くりの丘
第三者評価機関名 | 公益社団法人神奈川県社会福祉士会 |
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名称 | くりの丘 | 評価対象サービス | 2022~ 障害者・児福祉サービス版 |
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対象分野 | 生活介護 | 定員 | 50 名 |
所在地 | 215-0032 川崎市麻生区栗木台5-17-19 |
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TEL | 044-819-5410 | ホームページ | http://kfj.or.jp |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2013年04月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団 | ||
職員数 |
常勤職員:11 名
非常勤職員:14 名
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専門職員 |
看護師:1 名
管理栄養士:1 名
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施設・設備の概要 |
自立訓練室:
生活訓練室:
食堂:
静養室:
相談室:
交流室:
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法人運営の基本的な方向性として、「法人の魅力と強みを活かした質の高いサービスの提供と地域包括ケアシステム構築に向けた取り組みの推進」を掲げ、法人の基本理念として「充実した質の高いサービスの提供」「地域に根差した施設運営」「人材の確保・定着・育成」「法人の経営基盤の整備」の4項目を掲げている。基本理念の項目ごとに、理念の実践に向けた具体的な行動指針を明示している。職員規範に基本理念を掲載し職員に周知し、また、ホームページに掲載し理念の実践に向けた法人の考えを示している。 |
「くりの丘」は小田急多摩線黒川駅から徒歩5分の閑静な住宅街にある。社会福祉法人川崎市社会福祉事業団が、平成25年4月に開設した定員50名の生活介護事業所である。令和5年10月1日現在の契約者数は53名で、支援区分5と6の重度障害者が全体の60%を超えており、15%の利用者は身体障害者手帳を所持している。 くりの丘の基本方針として、「社会人である利用者さんを応援することを目的として利用者のニーズと意思を尊重し、日々の生活の中で喜びや生きがいを感じられるような支援を行うこと」をうたっている。今年度の事業目標の主な内容は、「虐待防止」「地域との関係強化」「利用者がかかわれる作業種目の開拓」であり、利用者本位のサービスの質の向上に努めている。 |
評価実施期間 | 2023/07/31(契約日) ~2024/03/12(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 1 回(2017年度) |
特長や今後期待される点 | ◇特長や今後期待される点 〇目標管理制度を整備し、職員の育成を図っている 目標管理制度を整備し、組織目標と個々の職員の育成目標の整合性を図っている。事業計画の重点目標を達成するために、法人内共通様式の目標管理シートを活用し、チーム及び個人としての業務目標を設定し、いつまでに、何を、どのように推進するかを明記している。目標管理シートは、業務目標と能力開発目標共に、職員が達成時期を意識し、計画的に取り組むことができるよう工夫されている。定期的に職員と管理者が面談し、チーム目標、個人目標の達成度を評価し目標達成に向けて情報共有を図っている。組織目標と組織内の職員自身の役割の目標達成度を評価し人事考課に反映している。 〇利用者満足度調査や職員自己チェックの結果をサービス改善に活かしている 毎年定期的に利用者満足度調査を実施している。調査結果を分析しサービス課題を明確にして対策を講じている。前回調査では、「職員同士の連絡がとれていない」など4件の課題の指摘があり、ミーティング等で職員間の情報の共有化を徹底し、支援の統一化を図る等の対策を講じて利用者に周知している。また、利用者の虐待防止に向けた職員の自己チェックを毎年実施している。自己チェックは職員用と管理者用があり、利用者の人格無視やプライバシーの侵害等チェック項目は30項目に及ぶ。自己チェックの結果を項目ごとに集計し対策を講じている。「利用者をあだ名で呼んだりしていないか」等、職員に周知し注意を喚起している。 〇利用者は多様な余暇プログラムを楽しんでいる 従来、カラオケやボッチャなど10種類以上の余暇プログラムであったが、参加できる利用者に偏りがあった。昨年度利用者がわかりやすく楽しめるものを検討した結果、みんなが楽しめるフォークダンスをプログラムに加えることになった。そこで一般になじみのあるマイムマイムやジェンカを取り入れたところ、利用者に大好評であった。利用者自らが体を動かすだけでなく、ダンスの様子を見て楽しみ音楽だけでも興味を示す利用者もいた。楽しかったことを利用者が家庭で話題にしたことが、家族から連絡帳で伝えられている。現在余暇プログラムの一つとしてフォークダンスが定着している。 〇業務マニュアルの整備がのぞまれる 生活支援マニュアルの一部については作成されているものもあるが、業務マニュアルの整備状況は十分ではない。個々の利用者の障害特性に応じた支援マニュアルも一部にはアセスメントシートを活用する等の現場の工夫はあるが、マニュアルとして体系化されたものはない。施設全体の業務マニュアルの体系化を図り、マニュアル整備の対策の強化が望まれる。 |
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事業所開所10年目の節目の年に2回目の第三者評価を受審しました。事業所の状況を把握する良い機会であり、運営体制や必要な書類が整っているかを確認したことで、あらためて整える必要性がある部分が見えてきました。総評に記載されていたマニュアルの整備状況については、着任時より気になっていた事のひとつでしたので作成に向けて取り組んでまいります。評価内容を作成するにあたり複数人で現状を確認し情報共有したことそのものが大変有意義な時間となり気づきにつながりました。評価の高い点については更に推進していき、これまで以上に質の高いサービスを提供していきます。 |
詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人の基本理念に「充実した質の高いサービスの提供」「地域に根ざした施設運営」「人材確保・定着・育成」「法人の経営基盤の整備」の4項目を掲げている。また、「法人の魅力と強みを活かした質の高いサービスの提供と地域包括ケアシステム構築に向けた取組みの推進」を事業運営の基本的な方向性とし理念を推進することをホームページに明示している。施設内各所に基本理念を掲示し職員に周知している。また、年3回実施の事業報告会で説明し利用者・家族に理念の周知を図っている。昨年度10月実施の利用者満足度調査では、8割の利用者・家族が施設の基本方針を知っていると回答している。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設長は毎月開催の法人の管理職会議に出席し、福祉環境の変化や動向等の施設運営に関する課題を把握し、また、川崎市第五次ノーマライゼーションプランや地域包括ケア支援に関する行政の取組みに関する情報等の把握に努めている。その中で、施設の稼働率の向上に関する状況の分析や法人への定期報告等の対策を推進している。稼働率については、毎月利用者の施設利用状況を分析して法人に報告している。今年度は稼働率平均92%を目標にしており、新型コロナウイルスやインフルエンザの影響による目標未達の月もあり、稼働率向上に向けた対策に力を入れている。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、法人主催の管理職会議に出席し他事業所との情報共有を図り、経費削減の課題に取り組んでいる。施設の経費削減等の経営課題の対策について施設内の調整会議で具体策を検討し、今年度は、軽費削減対策として、利用者の昼食キャンセルによるフードロスの削減に取り組んでいる。従来の方法では、利用者の予定変更等の影響で昼食のフードロスが多発していたが、事前にキャンセル情報を把握し対策を取ることで、毎月80食のフードロス削減の成果につながっている。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人の中・長期計画(平成31年度~令和10年度)を策定している。10年間の長期計画の方向性と5年間の法人の取組みについて詳細に記述している。令和5年度法人の事業計画に、中長期計画の5年目を迎えこれまでの取組みを検証し、令和6年度から次期中期計画の策定と長期計画の見直しを行うことを明記している。次期中期計画は、コンプライアンスとカバナンスの強化を図り、外国人の活用を含めた人材確保・育成・定着、地域貢献等に視点を置いて検討している。中期計画の課題ごとに法人内各事業所から職員を招集し対策を検討している。当施設からは人材確保の分野の検討チームに参加している。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の中期計画に利用者本位の確立(権利擁護)やコンプライアンスの強化等が明示されている。それを受けて施設の単年度事業計画の重点目標に利用者支援の共有化及び権利擁護を掲げ、また、施設全体の取組みとしてコンプライアンスの強化に取り組むことを明記している。事業計画の達成目標と個々の職員の目標管理の整合をとり、目標管理の成果が年度ごとの事業計画の目標達成につながる仕組である。職員は、担当グループごとにチームを編成し、チーム目標を達成するための個々のスキルアップや資格取得等を目標に設定し、目標管理シートを作成している。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:a】 事業計画は、毎年1月に次年度計画の原案を策定し3月に法人に提出し確定する。事業計画の策定に際しては利用者の日中作業のグループ編成等の分掌ごとにチームを編成し課題を検討し、年間計画を作成し重点目標を設定している。年度ごとの達成状況をチーム毎に評価し、課題を整理して次年度の事業計画に反映している。事業計画を受けて個々の職員がチーム目標を達成するための個人目標を設定し、6月に施設長との面接を実施し目標達成に向けて情報共有を図っている。また、期末(2月)に再度面接を行い職員個々の目標管理の達成度を評価し、人事考課に反映している。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の家族を対象に年3回事業報告会を開催し、事業計画を配付し説明している。また、毎月開催の利用者会では、事業計画の記述内容を受けて余暇活動や行事食等の具体的内容について、写真などを用いて利用者に分かりやすいように説明している。しかし、一部の利用者の思いに偏る傾向があり、利用者全員に分かりやすい説明とは言えない状況である。利用者個々の障害特性に配慮し、個々の利用者がそれぞれ理解できるための説明の工夫が望まれる。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:a】 サービス向上対策として毎年利用者満足度調査を実施している。「施設の基本方針を知っているか」など20項目のアンケート調査であり、昨年度は10月に実施している。また、利用者の権利擁護に関する職員の自己チェックを毎年実施している。自己チェックは職員用と管理者用があり、利用者の人格無視やプライバシーの侵害等チェック項目は30項目に及ぶ。また、県の障害者施設「自己点検シート」を用いて年一回、施設運営に関する自己点検を実施している。チェック項目は、運営編と報酬編があり140項目に及ぶ。利用者満足度調査等の結果を分析し、課題を明確にして利用者のサービス向上に繋げている。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:a】 年一回、利用者満足度調査を実施している。利用者自身が回答することが難しい場合は家族が代わって回答している。調査の結果を分析しサービス課題を明確にし、「サービス向上に対する取組み実施結果報告書」を作成している。昨年度は、「職員同士の連絡がとれていない」など4件の課題の指摘があり、ミーティング等で職員間の情報の共有化を徹底すること等の対策を講じて利用者に周知している。また、権利擁護に関する職員の自己チェックの結果を項目ごとに集計し、利用者をあだ名で呼んだり、威圧的な態度をしていないか等、職員に周知し注意を喚起している。