社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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こまつな保育園

2024年05月01日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま

② 施設・事業所情報
名称 こまつな保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 9 名
所在地 221-0054
横浜市神奈川区山内町1番地
TEL 045-620-8111 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年09月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 横浜中央市場保育園株式会社
職員数
常勤職員:5 名
非常勤職員:4 名
専門職員
保育士:4 名
管理栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室1室、事務室1室、厨房1室、職員休憩室、予備室
設備等:横浜中央卸売市場内のセンタービル内にある保育園で、横浜市管理の建物ということもあるため、防災、安全、耐震、清掃、点検、警備などの管理が適切に行われています。 同建物内の別階に屋内遊戯場があり、園庭として使用しています。園庭開放として地域の育児支援の場としても利用しています。保育園の株主の業務の関係から、保育園の調理室ではアルカリイオン水が使用できるようになっています。

③ 理念・基本方針
保育理念
事業所内保育所として、市場で働く保護者の子育て支援とともに地域の子育てを支援します。

保育目標
・市場ならではの食育を通じ心身共に健やかな子を育てます。
・安心安全な食材を活用し、親子の食育教室を開催し、市場の活性化と地域貢献に取り組みます。
・家庭的な雰囲気の中で人格形成の芽生えを大切に育てます。

保育方針
3歳児未満時施設として大切な時期を十分な愛情と環境の中で育み保護者とともに子どもの成長の喜びを共有する。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
「食育活動」
市場の事業所内保育園であるということから食育活動に力を入れています。保育資格保持者の大半は調理師免許も取得しています。食育活動では、旬や季節を大切にし、五感に訴える0歳児からの食育活動を行っています。園内では、食育会議を月に2回以上設け、個々の家庭の状況や発達状況を考慮しての食育に努めています。

「育児支援」
保育園が所在するポートサイド地区には横浜市が育児支援として行っている親と子のつどいの広場がないため、地域の方々はコットンハーバー地区を利用しています。保育園も地区の保護者の方々の力になることを目指し、在籍児童の保護者の方々と地域の保護者の方々が集うことのできる場所づくりを行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/10/20(契約日) ~2024/04/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【特長】
●職員、市場の方々に見守られ子どもたちはのびのびと生活しています
 0歳児クラスから2歳児クラスまでの、成長が著しく大切な時期の子どもが生活しています。職員は、会議や日々のミーティングで、子どもの個性や家庭状況、発達状況等を共有し個々に応じた支援をしています。子どもが自分の気持ちを伝えられるよう寄り添い、子どもの言葉や表情、しぐさ、視線などから子どもの気持ちを理解し受け止めています。また、笑顔で分かりやすい肯定的な言葉がけをしたり、小さなことでもできたことは褒めて認めて関わっています。子どもたちは、室内でままごとや手作り電車でゆったりと遊んだり、5階の遊技場で滑り台やコンビカーで体を動かして遊んだり、市場内やコットンハーバー方面へ散歩に出かけたりと静と動のメリハリのある遊びを楽しんでいます。子どもたちは、地域の「こまつなひろば」参加者と一緒に遊び、ハロウィン、クリスマス会などの行事では市場の会社の方たちと交流しています。様々な食材に触れて身近に感じるなど、市場内だからこそできる経験をし、子どもたちは、職員、市場の方々に優しく見守られ、のびのびと生活しています。

●市場の事業所内保育園であることから市場ならではの食育活動に取り組んでいます
 保育目標に「市場ならではの食育を通じ心身共に健やかな子を育てます」と明記し、子どもが様々な経験を通し食について興味や関心を持ち楽しく食事をすることをねらいとして取り組んでいます。新鮮で安心安全な食材を活用し、自園で調理した和食、魚メニューの多い給食を提供しています。また、市場内で魚等の観察や野菜の収穫体験、豆の莢むき、キノコさき等食材に触れて五感で感じ親しんでいます。保育士は子どもの喫食状況、発達状況、咀嚼力、嗜好等把握して共有し、子どもが、食への関心、食べることの喜び、達成感、意欲を持てるよう前向きな言葉がけで関わっています。様々な取り組みは食育計画をもとに食育会議を年間20回以上開き、子ども一人ひとりに合った内容になるよう確認しています。毎月、保護者に給食だよりと献立表を配布し園の取り組みを伝えています。保護者からの要望があればレシピの提供や管理栄養士が相談にのったりするなど支援にも取り組んでいます。これらは、子育て支援に参加した地域の子育て中の方や妊婦にも同様に対応しています。

●保護者が安心して子育てができるよう寄り添った姿勢で支援し、信頼関係を築いています
 保育方針に「3歳児未満時施設として大切な時期を十分な愛情と環境の中で育み保護者と共に子どもの成長の喜びを共有する」と掲げて保育の姿勢を明確にしています。毎日、子どもの姿を連絡帳でやりとりしているほか、送迎時には楽しいエピソードと共に口頭でも伝え子どもの成長を感じられるようにしています。年1回の懇談会では保育の意図や目的、園での様子を伝え保護者が園の保育への理解を深められるようにしています。保育参観や保育参加は希望により随時受け入れています。年1回の個人面談を実施するほか、相談事があれば随時受けており、急ぎの場合は電話やメールでも対応しています。行事予定表を年度始めに配布し、大きな行事はチラシも掲示し案内しています。本社のクリスマスコンサートでは保護者が演奏するなどの協力も得ています。保護者は何でも相談でき、家族のような関わりの中で過ごしたあと、卒園後も相談や遊びに来園する姿があります。園や職員に対する信頼の大きさはアンケート結果にも表れています。

