社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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すみよしのはら保育園

2022年02月18日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 すみよしのはら保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 100 名
所在地 〒211-0033
川崎市中原区木月祗園町17−2
TEL 044-411-6311 ホームページ https://daijikai.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2010年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 大慈会
職員数
常勤職員:24 名
非常勤職員:16 名
専門職員
保育士:23 名
看護師:1 名
調理師:1 名
幼稚園教諭二種:19 名
施設・設備の概要
居室:0歳児保育室
居室:1歳児保育室
居室:2歳児保育室
居室:3歳児保育室
居室:4歳児保育室
居室:5歳児保育室
設備:調乳室
設備:木浴室
設備:乳幼児用トイレ
設備:事務室
設備:相談室
設備:調理室
設備:園庭
設備:ルーフバルコニー
設備:職員休憩室

③ 理念・基本方針
<基本理念>
●我々は、まず福祉の増進に寄与する者でなくてはならない。
●我々は、子どもたちの親、家族の幸せを守り、育まねばならない。
●我々は、我々自身その一人一人が幸福であるように努力し、協力しなければならない。
●我々は、生命の尊さと、大切さと、喜びをよく知っていなければならない。 

<基本方針>
1.子どもを中心に、家庭と協力しながら健全な心身の発達を図る
2.心身ともに豊かで、自己を充分に発揮できる子どもに育てる
3.難しいことに立ち向かい、乗り越えられる力を育てる
4.人に対する愛情と信頼感が持てる心を育てる
5.保育の専門性を活かし、地域の子育てを支援する

<保育目標>
十分に養護の行き届いた環境の下、くつろいだ雰囲気の中で子どものひとりひとりの欲求を満たし
生命の保持、情緒の安定を図る。
●健康で明るい子ども
●意欲のある子ども
●感情豊かな子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
1.充実した人員配置による丁寧な保育と職員一人辺りにかかる負担の軽減
2.外部講師にピアノ・造形活動
3.併設している子育て支援センター「虹」

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/04/22(契約日) ~2022/01/21(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2012年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【すみよしのはら保育園の概要】
●すみよしのはら保育園は、社会福祉法人大慈会(以下、法人という)の運営です。法人は1953年に川崎市多摩区に「龍厳寺幼児園」を開設・運営をスタートし、1975年9月に社会福祉法人としての認可を受け、2002年には川崎市内で公設民営第1号となる公設民営の保育園運営を手掛けたのを皮切りに、その後も公設民営・民設民営の保育園を積極的に展開し、現在では川崎市内に保育園を9施設運営し、地域に貢献しています。

●すみよしのはら保育園は、東急東横線「元住吉駅」から徒歩5分と利便性が良く、川崎市立住吉小学校が隣接し、子どもたちは園庭から校庭等を見ることができ、運動会の際には校庭や体育館を借用する等、良好な関係を築いています。周辺は、四季折々の自然に恵まれ、数多くの保育園や、公私立の小中高等学校、病院、短期大学、施設等が点在し、「川崎市国際交流センター」の社会教育施設もあります。地域社会を通して、大人や様々な人と交流し、色々な生活体験、社会体験、自然体験を豊富に積み重ねる機会を持ち、子どもたちの興味・関心、自らの考え等から自主性を培うと共に、子どもたちの「生きる力」へとつなげています。

●園舎は、明るいオレンジ色を基調とした外観で、2棟が連なる形で建てられており、広い園庭には固定遊具が設置され、畑も設け、食育の栽培活動も活発です。園内は開放感溢れ、天井が高く、広く、子どもたちが元気に遊ぶ明るい保育園です。また、フリースペース、テラス、屋上があり、それぞれ十分な広さが確保され、子どもたちは雨の日でもフリースペースで体を動かして遊べる環境を整えています。

●すみよしのはら保育園には地域子育て支援センター「虹」を併設し、地域の子育て支援に尽力しています。育児講座、親子遊び、園庭開放、園児との交流体験等、また、子育て関連の情報提供、サークル支援も実施しており、子育て中の家庭の交流の場として提供し、専門知識を持ったスタッフ・保育士が、保護者に寄り添いながら温かく支援しています。

◇特に評価の高い点
1.【ゆとりある人員配置】
すみよしのはら保育園では、川崎市人員配置基準以上の保育士を配置し、子どもの安全を担保し、子どもや保護者一人ひとりへ「ゆとり」と「丁寧」な保育を提供しています。子どもたちは多くの大人と関わる機会が持て、子ども一人ひとりへ手厚く目が行き届き、子どもの満足度を得、保護者に対しても相談等へのゆとりある対応や、会話する時間確保により情報を多く得る機会も増える等、保育全体に還元されています。また、保育士一人ひとりが抱える保育への負担軽減に大きな効果があり、交代人員の確保により業務等も分散ができ、効率的な稼働が実現しています。これにより、余裕のある保育サービスの提供、子どもへの安心・安全な保育につながっています。利用者アンケートからも「日常の保育」に係わる満足が一番高く、「お子さんは保育園で楽しく過ごしていますか」では、75%の満足を得られており(概ね満足と併せて96%が満足)、園の職員体制・安定した保育によるものと示しています。

