社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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たけやまの森保育園

2025年01月17日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 ナルク神奈川福祉サービス第三者評価事業部

② 施設・事業所情報
名称 たけやまの森保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 70(75) 名
所在地 〒226-0005 
横浜市緑区竹山3-1-15
TEL 045-932-3032 ホームページ https://syo-yu-kai.or.jp/takeyama/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2022年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 将友会
職員数
常勤職員:19 名
非常勤職員:18 名
専門職員
保育士:26 名
栄養士            :1 名
調理員(内調理師) :4 ( 2 ) 名
事務員 :1 名
施設・設備の概要
乳児室:2
幼児室:2
調理室:1
トイレ:3
事務室:1
職員休憩室 :1
ホール:1
鉄筋コンクリート造り 2階建て: 建物延床面積   531.83㎡
園庭       :359.97㎡

③ 理念・基本方針
【法人理念】           
『愛情・尊敬・信頼』
1.すべてのお子様に『愛情』をもって保育します
2.のびのびと幸せに毎日を過ごせるよう、一人の人間として『尊敬』します
3.地域社会から『信頼』される園であり続けます
【保育方針】
1.相手の気持ちを思いやる やさしさを持てる子どもにします 
2.子どもに一方的に指示するのではなく、互いにしっかり目を見て会話するように
します
3.自分からやってみたいと思えるような環境を用意します
4.遊びながら学べるよう 教育・保育環境を整えます
5.自主性を育てながら生活習慣や態度を養い、自立と自律を大事に教えます

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【立地および施設の概要】    
たけやまの森保育園は、社会福祉法人将友会が、2022年4月に横浜市から民営移管を受け開設した3年目の保育園です。JR横浜線鴨居駅からバスで約12分の自然に囲まれた竹山団地の中にあり、周辺には子どもたちが散歩や戸外活動に利用できる大小さまざまな公園が16か所も散在しています。園に隣接して竹山小学校があり、小学生との交流の機会が多くあります。また、すぐ近くには「竹山池」と呼ばれる人工池があります。カルガモの親子がおり、子どもたちは、カルガモの育ちの様子を楽しみに見守っています。
建物は鉄筋コンクリート2階建てで、約360㎡の園庭があります。1階は0~2歳児クラス、2階は3~5歳児クラスが使用しています。定員70名のところ75名が在籍しています。

【園の特徴】
笑顔と温かい雰囲気を大切にし、安全に安心して過ごせる環境づくりを心がけ、一人ひとりを大切にした保育を行なっています。自然環境に恵まれた中で、四季の変化を感じたり、わらべ歌遊びや日本の伝承遊び、季節の行事等を取り入れながら、感性豊かな子どもの育ちを支える保育をしています。
移管前の「横浜市竹山保育園」は、1972年の開園以来、半世紀にわたり地域に親しまれてきた園であり、多世代の卒園児との関わりが続いています。公立園時代の良さを引き継ぎつつ、「たけやまの森保育園」らしさを出せるよう、職員で意見を出し合いながら、日々の保育に取り組んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/05/01(契約日) ~2024/12/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) ー 回(ー年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
1.子どもたちの自発的・主体的な活動を援助し、大切にする保育
子どもたちの自分でやりたい気持ちと、自分で決められることを大切にして保育を行なっています。全園児が参加した移動動物園が楽しかったことから、もう一度みんなで動物とふれあいたいという5歳児の発想で、うさぎや、ニワトリ、実際に乗れるポニー等、いろいろな動物を手作りし、他クラスの子どもたちを招待して、移動動物園ごっこをして楽しみました。
3~5歳児のお楽しみ会では、いろいろな役をやってみたいという子どもたちの希望で、リハーサル前の練習期間に、それぞれやりたい役を経験しながら、ごっこ遊びを楽しんでいました。リハーサルでは、子どもたちは、自分のやりたい役に立候補し、職員はできるだけ子どもの意向に沿えるようにして、本番に臨みました。保護者の前で子どもたちは、それぞれが主役のように演じることができ、楽しむことができました。職員は、子どもたちの発想や希望を大事にし、自発的・主体的な活動に取り組めるよう援助しています。

2.家庭との緊密な連携
0~2歳児クラスは、個別の個人連絡票で詳細に子どもの様子を記載し、保護者に伝えています。3~5歳児クラスについては、毎日クラスの活動を、紙に書いて掲示板に貼り出しています。全クラスのweb日誌を毎月2、3回配信し、たくさんの写真やコメントを載せ、保護者に活動の様子を伝えています。送迎時には、必ず保護者と直接顔を合わせる機会を設けて、家庭での様子を尋ねたり、園でのその日の子どもの様子を伝えたりして情報を交換しています。
様々な機会を活用して、保護者と子どもの成長を共有する支援を行なっています。
園では、年度の前半に、各クラスとも個人面談と保育参加を兼ね、保護者が半日保育園で過ごし、保育の手伝いや、子どもの様子を見てもらうことで保護者の理解や安心につなげています。年度後半には、0~2歳児は懇談会の後にふれあい遊びの会を行ない、保護者、職員、子どもたちがいっしょにゲームやリズム遊び、楽器遊び等でふれあう機会を設けています。
今回の利用者家族アンケートでも、「利用者満足の向上への取組」や「家庭との連携・保護者支援」の項目において、回答した保護者の約9割が満足・どちらかといえば満足と答えています。

3.「食育計画」と「園芸計画」を連動させた食育活動
食を営む力の育成に向け、その基礎を培うために「食育計画」を作成し、子どもたちの興味関心が湧くようなプログラムを計画しています。計画は、クラス別に四半期に区切り、それぞれにねらい、内容を記載しています。期の終わりには必ず、実施した内容について、子どもたちの興味・関心や反応がどうであったか等について振り返りを行ない、次期の計画につなげるようにしています。
「園芸計画」を作成し、子どもたちが、オクラやナス等の季節にあった野菜を育て、成長を楽しみながら収穫したものを調理職員が調理し、給食で提供しています。また、使用される食材の匂いや切ったときの様子、触れる感触等を知り、食事に興味関心が持てるようにしています。

◇今後期待される点
1.人材育成計画の作成と外部研修への積極的な参加
大きな枠組みとしての人材育成計画は作成されていますが、さらに、キャリアパスに応じた職員の育成計画として、キャリア(階層)別の役割・期待、必要とするスキル、研修機会等についての計画の作成が期待されます。
保育に関わるニーズの複雑化や支援の困難化等により、職員の専門性が一層求められています。横浜市主催の研修や緑区ネットワーク事業研修等の外部研修に、より多くの職員が積極的に参加できるよう配慮することが望まれます。

2.苦情相談内容の実績の公表
保育所のサービスの質や信頼性の向上を図るため、個人情報に関するものを除き、事業計画書や広報誌、園内掲示等に苦情相談内容の実績を掲載し、公表することが望まれます。

3.地域コミュニティの活性化への取組
コロナ禍もあり、移管前の公立園から引き継いだ、公園清掃(エコキッズ)、公園愛護会の方とのふれあい遊び等は実施できていません。地域コミュニティの活性化等につながる、地域との交流・活動については、積極的に参加・実施していくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
