社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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くじ保育園

2020年05月18日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 くじ保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60名(64名)※12月より利用人数65 名
所在地 213-0032
川崎市高津区久地3丁目16-1 
TEL 044-829-0150 ホームページ http://www.daijikai.com/page04.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2007年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 大慈会
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育所長:1 名
保育士:19 名
看護師:1 名
栄養士:2 名
調理員:2 名
その他の職員:1 名
施設・設備の概要
居室:保育室 3室
居室:医務室兼事務室 1室
設備:遊戯室(ホール)
設備:調理室 1室

③ 理念・基本方針
<基本理念>
● 我々は、まず福祉の増進に寄与する者でなくてはならない
● 我々は、子どもたちの親、家族の幸せを守り、育まねばならない
● 我々は、我々自身その一人一人が幸福であるように努力し、協力しなければならない
● 我々は、生命の尊さと、大切さと、喜びをよく知っていなければならない

<保育方針>
● ひとりひとりの人格を尊び、守り育てる
● 安全で安心し、中庸な保育(スタンダードな保育)
● 協調、おもいやり、相互援助

<現在取り組んでいる点>
● 子どもの主体性尊重(人権)
● 保育環境
● 職員資質向上(研修)


④ 施設・事業所の特徴的な取組
●くじ保育園の立地・概要
●くじ保育園は、社会福祉法人大慈会(以下、法人という)の運営であり、法人は他に川崎市内に6か所の保育園を運営しています。くじ保育園は、JR南部線、東急田園都市線が利用でき、久地駅、武蔵溝口駅、高津駅からそれぞれ徒歩20分の距離にあります。近隣には久地梅林公園があり、一足早い春が感じられる環境と、近くの久地円筒分水ではカルガモやムクドリ、オナガ等の野鳥が集まり、春には立派な桜が彩を添える等、豊かな自然に触れられる環境が身近にあります。
●法人の保育教育理念の根幹に「保育における情操育成の場は、先ず、遊びの中にある」を据え、遊びの中で楽しみ、試し、工夫し、見通しを持ちながら子どもの‶学びの芽生え″を育んでいます。これまで蓄積してきた「遊び」を集約して「遊びのレシピ」を作成し、このレシピに基づいて保育を実施しています。法人理念、基本方針に基づいて現在力を入れている点として、子どもの主体性を尊重、保育環境、職員資質向上を挙げています。そして、くじ保育園の保育の特徴として、造形、リトミック、音楽リズム、スイミングが挙げられ、造形では、外部の専門講師により豊かな表現力を培っています。
●くじ保育園は、地域に根差す保育園として、地域との交流、地域貢献に積極的に活動し、同じ建物2階のくじ老人いこいの家(高津区社協の運営)との共催では「ふれあいまつり」を行い、企画・運営をしています。高津区との連携では、ふれあい囲碁、お月見団子づくり、食育指導を通して次世代交流や地域の方との交流を行っています。梅林公園で行われる納涼祭には年長児が和太鼓の披露を行い、地域の方の楽しみとなっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/07/08(契約日) ~2020/04/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2015年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【豊かな遊びから「学びの芽生え」を育む保育】
●くじ保育園では、遊びを通して色々なものに興味を持ち、面白さを感じ、興味を広げ、集中して遊ぶ遊びや根気よく取り組む遊び、工夫、見通しを持つ力、自己調整を図る力、発見したことを周囲に伝える力、気づき、様々に促し「学びの芽生え」に取り組んでいます。そして、「学びの芽生え」から小学校教育の「自覚的な学び」に発展していくと考え、保育に当たっています。くじ保育園で実施している保育活動の1つとして、3歳児保育日誌の散歩活動から例示が挙げられます。『多摩川でしか見れない青空の下、子どもたちが「気持ちいいね!」、「あれこの砂、保育園の砂と全然違う!海の砂みたいだ。触ってみて!」と砂の違いを発見。「たんぽぽ見つけた!」、「西洋たんぽぽかな?日本たんぽぽかな?図鑑で調べてみよう!」とたんぽぽや色々な草花を持ち帰り図鑑で調べました。保育園の壁に飾り、「ママにお花の名前教えたら、良くそんなこと知ってるね、とビックリされちゃった」と言う子。この頃から本にさらに興味を持つようになりました。』の記録から読み取れるように、くじ保育園では遊びから「学びの芽生え」を育て、その次への探求心に発展し、子どもの自信へとつながる保育が行われています。

2.【一人ひとりの子どもの主体性を育む保育】
●くじ保育園では、現在、力を入れて取り組んでいる点として、「子どもの主体性を尊重する」保育を挙げています。この取り組みの事例として、毎年1月末に行われている「くじおゆうぎ会」に向けた5歳児の子どもたちと担任保育士の活動の経緯から確認ができます。保育所保育指針の「幼児期までに育ってほしい10の姿」を踏まえ、保育士は、子どもが自発的に育っていく環境を積極的に設けることを自覚して保育に当たっています。子どもたちから「おゆうぎ会何やろう、みんなが主役になったらどう?最後のおゆうぎ会なんだから好きなことをして卒業したい」と投げかけを受け、創作劇で子どもたちが自己決定し、子どもたちの主体的な保育活動をすることにしました。さらに、子どもたちは自分のなりたい役や、劇をどうやって作るのかを担任に問いかけます。「おもしろいね」等、共感に留まってしまい、日々が経過する中、具体的な道筋が見えてこないので、「出てくる役も、全部初めからみんなで考える世界で1つだけの劇にしない?」と保育士から提案すると、子どもたちは一瞬戸惑いましたが、その後、子どもたちは色々な案を話し合い、やがてなりたい役が決まり、セリフが決まり、衣裳のイメージ、劇の道筋が出来ていきました。試行錯誤の過程を経て発表の日を迎えることが出来たというドラマがあります。この創作劇を通して、子どもたちは、自分だけがいい役ではいけない、友達も満足する劇にするにはどうしたらいいのだろうか、その試行錯誤の中で自分の気持ちに折り合いをつける素地が出来、成功させたいと思う気持ちから生まれる共同性を育むことが出来ました。くじ保育園では子どもたちの自主性を育てる保育が行われています。
改善を求められる点 1. 【温かい保護者支援について】

●保育所保育指針には、保育所の特性を生かした支援、不適切な療育が疑われる家庭への支援が挙げられており、近年の虐待の増加の状況を勘案しています。並びに保護者支援が大切であり、保護者支援として、「保育に関する知識、技術の特性を生かす。保護者と共に、子どもの成長を共有する。一人ひとりの保護者の状況を踏まえ、子どもと保護者の安定した関係に配慮して、保護者の養育力の向上に資する支援。子育て等に関する相談や助言に当たっては、保護者一人ひとりの自己決定を尊重する。」が示されています。子ども同様、保護者にもタイプがあり、保護者に寄り添うことは基本と考えたうえで、その保護者が何を求めているのかを汲み取り、向き合うことが大切に考えます。くじ保育園では、今年から業務のICT化でアプリ「キッズリー」が導入され、効率化が図られています。キッズリー帳表管理は、連絡帳、クラスフォト、登降園管理などの情報を効率よく書類作成して事務管理を行い、保護者との情報交換を行っています。子どもの登降園は事務所前に置いてあるタブレットにタッチするだけとなり、時間短縮も図られています。保護者の帰宅時間や保育士の多用を含め、保護者からは「キッズリーになってから、保育士と保護者のコミュニケーション不足を感じます」との声も挙がっています。送迎時での保育士との会話は保護者にとって貴重であり、会話により子どもの様子を家庭で気になっていたことが解消される機会にもなっていること等も鑑み、「温かい」保護者への支援に配慮が求められています。従来に増して、顔の見える温かい声かけや、穏やかな態度と包容力での保護者支援になることを期待いたします。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名:社会福祉法人大慈会 くじ保育園          
施設長:川上 久美子

