社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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しらかし園

2021年04月09日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研データサービス

② 施設・事業所情報
名称 しらかし園 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 就労継続支援(B型) 定員 37 名
所在地 215-0023
川崎市麻生区片平5-24-1
TEL 044-988-5503 ホームページ http://www.ikuoufukushi.takatsu.kawasaki.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1988年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 育桜福祉会
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:4 名
専門職員
社会福祉士:1 名
介護福祉士:2 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
建物:鉄筋コンクリート2階建て
 :築年数 32年
  :建物面積 398㎡
 :延べ床面積 588㎡
部屋:作業室
  :医務室
  :更衣室
  :事務室
  :会議室
  :食堂

③ 理念・基本方針
 法人の基本方針につきましては、ホームページ、パンフレットに記載されています。毎年度、職員に配布される法人の規定集にもあり、新入職員の入職時のオリエンテーションの際に説明があります。
 また、現在の基本方針を立ててから年数が経過しているため、見直しをしていく予定があります。
 現在の基本方針は次の内容になります。 
 「心の風景を自由に表現できるキャンパスの創造をめざして」
1.利用者が、喜怒哀楽を思う存分、自由に、表現できる心豊かな生活をめざし、支援します。
2.一人ひとりの「人」が主役(自主)である尊厳を持った生き方(自立)を目指します。
3.障害のある人、一人ひとりを大切にし、思いや願いに対し、その実現を図るべく個々に合致した支援・援助を行います。
4.地域に居住する障害のある人に、障害状況や年齢、疾病、経済環境に関係なく、誰もが安心して暮らせる地域社会を柱とした福祉サービスを展開します。
5.次の事項を念頭に福祉の実現を図ります。
(1)人権と人格の尊重
(2)利用者が地域社会の中で生きる術を体得し、生きがいを感じ、愛を醸し出せる福祉サービスの提供
(3)障害のある人の思いとその家族の思い
(4)障害のある人にとっての家庭
6.地域関係機関と連携し、特定グループ・団体・思想・思いに偏ることなく、利用者が希望する事業展開と支援・援助の方策を図ります。
7.時代の流れは社会を変え生活環境を変化させます。常に時代を敏感に察知し、利用者が求める福祉サービスの提供を行います。
8.法人が社会の福祉サービス提供機関としての機能、事業所が地域社会の福祉サービス提供拠点としての機能、及び職員が福祉サービスの専門集団としての機能を充分に発揮できる連携をもった包括的な取り組みを行います。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・授産施設であった経緯から、就労継続支援B型事業と生活介護事業の多機能型の運営をしています。
・グループホームを利用している方が39名のうち10名の方がいるため、法人内外のグループホームや相談支援事業所との連携を密に行っています。
・近隣に福祉施設や学校が多いため、1年に1回の施設開放行事では、近隣の5団体と合同で「かたひらなかよしフェスタ」というイベントを行い、施設間の交流のほか、地域住民との交流を図っています。 
・地域のお祭りなどのイベントには積極的に参加し、近年は、しらかし園の活動にも取り入れている障害者スポーツの「ボッチャ」の体験コーナーを設け、地域の方にしらかし園のことを知ってもらう取り組みのほか、利用者にはスタッフ側として体験コーナーのサポートに携わってもらうことで、参加者に利用者と触れ合う機会にもしています。
・月2回、洋服ポスト(古着回収)を開催し、地域の方にしらかし園を知ってもらう取り組みをしています。受付を利用者にも行ってもらうことや「ありがとうカード」を手渡しすることで、地域住民とかかわる機会にしています。
・近隣の小学校との交流、中学校の職場体験、高校の授業の一環としての体験の受け入れ、保育士、介護などの体験、社会福祉士等の資格取得のための実習の受け入れなどを積極的に行い、社会資源の1つとして活用してもらっています。
・利用者支援において利用者の意向を確認するため、アンケートなどは写真やわかりやすい文章などの工夫をし、一人ひとり聞き取りをして、聞き取りの結果を家族に伝える方法をとっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/06/26(契約日) ~2021/03/10(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆ 職員は、利用者の自己決定や意思表示を尊重した支援に努めています
 利用者個々の性格や障害特性に合わせた支援を提供しています。作業については本人が得意とするところを生かし、1つの作業も細分化し利用者が自信を持って作業の流れの中で役割を果たし、皆で行ったという達成感につながるようにしています。職員は、利用者の特性に応じた環境設定を行い、日々の打ち合わせで支援の状況を振り返ります。利用者が自身の作業を選択し主体的に取り組めるようそのつど意向を聞いたり、口頭だけでなく写真等も用いてわかりやすいアンケートの書式で聞き取りを行います。利用者同士が話し合う機会として毎月自治会が開き、選挙で選ばれた自治会の役員が、利用者の意見や要望について職員と話し合っています。