横浜市立保育園の民間移管後3年目、初めて第三者評価を受審しました。
初めての試みで、評価機関よりの貴重な意見やご指摘により、今までの園の取り組みを振り返る良い機会となり、当園の今後の改善点等を改めて確認することが出来ました。
今回の受審を踏まえ、職員一人ひとりが自己評価を行い、会議において意見を出し合い、自己評価をまとめ保育園が必要としていること等を再確認し、日頃の保育を見直す機会となりました。
一方、これまでの取り組みを一定評価されたことで、一つの励みとなり職員一同一層のまとまりとなり園全体が大変良い環境になったと感じています。
たけやまの森保育園と致しまして、今後も子どもを中心に安心安全な保育に細心気を配り、職員一同子ども達に寄り添う保育を心掛けて参りたいと思っています。
最後に保護者の皆様にはお忙しい中、アンケートにご協力いただき有難うございました。また評価調査担当の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。
                  たけやまの森保育園 園長 前田 徹一

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・たけやまの森保育園の理念は、「1.すべてのお子様に『愛情』をもって保育します 2.のびのびと幸せに毎日を過ごせるよう、一人の人間として『尊敬』します 3.地域社会から『信頼』される園であり続けます」で、保育園としての使命や目指す方向、考え方がわかるものになっています。
・基本方針は、理念との整合性が確保されており、職員の行動規範となる具体的な内容になっています。
・理念・基本方針は、職員には、入職時および職員会議やミーティング等で周知しています。
・保護者には、入園時に「重要事項説明書」で説明し、園の掲示板に掲げ、パンフレットや園だよりに分かりやすく記載するなどして周知を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・経営については運営法人である社会福祉法人将友会の理事長(当園園長を兼務、以下「園長」と表示)が理事会等を通じ、社会福祉事業全体の動向について把握分析しています。
・第4期緑区地域福祉保健計画(2021~2025年度)(みどりのわ・ささえ愛プラン)により、地域の状況を十分に理解・把握し、園が地域でどのような役割を求められているかを分析しています。
・緑区こども家庭支援課とは緊密な連携をとっており、子どもの数、利用者像、保育のニーズ等を収集するなどして、地域での課題を把握し分析しています。
・園長は、事業計画、収支計画の策定にあたり、保育のコスト分析、保育所入所状況、利用率の推移等の分析を行なっています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・組織、設備、職員体制、人材等の現状分析に基づく法人運営に影響のある重要な情報や課題は、理事会で話し合われ、役員の共通理解が図られています。
・当園については、移管前から継続して勤務している職員や他園から転職してきた職員と意見交換しながら、課題となっている園舎改修等を話し合い、初年度から中規模改修工事に取り組んでいます。
・理事会や評議委員会での議題の中で職員に周知が必要なことについては、職員会議において共有し周知徹底を図っています。
・園の経営状況や改善すべき課題については、中長期計画・事業計画の中で具体的な問題解決に向けての方策が示され、職員に周知しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・2022年度から2028年度までの7年間の中長期計画を策定し、園の理念・基本方針の実現に向けた中長期的なビジョン(目標)、課題を明確にしています。
・中長期計画は、中長期目標として、「子ども達が安心して過ごせ、保護者が安心して預けられる園」「地域から信頼される園」等を掲げ、経営課題や問題点の解決に向けた具体的な内容を設定しています。
・中長期計画における、中長期目標の「地域から信頼される園」について例にすると、「地域子育て支援の充実」をあげ、「園庭開放・交流保育・育児講座等の開催件数」などの、具体的な成果を明示することにより、実施状況の評価が行なえる内容にしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・中期長期計画を反映した2024年度の単年度計画と予算書を策定しています。単年度計画は中長期計画の目標を踏まえて、単年度の実行可能な具体的な計画(目標)を示しています。
・単年度計画は、例えば中長期目標「子ども達が安心して過ごせ、保護者が安心して預けられる園」の実施計画として、「保育方針の明確化と共有」をあげ、具体的な目標として「年1回、保育方針に関する研修を全職員に実施する」とするなど、実行可能な内容になっています。
・単年度計画は、計画に対して具体的な指標を設定することにより、実施状況の評価を行なえる内容となっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画の策定は組織的に行ない、課題によっては職員の意見も吸い上げ、職員会議で検討して、決定をしています。
・事業計画は、個別の計画の中で、実施状況を把握しています。
・事業計画は、年度末に保護者アンケートや職員会議での意見等に基づき、前年度の事業計画の実施状況を評価し、当年度事業計画を作成しています。
・事業計画は、全職員に資料を配付し、会議等で説明を行なって、周知を図っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画書は、「保育安全計画」等と一緒に各クラスのファイルに入れてあり、保護者はいつでも手に取って閲覧できます。
・行事計画については、行事予定表を年度始めに保護者に配付し、保育参加行事や、「お楽しみ会」(発表会)等のイベントの日程を具体的に示しています。
・事業計画の主な内容は、子どもたちがこの1年間をどのように過ごしていくかについて、年齢ごとに説明しています。
・保護者には、園だよりやクラスだよりで、個人面談時の保育参加、3~5歳児の「なかよしフェスティバル」や「お楽しみ会」、0~2歳児の「ふれあい遊びの会」等、保護者が参加するイベントについて説明し、保護者が参加しやすくなるように配慮しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

・全体的な計画に基づき、年間指導計画、月間指導計画等を作成しています。各指導計画には評価反省欄を設けて、定期的に実施状況の確認と振り返りを行ない、次期の計画につなげるPDCAサイクルに基づいて、保育の質の向上に取り組んでいます。
・指導計画の評価にあたっては、クラス担任間で評価・反省したものを、主任がチェックをする体制となっています。
・当年度の目標に対する実施状況の評価、毎年度末に実施する保護者アンケート等をもとにして、園としての自己評価を実施しています。第三者評価は、今年度、初めての受審です。
・「保育所の自己評価」は、保護者アンケート結果に加え、保育士の自己評価や気づき等をも含めた全体としての評価を実施することが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・毎年度末に園としての自己評価を行ない、「保育所の自己評価の結果について」として、今年度の目標、取り組み状況、保護者アンケート結果、次年度の目標をまとめ、保護者に公表しています。
・園としての自己評価を実施する中で課題を明らかにし、職員会議で検討を行ない、改善に取り組んでいます。
・昨年度の園の自己評価では、「掲示板を見やすくする工夫」「園生活の情報を伝わりやすくする」「子ども達の遊びが集中できるような環境作り」が次年度の目標(課題)として挙がり、今年度は、これらについて、計画的に改善に向け取り組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は理事長として、年度始めに系列園を含めた全園に、保育所の経営・管理に関する方針と取組等を含めたオンライン研修を2日間にわたり実施しています。