2.【学びの「芽生え」への取り組み】
すみよしのはら保育園の幼児クラスでは、テーマに沿って話し合い、創造と共に自発的に取り組む機会を設けています。法人では、保育の取り組みの1つとして、小学校教育(教科学習)を見据え、子どもたちが「意欲的に授業に参加する力」を養えるよう、色々なものに興味を持ち、面白さを感じることを大切にし、「自発的な学び」を促すよう取り組んでいます。その一環の取り組みとして、すみよしのはら保育園では、SDGs(Sustainable Development Goalsの略)について、子どもたちが自ら「参加する」取り組みを行っています。SDGsの17の目標の1つから課題を挙げ、取り組み方を子どもたちにわかりやすく伝え、グループに分かれて話し合います。テーマとして、地球温暖化防止を挙げ、子どもたちで日頃からの意識・生活を考え、「なぜ」を考え、自然環境を守る為にどのようなことができるのか等をディスカッションし、模造紙に関連写真等を貼り、自分たちの意見を記載して発表を行います。グループの結果は、廊下の壁面に貼り、みんなが興味・関心を持って話す機会となり、子どもたちの将来につながる良い取り組みです。

3.【外部専門講師によるプログラムの活性】
法人では保護者のニーズに沿い、希望対象者に保育時間中に受けられる有料のオプション教室を設けています。法人系列各園でピアノ教室やスイミング教室、英語教室、体操教室、ダンス教室等を外部専門講師によるオプションとして実施しています。また、4歳、5歳児対象に、月に1~2回、外部講師により「造形活動」の指導も受けています。「造形活動」では、子ども自らの発想や自分の力で作り上げ、作品になるまでの過程を大切にし、子どもが楽しいと感じられることを活動の源泉とし、「こんなものをつくりたい」と思うイマジネーション、アイデアの広がりから五感を刺激し、個性の芽生えにつなげています。これらの保育の取り組みは法人理念、方針に沿い、園の保育方針に合致し、幅広く子どもの可能性を追求し、要求を満たす取り組みとなっています。言うまでもなく、保護者からも好評を得ています。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1.【業務マニュアルの策定】
法人の基本理念・基本方針、職員としての心構え、就業規定・規則等、法人で作成された全園共通の規約等は整備され、園独自の防災・防犯対策マニュアル等は備えられていますが、園の標準となる「業務マニュアル」は作成されていません。新入職者へのOJT教育や、保育の振り返り及び確認、保育の改訂の周知徹底を図る際等、園での標準化を図っていくことにおいて必要に思われます。すみよしのはら保育園としての「業務マニュアル」の策定を一考され、マニュアルに基づいた指導・教育により、さらなる保育・業務の統一化を期待いたします。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 社会福祉法人大慈会 すみよしのはら保育園         

<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
   
今回、自己評価をするにあたって、職員は経験年数別のグループを作って経験年数の多い少ないに関係なく、自分の意見を出せるようにしてみた。経験年数によってはまだ知らないことがあるのだということがわかった。最終的には全職員で自己評価の確認をすることで全員が必要なことを知る機会を持てたと思う。また、施設長としての仕事について今まで取り組んでいなかったこともあった為、確認できて良かった。

第三者評価は評価結果が全てなのではなく、受審することをきっかけにして今までの保育や取り組みを見直すことができる機会なのだと思った。やっていないから駄目なのではなく、今後取り組んで行くことに意味があると感じた。これからも職員と共に日々研鑽に努めて行きたいと思う。

<評価後取り組んだ事として>

1.保護者アンケートや園内点検を元にして快適な保育環境を目指して、園内整備に取り組んだ。

2.職員にとって必要な書類である「就業規則」「服務規程」等、自由に閲覧できる場所に保管していたが、保管場所を全ての職員と再確認した。また、必要な部分についてはコピーして全員に配付するようにして周知を図った。

3.すみよしのはら保育園が民営化されてから12年が経過している。保育の中で大事にしてきたことや、12年で積み重ねてきたこと等を、後輩職員にどのように伝えて行くかに取り組んでいる。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●運営母体である社会福祉法人大慈会(以下、法人という)の基本理念、基本方針を基に、すみよしのはら保育園の保育方針と保育目標を定めています。法人の基本理念・基本方針はホームページの「大慈会組織概要」に掲載し、保育の取り組み等をわかりやすく明示しています。園の保育方針・目標は、園のホームページ、パンフレット、「園のしおり」にも掲載し、入園希望者や保護者に提供しています。さらに、入園説明会、保護者会総会・懇談会でも説明を行い、周知しています。職員に対しては、理事長の講話が掲載されている「保育内容論文集」、全体的な計画に記載すると共に、法人研修でも理念について周知しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

●全国保育協議会、川崎市保育会、川崎市社会福祉協議会、中原区園長会等の会合、研修会に参加し、法人系列9園の園長会にも出席して経営状況を把握しています。これらの会合等を通して、社会福祉事業全体の動向、地域の福祉計画の動向、地域の子どもの人数や保育ニーズ等を把握しています。また、法人契約の会計事務所の助言を受け、経営状況の確認、分析、見直しを行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●毎月、法人系列9園の園長会を開催し、法人、各保育園を取り巻く経営環境、財務状況、対処すべき課題等について報告を行い、各園長からの状況報告を踏まえ、それぞれの課題等について協議・検討を行っています。経営状況や改善すべき課題については、園長会での協議・検討結果を園長で精査した上で、全体で共有すべき重要事項のみを職員に周知しているに留まり、今後、経営状況の情報を共有する取り組みが期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●法人では中・長期計画を策定しており、ビジョンとして、「今後の社会ニーズ、利用者ニーズに柔軟に対応しつつ、常に子どもを主体とし、子どもの権利を尊重した職員集団を目指す」としています。園では、中・長期計画は策定していませんが、法人のビジョンに基づき、中期的なビジョンとして1.「職員の人材育成」、2.「職員の資質向上」を目指しています。さらに、今後において目標達成時の数値(例えば、取り組み、件数、参加者人数、開催回数等)も設けていかれると尚良いです。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●園では、毎年度の事業計画を策定しています。事業計画は、法人の中・長期計画を踏まえ、保護者との関わり、地域支援、保護者・子どもとの関わり、職員の資質向上等に取り組むことを盛り込んでいます。その上で、クラスごとの年間保育目標、行事、食育、保護者支援、職員研修等についての取り組み、内容を自己評価で振り返りを行っています。さらに、数値目標等を定め、後に評価も実施できる内容にしていかれることを期待いたします。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