◆ 積極的に地域住民との交流を図り、利用者の社会体験を促進しています
 地域の福祉祭り等のイベントに参加し、利用者が施設で実践している障害者スポーツ「ボッチャ」を地域の人たちと競技します。投球後のボールを利用者が次の競技者に渡すことで地域の人たちとのふれあいが生じます。地域の子どもたちが「ボッチャをしらかし園の人とやったよ」と話をします。また、10月開催の「かたひらなかよしフェスタ」には多くの地域住民が参加し、しらかし園では長年の伝統で利用者と地域住民がチアダンスを披露しています。夏ごろからボランティアがダンスの手ほどきをしてくれ、参加者が多く二つのグループに分かれて練習します。利用者は地域住民の一人として、地域の人たちと一体となって楽しいひと時を過ごします。
改善を求められる点 ◆ 個別支援計画の目標に沿ったケース記録が期待されます
 利用者支援の日々の状況はケース記録に記入していますが、職員が個別支援計画の目標達成に向けてどのような支援をしたかの記述はありません。日々の利用者支援の成果の積み重ねの結果として、個別支援計画の目標達成が可能になったことの評価が求められます。ケース記録の記述を工夫し、個別支援計画の目標に沿った支援の記述が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 自己評価をしていく過程で、組織としての取り組みを再確認することで、役割の理解を深めることができました。
 また、施設に改善が求められる点として、個別支援計画の目標達成に向けての支援の記録をしていくことを挙げていただきました。今後、日々の利用者支援において個別支援計画の目標を意識していくことで、さらに一人ひとりのニーズの沿った支援につなげられるよう取り組んでいきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 「利用者が、喜怒哀楽を思う存分、自由に、表現できる心豊かな生活を目指し、支援します」「地域に居住する障害を持つ人に、障害状況や年齢、疾病、経済環境に関係なく、誰でもが安心して暮らせる地域生活を柱とした福祉サービスを展開します」など、8項目の法人の基本方針をホームページに掲載しています。施設の事業計画に、法人の基本方針に基づき事業を運営することを明示し職員に周知しています。基本方針の実践に向けた施設の取り組みと個別プログラムを具体的にわかりやすくパンフレットに明示し、利用者や保護者に説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 毎月開催の法人の管理職会議に施設長が出席し、福祉環境の変化や動向や法人としての取り組みについて話し合い、障害者施設運営の課題を把握し職員会議で職員に周知しています。また、ホームページに掲載される神奈川県の障害福祉情報サービス等に注意を払い、行政の動きや福祉計画実施状況の把握に努めています。地域の福祉ニーズを事業計画に反映し、また、利用者の施設の利用率などを分析し利用率の向上に努めています。2019年度は、生活介護事業の利用率は90.7%、就労継続支援B型事業は104.5%の実績でした。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 法人の経営企画委員会等で法人全体の経営状況・課題を分析し、年度毎の事業計画や事業報告及び収支の状況をホームページに開示しています。2020年度の法人の事業計画重点運営項目に、利用者の人権尊重などにかかわる利用者支援の充実、職員の確保と育成、内部管理体制の整備と安定した経営を掲げています。施設長は、法人の事業計画の実践に向けた施設としての取り組み課題を明確にし、施設の事業計画に反映し職員に周知しています。コロナ禍の中で職員の確保は大きな問題であり、施設としてもパート職員の採用など、対策実施に努めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 第3期中期計画(令和1年~5年)を策定しています。中期計画に法人の基本方針を明示し経営課題を明記しています。中期計画の実践に向けて法人の事業計画を策定しています。第3期中期計画2年目の今年度は、利用者支援の充実、職員確保・育成・定着に向けた取り組み、法人の安定した経営の3項目を重点運営項目に設定し、虐待防止体制の適正な運用、内部自主評価の実施、風水害及び土砂災害対策の強化、人材育成方針に基づく体系的な研修の実施、及びパワーハラスメント防止対策の整備等、課題を具体的に明示しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 中期計画と法人の事業計画に基づき施設の年度ごとの事業計画を策定しています。今年度事業計画の重点運営項目に、地域交流、利用者の健康維持、社会学習プログラムの充実、利用者支援の質の向上に向けた取組を掲げています。地域イベントに参加し障害者スポーツ「ボッチャ」競技や眠っている古着を役立てる「洋服ポスト」活動を推進し、地域住民との交流を図っています。コロナ禍の中で看護師や栄養士と連携して利用者の健康維持を図り、また、利用者支援標準マニュアルを整備して利用者支援の質の向上を図る取り組みを推進しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 年度初めに職務分掌のチームごとに役割と担当課題を明確にし、事業計画の推進に向けて作業計画を作成しています。チームごとに予算を割り当て、計画的に活動を推進しています。半年ごとに達成状況をチームごとに報告し、事業計画の課題の進捗状況を総括しています。また、年度ごとのチームの活動実績を年度末に評価し課題を分析し、利用者支援の生活プログラム・社会学習プログラムを策定したのち、次年度の事業計画を策定し3月の法人の理事会で決定しています。年度初めの職員会議で事業計画を全職員に周知しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 年度初めの保護者会で事業計画を配付し、要点を説明しています。今年度は事業計画に明記した生活支援プログラムや社会学習プログラム、グループ活動の見直しの内容などについて、コロナ禍の対策を含めて家族に説明しています。また、自治会による利用者ミーティングを毎月実施しており、職員は、ミーティングの中で事業計画に記述している利用者支援プログラムや工賃などについて説明しています。そのほかコロナ禍の影響によるプログラムの変更や作業量の見直しなどについても利用者に説明し、利用者が不安を感じないように配慮しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 法人全体の取り組みとしての内部自主点検(自己チェック)を実施しています。点検項目として「サービス提供方針を明確にしている」「社会参加・地域連携に取り組んでいる」「支援体制を整えている」「権利擁護・虐待防止に取り組んでいる」「緊急時の対応のための備えができている」の分類にそって25問のチェック項目を設定しています。自己チェックを実施し評価結果を分析して施設の組織目標に反映し、法人の管理職会議で共有するとともに課題改善に取り組んでいます。また、福祉サービス第三者評価を定期的に受審し、サービスの質の向上に努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 内部自主評価を実施してサービスの質の向上に取り組んでいます。自主評価の結果を分析して課題項目を明確にし、組織目標に反映しています。今年度のしらかし園の組織目標は、「人権擁護と虐待防止の推進」「チームワーク向上によるサービス提供の充実」など、5つの目標を掲げ、目標ごとに具体的活動項目を設定しています。また、毎年、施設独自に利用者の人格の尊重など10項目の権利擁護の観点での自己チェックを実施し、呼称問題等の利用者への不適切なかかわりについて、職員の気付きの機会とするとともに注意を喚起しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