・園長は、各種会議、委員会や、日々のやり取りの中で、園の経営・管理に関する方針と取組を明確にしています。
・園長の役割と責任を含む職務分掌等については、職務分担表に定め、職員会議や新任研修の機会に職員に対して表明し、保育現場の総責任者としての役割を伝えています。
・管理運営規程第6条(職員の職務内容)に「園長不在時は、上席の職員が代行する」旨の記載があり、園長不在時の権限委任等を含め明確化されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、社会福祉関係法令はもとより、保育所保育指針、「全国保育士会倫理綱領」、園の理念・基本方針や諸規程、社会的ルールをよく理解しています。「経理規程」があり、園舎改修等の高額な契約取引については、法人の稟議決裁が必要であり、簡易な改修等についても必ず相見積もりをとるなど、利害関係者と適正な関係を保てるようになっています。
・園長は、緑区園長会の研修やマネジメント研修、児童虐待防止、コンプライアンス等の研修会に参加し、遵守すべき法令等の理解に努めています。
・園長は、コンプライアンスのみならず、ごみの分別、廃材の活用、LED照明の採用、緑化の推進等、環境に配慮した取組を行なっています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長・主任は、園の保育の質の現状を把握するために、日々積極的にクラスを巡回するよう心がけています。
・園長は、保育の質に関する課題を把握し、中長期計画に「保育観の確立」として「保育方針の明確化と共有」および「安全基準の設定と遵守」を掲げ、改善のための具体的な取組を明示しています。
・園長は、職員にクラス担当のほか、園芸、園内研修、保育の見える化、異年齢交流等、それぞれ複数の担当を定めて、保育の質の向上に取り組んでいます。
・園長・主任は、作成したシフト表にもとづき、必要に応じてシフトを調整するなどをして、職員が積極的に研修に取り組めるようにしており、決められた研修のほか、職員が自発的に希望する研修に自由に参加することも推奨しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、効率的な事務や職員の時間外勤務を無くす方策等を常に考え、業務の実効性を高めるようにしています。
・園長は、業務の実効性の向上に向けて、職員が働きやすい職場づくりや組織全体を考えた人事構成、財務の面からも運営を考え、その内容を主任と意見交換しながら、組織全体に意識づけられるように取り組んでいます。
・園長・主任は、業務の実効性を高めるために、中長期計画の令和6年度継続取組課題として「業務効率化の推進」を掲げています。具体的には、業務フローを見直し、無駄や重複を削減するチームを立ち上げ、自らもその活動に積極的に参画しています。特に移管により引き継いだ書類等を大幅に見直し、効率的な業務の実現に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・非常勤職員や保育補助員の拡充、事務職の確保、環境整備に用務員を採用し、職員が保育に専念でき、働きやすい環境になるよう人事体制の整備を行なっています。
・人材育成については、職員は、年度末に「自己評価チェックシート」で「保育理念」「子どもの発達援助」「保護者に対する支援」等の各項目に対し、4段階で自己評価を行なっています。さらに「課題票」で次年度の目標を具体的に立て、自己の資質向上に向け、実現に向け取り組んでいます。
・人材確保については、関係機関、養成校等への働きかけ、潜在保育士の発掘に加え、家賃補助制度等、地方からの職員が就労しやすい支援体制も整えています。法人のホームページや外部の人材採用サイトにも採用情報を掲載し、広く保育士、保育補助、看護師、調理師等の募集を行なっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

・職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等については、年末に「課題票」(目標管理シート)により職員がまず自己評価を行ない、その後、主任による評価を行なっています。それをもとに、園長が最終的に評価を行なっています。
・「令和6年度保育士人材育成計画」(育成ビジョン)があり、「①社会人としての姿勢や能力を身につける。②高度なコミュニケーション能力 ③マネジメント力をあげる」を掲げ、①園内研修 ②外部研修 ③自己啓発(学び合う風土を作るため、乳幼児リーダーと協力)等の計画及び実施に取り組んでいます。
・人材育成計画は作成されていますが、さらに、キャリアパスに応じた職員の育成計画として、キャリア(階層)別の役割・期待、必要とするスキル、研修機会等についての計画の作成が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・有給休暇は、「休暇申請簿」で管理しており、取得状況を確認しながら、確実に消化ができるように声かけをしています。超過勤務時間は、人事データで管理しています。職員の就業状況や意向は毎日確認し、主任が一人ひとりの状況や意向に合わせシフトを調整しています。
・定期的な法人費用負担の職員健康診断、家賃補助等の福利厚生を実施しています。
・ワーク・ライフ・バランスに配慮し、有給休暇の取得を奨励し、人員体制を整え、可能な限り、休暇を消化できるようにしています。保育園業務支援システムの導入による業務効率化や充実した人員配置等により、時間内に業務が終了するようにするとともに、遅番・早番に関わらず8時間労働の遵守に努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」を明確に示し、職員一人ひとりが自信をもって活躍できる場がもてるよう、職員との面談の中で職員の意向や要望、目指したい姿を話し合うなど、育成に向けた取組を行なっています。
・職員は、年度始めに「課題票」にもとづき、「年度課題」「省察」「自己評価」等、当年度の年間自己目標を提出しています。
・園長は、職員一人ひとりが設定した目標について、年度の中間段階で面談をして、進捗状況の確認を行ない、期末の面談では、主任が目標達成度の評価と振り返りを行なっています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・園では、保育士に必要なスキルや専門的な技能として、①ピアノ・体操・リズム遊び等の実技スキル ②人間関係を築いていくためのコミュニケーション能力・傾聴スキル ③怪我や事故に瞬時に対応できる応急措置・救命・救急スキル ④事務処理能力やパソコンスキル の4項目を挙げ、職員に明示しています。
・園内研修は、年度末に次年度の研修計画を立て、毎月実施しています。令和6年度の主な研修は、「将友会の保育(法人研修)」「プール遊び、水遊びのルール」「手作り教材・玩具」「感染症について」「消防による心肺蘇生・AEDの使用法」等となっています。
・職員会議やカリキュラム会議の中で、参加した研修の報告や評価を行なっています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・新任職員や経験の浅い職員に対しては、経験豊富な職員によるOJTを行なっています。
・キャリアアップ研修については、常勤職員・非常勤職員ともできる限り受講できるように職員に周知し、シフトを調整するなどして、研修の機会を確保するようにしています。
・外部研修については、園長・主任が、研修案内回覧や掲示、ミーティング等で職員に伝え、各種研修への参加を推奨しています。また、本人の希望も含め、「復命書」にもとづき、救命講習、幼児教育等の外部研修を受講していますが、時間的制限もあり、限られた研修、限られた人員しか参加できていません。
・保育に関わるニーズの複雑化や支援の困難化等により、職員の専門性が一層求められることから、横浜市主催の研修や緑区ネットワーク事業研修等の外部研修に、より多くの職員が参加できるよう配慮することが望まれます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生等の受け入れに関しては、次世代の人材育成の機会と捉え、積極的に行なっています。実習生受け入れマニュアルを整備し、実習生の育成・研修に関する基本姿勢を明文化しています。