<評価に取り組んだ感想>
   
 第三者評価受審にあたり、少人数のグループ討議から行ったことで、園長、保育士、看護師や栄養士、また新人職員なども討議に参加しやすく、職員全体で改めに日々の保育内容や保育環境の意図を振り返り、確認・周知できたことは貴重な機会であった。
特に、若手職員において、当園が歩んできた保育や保護者対応の経緯を知ることは、マニュアル等で確認するよりもはるかに、深い学びとなり、保育を行う上での意識を高めることにつながったのではないかと感じている。また、中堅以上の職員にとっても同様、日々の保育や環境整備、保護者対応など様々な面において、慌ただしい日々の中で薄れていた意識も再確認することで、新たな改善点に気付くなど保育の質の向上につなげていくことができたと感じている。

保護者アンケートにおいて、タイムリーな保護者の意見やニーズを知ることができ、保護者との信頼関係を再確認できたと共に、新たな課題にも気付ける機会となった。
また、今回当園が大切にしている「子どもの持っている〝育つ力″を発揮できる支援」を評価して頂けたことは、今後の保育の糧になるものであると感じている。
ありのままの評価を受け止め、家庭と一緒になり、子どもの育ちを共に支え、共感できるよう、より一層の信頼関係を築けるよう努めていきたい。

<評価後取り組んだ事として>

1.職員間での意見交換をより大切に意識するようになり、昨今のコロナウィルス感染における対策や保護者対応などについての「BCP」の策定や確認を、職員の意見を取り入れながら行っている。

2.実習生指導や受け入れ態勢についての研修に、実習担当が参加し、その内容を職員に報告すると共に改めてマニュアルを確認し合い、実習生受け入れに対する意識の統一を図っていった。

3.全体的計画作成において、今年度から、より具体的に現場の声を計画に生かせるよう全職員に保育の振り返りのアンケートを実施し、その内容を書面でまとめ職員に配付すると共に全体的計画に盛り込み、次年度の保育計画に生かせるようにした。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●法人の保育教育理念の根幹に「遊びの中で楽しみ、試し、工夫し、見通しを持ちながら‶学びの芽生え″を発展させて自覚的な学びへつなげていく」に置き、子どもを中心とした理念を策定しています。くじ保育園では、法人の基本理念を基に保育方針、保育目標を定めています。それらは、玄関に掲示すると共に、パンフレットや自園のホームページにも掲載して周知しています。園では定期的に理念、保育方針等の読み合わせを行い、共通理解を図っています。保護者には、パンフレットを入園の際に配付し、入園説明会で説明を行い、園見学者には見学の際にパンフレットを配布して説明しています。くじ保育園では、理念・保育方針・保育目標を職員の指針とし、子ども達と関わる上での軸として日々保育に当たっています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●事業の動向の把握については大きく2つあり、1つは法人本部で厚生労働省や全国組織の保育連合会等から入手する全体的な傾向を把握し、もう1つは地域の情報を得ています。人口動態や保育関連官庁の情報については法人本部で入手及び分析を行っています。地域の情報については、川崎市や高津区の会議・川崎市社会福祉協議会・高津区社会福祉協議会の会議・高津区幼保小連絡会議、高津区園長会等に参加し、社会福祉事業全体の動向について情報収集及び把握すると共に、他園での事例や課題について把握し、自園の経営に生かしています。
高津区の児童家庭課とは定期的に連絡を取り合い、保育のニーズに合わせた運営に努めています。経営面では、法人本部と連携を図り、コスト分析や利用者利用率の分析を行い、川崎市の子どもの推移等に関しては法人本部で分析し、対策を中・長期計画の検討につなげています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●経営課題の検討については、法人で設置している「経営問題調査委員会」(理事長・副理事長・会計事務所等で構成)で経営環境、組織体制、職員体制、財務状況等の分析を行い、課題を抽出しています。経営状況や改善すべき課題等の決定内容は、法人系列園での園長会、理事会で報告を受け、必要に応じて指導・助言を得ています。法人の助言、他園の状況等については園長から職員会議等で報告を行い、人材育成、職員体制等の改善事項については、方針が決定されたら職員会議を通して全職員に周知しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期的なビジョンを明確にし、事業についての資金計画等も裏付けがあります。組織の体質改善、職員の育成計画は中・長期的な計画を作成し、人材育成、新規採用等進めています。中・長期計画は、法人で2019年から3年間の中・長期計画を策定し、計画の冒頭に法人理念を掲げ、計画は①保育内容、②組織体制、③施設設備、④人事労務・給与制度、⑤経営基盤の確立、⑥地域ニーズの把握、⑦職員研修等の項目を設け、保育園経営の現状、課題、今後の方向について数値目標を設定して具体的に策定しています。法人系列各園は、長期計画に沿って自園の計画を策定し、実施しています。くじ保育園では、会議等で日頃の保育から気付きや問題点等を基に、単年度に限らない長いビジョンで捉えた保育の方向性を定めています。例えば、子どもが主体的に遊べる環境作り、ランチルーム導入等について話し合い、ビジョンに向けて出来ることから少しずつ実践に取り組んでいます。昨年度より保育室の環境の見直しを行い、各クラスにおままごとコーナーやくつろぎコーナーを設け、今年度から幼児クラスでは造形コーナーを設け、給食では4歳、5歳児クラスにおいて待ち時間を解消するよう、テーブルごとに食事を進めています。これらの計画は今後も継続し、保育環境については長期的なビジョンで取り組んでいくことにしています。また、必要に応じて乳・幼児会議、環境会議等で話し合い、実践を見直しています。さらに、研修での報告等から新たな情報を交換し合い、中・長期的なビジョンも時代に応じて更新するようにしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●単年度の計画は法人本部で中・長期計画に沿って単年度の計画が示され、法人の単年度計画に沿って法人系列各園で単年度計画を策定し、法人本部で承認を得ています。計画については、園の現状、今年度取り組む事業・課題等について詳しく記載し、年齢別の保育目標、栄養管理、職員研修、災害対応、地域との連携等について今年度の取り組み内容を決めて策定し、実施につなげています。予算面に関しては、法人本部で調整及び予算の決定・通知を受け、予算範囲内で取り組みを進めています。保健面では健診や身体測定、安全面では避難消火訓練など、年に何回実施するか、具体的な数値目標を毎年計画し、達成できるようにしています。指導計画では、理念に沿い、長いビジョンで捉えた子どもが主体的に遊べる環境作り等を保育の方向性を踏まえ、今年度の事業計画に反映させています。さらに、年度ごとの子どもの姿に即して具体的な計画を作成し、クラス単位で子どもの発達に応じた項目を設け、計画を立案しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

●事業計画は、日頃の会議や保育における意見交換、保護者の意向、行事の反省等の意見を集約し、それらを反映させて策定しています。園長は、年度始めに事業計画を集約した保育の方向性について、資料を職員へ配付し、事業内容の周知を図っています。決定した事業計画は法人の理事会、評議委員会に報告しています。年度末には1年の事業の振り返り及び評価を行い、次年度への計画へつなげています。全体的な計画は、法人本部で骨子を作成し、各園で地域の特性を加味して作成しています。各年齢の年間指導計画については、全体的な計画に基づいて各クラスの担任が策定し、職員会議で決定しています。園では、他施設の事件等から安全面の検討を図り、お散歩コースの見直しや、危険な道路にはガードレールを設置する等、見直しから実行しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●年度始めに全保護者に向けた保育説明会(乳児懇談会、保育説明会、保護者会、幼児懇談会、クラス懇談会)を開催し、事業計画を要約した年間のテーマ(くじけずGO)を設けてわかりやすく伝え、その年の保育に期待が持てるよう身近に親しみやすいよう工夫に努めています。また、全体的な計画、保健年間計画・避難訓練年間計画・食育指導年間計画等の事業計画資料を配付し、園長・主任・副主任・看護師・栄養士がそれぞれの説明を行っています。また、乳児リーダー、幼児リーダーがそれぞれの保育で大切にしていきたいことを保護者に説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