●各年度の事業計画は、前年度末に各クラス、各係、各会議等でまとめられた1年間の活動結果、振り返り、反省点等を基に、最終的に園長が策定しています。事業計画は、年度当初の職員会議で園長が説明を行い、職員へ周知しています。また、年度途中の見直しや、改定の必要が出た場合には随時、カリキュラム会議で見直しを図っています。行事については、行事後の職員会議で反省点、改善策等について話し合い、次年度に反映させています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

●各年度の事業計画で記したクラスごとの取り組み目標、行事予定、食育計画等は、「園だより」等で保護者に配付する他、園内の掲示板に掲示して理解を促しています。また、4月に開催する保育内容説明会・懇談会の場でも説明を行い、周知しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●主な行事後に保護者アンケートを実施し、アンケート結果の集計を基に職員間で振り返り及び反省を行い、まとめています。保育内容の評価については、乳・幼児会議、カリキュラム会議で話し合った結果を園長が最終確認をして評価につなげています。園では、職員に対して年1回、自己評価と併せて意向調査を実施し、それを基に園長と面談を実施し、助言・指導を行うと共に保育の質の状況を把握しています。面談結果は法人に報告しています。第三者評価の受審については、今回は2度目の受審であり、今後も5年に1度の受審を予定しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

●保育内容については、週・月・期ごとに保育計画を作成して保育を実施しており、乳児クラスの保育内容についてはクラス会議・乳児会議で振り返り・反省を行い、幼児クラスは幼児会議で実施し、保育の反省及び課題を抽出し、乳・幼児会議で全体の課題を共有して意見交換を図り、要改善と判断した事項については、次年度の「事業計画」、「全体的な計画」に反映させるよう計画的に保育を進めています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●「管理規程」、「職務分掌」規定において、園長の職務・職責を定めています。園長は、自らの職務・職責を職員会議等において職員に表明し、周知を図っています。保護者に対しては、「重要事項説明書」において、園長以下職員の職種、人数、職務内容を明示しています。園長不在時の権限委任も明確にし、職員、保護者に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園長は、全国保育協議会、川崎市保育会、中原区園長会の会合・研修会、法人系列園園長会に参加し、また、法人主催の研修会や外部研修に参加して社会福祉、保育、労働等に関する法令制度(改定等)の情報を入手し、情報を基に、保育活動での改正または改定の必要性について確認しています。今後、入手した情報は、職員会議で職員に周知を図るよう努め、保育に係わる法令を抜粋して伝える工夫や、職員全体で法令遵守を実践していく取り組み等、一考を期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は、保育の質を維持向上させるために、常に現場の状況把握に努め、日々の保育において職員に対して適切な指導・助言を行っています。また、日々の会話や職員会議での意見を聞き、クラスに出向いて職員の声を聞くよう心がけ、保育の質の向上に向けて維持・改善に努めています。職員の教育・研修については、職種、地位、年数、担当に応じた研修の受講を促し、シフト作成時においても主任と共に配慮しています。研修受講後は、研修内容を園内研修で報告し、職員間で知識・技術を共有しています。また、絵本読み聞かせの外部講師を招き、乳児、幼児の担当別に絵本読み聞かせの研修を行い、保育の質の向上につなげています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●法人は、顧問契約の会計事務所及び社会保険労務士法人から財務、人事、労務について定期的に助言を受けており、経営の改善、人事については法人主導で実施しています。受けた助言を基に法人と園長とで個別に協議を行い、法人系列9園の園長会での議論も踏まえ、園での労務管理、財務管理に適切に努めています。また、非常勤職員を採用し、担任にヘルプ職員を2名配置する等、全体として職員がゆとりを持って働ける体制を整えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●法人は、「川崎市保育会」(川崎市内の保育園運営をしている社会福祉法人で構成)に加盟しています。同保育会は、統一採用活動を行っており、すみよしのはら保育園もこの仕組みを活用することで、園に必要な保育人材を確保しています。法人のホームページでは採用に関するページ「入職をご検討の皆さまへ入職案内」を設け、写真、図表を用いて、保育園の取り組み、資質向上の機会、働きやすい環境、採用の流れについて詳しく情報提供をしています。保育士資格を有していない職員に対しては、資格取得のための支援措置を講じています。園では、造形指導・ピアノ教室(幼児のみ希望者)の外部専門職の人材も確保しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人が定めている基本理念の1つに、「我々は、子どもたちの親、家族の幸せを守り、育まねばならない」と記し、理念からも浸透を図り、「期待する職員像」を定めています。園では、年1回の自己評価及び意向調査を実施し、面談を通して望ましい保育士の資質等についても教示しています。また、職務分掌を整備しています。園では「業務マニュアル」の備えがなされていないため、業務内容の確認・振り返り、新入職員、非常勤職員等への周知、職員の標準化を図っていくためにも、業務マニュアルの策定が望まれます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●法人では、公私の充実が質の高い保育につながると考え、休暇制度の充実、業務効率化、処遇・待遇の向上を図り、職員のプライベートの時間を大切にできるよう取り組んでいます。園では、非常勤職員を多く採用することにより、職員の休憩時間の確保、年次有給休暇取得のしやすさ等に努めています。組織として、退職金制度や、産休・育休制度、ジョブリターン制度、10年勤務職員の休職制度等が整えられ、さらに、年1回の健康診断、インフルエンザ予防接種、ストレスチェック、悩みやハラスメントについて相談できる外部相談窓口、産業医も整備しています。産休後の勤務地や働くシフト、勤務時間等を考慮し、様々な働き方で継続雇用できる環境を整えています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●「大慈会の保育」において、法人の保育士として求められる資質や態度・職員像が明記されており、保育理念及び「大慈会の保育」に沿って、職員には各自で今年度の目標を掲げてもらい、自己評価を実施しています。年1回、園長との面談を実施し、職員一人ひとりの目標達成状況の確認及び振り返りを行い、指導・助言を行っています。園独自指針として業務マニュアルの作成が望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●「大慈会の保育」に、法人の基本理念・方針などが明記されており、入職時に配付しています。園で企画、実施する「園内研修」、法人が企画、開催する「法人内部研修」、川崎市保育会、川崎市、川崎市中原区が開催している外部研修に極力職員が参加できるよう、シフトの調整を行うと共に人員体制を整えています。今後、定期的に教育・研修計画の評価、見直しの実施を期待いたします。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

