すぎな会生活ホーム第4ホーム
2021年11月30日公開
評価結果報告書
評価結果報告書
評価機関名 | 公益社団法人神奈川県社会福祉士会 | ||
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評価対象事業所名 | すぎな会生活ホーム第4ホーム | ||
評価対象種別サービス | 共同生活援助(介護サービス包括型) | ||
設立年月日 | 1981年04月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人すぎな会 | ||
③ 理念・基本方針 | すぎな会の経営理念 1. 人間としての尊厳を重んじる姿勢を貫きます。 2. 利用者それぞれのライフステージにおけるケアを目指します。 3. 地域と協調し、地域の一員としての役割を果たすよう努めます。 4. 経営体としての安定性・積極性・信頼性を追及します。 本経営理念に基づき、職員・保護者・理事者が力をあわせて、すぎな会発展のため最善をつくします。 |
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④ 施設・事業所の特徴的な取組 | 以下を業務運営方針として取組んでいる。 1.重点実施目標 (1)利用者の人権に配慮した生活支援 (2)高齢化・病弱化等に向けた支援体制と環境整備 (3)地域社会との関係を大切にする。 2.業務運営方針 (1)利用者の人権に配慮した支援を行い、安心できる生活環境となるよう努める。ホーム支援会議など利用し、人権擁護の研修を開催する。 (2)高齢化・病弱化ならびに重篤な病状の場合を含めた支援体制と環境を整備し、生活ホームでの生活が継続できるよう模索、検討する。 (3)利用者の現状を確認し、生活ホーム内での部屋替えやホーム間の移動も考慮しながら生活環境を整えていく。 (4)地域の活動などに利用者とともに参加して交流を図り、利用者への理解を深めてもらうよう取り組む。 |
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⑤ 第三者評価の受審状況 |
開始:2021年04月15日 終了:2021年11月01日(評価結果確定日) 受審回数:3回(2017年度) |
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詳細評価PDF |
⑥ 総評
特に評価の高い点 | ○利用者は地域住民のひとりとして地域に溶け込んだ生活を目指している。 生活ホームの利用者は多くが法人の入所施設から地域移行を果たした人たちである。人に迷惑をかけない地域生活のルールを守り、地域住民の一人として生活している。自治会に加盟し積極的に地域のイベントに参加している。コロナ禍で地域行事が中止になることがあるが、毎年地域の盆踊りや年2回の地域清掃に参加している。清掃にはほとんどの利用者が参加し道路掃除や草むしりなどを行っている。また地域の防災訓練に参加し、利用者と職員が地域の人たちと一緒にパトロールをしている。夏と冬に日中活動で制作した手作りの藍染の手ぬぐいや手作りカレンダーを、挨拶を兼ねて地域の人たちに配り地域の人たちとの交流を図っている。 ○職員の人権擁護意識の徹底を図っている。 「職員は、障害を持つ個人が尊厳を持って、その人らしい自立した生活が送れるように支える責務があること」を「職員倫理綱領」及び「職員行動規範」に明示し職員に周知している。職員は職員倫理綱領や職員行動規範をカードに記載したクレドを常時携帯し注意を喚起している。毎年人権チェック自己点検表により職員自身の行動を振り返り、適切な呼称や言葉遣いなど気づきを職員間で共有している。人権委員会が人権標語を作成し、掲示して職員の注意を喚起している。「人権侵害防止規定」「性的な迷惑行為の防止規定」「パワーハラスメント防止規定」を策定し、「禁止行為審査会」を設置し、人権侵害行為に関する職員の処置・報告に関する意識の徹底を図っている。 ○利用者がいつでも気軽に相談できる体制を整備している。 担当職員制を採用し利用者が何でも気軽に身近な職員に相談できる体制を敷いている。支援員・ホーム支援員等が、利用者に寄り添う形で個別相談を随時受けている。傾聴を中心にしつつ、主担当者を中心としてホーム職員全体で取り組んでいる。また、「お気軽に相談してください」という苦情解決第三者委員やオンブズマン相談員の顔写真入りのポスターをホーム内食堂に提示している。オンブズマンが年10回法人の各施設を訪問している。年2回は各生活ホームを訪問し利用者の相談に応じている。利用者は通所先の法人の相談会や生活ホームの相談会に出席し、職員に言えない苦情や悩みについて直接オンブズマンに相談できる仕組みが整備されている。 |