●保育の質の向上について、カリキュラムは定期的に期、週案、日案ごとに振り返り、評価・反省を実施し、評価を基に次の計画へつなげています。職員の質の向上については、人事考課表を活用して自己評価を行い、個人別に年間目標を設定し、達成状況について期中、期末に園長と面接し、出来なかった項目については次年度の目標につなげるよう取り組んでいます。第三者評価を2回受審し、今回3回目の受審であり、自己評価を通して振り返り、評価を行い、改善につなげています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●評価結果・取り組むべき課題の抽出については、日頃の連絡ノート、面談、行事後のアンケート等、あらゆる機会を捉えて情報を収集しています。特に、行事後のアンケートは集計・分析し、反省会で課題の抽出を行い、次の行事に生かしています。期ごとのカリキュラム会議では全クラスの担任、園長、主任、副主任、看護師が出席し、保育を振り返り、評価・反省の報告やそれらを踏まえた上で次期のねらいの報告を行い、次期の計画に役立てています。また、毎月の全体会議や乳・幼会議でも保育の振り返りを実施し、職員間で意見交換を行い、保育の改善につなげています。各職員の自己評価の結果については、職員自ら課題を職員会議に上げて検討を行う等、園全体で改善に努めています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長の権限と職務については、運営規定に明文化され、職務分担表を作成し、園長を含めた職種やその職務内容を記載して職員へ配付すると共に、職員面談の際に一人ひとりへ説明を行っています。危機管理マニュアルにおいても事故発生時や災害時等の園長の役割を明示し、職務分担表にて園長不在時の権限委任を明示しています。
基本的には園内現場業務については大半を主任に権限移譲し、園長は対外的な対応を含む業務全般の責任を担うようにしています。園長は、職員会議や園内研修等を通して経営・管理に関する方針と取り組みについて、権限と責任を明確に告知し、対外的にも、園長の役割、責任についてホームページや毎月の「園だより」等で周知しています。園長不在時の指揮権限については、主任に委ねることを明確化しています。また、年度始めの保育説明会では園長より運営についての思いや方針の説明を行っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園長は、遵守すべき法令等の前提として、「倫理」について保育士倫理綱領に則り、職員へ1日を引き締めて行動することを伝え、職員間で確認しながら保育に当たっています。また、法人の顧問弁護士から園の活動や施設状況等について、法令違反がないか適宜、指導・助言を受けて確認を行い、法令等を集積して理解に努め、何時でも活用できる体制を整えています。園長は、日本保育士協会施設長研修、社会福祉協議会園長研修、法人主催のハラスメント研修等に参加して法令に関する知識の修得に努めています。そして、川崎市や高津区と連携を図り、情報の収集を行い、必要に応じてケース児童の報告や事故報告等を市や区へ連絡し、然るべき措置をとっています。さらに、川崎市社会福祉協議会・高津区園長会等の開催する会議に出席し、法令や制度の把握に努め、防犯・災害時対策、保育環境への配慮等の見直しをしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は、現状の保育の質について、指導計画書等の内容や進捗を確認及び分析して保育の現状を把握し、承認を行い、保育の質の向上に意欲的に努めています。職員会議やミーティング等で日々の保育を振り返り、職員との個人面談、社会保険労務士を同席した面談等で職員の意見を聴取し、保育の質に関する課題を把握し、改善に向けた具体的な取り組みに指導力を発揮しています。また、改善課題において責任者を定め、改善のための活動を推進し、リーダーシップを発揮しています。保育の質の向上については職員の教育、研修の充実を図り、非常勤職員を含め、職員に園内外の研修の機会を提供し、研修受講者は研修報告書を提出し、全職員で知識・技術を共有できるよう保育の質の向上に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●経営(人事・労務・財務等)について、法人の方針として法人系列各園長に広範囲に亘って権限を委譲し、園長の承認の下、取り組みや改善の決定を概ね可能とし、環境整備についてもかなりの範囲を園長決裁で推進できる体制にあります。防災カメラの設置を活用し、日常保育の状況確認・保育の質について確認及び向上への取り組みの強化を行い、保育環境改善に取り組んでいます。園長の権限拡大に伴う経営スキルの向上については、社会福祉法人経営者セミナー等に参加して研鑽を図ると共に、法人各顧問との定期的な面談により園長のスキル向上に努めています。職員に対して経営の改善や業務の実行性の進捗等については、職員会議で周知・回覧にて周知しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●副主任手当を含めたキャリアパス体制に呼応し、法人内部でキャリアパスとスキル育成の体制を構築し、行政等のキャリアパス研修に該当者を参加させ、必要な福祉人材の確保、定着に関する具体的な計画の確立と取り組みを実施しています。キャリアパスについては行政のキャリアパスと法人内のキャリアパスの融合を図っています。法人として、保育理念や保育方針に基づいた望ましい保育者像を示し、人員体制を職務分担表にて役割を明確にし、年間計画に基づいて園内・外研修を実施し、職員のキャリアアップを図っています。次年度の人員体制については、事前に職員の「意向調査票」に基づいて育休休暇や退職予定者を踏まえ、法人本部と連携して人材確保に取り組んでいます。園長は、職員の定着率を意識して働きやすい職場環境作りに努め、職員一人ひとりの良いところを伸ばし、保育を通して自己実現ができるよう、共に課題に向けて協力的な姿勢を心がけています。キャリアを積んだ職員には、系列新園での指導的立場として活躍の場への抜擢も行っています。園では、残業の解消の策として、職員の事務時間を「事務時間取得表」などを活用し管理し、できるだけ公平に効率良く業務時間内に事務仕事が行えるようにしています。有給休暇に関して、毎月「有給休暇希望表」を活用し希望を取り、取得しやすくなるようにしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人において、キャリアパスを活用した処遇改善体制の構築を進めています。法人の理念、基本方針に基づき「大慈会保育園グループ各園共通のマニュアル」が作成されており、職員がいつでも見られるようにしています。人事基準については就業規則に明確に定められ、年1回、人事考課を実施し、自己評価・二次評価を設け、職務に関する成果や貢献度等を評価しています。職員処遇改善の評価は、法人本部で集約・分析し、職員が自ら将来の姿を描き、意欲を持てるような人事制度になるよう常に見直しを進めています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●職員の就業状況については、職員面談を定期的に行い、就業状況等に対する意向を把握し、短時間勤務などワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行うよう努めています。園長は、定期的に職員面談を設け、その中で職員個々の意向や希望を確認する他、満足度も把握しています。福利厚生では、神奈川県福利協会・保育会職員厚生会に加入し、職員がサービスを利用できるようにする他、勤続年数10年経過した職員に対して、自己研鑽を目的とした1年間の休暇制度(10年経験者休暇制度)が設けられ、福利厚生制度も活用して有意義に自己成長を図る機会がある等、働きやすい職場環境に配慮しています。また、法人にハラスメントの相談窓口を設け、相談しやすい仕組みを整え、職員の心身のケアにも配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●職員一人ひとりの育成については、法人の「大慈会の保育」の文書の中で、「期待される職員像」を示し、保育業務マニュアルにさらに具体的な保育者としての望ましい姿勢を掲げ、職員に配付して目標を明確にし、採用時や研修時に周知及び確認しています。毎年5月に職員に対して意向調査票・自己評価票を配付及び実施し、職員個々の意向、目標を記入して園長との面談で目標達成の確認、次期への課題を確認しています。自己評価については人事考課表を基に目標水準を示した項目別になっており、1つの項目に対して一次評価、二次評価と定期的に評価を行い、面談の際にも評価の確認を行い、職員の育成に取り組んでいます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●期待する職員像を保育業務マニュアルの中に明示し、職員に必要とされる専門技術や専門資格は職務分担表にて役職や業務内容を示し、栄養士や看護師等の専門職に関しての業務内容も明示しています。職員の教育・研修については、園外、園内ともに研修計画を立て、研修に計画的に参加しています。事業計画の中で研修計画の基本を示し、年度末に総括として、その年度の研修計画を振り返り評価を行っています。外部研修に参加した際は、研修報告書の提出に加え研修内容を報告し、職員間で共有化を図り、資質向上につなげています。その機会に研修内容の有用性の可否等について見直し、次期計画に反映させています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

●保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢やマニュアルについては、業務マニュアルに記載されています。新人保育士に対しては、トライアル研修を行い、社会人や保育者としての基礎を学ぶ機会を設けています。現任職員のキャリアアップ研修を始めとして、職員の職種や必要とする知識に応じて希望を取り入れ、全ての職員が研修を受けられるようにしており、区の園長・主任・栄養士・看護師研修及び年長児担当者会議等にも参加しています。研修の案内が常時豊富にあり、職員がいつでも見られる休憩室等に研修の案内を置き、希望の研修を受講できるよう推奨しています。受講した研修の情報は、研修会議を月1回定例化して報告を行っています。また、園内研修を月1回実施し、研修テーマに基づいてこれまで学んだ知識をまとめて発表し、全職員で研鑽を図っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