●園長は、入職時の面談等を通して職員の知識・技術水準・有している資格等を把握しています。入職時には主任・リーダーがOJTを行い、業務の流れなどについて説明しています。また、外部研修の受講を奨励し、行政や研修機関からの研修案内は直ぐに全職員に周知し、職員が受講しやすいようシフトの調整や常に人員配置にゆとりを持たせ、研修の機会を確保しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

●保育実習、保育体験等を受け入れる方針を持ち、保育士養成校の保育実習、小学生、中学生の職場見学、高校生のインターンシップを受け入れています。現在は、新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍とする)の影響により中止としていますが、受け入れに当たっては、「受け入れマニュアル」を作成し、受け入れ手続き、実習生依頼校との連絡調整を行い、実習生のオリエンテーションで留意点を伝え、保育指導等を行っています。また、実習指導者としてのスキルを多くの職員が身につけられるよう、実習指導に関する外部研修の受講も奨励しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

●法人及び園のホームページでは、基本理念、基本方針、保育方針、保育目標に加え、保育の特徴、取り組んでいる保育、質の高い保育の提供、施設・設備の概要、主な行事・保健行事、所在地等を分かりやすく公開しています。第三者評価の受審結果や苦情・相談体制はホームページでも公表している他、玄関に掲示しています。苦情等については、改善・対応を内容に応じて個別に回答を行う場合や、申出者に配慮して掲示板等で公表するようにしています。併設している地域子育て支援センター「虹」では、園庭開放、園児との交流等の情報提供を行っています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「管理規程」に事務員の配置を規定し、同規定に基づき事務、経理等は事務員が遂行しています。税務、労務に関する手続き、書類作成、役所への報告等は、事務員を通して法人の顧問契約の会計事務所、社会保険労務士法人に委ねています。その他、法人は弁護士との顧問契約も締結しており、これら外部専門家から業務の執行状況等について適宜助言を受け、適正な運営に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●全体的な計画の中に、「地域関係」の項目を設け、取り組み計画内容を記載しています。昨年度から今日に至るまでコロナ禍の影響により、地域活動がほとんど中止となっています。2021年度も先行きは不透明ですが、小学校や他保育園との交流、園庭開放、夏祭り、デイサービスすみよし訪問を再開したいと考えています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

●ボランティアの受け入れについては受け入れる方針であり、受け入れに関する基本姿勢を明文化すると共に、受け入れマニュアルも作成しています。コロナ禍以前は中学生の職業体験、高校生のインターンシップの受け入れを行っていた実績もあります。今後は、指導担当予定者に対する研修を充実すると共に、感染症、コロナ禍の下において、保護者、子どもたち、職員、実習者の全員が安心できる実習体制のあり方を探っていく所存です。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

●園では、警察署や消防署を始め、川崎市子ども家庭センター(中央児童相談所)、川崎市児童虐待防止センター、川崎市中央療育センター、川崎市社会福祉協議会など関係諸機関の連絡リストを作成し、事務室内に掲示して緊急時等には迅速に連絡が取れるようにすると共に、必要に応じて家族に情報提供を行っています。また、中原区が主催する園長会、幼保小連絡会議、各種担当者会議には、可能な限り毎回出席して新しい情報を入手するよう努め、各担当者との連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●コロナ禍以前は、民生委員・児童委員との会議を通じて地域の子育てに関するニーズ等の把握に努めていましたが、現在は併設している地域子育て支援センター「虹」を通じて、地域の子育てに関するニーズ等の把握に努め、地域の育児相談や子育てに関するアドバイス等の子育て支援を行っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

●併設している地域子育て支援センター「虹」を通じて、地域の子育て支援に関するニーズを把握し、園として専門職員が育児・保育、栄養相談等に対応しています。地域のニーズに基づいた事業や活動は全体的な計画に反映させ、保護者に説明しています。地域コミュニティの活性化については、ハロウィンに商店街(ブレーメン通り)で仮装行列を行い、お店へお菓子を貰いに行く等、交流しています。住民の安全・安心のための備えとしては、園にAEDを設置し、ステッカーで周知しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●法人の掲げる保育方針の1つに、「一人ひとりの人格を尊び守り育てる」と定め、子どもの人権を第一に考え、子ども一人ひとりに寄り添う保育を行うことを表明しています。入職時に配付している「大慈会の保育」にも明示されており、全職員に周知しています。また、職員会議や研修でも随時取り上げ、周知徹底を図り、共通認識を図り、保育に当たっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