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:a】 「職務基準」に施設長等管理者に期待される職員像を明示し、職務分掌に施設長の担当業務を具体的に明示し職員に周知している。施設長は、法人の管理職会議に出席し施設運営に関する法人の取組みについて職員会議等で全職員に周知している。また、権利擁護委員会、身体拘束委員会、研修委員会、事故防止対策委員会等各種委員会に出席し、利用者の権利擁護等の対策、職員育成、及び事故防止対策に指導力を発揮している。また、「くりの丘BCP」を整備し、災害時等平常時以外の代理責任者を明示し職員に周知している。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 令和5年度法人の事業計画重点目標に「コンプライアンスの強化」を明示し、施設長のもとで各施設がコンプライアンスの更なる徹底を図ることをうたっている。「くりの丘」の事業計画に、「事業や労務に関する関係法令、基準に基づき、職員への周知を図る中で共通認識を深め、法令遵守の徹底を図る」と明記し職員に周知している。法人の階層別研修に、チームリーダーのマネジメントスキルとしてのコンプライアンスを意識した業務遂行を取り入れ、職員のコンプライアンス意識の強化を図っている。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、毎年、「利用者満足度調査」「権利擁護に関する職員自己チェック」を実施し、福祉サービスの質の向上に努めている。実施する福祉サービスの質の現状について定期的・継続的に評価・分析を行い、不足している点については改善策を提示し、積極的に見直しを進めている。各種委員会に施設長自ら出席し研修受講については、所内における外部研修の派遣等を研修委員会で検討し、管理者のみで判断することなく職員の意見を取り入れ、適切な研修受講計画の作成に努めている。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設の事業計画に、定期的にコストの検証を行い施設運営上の日々の無駄を排除し、コスト意識の向上を図ることを明記し職員に周知している。令和5年度は、コロナ禍での通所利用者の利用を促進し稼働率の向上を図るとともに、労務管理の一つとして時間外勤務の事前登録の徹底と時間内に業務を収めることの実践に努めている。また、事務所や倉庫内の物品・書類の整備を進めている。経営改善の一つとして、給食の利用者のキャンセルを事前に把握し、職員が買い取りするシステムを開始し、月に100食近いフードロスを20食程度まで改善することにつながっている。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:b】 法人の令和5年度事業計画に人材確保の強化と人材の定着・育成を図ることを明記し、法人主体の採用計画を推進している。福祉に関わる人材の確保が年々厳しさを増している現状を踏まえ、外国人技能実習生の受け入れや採用のための相談会等を実施し、SNSやホームページを活用した情報発信を積極的に実施し雇用につなげるようにしている。また、施設としても階層別研修等で事業に必要な資格取得を推進しているが、専門性に裏付けられた人材不足の状況の解決には至っていないのが実情である。今後も計画的な人材確保と専門性の強化と定着化に向けた対策の一層の強化が期待される。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の人事考課制度を整備している。「人事考課ガイドブック」を作成し、人事考課の評価のポイントごとに評価の着眼点や判断基準を明示している。人事考課制度は職員個々の目標管理との整合を図り、組織目標と組織内の職員自身の役割の目標達成度や進捗状況を評価し人事考課に反映している。人事管理制度等の一環としてキャリアパス制度を構築している。キャリアパス制度は、研修体系を整備し、「支え・励まし・導く」育成制度の見える化を図り、キャリアごとに必要な研修項目を明示し、研修体系と連動した人材育成を図っている。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 職員は、年平均10日程度の有給休暇をほぼ希望通りに取得し、時間外勤務は月に3時間程度である。毎年職員のストレスチェックを実施し、必要に応じ産業医が個人面談を実施し職員のメンタルヘルスの状況把握に努めている。福利厚生の一環として川崎市福祉勤労共済に加入し、各種レクリエーションやスポーツサークルへの参加を促進している。令和3年4月より職員の時間休制度の実施を開始し、育児等職員の状況に応じた働きやすい職場環境づくりに努めている。また、法人の各事業(障害、高齢、保育)に統括参事の制度を設け、各施設を巡回し直接職員の意見を聴く機会を設定し、職員の働きやすい環境作りを推進している。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 令和4年度くりの丘事業計画の重点目標を達成するために、法人内共通様式の目標管理シートを活用し、職員一人ひとりの育成を図っている。チームや個人として業務目標を設定し、いつまでに、何を、どのように取り組み達成するかチーム、個人で自己評価している。又、自らの専門性を積極的に高めるために、能力開発目標を設定し達成度を評価している。目標管理シートは、業務目標・能力開発目標共に、職員が達成時期を意識し、計画的に取り組むことができるよう工夫されている。チーム、職員が設定した目標に対する評価は、年度当初(6月)と年度末(正規職員は1月、契約社員は2月)に施設長が面接を行い、達成度を確認している。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:a】 組織が目指す福祉サービスを実現するために、施設長は職員がチームアブローチを意識し、ひとりひとりが主体的に関わり、現状に満足せずに、改革の精神と疑問を抱きながら日々の支援に関わることを明示し周知している。正規職員には人材育成に対する意識、契約社員については自分に課されている役割遂行を期待している。法人の「職務基準」に基づき、法人内研修、施設内研修及び外部研修を実施している。毎年2月頃法人内で研究発表会を実施している。本年度は、複数の事業所が連携し検討チームを立ち上げ、6つの題目(人材確保、外国人活用、人材育成、人材定着、コンプライアンス、地域貢献)について、それぞれのチームによる研究発表会を2月に予定している。