●保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢やマニュアルについては、業務マニュアルに記載されています。専門職種の特性を踏まえ、保育の経験ができるよう計画を作成し、クラスに入るだけでなく、早番・遅番保育、延長保育、土曜日の異年齢保育の実習や、保育以外の掃除や雑務等も経験できるようにしています。実習では、実習指導者より、実習日誌の書き方や実践的な部分での指導も行っています。また、日誌の書き方、添削の仕方、実習生へのアドバイスの仕方等、必要に応じて話し合い、保育者間で意識の統一を図っています。指導者へ対する研修は、令和2年1月に予定しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

●法人は社会福祉法人であり、運営の透明性に努め、理念・基本方針、保育の内容、事業計画、予算、決算関係等は公開しています。また、ホームページ等で具体的な活動を周知する他、社会福祉法人の報告書の閲覧もできるようにしています。園のホームページでは理念・教育方針を公開しています。法人では、運営する保育園ごとの収支決算表・貸借対照表等をホームページで公開しています。また、園の理念・保育方針を明記したパンフレットを作成し、子育て支援センター等に設置し、高津区のあそびの広場カレンダーに園の情報を掲載し、園だより、給食だより、保健だより等も毎月掲示して地域に発信しています。さらに、保育所における地域の福祉向上のための取り組み実施状況や、第三者評価の受審状況、苦情・相談の体制を明確にし、運営の透明性に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●法人としての運営の透明性に関しては、本部及び法人他園を含めて担当部署による内部監査があり、くじ保育園の事務、経理、取引等についても定期的に内部監査を実施しています。保育所の情報等や内部監査等の指摘も踏まえ、実情に即した経営改善への取り組みも本部と各園でも行うようにしています。労務管理は、会計事務所、社労士事務所などの協力を得て行っていますので透明性は確保されています。外部の評価、監査として、第三者評価、川崎市の指導監査を受けています。監査で指摘された事項はすぐに改善をし、実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域のかかわり方や基本的な考え方は、全体的な計画においてカリキュラムの「地域との関わり」の欄に記載し、地域との交流を広げるための取り組みを展開しています。病後児保育、震災ボランティアについてなど、地域の催し物等の情報を玄関に掲示し、保護者に提供しています。地域との交流として毎年、合築の「くじ老人いこいの家」との共催で「ふれあいまつり」を行い、企画・運営を行っています。また、区と連携を取りながら「ふれあい囲碁」、「お月見団子づくり」、「食育指導」などを通して地域の方と交流できる機会を設けています。そして、地域の公園(梅林公園)で開催される「納涼祭」には毎年年長児が和太鼓の披露をし、子どもの様子を地域の方へ知っていただく機会となっています。一人ひとりの家庭のニーズに合わせ、情報を提供できるようにしています。保護者の意向・希望に応じ療育センターや園医と連携をとり第三者機関と子どもの成長を見守ることも行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

●ボランティア受入れに関する基本姿勢及び地域の学校教育等への協力について、基本姿勢を設けて明文化しています。学校教育への協力として、中学校の授業の一環として行われている保育士へのインタビュー、中学生の職業体験、小学校の町探検、看護師専門学校学生の実習など、積極的に受け入れています。ボランティアの受け入れ時には、ボランティア受け入れに関するマニュアルを策定し、事前にオリエンテーションを行い、マニュアルに沿って園の保育方針、活動内容、注意点を説明し、プライバシーの尊重や守秘義務に関しては、口頭及び書面で確認しています。保育活動に支障のない範囲で受け入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

●関係機関等とは連携を図り、情報交換を行っています。支援が必要と思われる児童の保護者には、園長・主任・担任・発達コーディネーターと相談しながら高津区の子育て相談窓口の紹介を行い、地域療育センターに通所している子どもがいる場合は、家族の同意のもと地域療育センターとの連携を密にし、指導・助言を受けて保育に生かしています。虐待の早期発見については、送迎時の親子の表情、オムツ交換時、着替え時等に意識して観察するよう努め、家庭での虐待等が疑われる場合には、高津区役所や専門機関と連携を図り、職員間で情報を共有して適切に対応しています。必要に応じて病後児施設・年末保育・休日保育などの社会資源の情報を提供しています。また、区役所や道路公団センター、警察署と散歩経路の危険個所などを見回り、点検してガードレールを設置する等、連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズを把握については、意識して把握するよう努めています。高津区主催の主任・園長補佐、健康管理、給食等の各担当者連絡会や救命処置実技等の会合に参加し、関係機関との情報を収集・把握するよう努めています。また、行政からの情報を収集する他、地域との交流活動を通して福祉ニーズを把握しています。高津区の年長児担当者会議では、小学校校長による講演等、他機関からの講演を聞く機会があり、生活課題等の把握に努めています。高津区主催の「子育てサロンうめの里」では、職員の派遣や遊具の貸し出しなどを行い、地域の親子との交流を図っています。災害があった場合は、被災した子どもの家庭に避難施設を紹介する等、支援を行っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

●地域の福祉ニーズに基づく公益的な事業、活動については、看護師による身体測定や栄養士による離乳食の相談、育児の相談などを行っています。久地小学校の草むしり、地域のハロウィンパレードの参加、「くじ老人いこいの家」との合同の避難訓練などを行っています。2階のいこいの家で月に一度行われている「子育てサロンうめの里」に職員も参加し、紙芝居などの読み聞かせなど専門知識を生かした保育の提供を行っています。サロンに参加している保護者の悩みにも対応し、保育士のみならず看護師も相談に答えています。地域担当の保健師とも密に連絡を取り、育児に不安がある家庭については保健センターと保育園で支援し、受けられる福祉サービスの情報提供をしています。地域で子ども達を見守る事業の「子ども110番」に協力し、地域の子どもが困ったときいつでも対応できる体制を整備しています。高津区の栄養士と自園の栄養士で連携を図り、子どもへの栄養指導を行っています。さらに、くじ老人いこいの家との交流「ほっこり・ふれあい食事プロジェクト」に参加し、地域の世代間交流を深めています。町探検、職業体験等を通して地域の学校教育へも協力しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●保育方針に「ひとりひとりの人格を尊び、守り育てる」とあるとおり、「子どもの尊重や基本的人権」を遵守し、尊重しています。園では、業務マニュアルの読み合わせを行い、職員間で共通理解の基、実践に取り組んでいます。園では、人権についての会議や研修を設け、子どもが互いに尊重する心の育みを心がけ、日常的にその日の出来事を取り上げ、子どもたちで話し合う場を設けています。また、子ども同士のトラブルなどの際には双方の思いを汲み取りながら、相手の気持ちにも気付けるような援助に努めています。保護者に対しては、懇談会でクラス全体の子どもの成長の様子を知らせ、互いに尊重することの大切さを伝えています。職員は、子ども自身の意見や考え方を受け入れ、子どもの人権、性別、人種、宗教、生活習慣等の違いを尊重した保育に努めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

●子どものプライバシー保護に関しては、保育業務マニュアルに明記して研修・会議等で周知をしています。園では、個人情報規程・服務規程を策定し、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務を周知し、職員に配付すると共に園内研修、法人研修、職員会議等あらゆる場で周知を図り、職員は理解をして保育に当たっています。また、活動に応じた環境設定に努め、水遊び時はシャワーカーテン等を用いて目隠しを行い、オムツを替えの時は衝立を使用する等、配慮しています。保護者に対してはプライバシー保護に関する内容を園のしおりに明記し、園舎内での撮影、行事の際の写真やビデオ撮影に関して注意事項を文書化し、掲示をしています。連絡アプリにおける園児の画像使用については事前に保護者へ同意書を配付し、同意を得ています。帳票・秘密文書類の持ち出し禁止等の秘密保持についても職員に徹底を図っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等を記載した文書として、パンフレット、ご利用案内、法人及び園のホームページを用意しています。園内に基本方針を掲示し、川崎市の保育園紹介の動画なども作成し、誰でも閲覧できるようにしています。園見学は希望に最大限に答え、約1時間を設けて保育内容を丁寧に伝えています。見学者や利用希望者に対する情報提供の内容は園長をはじめ、主任・副主任などが定期的に見直しを行っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