●子どものプライバシー保護については、「緊急対応マニュアル」に個人情報について明記されており、職員に周知しています。法人の「就業規則服務規程」の中にもプライバシーに関する記述があり、今回の第三者評価受審をきっかけに職員へ配付し、理解及び周知を図っています。夏場のプール遊び時には、年長児クラスは男女に分けて着替え、毎日の排泄(おむつ交換)、着替え等には子どもの羞恥心を大切にすることを前提に、他の子どもから見えないところで行う等、配慮しています。保護者に対しても、行事参加時に撮影した写真・動画で、他の子どもが写り込んでいるものをSNS等にアップロードしないよう伝え、プライバシー尊重を呼びかけています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●入園希望者向けのパンフレットを用意し、園見学を実施しています。現在は感染症対策として、入園希望者にはパンフレットを配布し、質問等は電話で対応しています。パンフレットについては随時見直しを行い、見学時に質問が多かった事項を追記しています。また、中原区役所で毎年開催されている作品展に年長児の作品を出展した際には、「園のしおり」を設置して情報を提供しています。今後は、園のホームページにも園見学案内等の情報を掲載すると尚良いと思われます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

●保育の開始及び保育内容の変更の説明にあたっては、年1回の保育説明会や「園のしおり」等で保護者に周知しています。子ども・保護者・家庭の状況を大まかに把握し、個別面談日時を設定して子どもの状況等を詳しく聞いています。また、保育内容、給食、行事等を詳細に説明しています。説明は「重要事項説明書」を基に行い、説明後には同意書への署名押印をもらっています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●コロナ禍以前は中原区が開催する幼保小連絡会議には必ず出席し、小学校教諭との意見交換を行い、園児が卒園後、小学校への進学をスムーズに行えるために連携を図り、得た情報は保護者にも伝えていましたが、現在、幼保小連絡会議開催はコロナ禍により中止となっており、電話等で意見交換を行い、得た情報は保護者に伝えるようにしています。卒園後の相談窓口や担当者の設定は行っていませんが、園長または主任が対応するようにしています。卒園後も子どもや保護者の拠り所として気軽に相談等ができるよう、卒園時等での文書による周知、それらの旨を文書化することが望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●保育参観、主要行事(夏祭り、運動会、なかよし劇場)後には保護者アンケートを実施し、保護者の感想、意見、要望等を把握しています。各アンケート結果は、集約して文書にまとめ、各行事の係や担当を中心に会議等で検討し、改善に努めています。園長・主任は今回の第三者評価の「利用者家族アンケート」の結果を踏まえ、保護者からの要望を公表した上で、園としての回答及び可能な範囲で改善を行い、利用者満足度の向上に努めていきたいと考えています。また、保護者役員会に園長、主任が出席し、保護者の意見を改善に役立てています。来年度からは、法人全体で利用者満足度調査を実施する計画予定です。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

●「園のしおり」に、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を明記し、入園時に保護者に周知しています。園で「苦情対応マニュアル」を策定し、苦情対応マニュアルに基づいて対応に当たっています。また、「園のしおり」に、苦情の申し出先として、園長、法人理事長、川崎市役所、川崎市保育会の電話番号を掲載し、玄関に掲示して保護者に周知しています。また、意見箱を設置し、受けた苦情内容は全職員に周知し、会議等で検討を図り、改善及び、保育の質の向上につなげています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

●園では、苦情に限らず相談、要望等について、直接の申し出、電話で受け付けることを「園のしおり」及び「重要事項説明書」に明記しています。申し出先についても、園長、主任をはじめ、担任、看護師、栄養士と誰に対してでも良いことを伝えている他、意見箱に投書しても良いことを伝えています。園内で相談を受ける際には、多目的室やフリースペース等、他の保護者から見られない場所で行い、プライバシー確保にも配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●職員は日々、登降園時には保護者への声かけを心がけ、家庭での様子を含め、保護者が相談や意見を述べやすいよう配慮しています。また、意見箱の設置や行事後のアンケート実施、懇談会、面談等でも保護者の意見等を把握するよう努めています。「苦情対応マニュアル」を作成し、マニュアルに沿って対応することにより、職員の応対に差異がないようにしています。苦情を受けた際は、「苦情受付書」に内容と経過、申出者の希望、想定原因等を記入し、会議等で原因分析や対応方法の検討を行い、最終的に園長が決定し、速やかに申出者に回答しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●リスクマネジメントに関する責任者を定め、全職員に周知しています。「事故発生時のマニュアル」(アクションカード)を事務所内に設置し、職員に配付して対応手順の共通理解を促しています。ヒヤリハットや事故発生時は書面に残し、会議等で改善策・再発防止策を検討し、未然に防ぐための措置を講じ、再発防止に努めています。改善策・再発防止策に関しては、ヒヤリハットや事故報告書に記載し、誰もが閲覧できるよう共有しています。防犯対策の取り組みでは、警察OBのボランティアが来園し、防犯講座を受講し、指導・助言により理解を深めています。看護師は、職員に対して心肺蘇生法研修を実施し、また、給保会議の中で事故防止策の安全確保策の実施状況の件数(期)・集計を報告し、職員間で振り返りを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「健康管理マニュアル」、「嘔吐処理マニュアル」を策定し、健康管理マニュアルに沿って看護師を中心に感染症対策・感染症発生後の対応を行っています。現在は、新型コロナウイルス感染症への対策として、次亜鉛塩素酸水加湿器を各保育室に1台設置し、園内の物品・設備等の消毒を実施し、また、職員の健康管理の強化、保護者に対する感染症予防対策の啓蒙を行っています。保護者への情報提供は、園内の掲示板(保健コーナー)に掲示する他、「保健だより」、電子メール一斉配信でも行い、注意喚起を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

