社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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けやき荘

2025年03月14日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 けやき荘 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 200 名
所在地 221-0864
横浜市神奈川区菅田町1-1
TEL 045-470-3900 ホームページ https://kourakukai.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2000年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人孝楽会
職員数
常勤職員:71 名
非常勤職員:13 名
専門職員
相談支援職員:3 名
介護支援専門員:3 名
介護職員:66 名
看護職員:6 名
管理栄養士:2 名
理学療法士:1 名
施設・設備の概要
個室:11
2人部屋:9
4人部屋:43

③ 理念・基本方針
<法人 経営理念>
1.人への思いやりを持って、幸せづくりを実施する。
  ご利用いただいているすべての方お一人お一人に寄り添い職員とともに幸せづくりを進める。
2.信頼され、活力のある経営を実現する。
  地域とともに歩み、事業運営の質を高め、信頼され活力のある経営を実現する。
3.時代の変化に柔軟に対応し、地域一番の福祉を目指す。
  時代が変化しても社会福祉法人としての基本を大切に地域一番の福祉を目指す。
<職員行動指針>
1.自分から積極的に笑顔で挨拶をします。
2.電話は、「明るく」「親切」「丁寧」に出ます。
3.ご利用者様には、やさしく丁寧な声掛けをします。
4.常に向上心を持ち、自己研鑽に努めます。
5.仲間を大切にし、チームケアを行います。
6.公序良俗を常に考え、社内のルールを守ります。
7.送迎時、社用車での外出は、交通ルール、マナーを順守します。
8.「心にかかることはそのままにせず」議論や報告をします。
<けやき荘の理念>
け 健全な心
や 優しい気持ち
き 絆を深める

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇生活リズムを整えるため、起床の時間や食事の時間、おやつの時間などを決めている。フロア毎に、当日のレクリエーションのメニューを複数提示し、ご利用者本人が、その日の気分や体調で、好きなメニューを選んで参加できるようにしている。また、定期的に園芸クラブやフラワーアレンジメントなどの創作活動や、買物を楽しんでもらえるよう売店を出している。毎月の誕生日会や「出前の会」などの行事がある。地域のお神輿や獅子舞が訪れたり、ボランティアが開催する青空サロンもある。近くの桜やコスモスの名所へドライブし、季節感を味わう機会も設けている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/10/01(契約日) ~2025/02/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
〇けやき荘は、平成12年設立の従来型の特別養護老人ホームで、200名のご利用者に、快適、安全、安らぎに基づいた生活支援を提供している。ご利用者は、本館と別館の2、3階の4つのフロアに分かれ、4人部屋を中心に生活を送っている。また、地域で生活する方を対象に、ショートステイ(定員20名)やデイサービスを提供している。
〇美化委員会や生産性向上推進委員会による定期的な施設内の確認で、清潔面や室温のチェツクを行っている。ご利用者の居室は、ほとんどが従来型の2人または4人部屋であり、プライベートカーテンで仕切っている。看取りになっても「人の気配を感じる居室」であってほしいとの施設側の思いもある。専用のクローゼットの他、各自が馴染みのある品を持ち込み、精神的に落ち着けるよう配慮している。大事な故人の仏壇を置いているご利用者もいる。
〇日々の関わりの中で、本人の意向や希望を傾聴している。言葉でのコミュニケ―ションが難しい方には、居室やテーブルなど、身近な場所にボードやペンを置き、ご利用者と気軽にコミュニケーションが取れる環境を整え、発語がないことで、職員とのコミュニケーションが不利にならないよう努めている。接遇委員会を定期的に開催し、職員の言葉遣いや接遇の状況を報告し、事例検討会などで支援方法の検討や見直しを行っている。最近では、ご利用者への声かけを検討し、「〇〇様」で呼びかけるよう職員全員で統一している。
〇杖や歩行器を使用して、自力で歩行しているご利用者は少なく、ほとんどの方が車椅子を使用している。機能訓練指導員が身体機能などを評価したうえで、本人との話し合いで、適切な移動手段と福祉用具を決めている。職員は安全に配慮しながら、立ち上がりや、車椅子でもできるところは自分で行ってもらうなど、自立支援となるようケアしている。
〇入浴は、ご利用者の心身の状況から、一般浴、中間浴(椅子に座っての入浴)、特別浴(横になっての入浴)のいずれかで行っている。その日の入浴の可否については、事前のバイタルチェックと本人の気分をもとに決定している。バイタル値が基準を超えた場合は、看護師に相談し、時間をおいて再度、測定している。本人が入浴を拒否する場合は、無理強いせず、別の日に声かけしたり、清拭で対応している。入浴中や更衣中に事故のないよう、人員配置に気を付けている。
〇調理は外部の業者に委託している。年1回、嗜好調査を実施し、メニューの見直しやご利用者の希望メニューの確認を行っている。毎月の誕生日会や季節の行事の他、選択食も提供している。メニューは、委託業者の栄養士を交えた給食会議で検討して決めている。フロア内の食堂では、音楽を流し、楽しい食事時間となるよう配慮している。
〇ご利用者の入所の契約時に、本人とご家族に看取り介護について説明し、今後の介護方針や緊急時の医療処置について確認し、記録に残している。日頃から、多職種でご利用者の体調変化を共有するとともに、必要に応じて、ご家族や後見人へ連絡する体制を整えている。また、医師が医学的に回復の見込みがないと判断した場合は、本人やご家族、看護師、生活相談員、介護支援専門員が同席し、今後の対応について話し合い、看取りケア計画書の説明と同意をもらっている。看取りケア実施後は、関わった職員全員にアンケートを行い、振り返る場を設けている。
◇独自項目への取り組み
○事業所におけるサービスの質の向上のためのシステムを確認する「発展的評価項目」に取り組んでいる。「利用者様と職員の負担軽減を目指す入浴の見直し」をテーマに、取り組みの過程をPDCA(計画、実施、反省、課題の検証)に分け、実践を振り返っている。また、事業所が次の取り組みを計画する「課題抽出項目」では、「利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている」の項目に対して、今後の具体的な取り組み内容を決めている。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
前回から6年が経過しているため、現在のけやき荘のサービスの質に低下はないのか、改善すべき点はどのようなところか、自己点検と外部評価機関の意見を伺いたく、受審させていただきました。自己点検を行う中で、新たな視点や課題に職員が自ら気づき、改善していきたいという意欲的な意見があり、既に取り組み始めています。介護福祉士会の評価調査員の方々から、けやき荘の高齢者介護の基本的な方針を評価していただけたことで、これまで大切にしてきて良かったと職員たちと共有しています。これからも、現状に満足することなく、ご利用者、ご家族、地域の方々に安心して利用していただける施設を目指していきます。
今回お世話になった介護福祉士会の評価調査員様、そしてアンケートにご協力いただいた利用者様、どうもありがとうございました。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