 施設長は事業計画の目的達成に積極的に取り組んでいます。法人の中の1事業所として管理職会議に参加し、その役割と責任を負っています。行政や法人からの通知等を朝夕の打ち合わせや会議などで職員に周知し、日常業務を通して施設長としての役割と責任を示しています。不在時は必ず所在先を示し、通信等での連絡を取るとともに補佐職の権限委任を明示しています。職務分掌で組織の大枠と職務は明確ですが、加えて管理職の役割と責任及び担当職員の事業計画の実践に向けたチーム編成と権限などを明記し、職員に周知することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は法令遵守について高い意識を持ち、情報を把握し業務に取り組んでいます。法人では、入職時研修でコンプライアンスの理解について周知し、また、管理者になる際に管理職向け研修を受講し管理職としてのコンプライアンスの意識の徹底を図っています。外部事業者等との関係では、取引業者への発注には相見積もりを取り、法人に起案するなど留意しています。労務の観点やハザードマップでリスクを確認するとともに、環境等にかかわる法制度に注意を払い、また、職員が遵守すべき法令など法人からの情報等についてわかりやすく職員に周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 施設長は朝夕の打ち合わせでケース報告を確認し、作業や利用者支援の現場に入ってサービスの状況を捉えるとともに、改善すべき点や対応策を話し合っています。生活支援システムを活用して事故報告やヒヤリハット、苦情など月ごとに集計して状況を確認し、課題を整理しています。利用者のパニック時などの身体拘束に留意し、虐待防止委員会から身体拘束をしない支援について発信しています。また、権利擁護に関する職員の自己チェック表での振り返り等を行うなど、サービス支援に関する職員の主体的取り組みを推進しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、毎月の稼働状況など、施設経営情報について分析し、法人に報告しています。また、施設内では事業計画やサービスの質の向上につながる働きやすい職場環境の整備や業務の進捗状況の確認を随時行っています。サービスの質に関する内部自主評価を実施するほか、課題解決に向けて組織目標を設定し、職員の目標管理を推進しています。毎月職員予定表を作成し、職員の研修や有休、会議等事業所全体の動きを職員も把握できるようにしています。職員の意向を反映し時短の要望や健康状態に配慮し、働きやすい職場環境に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 正規職員の採用は法人が担っています。施設の働きやすい職場環境の実現に努め離職を防ぐことに配慮しています。昨年度は離職した職員は一人もいませんでした。法人ではさまざまな求人活動を展開し、実習生・パート希望者を就業や正社員雇用につなげたりしています。現在は職員バランスもとれて安定している状況と言えますが、就労継続支援B型でのノウハウを持つ人材や実習生育成の担当となる有資格者の必要性などの課題を抱えています。必要な人材の確保の仕組みの強化が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人の規定集に「期待する職員像」が明記され、入職時に全職員に配付して更新時にも差し替えの周知を図っています。秋に職員意向調査と施設長面談を実施し、働き方や職場への意向を確認しています。目標管理制度の来年度からの導入にあたり、面談のあり方を検討して、職員の処遇改善の必要性などを評価する制度の整備を図っています。今後は職員の将来性を鑑み、担当業務の実績の評価などが昇任・昇格に反映される総合的な人事考課制度の仕組みの整備が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

 就業管理システムを活用して毎月就業状況を確認し、休暇取得や残業軽減などを図って働きやすい職場作りに取り組んでいます。業務内容の特性から支援の現場作業に時間をとられ、休憩、会議時間を確保しにくい状況があります。また、パソコンを使っての入力作業の効率化も調整課題です。法人の職員衛生委員会で毎年全職員のストレスチェックを行い、産業医が必要な職員との面談を行っています。そのほか施設長と看護師がメンタルヘルス推進者として職員の健康維持に努めています。作業の特性から残業時間の増加につながるケースもあり、いっそうの作業負荷への配慮が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 目標管理制度試行のため昨春から組織目標を職員に説明し、来年度からの実施に向けて取り組みの理解を深めているところです。2019年度より内部管理体制の強化を目的とした補佐職が設置されており、現場で職員の指導にあたっては1月に職員向けに目標管理に関する説明をする予定です。目標管理についてより職員が意識を持ち、組織目標、自己目標の達成と育成に努めることで、個々の職員の自己統制とマネジメント力を強化することを目ざしています。目標管理制度の着実な推進と制度の定着が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 規定集の中に職員行動指針があり、法人が求める職員像を明示しています。また組織規定細則に職務内容を職種ごとに明記し、職員に周知しています。人材育成方針に各職種の専門的知識と技術の連動性を図り、職種・立場・経験による組織的人材育成を目的とすることを明記しています。入職時から中堅職員に至る階層別に組織的スキル、専門スキル及び関係法令について明記して研修体系を明示し、職員に周知しています。人材育成方針は法人の研修委員会で随時見直を行い、今年度は利用者支援に視点を置いた契約職員の研修内容について整備を図っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