●園は、川崎市のハザードマップの水害地域に指定されていることを踏まえ、水害時における「災害対応マニュアル」を作成し、川崎市危機管理室から承認を得ています。また、「火災や地震等の災害対応マニュアル」も作成し、マニュアルに沿って毎月避難訓練を実施すると共に、防災計画の策定、災害発生時の連絡体制の確認を行っています。災害時の備蓄品等については、各クラスに非常持ち出しリュックを備え、3日分の水・食糧、簡易トイレ、固形燃料、哺乳瓶等を備蓄しています。災害時の保護者への連絡体制については、電子メール一斉配信を基本に、「kidsly」(ICTサービス)での安全確認や、携帯電話、固定電話への個別連絡も行う想定にしています。去年から非常持ち出しリュックの中身をリスト化し、物品を把握できるようにしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●「大慈会の保育」の冒頭に基本理念、保育方針等が記載され、園は「大慈会の保育」を基に、理念・方針・目標に沿った保育活動を実施しています。また、「就業規則」による服務・勤務等の内容も配付及び周知しています。子どもとの接し方や業務の流れ等の指導・教育については、主任を中心にOJTを行い、実践できるよう標準化に努めています。園独自の業務マニュアルの備えがあることにより、職員間での保育業務や手順の確認、振り返り等、職員が立ち返る所として、また、保護者等の意見や地域性を加味した「すみよしのはら保育園」の保育のさらなる確立に向けて、今後、業務マニュアルの作成を期待いたします。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

●保育の一律な実施方法、法人系列園共通して適用するマニュアルを法人で作成し、園ごとに異なる状況(人数、地域性、施設・設備の違い等)を踏まえて追加、修正する内容を園で確認しています。これらを基に指導計画を作成し、保育計画はクラスごとに見直しを行い、カリキュラム会議で3ヶ月に1回確認し合い、職員の意見や提案を反映させています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

●入園前に、保護者から児童票、健康診断記録表等の書類を提出してもらい、書類を基に面談を行い、家庭内での育児の状況や要望、アレルギーや障害等の実状を聞き、把握しています。面談後に園長、主任、関係職員、看護師、栄養士で園として配慮すべき事項を盛り込んだ個別指導計画を策定し、乳児は個別目標を定め、子どもにとって最善の保育の実践に努めています。個別指導計画は全職員に周知し、情報共有ができる体制を整えています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

●全体的な計画は、1年間の保護者からの意見、要望、苦情をまとめ、職員の振り返り・反省を踏まえ、会議で追加・削除・修正すべき点をまとめています。クラスごとの「年間指導計画」についても、クラス担当保育士が四半期ごとの振り返り、見直しを行い、全体的な計画の変更予定部分を踏まえて追加・削除・修正点をまとめ、乳児会議、幼児会議に提出して検討しています。これらのプロセスを経て、年度末に最終的に園長が決定し、決定後は職員会議で全職員へ説明を行い、周知しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「計画策定マニュアル」を策定しており、園で作成している様々な記録、書式について、記入内容や記入の仕方について定めています。実際に職員が記録した文書について、統一された記入方法で記されているか、適切な記入内容かを園長、主任がチェックし、至らない部分があれば個別指導を行っています。また、法人全体として、記録の電子化やITを活用した記録方法の導入について検討を進めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●「就業規則」に秘密保持、個人情報保護等について明文化され、「個人情報マニュアル」を作成して職員に周知し、厳守するよう徹底しています。個人情報が記載されている書類等は事務室内の鍵付き書庫に格納し、事務所からの持ち出しを禁止しています。今後、園内研修でも個人情報等に関する研修を盛り込み、実施していかれることを期待いたします。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

●全体的な計画の冒頭部分に保育理念、保育方針、保育目標を明示し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」についても記載して計画の目指すところが掴みやすい構成になっています。全体的な計画は、前年度末頃からクラスごと、乳・幼児会議、カリキュラム会議等で子どもの状況や保育者のニーズを踏まえて検討し、最終的に園長が決裁しています。全体的な計画は年度末に評価を行い、次年度の計画に反映させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