・実習生の希望を聞き、実習目的に合わせた学年・クラスでの実習が行なえる内容のプログラムになっています。実習最終日には職員と一緒に振り返りを行ない、実習生の感想とともに、今後に向けたアドバイスや意見の交換等を行なうことで育成に努めています。
・実習担当職員は、実習生の日誌や指導案のチェック、毎日の振り返りを行ない、意見や質問にも対応しています。また、充実した実習となるよう、学校側と意見交換を行ない、教職員が当園を訪問時に懇談し、連携を深めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・ホームページ上で法人、保育所の理念や基本方針、保育の内容等を適切に公開しています。
・「たけやまの森保育園利用のご案内(重要事項説明書)に「苦情解決」という項目を設け、苦情があった場合の園の対応、苦情相談の窓口、第三者委員会の設置等につき掲載しています。
・「重要事項説明書」については、保護者に対して説明し、各保育室のファイルにも入れて、いつでも見られるようにしていますが、苦情相談内容および改善・対応の状況についての記載はされていません。 
・第三者評価については、今年度が初めての受審のため、まだ、ホームページ等には掲載しておりません。
・利用者によるサービスの選択や事業所のサービスの質や信頼性の向上を図るため、個人情報に関するものを除き、事業計画書や広報誌、園内掲示等に苦情相談内容の実績を掲載し、公表することが望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園における適正な運営、経理処理のため、運営規程、経理規程が整備されています。「職務分担表」において、職員の職務分掌と園長の権限・責任が明確にされ、職員に周知しています。
・法人本部による内部監査(書類監査)が定期的に行なわれています。また、令和5年10月に、主任が現金・預金の監査を実施した旨、記載した「内部経理監査報告書」があります。
・理事長(園長)は、税理士と意見交換を行ない、指摘やアドバイスを受けています。また、司法書士、社会保険労務士等、外部の専門家による、監査支援等や指摘事項にもとづき、経営改善を行なっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・鴨居保育園での地域の「みどりっこまつり」に当園の主任が、保育園のコーナーで「手作りおもちゃ」や「給食のメニュー」等を持参して支援を行なっています。
・緑区の子育て支援情報誌「みどりっこカレンダー」(毎月発行)に定期的な育児相談、園庭開放と随時開催の交流保育(シャボン玉遊び、運動遊び等)、育児講座(熱中症について)等の情報を掲載し、地域の人々と子どもとの交流の機会を定期的に設ける取組を行なっています。
・必要に応じて、横浜市北部児童相談所、横浜市北部、西部、東部の各地域療育センター、その他関係機関や施設等の情報を提供し、相談・利用を勧めています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・「職業体験・ボランティア受け入れマニュアル」に、ボランティア、地域の学校教育等への協力に関する基本姿勢が明文化されています。
・ボランティア受け入れについて、オリエンテーション、事前説明、守秘義務等に関する事項が記載されたマニュアルが整備されています。また、受け入れ方法等も明記すると共に、受け入れ担当者(主任)を決めています。
・重要事項説明書に「地域活動事業」として、保育士、看護師等養成のため、学生の実習およびボランティア活動の受け入れを行なうことを記載しています。
・中学生の職場体験、高校生のインターンシップ(令和4年1人、令和5年3人)を受け入れ、学校教育への協力を行なっています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・緑区子ども家庭支援課、緑区保育施設一覧、横浜市北部児童相談所、警察、保護者在住の各地域療育センター、病院・クリニック、小学校、緑区社会福祉協議会、大学・短大、タクシー・バス等をリスト化し、個々の子ども、保護者の状況に対応できるよう、職員会議等で説明するなどして、職員間で情報の共有化を図っています。
・緑区園長会、緑区社会福祉協議会、同・竹山地区社会福祉協議会、幼保小連携事業、地域の関係機関、団体と定期的な連絡会等を行なっています。
・園長は、緑区こども家庭支援課、横浜市北部地域療育センター、横浜市北部児童相談所等の関係機関と定期的に連携しています。また、幼保小連携事業を通じて、小学校や幼稚園とも連携する機会があります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の具体的な福祉ニーズ・生活課題等を把握するため、園長が緑区園長会、幼保小連携事業、地域自治会等に参加し、5歳児担任が年長児担当者連絡会に参加しています。
・地区担当の保健師、ソーシャルワーカーと連携を図り、地域の具体的な福祉ニーズの把握に努めています。
・毎週木曜日に地域住民からの育児相談を設けています。電話での随時の育児相談も受け入れるよう体制を整えています。また、園見学の際にも、様々な相談に応じています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・公益的な地域での事業・活動として、園庭開放、育児講座、交流保育、定時・随時の育児相談、赤ちゃんの駅、実習生受け入れ、中学生の職場体験等を実施しています。
・緑区の子育て支援情報誌「みどりっこカレンダー」(毎月発行)に定期的な育児相談、園庭開放と随時開催の交流保育(シャボン玉遊び、運動遊び等)、育児講座(熱中症について)等の情報を掲載し、園が有するノウハウや専門的な情報を地域に還元する取組を積極的に行なっています。
・園設置のAEDは、災害時には地域の方も利用できるようにしています。
・コロナ禍もあり、移管前の園から引き継いだ、公園清掃(エコキッズ)、公園愛護会の方とのふれあい遊び等は実施できていません。地域コミュニティの活性化等につながる、地域との交流・活動については、積極的に参加・実施していくことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人理念に、「のびのびと幸せに毎日を過ごせるよう、一人の人間として『尊敬』します。」とあり、子どもを尊重した保育の実施について明示しています。重要事項説明書等はもとより、毎月の園だよりにも記載しています。
・子どもを尊重した保育の提供に関し、保育姿勢として、「安心、安定して過ごせる環境を作る」「一人ひとりを大切にし、自信を持ち自分らしさを表現できるよう援助する」「人との関わりを通し、親しみや思いやりの気持ちが育まれるよう援助する」とあり、年2回(年度始めと終わり)の研修を行なっています。
・子どもの尊重や基本的人権への配慮については、横浜市のチェックリストや、毎日のミーティングで振り返り、気になることがあれば、その日のうちに解決できるようにしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どもたちの健康と尊厳を守るために「プライバシー保護マニュアル」を作成しています。
・子どものプライバシー保護に配慮し、水遊び等の際は、幼児はラップタオルを使用し、着替えやシャワーの時には周りから見えないように仕切りやカーテン、ドアを閉める等などの配慮をしています。0歳児のおむつ替えは仕切りをし、周りから見えないように替えています。1歳児は着脱の際に、裸になってしまわないように着替える順番に配慮したり、棚の影で外からは見えない場所で着替えるなどの配慮をしています。
・安心した生活の場として、子どものプライバシーも守れるように、園庭周囲にはフェンスがあり、2階も丸見えにならないように目隠しがかけられ、トイレのベランダ側の窓にはカーテンがあります。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園のパンフレットを緑区役所に置いています。さらに、当園の子育て支援情報が掲載されている「みどりっ子カレンダー」が緑区役所、竹山小学校、鴨居地域プラザに置かれています。
・園見学は交流保育事業に合わせて行なっており、実際に園庭で遊んだり、園を見学することで、園の雰囲気がわかる取組をしています。
