社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ちゃいれっく並木二丁目保育室

2023年04月03日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ちゃいれっく並木二丁目保育室 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 10名(利用者:10名) 名
所在地 236-0005
横浜市金沢区並木2丁目3街区1号棟104号室
TEL 045-353-7811 ホームページ https://chilec.procare.co.jp/namiki2chome/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年10月20日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社プロケア
職員数
常勤職員:3 名
非常勤職員:4 名
専門職員
保育士:6 名
施設・設備の概要
保育室:2
トイレ:1
調理室:1
事務室:1
園庭:なし

③ 理念・基本方針
【理念】
『大地にがっしりと根を張る〈大樹〉になってほしい』
この子らはどんな葉を茂らせ、どんな花を咲かせ、どんな実をつけて人を笑顔にするのだろう。
子どもたちが〈大樹〉と育つための、その基となる〈根っこ〉を育てるお手伝いをしたい、そうプロケアは願っています。

【保育方針】
〈こころ〉〈からだ〉〈生活〉の三位一体の保育を目指します。
【こころ】温かい「第二の家庭」を提供し、心の豊かさを育む
【からだ】生活のリズムを整え、食育に取り組み、健やかな身体を育む
【生活】様々な体験を通じて、主体性と協調性を育む

園の保育目標
1, げんきな子
2, おもいやりのある子
3, さいごまでがんばる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
1、2歳児を異年齢クラスで一緒に保育することにより、兄弟姉妹のような関係を育みます。家庭に近いゆったりとした環境の中、友達や保育者とじっくり向かい合い、関わり合い、受けとめられる経験をすることで自己肯定感を持てるように保育をしています。
ほぼ毎日、さくらさくらんぼ保育園 斎藤公子先生考案のリズム運動を行っています。手指や足のつま先をつかうことによって脳にも刺激を与え、体幹づくりの基礎となっています。また、順番を少し待ったり、リズムや音楽を感じたりということも含まれているため、非認知能力を育てる機会にもなっています。
暑い時期以外は、毎日散歩に出かけ、でこぼこ道や坂道なども歩くことによって、足腰を鍛えるだけでなく、自らの力で歩き、自ら興味を持ったものに向かって行ける基礎をつくっています。太陽にあたることにより、セロトニンの分泌を促し、よく眠れ、お腹がすいてご飯を食べたいと思える体作りができています。また、季節ごとの自然に触れることを大切にし、花や虫、木の実などに触れる実体験を多く取り入れています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/05/01(契約日) ~2023/03/06(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1) 保育の連続性を意識して、主体性を大切に保育を実践しています
職員は、子どもたちの「やりたい」という気持ちをを大切にし、子どもたちの主体性を尊重しています。保育室のおもちゃや絵本は子どもたちが好きなものを自分で選べるようにしています。運動会では、子どもたちが手作りおもちゃのテーブルを逆さにして、車のようにして遊んでいたことから、その遊びをそのまま競技に発展させるなど、子どもたちの遊びの展開や保育の連続性を意識して、一人ひとりの主体性を育んでいます。

2) 保護者と連携を図り、子どもの育ちを見守っています
園では、小規模保育所の特性を生かし、保護者とのコミュニケーションを深め、家庭的な雰囲気の中で子どもの育ちを見守る保育を実践しています。施設長や職員は送迎時など保護者に積極的に声をかけ、子どものその日の様子など、時間をかけて共有することで、保護者との信頼関係を築いています。給食なども家庭的な雰囲気を意識して温かい食事を提供しています。子どもたちは、職員に優しく見守られながら、安心感と安定感の中で過ごしています。

3) 園内研修を充実させて、保育の質の向上につなげています
園では、保育所保育指針が示している「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」に基づき、「2歳児までに育って欲しい姿」について園内研修で話し合っています。職員は、保育をする上で大切にすべきことやどのような援助や声かけを行うか、などについて意見交換を行う中で互いの保育観を伝え合い、理解を深めながら意識統一を図っています。園内研修の内容を工夫して園全体の保育の質の向上につなげています。

4) 中・長期計画に数値目標や具体的な成果を設定することが期待されます
園としての3ヶ年の中・長期計画は、法人の中・長期の計画の内容を反映させながら策定し、「子どもの生きる力を育てる」と、保育の方向性とビジョンを明示して、保育内容、職員育成、子育て支援などの取組内容を設定しています。今後はさらに、実施状況の評価をより的確に行うために、数値目標や具体的な成果を設定されることが期待されます。

