社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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つくいホーム えがお

2021年05月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会
評価対象事業所名 つくいホーム えがお
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2009年08月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人かながわ共同会 津久井やまゆり園
③ 理念・基本方針 ◇法人の基本理念
 社会福祉法人かながわ共同会は、誠実と信頼を旨とし、人権に根ざした利用者本位の考え方に立ち、多様なニーズに対応する支援体制の整備、サービスの量的、質的充実につとめ、利用者と地域社会の繁栄に貢献するとともに社会的な法人としての価値を創造していきます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 ○法人の基本理念のもと、職員の行動指針に、①人権の尊重、②サービスの質の向上、③ともに生きる社会、④コンプライアンスの徹底、⑤ガバナンスの強化を置き、特にグループホームでは、毎日の生活の中で、入居者の意思を尊重しながら、「入居者の目線に立った支援」を実践している。利用者本位の支援として、入居者の意思決定支援を推進している。
〇根小屋地区日中活動支援センターに、「地域生活支援課」を置き、5つのグループホーム全体を支援している。常勤職員や非常勤職員、世話人すべてが5つのグループホームを兼務している。地域生活支援課長と主任支援員が、毎日の朝夕、5つのグループホームを巡回して、非常勤職員の支援のあり方に対する指導や意見交換、入居者の生活状況や健康状態の確認を行っている。職員間で何でも意見が言える関係作りに努めている。職員は、法人が実施する虐待防止や身体拘束禁止の研修会に参加し研鑚している。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2020年12月02日
終了:2021年04月15日(評価結果確定日)
受審回数:0回(0年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
〇「えがお」は、社会福祉法人かながわ共同会・津久井やまゆり園が運営する5つのグループホームのうち、運営主体施設入居者の地域移行の場として設立された最初のグループホームで、同一建物内にグループホーム「ほほえみ」がある。ホームは山に囲まれた住宅地の中にあり、自然豊かな地域である。
〇ホームは平屋建てで、7室の居室(うち1室は体験利用の部屋)があり、男性4名、女性2名の入居者が暮らしている。入居者の年齢は20歳代から60歳代と幅広く、知的障害のある方々が生活を送っている。日中は、日中活動支援センター「ファンファン」や「そよかぜ」に通っている。
〇入居者の望む生活を実現できるよう、本人の意思を確認しながら、入居者一人ひとりが主体的に取り組む姿勢を大切にしている。入居者本人の持っている力を最大限引き出すことができるよう、職員はエンパワメントの視点を重視して支援している。配膳の手伝いを主体的に行っている入居者には、ねぎらいの言葉掛けを忘れないようにしている。
〇ホームでは、週末のおやつの時間に、入居者との話し合いの場を設けている。入居者からは「〇〇が食べたい」「〇〇へ行きたい」などの希望が出ている。入居者からの食事の希望は、一緒に食材の買物に行き、土曜日の献立に希望するメニューを入れている。外出の希望に対しては、ショッピングセンターや健康ランド、夏はプールなどに車で出掛けている。
〇今年度はコロナ禍で中止になったものも多いが、地域の自治会に加入して、入居者はお祭りなどの地域行事に参加している。近くの小学校とも連携が取れており、小学校の運動会では、ホームの入居者用のプログラムも用意されている。朝のゴミ出しは、入居者と職員が一緒に行い、月1回、ゴミ出し場の清掃を行っている。入居者は地域の方といつも挨拶を交わし、地域の防災訓練も合同で行っている。
〇入居者と職員の関係は良好で、入居者が何かできた時の笑顔に触れることが、職員の働き甲斐につながっている。職員に疲れた表情が見られた時には、入居者の方から「大丈夫?」と声を掛けてくることもある。お互いに支え合っているという関係を、職員はとても大切にしている。
改善を求められる点
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