・法人ホームページで保育園の詳細、園ページでは行事や各クラスの様子を月1回以上WEB日記(写真付き)で公開し、利用希望者にも日々保育の様子を伝えています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・保育開始の新入園児の保護者には入園説明会を開き、「たけやまの森保育園利用のご案内」を配付し、園の理念や方針、事務的な事項、保育内容、持ち物について説明をし、同意を得て利用契約書を交わしています。途中入園の保護者には、個別に面接にて入園説明会と同じ内容を伝えています。
・重要事項説明書でもある「たけやまの森保育園の利用のご案内」は、表や色分けなどで、見やすく重点が分かりやすい工夫をしています。
・公立園からの移管の際は、保護者全員に2回に分けて重要事項の説明会を行ない、布団からコットへの変更等についても丁寧に説明や配慮をし、同意書も交わしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・転居等で保育所の変更を行なう場合は、個人情報保護の観点から引継ぎ文書は作成していません。転園にあたっては、保護者と園生活の状況を確認しあって、保護者に伝えてもらっています。転園先から問い合わせがあった場合は、基本的には保護者の同意を得て伝えています。
・公立保育園からの移管時に引き継がれた事項は文書化し、変わらない保育を繋げています。また、移管直前は、引継ぎ等で園長・主任が園に滞在して顔をつなぎ継続した保育ができるように配慮しました。
・隣接の小学校に通っている卒園児、卒園児保護者とは、登下校時に声をかけ合っており、相談等があれば顔が繋がる関係性になっています。また、幼稚園へ転園した保護者からの一時保育利用の要望等も受け入れられるように対応しました。
・保育の継続性に配慮し、引継ぎや申し送りの手順、引継ぎ文書の内容等を明文化することが望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育の中で子どもの表情や言動、関わり方等から、子どもの満足や納得していることの把握に努めています。子どもの声から「こんなことをやりたい」と発言があったときには取り入れて保育を広げています。今年は移動動物園が楽しかったので、「自分たちで動物を作って再現しみんなで楽しみたい」という子どもの声から、移動動物園ごっこが展開され、WEB日記で保護者に伝えています。
・保護者の思いを把握できるように、年度前期に個人面談、年度後期にクラス懇談会を定期的に設け、年度末や行事ごとにアンケートを行なっています。
・保護者アンケートを分析検討し、年度末に作成する「保育所の自己評価」の中で、具体的な改善状況や保護者に理解を求める説明等を行なっています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・苦情解決の仕組みは重要事項説明書に明記し、入園説明会で説明を行ない、園の掲示板にも「ご意見のある方は意見箱をご利用ください」と提示しています。
・「重要事項説明書」に「苦情解決」という項目を設け、苦情があった場合の園の対応、苦情相談の窓口、第三者委員会の設置等につき掲載しています。 
・ミーティングノートに苦情・要望・相談が記録されていますが、定められた「苦情受付書」「意見・要望・相談受付書」へ記録保管し、対応することが望まれます。
・事業所のサービスの質や信頼性の向上を図るため、個人情報に関するものを除き、事業計画書や広報誌、園内掲示等に苦情相談内容の実績を掲載し、公表することが望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・重要事項説明書の「苦情解決」についての項で、主任・園長他、第三者委員2名が相談窓口になっていることを説明しています。また、面接・文書・電話等で相談を受け付けているほか、意見箱を設置しています。保護者の意見・要望は、連絡帳や個人面談、送迎時の会話で聞いています。職員は保護者に積極的に声をかけ、要望等の意見を伝えやすい関係構築に努めています。
・保護者宛に、「第三者委員の設置」についての文書を配付しています。意見箱については入園説明会、掲示板、園だよりで周知しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・日々の送迎時の職員と保護者との会話を大事にし、相談等があれば対応をしています。
・要望、相談等を受け付ける意見箱の設置については重要事項説明書と掲示板に明示し、年度末と行事後のアンケート、懇談会、個人面談等で、保護者の意見を把握できるようにしています。
・相談や意見があった際には、職員は主任にすぐに報告し、ミーティングをし、お迎え時には保護者に伝えられるようにしています。回答に時間がかかる場合には状況を説明して、結果を保護者に伝えています。
・年度末の自己評価アンケートの保護者の意見は職員会議で共有検討し、改善策を公表しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントに関しては、安全点検担当者4名、リスクマネージャー(園長、主任)を設置し、「保育所安全計画」に沿い体制を整えています。
・危機管理訓練では、地震、火災だけでなく水難事故、行方不明、不審者の訓練も行ないます。
・「ヒヤリハット」の報告は毎日のミーティングで行ない、すぐに注意喚起後、園長、主任に報告し改善を図っています。
・他園での事故についてもミーティングで情報共有し、資料配布や園内研修も行なっています。
・安全点検担当者が毎月重点的に安全点検をし、施設内の点検のほか、園外で使用する経路を歩いて、危険個所の発見、避難場所の確認をしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症の正しい知識や情報は、危機管理訓練担当者や園内研修担当者で意見交換や研修をし、職員に周知しています。
・各クラスには加湿器付き空気清浄機があり、温度、湿度計で室内環境を調整しています。窓を開けたり、扇風機で室内の換気も行なっています。
・感染症が発生した時には、保護者にアプリを利用して一斉配信し、その後感染症の子どもが増えた場合は人数を掲示しています。
・ほけん便りでは、その時期の状況に応じた感染症の症状や治療について、登園の目安等の情報提供しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の対応について「危機管理マニュアル」を作成し、「災害発生時の役割分担表」にて対応体制を整えています。地震、火災の定期的な避難訓練を行ない、各保育室にはレイアウトをもとにハザードマップを掲示しています。
・防災頭巾は全員分、防災リュックには非常用ミルクも常備し、園舎裏に新たに大きな備蓄倉庫を増設しました。備蓄リストをもとに主任、園長が管理し、毎年6月に消費期限や、在庫の確認を行なっています。
・竹山地区福祉施設とは、災害時の伝言回覧板を回す訓練を毎月実施しています。消防署と協力した訓練も行なっており、防災計画を元に、行政、自治会とも連携しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・各クラスのデイリープログラムがあり、保育の手順等は保育マニュアルに文書化されています。コンプライアンス、倫理規程は、就業規則と法人の職員倫理規程に定められています。
・「遊びについて(外遊びも)保育士の配慮や留意すること」「プール遊びについて」など、保育について、マニュアルに沿って、園内研修を行ないました。また学び合う風土を大切にし、乳児リ-ダー、幼児リーダーを配置し、個別に指導を行なっています。
・保育について、職員が同じ考えのもと実施しているか、話し合うことを大切にし、毎日のミーティングや職員会議で振り返りをしています。
・年間、月間の指導計画を策定し保育の提供を計画的に行なっていますが、子どもの様子や興味関心等の状況に応じて、柔軟に計画を変更しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育の実施方法の振り返りや見直しは、毎日のミーティングや月1回の乳児、幼児会議、カリキュラム会議で話し合っています。