【今後に期待される点】
●中長期の事業計画、単年度事業計画を作成し今後の方向性を明確化して取り組むことが期待されます
 中長期計画は策定していませんが、これまでは、開園時に作成された事業計画を参考に、口頭で伝えて運営してきました。職員や保護者が安心して連携して取り組めるよう、今後、中長期計画、それに基づく単年度事業計画を作成して保育園の進むべき方向性を明確にし、職員や保護者に示していくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 全国初の卸売市場内の事業所内保育所として開園し9年目を迎えます。前回の評価から5年経過し、その間、コロナの流行や職員達の産休や育休で保育運営は厳しい局面が多くありました。
 評価に当たり当園の資料や記録の提出があり、それらを見直し準備する中で、数々の局面を乗り越えてくることが出来たのは保護者の方々と市場の方々の支えがあったことを痛感しました。定員9名の小さな当園はコロナで増えた膨大な事務作業や対応を行っていくことは尋常ではありませんでした。保護者の皆様お一人お一人の支えがあり、市場の方々の励ましがあったおかげで手厚い保育を保つことができました。
 私達は、在園児、卒園児とそのご兄弟、地域のお子様と保護者の皆様、市場の方々との関わりをとても大切にしています。成長の喜びを共感できる拠り所となりたいと思っています。その思いを成し遂げるための取り組みを評価していただき励みとなりました。また、その思いを達成するための「食育活動」「育児支援」「地域交流」など日々の取り組みを今後も大切に行っていきたいと感じました。
 評価の指摘にあったように、私達の思いを持続させるための計画を明確にしていきたいと思います。
 そして何より、お忙しい中、保護者アンケートにお応え頂き、暖かいお言葉をくださった保護者の皆様に心から感謝いたします。

 こまつな保育園

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 保育園の理念、基本方針はパンフレットや外部サイトに掲載されています。理念は「事業所内保育園として、市場で働く保護者の子育て支援とともに地域の子育てを支援します」で、保育園の開園時に策定されました。理念をもとに保育目標「・市場ならではの食育を通し心身共に健やかな子を育てます ・安心安全な食材を活用し親子の食育教室を開催し市場の活性化と地域貢献に取り組みます ・家庭的な雰囲気で人格形成の芽生えを大切に育てます」を定めており、内容は保育の考え方を示し職員の行動規範ともなっています。理念について、職員へは入職時や会議で周知しています。保護者に対しては入園時や面談時に口頭で伝えたり、保育室への掲示、また、理念を汲んだ内容を園だよりに掲載するなど分かりやすく周知に努めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、横浜市や神奈川区役所、本社会長からの情報を受け社会福祉全体の動向について把握しています。また、毎月開催の神奈川区コットンハーバーエリアの地域ミーティングに参加し、保健師、子育て支援者、学校教員と情報交換する中で地域の状況を把握分析しています。園長は、毎月、本社の事務方会議で税理士、社会保険労務士より経営状況について報告を受け把握しています。また、保育園利用者の推移や利用率の分析を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、毎月、本社の事務方会議に参加し税理士、社会保険労務士より経営状況について報告を受けて把握し会議等で職員と共有しています。改善すべき課題についても職員間で検討し、経営向上に向け「定員を満たす人数を受け入れたい。そのために地域育児支援を拡大し入園数を増やしたい。」と考え実現に取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 中長期計画は策定していませんが、開園時に作成された事業計画を参考にして今後の方向性を考えています。今後、中・長期の計画を作成し方向性を示していくことが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 単年度の事業計画は作成していませんが、開園時に作成した事業計画を、継続して参考にし取り組んでいます。今後、毎年作成している事業報告から、次の事業計画を作成し単年度の方針を示していくことが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

 単年度の事業計画は作成していませんが、開園時に作成した事業計画を継続して参考にし取り組んでいます。内容は、職員に周知されていますが作成時に職員の参画はなく、見直しもされていません。また、事業計画としてまとめてはいませんが、主な取り組みの計画にあたっては職員参画で作成し周知されています。今後、事業計画を作成し単年度の方針を示していくことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

 単年度の事業計画は作成していませんが、開園時に作成した事業計画を継続して参考にし取り組んでいます。また、事業計画としてまとめてはいませんが、主な取り組みについては入園時や見学時に保護者に説明し周知しています。今後、事業計画を作成し単年度の方針を示し保護者に周知していくことが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 保育園では、全体的な計画、年間指導計画、月間指導計画、週案を立てて実行していますが、それぞれ、期ごとや月ごとに振り返り欄を設けて記載しており、職員がPDCAを意識できるようにしています。毎年、年度末に自己評価を実施し、ねらいをもとに計画し様々な面から評価を行っています。評価結果について、職員全体の課題ととらえ、会議等で検討し改善につなげるように意識して取り組んでいます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 保育園では、職員の自己評価結果を分析し、課題等を整理したものを「こまつな保育園 自己評価」として文書化し職員間で共有しています。文書化することで職員同士これまでの取り組みを振り返ることができています。食育の取り組みについては、食育会議を月2回に増やしたことで子どもの発達に応じてその都度、振り返りができました。さらに、一人ひとりの発達曲線を作成し、それにより適切な栄養量の献立が作成でき、食育活動の年間計画の基礎につなげることができました。自己評価の文書を保育室に掲示し保護者にも周知しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、経営・管理に関する方針と取り組みを明確にし会議等で表明しています。また、役割と責任について触れた内容を園だよりに掲載したり懇談会、面談で表明しています。園長は、その役割と責任を含む職務分掌について文書化し会議等で周知しています。有事の際の役割については防火体制に記され、園長不在時には主任(主任不在時は副主任)への権限移譲が明確化されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園長が経営に関する研修や勉強会へ参加することは、保育体制の都合上、困難さがあります。福祉施設としての遵守すべき法令や改定された事項については、関連する書物を読んで学んだり、行政からの通知で確認しています。利害関係者と適正な関係を保つよう努力しています。職員に対しても遵守すべき法令等について会議で周知しています。今後、保育体制を整えて、園長が法令遵守の観点での経営に関する研修等に参加し学んでいくことが期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長は、日々保育に関わり保育の質の現状について把握分析しています。毎日、日誌を確認したり指導計画を職員と一緒に立てたりする中で課題を把握し職員と共有しています。また、園内研修やマニュアルの読み合わせのほか、職員の提案を受けて園内で「勉強会」を開き「地域の特性、区政について」等実施してきました。昼の時間に出来るだけ多くの職員が参加できる体制を作り、職員の小さな疑問を拾い学びとなるよう充実化を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 人事、財務等については本社が担っていますが、園長は、法令遵守と保育の質の向上、経営の安定化を常に考慮して職員配置を考え職員にも意識できるよう指導しています。園長は、本社と相談し理念の実現に向けて欠かせない人員配置や働きやすい環境整備に取り組んでいます。保育の体制に余裕があるときは、声掛けあって調整し実務にあたったり、その際、何に取り組むか「急いでやること」がカード化され「やるカゴ」に入っている状況を作り、日中に作業を終えることで残業を減らし経費の節減につなげる等工夫して取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 園長は、理念の実現のため、また、保育の質の向上のために、さらに人材や専門職の配置が必要と考え、本社会長に伝えています。外部サイトに求人募集が掲載されています。現状は、必要な人員体制が本社の取り組みで実現しており、その定着化を図っているところです。一方で、人材の確保、育成に関する方針や計画について文書化はしていません。今後は、人員体制に対する考え方や人材確保と育成に関する方針を文書化していくことが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 「期待する職員像」の明文化はしていませんが、園長は、法人が開園にあたり作成した事業計画の運営方針から汲み取った3点「・子ども主体の保育の実施 ・家庭や地域が子育てを楽しめるように支援 ・保護者に寄り添った支援」を実行していくことを「期待する職員像」と捉え機会あるごとに職員に伝えています。人事基準の定めはありませんが、園長は開園にあたっての事業計画を参考にして職員の日々の業務の様子から、専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度を評価しています。また、処遇改善の必要性について、園長は本社会長に会議等で伝えています。本社が、保育園を開園するにあたっての、福祉に貢献したいという思いや現在の経営状況は職員も理解しています。今後、本社と相談し、「期待する職員像」の明文化や人事基準を明確にし、職員が見通しをもって業務に当たれるような仕組み作りが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