(Ⅰ-1理念・基本方針)
・法人の基本理念をパンフレットやホームページに掲載し、誰でも確認できるようにしている。また、職員行動指針に、①人権の尊重、②サービスの質の向上、③ともに生きる社会、④コンプライアンスの徹底、⑤ガバナンスの強化を置き、特にグループホームでは、毎日の生活の中で、入居者の意思を尊重しながら、「入居者の目線に立った支援」を実践している。基本理念はホーム内に掲示している。
・法人内研修は、非常勤の職員を含め全職員を対象にして行い、研修会の開催前に、法人の理念や基本方針を参加者全員で必ず確認している。
・今年度はコロナ禍のため中止としているが、5つのグループホーム合同で隔月に家族会「みどり会」を開催し、入居者の家族に向け、法人の理念や基本方針を示すとともに、運営主体施設の津久井やまゆり園やつくいホームの今後の方向性などを説明している。


◇課題と考えていること

Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

(Ⅰ-2 経営状況の把握)
・5つのグループホームは、運営主体施設の津久井やまゆり園入居者の地域移行を目的として設立されている。根小屋地区日中活動支援センターに、「地域生活支援課」を置き、5つのグループホーム全体を支援している。
・運営主体施設の管理職会議において、予算や決算の状況を把握する他、法人で児童の放課後デイサービスを実施していることから、地域の養護学校とも連携し、地域のニーズを把握している。


◇課題と考えていること

Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

(1-3 事業計画の策定)
・運営主体施設の津久井やまゆり園の再生と地域貢献の推進を実現するため、第5期中期計画を平成31年度よりすすめている。計画は法人の各部署から策定委員を選出し、現場の職員の意見を取り入れたものとしている。法人の理念を踏まえ、①利用者本位の支援、②地域貢献と「ともに生きる社会」の実現、③人材の育成・確保と職員の処遇改善、④法人・園の安定的運営を、4つの柱としている。運営主体施設では、利用者本位の支援として、本人の意思決定支援を推進している。
・本人の意思決定支援の取り組みを通して、権利擁護や虐待防止の推進、身体拘束の削減に徹底して取り組む他、リスクマネジメントの強化やボランティアの受け入れ、地域交流の推進、家族会や後援会との連携などをすすめている。


◇課題と考えていること

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

(Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組)
・入居者一人ひとりに対し、相談支援専門員や、アドバイザーとしての外部法人施設長、弁護士、大学教授などとチームを組んで、本人の意思決定支援の取り組みを行っているが、日々の生活の中で、入居者一人ひとりが望む生活の実現に向けた取り組みを行っている。入居者からの「〇〇に行きたい」などの希望に対し、移動支援のヘルパーを利用して電車で行き、本人の望む生活を計画的に支援している。
・事件後、園の前を通ることができないなど、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のある職員もおり、心のケアにも取り組み、職員の安心のため、機械警備や携帯用緊急時スイッチ、催涙スプレー、笛などを常備している。


◇課題と考えていること

Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

(Ⅱ-1管理者の責任とリーダーシップ)
・グループホームを担当する地域生活支援課の課長と主任支援員が、毎日の朝夕、5つのグループホームを巡回し、ホーム全体の管理や非常勤職員の指導、入居者支援にあたっている。巡回時には、各ホームの支援員と情報交換を行い、入居者の様子を確認して対応している。
・各種緊急マニュアルは整備しているが、新型コロナウイルスなどの感染症や自然災害、経験のない対応など、非常勤職員が不安に感じることも多いため、非常勤職員との関係を密にしている。携帯電話で課長や主任支援員の指示を仰ぐことも多く、時間外での関わりも増えるが、非常勤職員との対話を多く持ち、意見を言いやすい雰囲気作りに努めている。関係者間の報連相を密に行っている。
・常勤職員が課の携帯電話を所持し、24時間連絡を取ることができる体制を整えている。管理者やサービス管理責任者の連絡先も周知している。