 専門研修や資格取得研修など施設長から個々の職員に声をかけ、面談時に必要な研修への参加を促しています。法人主催の研修への参加で興味・関心が広がるようにしています。各職員の経歴などを考慮し、各部署でOJTなどによる利用者支援の質の向上を図っています。研修の習得内容は復命書や報告を通して確認し、打ち合わせや回覧などで伝達研修を実施しています。自閉症と行動障害の専門性の習得に関心が高く、職員は研修後実務に活用して成果を職員間で共有しています。今後は個人の受講歴などを整備し、研修計画の見直しに活用する取り組みを期待します。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 保育実習、教員免許取得のための介護等体験、社会福祉士実習など積極的に受け入れをしています。学校の意向に沿い対応していますが、障害者施設に慣れていない事も多く、コミュニケーションの時間を大切にしています。社会福祉士実習では事業所のより多くの活動場面を体験してもらい、一人の利用者に着目してアセスメントを行っています。コミュニケーションが難しい利用者は、かかわり方・話し方をポイントに指導しています。学校指導者とは来所指導時に打ち合わせ、進捗状況を確認するとともに、目標到達度により実習内容を変更しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 ホームページに法人としての施設運営の基本方針を掲載し、パンフレットに障害を持つ方が通所して働く場所を提供することや地域の方々とのつながり・交流を大切にして地域に開かれた施設を目ざすことなど、施設運営の目的を明示しています。また、事業計画、事業報告及び収支計算書をホームページ開示して施設運営の透明性を確保し、施設ごとの第三者評価結果を掲載し施設運営と利用者サービスの評価結果を開示しています。年2回広報誌「しらかし」を発行し、利用者の生活や活動状況を掲載し町内会や地域の関係機関に配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 2018年度より法人の会計監査人を設置し、法人のガバナンス強化と財務規律強化を図っています。また、2019年度より法人組織規程を制定し、法人内各事業所・施設に職制としての補佐職を設置することで内部管理体制の強化を図っています。また今年度は10月に施設の会計監査を実施しています。施設の事業計画を策定するほか、「2020年度 しらかし園 職務分掌」を整備して分掌ごとの役割を職員に周知し、施設運営管理の強化を図っています。法人としての収支状況をホームページに開示しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 事業計画の今年度事業重点項目に「地域交流」を掲げています。地域イベントに参加し、障害福祉の啓発活動を行っています。障害者スポーツのボッチャなど、競技に参加し、利用者が競技の進行に参加することで地域の人たちとのかかわりの機会を持つようにしています。近隣施設合同で行う「かたひらなかよしフェスタ」や「あさお福祉祭り」のほか、近隣小学校のバザーイベントなどに利用者が参加します。「かたひらなかよしフェスタ」は200名の地域住民が参加してにぎわいます。また、施設内に洋服ポストを設置し、古着の回収を利用者と職員がいっしょになって行います。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 ボランティア開拓・受け入れ担当職員を配置しています。受け入れに際しては、利用者のプライバシーや個人情報の保護について玄関に掲示し、来園するポランティアの方たちに注意を喚起しています。花見や夏祭り、納会等の季節行事でボランティアを受け入れ、また、施設の日中活動の作業点検ボランティアなど毎週4~5名のボランティアが施設に来訪しています。10月に実施される「かたひらなかよしフェスタ」で披露するチアダンスは長年の伝統行事で、チアダンス協会のボランティアが3~4人夏ごろから毎週施設に来て、施設の利用者とともに地域住民にもダンスの手ほどきをしてくれています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

 利用者が契約している地域の相談支援事業所と連携し、計画相談やサービス利用計画等に関する情報共有を図っています。保護者の高齢化などによる利用者の生活環境の変化に応じ、グループホーム等の利用を検討するなど適切な利用者支援に努めています。地域の自立支援協議会に参加し地域の関係機関との情報交換を行って、地域福祉のニーズの把握に努めています。昨年度は災害検討部会の活動を推進し、町内会合同の防災訓練を実施しました。今後は、個々の利用者特性に応じた社会資源活用にかかわる情報整備が期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、川崎市障害福祉施設事業協会の副会長をしています。また、分科会や委員会の代表が集まる総務企画会や全加盟施設の施設長が参加する定例全体会を定期的に開催し、地域の福祉ニーズの把握に努めています。特にコロナ禍の状況の中での不安の解消やマスク・消毒アルコールなど備品の備え、助成金等行政関連の情報共有等の対策を講じています。そのほか、川崎市社会福祉協議会施設長会、麻生区社会福祉協議会の広報委員会、柿生地区社会福祉協議会の障害児者委員会に参加し、地域団体との交流を図り障害福祉に関わる啓発活動を行っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 川崎市社会福祉協議会の「地域生活支援SOS川崎事業」に加盟しています。各相談機関などと連携して福祉課題や生活課題を抱える市民に対し、生活物資を届ける等の支援のネットワーク活動に参加しています。施設の会議室を地域住民に開放し、住民の趣味活動など、地域活動の活性化を支援しています。また、川崎市と災害時の二次避難場所の契約を締結し、麻生区二次避難場所連絡会に参加して災害時対応に関する情報共有を図っています。特別支援学校の生徒を対象に夏休み一日体験の機会を提供し、生徒や家族、教員が施設の現状を知る機会になっています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 障害者の個性や人権が尊重され、地域で自立した暮らしが実現できるような福祉サービス提供に取り組んでいます。法人の基本方針・規定を基に事業計画や組織目標を作成し、職員に周知しています。年次研修や入職時職員研修、1年目研修で権利擁護及び利用者の意思決定支援を取り上げています。また、事業所では年度ごとに呼称の適切性や利用者に差別感を与える行動をしていないかなど、権利擁護に関する10項目の自己チェックを実施しています。職員同士の気付きにより言葉遣いについて職員間で話し合い、是正につなげた事例があります。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人の職員行動指針にプライバシーの保護と管理の規定があります。広報誌等写真の掲載などについては年度ごとに利用者・保護者に同意を確認しています。日常の支援で利用者の声や障害特性に留意し、排泄時に席を離れる時に他者に気づかれない表現をするほか、更衣室等生活空間での他者から見た羞恥心に対応するなど、広い視野で細やかなサービスを提供しています。相談時は利用者が落ち着いて話せる空間を設定し、介助では同性介助、大人への対応に配慮しています。外出時に持ち出すカメラは前のデータを残さないようにして、紛失時のリスクに備えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