・保育マニュアルの見直しは、会議等での振り返りから毎年定期的に行ない、昨年度はプールの際に衝立を作り、プライバシー保護の観点から子どもの動線を修正しました。
・毎月末にカリキュラム会議を行ない、職員の意見や送迎時の保護者からの意見、反応を踏まえ翌月の計画に反映しています。
・年度末の見直しでは、乳幼児リーダー、担任と話し合い、4月からの全体的な計画、年度計画に反映させています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画は、児童票、新入園時面談表、入園前1週間の子どもの生活記録により、家庭における子どもの姿、育児で気を付けていること、園への要望等を把握し作成しています。
・計画作成にあたっては調理職員やフリー職員、園芸については用務員の意見を聞き、園外に関しては幼保小連携会議等を利用し、他園とも協力し、計画に反映させています。保護者の意思把握は個人面談や保護者との密な情報共有で行なっています。
・保育実践の振り返りや評価は月単位で振り返り、乳児会議、幼児会議、カリキュラム会議で評価し翌月の指導計画に反映させています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の見直しは、年間計画は年度末、月間計画は月末に、個人面談や懇談会、年度末の保護者アンケートで得た保護者の意見も踏まえて各担当が話し合って行なっています。
・指導計画の見直しについては担任で話し合いフリーの職員にも相談し、指導計画を急遽変更する際には主任、園長に相談しています。
・指導計画の見直しは、毎日のミーティングや乳幼児会議、カリキュラム会議で、話し合っています。また、見直し結果、課題を次月のねらいに反映するようにして、次の指導計画の作成に生かしています。
・移動動物園あそびや、ハロウィン等、今まで計画していなかったものも、子どもたちからの発信として計画に入れていくようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況については、0~2歳児は複写式の連絡票兼個人記録に、3~5歳児は統一様式の「経過記録」に記録しています。
・0~2歳児は、月間個別指導計画を作成し、毎日の保育内容は保育日誌、個別の連絡票に記録をしています。また、障がいのある子どもについては、「個別支援計画」を作成しています。職員は記録をいつでも閲覧することができます。
・情報共有のため、乳児会議、幼児会議、職員会議、毎日のミーティングを行なっています。ミーティングの記録は職員が出勤時必ず確認することになっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの記録の保管・保存・情報共有については、「管理運営規程」に定めています。
・法人の「個人情報保護規程」により、記録は規定により鍵付き書庫に保管し、書類により3年から5年でシュレッダーにて処理しています。
・法人内で「個人情報取り扱いマニュアル」があり、職員は会議研修で理解し遵守しています。
・個人情報の取り扱いについて、保護者には入園説明会、懇談会、個人面談で説明し、同意書を交わしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法に示されている理念等を踏まえ、保育所保育指針に基づき、子どもの発達や生活の連続性を十分に考慮し、子どもの健全な育ちを中心に作成しています。 
・全体的な計画は、保育理念「1.すべてのお子様に『愛情』をもって保育します 2.のびのびと幸せに毎日を過ごせるよう、一人の人間として『尊敬』します 3.地域社会から『信頼』される園であり続けます」および保育方針・保育目標に基づき、子どもの最善の利益を考慮して作成しています。
・全体的な計画は子どもの発達過程、子どもの家庭状況や7時から20時までの保育時間、保護者・地域への支援等を考慮して作成しています。
・全体的な計画は、主任が常勤職員と協議して、立案した原案をもとに、職員会議等で見直しや修正、追加事項がないかを話し合ったうえで主任が作成し、園長が承認しています。
・全体的な計画は、年度末に見直し、振り返りを行いな次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・天候に合わせ、冷暖房、除湿、換気を行ない、夏場は園庭に遮光ネットを設置し、緑のカーテンを植えるなどし、直射日光を遮る工夫をしています。
・園内は全職員が交代で清掃をすることで、保育環境の見直しの時間にもなっています。
・寝具は床からの空間があり空気が通るということでコットを使用しています。シーツは個人持ちで家庭で洗濯をしています。
・食事と睡眠の場を分け、遊びもコーナーを作り好きな遊びが十分に楽しめるような環境になっています1~3歳児クラスは、おもちゃ棚にカバーをかけ、遊ぶ時間にカバーをとっています。
・廊下には絵本を読めるコーナーがあり、ベンチがあります。2歳児室前には畳とテーブルのコーナーがあり、一人で落ち着けるスペースがあります。
・移管の際にトイレはリフォームし、明るく清潔感があり、毎日の清掃消毒で匂いもなく整っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入園前面談、入園後の個人記録等からそれぞれの家庭環境や発達過程を把握し、0歳児は、登園時間の早い子どもから給食を食べ、午睡に入れるように配慮しています。延長保育の時は落ち着いた環境で安心できるような職員体制です。
・一斉保育の時にも、子どもの気持ちを尊重し、やりたくなるまで待ち、気持ちを代弁する言葉かけをしています。経験豊富な職員が多いので、許容範囲が大きく、一人ひとりを把握して見守る保育です。
・乳児の表情や行動を読み取り、「眠くなったね」「大好きなバスね」など言葉にし、やり取りはゆったりと穏やかに対応しています。
・気持ちの乗らないときは職員が寄り添い、一緒に遊ぶ時には思い切り遊び、おむつ替えやトイレも一人ひとりのリズムになっています。
・職員は、「子どもの人権」の園内研修で、肯定語で具体的な声かけをすることを学び、また、年齢に合わせた言葉を選び、丁寧に話しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・0~2歳児は、おむつ等の気持ちが悪い状態を職員に替えてもらったり、清潔にしてもらうことで、心地よさを知り、援助や見守りの中で生活習慣を身につけています。3~5歳児は、日々の繰り返しの中で基本的生活習慣を身につけるように援助しています。
・基本的な生活習慣の習得にあたっては、子どものやる気を認め、待つことを大切にしています。トイレでの排泄は一人ひとりのタイミングを大切にしています。
・基本的な生活習慣の習得にあたっては、無理強いすることなく、丁寧に説明しながら毎日の積み重ねの中で身につけるように援助しています。
・長時間保育の子どもや早朝登園の子どもが疲れている様子の時には、安全を確保し休めるようにしています。また、廊下には、ひとりになれるような絵本コーナーや1畳ほどの畳スペースがあります。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・5歳児の保育室には移動動物園で作った馬や、お祭りの際の活動の写真や、これからやる劇の配役等が掲示され、子ども自身が視覚的に活動を振り返り、これからを見通せるようになっています。
・0歳児保育室の手作り階段や木製トンネルがあります。広い園庭には三輪車、手押し車、タイヤ山、滑り台、鉄棒等の豊かな環境があります。
・散歩先は、16か所の行くところがあります。園庭も広いので、午前は1時間半ほど、午後も戸外で遊ぶことが出来る環境にあります。
・「移動動物園が楽しかったから、みんなでもう一度楽しみたい」との5歳児の声から動物を作り、他クラスを呼んで移動動物園ごっこを行なうなど、職員は子どもが自発的に活動できるよう援助しています。
・3~5歳児のお楽しみ会では、いろいろな役をやってみたいという子どもたちの希望で、リハーサル前の練習期間に、それぞれやりたい役を経験しながら、ごっこ遊びを楽しんでいました。本番では、保護者の前で子どもたちは、それぞれが主役のように演じることができ、楽しむことができました。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・食事と遊びのスペースが分けられ、あそびスペースには手作り階段や木製トンネル等の身体を使ってあそべるコーナーもあります。