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改善を求められる点 | ○利用者の高齢化・重度化対策としての、「地域での生活を継続したい」という利用者の意思を尊重した対策の実施 長く入所施設で生活し、地域移行でグループホームに入居した利用者の高齢化が進んでいる。もとの入所施設ではなく地域での生活を継続したいという利用者がいる。法人として日中サービス支援型のグループホームの開設を進めており、利用者の意思を尊重した支援が期待される。 ○年1回以上の事業所独自の利用者サービスの向上に向けた自己評価と課題整備の取り組みが望まれる。 定期的に第三者評価を実施しているが、年度ごとの自己評価は実施されていない。生活ホームの利用者支援に視点を置いた施設独自のチェック項目を設定し、自己評価を実施し支援課題の整備と対策の実施が期待される。 ○利用者の高齢化・重度化対策としてのスプリンクラーの設置 利用者の重度化の傾向の中で、火災発生時のスプリンクラー設置の必要性が高まっており、スプリンクラー設置の具体策が期待される。 |
Ⅰ-1 理念・基本方針 |
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◇努力、工夫していること (Ⅰ-1 理念・基本方針)「人間としての尊厳を重んじる姿勢を貫きます」「利用者それぞれのライフステージにおけるケアを目指します」「地域と強調し、地域の一員としての役割を果たすよう努めます」「経営体としての安定性・積極性・信頼性を追求します」の4項目を法人の経営理念に掲げている。 「社会福祉法人すぎな会 行動指針」を策定し、経営理念の実践に向けた職員の具体的行動を明示している。行動指針を規定集に掲載し全職員に配布し、また、「職員倫理綱領」及び「職員行動規範」を整備し、職員は、「障害を持つ個人が尊厳を持って、その人らしい自立した生活が送れるように支える」責務があり、個人の尊厳の尊重等理念の実践における職員の行動を具体的に明示し職員に周知している。職員は職員倫理綱領、職員行動規範をカードに記載したクレドを常時携帯し理念の実践に向けて注意を喚起している。 ◇課題と考えていること 理念や重要事項説明書をホーム内に掲示しているが、利用者に分かりやすく説明した資料は作成していない。漢字にルビを振るなど工夫し、また、家族懇談会等で説明し利用者や家族の理解に向けた取り組みが望まれる。 |
Ⅰ-2 経営状況の把握 |
◇努力、工夫していること (1-2 経営状況の把握)法人が運営するグループホーム(生活ホーム)の利用者の高齢化対策や市内に在住する高齢者の重度障害者への支援の必要性のニーズが高まっている。利用者ニーズは多様化し、高齢の重度障害者への日中サービス支援型グループホーム設立の必要性が高まっている。 当該法人は、中期計画にグループホームの(生活ホーム)の高齢化対策を経営課題に掲げ対策を講じている。今年度10月に定員10名の男性の日中サービス支援型グループホームを立ち上げ、来年度6月に定員10名の女性の日中サービス支援型グループホームを立ち上げる予定である。 ◇課題と考えていること 利用者の高齢化とADLの低下が進む中で、グループホームの利用者から、「入所施設には戻りたくない」という意見がでている。日中サービス支援型グループホームの利用など、地域で生活したいという利用者の意思を尊重した対策が期待される。 |
Ⅰ-3 事業計画の策定 |
◇努力、工夫していること (Ⅰ-3 事業計画の策定)平成30年度から5か年の中期計画を策定している。中期計画にグループホーム(生活ホーム)の高齢化・重度化対策を課題に掲げ、高齢者用住宅の創設及び支援体制の在り方について検討を深めることを明示している。 中期計画を受けて、令和3年度生活ホーム事業計画の重点目標に、日中サービス支援型グループホームの開所に向けた準備を円滑に進めることを掲げ、10月に男性棟の開所を予定し利用者の選定等を進めている。日中サービス支援型グループホームの開所に伴い、既存のグループホームで生活する利用者の身体面や精神面の現状確認とホーム替え、部屋替えの環境整備を進めている。年度初めの職員会議で全職員に事業計画について説明し情報共有を図っている。 ◇課題と考えていること 事業計画の策定については、職員の業務分掌ごとの年度計画策定と計画の推進状況のモニタリングの結果及び年度ごとの成果と課題を分析し、次年度の事業計画の策定につなげる組織的対応の仕組みの整備が望まれる。 |
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組 |