 職員の労務管理責任者は園長で、勤務シフト表の作成もしています。毎月10日までに希望を出し合い、半ば頃には次月の予定表を作成しています。職員からはシフト希望について様々な事情が出されますが、希望は数か月先の事も提出可能で職員同士で話し合い、子育てに関する休暇等の希望は優先してかなえられるように協力しあっています。また、園長は日々保育に関わる中で職員の心身の健康状態や意向について把握し、悩み相談も受けています。内容により面談を設定することもありコミュニケーションが図られています。保育園では年1回の職員健康診断を実施しています。残業や持ち帰りの業務はなく、コロナ禍の頃は、在宅ワークとして保育用品の製作に取り組んだり、職員同士の協力で有給休暇を取得できるよう調整しやすくしており、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。今後、緊急の出来事にも対応できるよう人員体制の具体的な計画及び改善策の作成、職員の希望の聴取等をもとにした総合的な福利厚生の実施が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、本社の運営方針から汲み取った3点について「期待する職員像」と捉え、機会あるごとに職員に伝えています。目標項目は、「理念」「保育計画」等の11分野の内容から選んで取り組み1枚のシートにまとめられています。年明けには自己評価をはじめ、3月に園長、職員との個人面談を実施して振り返りをし、4月には新年度の目標を設定しています。年度途中には、園長との面談のほかミーティングに出来るだけ多くの職員が参加できるようにし、全体で進捗状況や内容について発表し合い確認しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、本社の運営方針から汲み取った3点について「期待する職員像」と捉え機会あるごとに職員に伝えています。園内研修は、「防災教育」「衛生訓練」等研修名をリストアップして計画し、昼の時間に出来るだけ多くの職員が参加出来るよう調整して取り組んでいます。定期的に評価・見直しをし内容も変えて行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、職員との面談や日頃の保育の様子から一人ひとりの知識・技術水準等について把握しています。新任職員を迎えた際は、園長や先輩職員がお手本となり保育や日々の業務の中で指導しています。月1回、勉強会として地域の特性や感染症について、また、靴の選び方など関心のあるテーマを挙げて学んでいます。区役所等で開かれる外部研修について情報提供し、離乳食、障がいのある子どものこと、マネージメント等それぞれの目標に沿って参加しています。また、自主的に学んで職員数名が調理師資格や保育補助資格を取得し業務に生かしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 実習生等の保育に関わる基本姿勢、マニュアルを明文化しています。受け入れの責任者は園長で保育は保育士が担当しています。これまで保育学生を受け入れてきましたが、他の専門性の学生の希望があれば、配慮して受け入れる用意はあります。実習生に対し、事前にプライバシー保護の観点でのマニュアル等を備えて指導しています。担当する保育士にも事前に配慮する事項等を伝えています。実習生の学校側と電話等でやり取りして連携し、実習の様子を共有しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 保育園の理念や保育内容について、パンフレットや外部サイトに掲載しています。第三者評価結果や苦情・相談の体制、内容については保育室掲示と保護者懇談会・運営委員会で報告し公表しています。地域に向けては、区役所こども家庭支援課や子育て支援イベントでパンフレットを置き周知しています。今後、ホームページ等の作成も検討し適切に公表していくことが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 事務、経理、取引については本社が行っており、保育園では不明瞭な面もあります。保育園の、事務、経理等については毎月、本社により定期的に確認されています。また、税理士、社会保険労務士の外部専門家による監査支援を実施し、指摘事項に基づいて経営改善につなげています。今後、本社と相談し、事務、経理等についても明瞭にし職員に周知されることが期待されます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 地域との関わりについて、保育理念で「市場で働く保護者の支援とともに地域の子育てを支援します」と明文化し「市場の活性化と地域貢献に取り組む」と保育目標としても明確化しています。園長は、保護者に市場まつりのイベント等の情報を提供しています。また、地域ミーティングに参加しそこで得た情報、小学校、学童保育のイベントや幸ヶ谷幼稚園の情報を掲示したり口頭で伝えたりしています。地域の未就学児向けに「こまつなあそびば」として月2回体育館で一緒に遊び、子育ての相談に応じる中で保護者向け講座の案内もしています。また、プレパパ、プレママ、妊婦の参加も受けており、出産や子育ての相談を受けたり一緒に遊んだりしています。ハロウィンでは子どもたちは仮装して市場内をまわりお菓子をもらったり、クリスマス会には、市場の会社の方がサンタクロース役を担ってくださり子どもたちと交流しています。3月の卒園式に市場の会社の方が多数お祝いにきてくださっています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