5) ボランティア等の受け入れ体制の整備が期待されます
園では、紙芝居などのボランティアや小中学生の職場体験、高校生のインターンシップなどを受け入れた実績がありますが、現在はコロナ禍で難しい状況となっています。今後に向けて、ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明確にしてマニュアルを作成し、受け入れ体制を整備することが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受審するにあたり、保護者の皆様をはじめ、多くの皆様に自己評価を行う上でご協力頂き大変感謝しております。家庭的保育室として開園してから10年経ちましたが、園児数の少ない小規模園であるため、きょうだいのように、第二の家庭になれるようにということを心掛けて保育をしてきました。今回の評価で、そのような面を評価していただけたことは、とても嬉しく、今後の励みとなりました。
また、今回の調査日に向けて準備を進める中で、職員間で改めて自園の取り組みについて振り返ったことは、保育面でも運営面でも気づきや再確認へとつながるとても貴重な機会となりました。
今後も、園児や保護者の皆様に寄り添い、地域の中で第二の家庭として機能できるよう、職員一同努めてまいりたいと思っております。
ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページや園のパンフレットに、保育理念、保育方針を掲載しています。職員へは、入職時の研修で周知を図っているほか、指導計画の作成時に理念と方針に立ち返るなどして、職員間で確認し合っています。保護者へは、入園説明会や年度始めの保護者懇談会で重要事項説明書に沿って説明をしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

月一度の法人の園長会議では、社長をはじめ法人の上層部や担当部署、系列各園の園長、施設長らが参加して、社会福祉事業全体の動向を踏まえた法人の事業運営について確認しています。施設長は金沢区の園長会議に出席し、金沢区こども家庭支援課の担当者より、地域の各種福祉計画の策定動向について説明を受けています。子どもの数や保育ニーズなど、園が位置する地域の特徴や課題の分析、園のコスト分析などは、法人の担当部署で行っており、エリアマネジャーと施設長で連携を図りながら、分析を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、園を取り巻く経営環境や園の経営状況の分析に努めていますが、職員との共有が課題となっています。課題として人材確保と人材育成などを明確にしています。エリアマネジャーを通じて、法人の上層部とも課題の共有化を図り、採用課で人材確保に向けて取組を進めています。施設長は、職員会議で、園の運営面での課題点について説明し、園内研修の充実化に向けて意見交換を行うなど、職員個々のスキル向上に取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の中・長期計画には、保育の質の向上、人材確保などの項目ごとに取組内容を明記しています。園としての3ヶ年の中・長期計画は、法人の中・長期の計画の内容を反映させながら策定し、「子どもの生きる力を育てる」と、保育の方向性とビジョンを明示して、保育内容、職員育成、子育て支援などの取組内容を設定しています。今後はさらに、実施状況の評価をより的確に行うために、数値目標や具体的な成果の設定が期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の計画と収支計画は、中・長期計画の内容を反映させて、当該年度に取り組むべき内容や年間の行事計画を記載しています。単年度計画の取組内容については、実行可能な内容を具体的に設定しています。園の利用者数や職員数などの数値目標を明記しているほか、園内のスペース活用方法や保護者支援、地域支援などの運営面での課題について明確にするとともに、その課題に対する方策を明記して、実施状況の評価を行える内容となっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

法人の中・長期計画は、法人の園長会議で系列各園の園長、施設長に周知し、共有化を図っています。園の中・長期計画と単年度の計画は、職員会議での職員の意見を踏まえ、施設長と正職員が中心となって策定し、完成した計画を職員会議で周知しています。年度末の職員会議では、年間の保育実践や行事などの振り返りを通して事業計画の評価につなげています。事業計画に対する評価内容は、エリアマネジャーとも共有し、次期の計画策定に生かしています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画の主な内容については重要事項説明書に記載し、入園説明会及び年度初めの保護者懇談会で、保護者にわかりやすく説明しています。事業計画をファイリングして玄関に設置し、保護者がいつでも確認できるようにしていますが、利用者には十分に伝わっていません。行事予定表には、保護者が参加する行事などに印を付けて記載し、行事の開催方法や内容を丁寧に説明して、保護者の参加を促すよう配慮しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

指導計画に対する評価は、月2回の職員会議で日々の振り返りや保育日誌に基づいて行っています。職員間で課題を共有して保育内容や環境設定の見直しを行い、次期の計画作成につなげており、保育内容について組織的に評価を行う体制を整備しています。園の自己評価は、法人で策定している書式を用いて、毎年度3月に実施しており、職員個々の自己評価結果や職員会議での意見をふまえて施設長が評価結果をまとめています。第三者評価は今回初めての受審です。評価結果は職員全体で共有し、改善策を話し合うこととしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