●保育開始に当たり、入園前に日時を設定して入園前説明会を実施しています。入園前説明会では園のしおりに沿って園長・主任・副主任・看護師・栄養士がそれぞれ説明を行い、保護者の質問にその場で答えられるようにしています。重要事項説明書で特に必要な項目については確認及び同意書を保護者から得ています。また、保育園利用の開始にあたって必要なもの(布団カバーやエプロン等)は見本を提示して、保護者にわかりやすいようにしています。保育内容変更時等について、連絡アプリ「キッズリー」を導入した際には、開始にあたってのお知らせ等、口頭や資料で丁寧に伝えています。入園時面接では丁寧に家庭の状況(生活リズム、入眠方法、好きな遊びなど)を聞き取り、子どもが保育園の生活にスムーズに入れるようにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●就学での保育要録の提出に当たっては、配慮をしながら情報伝達を行い、転園、転勤による保育園の変更については、必要に応じて転園先と連絡を取り、守秘を尊重して状況を伝えています。他の保育所からの転園の場合は、児童票を受け取り、その内容を確認し、継続的な保育が行えるよう配慮をしています。他の保育所に転園の際も、児童票を送付しています。卒園児やその保護者に対し、具体的な相談窓口や担当者は設定していませんが、相談を受けた職員が対応をしています。この評価項目については、今後、保育園の利用が終了した後も、保育園として子どもや保護者等が相談できるように担当者や窓口を設置することを期待します。卒園児の家庭に対しては、園行事(夏祭り、運動会)への招待状を送付し、コミュニケーションを取るように心がけています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者満足度の把握に関しては、第三者評価の受審、意見箱の設置、行事後のアンケート実施、送迎時の会話、連絡帳、日頃の苦情や相談受付等から収集し、保護者の意向、満足度等を把握しています。園では、保護者との「対話会」を開催し、担当者を設け(主任)、事前に質問や意見を記入する用紙を配布して、議題を収集し保護者と話し合う機会を設けています。保護者から抽出された意見等は定例会議で分析・検討を行っています。子どもについては直接的な意見、日頃の表情、様子の観察から満足の度合いを確認しています。行事前には保護者会役員会を実施し、行事担当職員が参加して意見交換を行い、保護者とより良い関係の構築に努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

●苦情解決の体制として、書面に責任者、担当者、第三者委員の氏名を明記し、玄関前に掲示しています。保育内容に関する相談、苦情受付窓口は入園説明会で説明し、玄関前に意見箱(さえずり意見箱)を設置しています。送迎時に園や家庭での様子を伝え合う事で、保護者との信頼関係を築けるよう心がけています。保護者から受けた意見、苦情については、職員に周知し、改善策や対応した内容について共通理解を図り、速やかな対応に努めています。対応策については状況に応じて保護者へフィードバックしています。対話会等での意見から、水筒の中身が減っていないことから水分補給の心配があると意見を受け、水筒を決まった時間に3回飲む時間を設け、子どもの水分補給を促しています。また、水遊び中の服装について下着ではプライバシーが保たれないとの指摘では、上下とも服を着る等、速やかに改善を行っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●保護者が意見を述べやすい機会の設定として、意見箱の設置、行事後のアンケート、毎日の連絡帳、送迎時での対応、対話会、個人面談等、保護者が相談しやすい環境の整備に努めています。また、「苦情・要望等に係る相談窓口」について、説明文を玄関に掲示し、園のしおりにも記載しています。相談者は、園内担当職員がいる他、当法人理事長、第三者委員への連絡も可能であり、連絡先を記載しています。面談室は設置していませんが、事務所、絵本コーナーを活用しています。絵本コーナーではカーテン等で目隠しをし、プライバシーにも配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●保護者からの相談や意見に対する組織的な対応については、日頃より保護者とのコミュニケーションを大切にして信頼関係を築き、口頭でも相談や意見を述べやすいよう心がけています。意見箱を保護者の目の付きやすいところに設置し、送迎時に相談や意見が述べやすい雰囲気作りに努め、受けた相談や意見、対応について集約し、速やかに職員会議等で報告及び話し合い、改善策を共有し、組織的かつ迅速な対応を心がけています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●リスクマネジメントリーダーや看護師、防災担当等でリスクマネジメントについて毎月の会議で報告し、今後の改善点などについても報告しています。事故発生時のマニュアルを備え、職員へ配付し、読み合わせを行っています。法人内で各園のヒヤリハット等の集計を行い、データーを基に各園で再発防止に努め、また、他施設の保育事故等について回覧する等、事故予防に努めています。さらに、職員会議でヒヤリハットの報告を行い、事故予防につなげています。園内研修では散歩先の画像等を活用し、危険個所の確認や周知を行っています。散歩コースの事故の情報が入った際は、見直しを行い、改善策を実施しています。(横断歩道での待機や横断の仕方の改善・散歩コースの変更等)それらの内容は保護者へ手紙を配付し、掲示板に掲示して周知しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●職務分担表には看護師が保健業務、園児・職員の体調管理、感染症予防の園内研修の企画等を行うことが記されており、嘔吐や下痢の処理方法、インフルエンザ予防、手指の消毒、汚染物の消毒方法等、感染症予防について、健康管理マニュアルに沿って園内研修を行い、職員に周知しています。感染症の情報については、高津区役所、法人系列園等から情報を入手し、保護者へ周知および注意喚起を行っています。園内で感染症が発生した場合には速やかに該当児の保護者へ連絡し、医療機関での受診を勧めると共に、蔓延情報等を掲示板で知らせ、連絡アプリ「キッズリー」でも全保護者に発信し、園だより、保健だよりでも情報を伝えています。各保育室には嘔吐処理セットを設置し、直ぐに処理ができるようにしています。園では、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」、「保育現場における感染症の知識と対応」、川崎市の保健衛生マニュアル、園独自の健康管理マニュアルがあり、それぞれに感染症予防から感染症発生時の対応が記載され、予防・対応について職員に周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

●災害マニュアルを整備し、職員へ配付して読み合わせを行い、周知しています。保護者へは園のしおりに明記して配付しています。防災担当(副主任)は年間避難訓練計画を作成して毎月、様々な状況下での災害を想定した避難訓練を実施し、水害を想定した避難訓練を年1回実施しています。また、年1回、合築の「くじ老人いこいの家」と合同の避難消火訓練も行っています。災害時の緊急連絡は連絡アプリ(キッズリー)を活用し、テスト配信等により子ども・職員・保護者の安否確認が行えるようにしています。年2回、保護者と職員を交え緊急連絡の練習を実施しています。備蓄リストを作成し、給食室の前室と休憩室に掲示し、いつでも確認ができるようにし、子どもに対しては、防災への関心が高まるよう、災害時を想定し部屋を暗くした中で備蓄食を食べるなどの取り組みを行っています。各クラスの散歩リュックの中には災害時に備えた水と非常食(かんぱん)を常備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●保育の標準的な実施方法として、法人で「大慈会の保育」、「保育業務マニュアル」、「職員接遇マニュアル」を作成し、マニュアルに沿った文書化を図り、基本理念を基に子どもの尊重・プライバシー保護・権利擁護のために職員として成すべきこと、必要な行動、不適切な行動等を具体的・詳細に記し、全職員に配付して周知しています。園では、期ごとのカリキュラム会議や毎月の会議等で保育内容について話し合う機会を設け、意見交換を図り、保育の実施方法の確認を行っています。標準的な保育姿勢として、新人職員に対しては、業務マニュアルを用いて標準的な保育姿勢について個別に指導を行い、他職員に対しても園内研修において「保育における物的、人的環境」や「保育者の言葉掛け」などの内容を取り上げ、保育姿勢についての専門的な知識を深め、保育の実践につなげています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●標準的な保育の実施方法の見直しについては、毎月の定例会議において各クラス、給食、保健、苦情、安全管理、行事等の各種報告を行い、保育姿勢を確認し合い、課題があれば都度、改善を図る仕組みがあります。期ごとのカリキュラム会議の際は、各クラスのカリキュラムを持参し、それに基づき指導計画の内容を報告・検討しています。一昨年度の対話会では、新保育指針への質問を受け、「知って欲しい保育のこと」というテーマで、新保育指針と関連した自園が保育の中で大切にしていることを身近な視点でまとめ、パワーポイントを使用し、保護者へわかりやすく説明しています。昨年度は、個人情報の取り扱いについて保護者から意見を受け、画像使用についての個別の同意書を作成し、実施するに至っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