 ボランティアの受け入れについて基本姿勢を明確にし、受け入れ体制、マニュアルを整えていますが、これまでは希望がなく実際に受け入れたことはありません。ボランティア受け入れの際は、子どもとの交流を図る視点で研修や支援を行ったり、学校教育への協力をしていく用意があります。今後、地域ミーティング等でさらにアピールし受け入れていくことが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 保育園では、神奈川区役所こども家庭支援課や警察署、消防署、横浜市中央児童相談所等の関係機関を記したリストや資料を作成して保育室に掲示しています。また、会議で職員に説明し誰もが対応できるようになっています。園長は、地域ミーティングに参加し各関係機関の状況を聞くとともに、横浜市中央児童相談所や神奈川区役所こども家庭支援課とは個別ケースについて情報交換し連携して対応していく体制を整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、日々、保護者とのやり取りや地域ミーティングに参加し、近隣住民、民生委員と情報交換し地域の福祉ニーズや生活課題の把握に努めています。数年前には、コットンハーバー地域の住民が切望していた、中央市場通りにつながる歩行者用道路「コットンみらいロード」が開通したことで、保育園の子どもが安全に散歩に出かけたり、コットンハーバー地区の住民が市場や保育園へ来所しやすくなっています。保育園では、月2回の「こまつなあそびば」の実施により交流、悩み相談、講座、イベントへの参加など多様な支援につなげ専門性を地域に還元できるよう努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、地域子育て支援の予定の計画を立て、ビル1階の掲示板で周知しています。また、お知らせを神奈川区役所こども家庭支援課やコットンハーバー地域の親と子のつどいの広場「ほしのひろば」に置いて周知しています。横浜市中央卸売市場の年1回のお祭りの際は保護者に参加を呼びかけています。年1回、市場の会社の方たちと防災訓練に取り組んでいます。発災を想定し5階の体育館へ避難するときも協力してもらい、避難後は、はしご車の避難訓練を見学します。ビルの1、3、4階にAEDを備えています。また、「赤ちゃんの駅」に登録しビルの1階に掲示して利用案内しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 運営方針に「子どもの意思及び人格を尊重して保育を提供する」と明記し、子どもの人権尊重についての園内研修や勉強会で職員に周知しています。職員は、年1回横浜市の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を用いて自己点検し、結果を基に話し合いをしています。自己評価表や目標シートにも子どもの人権尊重の項目を設け、職員が自己評価を通して理解を深められるようにしています。保育士は、一人ひとりの子どもに寄り添い、子ども同士が互いを認め共に育ち合えるように働きかけています。性差についても会議等で取り上げ、先入観による固定的な対応をしないよう話し合いをしています。外国籍など文化の違いも尊重しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:c】