園内研修の充実や職員の意識向上、より良い環境整備についてなど、園の自己評価結果から抽出した課題については自己評価票に記載し、職員会議で共有しています。課題の改善に向けて職員会議で意見交換を行い、改善策を事業計画に記載して計画的な取組の推進に努めています。改善策の実施状況は、職員会議で都度確認を行っており、年度末に年間を通して評価を行い、必要に応じて見直しを図っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、園の運営に関する方針について事業計画に明示していますが、広報誌などの職員への周知工夫が課題です。また、園だよりには園の保育の方向性などをわかりやすく記載しています。施設長は、子ども自身が自分は大切にされていると実感できるような保育にあたることや、職員間で協力し合って働きやすい職場づくりを行っていくことなどを折りに触れて伝えています。運営規程には、施設長の役割と責任について記載し、職員間で共有しています。有事の際の施設長の役割と責任、施設長不在時の権限委任については、緊急時のフローチャートに明記して保育室に掲示し、職員間に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、法人が実施している全国園長施設長研修で法令遵守の観点で管理者として必要な知識を学び、利害関係者との適正な関係を保持しています。環境への配慮に関する法令なども十分把握し、職員だけでなく、節電や節水など、子どもも一緒に取り組めるよう、わかりやすく伝えながら実践しています。職員に対しては、入職時研修や法人研修で遵守すべき法令について職員教育を実施しているほか、園内研修においても、ハラスメントや虐待の防止について学び合ったり、ニュースになった事例を採り上げるなどして職員間で確認し合っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、実際に保育現場に入って職員と子どもの関わり方を観察しているほか、指導計画や保育日誌などを確認して保育の質の現状について継続的に評価、分析を行っています。職員会議では子どもが遊び込める環境設定や安全に過ごすことができる保育環境づくりなどについて振り返りを行いながら、「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を踏まえて、「2歳児までに育って欲しい姿」について話し合い、どのように子どもと関わりを持ち、どのような保育を行っていけば良いのかなどをまとめるなど、保育の質の向上を目指して園全体で取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、課題である人材確保に向けて、エリアマネジャーと連携を図りながら、法人の採用担当部署に園の現況を伝えています。業務の実効性を向上させるため、園の現況分析を行い、職員の意見を聞きながら、法人と連携してICT化を推進しています。園児の欠席連絡や園だよりの配信、身体測定の記録など、電子媒体で作成、運用し業務のスリム化を図っています。また、小規模園という特色を生かし、職員間が連携し、相互に協力し合える関係性の構築に努めていますが、経営に関する意識形成に課題もあります。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人が策定している「人材育成ビジョン」に、人員体制や人材確保、人材育成に関する方針を明示しています。施設長は、法人の方針に基づき、園の運営に必要な保育士、栄養士など専門職の配置、常勤職員と非常勤職員の比率など、人員体制についての計画を作成しています。エリアマネジャーや法人の担当部署と連携して、計画に基づいた人材確保、人材育成に取り組んでいます。法人ホームページ上で、採用情報を掲載したり、就職フェアに参加したり、職員による紹介制度を導入するなどして採用活動を進めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「人材育成ビジョン」に、法人として求める人材像、職員としてありたい姿を明示しています。また、キャリアパスの仕組みを明確にして、職員が自ら将来の姿を描くことができる総合的な人事管理の仕組みを構築しています。就業規則と給与規程で、採用、異動、昇進などの人事基準を定め、入職時に職員に説明しています。法人で定めた人事考課表を用いて、9月と3月に人事考課を実施し、職員の専門性や職務遂行能力、貢献度などを評価しています。しかし、全体の人事管理制度は職員に十分な理解を得られていません。処遇改善については、施設長との個人面談や職員の満足度調査などから抽出された職員の意見を踏まえて、法人の担当部署で改善策の検討を行っています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