●指導計画の策定は基本的にクラス担任が行い、指導計画におけるアセスメント手法は、園長によるカリキュラムの承認に加え、カリキュラム会議で各クラスの評価・反省を行い、意見交換の上、次期の計画につなげています。協議では、保育士、園長、主任、栄養士、看護師等も参加し、アセスメントに関して意見を出し合っています。配慮が必要な子どもについては、保護者の意向も汲み取りながら職員間で配慮点等を話し合い、指導計画に反映させています。支援が困難な子どもに関してはケースカンファレンスを開催し、個別対応を全職員が統一した支援ができるよう共通認識を図り、定期的に対応について評価を行う体制を整えています。また、中央療育センター・中部児童相談所と連携を図り、助言等を指導計画策定に生かしています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

●期ごとのカリキュラム会議にて、振り返り、評価、見直しを全クラス、看護師が参加して行い、周知をしています。カリキュラムの内容に応じて、保護者へ事前に確認や同意が必要な場合は都度、掲示や連絡アプリを活用して確認を取るようにしています。毎日、朝会議録の閲覧を行い、保育計画に変更が生じた場合も周知できる仕組みがあります。保育の評価に当たっては、保育指針や自園の保育方針に沿い、子どもや保護者にとって最善の利益となることを基準とし、課題がある場合は、具体的な内容での改善方法を決めるようにしています。例として、たたかいごっこが頻繁な園児の様子に対し、玩具の充実を図り、他の遊びへ目を向けられるよう配慮したなどの経緯があります。カリキュラムや保育内容についての話し合いでの改善点は、次期の計画や保育に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●子どもに関する保育の実施状況・発達状況、生活状況に関しては、個人記録、保育日誌、発達個人表、健康記録、連絡帳に記録しています。個別の指導計画は、3歳未満児は月カリキュラム、3歳以上児は個人記録に記録し、確認することができます。書類の記録内容や記載の仕方に差異が生じないよう、書き方に関して職員会議で確認を行っています。各種情報は種類別に保管し、必要な情報を確認することができるようにしています。毎月の定例会議では、事前に議事録を回覧し、各種項目別に報告事項を記入して情報を整理しながら会議を進行することが出来ています。定期的に、定例会議、乳児会議、幼児会議、研修報告、ケースカンファレンス、リーダー会議、環境会議等を開催しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

●個人情報の取り扱いについては、個人情報保護規程を作成し、規程に基いて記録の保管を行っています。子どもに関する記録等は、必ず決められた鍵付きの書庫に格納し、園長を責任者として保管・管理体制を確立し、データー管理に関してはパスワードで管理し、情報漏洩防止に留意しています。機密保持については職員会議等で常に職員に徹底を図り、園内研修を行い、業務上においてもUSBや写真データー、仕事の持ち出し禁止を周知徹底しています。行事に関しては撮影を許可していますが、インターネットやSNSにアップロードをしないという原則のもと許可をしています。行事の度に、個人情報(画像など)の取り扱いについての注意事項を、保護者に発信し注意を促しています。実習生やボランティアの受け入れ時にはオリエンテーションで守秘義務を周知しています。保護者へは、個人情報の取り扱いについて重要事項説明書で説明し、園としての個人情報の取り扱い方針について署名・押印をもらっています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●平成29年度3月に発令、平成30年度4月から施行された新保育所保育指針については、各園の園長を始めとする関係職員が園外の保育所保育指針研修に参加し、内容について勉強し、全園の園長会議で、法人の理念・方針を基に全体的な計画の骨子を作成し、それに各園の地域的状況等を加味して各園の全体的な計画を策定しています。全体的な計画には、「育みたい資質・能力」や「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」などを反映させ、保育理念、方針、目標を掲げています。また、年齢ごとの計画を立て、発達段階を踏まえて家庭の状況や保育時間に違いがあることを考慮した内容になっています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

●生活環境の整備については、生活の場としての環境に十分配慮し、室内の温度・湿度についてガイドラインを設定し、室内外に温湿度計を設置して毎日記録を行い、子どもが心地よく過ごせるようにしています。エアコンの定期的な清掃を行うと共に、園庭では日よけネット・テントなどを使用し、園内外どちらでも子どもが快適に生活できる環境作りをしています。園庭では玩具棚を撤廃し、スコップやバケツ等の種類別のカゴを用意し、子どもが好きな時に安全に玩具を取り出す工夫をしています。室内遊びのスペースにはマットを敷き、自由に横たわって寛ぐことができるよう配慮し、子どもが動と静を自分で選択できるよう環境を整えています。手洗い場・トイレ掃除は画像付きの掃除マニュアルを用意し、毎日清掃を行い、毎土曜日には「安全チェック表」にて保育室内外の安全を確認し、園庭は、園庭整備チェック表を活用して早番職員が安全確認を行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子ども一人ひとりの発達過程、家庭環境等から生じる個々の個人差等の把握については、入園前健診での情報、個人面談や必要に応じた随時の面談により家庭の状況や要望を把握し、保護者の育児方針を尊重して保育に生かしています。受け入れ時には必ず視診を行い、特に、0、1歳児は園での検温結果、家庭での睡眠時間や食事の様子を確認し、子どもの様子に応じて園の生活リズムを配慮しています。子どもの生活を24時間で捉え、家庭との連続性を意識して保育に努め、個人面談等で家庭と情報交換を行い、連携した保育ができるようにしています。集団の中では気持ちを伝えにくい表現の苦手な子どもに対して個別に向き合うよう心がけ、丁寧に関わっています。職員は、一人ひとりの気持ちを受容し、子どもが主体となるよう、言葉がけや環境について園内研修で研鑽を重ねています。研修では、「自己決定できるような言葉がけ」や「発達に合わせた言葉がけ」、「子どもの遊びへの集中を途切らせないように配慮した関わり」等について全職員で学び、保育に生かしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●乳児クラスでは排泄の際、自分でズボンの脱ぎ履きがしやすいよう、台を保育室やトイレ前に用意しています。年齢に応じ、大人が全て手伝うのではなく、子どもが自分で行う喜びや達成感が感じられるよう、部分的な援助に留めるよう意識して保育に当たっています。子ども達が生活への見通しを持ち積極的に過ごせるよう、2歳児以上のクラスにおいて絵カードや写真を用いてその日の流れや翌日以降の予定を知らせています。乳児期から、戸外から室内に戻った際は手洗いを行い、流れが習慣付くようにし、1歳児クラス以降は、その習慣が身に付き子ども自らが行おうとする姿が見られます。4、5歳児に対して、排便後の処理の仕方を一緒に確認し、4歳児に対しては、部分的に援助をして徐々に一人で行えるようにし、5歳児には、一人ひとりの様子に応じ、一人で行えるように移行しています。各保育室に休息のスペースを設け、子どもが休息したい時にそこに横になり、休めるようにしています。子ども自らが自分の体のことに関心を持ち、健康な生活が送れるよう食育指導や保健指導を行い、直近では、4、5歳児を対象に咀嚼についてや、三色栄養について指導を行っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