けやき荘の理念は、各階に掲示して、職員に周知するとともに、朝の申し送りで職員が唱和している。新人職員については、入職時に新人研修を行い、施設長より、職員倫理綱領を説明する中で経営理念や職員行動指針、けやき荘の理念にも触れている。また、年2回実施している人事考課の項目に、理念の理解に関する内容を盛り込み、面接の際に理解度を評価している。ご利用者には、各階にけやき荘の理念を掲示しているが、ご家族を含め、周知方法に関しては、工夫が必要と感じている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

月1回、法人の運営会議を開催し、事務局長から、地域の福祉計画や制度の内容について説明を受けている。運営会議には、施設長や副施設長、介護課の課長や課長代理が出席している。また、月1回、施設事業部の主任以上の職員が参加して、幹部会を開催し、事業計画の目標の達成度や、稼働率の推移について分析を行っている。職員に必要な情報は、幹部会に出席していた各部署の代表が、夕方の申し送りなどで、タイムリーに職員に説明して、周知している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

月1回開催する運営会議では、理事長から経営状況の説明があり、事務局長からは月次実績表でフロア指標の説明を受けている。今年度より、生産性向上推進委員会を立ち上げ、全職員に施設の課題についてアンケートを実施し、職員一人ひとりの声を経営や業務改善に活かす取り組みを行っている。アンケートの結果から、会議や委員会活動のルール作り、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾け)活動などを行っている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中長期計画としての書面は作成していないが、大規模修繕や新しい事業の提案など、年度をまたがって行う事業は、法人の事業計画に、中期、長期の方向性として示して、取り組みを進めている。今年度の法人の事業計画には、①多様な人材を活かせる環境を構築し人材の流出を防ぐ:来年度、②各事業における収入と質の確保:インフラ整備は中期目標、③法人資源の活用と事業継続:地域との中期目標、④コンプライアンス、ガバナンス強化、⑤地域福祉に対して継続したサービスへの協力:地域関連の長期目標の5点をあげている。理事会は年3回開催して、介護報酬の改定や社会情勢を鑑み、内容の見直し、修正を行っている。理事会には、施設長も理事として参加している。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は、法人の事業計画の中期、長期の方向性を視野に入れて、施設長が作成している。作成にあたっては、各部署の責任者から意見をまとめた文書を提出してもらい、重点目標に具体的に落とし込んでいる。今年度の事業計画の重点目標には、サービスの質の向上と人材育成をあげ、以下の項目について具体的な取り組みを決めている。①在籍率98%の安定と維持、②専門性の高いケアの提供、③人材育成のための環境整備、④健康管理の継続、⑤食事と栄養、⑥行事・イベントの充実、⑦事故防止・苦情対応、⑧生産性向上推進委員会(新設)、⑨業務継続計画、⑩災害意識の向上、⑪けやき荘内の美化。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は、法人の事業計画の中期、長期の方向性を視野に入れて、施設長が作成している。作成にあたっては、各部署の責任者から意見をまとめた文書を提出してもらい、重点目標に具体的に落とし込んでいる。各部署の意見のまとめは、毎年、1月~2月に実施している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画書や事業報告書は、施設1階のロビーに設置し、ご家族やご利用者に自由に読んでもらえるようにしているが、内容については充分な説明ができていないと感じており、今後の課題として工夫していきたいと考えている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