労務に関する実務全般は、施設長が行っており、有給休暇の取得状況や時間外労働のデータを毎月集計し、職員の就業状況を把握しています。施設長は職員との個別面談で職員の意向や心身の状況、家庭の様子などを確認し、個々の状況に応じて働きやすい環境となるよう配慮しています。法人では、産業医を配置しているほか、家賃補助や勤続表彰制度などの福利厚生を実施しています。産休や育児休暇、介護休暇の規程を整備し、時短勤務を導入するなどしてワーク・ライフ・バランスに配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、年度末に人事考課の自己点検を行い、次年度に向けた年間の個人目標を人事考課表に記載しています。施設長との個別面談では、人事考課の結果を踏まえて、年間の振り返りを共有し、当該年度の目標達成度の確認を行うとともに、次年度に向けた目標が適切に設定されているかを確認し合っています。年度の中間時期に行う個別面談では、目標に対する進捗状況を確認しています。施設長は、個々の仕事に対する悩み事を聞いたり、助言するなどして、意欲の向上につなげており、一人ひとりの育成に向けて取り組んでいます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人では、「人材育成ビジョン」に基づいて、年間の法人研修計画を作成しています。保育所の職員として必要な専門知識や専門技術を習得できるよう、様々なテーマを設定しています。園では、法人から示された研修実施内容に沿って年間の園内研修計画を作成しています。外部研修は、キャリアアップ研修などに参加するよう調整を行っています。研修計画に沿って、職員研修を計画的に実施しており、研修内容については、職員の意見等を参考にして見直しを行い、次年度の計画作成に生かしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、職員一人ひとりの知識、技術水準、専門資格の取得状況を把握し、それぞれがさらにスキルアップできるよう、研修への参加を調整しています。新入職員に対しては、指導担当の職員を配置してOJT研修を実施しています。法人研修では、階層別研修や職種別研修、新卒職員のフォローアップ研修を実施し、園内研修では、幼児期までに育って欲しい姿についてや虐待防止、不審者対応など様々なテーマで研修を行っています。行政などが主催する外部研修の情報を職員に周知し、本人の希望にも配慮して非常勤職員も参加できるよう調整しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れに関するマニュアルがあり、受け入れ手順や受け入れに関する留意事項、基本的な実習の進め方などを明記して、職員間で共有しています。実習生へはオリエンテーションで、子どもへの対応方法や守秘義務について説明しています。施設長は実習を担当する職員に指導方法などについてアドバイスを行っています。今後はさらに、実習生の育成に関する基本姿勢をを明確にして、実習生の受け入れに関するマニュアルに明記されることが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページ上で、保育理念や保育方針、保育内容のほか、苦情対応体制、苦情受付件数、第三者評価の受審について公表しています。法人のホームページ上には、「子育て支援を通じて社会に貢献する」と明示して、社会や地域に対して法人及び園の存在意義や役割を明確にしています。園のパンフレットを金沢区こども家庭支援課などに置き、園の活動を地域に向けて発信しています。今後はさらに、園の事業計画や事業報告、財務状況などについても、ホームページ上で公表されることが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経理マニュアルに、園における事務、経理、取引に関するルールと職務分掌、権限と責任を明確に定めています。施設長は、園の運営状況や経理に関するデータを毎月法人の経理担当部署に報告しています。法人では、内部監査規程に沿って適切に内部監査を実施しているほか、税理士による外部監査も定期的に実施し、経理業務に関するアドバイスを受けて経営改善を実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

運営規程に地域との関わり方についての基本的な考え方を明示しています。地域の行事やイベントなどのチラシを掲示して保護者に情報提供し、園として積極的に参加しています。保護者のニーズや相談に応じて病児保育施設や横浜市南部地域療育センターなど、利用できる社会資源を紹介しています。SDGsの取組として散歩で行き交う人々と挨拶を交わしながら、子どもたちが描いた絵カードを直接渡すなどして、子どもと地域の人との交流を広げられるよう取り組んでいます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

園では、紙芝居などをしてくれる地域のボランティアを受け入れるなどの実績がありますが、現在は、コロナ禍ということもあり、ボランティアや小中学生の職場体験、高校生のインターンシップなどの受け入れは、難しい状況となっています。地域の学校教育等への協力についての基本姿勢を運営規程に明記していますが、今後はさらに、ボランティア受け入れに関する基本姿勢や、ボランティアの受け入れ対応方法などマニュアルに記載すべき内容を精査してのマニュアル整備が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の関係機関や医療機関などの情報を記載したリストを園内に掲示しています。各関係機関との対応は、施設長が行っており、連携内容や状況については、職員会議で周知しています。園では地域のケアプラザと協働して地域の親子向けの子育て講座などを行っており、定期的に会議を実施して開催方法や内容について話し合っています。施設長は、金沢区の園長会議に出席して情報交換を行っているほか、近隣の保育園と地域の子育てイベントなどで交流しており、連携を図れる体制となっています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園の第三者委員は地域の民生委員を務めた事もあり、施設長は年に1回程度、地域の情報などを聞いています。地域のケアプラザとの会議や金沢区の園長会議などでも地域の福祉ニーズや生活課題に関する情報把握に努めています。園の見学に訪れる地域の保護者から育児に関する相談を受け付けているほか、ケアプラザと共催している子育て講座で地域の保護者から相談を受けるなどして、子育て世代の福祉ニーズを把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