◇課題と考えていること

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

(Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成)
・法人内の研修会や勉強会は、それぞれの研修委員会で企画して、開催している。
・常勤の職員は、新採用者研修、フレッシュマン研修、中堅Ⅰ・Ⅱ研修、監督者研修、管理者研修など、階層別研修会への参加が義務付けられている。非常勤職員は、運営主体施設もしくは地域支援部主催の非常勤研修に、年1回は必ず参加している。また、法人主催の世話人研修会も開催し、障害の理解や支援の方法などを学んでいる。
・法人が加入している障害者支援のための学び合いと支え合いのオンラインコミュニティ「サポーターズ・カレッジ」を、個人や複数で動画視聴し、自己研鑽や研修、会議の場で活用している。


◇課題と考えていること

・地域生活支援課として、人材の確保はできているが、男性職員の割合が少ない現実がある。女性職員が多いため、同性介護が完全にできていないことが課題である。ただし、女性職員が男性入居者を介助することはあるが、男性職員が女性入居者を介助することはない。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

(Ⅱ-3 運営の透明性の確保)
・法人やグループホームのパンフレット、ホームページなどで、情報を公開している。入居者や家族には、入居時や契約更新時に「重要事項説明書」にて、サービス提供方針やサービス内容を説明している。できるだけ丁寧にわかりやすく説明するため、2時間以上かかる時もある。
・金銭の取り扱いが不適切にならないよう、年4回、他園の管理職員が内部監査を行い、金銭の取り扱いについて確認を行っている。また月1回、地域支援部長が、金庫内の確認を行っている。


◇課題と考えていること

・「重要事項説明書」は、入居者がより理解しやすいよう工夫する必要があると考えている。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

(Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献)
・地域の自治会に加入して、入居者はお祭りなどの行事に参加している。入居者はとても楽しみにしているが、今年度はコロナ禍で開催が中止になっている。近くの小学校とも連携が取れており、小学校の運動会では、ホームの入居者用のプログラムも用意されている。
・地域貢献として、週1回、地域の清掃活動を行う他、地元社協との募金活動などに、入居者や職員が参加している。


◇課題と考えていること

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示)
・中期計画の中の重点施策として、利用者本位の支援、意思決定支援を掲げている。グループホームでは、週末のおやつの時間に、特に名称はないが、入居者との話し合いの場を設けている。入居者からは「○○が食べたい」「○○へ行きたい」などの希望が出ている。入居者からの食事の希望は、一緒に食材の買物に行き、土曜日の献立に入れている。外出の希望を聴き、ショッピングセンターや健康ランド、夏はプールなどへ車で出かけている。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定))
・入居を希望される方には、「重要事項説明書」を分かりやすく説明し、事前の見学を促し、ホーム内の体験室を活用して、体験入居を行っている。入所施設や居宅での生活とは異なることを実際に体験してもらうようにしている。
・日々の暮らしの中で、入居者の希望を聴き取り、また、その方の身体状況なども考慮して、個別支援計画を作成している。入居者の高齢化に伴い、健康に配慮が必要な方が増えており、入居者には食事への留意点などを丁寧に説明している。
・入居者の「おいしいものを食べたい」「外出したい」という希望には、移動支援などを利用して外出できることを説明し、希望をかなえている。
・コロナ禍により、家族の面会を制限しているため、電話や書面での連絡を密に取るようにしている。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上)
・土曜日のおやつの時間に、入居者と意見交換ができる場を設けている。また、入浴介助の際にも、入居者との会話を多く持ち、入居者の声を聴く貴重な時間としている。
・職員主体ではなく、入居者一人ひとりの望む生活の実現に向け、本人ができることに注視し、本人の力を最大限引き出せるよう支援している。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保)
・第三者委員やオンブズマンが日中活動先を訪問し、定期的に入居者の話を聴いている。ホーム内に第三者委員やオンブズマンの写真を掲示しているので、入居者から「今日、活動先に来てくれた」などの報告がある。第三者委員は、クリスマス会などにも参加し、入居者との関わりを多く作っている。
・ホーム内に職員の写真も掲示し、入居者は写真を見て、当日の夜勤者が誰か確認している。週末には入居者と意見交換ができる場を設けているが、入居者からは、食べ物のこと、外出先の希望、人間関係の話が多く出る。居室はすべて個室だが、ホーム内の人間関係でどうしても合わない場合があるので、その際は、ホーム間の移動も考えて対処する時がある。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組)
・ホームは山に囲まれた静かな住宅地にあり、設立時は住民の反対もあったが、何度も話し合いを行ったことで現在は地域の方たちの理解度も高い。
・建物の設計段階から職員が関わり、また、入居者の声も聴き、居室に天窓を付けたり、入居者の高齢化や重度化に対応できるようバリアフリー化して、安心・安全に生活できるよう配慮している。
・防犯対策として、携帯用緊急時スイッチや催涙スプレーは職員がすぐに使用できるようにし、職員は笛を持ち、不審者の対応に備えている。5つのグループホーム全体で緊急連絡網を作成して、緊急時には職員全体で対応できるようにしている。
・今年度はコロナ禍で実施できなかったが、防災訓練を地域の自治会と合同で実施している。
・「事故発生時マニュアル」や「感染症マニュアル」を整備し、職員がいつでも内容を確認できるよう支援室に置いている。避難訓練を定期的に実施し、災害時の物品も保管している。食品は3日分備蓄し、定期的に数量や期日を確認している。