今年度より、生産性向上推進委員会を設置している。厚生労働省の手引きに従い、施設の課題について全職員にアンケートを実施し、それをもとに手順に沿って改善活動を行っている。第1水曜日には、権利擁護などの各委員会の会議があり、施設長もほとんどの会議に出席して、意見を述べるとともに、職員の声をできるだけ聞くようにしている。職員が誰にでも話ができる雰囲気作りに努めている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

生産性向上推進委員会で検討し、計画を立てて評価している。委員会には各課のリーダーが参加し、月1回、委員会を開催して、その都度、進捗状況の確認と見直し、新たに気付いた課題について、検討、計画している。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長の役割と責任については、「組織職制」や「就業規則」に規定して明確にしている。規程類は各課に配布して、閲覧できるようにしている。災害発生時の役割分担については、業務継続計画に明記している。施設長の不在時には、副施設長もしくは介護課長が役割を担うことを決めている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

月1回の法人の運営会議や幹部会の中で、遵守すべき法令などの正しい理解に努めている。区の社会福祉協議会が開催する地域の幹事会に施設長が参加し、地域のニーズなどを共有している。また、市の高齢福祉部会が主催する経営や法令などの研修会に施設長が参加して、情報の収集に努めている。今年の7月から、協力医療機関と近隣施設とともに1ケ月1回、情報共有と話し合いの場を設けている。内部研修においても、医師や専門家を講師に招いたり、動画研修を取り入れたりして、職員に正しい知識や新しい知識を持ってもらえるよう取り組んでいる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

誕生日会やクラブ活動、売店、家族会などには施設長も参加して、ご家族やご利用者の声を聞いている。「丁寧なケアは丁寧な声かけから始まる」を合言葉にして、施設長と副施設長が接遇委員会にオブザーバーとして参加している。委員会の中で、ご利用者に「様」付けで呼びかけることを決め、最初は違和感もあったが、継続して取り組むことで意識の変化がみられる。新人研修においても、丁寧な声掛けと乱暴な声掛けでの自身の行動を実体験してもらい、ケアに入る前の心構えとしている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長と介護課長、介護支援専門員が日々のケアの状況を確認して、改善が必要なことは、その日のうちに打ち合わせをして対応している。その日がどうしても無理な場合は、検討する日程を決めている。事故についてはすぐに対応し、ヒヤリハットの分析は事故防止委員会とフロア会議で行っている。勤務表は、各課の長が作成しており、一定のルールのもと、職員それぞれの相談にのりながら、公平に希望休が取れるように配慮している。職員は、とても協力的である。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

福祉人材の確保は、法人が担当して行っている。採用にあたっては、施設から希望や相談をしている。人員体制については、常勤換算上は充足しており、深刻な問題はないが、質の高い福祉サービスを実現するためには、少ないと感じることもある。人材の育成を進めるとともに、次世代につないでいける人材の確保が喫緊の課題であると捉えている。外国人雇用を計画的に進めており、現在6人を雇用している。来年度新たに2人予定しており、人材の確保のひとつとしている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

年2回、人事考課を行い、けやき荘の職員のあるべき姿について、共通の認識を持ってもらえるようにしている。直属の上司が一次考課を行い、二次考課に際しては、面接を実施している。人事考課の結果は、給与や賞与の算定の参考にしている。また、目標管理制度も取り入れ、人事考課の年2回の上長との面接では、目標の達成状況について確認を行っている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

就業規則を改訂して、就業条件の枠を広げた。働きやすい職場づくりとして、育児中の職員に時短勤務を取り入れたり、産休明けの職員の時短勤務の期間を延長したりしている。また、異動希望の相談にのったり、男性職員の育児休暇取得も奨励している。基本的に残業はないが、救急搬送などの緊急時の場合には認めている。また、残業が多い職員に対しては、直属の上司が話を聞き、仕事量や残業になってしまう理由などの相談にのっている。有給休暇の取得状況は、人によってまちまちだが、特に大きな問題は発生していない。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