園では、把握した地域のニーズに基づいて、地域ケアプラザと協働して地域の親子を対象に子育て講座を開催したり、金沢区の子育て支援イベントに参加するなどして、園が有する専門的な技術や知識を地域に還元するよう取り組んでいます。職員は、散歩先の公園でごみ拾いを行ったり、散歩の道中では地域の人々と積極的に挨拶をし、地域に貢献できるよう努めていますが、積極的な活動とはなっていません。食料品や紙おむつなどを多めに備蓄しており、災害時の地域支援に活用できるようにしています。また、一時的な避難場所として施設を提供できるよう体制を整えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念や保育方針、保育の手順マニュアルに、子どもを尊重した保育の実施について明示しており、職員は共通認識のもと、保育の実践につなげています。法人研修では、子どもの人権擁護に関する研修を実施し、参加した職員が職員会議で研修内容を報告するなどして学び合っています。人事考課表に基本的人権に関する項目を設定し、定期的に職員が自己点検を行い、施設長による評価を実施しています。職員は、ジェンダーフリーを意識して保育にあたっており、固定的な対応をしないよう心がけています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護について、職員としての心構え、責務等を保育の手順マニュアルや行動基準を示したマニュアルに明記しています。職員は日々の保育を行う中で、着替えやおむつ交換のスペースを確保しているほか、トイレなどの援助を行う際に、子どものプライバシーに配慮することを職員間で確認し合っています。子どものプライバシーに配慮した保育実践については、保護者懇談会や個人面談の際に保護者に伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のパンフレットには、保育理念や保育方針のほか、保育内容、デイリープログラムなどを写真とイラストを用いてわかりやすく掲載し、金沢区こども家庭支援課に置いて、多くの人が入手できるようにしています。園のホームページ上では園児の募集状況や見学の問い合わせフォーム、金沢区こども家庭支援課の連絡先なども掲載し、利用希望者にとって必要な情報を積極的に提供しています。見学は1組ずつ受け入れて施設長が対応し、パンフレットに沿って丁寧な説明を行うとともに活動の様子などの写真をアルバム形式で見てもらうなどしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書を毎年作成し、入園説明会と年度初めの保護者懇談会でそれぞれ説明を行っています。入園説明会では、園の保育の特色や保育内容のほか、慣れ保育の進め方などを丁寧に説明し、持ち物の見本を見せるなど、保護者が理解しやすいよう工夫しています。進級する保護者に対しては、変更箇所を重点的に説明しており、説明後には、保護者より同意書を受領しています。日本語での会話が難しい場合には、翻訳した資料などを準備し、個別に対応する体制を整えています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

卒園後の受け入れ先である連携園については、重要事項説明書に記載しているほか、連携園への引き継ぎを行うことを個人情報の取り扱いに関する文書に掲載し、入園時に保護者に説明しています。連携園へは、個別の記録に基づいて、保育の継続性に配慮して所定の書式を用い、引き継ぎを行うこととしています。園の利用が終了したあとも、いつでも相談に応じることを口頭で保護者に伝えています。今後はさらに、相談対応について記載した文書を作成し、保護者に渡すことを期待します。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、日々の保育を行う中で、子どもの遊んでいる様子や表情、しぐさなどから、子どもが満足いくまで遊び込めているかなどを十分把握しています。保護者に対しては、年度末に法人が作成している保護者アンケートや運動会などの行事後アンケートを行うなどして満足度を把握しています。保護者懇談会や運営委員会、個別面談などの機会を通して保護者の意向を確認しています。保護者アンケートの結果は、ほぼ満足度が100%となっており、職員やエリアマネジャーと結果を共有して、さらに向上できるよう意識統一を図っています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決責任者と苦情受付担当者、第三者委員を2名設置し、苦情解決の体制を整備しています。苦情処理に関する規則に沿って、報告や記録などを適切に行うこととしています。申し出者には、検討した内容や改善策等を伝え、プライバシーに配慮したうえで苦情内容を掲示などで公表することとしています。これまでに苦情を受け付けたことはほとんどありませんが、些細なことでも保護者からの要望を丁寧に傾聴することを職員間で確認し合っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書に相談窓口として、施設長、エリアマネジャー、法人のホットライン、第三者委員のほか、横浜市福祉調整委員会の連絡先を掲載し、相談先が複数あることを伝えています。また、内容によっては、栄養士が対応することも伝えています。相談は、面接、電話、文書、メールなど、複数の方法で受け付けていることについて重要事項説明書に記載して保護者に伝えています。保護者から相談を受け付けた際は、空いている保育室などプライバシーを守れるスペースを確保しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