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 法人のキャリアパス制度を整備し、キャリアごとに必要な研修を明示し、個々の職員が積極的に資格取得を目指すことができるようにしている。施設長が受講対象者名簿や受講予定者一覧シートを活用し、業務に支障がない範囲において研修参加を支援している。各事業所のサービス提供体制やサービスの質の向上を目指すための人材を確保するために、法人が必要な研修・資格一覧を年度当初に作成し、受講計画を立て積極的な研修参加を支援している。研修に参加した職員は、研修報告書の作成・提出、伝達研修を開催、研修報告を行い、各職員への周知を図っている。職員それそれが希望する研修に参加し、スキルアップを図ることができる環境である。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:b】 社会福祉士を養成するための実習施設として、年間10名弱の大学生を受け入れている。「くりの丘相談援助実習プログラム」を活用し、事前学習、職場実習、職種実習、ソーシャルワーク実習ごとの目的に分け、学生の指導を行っている。実習に際しては、「くりの丘ソーシャルワーク実習の流れ」を作成し、第1週から第4週までの目標と実践の達成度を評価している。実習生について学校側指導教員とも連携しながら、巡回等の場を活用し指導を行っている。受け入れにあたっての資料は作成されているが、実習生受け入れマニュアルが作成されてなく、受け入れマニュアルを整備し、個人情報保護や障害特性への配慮等の職員意識の共有と徹底が望まれる。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人のホームページに理念や基本方針、事業計画、事業報告、決算報告の内容、第三者評価の結果等を掲載している。また、事業所の活動内容、利用案内、くり工房(自主製作品)の商品紹介、施設概要等を明記し事業所のサービス内容を地域に開示している。QRコードもアップされており、モバイルサイトからも情報にアクセスしやすい作りになっている。インスタグラム等SNSを活用し、くりの丘の日々の活動内容を月に2,3回地域に向けて発信し、障害者福祉に興味・関心をもってもらえるよう動機づけを行っている。広報誌「くりの丘便り」を年4回発行し、見学会や説明会を開催し、地域住民に開かれた施設を目指している。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 会計監査人を設置し、年一回外部監査法人による会計監査を実施している。財産目録等外部監査の結果をホームページに開示している。また、法人内の監事による内部監査を実施している。法人の経理規定に基づき取組を行い、毎月試算表を法人本部に報告しチェックを受けている。試算表、くりの丘拠点区分・貸借対照表、くりの丘拠点・区分事業活動計算書はファイリングされ、職員等が確認できるようになっている。法人本部の経理係とサーバーを共有しており、毎月の試算表の状況についてチェックできる体制にある。毎年定期的に内部監査を実施し、施設運営に関する事業・財務内容の透明性を確認している。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 中長期計画に、地域貢献に関する施設の基本的考えを明示し、事業継続計画に(BCP)に災害発生後地域住民等の受入れについて明記している。事業報告会(利用者、保護者対象)時に渡す「くりっく(利用者だより年3回発行)」で社会資源等を紹介している。職員は、「くりの丘だより(施設の広報誌年4回発行)」を利用者と一緒に近隣住民に配布して「缶あつめお願い」や施設で製作した商品の購入方法、苗販売などの情報を紹介して理解と協力を得られるようにしている。利用者は地域の特別支援学校文化祭に職員と一緒に参加したり、麻生区役所4階「あさおのおみせ」に職員と一緒に当番として参加することもあり地域住民との交流を図っている。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:b】 「くりの丘でボランティアをされる方へ」「くりの丘ボランティア登録票」を作成し、広報誌「くりの丘だより」でボランティアを募集し協力を呼びかけている。日中活動の支援に週2回定期的に2名のボランティアの来訪がある他、月2回音楽ボランティアの来訪がある。見学希望者は随時受け入れており、地域の特別支援学校職員の見学会や実習生を積極的に受け入れている。今後はボランティア受入マニュアルを整備し、ボランティア受け入れに関する基本姿勢や活動内容、及び障害のある利用者への対応の留意点等について明示し、ボランティア受け入れの一層の強化が期待される。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の事業所概要「みんなの笑顔を広げるために」に、市内の障害者施設21施設、高齢者施設3施設、児童施設10施設の連絡先マップや、麻生地区自立支援協議会発行の福祉施設紹介冊子、川崎市発行の「ふれあい(障害福祉の案内)」など地域で協力して作成した既存のものを備えている。施設長等が麻生区地域自立支援協議会、川崎市障害者施設事業協会(障施協)、麻生区社会福祉協議会の在宅サービス委員会に、担当職員がボランティア活動振興センター運営委員会、福祉教育推進委員会に参加して、連絡・連携に努めている。また、利用者の高齢化に対応し、居宅介護支援事業所ケアマネジャーとの連携を図っている。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は川崎市地域自立支援協議会や川崎市障害者施設事業協会施設長会に参加し、地域の福祉ニーズに関する情報収集や共有に努めている。麻生区社会福祉協議会ボランティア活動振興センター運営委員会、ボランティアコーディネーター委員会に担当職員が参加し連携に努めている。障害者受け入れに関する施設の不足等地域で共通の課題があることを把握している。地域の特別支援学校主催の保護者見学や利用者の実習を受け入れており、卒業生を受け入れている。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 地域の方に施設の理解や協力を深めるために「地域清掃」に取り組んでいる。麻生区に公園清掃の団体として登録し地域の公園の清掃を利用者と職員が一緒に週2回行っている。また、毎日作業活動の一環として雨天時と猛暑時以外は、地域の公園や道路の清掃を行い、地域の環境美化に貢献している。