 定員9名という家庭的な保育園ということもあり、個人情報およびプライバシー保護についてのマニュアルを作成し、情報等を共有する時には都度、会議等で確認し、職員が保護者のプライバシーを意識して保育にあたれるようにしています。ただし、子どもについては、プールの時にテラスをカーテンで覆い外からの視線を防ぐなどの配慮をしていますが、子どものプライバシー保護についてマニュアルなどを作成して文章化したり、あらためて話し合いをすることはしていません。今後の取り組みが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 パンフレットに保育理念・保育目標、一日の流れ・行事、概要などを掲載し、利用希望者等に園の情報を提供しています。パンフレットを神奈川区子育て支援拠点「かなーちえ」や親と子のつどいの広場「ほしのひろば」に置いています。また、外部の情報サイトに園の情報を提供しています。利用希望者等からの問い合わせには随時対応し、見学は希望を聞いて日程調整しています。見学時には園長がパンフレットを用いて園内を案内し、見学者マニュアルに沿って説明しています。園の特徴である事業所内保育所や食育について特に丁寧に説明しています。説明後には利用者の質問に答え、育児相談にも応じています。マニュアルは定期的に見直しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園時には、個別に面談を実施し、園長が重要事項説明書を用いて理念や方針、保育内容、費用などについて説明して保護者の質問に答え、同意書を得ています。写真を見せて説明したり、持ち物の実物を見せたり、具体的な事例をあげて説明するなど、分かりやすい説明の工夫をしています。面談では、保護者が記載した書面を確認し、子どもの成育歴や家庭の状況、要望などを聞き取っています。保護者の状況に応じて、何回でも面談や電話で相談にのり、保護者の入園への不安を軽減し、安心して園生活を始められるように支援しています。入園後に変更事項があった場合には、書面と口頭で説明し、理解を得ています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 卒園後に提携する幼稚園に進む場合には、文書と口頭で引き継ぎをしています。子どもたちが提携園の行事に参加するなどして交流することで、安心して転園できるように支援しています。保育園に進む場合には、引継ぎ文書などは作成していませんが、保護者から依頼があれば対応しています。転園先の決定にあたっては、保育園の見学や区役所の手続きなどに園長が同行したり、相談にのるなどの支援をしています。卒園にあたっては、メッセージを渡していつでも相談にのる旨を伝えています。子どもや保護者の誕生日にはメールや電話でお祝いのメッセージを伝えて、様子を確認するなど継続した支援をしています。卒園後も子どもや保護者が遊びに来て、様子を報告したり、相談をしたりするなど、つながりが継続しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育士は、日々の保育の中で子どもの言葉や表情、仕草などから子どもの満足度を把握しています。年1回、満足度アンケートを実施し、保護者の満足度を把握しています。毎日の連絡帳や朝夕の会話、年1回の懇談会と個人面談などで保護者の意見や要望を聞いています。懇談会の後には、保護者と職員が参加して運営委員会を開催し、意見交換しています。把握した意見や要望はミーティング等で職員間で共有し、早急に対応しています。椅子に足を挟む危険があるという声を受けて椅子ではなく安全な台を用意したり、帰りに玄関の電気が消えて自動ドアが動かなくなるという保護者の声を受けて、ビルの管理人につなぎ最後の保護者が帰るまで動くようにしたなどの事例があります。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 相談・苦情受付担当者は主任代理、相談・苦情解決責任者は園長で、第三者委員2名を定めています。重要事項説明書に苦情解決の仕組みを掲載するとともに園内に掲示し、入園時及び進級時に説明しています。ビルの1階入り口にある園のポストを意見箱として用いたり、無記名の保護者アンケートをポストに入れてもらうなど、保護者等が苦情や意見を申し出しやすい工夫をしています。保護者からの意見や苦情の内容と解決策は記録し、職員間で共有しています。検討内容と解決策は保護者に必ずフィードバックしています。今まで苦情はありませんが、あった場合にはお便り等で公表する仕組みがあります。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 重要事項説明書に「連絡・ご相談されたいことは、園長・担任にお尋ねください」「日頃より気になること、疑問に思うことなど教えていただきたいと思います」と記載し、口頭でも保護者に伝えています。連絡帳、送迎時の会話、面談、電話、書面、メールなど様々な方法で相談できるようにしています。第三者委員の連絡先を重要事項説明書と掲示で周知し、保護者が直接申し立てることができるようにしています。また、神奈川福祉サービス適正化委員会のチラシを掲示するとともに、入園時に配付し、口頭でも説明しています。区役所の窓口に相談できることも伝えています。相談内容によっては事務所を用い、落ち着いて相談できるようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 相談・苦情対応マニュアルがあり、毎年読み合わせをして職員間で共有し、見直しをしています。朝夕の送迎時には、園長始め職員は保護者と会話をしてコミュニケーションを取り、相談に応じています。毎日の連絡帳やメール、電話でも保護者の相談に応じています。保護者から相談を受けた保育士は、園長に報告し、対応について相談しています。必要に応じて面談を実施し、内容に応じて園長、担任、管理栄養士が対応しています。場合によっては複数で対応することもあります。相談内容は職員間で検討し、早急に対応するようにしています。検討に時間がかかる場合には、その理由を説明しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 リスクマネジメントの責任者は園長です。事故防止・対応マニュアルがあり、毎年読み合わせをし、見直しています。事故発生時の対応、水遊び前の安全訓練、年3回の園外活動安全訓練などの研修を実施しています。消防署によるAEDの訓練も年1回実施しています。事故は些細なものまで記録して職員間で共有し、再発防止策を検討しています。ヒヤリハットも記録し、園長と安全担当保育士で分析し、ミーティングで改善に向けて話し合いをしています。他施設の事例についても共有し、園にあてはめて検証しています。定期的に、チェックリストを用いて散歩ルートや公園の安全チェックをするなど、事故防止に向けて取り組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策の責任者は園長です。感染症マニュアルがあり、毎年職員で読み合わせをし、見直しをしています。また、行政などから通知があった時にも随時見直し、職員に周知しています。年3回嘔吐処理のシミュレーション訓練を実施し、周知徹底を図っています。感染症対策として、消毒、換気、手洗いの徹底、1日3回の検温などを行っています。季節ごとの感染症の予防策や地域の感染状況などを毎月の保健便りや掲示で保護者に情報提供しています。感染症が発症した場合には掲示し、保護者に周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 災害対応マニュアル、避難確保計画、防災計画、災害発生時役割分担表などを策定し、職員に対してマニュアルの読み合わせや避難確保計画の共有、災害用伝言ダイヤル(171)の配信訓練などを行い災害時の対応体制を整えています。事業継続計画(BCP)も策定しています。保護者および職員と災害用伝言ダイヤル(171)を用いて連絡する体制を整えていて、年3回訓練をしています。毎月、地震や津波、大地震などを想定した避難訓練を実施していて、保護者への引き渡し訓練も行っています。不審者訓練も年3回行っています。食料や備蓄は備蓄リストを作成し、園長と栄養士が中心となって管理しています。非常食を食べる訓練もしています。非常災害時には市場と連携する体制があり、一緒に5階の体育館(室内遊戯場)に避難する訓練をしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

 保育の標準的な実施方法について、全体的な計画に文書化されています。感染症予防や安全管理等のマニュアルを整えて事務室に備えており、職員はいつでも確認することができます。標準的な実施方法について、毎月のミーティングで読み合わせをして確認し職員に周知しています。園長は、日頃から保育に関わり標準的な実施方法に基づいた保育が行われているか、また、子どもの自主性を尊重した保育になっているか確認しています。一方、子どもの尊重やプライバシー保護については全体的な計画に「基本的人権を尊重する 児童の最善の利益を考慮する」と明文化していますが、マニュアルの作成はしていません。さらに具体的なマニュアルに整えることが期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 毎月のミーティングでは、保育内容について振り返りをする中で検証・見直しがされ、指導計画に反映されています。 計画を変更するなど特別なことは、計画書に別枠で「その他」欄を設けてあり、そこに記載しています。各種、マニュアルについても毎月読み合わせをして見直しています。園内に感染症が流行する時期に、妊婦である保護者は保育室まで入らないで1階で待機し職員が1階まで子どもの送迎を対応することにしました。職員や保護者からの提案や社会状況により見直しをし、合意を得て変更しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

 指導計画作成の責任者は園長で、職員は全体的な計画に基づいて年間指導計画、月間指導計画、週案を作成し、それぞれ期ごとや月末等にミーティングで振り返りをし確認しています。また、園長、職員は、日々の保護者とのやり取りから保育では何が必要かを把握し計画に反映させています。指導計画は個々のニーズを把握し職員で共有してから策定しています。支援困難なケースへの対応は、園長が神奈川区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所と連携して相談し行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 指導計画の見直しについては、月1回のミーティングで全職員で検討し、常勤職員が検討後の計画を定期的に見直し、全職員に周知していく手順で取り組んでいます。変更した内容について、会議に参加できなかった職員に口頭と引継ぎノートで報告しています。職員が感染症にかかってしまい職員体制の都合上、保育園を休園にせざるを得ないときは、保護者、職員全員に確認の連絡を取り同意を得て決定しました。指導計画の見直しを行った後はその結果を次の計画作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