◇努力、工夫していること (Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組)定期的に第三者評価を受審し、利用者サービス支援についての自己評価を実施している。また、毎年定期的に「人権チェックリスト自己点検表」を用いて全職員が人権意識を見直す機会としている。チェックリストは、個人の尊厳の尊重や自己選択・自己決定の尊重、人権侵害、プライバシーの保護等13項目50問からなり、職員は自分自身の行動や考え方を振り返り自己評価を実施している。 ◇課題と考えていること 第三者評価の自己評価に加え、年1回は事業所独自のチェック項目による利用者サービスに対する自己点検が求められる。利用者支援や施設運営に関わる事業所独自のチェック項目を定め、定期的に自己評価と課題の抽出及び対策の実施が望まれる。 |
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ |
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◇努力、工夫していること (Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ)「すぎな会管理規則」に施設長の職務と権限を明記し、規定集に掲載し全職員に配布し周知している。また、「内部管理体制の基本方針」を作成しコンプライアンスに関わる管理体制を規定し、職員は確固たる倫理観を持って事業活動に努めることを明記している。管理者は県の集団指導講習会等に参加し最近の法改正に関わる情報の把握に努め職員に周知している。 事業計画(業務運営方針)の重点実施目標である日中サービス支援型グループホームの開所準備を推進し、今年度10月に計画通りに開所の予定である。 人材育成と組織力の向上及び利用者サービスの向上を目的に目標管理を実施している。年度初めに支援員は「個人目標管理シート」を作成し年3回の管理者面談を通して、目標達成の進捗状況を確認している。また、管理者は目標管理を通して支援員の生活ホーム支援のサービス向上に向けた取り組みを評価し、また、支援員の働きやすい職場環境の維持に努めている。 ◇課題と考えていること |
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成 |
◇努力、工夫していること (Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成)ホームごとに担当支援員及びホーム支援員を配置している。第3生活ホーム(利用者5名)、第4生活ホーム(利用者6名)に対し、常勤の支援員1名を 配置し、また、ホーム支援員5名を配置している。 人事考課規定を整備し、常勤職員の業績考課、能力考課を実施している。非常勤職員は年1回4月に業績考課を実施している。 法人の研修委員会が年間計画を策定している。研修計画に研修の年度目標や内部研修、外部研修、階層別研修等の実施内容を明記している。常勤・非常勤の区別なく研修に参加することができる。ホーム支援会議で年5回、ホーム支援員を対象に人権擁護をテーマに、グループワーク形式の研修等を実施している。また、厚木地区のホーム連絡会が年2回ホーム支援員向けの研修を実施している。 職員の働きやすい職場づくりに取り組んでいる。年1回全職員を対象にストレスチェックを実施している。産業医が職員の相談に応じている。残業は無く年5日の有給休暇の取得を義務付けている。 ◇課題と考えていること ホーム支援員(世話人)の安定的確保が課題である。 |
Ⅱ-3 運営の透明性の確保 |
◇努力、工夫していること (Ⅱ-3 運営の透明性の確保)ホームページに生活ホームの施設概要やホームごとの日中活動の様子を紹介している。また、法人の事業計画や事業報告、決算報告書を開示している。今年度3月発行の広報誌「すぎなだより」に、生活ホームの年度ごとの重点実施目標や業務運営方針を掲載している。運営方針に、日中サービス支援型グループホームの開設に向けた準備を進め、既存の生活ホーム利用者の身体面・精神面の環境を整えること及びホーム支援会議を利用し人権擁護研修会を開催することなどを明記している。 毎年外部監査機関による会計監査を実施している。税理士が法人内各事業所を巡回し財務会計に関する事務処理体制の向上について指導している。毎年5月に法人監事による内部監査を実施し、会計年度に関わる事業報告等に関する資料調査を実施している。 ◇課題と考えていること 経営理念のホームページ掲載が望まれる。 |
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献 |