施設長はじめ職員は、保護者からの相談事や悩み事に共感しながら、丁寧に傾聴することを心がけ、保護者が意見や相談をしやすい雰囲気づくりに努めています。日常的な会話の中で、育児に関する相談に対応しているほか、意見箱を玄関に設置したり、保護者アンケートを行うなどして、保護者の意見を積極的に把握するよう取り組んでいます。意見や相談を受け付けた際は、苦情処理に関する規則により、組織的かつ迅速に対応する体制を整備しています。法人の担当部署で規則の定期的な見直しを図っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事故防止対策や対応に関するマニュアルがあり、、施設長を責任者としてリスクマネジメントの体制を整備しています。園内研修では、マニュアルに沿って事故発生時の初期動作や通報手順などを確認しています。また、緊急時の対応フローチャートを保育室に掲示するなどして、適切に対応できるようにしています。事故報告書やヒヤリハットには、事故の要因や状況を記載して再発予防策について話し合い、実践につなげています。チェックリストを用いて各場所や備品等の安全点検を定期的に実施し、事故防止に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症については、「感染症マニュアル」を基に、園全体の管理体制を整えています。マニュアルは事務室に設置し、職員がいつでも確認できるようにしています。嘔吐処理方法や感染症対策についての園内研修を実施し、知識を深めています。マニュアルは、最新の情報を反映させて、法人で定期的に見直しを実施し、全園に周知しています。感染症が発生した際は、一斉メールを活用して保護者に周知するとともに、二次感染予防を注意喚起しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応については、施設長を中心に管理体制が整っており、園児及び職員の安全確保対策を講じています。園では、毎月、地震や火災を想定した避難訓練を実施しているほか、津波を想定した訓練も実施しています。災害時の連絡用アプリを用いて安否確認をすることとしており、毎月保護者にテスト送信を行っています。非常食や避難用品などの備蓄はリストを作成し定期的に確認しています。金沢区の情報配信システムによる避難訓練にも定期的に参加しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育業務における標準的な実施方法については、「保育士のためのデイリープログラム」に記載しており、事務室に常備していつでも確認できるようになっています。また、指導計画のファイルに「保育士のためのデイリープログラム」を貼付して、常に意識を持って計画作成を行うようにしています。指導計画の評価欄や保育日誌により標準的な実施方法が実施されているか確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

「保育士のためのデイリープログラム」の内容については、職員と定期的に話し合い、子どもの育ちに合わせて見直しを行っています。特に、園で力を入れている「リズム運動」プログラムは、その年度の子どもたちの登園時間や状況に応じて毎年変更しています。「保育士のためのデイリープログラム」の見直しにあたっては、日々の保護者とのやり取りから聴取した意見や提案なども反映されています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

保育における指導計画は職員が作成し、施設長が最終確認する流れとなっています。入園時の面接は施設長が担当で、子どもの生活状況や健康状態、アレルギー、喫食状況などを確認し、職員と共有し個別指導計画を作成しています。個別指導計画は、子どもの状況や保護者のニーズを考慮し、より良い育ちを意識した内容となっています。要支援家庭に対しては、地域のケースワーカーや保健師と相談しながら個別指導計画を作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、年間指導計画について四半期ごとに、職員会議において振り返り、評価・見直しを行っています。月案についても、職員会議で評価し、次月の計画の作成につなげています。指導計画は職員がいつでも確認することができ、緊急の変更時には職員同士、口頭で確認をしています。計画の評価・見直しは日々の子どもの状況に合わせて考慮されており、保護者の意見も参考にしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりの発達状況や生活状況について、園で統一された児童表、健康調査票に記入し、個人別のファイルに保管しています。個別の指導計画は、子ども一人ひとりの姿・育ちに合わせたものを作成しており、内容について職員会議等で確認しています。記録の作成にあたっては施設長が確認しており、内容や書き方について統一されています。子どもの日々の記録については「一日の記録」に細かい情報が記入されており、職員全員に周知されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録の管理体制については、「個人情報取り扱いマニュアル」に基づいて運用しており、個人情報の記録管理責任者は施設長となっています。職員は法人研修で個人情報の取り扱いについて学んでいるほか、職員会議などでニュースになった事例を取り上げるなどして注意喚起を行っています。個人情報に関する重要な文書や書類は、鍵付きの書庫に保管しています。保護者に対しては、入園時に重要事項説明書を基に説明し、同意書を受領しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、法人の園長会議で、骨子を作成しています。全体的な計画は、法人の理念・保育方針・保育目標に沿い子どもたちの発達過程を考慮した内容となっています。骨子をもとに、職員との話し合いを踏まえて、保育時間、地域の状況などに合わせて加筆、修正を行い、園独自の全体的な計画を完成させています。全体的な計画には、「連携園との連携」、「健康支援、状態把握、増進、疾病対応」や「食育の推進」などが明示されています。年度末の職員会議では、年間の保育実践についての振り返りを行いながら、全体的な計画の見直しにつなげ、次年度作成に生かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室には、温湿度計や空気清浄機を設置し、静かな環境を意識した保育環境を整備しています。園内は清潔に保たれ、消毒、換気を行い、感染予防を徹底しています。寝具は、衛生面や保護者の負担軽減の面から簡易ベット(コット)を利用しています。子どもの動線に配慮しながら、テーブルや椅子を配置し、おもちゃなどの収納方法を工夫して、子どもが家庭的な雰囲気の中でゆったりと過ごせるよう空間づくりを行っています。園はUR住宅の一室をそのまま利用して運営しています。手洗い場が1つで高さも大人に合わせた造りのため、踏み台を設置するなど環境整備を行っています。子どもが使用しやすい工夫に努めています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの発達状況や家庭環境については、入園時に施設長が保護者と面談し把握しています。入園後は、送迎時の保護者との会話や日々の様子から発達の状況を把握しています。日々の保育については、子どもが安心できる環境を整え、一人ひとりの欲求を受け止めることを意識し、表情やしぐさなどから子どもの思いを汲み取りつつ保育にあたっています。子どもに声をかける時は、わかりやすい言葉を選び、職員の声が大きくならないよう、優しく穏やかに話すことを心がけています。言葉遣いについては、定期的に法人の内部監査を実施して、職員が日々の保育を振り返る機会となっています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得にあたっては、子どもが「自分でやりたい」と思う気持ちを尊重し、できた時にはできた喜びを共有し、自信につながるようにしています。また、子ども一人ひとりの発達過程やペースに合わせ、個別に対応しています。睡眠については、子どもの様子を見ながら、いつでも眠れるよう準備をし、一人ひとりの生活リズムを大切にしています。園では、一人ひとりの持ち物やロッカーにその子専用の果物のシールを貼り、視覚で自分の物を理解できるようにしています。子どものやりたい気持ちを大切にし、朝の支度や昼食の準備も楽しみながら自分できるような工夫をしています。また、遊びながら基本的な生活習慣が身につくよう、ボタンなどを使った手作りのおもちゃを用意するなどしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