組織として期待する職員像は、人事考課で示している。施設長としては、けやき荘の理念である、「健全な心」と「優しい気持ち」をもち、きずなを深めること、「チームワークを大切にして働くことができる」職員であってほしいと思っている。新人研修で理念の説明の際に話をしている。また、年2回の人事考課では、一次考課者と面接している。後期の面接時には一次考課者が職員と相談の上、個別の重点課題目標を設定し、1年後に目標達成度をパーセントで表し評価している。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

3月に研修委員会がその年度に行った研修の振り返りと、それに基づいた次年度の研修計画を作成している。内部研修は、法定の研修については、関係する委員会が内容や日程を決めている。新人や中堅、役職者向けの階層別の研修、動画研修を活用して実施している。外部研修については、施設長から職員に案内を紹介し、本人の参加希望や施設長の声掛けで参加者を決めている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

なるべく全職員が研修に参加できるよう、集合研修は月1回、動画研修や訓練については1ケ月の中で全員が終えられるように計画している。動画研修は、新人・中堅・役職の3段階に分け、それぞれに合った研修プログラムを作成している。外部研修に参加した職員は、レポートを提出し、研修報告を行っている。レポートは綴り、事務室に保管して、いつでも確認できるようにしている。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

主に介護福祉士と社会福祉士の実習生の受け入れを行っている。介護福祉士は介護課長が、社会福祉士は施設長が窓口になり、受け入れを行っている。それぞれ受け入れマニュアルを作成し事前説明を行い、実習生には個人情報の保護に関する誓約書にサインをもらっている。今年度、社会福祉士の実習に6名の学生を受け入れた。実習期間中には学校の実習担当者と連携しながら、プログラムを実施している。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページにて、理念や基本方針、事業計画、事業報告、予算、決算の情報を公開し、運営の透明性を確保している。毎月、広報誌「けやき便り」を発行して、施設の行事予定のカレンダーと行事報告を、ご家族に送付している。また、地域と防災協定を結んでおり、合同防災訓練を実施する際には、自治会の回覧板を利用している。施設正面前と、近隣の公園の近くに掲示板を設置し、イベント開催のポスターや職員募集の案内などを掲示している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

「組織職制」により、事務や経理、取引などのルールを決め、公正かつ透明性の高い適正な経営や運営に努めている。公認会計士の事務所による会計監査を年2回実施して、定款や経理規程に準じているかを確認している。顧問弁護士にいつでも相談できる体制を整え、成年後見制度の利用についても相談している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎月の誕生日会やけやきフェスティバルでは、ボランティアを招き、音楽演奏や踊りを披露してもらっている。また、毎月、地域のボランティアによる青空サロンをけやきドームで行い、地域の方とご利用者の交流の場としている。青空サロンでは、1杯100円のコーヒーとお菓子を楽しんでいる。買物や協力医療機関以外の受診の際は、介護タクシーの利用を推奨している。コロナ禍前は、介護タクシーを使ってファミリーレストランや喫茶店に出掛けていた。感染症が流行してる時は、感染症の状況によって、外出の延期や中止をお願いすることがある。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア用のパンフレットを作成し、施設内の注意事項や個人情報保護について説明している。けやき農園では、ヒマワリやコスモスを植え、地域の撮影スポットになっている。今年度は実施できていないが、近隣の小学校の教室と施設をオンラインでつなぎ、ご利用者が授業に参加したことがある。感染症の状況により、なかなか対面での交流が図れないが、今後も積極的に機会を作っていきたいと考えている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

今年の7月から、協力医療機関と近隣施設とともに1ケ月1回、情報共有と話し合いの場を設けている。また、施設長が、区の社会福祉協議会が主催する地域の幹事会に出席して、地域のニーズの把握や施設の課題などの情報交換を行っている。消防署や自治会と共同で防災訓練を行い、災害時の協力体制の構築に努めている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域は区内でも高齢者が多く、また、核家族も増え、子育てに困っている保護者が生活している。不定期な取り組みになるが、地域の方々にけやき荘がどのような施設か知ってもらい、福祉や介護に興味を持ってもらえるよう、見学会を行っている。1月には、地区社会福祉協議会の提案で、地域の高齢者に向けて施設見学会を実施している。また、5月には、近隣の地域ケアプラザ合同の介護者の集いで、施設見学会を実施している。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