◇努力、工夫していること (Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献)地域の自治会に加盟し積極的に地域の各種イベントに参加している。コロナ禍で地域行事が中止になることがあるが、毎年地域の盆踊りに参加し、年2回の地域清掃に参加している。清掃にはほとんどの利用者が参加し道路掃除や草むしりなどを行っている。また地域の防災訓練に参加し、防犯パトロールがある地域では利用者と職員が地域の人たちと一緒にパトロールをしている。 年2回、夏は手作りの藍染の手ぬぐい、暮れには手作りカレンダーを挨拶を兼ねて地域の人たちに配っている。地域の人たちとの交流を図り、地域住民の一人としての障害者の地域への理解が深まるようにしている。 年6回、市主催の施設長会に参加し、生活ホームへの地域ニーズの把握に努めている。また、2か月ごとのホーム連絡会に参加し、ホーム支援員研修の実施内容等について話し合っている。 ◇課題と考えていること |
Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示 |
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◇努力、工夫していること (Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示)職員は、毎年人権チェック自己点検表を活用して振り返りの機会を作っている。利用者に対する適切な呼称や言葉遣いについては、支援会議や職員会議で周知徹底している。人権委員会が2か月毎に人権標語を作成し施設内各所に掲示し、人権擁護に対する職員の注意を喚起している。 「人権侵害防止規定」「性的な迷惑行為の防止規定」「パワーハラスメント防止規定」を策定し、「禁止行為審査会」を設置し、人権侵害行為に関する職員の処置・報告の適切性を審査している。審査会は随時開催されている。 ホームは利用者にとって大切な「家」であるとの考え方から、居室は利用者が管理することを基本にしている。居室はすべて一人部屋となっており、利用者が居室の鍵とホーム玄関の鍵を所持している。共有スペースも生活感や季節感のある環境整備に配慮がなされている。事務的な掲示物を最小限に収めるよう工夫されている。 利用者個人の郵便物は必ず本人に開封してもらい、電話は必ず本人に取り継いでいる。携帯電話については、利用者個人の要望により所持している方もいる。 ◇課題と考えていること |
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定) |
◇努力、工夫していること (Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)ホームの選択に必要な情報はすぎな会のホームページに組織や各施設等の建物の写真など掲載されている。利用希望者には「体験利用に関する要綱」に沿って説明している。「体験利用計画書」「体験利用明細書」を提示し、2~3日から1週間位と利用者の希望に応じて日数を決めている。 グループホームでの生活が困難になった場合など、入院先の病院や相談事業所などと連携をして退院後の生活の場を調整している。受け入れ先とは情報交換を行っている。グループホーム退居後も必要に応じて電話等も含めて情報交換を行っている。 ◇課題と考えていること ポスターには絵を利用する等工夫しているが、十分に分かりやすい情報提示とはいえず、文字を大きくするなど行事の要綱や書類など利用者に分かりやすい説明書の工夫の余地がある。 |
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上 |
◇努力、工夫していること (Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上)法人としての施設利用満足度調査を3年に1度実施している。調査は、「職員について」「生活について」「健康について」の項目ごとに法人内の別事業所の職員が聞き取り調査を行っている。集計結果を全体集計、各項目集計、各個別集計に分析して利用者満足度向上に努めている。 職員は、食事などいろいろな場面でさりげなく話しを聞き、朝夕の日誌やケース記録など要望や訴えなどある場合は記録して利用者の要望などを汲み取るようにしている。 第4ホームに担当支援員1名を配置して、利用者の相談、意見・要望に常時対応できる体制をとっている。また、ホーム支援員(世話人)5名を配置し、食事、入浴など、日々の支援を担っている。宿直専門員も配置して切れ目のない支援が行われている。また、2名のサービス管理責任者が随時ホームを訪問し、利用者支援の状況を把握し、個別支援計画に沿った支援ができていることを確認している。 ◇課題と考えていること |
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保 |