●保育室は、全室西側に配置されており、採光が良く明るい保育室であり、西日や、午睡時はカーテンで調整を図り、子どもが心地良く過ごせるよう配慮し、室温も子どもに合わせて調節しています。子どもが落ち着いたり、寛ぎたい際は、簡易的なパーテーションを活用して安心できる空間を設けています。各保育室には、従前からエアコン、24時間換気装置、空気清浄機、加湿器を設置していましたが、昨年以来、コロナ禍の予防に備え次亜塩素酸水の噴霧器を新たに設置し、適宜、窓を開放して自然換気を実施する等、一層留意しています。玩具や家具、子どもが触れる箇所等、アルコール消毒を行い、布団は陰干しにし、年2回布団乾燥も実施して衛生管理にも努めています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●保育士は、子ども一人ひとりの発達と発達過程、家庭環境等による個人差を十分に把握した上で、子どもに合わせて保育を実践しています。子ども一人ひとりを受容し、気持ちに寄り添いながら安心を提供できるよう心がけ、子どもが自分の気持ちを素直に表現できるよう配慮しています。子どもと接する時には、子どもの目線に合わせ、分かりやすい言葉で穏やかに話し、子どもが理解できるように心がけています。また、集団生活、限られた時間の中で急かす言葉が出てしまう場合は職員間で注意をするようにしています。利用者アンケートでは、「職員はお子さんを大切にしてくれていますか」の項目において、満足70%、概ね満足は25%であり、合わせて95%の結果を得ています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●基本的生活習慣を身につけられるよう、絵カード等を活用して大切さを伝え、着替え・トイレ・遊び等の場面に応じた流れを視覚的に掲示し、子どもが理解しやすいように取り組んでいます。子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重し、子どもの自尊心を傷つけないよう援助しています。生活習慣の習得状況は子どもや家庭状況を考慮し、一人ひとりの発達状況や発達過程に合わせて生活習慣が身につくよう支援しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●園には、十分な広さを持つ園庭を有し、様々な遊具が設置され、フリースペースやテラス、屋上も十分な広さを確保し、保育室ではコーナー遊びや廃材等を活用して自主的、自発的に活動できる環境が整っています。保育士は、小さなことも「すご~い!」、「できたね!」と褒め、共感することで子どもの自信につなげ、子どもたちの自主性を伸ばしています。年長児を対象にパネルシアターや踊り等を取り入れ、友だちと協同して活動できる場を設けています。コロナ禍以前は、園周辺の環境を生かし、高齢者デイサービスへの訪問やお祭り等に参加し、消防署協力の総合避難訓練、地域の企業開催の食育体験に参加する等、地域の様々な人たちと関わる機会や社会体験が得られる機会を設けていました。コロナ禍が収束後は再開が期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●0歳児については、緩やかな担当者制とし、慣らし保育中は担当保育士を決め、慣らし保育後はどの保育士も愛着関係を築けるよう努めています。0歳児は月齢による発達の差を理解し、子ども一人ひとりに合った生活や遊びを提供し、子どもの表情や態度から、「今、何を求めているか」を感じ取れるよう心がけ、対応しています。保育室はクッションマットを敷き、家具や棚にはコーナークッションを取り付け、安全を確保し、また、寝食は別にして衛生面でも配慮しています。玩具、マルチパーツ(可動遊具)、保育士の手作り玩具等、様々な遊具を用意して子どもが興味・関心を持ち、遊びを広げていけるよう配慮しています。保護者とは離乳食に関して連携を図り、日々「kidsly」で園での生活、子どもの様子について情報を提供し、記録は残しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●1歳~2歳児は、何でも自分でやりたがる年頃を理解し、子どもの欲求や要求を先ずは受け止めて見守り、出来たことは、褒め、共感しながら子どもの成長を一緒に喜ぶようにしています。また、友だちとの関わりが増える中、玩具の取り合いなどで自我が強く出た場合等は保育士が仲立ちとなり、双方から思いを聞き、それを相手に伝えることで、友だちの気持ちに気づけるように促しています。園庭を生かして体を動かし、天気の良い日はお散歩に出かけ、畑や散歩時に見つけた虫や植物、自然に興味・関心を促し、散歩で行き交う地域の方と挨拶する等、保育士以外の大人と交流が持てるよう配慮しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●幼児(3歳以上児)については、集団の中で友だちと関わりを持ち、遊びが展開できるよう環境を整え、年齢や子どもに応じた援助を心がけて保育を進めています。また、友だちと協同する、一緒に何かを作り上げる楽しさを共有できる場を提供しています。また、活動を通して自分の役割の理解、他者との協同・協調を学べるよう、子どもたちで内容を考え、意見を出し合っての共同制作活動等を取り入れ、年長児は神輿の制作や、SDGsに取り組んでいます。小学校とは幼保小関連で交流を持ち(現在はコロナ禍で中止)、就学先と連携を図り、保育所児童保育要録を送り、子どもの様子を伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●環境整備については、園内にエレベーターの設置はされていませんが、フロアは段差のない構造であり、障害者用トイレを設備しています。職員は、障害児保育に関する外部研修を受講し、継続してリモート研修を受講し、受講後は職員間で知識・技術を共有し、保育に生かしています。障害児の入園時には、中原区役所、川崎市中央療育センター、嘱託医等に相談し、助言を受け、保護者と個別面談を行い、状況・要望等を聞き取り、適切な保育に努めています。集団生活を上手くできない子どもについては、発達相談員に発達観察及び助言を受け、保護者の様子を伺いながら配慮するようにしています。保育では、子どもが集中またはクールダウンできるよう衝立を活用して環境整備を行っています。会議等で全職員が情報を共有できるよう体制を整えています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●長時間保育では、家庭での生活や保育の様子を見ながら、静と動の活動に配慮しています。延長保育では、特にゆっくりと穏やかな時間を過ごせるよう配慮しています。また、異年齢の子どもが好きな遊具で遊べるよう、年齢に合わせて複数の遊具を揃え、コーナーを設定し、子どもの体力に配慮し、気分転換や休息が取れるようにしています(延長保育時は、コロナ禍では年齢別に保育を行っています)。職員間の引き継ぎについては、担任から引き継ぎファイル等で遅番保育士に情報に漏れが無いよう伝え、お迎えの保護者に対して、子どもの1日の様子を丁寧に伝えられるよう努めています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