 入園後の子どもの発達状況や生活状況を経過記録にまとめて事務室に保管しています。園長は、定期的に記録を確認し、指導計画に基づく保育が実施されているか確認しています。また、保育士により記録内容や書き方に差異が生じないよう、園長が記した例文を示して指導しています。多くの職員が在園している昼の時間帯に短時間であっても、捻出して情報の共有、確認をしています。今後、実務の時間短縮や情報共有の迅速化に向けてコンピューターネットワーク導入の検討が期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 子どもに関する記録の管理責任者は園長です。個人情報保護に関して、記録の扱いや文書保存期間、漏えい対策等のマニュアルを策定しています。個人情報の保護について、職員に対しては入職時の研修で説明しミーティングでマニュアル確認を行って全職員で遵守に努めています。保護者には入園時の面談で説明し同意書を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画は保育理念、保育目標、保育方針に基づき、児童福祉法や保育所保育指針などの趣旨を踏まえて作成されています。計画は、子どもの発達過程、子どもと家庭の状況、地域の実態などを考慮して作成しています。全体的な計画には、年齢別の発達過程、年齢ごとの養護と教育の保育内容、食育、保育士の配慮及び家庭との連携、健康支援、環境衛生管理、安全対策・事故防止、地域への支援、保育の特色などが記載されていて、園の保育の全体像を示すものとなっています。全体的な計画は、毎年子どもや保護者の姿、時代背景などを踏まえて保育士が見直しをし、職員会議で読み合わせをし全職員で共有しています。計画は園内に掲示し、保護者と共有しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 保育室は床暖房使用のウッディー仕上げが施されていて、温湿度計で定期的に確認し、適切な状態を保持しています。感染症対策として空気清浄機を設置し、常時窓を開けて換気しています。衛生管理マニュアルを策定し、清掃、消毒を定期的に行っています。丸洗いができる布団は、布団洗濯表を用いて週1回以上洗濯・乾燥し、シーツも園で洗濯しています。ワンルームの保育室ですが、柵などを用いてスペースを区切り、子どもが集中して遊びたい時やゆっくりと身体を休めたい時など、状況に合わせて用いています。保育室の環境は、子どもの成長や発達に合わせて見直しをし、それぞれの子どもが落ち着いて過ごせるようにしています。食事と睡眠の機能別の空間を確保しています。トイレやシャワーの設備は、チェック表を用いて清掃していて、清潔に保たれています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 一人ひとりの子どもの個性や家庭状況などを把握し、会議や日々のミーティング等で職員間で共有し、個々に応じた支援をしています。
 保育士は、子どもが自分の気持ちを伝えられるように寄り添い、子どもの言葉や表情、しぐさ、視線などから子どもの気持ちを理解して受け止め、子どもが自分の気持ちを言葉や行動で表すことができるように働きかけています。言葉で自分の気持ちを表現することが十分でない子どもには、発する言葉を拾ったり、言葉に言い換えたりしています。保育士は、子どもの話をよく聞き、笑顔でわかりやすい肯定的な言葉で話しかけています。子どもの様子を見守り、小さなことでもできたことを一つずつ褒めて認め、子どもが肯定感を感じ、意欲的にいろいろなことに挑戦できるように支援しています。子どもの甘えも受け止めてスキンシップもたくさん取っています。子どもに危険がない限りは制止の言葉は用いないように心がけ、子どもが自分で気づけるように分かりやすく説明しています。日々子どもの状況について話し合い、振り返りをする中で子どもへの姿勢が職員間で共有されていて、気になることがあった時にはさりげなく入れ替わったり、声をかけあったりする関係ができています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子どもの発達状況や家庭環境を把握し、一人ひとりの子どもに応じた基本的生活習慣が身につけられるように支援しています。分かりやすい生活の流れを作り、自分の物を選んだり、靴をしまったり、食事の前に手を洗ったりと毎日の繰り返しの中で少しずつ生活習慣が身につくように支援しています。
 保育士は、子どもの気持ちの動く瞬間を見逃さないように努め、自分でやりたいという気持ちを大切に、声をかけたり、手本を見せるなどし、子どもが自分でできるように援助しています。少しでも出来たことはその場で褒め、子どもが自分でできた喜びを感じ、次につなげられるようにしています。子どものやりたくない気持ち、やれるのにやってほしい気持ちなども受け入れ、子どもの意欲を引き出すような声掛けをし、少しずつ自分でできることが増えるように支援しています。トイレットトレーニングは一人ひとりの子どもの興味に合わせてトイレに座ってみることから始め、保護者に園での様子を伝え、家庭と連携しながら少しずつ進めています。午前に眠くなる子どもには横になる時間を作ったり、なかなか眠れない子どもは眠りに入る時間をずらすなど、保護者と相談しながら個々に合わせた対応をしています。2歳児には、手洗いなどの生活習慣の大切さを分かりやすく伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 保育室には、子どもの発達や興味・関心に合わせたおもちゃが子どもの手の届くところに置かれていて、子どもが自由に選び、遊べるようになっています。保育士は、子どもの遊ぶ様子を見守り、子どもの言葉に共感したり、一緒に遊んだり、おもちゃを足したりし、子どもが遊びを広げられるように支援しています。行事は、導入期間を長く取り、9月のお月見には、散歩でススキを見たり、ウサギのリズム遊びをしたり、月の共同制作をするなど様々な面から子どもの興味を引き出し、意欲的に行事を楽しめるようにしています。
 晴れた日には、近隣の公園に散歩に出かけて、季節の自然に触れたり、市場で働く人と挨拶や会話を交わしたりしています。散歩では、交通ルールなども学んでいます。ハロウィンの時には仮装して市場を回ってお菓子をもらったり、クリスマスには市場の人がサンタクロースとなってプレゼントを配ってくれたり、市場開放日には、野菜や魚を見せてもらったり、魚の解体ショーを見学したりと、市場の保育園ならではの経験をしています。2歳児は買い物体験もしています。天気や子どもの体調によっては、5階の室内遊戯場で遊んでいて、広々とした室内遊戯場で三輪車やコンビカー、フラフープ、滑り台などで身体を動かしたり、ままごとの家でごっこ遊びをしたりと思い思いに遊んでいます。季節の製作や歌、リトミック(週1回)などの表現活動も行っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 長時間にわたり園で生活することを配慮し、個別の月案に養護・食育・家庭との連携について明記し、一人ひとりの子どもの生活リズムや心身の状態に十分に配慮して保育しています。0・1・2歳児が同じ空間を用いていますが、サークルを用いて空間を仕切り、子どもが安全に落ち着いて過ごすことができるように環境を整えています。月齢による発達差の大きなクラスですが、月齢の低い子どもがのんびりと過ごしている間に、月齢の高い子どもは1・2歳児と一緒に遊ぶなど、子どもの月齢や発達に合わせた活動ができるようにしています。全職員で子どもの状況について密に情報共有し、子どもの発達状況や子どもからの発信に応じて担当を決め、子どもが安心し、愛着関係が築けるようにしています。おむつ替えや授乳は一対一で子どもに優しく声掛けをしながら行っています。保育士は子どもの喃語や表情、視線などに優しく応え、スキンシップもたくさん取り、応答的な関わりをしています。保護者とは、毎日連絡帳や朝夕の会話で子どもの様子について密に情報交換しています。保護者の相談にはいつでも応じ、保護者の子育ての悩みにのり、安心して子育てができるように支援しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 保育士は、子ども一人ひとりの発達段階を把握し、保育において配慮すべきことを個別月案に落とし込んで共有し、自我の育ちを大切に保育しています。保育室には、子どもの手の届く所におもちゃが並べられ子どもが自由に選んで遊べるようになっています。室内遊戯場や公園では、自由に身体を動かし、好きな遊びを選び、探索活動をしています。保育士は子どもの遊ぶ様子を見守り、興味や小さな発見を丁寧に拾って代弁したり、あそびかたを見せたりし、子どもが遊びを広げられるように支援しています。子どもが活動に参加したくないという時には強制することなく、肯定的な声掛けをして子どもができることを認め、子どもが達成感を感じ、自分から活動に参加できるような働きかけをしています。おもちゃの取り合いなどのもめ事の際には、危険がない限り近くで見守り、間に入って双方の話を聞いて言葉を添えて仲立ちをしています。年上の子どもと年下の子どもとのもめ事の際には、年上の子どもの話を尊重するようにしています。子どもたちは、散歩や行事で市場の人と交流しています。保護者とは連絡帳だけでなく朝夕の送迎時には子どもの様子について会話をして保護者の相談にのり、連携して子育てができるように支援しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