●子どもが自主的・自発的に生活し遊べるように環境について職員間で話し合い、子どもの興味や発達に適した玩具を豊富に揃え、子どもが自由に手に取れるよう、質の良い環境を整えています。遊びの中で進んで身体を動かすことが出来るよう、積極的に戸外へ出かけ、雨の日でも体を動かせるよう運動用具(巧技台、鉄棒等)やリトミック等を保育に取り入れています。地域の公園を活用し、季節に応じた自然と触れたり、のびのびと体を動かせるよう日常的に散歩に行き、その道中交通ルールを知らせながら、子ども自らが安全への関心が持てるようにしています。また、社会的なルールや態度を身に付けられるよう、散歩先で出会った地域の方への挨拶、散歩先でのゴミ拾い、地域の方々が来園した際の挨拶や言葉遣い等を伝えています。年長児においては、調理保育の際に近隣のスーパーに買い物に出かけ、子どもたちでお金を支払う機会を持つ等、社会経験を体験しています。地域の方や合築の「くじ老人いこいの家」と交流し、「ほっこりふれあい給食」「ふれあい囲碁」「お月見団子作り」「七夕集会」「ふれあいまつり」等を開催しています。保育の中で、一人ひとりの表現方法を尊重し、特に、幼児クラスでは製作コーナーを常設し、好きな時に好きな材料を使用して表現活動が行えるようにしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●乳児保育(0歳児)では、長時間過ごすことに適した環境の中で、安心して、保育士等と愛着関係(情緒の安定)が持てるよう配慮し、興味と関心をもって生活と遊びが出来るよう配慮しています。愛着関係醸成のため緩やかな担当制をとり、子どもの情緒の安定を図りながら、愛着関係が築けるよう配慮しています。0歳児の段階では非認知能力の育成を心がけて保育に当たり、まだ話ができない0歳児に対しては、顔を向き合って話しかけるよう心がけ、身振りや表情で子どもの欲求を読み取り、丁寧に応えられるようにしています。また、オムツ替えや着替えは1対1で関われる大切な時間と捉え、優しく言葉がけをして落ち着いた雰囲気の中で行っています。保育環境では、0歳児に合った様々な玩具や寛ぎのスペースや、ハイハイが十分にできるよう空間を確保し、玩具は一年間同じではなく発達段階に合わせて入れ替え、成長段階が違う子どもたちが安心して遊べるようにしています。毎日、外気浴やお散歩に行く等、戸外遊びを積極的に取り入れています。連絡帳では、家庭や園での生活の様子を細かく伝え合い、連携を密にし、園での様子やエピソードを記入し、子どもの様子が分かるようにし、送迎時にも保護者と情報を共有しています。法人にて乳児担当部会を開催し、担当者が出席し、乳児の保育についての情報交換やテーマに基づいた話し合いを行い、保育に生かしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●3歳未満児(1歳、2歳児)の保育については、養護と教育の一体的な展開を開始する期間と位置付けられていますが、まだ養護の比重が大きい時期を考慮し、子ども一人ひとりの状況に合わせ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重しています。職員は手伝い過ぎず、適度な援助を心がけ、できた時には褒め、達成感や意欲へつなげています。自己主張する気持ちを否定せず、まずは受けとめて子どもの気持ちを尊重しながら関わり探索活動を十分に楽しめるよう日常的に散歩に出がけ、季節の自然物に触れ、発見する喜びを味わえるようにしています。開放的な保育室の為、色々な年齢の子ども達がクラスを行き交い、異年齢同士の関わりが持ちやすい環境であり、年長児がおやつの時間にお手伝いに来てくれ、園庭では日常的に様々な年齢の子ども同士が関わり遊んでいます。1歳児では連絡帳を用いて日常的に相談しやすい環境を作り、2歳児では子どもたちの遊びの様子を、連絡アプリ「キッズリー」にて画像を毎日発信しています。年間を通して保育参加や参観を可能とし、個人面談月間も設け、育児の悩みや園や家庭での子どもの様子をゆっくりと話せる機会を設けています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳以上児の保育においては、縦割り保育を多く取り入れ成長に合わせた保育と、一人ひとりの個性に配慮した計画書の作成により、集団の中で心身の安定を図りながら遊びを中心とした興味・関心のある活動に取り組めるよう環境を整えています。また、職員が適切に関わりながら養護と教育を意識した保育を進めています。クラス、縦割りでのグループ、行事ごとのグループを設定し、多様な関係性を通して達成感や肯定感を味わい、色々な経験ができるよう環境設定を行っています。3歳になったらまず集団生活と役割を理解し、時計の針を見て数字を覚える等、教育的な要素も組み入れています。保護者へはお便りでの活動配信や行事目的の周知を行い、近隣の方々には行事のパンフレット等を配布して案内し、参加を呼びかけています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●開放的な保育室のため、支援を要する子どもにとっては刺激となる情報量が多く、集中しにくい環境ではあるが、保育室には寛ぎスペース、廊下には気持ちを落ち着かせ、切り替えができる静かなスペース(絵本コーナー)もあり、子ども自らが必要に応じて利用できるようにしています。また、環境面での配慮が必要な子への対応として、主治医の指導により危険と思われる玩具は全て排除し、環境設定を行っています。トラブルが起きた時は、その子どもの気持ちを代弁し、周りの子どもへの理解が図れるように配慮しています。障害児に関しては毎月の指導計画を作成し、要配慮児については、保護者との面談時や、関係機関との連絡時等、必要に応じ記録しています。2歳児クラスから、月のカリキュラムに「配慮が必要な子への対応」の記載欄を設け、配慮点を記入し、保育では絵カードなどを用意し、行動を可視化することで、次への見通しが持てるようにしています。保護者とは密に連絡を取り合い、園での様子や、成長した様子、これからの課題面等を伝え、保育での配慮点を確認し、関係機関を紹介する際には面談を設けています。子どもの様子に応じて関係機関と連携を図り、巡回の際に情報交換、適切な関わり方の助言を得、保育に生かしています。職員は障害児研修に積極的に参加しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●長時間保育のための環境を整備し、特に、延長保育の時間の頃は疲労や注意力の散漫等を考慮し、ゆっくりとし、リラックスした保育を心がけています。乳児クラスでは、一人ひとりの家庭での生活リズムを受け入れ時に確認し、それを基に午前寝や午睡、昼食の時間を調整し、子どものタイミングで休息や寛げるよう各保育室にマットやクッション等を用意し、ゆったりとした雰囲気で過ごせるようにしています。午前中散歩や戸外で体を動かした後は午後に室内での自由遊びを行う等、静と動のバランスに配慮し、延長保育では、日中の保育環境と少し変えてゴザを床に敷きくつろげる空間を用意し、延長保育で使用する保育室(2歳児クラス)には、乳児も楽しめる玩具(おままごと、ミニカーや太鼓など)も充実させ保育環境の工夫をしています。18時以降の降園の子どもを対象に炭水化物を中心とした麺類やおにぎり等の主食を提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●小学校への就学、小学校との連携については、5歳児の年間指導計画には小学校との連携や就学に関する事項を記載し、小学校との交流会・学校訪問など就学への準備や期待感が高められるように配慮しています。全体的な計画において、就学に向けた計画を立て、幼児クラスでは計画に沿ったカリキュラムを作成し、子どもが就学後の生活に見通しを持てるよう、ハンカチ、ティッシュの管理、傘の使い方の練習、交通安全教室、防犯教室、当番活動などの様々な取り組みを行っています。保護者に対しては、懇談会で就学に向けた準備事項などを知らせています。年長児担任は、幼保小連携会議に出席し、小学校の教員や他園の保育士と情報交換を行い、年長児実務担当者会議では、地域の年長児との交流会を企画しています。保育所児童保育要録作成においては、年長児担任が園長と確認し合いながら作成・提出を行い、必要に応じて個別に小学校教員と引き継ぎを行っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●川崎市の健康管理マニュアルに基づき健康状態の把握を行い、子どもの体調悪化時は体温・呼吸数・脈拍などの測定、機嫌や食欲の観察を行い、看護師が専門的な視点で判断した上で、保護者へ連絡をし、看護師が不在時には、担任から園長へ伝達し、保護者に連絡しています。保育士も健康観察の方法を、マニュアルや新人オリエンテーションで学んでおり、対応できるようにしています。保健年間計画を立て、保育説明会にて保護者へ配付し、看護師より説明を行い、年度末には1年を振り返り、計画の見直しや改善を行っています。子ども一人ひとりの健康上の問題は年度初めに全職員で確認し合い共通理解を図り、特に配慮が必要な子どもに関しては、疾患についての知識・理解を深められるよう研修を行っています。毎日、看護師が全クラスを回り視診を行い、担任と共に園児の健康状態について確認を行い、子どもの既往歴や予防接種の状況は、今年度から連絡アプリ「キッズリー」を使用し、管理しています。保護者へは毎月の保健だよりに加え、感染症が流行った際などに症状や予防に関しての情報を掲示などで知らせています。乳幼児突然死症候群については午睡の際はタイマーやチェック表を用いて年齢に応じた間隔で呼吸チェックを行っています。法人にて保健衛生部会を開催し、看護師が出席し、情報交換やテーマに沿った話し合いを行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●内科健診・歯科健診・耳鼻科健診を定期的に実施し、健診結果は記録としてファイルし、担任・職員へ伝えています。各健康診断については保健年間計画や行事録に記録しています。保護者へはその日の内に口頭と連絡アプリ「キッズリー」を使用して伝え、園医から特別に伝えることがある場合は、看護師から口頭で直接伝えています。保健指導では児童、保護者の健康問題の行動変容を期待して、健康問題の解決を図る指導を行っています。
手洗い・歯みがき指導などを看護師が中心となって敢行に努めています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●食物アレルギーのある子どもに対しては、保育所のアレルギーガイドラインに基づいて対応し、慢性疾患のある子どもや配慮が必要な子どもに関しては、健康管理委員会及び、主治医や園医からの指示の元、適切に対応できるよう職員に周知しています。保護者からの意向については、会議等で職員に周知し、お泊り保育の際には、「お泊り保育健康連絡票」を活用して保護者と密に連携を取っています。アレルギーに関する研修は、看護師、栄養士が中心に参加し、研修報告により職員間で共有しています。法人の栄養給食部会に栄養士が出席し、系列園との情報交換や事例検討などを行っています。食事の提供は完全除去を基本として、食器、テーブルを分けて食事を行い、受け渡し口を常食と分け、チェック表と口頭で栄養士と保育者とでダブルチェックを行い、誤食防止に万全の体制で取り組んでいます。慢性疾患の子どもについては、配慮事項を職員会議等で共有し、看護師から研修を行い、知識を深めています。また、健康上の理由により集団で配慮が必要な子どもに関しては、保護者と相談の上、保健指導にて他の子どもに病状の説明や生活の中で気を付けることなどを知らせ、理解が図れるようにしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●年度当初に年間食育計画を策定し、新年度の保護者会で保護者に配付しています。季節や行事に合わせた食育活動を行い、豚汁づくり、おにぎりパーティ、リクエスト給食等を行い、豚汁作りでは、出汁の取り方や包丁の使い方を栄養士から教わり、おにぎりパーティでは具材を子どもたちと話し合って決め、期待を高められるようにしています。リクエスト給食は、保育園生活最後の日の給食の献立を年長児で話し合って決め、子どもの楽しみへとつながっています。乳児クラスでは、子どもの発達や食の進み具合等に応じて、使用する椅子を変えるなど適正な食事ができるよう配慮し、3色食品群についての食育を行い、食について興味・関心が持てるようにしています。園では、食事中の様子のビデオカンファレンスを行い、食事での声かけ等について研修を行い、研鑽を図り、また、他園にランチルームの様子の見学に行き、情報取集に努め、食環境の見直しを行い、より子どもの発達に適した食具、幼児のおかず皿の改善を図る等、食への取り組みに力を入れています。保護者に対しては、人気メニュー・簡単メニュー・野菜のメニュー・おやつのレシピをサンプルケース横に設置し、自由に持ち帰りができるようにし、毎月の給食だよりでは様々な食に関する情報を提供し、家庭での食育につなげています。歯ごたえのある献立の日には「かみかみデー」と題し、咀嚼をわかりやすいよう掲示し、夏場の水分補給では清涼飲料水に含まれる砂糖の量を、実際にペットボトルに入れて、親子で解りやすいよう掲示しました。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●離乳食は、家庭と連絡を取り合い、一人ひとりの発育状況に合わせて対応し、口腔内に怪我がある場合は、固いものは刻んで提供し、嚥下が難しい子どもには、嚥下し易いように刻み、とろみをつけて提供しています。担任は喫食前に、一人ひとりの状況に応じて量を加減し、喫食簿、嗜好や残食の確認を行い、喫食状況に応じて2サイクル目の給食提供時には調理方法の工夫に努めています。旬の食材を多く取り入れ行事食として、こどもの日にはこいのぼりハンバーグ、七夕には天の川に見立てたそうめん、クリスマスには、ポテトサラダのクリスマスツリー、ひな祭りにはひし形のちらし寿司等を提供し、目で見てもおいしさを感じられるよう工夫しています。週1回、栄養士は子どもと一緒に給食を食べる機会を持ち、コミュニケーションを図っています。調理室は衛生管理マニュアルに基づき、衛生管理チェック表を用い、調理室の清掃、調理職員の健康状態、冷蔵庫の温度管理等の管理に努め、安心・安全な食事が提供できる体制を整え、年2回、害虫駆除を実施しています。職員は日々、体調等のチェックを行い、月1回、検便を実施しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