自治会からの要望により、地域の高齢者の移動支援として、車両の貸し出しを行っている。車両の貸し出しは法人として週1回、通所介護の送迎にぶつからない時間帯に行っている。また、市の社会福祉協議会からの依頼で、市民後見人の講座を実施した。災害の発生時には、市や地域と協力して福祉避難所を担う予定である。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

けやき荘職員倫理綱領に、生活保障や人権擁護、一人ひとりのニーズと意思を尊重した施設サービス計画の作成など、基本的な姿勢を明記し、職員の新人研修や接遇研修などで周知、徹底している。日頃のケアの中で、丁寧な言葉遣いの徹底を決め、ご利用者を「お客様」として意識するために、「○○様」と呼ぶようにしている。接遇委員会や虐待防止委員会、身体拘束適正化委員会を定期的に開催し、ご利用者を尊重した支援が提供できるよう、職員の意識を高めている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

ご利用者のプライバシーを守るため、2、4人部屋でもベッドの間に箪笥とカーテンなどを使用して、個室のような状態にしている。ご利用者は自宅で使用していたものを持ち込み、安心できる空間を作っている。トイレ内にはカーテンを付けて、ガードを2重にして、廊下からは見えない工夫をしている。浴室は、ドア、カーテン、衝立と、3重の構造になっており、プライバシーに配慮したケアを行っている。内部研修でも、プライバシーの保護をテーマにした研修を行っている。パソコン使用時に、席を離れる場合は、必ず画面を閉じるようにしている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

パンフレットやホームページで、けやき荘の情報を提供している。また、入所申込受付センターにパンフレットを置いている。入所希望者は、入所申込受付センターを経由して見学に来ることが多い。今年度、入所希望者を対象に見学会を開催したところ好評であったため、再度、見学会の開催を予定しているところである。見学会に関することは、生活相談員が企画して、実施している。施設紹介のチラシも、見学会用のものを作成している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

サービス開始にあたっては、まず施設を見学してもらい、生活相談員が面談により、ご利用者のアセスメントを行っている。その後、生活相談員や介護支援専門員、フロア担当職員、栄養士などによる入退所委員会を開催し、受け入れを決定している。入所の際には、重要事項説明書や契約書に同意を得ている。書類の説明はご利用者に行うが、認知症などにより意思決定が困難な方が多いため、主にご家族に説明することが多い。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

ご家族の遠方への転居により、新しい家の近くの特別養護老人ホームや介護老人保健施設に移行したご利用者は、ごく少ない。ほとんどの方は体調の変化による入院からの退所か、または逝去である。他施設や病院に移行する場合は、移行先の求めに応じ、施設サービス計画書やADL表などをご利用者の了解を得て渡している。看取り介護を希望するご家族には、入所時の説明や、ご利用者の状況に応じて嘱託医との話し合いなどを行っている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年1回、嗜好調査を行っている。給食会議では、嗜好調査の結果を確認し、献立に反映している。また、ご利用者、職員、委託業者で、食に関する懇談会を行っている。イベントのこと、おやつのこと、物価高のことなどを話し合い、ご利用者の思いを聞くことができている。意思表示が困難な方は、ご家族から情報を入手したり、本人の表情や目線などから興味があることを確認し、好きな物を提供している。日常生活の中でも、外食したいご利用者に付き添ったり、ご家族に協力を依頼したりして、本人の希望が叶えられるよう支援している。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

法人で苦情対応規程を整備し、苦情や相談の体制を整えている。苦情解決責任者は施設長、苦情受付担当者は副施設長としている。また、第三者委員や自治体の連絡先をロビーに掲示している。施設内2ケ所に意見箱を置いているが、苦情などが入っていることはない。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

生活相談員や介護支援専門員を相談担当として、相談室やケアマネージャー室で相談を受けている。窓口として、必ずどちらかが対応できる体制をとっている。日常生活の中では、フロアの職員に相談をすることが多く、ご利用者が話したい時に周りにも気配りし、自室や落ち着いて話せる場所で話を聞いている。また、お茶を飲みながら話を聞くこともある。ご利用者は、いつでも誰にでも相談ができることを理解しており、職員に気軽に話しかけている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

ご利用者から浴室の脱衣所の手すりについて意見が出たことがあり、すぐに上司に報告して、縦の手すりを設置している。職員はご利用者からの指摘にとても感謝し、小さなことでも、真摯に耳を傾けるようにしている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