非該当(3歳以上児の保育をしていないため)

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 園はワンルームの保育園で段差のない構造となっています。障がいのある子どもには、障がいの特性を考慮した、個別の指導計画を作成し、毎日の記録をつけています。援助の仕方や運動、食事介助などについての手順書も作成して、園内研修で職員に周知し、皆で同じ対応ができるようにしています。面談や日々の会話で子どもの様子や園の取り組みについて保護者と情報共有し、連携しています。保育士は障がいのある子どもに分け隔てなく接し、子どもたちも障がいを一つの個性として認め、自然に接しています。区や医療機関、地域療育センターなどの関係機関とも連携し、助言を計画の作成や保育に生かしています。保育士は行政などの障がいの研修に参加し、伝達研修をしています。保護者には重要事項説明書に園の方針を掲載し、入園時に説明しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画、年間指導計画、月案に長時間に渡る保育への配慮を記載し、保育しています。定員9人の保育室ということもあり子ども一人ひとりの要求にこたえることができ、家庭的でゆったりとした雰囲気となっています。夕方には、日中の活動や子どもの様子を見ながら、20分ごとにお茶タイムの時間を取り、動と静のバランスを見ながら遊びや過ごし方を工夫しています。子どもの声を聞いて好きな遊びを提供し、子どもが落ち着いて好きな遊びを楽しめるようにしています。18時までの保育園のため補食などの提供はしていませんが、子どもが長時間園で過ごすことも配慮し、午後のおやつは炭水化物をメインとしています。ミーテイングで子どもの情報を共有するとともに、引き継ぎノートと口頭で保育士間で伝達し、保護者に子どもの様子が確実に伝わるようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

非該当(3歳以上児の保育をしていないため)

