しています。与薬では、内服薬の変更があった際は薬の情報を受け、確認しています。現在、医療的な支援に関して介護職員は行わず、看護師のみが痰の吸引や経管栄養等の医療ケアに携わっています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の社会参加の支援では、グループ外出やふれあい作品展への展示、見学に出かけ、「ふくシティたかつ」へ参加しています。作品展参加では、利用者は作品展に出品する作品制作への意欲を高めています。かじがや障害者デイサービスセンターは通所施設であり、利用者はほとんど養護学校高等部を卒業してからの利用であり、「利用者の外出・外泊」、「学習支援」の項目は該当しません。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

かじがや障害者デイサービスセンターの全利用者は地域生活ですので、「地域生活への移行支援」項目については該当外です。事業所では、地域生活の維持のための支援を実施し、必要に応じて、ショートステイやグループホーム、在宅リハビリテーションサービス等の情報を伝えています。また、在宅リハビリテーションサービスで住宅改修を検討する訪問の際には同席し、情報共有を図っています。利用者が長期入院した場合には、必要に応じて退院に向けてのカンファレンスに参加する等、関係機関と連携し、情報共有、課題解決に努めています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の家族等とは、個別面談の実施や、個別支援計画の説明時、連絡帳、送迎時での連絡等を通して、情報共有を図っています。ご家族の状況に応じて、連絡方法や連絡する職員を検討し、迅速かつ円滑に連絡・報告・相談を実施しています。家庭での介護や健康管理等について相談があれば、適宜相談に応じ、問題解決の方法等を一緒に考えるよう配慮しています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:c】

成人対象の事業所であるため、評価対象外です。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:c】

生活介護事業所であり、就労支援は行っていませんので、評価対象外です。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:c】

生活介護事業所であり、就労支援は行っていませんので、評価対象外です。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:c】

生活介護事業所であり、就労支援は行っていませんので、対象外です。