地域の支援学校から毎年実習生を受け入れて、地域の福祉ニーズに対応している。今後は、地域住民向けに施設の専門性を生かした障害者支援に関する講演会や相談会等を開催し、地域福祉の相互理解に向けた取組みの実施が期待される。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 「虐待防止マニュアル」「身体拘束適正化の指針」を整備している。また、「くりの丘職員行動規範」に「私たちは未来を共に考え、言葉にならない気持ちや想い、意欲を可能性に繋げ地域社会において共に歩んでいきます。また、その過程で壁に突き当たった時に、共に乗り越えていくことを信条とします」と明記し、施設内各所に掲示して利用者支援の拠り所としている。隔月に権利擁護委員会・身体拘束適正化委員会を開催し、「職員の精神状態が不安定だと虐待につながりやすいこと」など職員間で共有し職員の注意を喚起している。さらに年1回、全職員が虐待防止に関する「自己チェツクリスト」により振り返りを行い利用者を尊重した支援に繋げている。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 「くりの丘職員行動規範」にプライバシーへの配慮を掲げ、ルビ入りの利用契約書に秘密の保持が規定されている。施設内や送迎車内は外から見えないよう配慮されており、排泄時の同性介助の実施やトイレやシャワー室はすべて個室となっている。食堂や多目的室はカーテンや段ボールなどを用いて視覚的に利用者が安心してくつろげるように配慮し、環境の構造化や合理的配慮が行われている。契約時に広報誌やホームページ、自主製品などへの写真や名前の記載方法に関する同意を得ている。利用者アンケートでも多くの利用者・家族がプライバシーは守られていると回答している。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 パンフレットには1日の流れ、方針、活動内容、連絡先が掲示されている。施設のホームページには施設運営の基本姿勢が掲げられ、活動内容や施設の写真、利用者の楽しみ、地域行事等の情報が掲載されている。また、ブログやインスタグラムも整備してアクセス出来るように情報提供に努めている。施設広報誌も年4回発行して近隣住民に配布している。見学の希望があった場合は随時受け入れている。缶つぶしやボールペン組み立てなどを実際に見学してもらい、体験利用をして安心して利用できるように配慮している。契約書、重要事項説明書、サービス利用説明書はすべてルビをふり、利用者にわかりやすいように配慮している。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 契約書、重要事項説明書、サービス利用説明書はすべてルビ入りで利用者にわかりやすいように配慮し、体験利用をして安心して利用できるようにしている。地域の特別支援学校から紹介の場合はまず教師に見学をしてもらい、利用者の実習をしてもらっている。家族や学校などからの情報収集を事前に行い、個々の特性に応じて言葉で「何がしたいですか」という問いかけに混乱される方の場合には「ボールペン」「缶つぶし」など単語で尋ねたり、二者択一で頷きや指差し、ジェスチャー等それぞれの状態に応じて安心して福祉サービスの開始や変更が出来るようにしている。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 保護者の高齢化等により10名の利用者はグループホームから通っている。ショートステイを利用している方もいる。本人の同意を得て引継書を作成して次の施設への切れ目のない支援に努めている。利用者がグループホームに入居後に送迎が出来なくなる場合には、移送サービスを案内するなど情報提供に努めている。グループホームへの住み替えの相談が寄せられる場合がある。法人内のグループホーム職員に依頼し、ホームの生活の実際の事例等の説明や料金について利用者に説明してもらう機会を設けている。また、行政や相談支援事業所と連携し、地域移行後の相談窓口を設置している。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者満足度調査を毎年実施している。調査は、生活全般、生活環境、個別領域、コミュニケーションや職員の支援の状況等16項目に及び、調査結果を集計し課題を分析し、対策を講じて「サービス向上に対する取組み実施結果報告書」を作成している。また、毎年「職員チェックリスト」を活用し、利用者への体罰、利用者への差別、利用者に対するプライバシーの侵害、利用者の人格無視等について、職員が自身の行動や発言を振り返り注意を喚起している。利用者全員を対象とした利用者会や利用者代表者会を毎月開催し、食事の要望や秋祭りなどの施設の行事に関する利用者の意見を汲み取る仕組みを整備し、利用者の満足度向上に繋げている。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:b】 「くりの丘 苦情解決・相談のお知らせ」を作成し苦情解決責任者・窓口、第三者委員及び施設の苦情対応の流れを明示し、玄関に掲示し利用者・家族に周知している。また、重要事項説明書に苦情申出の連絡先を明示し、神奈川県社会福祉協議会の運営適正化委員会等の連絡先を明記し利用者・家族に周知している。苦情内容については検討内容や対策を必ず利用者・家族にフィードバックしているが、解決策等について利用者や家族に配慮し掲示板や広報誌等で公表し、苦情対策をサービス向上につなげる取組みの強化が望まれる。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:a】 毎月定例の利用者会及びグループの利用者代表者会を開催し、利用者が何でも自身の思いを話せる場を設定している。職員は、利用者の思いに耳を傾け、個別の相談があることを把握し利用者が意見を述べやすい雰囲気づくりを心掛けている。相談内容は、電話、FAX、メール、意見箱等で利用者が相談しやすい方法での受付を行い、面談は個別の相談室を使用し利用者が他人の目を気にしないように配慮している。職員は、相談内容をパソコンの記録システムに入力し職員間の情報共有を図っている。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:b】 毎年法人全体の取組みとしての利用者満足度調査を実施し、利用者の意見や要望等の把握に努めている。