介護課長をリスクマネージャーとして、月1回、安全対策・事故防止委員会を開催している。ヒヤリハット報告書を集計分析し、重大事故につながらないよう対策を考え、全職員に周知している。集計の結果、居室内のヒヤリハットが多いことがわかった。全居室に見守りセンサーを導入し、動きがあった時はすぐに職員が対応できる体制をとることができるようにしている。夜間の睡眠状況なども確認でき、変化を見逃すことが少なくなっている。食堂の真ん中に大きな柱があり、死角になるため、職員の目が届くように注意している。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染予防対策委員会と看護師が連携して、感染症の予防を行っている。インフルエンザやノロウィルス、新型コロナウィルス、疥癬などの予防に努め、感染症予防マニュアルを整備している。感染症が発生した場合は、マニュアルに沿って対応することにしている。新型コロナウィルス発生時には、市から簡易陰圧装置が数台届き、簡易隔離部屋として使用している。感染予防対策委員会により、マニュアルの読み合わせや嘔吐物の処理、ガウンテクニック(感染防護着などを汚染することなく装着する技術)などの研修を行っている。感染症のBCPも策定している。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

防災マニュアルやBCPを策定している。施設では、井戸を掘って水を確保したり、大規模太陽光システム装置の設置、LPガスの設置など、災害対策を大規模に行っている。市との協定により、福祉避難所として登録している。また、自治会とは消防応援協力に関する覚書を取り交している。消防署との連携により、地域の人たちにも呼びかけて起震車の体験を行った。地震と自然災害時の訓練を行っている。備蓄品は倉庫や各フロアに分けて確保している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

ご利用者の尊厳の保持や権利擁護、プライバシーの保護、利用者本位など、基本的な姿勢を示すとともに、食事や排泄、入浴など、生活の支援についての手順書は常に職員が確認できるようにしている。標準的なサービスについては、各委員会が読み合わせや研修会を行い、全職員に周知するようにしている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

各委員会の活動で、マニュアル類の見直しを随時行っている。感染予防対策委員会では、現在流行している感染症や、新型コロナウィルスなどのマニュアルの見直しを行っている。安全対策・事故防止委員会では、ヒヤリハット集計後の居室の整理整頓の見直しを行い、接遇委員会では職員の言葉遣いの見直しから、ご利用者にお客様として関わるなど、各委員会が見直しを行っている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

介護部門や看護師、栄養士など、各部門がアセスメントを行い、介護支援専門員が本人との面接を行っている。その後、介護支援専門員が施設サービス計画の原案を作成し、サービス担当者会議を開催して、施設サービス計画を確定している。施設サービス計画書は、ご利用者本人、またはご家族へ説明し、同意を得て署名をもらっている。施設サービス計画書には、本人の希望を掲載し、計画に基づいて支援している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

施設サービス計画は、新たに入所する方は入所後に、入院している方は退院後に作成し、それぞれ1ケ月後には見直しを必ず行って、1ケ月間の変化を確認している。継続して生活している方は、1年後に見直しを行っている。また、ご利用者の状態の変化に応じて、随時、モニタリングを行い、施設サービス計画の見直しを行っている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

アセスメントシートや施設サービス計画書、報告書類は、電子カルテに入力している。緊急連絡先やADL表、基本情報、通院情報、施設サービス計画書、モニタリング表など、個人に関する書類は印刷して、個別にファイルしている。パソコンの記録は、必要部署で共有でき、ご利用者の状況を確認して、それぞれの部署の支援を入力できるようにしている。日常の食事チェック表や排泄チェック表など、書面に記録するものもある。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

書類の管理責任者は施設長としている。個人情報に関する書類は、事務室の鍵のかかる棚に保管している。個人情報の開示希望は過去に一度あり、自分の日記と照らし合わせたい確認であった。日常使っているパソコンも、席をはずす時は、外からは見えないよう配慮している。年に1回施設内研修を実施し、個人情報保護規定について理解を深めている。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

生活リズムを整えるため、起床の時間や食事の時間、おやつの時間などを決めている。フロア毎に、当日のレクリエーションのメニューを複数提示し、ご利用者本人が、その日の気分や体調で、好きなメニューを選んで参加できるようにしている。また、定期的に園芸クラブやフラワーアレンジメントなどの創作活動や、買物を楽しんでもらえるよう売店を出している。毎月の誕生日会や「出前の会」などの行事がある。地域のお神輿や獅子舞が訪れたり、ボランティアが開催する青空サロンもある。近くの桜やコスモスの名所へドライブし、季節感を味わう機会も設けている。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】

特別養護老人ホームのため、評価外とする。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、訪問)】

特別養護老人ホームのため、評価外とする。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の関わりの中で、本人の意向や希望を傾聴している。言葉でのコミュニケ―ションが難しい方には、居室やテーブルなど、身近な場所にボードやペンを置き、ご利用者と気軽にコミュニケーションが取れる環境を整え、発語がないことで、職員とのコミュニケーションが不利にならないよう努めている。接遇委員会を定期的に開催し、職員の言葉遣いや接遇の状況を報告し、事例検討会などで支援方法の検討や見直しを行っている。最近では、ご利用者への声かけを検討し、「〇〇様」で呼びかけるよう職員全員で統一している。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