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 健康管理マニュアルを策定し、毎年、読み合わせをしています。マニュアルは毎年およびガイドラインの変更時など必要に応じて見直しをしています。園長が年間保健計画を作成して職員間で共有し、保育しています。朝の受け入れ時には、子どもの様子を観察して検温し、保護者から家庭での健康状態を聞き取っています。連絡帳でも把握しています。保育中の子どもの体調悪化や怪我については、保護者に電話連絡をし、対応について相談しています。保護者が迎えに来るまでは、事務室で個別対応しています。入園時に保護者に既往症や予防接種などの情報を健康台帳に記載してもらい、その後は保護者から情報をもらい園で追記しています。毎月の保健便りに感染症の流行状況や季節ごとの健康に関する情報を掲載して保護者に提供しています。
 乳幼児突然死症候群(SIDS)については、0歳児クラスは5分おき、1・2歳児クラスは10分おきに呼吸確認し、記録しています。ブレスチェック表にマニュアルを掲載し、全職員で読み合わせをしています。保護者に対しては、乳幼児突然死症候群(SIDS)のチラシを配付し、説明しています。チラシを園内にも掲示しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 毎月の身体測定、年2回の健康診断と歯科健診を実施し、結果を記録しています。健康診断と歯科健診前には、確認してほしいことを保護者に用紙に書いてもらい、健診結果を記載して保護者に渡しています。受診の結果も確認しています。手洗いやうがいなどの指導を年齢に合わせて行っています。食後には歯磨きを保育士が行っています。懇談会では歯科医である保護者が、歯磨きの話をしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 横浜市の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に園としてのアレルギー対応マニュアルを作成し、それに基づき適切な対応をしています。マニュアルは毎年読み合わせをし、見直しをしています。アレルギーのある子どもに対しては、かかりつけ医が記載した「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、毎月、保護者、園長、管理栄養士で面談をして献立を確認し、必要な対応をしています。除去食の提供にあたっては、別トレイ、名札を用い、声に出して確認しています。園は、給食にはアレルギー食材を用いていませんが、事故防止のために提供時には確認をし、職員の意識づけを図っています。災害に備えてアレルギー児にはビブスを用意し、誰でもが分かるような体制を作っています。ハロウィンなどで市場の人たちからおやつをもらった時には必ず全てチェックしています。熱性けいれんなどの慢性疾患の子どもに対しても、保護者から情報を得、対応を職員間で共有しています。また、アレルギー対応や他園での事故事例などの園内研修もしています。保護者に対しては、入園のしおりに園の方針を記載し、口頭でも説明しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 保育目標に「市場ならではの食育を通じ心身共に健やかな子を育てます」と明記し、子どもが食への関心と食べる喜び、達成感、意欲を持つことを大きなねらいとし、「食育活動・計画」を策定し、保育しています。朝の会では、2歳児が管理栄養士にその日の献立を聞いて発表し、食への期待感が持てるようにしています。
 保育士は、一人ひとりの子どもの食べる量を把握して配膳し、子どもが完食やお代わりの達成感を感じられるようにしています。保育士は、個々の子どもに合わせて前向きな声掛けをし、食べることへの意欲がわくように働きかけています。食材は市場ならでの新鮮で安全な食材を用いています。食育活動として、季節の野菜や果物に触れたり、買い物をしたり、豆の莢むきやキノコさきなどの野菜の下ごしらえ、米とぎ、ケーキの飾りつけなどのクッキングをしています。法人本社の畑で野菜や果物の収穫体験もしています。また、体育館や散歩先の公園など、色々な場所で食べる経験もしています。保護者には、毎月給食だよりと献立表を発行し、園の取り組みを伝えています。保護者から要望があればレシピの提供をしたり、管理栄養士が食事の相談にのったりしています。コロナ禍以前には、懇談会でだしの取り方や時短料理などの紹介をして試食もしていましたが、現在は情報提供にとどまっています。保護者からの要望も多く、園では感染状況を見ながら再開していきたいと考えています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 子ども一人ひとりの発達状況や喫食状況、咀嚼の様子などを把握し、個々の子どもに応じた量や食材の大きさ、硬さに考慮して調理しています。月2回の食育会議では、個々の喫食状況について話し合い、献立作成や調理方法に反映させています。個別の月案に食育の項目を設け、食育会議の結果を反映させています。また、お腹の調子が悪い子どもには押し麦抜きのご飯を提供するなど、個々の体調にも配慮しています。献立は旬の食材を多く用いた季節感のある献立となっていて、市場から仕入れた魚を多く用い、子どもが魚に親しめるように味付けや調理法を工夫しています。きのこと海藻も多く取り入れています。クリスマスにはリース型のハンバーグ、節分には大豆ご飯とイワシ、恵方ロールなど季節の行事食も取り入れています。子どもの誕生日にはその子どもの好きなメニューを提供しています。調理室は保育室とカウンターで接していて、調理している音や匂いを感じることができます。衛生管理マニュアルを策定し、マニュアルをもとに記録を取り衛生管理を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 毎日、連絡帳を用いて情報交換しています。朝夕の送迎時には保護者と会話をし、子どもの園での姿を楽しいエピソードとともに伝え、保護者が子どもの成長を感じられるようにしています。メールや電話でも伝えています。年1回の懇談会では、保育の意図や目的、園での子どもの姿を伝え、保護者が園の保育への理解を深められるようにしています。懇談会は保護者同士が交流する場ともなっています。保育参加や保育参観を希望により随時受け入れ、行事については年度始めに行事予定を配布し、いつでも参加できるようにしています。クリスマスのコンサートで保護者がスティールパンとピアノを演奏したり、卒園式に他のクラスの保護者も参加するなど、家族のような交流があります。毎月、園だより、給食だより、保健便りを発行するとともに、活動の様子の写真を園内に掲示し、保護者に情報提供しています。保護者からの情報は記録して、職員間で共有し、保育に生かしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 朝夕の送迎時には、職員皆が笑顔で保護者に声をかけて挨拶を交わしてコミュニケーションを取り、保護者との信頼関係を築くように努めています。年1回個人面談を実施するほか、保護者から要望があればいつでも面談に応じています。連絡帳やメール、電話でも保護者の相談にのっています。保護者から相談を受けた保育士は園長に報告・相談し、即日対応しています。必要に応じて個人面談を設定し、時間は保護者の状況に合わせて決めています。内容によって、園長、担任、管理栄養士が対応し、2人体制で対応することもあります。必要があれば関係機関を紹介したり、園長が子育てについての悩みの相談にのったり、管理栄養士が食事について専門的な視点からアドバイスをするなど、園の専門性を生かした支援をしています。相談内容は記録して職員間で共有するとともに、必要に応じて個別月案の「家庭との連携」に記載し、継続して支援しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 虐待及びハラスメントのマニュアルを整備し、園内研修で職員に周知しています。毎年、マニュアルの読み合わせをし、見直しています。朝の受け入れ時には、職員は子どもと保護者の様子を観察しています。朝の受け入れ時やおむつ交換、着替え時には子どもの身体をチェックするとともに、子どもの言葉や行動などを観察しています。連絡帳でも保護者の様子を確認しています。気になることがあった場合には、園長に報告し、ミーティング等で対応について協議し、皆で見守る体制を築いています。必要に応じて神奈川区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所に報告し、連携しています。日々の会話やメール、電話などでコミュニケーションを取って信頼関係を築き、保護者の話を傾聴して相談に応じ、子育ての悩みを抱え込まないように支援しています。保護者が困っている時に相談できるよう、多くのコミュニティにつながりが持てるよう働きかけています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 指導計画や日誌には自己評価の欄があり、保育士が日々の保育の中で振り返りができるような仕組みができています。保育士は、ミーティングや職員会議などで一人ひとりの子どもの姿について話し合い、振り返りをしています。保育士は、子どもの育ちや意欲、取り組む過程などを大切に保育をしていて、振り返りもその視点にたって行われています。職員は、毎年目標シートを用いて園長面談で一緒に自己評価をしています。年度末には、職員一人ひとりが自己評価をし、それを基に園長が園の自己評価としてまとめています。園の自己評価は職員会議で周知し、課題や改善策について話し合っています。自己評価で明らかになった課題を受けて、勉強会のテーマを決めたり、保育環境の見直しをしたりなど、保育の質の向上に生かしています。