・食事の際は職員が1対1で子どもを膝に抱いて、子どものペースに合わせ、ゆったりと関わりながら食べさせています。
・季節や、一人ひとりの発達の時期(はう、つかまり立ち、歩くなど)に応じて、棚等を利用し、設定を変化させて活動の場が広がるように工夫しています。現在は階段、トンネルマットで山を作り、たくさんハイハイができ、手足の力や体幹,協応動作が育つようにしています。
・朝の受け入れや夕方の引き渡しには、なるべく担任が関われるようにシフトを工夫しています。一人ひとりの発達と生活リズムを大切にし、1日を通して、保育士、保護者、調理が連携するように心がけています。保護者とは個人連絡票、掲示物、個人面談、送迎時の会話等で、連携を図っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの発達状況に応じて、声かけや援助する範囲、膝の上での食事か一人机の食事かなど、その時々の様子も見ながら細かく配慮しています。
・室内では、子どもが好きな遊び、興味を持った遊びができるように環境を整えています。絵本がいつでも手の届く本棚にあり、1歳児にはままごと、車、パズル等、2歳児にもままごと、電車、車等のおもちゃが用意されています。
・1歳児は職員の膝の上で遊んだり、友だちと並んでままごとをしているのを見守っていたり、2歳児はひとりで車で遊びこむ子どもや職員に絵本を読んでもらうなど、落ち着いた雰囲気の中でそれぞれ安定して遊んでいます。
・泣くことを悪い事とせず、その子の気持ちをおおらかに受け止める環境があります。不用意な口出しはせず、気持ちを受け止め、見守りながら気持ちを代弁するようにしています。
・保護者へは連絡帳や送迎時の会話を中心に子どもの様子を共有し、食事、睡眠、健康,排泄等、細かく配慮しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児は、集団遊びを取り入れながら、興味関心のある活動に取り組めるような環境を整え、友だちと関わる中で自分の気持ちを伝えられるようにしたり、集団生活の楽しさを味わえるように配慮をしています。子どもがやりたいことを言葉で引き出せるような言葉かけを行ない、友だちと関わりながら遊びを展開できるように援助しています。
・4歳児の保育は、集団の中で自分の力を発揮し、友だちとともに楽しめるように集団遊びを積極的に取り入れています。友だちとの関わりの中で簡単なルールを知り、ルールを守ることでみんなが楽しく遊べることに気付けるようにしています。
・5歳児の保育は、友だちと協力して進めていき、達成感を味わえるような集団遊びを積極的に取り入れています。職員は、なかなか遊びに入れない子どもにも、集団の中で自己主張ができるように、相手の立場に立って考えられるように援助しています。
・3~5歳児は、各クラスの活動を掲示板に貼りだし、1日の様子を保護者に伝えています。園だよりでも子どもの様子やエピソードを多くの写真と一緒に掲載しています。園だよりを近隣の小学校に配付して、活動状況を伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・玄関にはスロープが設置され、車椅子や段差に配慮しています。1階にみんなのトイレがあり、階段には鍵付き柵で、転倒や飛び出しの予防をしています。足が床に着き安定して座れるように足載せや、テーブルの高さに合わせ座れるように、椅子を座布団で調節しています。
・個別支援計画をもとに配慮事項を意識してカリキュラム会議で話し合いを行ない、職員間で情報を共有しています。計画に基づき、無理せず、少しずつ子どもの状況を見ながら、寄り添い安心できるように保育をしています。
・職員は個々の子どもの特性を把握し、一緒に関わりながら子ども同士の関係が築けるように援助しています。
・保護者とは個人面談や送迎時に子どもの様子を共有したり、保護者からの要望があれば、担任が療育センターを参観し、保護者、療育センター、保育園の三者が情報共有できるようにしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・体調、起床時間等の家庭での生活リズムに配慮して、個々に応じた午前寝等の休息を行ない、安心して過ごせるようにしています。
・長時間にわたる保育のために、夕方以降の時間帯は子どもがゆったりと安心して、心地よく過ごせるように、小人数で遊べるように保育室のテーブル等の配置を工夫しています。日中の活動は午前中に戸外活動やリズム運動等で動の遊びを取り入れ、その後、造形遊び等を行ない、静と動の活動バランスを考えて保育活動を行なっています。0歳児は0歳児の保育室で職員をなるべく固定して安心してゆったり過ごせるようにしています。
・各クラスに引継ぎノートを用意し、0~2歳児クラスは連絡票も利用し、どの職員でも引き継げる体制を整えています。
・全体的な計画及び指導計画に「長時間にわたる保育」の項目を設けるなどして、1日を通しての保育の連続性に配慮し、子ども主体の計画性を持った取組を行なうことが期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画や5歳児クラスの年間指導計画の中に、小学校との連携の取組が示され、地域の小学校と連携して交流する機会が盛り込まれています。またアプローチカリキュラムを作成し、無理なく就学できるように取り組んでいます。
・子どもたちは、保護者と小学校に健康診断に行ったり、散歩の途中で小学校を見学して、就学への興味や関心が深められるようにしています。生活面では1月から午睡時間をなくし、敢えて食事時間を短くしたり、靴を立ったまま履くなど、就学に向けて取り組んでいます。
・年明けの個人面談で、就学に向けて心配なことはないかなど保護者の相談に乗るように努めています。また、幼保小連絡会議では、5歳児の担任が小学校教諭と意見交換をしたり、一緒に研修に参加しています。
・5歳児の担任が保育所児童保育要録を作成し、主任が内容を確認して就学先の小学校に郵送しています。また小学校教諭とは就学する園児の情報交換会があり、電話による申し送りをすることもあります。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理に関するマニュアル(睡眠マニュアル、食事マニュアル、保育マニュアル等)があり、それに基づいて子どもの心身の健康状態を把握しています。
・保育中の子どもの体調悪化やケガについては、主任が判断し、保護者に連絡したり、お迎え時に説明したりしています。
・年間保健計画を作成し、子どもの健康管理を年間を通して継続的に行なっています。
・職員は健康台帳や日々の会話、職員会議、乳児会議、幼児会議、毎日のミーティング等で、子どもの健康状態に関する情報を共有しています。
・年度始めに身体発育記録を保護者に渡し、既往症や予防接種の情報を記入してもらっています。
・保護者に対し、保育園利用のご案内(兼重要事項説明書)、ほけんだより等で、園の子どもの健康に対する取組を伝えています。また、保健計画を掲示板に貼り出し、方針や取組を保護者に伝えています。
・睡眠マニュアルがあり、乳幼児突然死症候群(SIDS)については、マニュアルに沿って取組を行なっています。入園説明会において、保護者にSIDSについて説明しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・毎月の身体測定、年2回の健康診断・歯科健診を実施しています。健康診断・歯科健診の結果は「健康台帳」「歯科健康診査票」に記入し、職員に周知しています。
・食後のうがいは必ず行ない、手洗いの大切さは例年以上に伝え、子どもたちもしっかりと実践しています。また、保健計画の中に、歯科健診の後には子どもたちに「虫歯予防の話をする」、保護者に「歯の衛生、虫歯予防の大切さを伝える」と実施計画をあげ、園だよりに「歯科健診での先生からのお話」を掲載するなどして、保育の中で計画の実施に取り組んでいます。