 法人の基本方針等をホームページや広報誌に掲載し、施設サービスの選択に必要な情報提供に努めています。また、利用希望者には書面だけでは伝わりにくいので、利用者の特性に合わせて工夫し、作業の状況を提示するなど対応しています。希望者には見学や1週間程度の体験入所を行い、特別支援学校高等2年生を対象に夏休み1日体験、近隣中学校支援級の職場体験に3~4名など地域のニーズに合わせて受け入れています。パンフレットに写真や画像を用いて利用者によりわかりやすく見直しを行い、より広く地域の理解につなげることが期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

 サービス開始時には重要事項説明書・契約書を示すほか、写真等も利用して説明し本人の同意を得ています。学校でも担任教員が見学に来て本人家族にサービス内容を説明し、納得と同意のうえで契約しています。事業所内でも生活介護から就労継続支援B型に移る場合は、1か月くらいの体験期間を経て、本人が納得するまでていねいに対応しています。意思決定が困難な利用者も家族等の同意によって契約しています。意思決定が困難な利用者は、自己決定のプロセスを保障する支援の標準化を図り、受け入れ経過を理解しやすいよう書面化することが期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者の日常を関係機関と連携しており、必要が生じた時には経過や新しい機関も含めて、徐々に環境を変化させるよう配慮しています。事業所内でのステップアップは時間をかけて徐々に行い、高齢化による介護保険利用等では併行利用しながら移行しています。サービス管理責任者が窓口になり利用者・家族が相談しやすいように配慮し、移行後も安定が図られるよう配慮しています。当施設の利用者は長期間安定して利用しており、利用者の高齢化を見据え、移行マニュアルの整備が望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人で各事業所管理職による第三者評価検討委員会で、3年ごとに利用者満足度調査を行っています。事業所では毎月利用者の自治会や保護者会に職員も出席し、利用者・保護者の意見や要望を把握し職員間で共有しています。また、個別支援計画中間モニタリングやアンケート、嗜好調査、個別支援計画についての面談時の聞き取り及び毎日の連絡帳等で満足度の把握に努めています。利用者自治会は選挙で選出された利用者役員と職員が課題や要望事項の改善に向けて話し合い、新型コロナ感染症の不安の解消等にも対応しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 「苦情解決対応マニュアル」を整備しています。苦情解決責任者や苦情受付担当窓口、第三者委員の連絡先を明示したポスターを掲示し、利用者・保護者に周知しています。川崎市障害施設事業協会苦情解決第三者委員会の委員が定期的に施設に来訪し、利用者の苦情や要望を聞いています。施設では月ごとに苦情対応に関する月次報告を第三者委員会に提出し、苦情解決の適切な対応に努めています。今後は、苦情内容等について個人情報に配慮したうえで、公表に向けた取り組みの検討が期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 施設長、施設長補佐及びサービス管理責任者が利用者・保護者の相談窓口です。苦情対応等相談窓口を重要事項説明書に明記し、利用者・保護者に説明しています。また、玄関にご意見箱を設置し、いつでも相談事を受け付けています。利用者の班の職員が常時利用者の相談を受けています。職員は、利用者がいつでも気軽に相談できる雰囲気づくりを心がけ、利用者は自身の相談相手を自分の意思で決めています。職員は利用者の相談に迅速に対応するとともに、面談室での1対1の対応を心がけ、曖昧な対応にならないように注意しています。相談内容はパソコンでケースの記録として入力します。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 苦情解決マニュアルを作成し、報告書式を定め苦情への迅速な対応に努めています。連絡帳を活用し日々の利用者の支援の状況を保護者に伝えています。また、保護者の要望を連絡帳を通して随時把握しています。職員は、朝・夕の職員ミーティングで連絡帳の内容を職員間で共有し、支援の統一性を図っています。特に利用者の相談は毎日朝の仕事の開始時に集中する傾向があり、職員は利用者の思いを受け止めることで、利用者が一日を安心して過ごせるように心がけています。連絡帳を活用しコミュニケーションを図ることが苦情の防止につながっています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 「危機対応マニュアル」を作成し、階層別に法人研修で事故防止等リスク管理を取り上げ職員に周知しています。そのほか「ヒヤリハット・事故発生と事故対応マニュアル」を作成しています。ヒヤリハット・事故報告の書式を定め、緊急処置や利用者・家族への説明についてはパソコンで記録し職員間で情報を共有するとともに、事故防止と事故発生時の適切な対応に努めています。また、「利用者支援標準マニュアル」を作成し、個々の利用者の障害特性に応じた日中活動・生活支援に関わる注意すべきリスクを明示して、利用者の事故防止に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 「衛生管理マニュアル」「感染症マニュアル」を整備し、職員に周知して感染症予防の注意を喚起しています。「新型コロナウイルス対応状況チェック表」を作成し、事業所の感染防止策や職員の対応、利用者対応に関する手洗いやマスクの着用、消毒、検温、発熱時の対策等26のチェック項目により、新型コロナウイルス対策の徹底を図っています。また、インフルエンザ予防接種を実施しています。そのほかノロウイルスについては毎年看護師が職員に指導するとともに、廃棄物処理等のキットによる実習研修を実施し、感染症予防の徹底を図っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 「しらかし園防災マニュアル」を整備して、地震や火災、不審者侵入等の発生から避難対策を明示し、施設長や職員の災害時対応の役割分担を明記して職員に周知しています。災害発生時の事業継続計画(BCP)を作成し、有事に備えています。消防署等と連携して防災訓練実施計画を作成し、毎月利用者も参加する避難訓練を実施しています。また、職員の危機対応訓練を年2回実施しています。緊急連絡網を整備し、利用者は電話連絡、職員は一斉メールで通報します。災害発生に備えて飲料水や食など3日分を備蓄し、年1回定期的に備蓄リストのチェックをしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