昨年度の利用者アンケートの、「サービス提供について分からないことや問い合わせに適切に回答していると思いますか」の質問に70%の利用者が適切であると回答している。しかし、相談対応マニュアルは作成しておらず、個々の利用者特性に配慮した対応や影響の範囲、迅速性を要する対策の実施については十分とは言えない状況である。今後は、「相談対応マニュアル」を整備し一層のサービス向上を図る対策が期待される。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:b】 月1回、事故防止検討会議を開催している。昨年度3月の検討会議で、ヒヤリハット報告書の増加について検討し事例を収集し、事故防止を図る取組みについて話し合ったことが記録されている。また、事故防止委員会を設置し、毎月施設長が出席し施設内や送迎時の事故防止対策を実施している。令和5年度10月の事故防止委員会の記録に、今月4件の事故と8件のヒヤリハットの報告が記録されている。送迎時の事故防止に向けたドライバーミーティングの開催等個々の事故防止の対策はあるが、施設全体の「事故防止対策マニュアル」は作成されていない。マニュアルを整備し、事故発生の防止と安全確保の一層の強化の取組みが望まれる。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「感染症対策マニュアル」を整備し、施設の標準予防策を実施し感染症に関するリスクの場面ごとに対策を明示している。また、新型コロナウイルス、インフルエンザ、はしか、ノロウイルス等の感染症の予防と蔓延防止の注意事項について明記し職員に周知している。新型コロナ対策としては、消毒薬や換気、マスク着用、食事介助時のフェイスシールドの使用等を徹底し、エプロン装着は5類移行後も継続している。ノロウイルスについては、毎年12月にウイルス対策のキットを用いて全職員の実習訓練を実施し、職員の注意を喚起している。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 防災計画を策定し、年3回防災訓練を実施している。訓練は地震、火災、土砂災害を想定し、通報訓練など消防署と連携し実施している。当事業所は土砂災害危険地域に指定されていることもあり訓練の結果を消防署に報告している。「防災マニュアル」を作成し、また、大規模災害発生時の事業継続計画(BCP)を整備し緊急時に備えている。BCPには、災害発生を想定した平常時の準備やBCP発動の条件、安否確認の方法と連絡先等を明記している。また、3日分、50人分の飲料水等災害発生時の利用者向けの備蓄を行い緊急時に備えている。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:a】 日中作業のグループごとに一日の午前・午後の支援マニュアルを作成し標準化を図っている。4つのグループ(受注作業、リサイクル、くり工房、ゆっくりの各グループ)毎に利用者の行動特性に配慮した支援マニュアルである。また、強度行動障害など必要に応じて個々の利用者の障害特性に配慮した支援の手順書を作成している。手順書は、アセスメントシートを活用し、コミュニケーションの障害やその場の状況が理解できない等の個々の利用者の障害特性ごとに、利用者の行動を明示し職員の支援のためのアイデアを明記し職員間の支援の統一性を図っている。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:a】 利用者支援マニュアルや手順書については、年度初めに見直しの必要性をチェックしている。また、ケース会議等で、利用者の水分補給や排泄、移動等に関する状況の変化について話し合い、職員の支援内容の変化を検討しマニュアルの随時見直しを実施している。また、個別支援計画の見直しに応じてアセスメントを実施し、個々の利用者の支援手順の見直しの必要性を把握し、手順書の見直しに繋げている。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の利用開始時及び個別支援計画の見直しに合わせてアセスメントを実施し、利用者支援のニーズを把握し個別支援計画に反映している。利用者担当職員が所定のアセスメントシートを用いて、利用者との面談を前提として実施している。アセスメントシートは、医療や食事、排泄等の利用者状況と日中の過ごし方及び強いこだわりなど行動障害に関する状況等に関する項目より構成されている。アセスメントの結果をもとに利用者支援の課題を整理し、本人の自己実現に視点を置いて支援目標を設定し個別支援計画を策定している。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画は利用者の誕生日月と半年ごとの年2回の定期見直しを実施している。見直しに合わせて担当職員によるモニタリングを実施し、利用者支援のニーズを確認し課題ごとの個別支援計画の達成状況を評価している。モニタリングの結果や日々の支援のケース記録、及びアセスメントの結果等をもとに関係職員のケアカンファレンスを実施している。個別支援計画の目標の達成度と支援の課題を検討し、計画相談のサービス等利用計画の評価結果を考慮しサービス管理責任者主体に個別支援計画の見直しを実施している。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 職員は、日々の利用者支援の内容をパソコンの記録システムに入力し、職員間の情報共有を図っている。また、月ごとに日々のケース記録から本人の様子を記述した一覧表を作成し、利用者支援の日々の実施が個別支援計画の目標に沿ったものであることを確認し、ケアカンファレンスで検討し半年ごとに実施の個別支援計画の見直しに活かしている。また、朝夕の職員ミーティングで、記録システムから事故やヒヤリハット等の情報を抽出し、全職員への申し送りとして周知を図っている。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:a】 法人の「個人情報保護方針」を策定しホームページに掲載し、個人情報の適切な収集と利用目的に応じた利用、個人情報の漏洩、改ざんの防止等について開示し、職員への周知を図っている。「広報誌写真掲載及び作品の使用等についての確認書」を作成し、利用者にわかりやすいようにルビをふり利用者が自らの意志で写真の掲載を許可するように配慮し、また、個人情報の保護に関する利用者の理解に努めている。パソコン上のデータ管理についてはパスワード管理を徹底し、また、USBファイルの利用を禁止し、利用者の個人情報漏洩防止の徹底を図っている。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 利用者の自己決定を尊重し、利用者のやりたいことや強みを活かした個別支援計画を作成している。各担当職員の他、送迎車の添乗の際などの場面でも、それぞれに合ったコミュニケ―ションに配慮し、利用者や家族の思いの把握に努めている。利用者に目標を設定してもらい、車いすを利用されている方など本人の出来る部分はなるべく自分でやってもらい、達成感が得られるように支援している。食事の選択メニューも言葉で表出することが難しい場合には、焼うどんと焼きそば等の写真を見せて、指差しや頷きなどの意思表示で食べたいものを選んでもらっている。 |