・健診の結果、虫歯の子どもたちが多い等、園全体に関わることがあれば、園だよりやほけんだよりで保護者に知らせ、家庭での生活に生かされるようにしています。個人の健診結果は、「健康台帳」に記入し、保護者に知らせています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」、横浜市こども青少年局の「食物アレルギー対応マニュアル」をもとに、子どもの状況に応じて安心な保育園での生活が送れるように取り組んでいます。
・食物アレルギー疾患のある子どもは、保護者から医師の記入による「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」、保護者記入による「食物アレルギー対応票」の提出を受けています。また、毎月、翌月のアレルギー食除去面談を行ない、除去食の提供をしています。喘息等の既往症がある場合も、医師の生活管理指導表をもとに保護者と情報共有を行ない、職員間でも情報を共有して対応するようにしています。
・食事の提供は給食担当者から配膳担当者、配膳担当者から担任が個人の献立表を読み上げながら、口頭と目視で食材の確認を行なっています。食物アレルギーのある子どもの食事は、テーブル、布巾、食器等すべて別にしています。食物アレルギーのある子どもには担当保育士が付き、食事前に間違いがないかを確認し、テーブルの上の物や他児のお代わり分を誤食しないように気を配っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・午睡と食事の場所をきちんと分け、子どもたちがとなり同士で話したり、職員が「おいしいね」等の声かけなどして、楽しい食事の雰囲気作りを行っています。
・職員は子どもたちの口の動き、呑み込みのタイミング等をよく観察し、タイミングを見ながら援助をしています。食材の形状は一人ひとりに合わせたサイズにしています。
・園では食器は割れにくい強化磁器を使用しています。形状も肉類等の食べにくいものは小さくしています。アレルギーのある子どもには、個別に食器を用意し、誤食がないように気をつけています。
・職員は、食が細い子ども、偏食がある子どもには無理強いはせず、一口から食べられるよう優しく声かけをしています。食事に対して嫌な思いが残らないよう丁寧に関わりながら、食べたことで自信につながり次に生かせるよう配慮しています。
・「園芸計画」を作成し、子どもたちが、季節にあった野菜を育て、成長を楽しみながら収穫したものを調理職員が調理し、給食で提供しています。また、使用される食材の匂いや切ったときの様子、触れる感触等を知り、食事に興味関心が持てるようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・食材の形状や柔らかさに気をつけて調理し、月齢でひとくくりせず、一人ひとりに合わせた献立・調理の工夫をしています。毎年7月に全園児の身長体重を参考に、法人の栄養士が栄養目標値を計算しています。
・毎日のミーティングで喫食状況を報告し合い、子どもの食べる量や好き嫌い等を把握できるようにしています。また、目で見て誰がどれだけ残しているかなどの確認を行ない、検食等と一緒に給食日誌に記載しています。
・旬の果物を出来るだけ出すようにしています。夏の冷やし中華、ひな祭りのちらし寿司、七夕のそうめん、クリスマスパーティメニュー等、季節感のある献立となるようにしています。法人の所在地、熊本のソウルフード「太平燕(タイピーエン)」なども提供しています。
・調理職員が子どもの様子を見たり、話す機会を設け、調理職員が子どもの質問に答えることで、献立に興味を持ち、安心して食べることができるよう心がけています。
・衛生管理マニュアルに基づいて衛生管理を行なっています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・0~2歳児クラスは、個別の個人連絡票で詳細に子どもの様子を記載し、保護者に伝えています。3~5歳児クラスについては、毎日クラスの活動を、紙に書いて掲示板に貼り出しています。全クラスのweb日誌を毎月2~3回配信し、たくさんの写真やコメントを載せ、保護者に活動の様子を伝えています。送迎時には、必ず保護者と直接顔を合わせる機会を設けて、家庭での様子を尋ねたり、園でのその日の子どもの様子を伝えたりして情報を交換しています。
・年度の前半には、各クラス、個人面談と保育参加を兼ね、保護者が半日保育園で過ごし、園での子どもの様子を見てもらうことで保護者の理解や安心につなげています。年度後半には、0~2歳児は懇談会の後にふれあい遊びの会を行ない、保護者、職員、子どもたちがいっしょにゲームやリズム遊び、楽器遊び等でふれあう機会を設けています。
・なかよしフェスティバル(運動会)、お楽しみ会(発表会)等の行事で、子どもの成長を発表する機会があります。また、保育参加、ふれあい遊び等で、保護者が子どもたちの成長を実感できるような取組を行なっています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・個人連絡票や毎日の活動の記録の掲示で、日々の保育の情報を伝え、送迎時には挨拶をしてその日のエピソードを伝えてコミュニケーションを取り、保護者との信頼関係を築くようにしています。
・職員は、保護者にはいつでも相談できることを伝え、希望があれば面談時間を調整し、面談の際には、他の保護者に聞かれずに落ち着いて話せる場所として、事務室を案内しています。入口に札をさげて職員の入室を控えるようにしています。
・保護者の個々の事情に合わせて相談を受け、内容によっては複数の職員で話を聞き、相談内容はミーティングノートに記載して、継続的にフォローができるようにしています。
・保育士や調理職員等が専門性を生かしたアドバイスや支援を行なっています。相談の内容によっては、緑区福祉保健センターや横浜市北部地域療育センター等と連携し、個々の状況に合わせて支援しています。
・送迎時に相談を受けた職員が適切に対応できるように、園長・主任から助言が受けられる体制になっています。相談内容によっては、主任が同席して対応しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

・送迎時の保護者の様子や保育中も含めた子どもの顔色、言葉、態度等について目配りしています。午睡前の着替えやおむつ交換の際に、原因の分からないアザやケガ、やけど等がある場合には確認をして、状況に応じて写真を撮っています。
・職員が虐待の疑いがあると感じた時は、複数の職員で確認し、園長、主任に報告し、職員間で情報共有するとともに、ケース会議を開いてその後の対応を協議しています。
・保護者の様子で気になることがあった場合には、声をかけてコミュニケーションを取り、保護者の不安な気持ちを聞いたり、相談を受けたりしています。配慮が必要な見守り世帯には、夕食を提供し20時までの延長保育を行なっています。
・職員は、外部研修で「保護者支援・子育て支援(児童虐待)」に関する研修を受け、研修報告や回覧等を行ない、園全体で情報を共有できるようにしています。
・園内研修で主任が、「虐待としつけの違い」について職員に研修を行なっています。今後、さらに職員が虐待等権利侵害対応についての理解を深めていけるよう、園で作成している「虐待対応マニュアル」による職員への園内研修の実施が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、ミーティング、カリキュラム会議、乳児会議、幼児会議、職員会議等で子どもの様子を話し合い、日々の保育実践の振り返りをしています。月間指導計画には、自己評価(振り返り)欄があり、各担任が自らの保育実践について振り返りを行なっています。
・園長、主任は、月間指導計画に対し、保育士が前向きに次の段階に進めるように指導をしています。これにより、各クラスの自己評価は「○○していた」「○○ができるようになった」のような子どもの活動や結果だけでなく、子どもの意欲や活動のプロセスにも配慮し、「☓☓していたので、今後は○○するようにしていきたい」など、次の計画につながるような前向きなものが多くみられます。
・年度末には、職員は「自己評価チェックシート」により、①保育理念 ②子どもの発達援助 ③保護者に対する支援 ④保育を支える組織的基盤 の項目に対し、4段階で評価を行なっています。
・職員は、自己評価の中で自身が振り返りしたことを、カリキュラム会議等を通して他の職員と共有し、話し合うことによってお互いの意識の向上につなげています。