 職員は、利用者の身体特性や自閉症など個々の利用者の障害特性に配慮した支援の標準化を推進しています。「利用者支援・標準マニュアル」を作成し、利用者支援の標準プロセスと個別対応特記事項を明記して、日中活動や食事支援、服薬支援など、利用者それぞれの一日の行動に沿って、職員のサービス支援の統一性を図っています。また、パソコンを活用した生活支援システムを導入しています。アセスメント、個別支援計画、モニタリング及びケース記録のケアマネジメントのPDCAに沿った標準化を推進し、利用者支援のサービス品質の向上を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 マニュアル検討委員会を立ち上げ、職務分掌に沿ったチームごとにマニュアルの見直しを年一回定期的に実施しています。標準的な実施方法については年度末に見直しを実施しています。個別支援計画の策定については、利用者の誕生月に見直しを行う方式に変更して職員の作業負荷の分散化を図り、利用者への十分な説明と充実した支援の実施に取り組んでいます。個々の利用者の障害特性等に大きな変化があれば、「利用者支援・標準マニュアル」の利用者支援の記述を見直すほか、個別支援計画の随時の見直しを実施しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 生活支援システムを活用してアセスメントを実施し、利用者ニーズを把握しています。所定のアセスメントシートに本人の生活歴や将来の夢(希望)、長・短期の目標、食事・排泄・移動等の日常生活能力、社会的スキル、対人関係やコミュニケーション能力等を明確にして記録しています。サービス管理責任者が主体となってアセスメントやケース会議の結果を検討し、更生相談所や心理士等専門職が参加しサービス担当者会議を開催しています。また、個別支援会議で職員間の情報共有を図るとともに、個別支援計画を策定し、利用者・保護者に説明し同意を得ています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 年一回、利用者の誕生月に個別支援計画の見直しを実施しています。半年ごとに個別支援計画の目標に沿ってモニタリングを実施し、目標の達成に向けた利用者本人の活動や職員の支援内容を確認しています。また、長期・短期目標の進捗状況を評価し、課題継続の必要性を判断しています。モニタリングの結果は写真を活用して利用者に説明し、支援に対する利用者の満足度を確認しています。個々の利用者特性についてケース会議で検討し、個別支援会議で職員間の情報共有を図りながら、モニタリングやアセスメント、ケース会議等の結果を個別支援計画に反映しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

 職員は、日々の利用者支援の状況をパソコンのケース記録に入力しています。ケース記録は1か月分をまとめて印刷し、職員で回覧し情報共有を図ったのち、個人ファイルに保管します。また、各種会議記録や支援日誌、看護日誌、給食日誌などの記録はパソコンに入力し、必要に応じて随時参照が可能です。利用者支援の日々の状況はケース記録に記入していますが、職員が個別支援計画の目標達成に向けてどのような支援をしたかの記述はありません。今後はケース記録の記述を工夫し、個別支援計画の目標に沿った支援の記述が期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 規定集を全職員に配付し「個人情報保護規定」「職員行動規範」を掲載し、個人情報の目的外使用や漏洩防止に関する職員意識の徹底を図っています。法人の文書管理規定があり、個人ファイルは事務室の鍵の付いた保管庫で管理し、施設長が管理責任者です。個人情報の取り扱いについて入所時に利用者・保護者に説明しています。ホームページには法人としての「プライバシーポリシー」を掲載し、個人情報保護規定に沿って支援することを明示しています。パソコンの個人情報は、管理職と一般職員それぞれパスワードを設定し、個人情報の漏洩を防止しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者個々の性格や障害特性に合わせた支援を提供しています。作業については本人が得意とするところを生かし、1つの作業も細分化し利用者が自信を持って作業の流れの中で役割を果たし、皆で行ったという達成感につながるようにしています。職員は、利用者の特性に応じた環境設定を行い、日々の打ち合わせで職員間の対応方法の共有化を図っています。利用者が自身の作業を選択し、主体的に取り組めるようそのつど意向を聞いています。口頭だけでなく写真なども用いるほか、わかりやすいアンケートの書式を使うなどして、聞き取り確認をしています。衣服や理美容は各家庭の意向もありますが年齢や職場等に配慮し、本人の希望を尊重してアドバイスをしています。企業見学時はふさわしい服装等をイラストで案内しています。利用者同士が話し合う機会として毎月自治会が開かれていますが、利用者同士のトラブルは両者を交えて話し合う機会を作るようにしています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