◇努力、工夫していること (Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保)生活ホーム施設長が苦情解決責任者である。3名の苦情解決第三者委員及び苦情解決受付窓口を設定し、「お気軽に相談してください」という顔写真入りのポスターをホーム内食堂に提示している。また、苦情相談会や提案箱(みんなのこえ)の設置場所などを掲示し利用者への周知を図っている。 苦情解決規程を作成し苦情申出については面接、電話、書面で随時受け付け、苦情の内容は全て書面に記録している。苦情申出人と責任者との話し合いは第三者委員の立ち合いが原則である。 担当職員制を採用し利用者が何でも気軽に相談できる体制を敷いている。利用者からの個別の相談については、事務室や居室で個別に対応している。支援員・ホーム支援員等が、利用者に寄り添う形で個別相談を随時受けている。傾聴を中心にしつつ、主担当者を中心としてホーム職員全体で解決に向けて取り組んでいる。 オンブズマンが年10回法人の各施設を訪問している。年2回は各生活ホームを訪問し利用者の相談に応じている。利用者は通所先や生活ホームの相談会に出席し、直接職員に言えない苦情や悩みについて直接オンブズマンに相談できる仕組みが整備されている。年間150名程が利用している。 ◇課題と考えていること |
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組 |
◇努力、工夫していること (Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組)研修体制について 「危機管理対応マニュアル」「リスクマネジメント実施要綱」を策定し、施設長が生活ホーム全体のリスクマネジメントを推進している。毎月リスクマネジメント推進会議を開催し、事業所からの事故報告書、ヒヤリハットレポート等点検簿を集約し、全体共有を図っている。月によって異なるが全ホームで月10件ほどのヒヤリハット報告がある。 緊急時は職員2名以上で協力して対応、夜間は宿直専門員が配備されている。緊急時は担当課長に指示を仰ぐ体制であり、職員連絡網が整備されている。 火災や警備などについて警備会社セキュリティを前提とした防災対策マニュアルを作成し、ホーム支援員、支援員宿直が勤務している場合など各場面を想定したもので、順次見直しをしている。「防災行事予定表」「避難訓練実施要綱」「避難移動訓練実施要綱」が整備されている。年2回の火災避難訓練の他大地震を想定し、また、生活ホーム避難移動訓練を年1回行っている。各ホームの安全点検を年2回行い、懐中電灯や非常食等の防災備品は備蓄され、非常食は1日分在庫され賞味期間は栄養士が管理している。 ◇課題と考えていること 法人が運営する10の生活ホームの設備面の拡充が課題である。高齢化の中で利用者の障害支援区分の上昇に応じたスプリンクラーの設置の必要性が大きくなっている。来年度より必要に応じて順次スプリンクラーを設置の予定である。 |
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立 |
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◇努力、工夫していること (Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立)ホームごとに「生活ホーム支援マニュアル」を作成し、服薬や歯磨きのチェックなど利用者一人ひとりの特性に応じた支援内容を明記し、支援の統一性を図っている。生活ホーム支援マニュアルは年度ごとに改定し、利用者の食事形態の変更や薬の変更、飲み方の見直し等利用者の状況の変化に応じ随時見直しを実施している。 個別支援計画の策定は、計画作成からモニタリング、課題整理と計画見直しの作業手順の標準化を図っている。「個別支援計画作成資料」を作成し、個別支援計画の品質保持に努めている。また、個別支援計画書検討会議で計画書の作成、中間・年度末の評価を実施している。 ◇課題と考えていること |
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定 |
◇努力、工夫していること (Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定)個別支援計画の見直しに合わせてアセスメントを実施している。利用者面談を実施し、また、家族等の「要望受付票」を提出してもらい利用者・家族等の要望を尊重した利用者ニーズの把握に努めている。アセスメントは利用者の日常生活動作、生活技術・健康管理、デイ活動、社会参加、対人関係等項目は70項目におよび、項目ごとに5段階評価を行っている。アセスメントの結果を分析し「支援課題一覧」を作成し、利用者支援ニーズを把握し個別支援計画に反映している。個別支援計画は利用者や家族等の同意を得て実施している。 個別支援計画は、年度初めに策定し半期ごとにモニタリングを実施し、支援の成果と課題を確認している。利用者の状況の変化に応じて個別支援計画の見直しを随時実施している。年度末に再度モニタリングを実施し年度ごとの達成状況を評価し課題を確認し、次の個別支援計画に反映している。 ◇課題と考えていること |