日々の保育においては、職員が誘導するのではなく、子どもたちが生活や遊びを自主的に楽しむことができるよう努めています。子どもたちの遊びが主体的で選択性があるよう、興味や関心に応じて手作りのおもちゃを準備するなど、環境設定を行っています。室内の活動では、ごっこ遊びや制作遊びなどで楽しむことが多く、リズム遊びではハイハイやジャンプ、ブリッジなどの運動遊びにもつなげています。戸外活動では、近隣の公園での散策活動で自然にふれたり、追いかけっこをするなど体を動かして遊んでいます。戸外活動の際、地域の方や交番の警察官に挨拶したりするなど、日々の生活の中で少しずつ社会体験を積み重ねています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

園では、0歳児の受け入れがないため該当しません。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

職員は、子どもたちがやってみたい気持ちを受け止め、小さな成功体験の積み重ねを通して自信が持てるような関わりを心がけています。戸外での活動の際は、安全面に十分留意して、子どもが自然と関わろうとすることややろうとする気持ちを大切にし、散策活動や落ち葉広い、虫の観察などをしています。保育室では、子どもたちが好きな遊びに熱中できるよう、絵本やおもちゃを取り出しやすく収納し、コーナーづくりを行っています。また、廃材などを準備して制作遊びなどもできるようにしています。子ども同士のトラブルは、行動を見守りながら、お互いの気持ちを受け止め、わかりやすい言葉で代弁するなどして援助しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

園では、3歳児クラス以上の子どもは受け入れていません。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

できる範囲で環境整備を行っていますが、UR住宅の1室を利用しているため、車いすなどの対応には難しい面があります。園は、1、2歳児の受け入れを行っているため、すべての子どもに対して個別の指導計画を作成しています。個別指導計画は、クラスの指導計画と関連付けて作成し、計画に基づいて子ども一人ひとりの状況に応じた保育を行っています。障害のある子どもの場合には、保護者と連携を図りながら、一人ひとりの特性を理解して柔軟に対応する体制を整えています。職員は横浜市南部地域療育センター主催の外部研修に参加し、障がい児保育に関する知識を深めており、療育センターなどの関係機関との連携を図れるよう体制を整備しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもが安心して過ごせるように、マットやクッションを活用して子どもたちが落ち着ける空間づくりを行っています。静かに過ごしたい子には別の保育室で過ごせるようにするなど、子どもの状況に応じて対応できるよう環境設定を行っています。職員は子ども一人ひとりの様子を見ながら、抱っこしたり、膝にのせて絵本を読んだり、スキンシップを多くとるようにして子どもが安心して過ごせるように配慮しています。保護者の希望に応じて、夕食や補食も提供しています。子どもの一日の様子については、「一日の様子記録」に詳しく記載して、職員間で共有し、降園時に担当する職員が保護者に伝達できるようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