●すみよしのはら保育園は小学校が隣接し、園庭からお兄さん、お姉さんが遊んでいる姿や校舎を見ることができ、小学校から校内紹介の写真付き資料をもらい、小学校の雰囲気等を感じることができるようにしています。また、子ども文化センターからは支援小学校の手話の歌のDVDをいただいています。例年、運動会では小学校の校庭や体育館を借りて開催している他、保育士の小学校訪問や園児と小学1年生との交流会も行っています。中原区主催の幼保小連絡会議に出席して、小学校からの情報を入手すると共に、情報を「園だより」や懇談会を通して保護者にも伝えています。今年度はリモートで伝達しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●「健康管理マニュアル」を整備し、子どもの健康・体調の管理を適切に行っています。登園時には、保護者から伝えられた情報や園での視診を基に、子どもの様子の変化等を確認しています。毎月発行している「保健だより」で時期に応じて流行する感染症、ケガをした際の応急手当ポイント等、様々な情報を発信しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)防止については、0歳児は5分に1回、1歳児は10分に1回、2歳児は15分に1回、3歳~5歳児は30分に1回、と細かくブレスチェックを行い、万全を期しています。保育内容説明会でも保護者へSIDSに関して説明を行い、啓蒙しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

●園では、内科健診、歯科健診、爪・頭髪検査を実施しています。内科健診は1歳までは年3回実施し、身体測定は毎月行っています。健診、身体測定の結果は、記録用紙に記入し、保育に反映させています。予防接種記録、既往症等は保護者に記入してもらい、保護者と園と双方で子どもの健康管理が図れるようにしています。また、園医へは子どもの様子を毎月報告しています。健診結果は保護者へその日の内に伝え、手洗い指導、うがいの励行も行っています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●入園前の保護者面談でアレルギー食の確認を行い、アレルギー疾患のある子どもについては、個別指導計画を策定し、アレルギーの状況について全職員で情報共有をしています。食事提供では、厨房と受け渡し時、保育室内でのトリプルチェックを実施し、専用トレイ・名札の使用、専用食器(色分け)使用、テーブルを分け、食事中は職員が付き添い、誤食防止、安全に十分留意しています。アレルギーに関する知識については、園内・外部研修にて職員が学ぶ機会を設け、知識を深めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●給食メニューは川崎市の献立を利用し、2週間サイクルで提供しています。食器は陶器製とし、サイズも複数用意して、子どもに応じて使いやすいものにしています。食育計画は栄養士が中心となって作成し、年齢に応じた食育や調理保育を取り入れています。また、園庭の畑で季節野菜の栽培や、稲を育てる等、食についての興味・関心が深まるよう取り組んでいます。給食で使用する食材は産地を掲示し、提供した食材をディスプレイに展示する等、保護者に知らせ、人気メニューはレシピを持ち帰れるようにする等、家庭での食育にもつなげています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●給食メニューは、子どもの喫食状況を確認した上で、2週間メニューの後半に調理方法等をアレンジする等、工夫をしています。栄養士はクラスを巡回し、食事の様子を見たり、子どもたちに感想を聞いたりして身近に関わっています。また、園では、SDGsによる食に関する話し合いを実施し、より良い食事の提供に取り組んでいます。法人系列園による栄養給食会議が年数回開催され、食材や各園の喫食状況の情報共有を図っています。厨房は衛生管理マニュアルに基づいて衛生管理を行っています。利用者アンケートの「お子さんは給食をたのしんでいますか」において、満足75%、概ね満足21%であり、合わせて96%が満足と回答しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

●廊下に職員の顔写真と名前を掲示し、保育室の扉には担当保育士の名前を貼り、保護者がコミュニケーションを取りやすいようにしています。また、お散歩マップや注意箇所等の情報提供を行い、保護者へ安心を提供しています。さらに、子どもの季節の作品、保育や給食・健康に関する内容や情報を掲示し、情報を伝えています。これに加え、「kidsly」を活用して園外活動、行事、保育の様子を写真や文章でも伝えています。懇談会や個人面談を開催し、保護者と情報交換できる場を設ける等、家庭と密に連携を図っています。「なかよし劇場」では、保護者と子どもの成長を共に喜び、共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、保護者との面談、毎日の登降園時、行事の際等、その場での会話から要望、意見、苦情等もなるべく記録し、分析して全職員が共有できるようにしています。保護者から相談を受けた職員は、内容に応じて園長に必ず相談し、助言を受ける体制としています。また、相談しやすい雰囲気、話しかけやすい雰囲気を作るために、職員から積極的に保護者に声をかけるよう指導を行い、話しかけられた時の傾聴の仕方、応答の仕方、接する態度等についても、園長はその都度助言しています。園には看護師や栄養士も在籍し、保育に関わらず健康や栄養に関する支援も積極的に行っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●「緊急対応マニュアル」を備え、虐待の防止また早期発見について、受け入れ時に保護者や子どもの様子を注意深く観察し、兆候を見逃さないよう心がけています。実際に兆候が見られた際は、緊急会議とし、職員間で共有すると共に、必要に応じて関係機関に報告することとしています。川崎市子ども家庭センター(中央児童相談所)、川崎市児童虐待防止センターとは連携できるよう、日頃から連絡できる体制にしています。全職員が虐待に関する方策や発見ポイントを熟知できるよう、園内研修または外部研修に参加して研鑽を図られることを期待いたします。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●各クラス担当者は、週ごと、月ごとに振り返り、反省の場を設け、会議で各クラスの報告を行い、多方面からクラスを見、自分自身の振り返りにつなげ、互いに学びの場としています。話し合われた内容はクラスの「年間指導計画」、「全体的な計画」に反映させています。年1回自己評価を実施し、併せて職員の意向調査も行い、これを基に園長と面談を実施し、職員自身の保育業務においての振り返り及び目標、課題を抽出し、次につながるようにしています。今後、職員の自己評価を保育所の自己評価及び保育の実践につなげ、改善、専門性の向上に向けた具体的方策とされるよう期待いたします。