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録 |
◇努力、工夫していること (Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録)支援員は日々の利用者支援の状況をケース記録に記入している。また、ホーム日誌、健康記録、小遣い表等を作成しホーム支援室に保管している。 「個人情報保護規定」に基づき利用者の個人情報の保護に努め、職員は利用者の前で他の利用者に関わる話をしないように配慮し、個人情報は鍵のかかる保管庫で管理し、支援メモはシュレッダーで処分するようにしている。 ◇課題と考えていること ケース記録や日誌は手書きで行っている。PCを活用し、職員間の情報共有の仕組みの整備が求められる。また、ケース記録は個別支援計画の目標に沿った記録ではない。個別支援計画の成果の評価にケース記録の記述を活用することがある。ケース記録の書式を工夫し、PCを使ったケース記録上の必要データ検索システムの整備が求められる。 |
A-1-(1)自己決定の尊重 |
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◇努力、工夫していること (A-1-(1)自己決定の尊重)アセスメント実施に合わせて利用者に面談し、また、「個別支援計画書要望受付書」を家族等に記述してもらい、利用者・家族等の要望を尊重し利用者ニーズの把握に努めている。利用者一人ひとりの人格を尊重し、ホームの都合や支援者の価値観を一方的に押し付けない支援を心がけている。 第4ホーム利用者はほぼ自立し、生活のアレンジ力がある。そのため、利用者それぞれの意向を尊重し、例えば市報で募集される行事への参加、近隣への散歩、ホーム内での調理、デリバリーなど、職員が一部を支援するなどで利用につなげている。 ホーム内の共用スペース利用についても、入浴の順番を決めるような場面では、利用者同士が話し合って決めることができている点があり、自治が成立している所がある。 ◇課題と考えていること |
A-1-(2)権利侵害の防止等 |
◇努力、工夫していること (A-1-(2)権利侵害の防止等)「人権侵害防止規定」「性的な迷惑行為の防止規定」「パワーハラスメント防止規定」を策定し、「禁止行為審査会」を設置し、人権侵害行為に関する職員の処置・報告の適切性を審査している。審査会は随時開催されている。 新人研修や職員研修で人権研修を実施している。全職員を対象に「人権チェックリスト」を使用し日頃の支援を振り返っている。法人の人権委員会にホーム職員も参加して2か月ごとに人権擁護の標語を作り掲示している。職員は、利用者の話をよく聞いて、「何かあったら、担当以外の人にもいつでも相談してください」と声をかけている。 また、職員は「先生」ではないことや、職員が利用者を敬称「さん」で呼ぶようルール化していることを伝える取り組みをしている。 ◇課題と考えていること |
A-2-(1)支援の基本 |
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◇努力、工夫していること (A-2-(1)支援の基本)業務内容や日中活動の時間、不調時の連絡方法、個別の対応方法等が時系列で書かれた「生活ホーム支援マニュアル」があり支援の標準化が図られている。 現在、コロナ禍であることをふまえ、利用者の安心で安全な生活の場を提供するため、公共交通機関の利用をやむを得ず制限している状況がある。ホーム利用者の多くが自立しているため、我慢を強いられ、大変辛い思いをしている。職員は、利用者が悩みを抱え込んでいないか、家族と連絡を取りたいが我慢していないか、外出制限によって自立を阻害されていないか等を探り、可能な限り課題を解決するための対応策を講じている。 生活費の自己管理について、利用者それぞれに抱えている課題は違っているが、工賃が支給された際は一律で一旦各自の収入に入れることとし、分かりやすい形で基本ルールを決めている。個別には月あたり管理可能な金額を決めておき、それぞれ管理してもらう形を取っている。 ◇課題と考えていること 利用者の意向に基づく余暇支援について、外出先やおやつ作りの内容等が固定的になっている。利用者に情報提供する際、未体験に対する利用者の消極的な姿勢を和らげ新しい体験を促す事で、新たな選択肢が増えることが期待される。 |