 利用者間での権利侵害を防止するため、それぞれの特性を踏まえトラブルにならないよう配慮しています。帰宅時に歩きながら互いの存在が気になる場合は送り出しの時間をずらし接触を減らします。自治会ミーティングでは個人を責めないように意識して、人が不愉快になる事がないように配慮しています。障害特性から自己コントロールが難しい利用者に「緊急やむを得ない身体拘束に関する説明書」を作成し、一時的な行動制限を行う手順等により対応することがあります。その状況を作らないように職員間で予想し、コントロールできなくなったときでも落ち着いた状態に導けるよう対応を共有しています。虐待防止委員会で検討し、個別対応の記録から経過を分析して次の支援につなげています。例えば掲示物は破いてしまうケースでは、何が書いてあるかを知らせてくれるよう利用者に伝え、視点を変えることで行動の変化を促しています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別支援を基本として必要な介助や声かけなどを行い、利用者の持っている力をできる限り引き出せるように支援しています。否定的な表現ではなく、意欲が高められるような支援を心がけています。個別支援計画・モニタリングの書式に将来の夢(希望)・暮らし・仕事の欄を設け、本人や家族の目標を大切にした支援に努めています。グループホームの利用者が増え、他の利用者も将来の選択肢としてグループホームの利用を考えている人もいます。職員は、関係機関と連携しグループホームでの生活も含めた利用者の日々の生活を捉えています。利用者の通院や朝夕の服薬確認、食事内容等を確認するほか、工賃の使い方など金銭管理についても支援します。通院同行も初回から手順を確認し、徐々に一人で行えるよう支援しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は利用者の意思決定支援を心がけ、利用が納得できる方法を選択し自身の日々の行動を決定できるように支援しています。月間スケジュールを把握し朝に本人の様子から1日の状態を予想し、混乱しないようスケジュールを提示します。言葉だけでなく文字、イラスト、表などさまざまな物を使用しています。意思表示が曖昧なときは本人の仕草や表情を見守り、時間をおいて再度確認します。日中活動プログラムではアンケートにより希望を聞きますが、文字だけでなく写真やイラストに自分で○をつけるなど、意思を表現することを大切にしています。暴れたときの気持ちを言語化して本人に示すとともに理由を聞き取り、理由にあった対応をする事で、本人が次の行動を暴れずに自覚できるように支援しています。家族の意向と本人の希望が合致していないときは、本人の気持ちを尊重し家族に伝えるようにしています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者はいつでも職員に不満や意見を伝えることができます。作業中は自身の作業に集中していますが、休憩時間には自由に動き職員に聞いてもらいたい事を伝えています。職員は利用者の様子に注意を払い、利用者同士の気持ちのぶつかり合いも察知し、落ち着ける環境に誘導します。利用者は、職員に気づいてもらえない時に乱暴になったり関心を引く行動をします。職員は、アピールの方法は色々ですが本人が言えるのを待つように心がけ、利用者を観察し気持ちを言語化し、言葉での表現が難しい場合は個別にかかわる時間を多く取り、不安要因などを模索する姿勢で支援しています。利用者の関心に合わせてインターネットや雑誌などから情報を探し、利用者の意思を表現しやすいように工夫しています。ケース記録への入力や打ち合わせ等で全体化し、改善や次の対応の職員共有を図っています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別のニーズに合わせて選択できるよう作業メニュー、余暇活動を用意しています。生活介護の生活プログラムは、映画(DVD)鑑賞、音楽(カラオケ、音楽鑑賞)、運動(ボッチャ、ボウリング、ウォーキング、フライングディスク、ストレッチ、リラクゼーション)等があります。就労継続支援B型は社会学習プログラムとして企業・他施設の見学、目的別のグループ活動等を行っています。日中作業(タオルたたみ、箱折り作業、封入作業、袋紐通し、ウエス軽量袋詰め、ハンガー等)は生活介護では利用者特性に配慮し、軽作業・短時間を心がけています。作業と休憩、納品外出、プログラム活動等時間のメリハリを付け、本人の希望を尊重し作業を調整しています。季節行事では花見会、納会、新年会、近隣施設と共催の「かたひらなかよしフェスタ」等に参加し、地域住民との交流を図っています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は法人研修や外部研修、事業所内のOJT、自己学習により専門性の向上に努めています。強度行動障害に関する研修に法人としても力を入れており専門性の向上と人材育成を図っています。研修内容を基に、自閉症スペクトラム症の特性アセスメントシート・氷山モデルシート等で利用者の行動を分析し、自閉症支援に関する実践的スキルを職員間で共有して、日々の打ち合わせや個別支援計画の見直しに反映しています。情報共有については支援の内容をイラスト等で示し、職員によってずれが生じないように同じ対応ができるようにしています。こうした取り組みは各支援の場面に生かされサービス支援の質の向上につながっています。職員は、利用者が得意なことに取り組み、面白さややりがいが感じられるような支援に努めています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 年1回の嗜好調査や利用者からのリクエストメニューを取り入れ献立を立てています。利用者支援標準マニュアルでは各個人の食事動作や留意点をまとめ、食事介助が必要な利用者の安全を図っています。直接介助はなく、例えばむせやすい利用者の場合は、一人で食べられるよう環境や提供状態を調整し見守っています。食事での姿勢や咀嚼、嚥下、身体機能等で外部専門職(PT・ST)の評価を受け、改善を図っています。トイレ介助や転倒防止のための歩行時介助など、個々の利用者の安全に配慮した支援を行っています。トイレの使用が重ならないよう時間をずらして誘導してトラブル回避や羞恥心への配慮につなげ、過剰な水分摂取は飲水スケジュールにより調整するなど、利用者が納得して身につけられるように取り組んでいます。家で入浴できない場合はシャワーや清拭対応を行っています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 業務定期点検、物品の点検、災害時の通路確保など環境整備に努めています。作業室内のレイアウト、整理整頓、設備の老朽化や破損の早期発見に配慮し、椅子や机を身体の状態に合わせた工夫等により利用者の安全と自立を図っています。作業中に集中しやすい机の位置や仕切り、自分で集中できるよう作業の途中でも断って庭に出て戻ってくるなど、それぞれのペースが維持できるよう利用者の定位置などに配慮しています。就労継続支援B型と生活介護でスペースを分け、食堂やトイレなど共有箇所は時間をずらして使用するなど、それぞれの活動ペースに配慮しています。利用者が落ち着かない状態になったときにはクールダウンできるように個別スペースを確保し、個室に入り戻ってくることができるよう自己コントロールを目ざした個別スケジュールを作成しています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