【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:a】 「職員規範」「くりの丘職員行動規範」を整備し施設内各所に掲示し、職員や利用者に周知している。「虐待防止マニュアル」を策定し虐待の防止のための研修を実施し職員の理解に努めている。職員は、研修内容を回覧し朝のミーティングで報告し全職員の情報共有を図っている。権利擁護委員会、身体拘束廃止委員会を隔月開催している。他事業所の事例などを参考に虐待の定義や早期発見・共有化の仕組みが整備され、不適切な対応がみられた場合にはすぐに注意して、ミ-ティング等で共有している。また、法人ホームページに内部通報窓口の設置を掲載し迅速な対応が取れるようにしている。 |
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 利用開始時や状況に応じて心身の状況や生活習慣、ライフスタイル等の聴取を行い、サービス管理責任者を中心にアセスメントを行い個別支援計画を作成している。活動内容は大まかに4つのグループからなり、「受注作業」、「リサイクル」、「くり工房」、「ゆっくり」にわかれている。受注のボールペン組み立ての場合は、職員は納期に間に合わせることの必要性を利用者が意識して作業に取り組むことを支援している。芯の入れ方、キャップの閉め方、利き腕や手の可動域にも配慮して、それぞれの利用者の障害特性に配慮して利用者が作業に参加できるように支援している。 |
【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 言語によるコミュニケーションが可能な利用者に対しては、選択肢を提示し二者択一やイエス・ノーで答えられるようにしている。耳が不自由な利用者の場合にはゼスチャーでのコミュニケーションをしたり、利用者の障害特性に応じたコミュニケ―ションを工夫している。日々の活動内容についても例えば、シュレッダーを回して欲しい場合などはシュレッダーの写真を見せて回すゼスチャーで行動を理解出来るようにしている。昼食の選択メニューを決めてもらう場合は写真を見せて、表情や目の動きや、頷きなどなどから汲み取っている。食堂や多目的室ではコミュニケーションに配慮して、カーテンや段ボールで周囲を囲ったり、カーテンで区切ることで利用者が落ち着いて過ごせるように利用者の個々の状況や特性に配慮した支援に努めている。 |
【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画作成に際しては、個々の利用者の担当職員を中心にアセスメントを行い利用者ニーズを把握し、サービス管理責任者が中心となり個別支援計画を作成している。利用者から相談があった場合には、担当制にこだわらず、相談を受けた支援員が話をしやすい雰囲気を作って話を聞いている。職員は送迎車の添乗などの密にかかわれる機会を有効に活用して利用者本人からの意思の確認や意向を汲み取れるようにしている。家族から相談を寄せられる場合が多くある。利用者の意思決定が必要な場面では、利用者の話を傾聴したり、写真や絵、ゼスチャーなどを交えて、その人に見合った適切な支援を行うことで意思決定出来るようにしている。また、カンファレンス等を通じて相談支援事業所等関係機関と連携し、カンファレンスの内容をケアカルテに記載し職員間で共有し個別支援計画に反映している。 |
【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 日中活動は午前は、「しごと」を意識した4つのグルーブの作業が中心である。受注作業(ボールペン組み立て、教材解体等)、リサイクル(アルミ缶リサイクル、地域清掃等)、くり工房(自主製品(エコポット植木鉢、販売等)、ゆっくり(缶回収、シュレッダー、ストレッチ等)などがある。午後は、「たのしみ」を意識した余暇活動が主体である。余暇活動には、書道やカラオケ、映画、音楽、ボッチャ、竹太鼓、パターゴルフ、フォークダンス等多彩である。個別支援計画の見直しに合わせて、利用者の要望や希望及び障害の状況に応じて参加するプログラムを決定している。職員は、月ごとに作業と余暇プログラムのスケジュール表をわかりやすく作成し、利用者が積極的に参加するように促している。 |
【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 職員は、自閉スペクトラム症の強度行動障害の利用者など、利用者の障害状況に応じた適切な支援に努めている。強度行動障害の支援計画を作成し、個々の障害特性に配慮した支援目標を設定している。利用者のコミュニケーション障害や同世代の人と上手に付き合うことができないなどの社会性の障害、置き場所のこだわりの強い想像力の障害など、本人の行動特性の把握し、本人の行動にどのように職員が対応できるかの職員のアイデアを明記し、職員間の情報共有と支援の統一性を図っている。 |
【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画に基づいた食事や排泄、移乗等の日常の生活支援を実施している。毎月給食委員会を開催し、管理栄養士、給食委託業者との連携の基にアレルギーの禁食などの個々の利用者ニーズに対応している。利用者の状況に応じて常食や刻み、極刻み、トロミの食形態での食事を提供している。嗜好調査を実施し、利用者会の意見を取り入れ誕生日メニューやクリスマス会等の行事食を工夫し、利用者に楽しい食事となるように支援している。また、日常的には七味唐辛子、こしょう、紅ショウガ、粉チーズなど利用者が自ら選択するようにして、食事の時間を楽しめるように配慮している。 |