園では、3歳児クラス以上の子どもは受け入れていません。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

体調不良やけがなどについては、「一日の様子記録」に記入しています。既往症や予防接種の状況は、入園時に確認しており、新たに予防接種を受けた場合は保護者より報告してもらっています。また、進級後の年度始めにも児童票を基に接種状況を確認しています。乳幼児突然死症候群については、「乳幼児突然死症候群SIDS対応マニュアル」が作成され、職員に周知されており、午睡時は10分ごとにブレスチェックを行い、顔色や体温・呼吸状況などの変化を確認しています。また、保護者にも重要事項説明書やポスターで必要な情報を提供しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断と歯科健診はそれぞれ年2回、園の嘱託医と嘱託歯科医によって実施しています。結果は健康診断表に記録して職員間で共有し、配慮事項などについて職員会議で確認し合い、必要に応じて個別の指導計画に反映させて対応できるようにしています。保護者には、連絡帳に記入しているほか、直接口頭でも伝えています。健康診断や歯科健診の前後には、絵本やパペットを用いて子どもたちにも伝わるように保健指導を行っています。健診前には、普段気になることや質問などを保護者から聞き、嘱託医からの回答やアドバイスをフィードバックしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時の面談で、アレルギー疾患や慢性疾患について確認しています。アレルギー疾患のある子どもには主治医が記入した「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づいて適切に対応しています。保護者とは定期的な面談を行い、子どもの状況を共有し、対応方法を確認しています。食物アレルギーのある子どもに対しては、保護者と毎月献立の内容を確認し、除去食の提供を行っています。食事を提供する際は調理員と職員のダブルチェックのもと、色分けされた専用の食器を用いて配膳し、座る場所を決めるなどして誤食がないよう十分留意して対応しています。職員は、エピペンの使用方法や食物アレルギーに関する研修に参加して知識を深めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

園では、年間の食育計画を作成して、子どもたちが様々な経験ができるように工夫しています。カレーライスやおにぎりの絵本を用いて給食を提供したり、トウモロコシのヒゲに触れたりして食への興味・関心を深める取組をしています。また、グレープフルーツやオレンジ、ピーマンなどの食材を実際に子どもたちの目の前で切り、切った時の音を聞いたり、匂いを嗅ぐ体験などをしています。子どもたちが使用する食器は、落としても安全な高度強化磁器を取り入れています。普段馴染みの少ない料理や苦手な食材でも、食べてみようと思えるような声かけや促し方をして、食べられるものが増えていくように援助しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

園の献立は系列園の栄養士が作成し、月1度、調理員の会議で振り返りをしています。子どもたちが楽しく安全に食事ができるよう、子どもの発達に応じた献立や調理方法を工夫しています。園では、子どもたちが食事を楽しく食べることを大切にし、感染予防をした中で、温かい食事を小グループで食べています。行事食では、ひな祭りやクリスマスなど子どもたちの気持ちが高まるような食事を提供し、子どもの誕生月には、リクエストメニューを提供しています。食事中の子どもたちの様子は、調理担当者が観察し喫食状況を確認しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の子どもの様子は、連絡帳を通じて保護者に伝えているほか、送迎時にもできるだけ時間をかけて一日の様子を伝えるよう努めています。また、家庭での様子についても保護者より聴取して、保育に生かせるようにしています。保護者とは、必要に応じて個別の面談を実施し、子どもの様子や活動の内容を伝えています。また、保育システムを利用し、普段の活動の様子をドキュメンテーションで保護者に発信するなどして子どもの成長を共有できるようにしています。保護者懇談会は年度始めに実施しており、参加が難しい保護者にはオンラインでも参加できるよう体制を整えるなどして配慮しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の登降園時には、施設長はじめ職員が積極的に保護者へ声をかけ、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。保護者の希望や就業状況などに応じて、対面式の面談だけでなく、電話やオンラインで対応する体制を整備しており、保護者の個々の事情に配慮しています。離乳食などの相談には栄養士が応じることもあり、園での給食のレシピや食材の選び方や調理の仕方なども伝えています。保護者からの相談内容を記録し、必要な職員間で共有し、継続的にフォローできるようにしています。相談を受けた職員が適切な対応ができるよう、園長がアドバイスを行っているほか、必要に応じて同席するなどして対応しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

送迎時の子どもと保護者の様子、態度などを注意深く観察し、保育中は、子どものおむつ替えや着替えの際に身体に傷やあざ等がないか、衣服の汚れ、体臭などを確認して家庭での虐待等権利侵害の早期発見、早期対応に努めています。気になることがあった場合は、施設長に報告し、職員にも速やかに周知し、対応について話し合っています。保護者の様子が気になる場合は、声をかけて保護者の気持ちに寄り添う姿勢で受け止め、支援しています。虐待の可能性や疑いがある場合は、施設長が金沢区こども家庭支援課に連絡し、指示を受ける流れとなっています。虐待の対応についてのマニュアルを整備し、職員間で共有しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育内容について、年間指導計画や月案の「保育士の自己評価・反省」の欄に記入することや職員会議などで共有することで、保育実践の振り返りをしています。また、職員会議や職員同士の会話の中で保育を振り返る機会があり、その時の子どもの様子や興味・関心などから次の計画へとつなげています。職員は、年度始め、年度途中、年度末の3回、施設長と面談の機会があり、「人事考課表」をもとに保育を振り返り、保育の質の向上に努めています。園の自己評価は、法人で策定している書式を用いて、毎年度3月に実施しており、職員個々の自己評価結果や職員会議での意見をふまえて園長、が評価結果をまとめています。課題は職員で共有し改善に向けて取り組んでいます。