A-2-(2)日常的な生活支援 |
◇努力、工夫していること (A-2-(2)日常的な生活支援)食事は本部の管理栄養士が給食業者と連携し、月単位で献立表を作成し食材を毎日ホームに届けている。ホーム支援員が看護師や栄養士と連携して利用者の嗜好に配慮し、みりんを抜いたり御飯の量を調整するなど細やかな支援に努め、レシピに沿って調理している。 個別支援計画に沿って、それぞれの利用者の出勤時間や食事をとるペース、個々の利用者に応じた食事時間、居室の掃除への支援の有無、入浴時の声掛けや体重測定、血圧測定、日常生活全般の支援の有無などを把握して1日の流れを細かく記述した「生活ホーム支援マニュアル」を作成している。 利用者の高齢化への課題対応について、医師から腰痛体操の実施を助言されたが、利用者にとって難しい内容であったため、代わりにラジオ体操を導入することとした。利用者には、土日に選択制で参加してもらう形をとっており、今後、参加者を増やすための取り組みを進めている。 ◇課題と考えていること |
A-2-(3)生活環境 |
◇努力、工夫していること (A-2-(3) 生活環境)コロナ禍の中で利用者が安心して生活できるように、ドアのノブやトイレの消毒、室内の換気に注意している。衝立を設置し飛沫防止を図っている。 2回のコロナワクチン接種日も決まっており利用者の安心感につながっている。 リビングや浴室、トイレの清掃は、毎日職員が実施しており、とても清潔である。居室の清掃や整理整頓、洗濯は利用者主体であり、状況に応じて職員が支援している。 利用者の高齢化がすすんでいる。第4ホームは61歳から79歳の利用者が生活している。衣替えは利用者と相談して服の処分などを行っている。また、物干しや布団の片付けで無理をしないように、階段で転倒しないように職員が利用者の行動に注意を払っている。 ◇課題と考えていること 利用者の高齢化が進んでおり、布団を干せなくなり、階段で転びやすい利用者がいる。ホームの現状の生活支援の見直しが今後の課題である。 |
A-2-(4)機能訓練・生活訓練 |
◇努力、工夫していること (A-2-(4)機能訓練・生活訓練)利用者の高齢化に伴い体力低下は否めないが、利用者は毎日歩いて通所先の法人の事業所に通い、休日は利用者同士で散歩に出かけたりしている。また、食後にラジオ体操をしたり日常の生活訓練の中で利用者のADLの低下を補う支援をしている。食事は一口大の大きさにして利用者が自身の力で嚥下機能の低下を補うようにしている。 ◇課題と考えていること 利用者の高齢化による筋力低下対策は避けて通れない問題である。理学療法士などの専門的アドバイスを生かした個々の利用者への支援プログラムが課題である。また、日中サービス支援型グループホームの利用等を含めた対策が期待される。 |
A-2-(5)健康管理・医療的な支援 |
◇努力、工夫していること (A-2-(5)健康管理・医療的な支援)第4ホームの利用者は全員が法人の生活介護事業所に通っている。支援員は通所先の看護師等と連携し利用者の健康管理を行っている。 月2回嘱託の内科医とカンファレンスの機会をもち、医師の指示を受けて通所先の看護師が利用者の薬等を管理している。服薬は、看護師が生活ホームの利用者ごとに配薬し、ホームに届けている。ホームごとに「与薬個別支援」表を作成し、誤薬防止のチェックを徹底している。配薬時処方箋と同じであることを確認し、ホームに届けた後2名の職員が正しく配薬されているかを確認している。休日を含み朝・昼・夕の服薬時に朝・夕の服薬時に誤薬や落薬等の事故がないようにチェックし、昼は支援員が通所先に薬を届け、通所先の職員が服薬支援を行っている。 内科医の嘱託医を配置し、年2回春と秋に健康診断を実施している。通所先による健康相談や管理栄養士による栄養相談を実施している。ホーム支援員は毎日9時に通所先の看護師に電話し利用者の朝の健康状態を報告している。緊急時は8時半までに報告している。 ◇課題と考えていること |
A-2-(6)社会参加、学習支援 |
◇努力、工夫していること (A-2-(6)社会参加、学習支援)地域の自治会に参加し、職員は利用者が夏祭りや地域清掃等の各種行事に参加し、地域住民の一人としていろいろな場面で社会に参加できるように支援している。コロナ禍の中で外出を控えているが、できる範囲で利用者の意見を聞いて対応している。ドライブや駅前のショッピングセンターでの買物支援をしている。また、コロナ禍で開催が困難な状況であるが、厚木市主催のプール教室や料理教室は、1クール8回のイベントで2名の利用者が参加し地域の人たちとの交流を図っている。職員は、地域住民の一人としての利用者の社会参加を支援している。 ◇課題と考えていること |