 専門職(PT)による評価のもとで実施する機能訓練のほか。日々の活動の中での身体を動かす生活動作、余暇活動により取り入れる運動などで、利用者の機能低下を防止しています。週3回の個別体操や毎日のひざ上げ運動、階段昇降等を職員の見守りや声かけの中で利用者自身が行っています。動きが少ないときなどは職員が看護師と確認しながら生活動作を多くするよう日々の状況を見守っています。散歩やお茶当番で2階に取りに行く、作業中に物品を取りに行くなど、席を立って転倒などに注意しながら動くことは筋力低下防止対策として生活リハビリに取り入れています。2階の食堂に通うための歩行が維持できることは重要で、利用者が自主的に動こうとする環境を作っています。機能訓練では曜日だけを決め、時間は本人の判断に任せるなど個人のペースを尊重しています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 嘱託医による年2回の内科検診や年1回の結核検診、生活習慣病予防検診及びインフルエンザ予防接種を行っています。検診の結果を受けて医師の指示のもとに糖尿病の利用者の食事や高血圧の利用者の血圧測定など日々のバイタルチェックを行い適切な支援に努め、通院や服薬に関する家族との情報共有に努めています。また、「衛生管理マニュアル」「感染症マニュアル」を整備し感染症の予防と蔓延防止に努めています。今年度は、「新型コロナウイルス対応状況チェック表」を作成し、マスクの使用や検温、消毒、手洗い等の対策を徹底しています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 アンケートをとり利用者個々の希望に応じて目的別グループを編成し、動物園や水族館、山下公園、東京タワーなどに外出し社会見学の一日を過ごします。社会参加活動の一環として地域のバザーイベントに参加し、障害者スポーツ「ボッチャ」の体験ブースを設置して、利用者が主体となって地域の人達との交流を深めるとともに、地域の人たちに「ボッチャ」を理解してもらう活動を推進しています。また、社会学習プログラムの支援として、企業や他施設を見学しています。利用者の就労に関する意識の向上と仕事のルールの大切さを学び、利用者の自立促進や社会経験の拡大が目的です。就労や社会マナーの学習の機会を設け、利用者個々の自立意識の向上につながるように支援しています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 家族の高齢化など、環境変化の中でも利用者の希望を尊重し、麻生区役所や利用者を支援している相談事業所と連携して、グループホームへの移行など利用者が地域で安心して生活できるように支援しています。電話連絡を密にしてグループホームとの情報の共有化に努め、突発的な出来事や緊急時の対応に速やかに対応できるようにしています。利用者全員の自力通所を前提にしており、事業所周辺の交通事情や荒天時は混乱しないように情報を提供しています。また、利用者特性に応じて、最寄駅だけでなく必要に応じて電車内に職員が同行し適切な援助に努めています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 毎月定期的に保護者会を開催し、施設運営や利用者支援の状況、行事予定等を説明して、保護者の意見や要望の把握に努めています。今年度の新型コロナウイルス感染症対策など、家族の要望にしっかり対応しています。また、職員は、連絡帳を活用し家族との情報共有の強化を図っています。日々のやり取りを通して本人の家庭生活の変化に気づき、支援の必要性があれば家族に確認するとともに、麻生区役所のケースワーカーや相談支援事業所等と連携して対応しています。利用者が常時所持する緊急時連絡カードには、緊急時の連絡先を明示して事故発生時の安全確保に努めています。また、保護者向けに試食会を実施して提供する昼食について家族の理解を深めてもらうなど、より良い食事提供に努めています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 年2回、社会人としてのマナーや仕事のルールを学び、就労企業の見学や就労までの移行及び地域生活の自立に向けた社会資源の活用や体験・見学等を目的とした社会学習プログラムを実施しています。一般就労が可能で就労を希望する利用者については、相談支援事業所や就労援助センターと連携し、個別支援計画に基づいて現場実習、トライアル雇用等を実施しています。就労継続支援B型事業の利用者は14名が通所していますが、現在就労を希望する利用者は一人もいない状況です。利用者の一般就労への意識の強化と就労支援のいっそうの取り組みが期待されます。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:b】

 日中活動としてはタオルたたみ作業や箱おり作業、封入作業、袋ひも通し作業、餌計量容器詰め作業、ハンガー作業などがあります。午前・午後と適時休憩をとり利用者の体調に配慮しています。工賃規定を利用者に配付し、利用者が納得できるように説明しています。工賃規定に基づいて毎月作業収益を利用者に支給しています。また、半期ごとに収支の状況を確認し、余剰金を利用者に還元しています。今年度はコロナ禍の影響で仕事の量が半減しており、利用者の工賃の減少につながる厳しい状況になっています。職員は、個々の利用者の障害特性に配慮し作業工程を分けて、利用者が自身の特性に合った工程を分担できるように支援しています。利用者が作業に習熟してステップアップし、新しい作業に挑戦できるように支援しています。コロナ禍の中で日中作業の継続には厳しい環境が続きますが、利用者の工賃への期待にできるだけ沿えるように対策のいっそうの強化が期待されます。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

 川崎市障害者施設しごとセンターと連携し、新しい仕事の受任に向けた活動を行っています。コロナ禍の中でフェースシールドの作業を請け負いました。菓子箱折りなどの作業を施設が受注している企業は10社以上に及びます。就労援助・就労定着支援・フォローアップ担当職員及び受注先企業ごとの担当職員を配置しています。作業開拓職員を中心に施設の地理的環境に配慮し、各企業の情報収集を図るとともに、継続的に作業の継続を支援しています。一般企業を離職し施設に通所している利用者がいます。地域に身近な存在としての施設の存在が伺えます。関係企業と連携し受注先の確保と継続性の維持に努めていますが、今後もいっそうの取り組みの強化が期待されます。