権利擁護についての規程やマニュアルを策定し、職員に周知している。新しく入職する職員は、虐待防止と身体拘束適正化の動画研修で学んでいる。また、年1回は職員全員を対象に研修を実施している。また、接遇委員会が自分たちの日常の声かけや行動をチェックしている。ご利用者のイベントは、参加に偏りがないよう、参加者リストを作成している。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

美化委員会や生産性向上推進委員会による定期的な施設内の確認で、清潔面や室温のチェツクを行っている。5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾け)を行っているが、職員によって捉え方に差があり、統一した意識付けという点では、難しい面もある。建物の劣化や老朽化した部分については、順次、修復や備品の取り換えを実施している。2年前に壁の張り替えを行い、トイレの便座の取り換えも予定している。ご利用者の居室は、ほとんどが従来型の2人または4人部屋であり、プライベートカーテンで仕切っている。看取りになっても「人の気配を感じる居室」であってほしいとの施設側の思いもある。専用のクローゼットの他、各自が馴染みのある品を持ち込み、精神的に落ち着けるよう配慮している。大事な故人の仏壇を置いているご利用者もいる。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

入浴は、ご利用者の心身の状況から、一般浴、中間浴(椅子に座っての入浴)、特別浴(横になっての入浴)のいずれかで行っている。その日の入浴の可否については、事前のバイタルチェックと本人の気分をもとに決定している。バイタル値が基準を超えた場合は、看護師に相談し、時間をおいて再度、測定している。本人が入浴を拒否する場合は、無理強いせず、別の日に声かけしたり、清拭で対応している。入浴中や更衣中に事故のないよう、人員配置に気を付けている。楽しく気持ちの良い入浴になるよう、仲の良い人と一緒の入浴や、入浴の順番などにも配慮している。入浴後は、全員に保湿剤で肌を整えている。ただし、入浴予定日以外の入浴希望には応えることができていないため、今後の課題としている。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄の介助は、身体状況や本人の意向に沿って行っている。トイレ誘導については、転倒のリスクも含めて、ご利用者本人やご家族に相談して行っている。また、排泄スクリーニングで実施状況を確認し、モニタリングの情報をもとに、サービス担当者会議で介助方法の見直しを行っている。便秘気味のご利用者には、自然排泄を促すため、牛乳などの補助食品を食事にプラスして提供している。見守りセンサーの使用で、夜間の状況が確認できることで、睡眠を妨害しない排泄介助を目指している。おむつ交換は1日4回を基本回数としているが、取り換えてほしいとの申し出のあった時や排泄状況などで個別に対応している。プライベートカーテンや声かけ方法を工夫して、羞恥心に配慮している。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

杖や歩行器を使用して、自力で歩行しているご利用者は少なく、ほとんどの方が車椅子を使用している。機能訓練指導員が身体機能などを評価したうえで、本人との話し合いで、適切な移動手段と福祉用具を決めている。職員は安全に配慮しながら、立ち上がりや、車椅子でもできるところは自分で行ってもらうなど、自立支援となるようケアしている。モニタリングやサービス担当者会議で支援方法の見直しを行っている。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

調理は外部の業者に委託している。年1回、嗜好調査を実施し、メニューの見直しやご利用者の希望メニューの確認を行っている。毎月の誕生日会や季節の行事の他、選択食も提供している。メニューは、委託業者の栄養士を交えた給食会議で検討して決めている。フロア内の食堂では、音楽を流し、楽しい食事時間となるよう配慮している。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

嚥下状況はご利用者により異なるため、学会分類に準じた嚥下・咀嚼機能に応じた食事形態で提供している。ミールラウンド(多職種での観察)で、嚥下・咀嚼・量・摂食時間・疲労度などを観察し、サービス担当者会議で多職種で話し合い、見直しを行っている。嚥下困難が心配されるご利用者の情報は職員で共有し、事故につながらないよう見守りしている。経口摂食が維持できるように、食前の口腔体操やテーブルを嚥下しやすい高さに調整している。摂食カロリーの評価は、栄養士や看護師が残食や体重の増減などで評価し、栄養ケア計画の見直しを行っている。経口からの栄養が不足する場合は、高栄養ゼリーでフォローしている。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