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援 |
◇努力、工夫していること (A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援)生活ホームの利用者は法人の入所施設等から地域移行を果たした人たちである。職員は、生活ホームの利用者が地域住民の一人として地域に定着し生活できるように支援している。職員は、「挨拶をする」「大声を出さない」「迷惑をかけない」といった地域で生活するためのルールを利用者に伝えている。年2回、夏は手作りの藍染の手ぬぐい、暮れには手作りカレンダーを挨拶を兼ねて地域の人たちに配っている。地域の人たちとの交流を図り、利用者が地域の人たちと顔なじみになり、地域住民の障害者グループホームへの理解が深まっている。 ◇課題と考えていること |
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援 |
◇努力、工夫していること (A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援)年に4回、定期的に利用者の生活ホームでの状況を伝え家族とのコミュニケーションを図っている。利用者ごとに日常生活の状況などを写真で紹介し、利用者の医療や健康に関すること、預かり金に関する状況などを伝えている。 また、利用者や家族の高齢化等の状況に配慮し、成年後見人の必要性等について家族に説明している。 ◇課題と考えていること |
その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項
評価対象 | 第三者評価機関からのコメント |
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分類 | 利用者の高齢化・重度化対策としての、「地域での生活を継続したい」という利用者の意思を尊重した対策の実施 |
長く入所施設で生活し、地域移行でグループホームに入居した利用者の高齢化が進んでいる。もとの入所施設ではなく地域での生活を継続したいという利用者がいる。法人として日中サービス支援型のグループホームの開設を進めており、利用者の意思を尊重した支援が期待される。 | |
分類 | 年1回以上の事業所独自の利用者サービスの向上に向けた自己評価と課題整備の取り組みが望まれる。 |
定期的に第三者評価を実施しているが、年度ごとの自己評価は実施されていない。生活ホームの利用者支援に視点を置いた施設独自のチェック項目を設定し、自己評価を実施し支援課題の整備と対策の実施が期待される。 | |
項目 | 利用者の高齢化・重度化対策としてのスプリンクラーの設置 |
利用者の重度化の傾向の中で、火災発生時のスプリンクラー設置の必要性が高まっており、スプリンクラー設置の具体策が期待される。 |
利用者調査の結果 | |
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①ヒアリング調査(本人) | 利用者女性3名に面談し、所定の書式「障害者グループホーム第三者評価 利用者調査表①(利用者ヒアリング調査用)」を用いてヒアリングを行った。面談はリビングで一人ずつ実施した。 ①職員は皆さん丁寧に話をしてくれるが、人によってはちょっと違うひともいる。 ②部屋に入る時は、職員は必ず了解を得てから入る。 ③食事の意見や要望を聞いてくれる。自分は砂糖やみりん食がだめで 職員はよくわかってくれている。 ④毎年旅行や墓参のための外出をしているが、今年はコロナで行けなくなった。職員は外出のことなど一緒に考えてくれる。 ⑤自分のお金は職員に相談しながら自分で管理している。 ⑥職員は友達感覚やお母ちゃんといえる関係で相談に乗ってくれる。 ⑦遠方の親族に電話で相談することがあるが、ホーム以外で相談できる人は思い当たらない。 ⑧体の具合が悪いときは、職員に相談するとすぐに対応してくれる。 ⑨以前は電車やバスを使って自由に外出していたが、コロナ禍で禁止になった。買物は職員が付き添ってくれる。 ⑩ホームでの生活は楽しいので大切にされている。 |
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」 |
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すぎな会生活ホームとして、今回3回目の受審でした。 担当する職員も変わり、生活ホームの運営や利用者支援について、振り返ることができる良い機会になりました。ホーム毎に全職員で話しをする事で、改めて気づいたこともあったと思います。 今回の受審結果を皆で共有し、利用者支援の向上に取り組んで行きたいと思っています。 |