【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 施設内の食堂や作業室等の日中活動の場は、毎日職員が清掃し、適温と明るい雰囲気が保たれ快適な空間が保たれている。トイレは毎日清掃し清潔である。コロナ禍の中で室内の換気に注意している。空気清浄機を設置し、一日2回は窓を開けて空気の入れ替えを行なうなど、快適な空間となるように配慮している。毎日、日直の職員が施設の安全点検を実施している。チェックリストを使用し設備の安全性を確認し各種機器の電源スイッチの切断の様子等を確認している。 |
【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 日々利用者の心身状態や生活動作・行動を観察する中で、身体の動きがぎこちなくなったなど変化に気づいた時、まず施設職員間で課題を共有し、川崎市北部リハビリテーションセンターのPT(理学療法士)への評価を依頼している。評価結果は、画像を取り入れる等工夫し可視化され、職員全員が同じ介助を行うことができるようにしている。排泄や着脱、移乗、移動といった身体介護の際、他動運動の中で、ストレッチや軽運動を図ることで、利用者の身体機能維持を図るよう努めている。 |
【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:b】 高血圧や排便の確認が必要等、日々の体調管理が必要な利用者には通所時必ず血圧測定を含めたバイタル測定を実施し、排便の回数や形状を確認する等健康管理を行っている。記録システムにケース記録を入力し職員間で情報共有している。家族にも確認してもらえるように、連絡帳に記載し報告している。又、排泄や着脱介助時等皮膚観察を行い、皮膚トラブル悪化の防止を図っている。てんかんのある利用者に対しては、かかりつけ医と連携し発作時の対応に備えている。利用者ごとに家族等の緊急時連絡先や、かかりつけ医の連絡先、お薬情報やケアの方法をまとめており、職員間で共有している。 |
【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。 |
【第三者評価結果:b】 現在医療的支援対象者はいない。緊急時における対応については、指定障害福祉サービス事業運営要綱や、くりの丘重要事項説明書に記載されている。食堂に救急救命フローチャートが貼付してあり、緊急時確認・対応時に活用している。疾患別利用者のケア方法や、緊急時対応について混乱がないように、アセスメントシートや援助方法一覧表、個別支援計画に記載しており、職員が同じ対応を行うことができるよう工夫している。変更がある場合は、ケア会議等で確認している。内服介助が必要な利用者には、個別にお薬ボックスを準備し服薬管理を行い、誤薬が無いように内服確認を行っている。利用者それぞれのかかりつけ医に、特変時の対応について、家族等に確認し対応している。医療的ケアの今後の対応については、看護師不在時の緊急時対応マニュアルや服薬マニュアルの整備が求められる。また、介護士による特定医療行為研修受講等の支援体制の強化が期待される。 |
【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者は地域住民との交流に努め社会参加を図っている。利用者は、地域の一般事業からのボールペン組み立て等の受託作業や地域清掃、アルミ缶リサイクル作業等に参加している。自主製品の巾着袋などの雑貨・小物や植木鉢等のエコポット等の販売で、利用者自らが販売に参加し地域の人たちとの交流を図っている。また、地域の小学校や特別支援学校の各種イベントや地域の秋祭り等の地域行事に積極的に参加している。余暇支援の一環として利用者の希望を尊重し外出支援を行っている。コロナ禍で外出を控えていた状況からようやく解放されて、利用者は社会参加の一環としてのロマンスカーなどを利用しての外出や買物、レストランでの食事などを楽しんでいる。 |
【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者やその家族の高齢化の中で、グループホーム等への利用者の地域移行のニーズが高まっている。利用者が家族以外の支援者の支援に慣れることを目的に、利用者の短期入所の利用を提案しているケースがある。重度身体障害者の単身生活の希望がある中で、24時間サポートの身体障害者向けのグループホームが少ない現状がある。その状況の中で職員は、民間の介護付きシェアハウスを紹介するなど、様々な福祉サービスの提供について情報提供に努めている。家族向けの説明資料「グループホームについて」を作成し、家族に説明しグループホームへの移行等の利用者の地域移行について理解を得ている。現在グループホームから当施設に通っている利用者は10名程であり、2名は当施設の地域移行支援で移行につながった利用者である。移行に際してはグループホームでの1週間程度の体験入所を支援し、利用者が自らの意志で安心して地域移行を決定するように支援している。 |
【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 広報誌「くりの丘便り」を年4回、家族向け利用者便り「くりっく」を年3回発行し、利用者の日中生活や作業の様子を家族に連絡しコミュニケーションを図っている。また、年3回、「事業報告会」を開催し利用者の家族への事業計画や施設運営、利用者支援について説明している。利用者の地域移行に関するグループホームの活用等については、事業報告会に法人内のグループホームから講師を招いて説明会を開催している。日々の利用者支援については、連絡帳を活用し家族とのコミュニケーションを図っている。特に利用者の状況や行動の変化があれば、詳細に状況を説明し、家族との情報共有を図っている。また、送迎のタイミングでの家族とのコミュニケーションにも注意を払い、利用者の状況や施設の支援に関する家族の意見を把握するように努めている。緊急連絡先カードを整備し、利用者の体調不良や急変時の連絡先を明示し家族との連携して対応している。 |
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 評価外 |
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 評価外 |
【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 評価外 |
【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 評価外 |