●家庭との連携では、送迎時に、家庭での子どもの姿や園生活の様子を互いに伝え合い、情報交換を行っています。全年齢において連絡アプリ「キッズリー」を使用し、日々の食事、排便、睡眠、健康状態について日常的な情報交換を行い、0、1歳は個別に子どもの様子を知らせ、2歳児以上は、より分かりやすく伝わるよう画像を使用し、クラスごとに園児の様子を伝えています。毎年、保育説明会、対話会、懇談会を行い、保育の内容や意図を伝え、保護者の意見を聞く機会を設け、随時保育参加、参観を設け、行事に保護者も参加してもらい、直接子どもたちの姿、子どもの成長を実感できる機会を設けています。面談内容は記録を取り、職員間で情報共有をして保育に生かしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●登降園時での会話を大切にし、日々の様子や子どもの成長を伝え合い、信頼関係が築けるよう努め、また、中規模園という特性から、クラスの垣根を越えた保護者とのコミュニケーションが図られています。保護者との面談の日を設け、要望があれば随時、受け付けています。面談内容は面談記録を作成し、必要に応じて個人記録、保育日誌に家庭の状況、情報等を記録し、内容に応じて職員間で共有を図り、保育に生かしています。保護者から要望があれば、担任の勤務時間を調整して相談に応じ、相談内容によっては看護師や栄養士も立ち会い、支援を行う体制を整えています。相談内容は相談を受けた保育士が記録し、個人ファイルに保管しています。相談内容に応じて職員に周知し、他職種からの助言を受ける等、解決策を相談し、支援につなげています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●家庭での虐待等、子どもへの権利侵害事件は近年多くなっている状況を踏まえ、園における早期発見・早期対応、虐待の予防に努めています。虐待防止マニュアルを作成し、家庭での養育の状況・保護者と子どもとの関わり、送迎時、着替え時等での視診、親子の表情・態度等を観察し、虐待等権利侵害の可能性が見られた場合は、速やかに園長に報告し、職員間で対応を協議し、必要に応じて関係機関(中部児童相談所・児童虐待防止センター・高津区役所保健福祉センター)と連携して対応しています。状況に応じては、職員を緊急に招集し職員間で親子の様子を共有し、何か気になることがあった場合には、すぐに伝え合い、職員全員で注意して見守れるような環境にしています。気になる保護者へは、送迎時のコミュニケーションを心がけ、育児への悩みを受け止めながらストレスが緩和できるよう支援に当たり、配慮しています。マニュアルに基づく研修を今後、さらに取り組んでいくことにしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

●職員は、目標を記入した自己評価シート(法人統一書式)の作成と日々の保育の振り返り(自己評価)を実施し、園長との面接時に主体的に定めた目標の進捗や保育の改善や専門性の向上について話し合い、保育実践の改善・向上に生かしています。自己評価では、子どもの心の育ちや、遊びの過程を含めた様子を記載するよう心がけています。期ごとにカリキュラム会議を行い、保育の振り返りや評価反省を報告し合うことで、情報の共有、保育士同士の気付きにつなげ、定例会議、環境会議においても、各クラスの保育の様子、保育環境の工夫・配慮点を伝え合い、互いの学びや意識の向上につながっています。