口腔機能の維持、改善のため、食前の口腔体操や食後の歯磨きを実施している。また、口腔ケアチェック表で、磨き残しや虫歯、歯周病などのチェックを行っている。自歯の残っている人、総入れ歯の人、歯茎のみで咀嚼している人と、ご利用者はそれぞれであり、状態に応じて、歯ブラシやクルリーナ(口腔内清掃)、舌ブラシを使用している。定期的に歯科医師や歯科衛生士による口腔状態の確認や歯磨きの指導を受けている。口腔内の自立度の把握のため、ライフ(科学的介護システムで、栄養・口腔の取り組みを一体化)を活用して評価している。口腔ケア委員会や施設内研修で、職員の口腔ケアのスキルの向上に取り組んでいる。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

ケア方法の標準的な実施方法については、書面やカンファレンスで共有している。エアマットを使用しているご利用者は30人程度で、重度の褥瘡のある方も数名おり、おむつ交換や入浴時以外に、日に1回、看護師が褥瘡に特化した手当てを行っている。褥瘡予防として、体位変換は4時間毎を基本としているが、医師の指示により2時間毎の場合もある。栄養面からの予防策として栄養補助食品を取り入れている。日頃のケアについて、皮膚科の往診医や介護用品メーカーによる研修を年1回実施している。部位を洗う時の力加減など、現場のケアに即した研修で、伝達研修として職員間で技術を共有している。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

夜間は看護師の配置がないため、夜勤の介護職員の中に、1名以上の喀痰吸引研修を修了した職員を配置している。介護職員による実施は、緊急時のみとしており、必ず夜勤リーダーの許可を得る体制を取っている。夜間の喀痰吸引の実施については、ご家族やご利用者には、入所時に説明して書面で同意を得るようにしている。月1回、看護師を中心とした医療的ケア委員会を開催し、その時点での医療的ケアが必要なご利用者の状況確認を行っている。一晩に何回も喀痰吸引が必要なご利用者については、医療的ケアが専門の施設や病院への移行について、本人やご家族と話し合いを行っている。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練指導員が、個別の機能訓練計画書を作成し、定期的に評価、見直しを行っている。日々の生活の中で、身体機能やADLの状況を多職種で観察、評価し、カンファレンスを開催して、自立に向けての環境整備や歩行の機会を増やすなど、予防的支援に取り組んでいる。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

施設サービス計画を策定するにあたり、入所前の面談や入所時のカンファレンスで、生活歴や現況、意向を確認する他、入所後の様子を多方面からアセスメントし、サービス担当者会議を開催して支援方法を決めている。また、認知症の程度や評価の結果から、認知症専門のフロアへの案内で、より安心できるケアへと移行している。認知症のご利用者への環境づくりとして、居室には馴染みのある物品を配置し、隣席との相性に配慮して食事の席を決めている。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

ご利用者の体調変化への対応として、嘱託医や看護師、外部委託のオンコールナース、ホームドクターによる24時間体制をとり、手順はマニュアルにまとめている。服薬の管理についてもマニュアルにまとめ、看護師と介護職が連携して行っている。配薬は看護師が担当し、配薬箱の氏名と顔写真を確認しながら、薬を入れている。介護職が配薬箱からテーブルに運ぶ時は、誤与薬を避けるため、必ず一人分ずつを手にして、ご利用者の手に直接のせ、本人が飲み込むまで見守りをしている。薬剤師が講師の内部研修では、薬の知識と、災害時の対応を学ぶことにしている。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

ご利用者の入所の契約時に、本人とご家族に看取り介護について説明し、今後の介護方針や緊急時の医療処置について確認し、記録に残している。日頃から、多職種でご利用者の体調変化を共有するとともに、必要に応じて、ご家族や後見人へ連絡する体制を整えている。また、医師が医学的に回復の見込みがないと判断した場合は、本人やご家族、看護師、生活相談員、介護支援専門員が同席し、今後の対応について話し合い、看取りケア計画書の説明と同意をもらっている。本人やご家族からの決定が厳しい状況であれば、看取りケア委員会でカンファレンスを開催し、これまでの本人やご家族の意向と医師の医学的見解などを、総合的に検討する体制がある。看取りケア実施後は、関わった職員全員にアンケートを行い、振り返る場を設けている。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

ご家族とは話し合いのうえ、連絡方法を決めている。文書でのやり取りが必要なものは郵送し、体調変化などの場合は電話で報告し、緊急性のない場合はメールで連絡するなど、連絡方法はご家族の希望を尊重して決めている。家族会を開催し、施設長や副施設長が参加して、現状報告などを行っている。家族会では、ご利用者が気持ちよく生活するための協力などを検討し、コロナ禍で外出に制限がある時は、中庭のスペースを活用したりしている。居室での面会は可能としているが、感染症対策で面会時間や人数は制限している。契約時には、複数の親族の連絡先を記載してもらっている。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】

特別養護老人ホームのため、評価外とする。