◇課題と考えていること

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立)
・入居者の支援にあたり、利用者本位の支援を重点施策としてあげている。支援を行う際には、原則、本人に確認してから行っている。また、権利擁護や虐待の防止に対する意識を高めるため、あおぞら委員会を中心にして、日々の支援を振り返っている。
・課長や主任支援員などの常勤職員が、毎日の朝夕、5つのホームを巡回し、非常勤職員や世話人に対して、支援方法を指導するとともに、入居者の状況を把握している。また毎月、課会議やモニタリング会議を開催し、法人・園・部・課の情報発信・交換を、常勤と非常勤職員が一緒に行っている。モニタリング会議では、職員中心の支援にならないよう、入居者の目線に立った支援を提供しているか確認している。会議の内容は「連絡ノート」を活用して、周知を図っている。


◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定)
・入居者の心身の状況やその変化、本人の思い、家族の希望などを記載したアセスメント票を用いて、個別支援計画を策定している。最近は入居者の高齢化に伴い、医療との連携が必要な方が増えている。入居者一人ひとりの望む生活の実現に向けた取り組みを行っている。
・契約更新時には、「重要事項説明書」にて、サービス提供方針やサービス内容を、入居者や家族などに説明している。家族とは適時連絡を取り合い、支援内容を変更する場合にも、必ず事前に連絡している。


◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

(Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録)
・日々の業務日誌や個人記録、日中活動の様子など、毎日の記録はパソコンに入力し、関係部署で内容を共有している。また、入居者一人ひとりの望む生活の実現に向けた支援となっているか、記録を確認している。
・看護師が週1~2回、各ホームや日中活動の場を巡回し、入居者の健康状態を確認し、内容を記録に残している。


◇課題と考えていること

A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

(A-1-(1)自己決定の尊重)
・入居者の意思を尊重し、思いを汲み取りながら支援している。入居者の望む生活の実現に向け、希望を聴く機会を設け、また、日常生活での何気ない言葉の中から、入居者の思いを把握している。
・毎月開催する誕生会の場では、入居者の希望や困っていることなどを、できるだけ聴き取るようにしている。誕生会では、入居者同士の話し合いもあり、洗濯機の使用方法などの話が出ている。
・入居者皆が入浴が大好きで、日中活動先から帰宅後にすぐに入浴している。入浴の順番については、特にトラブルはない。


◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

(A-1-(2)権利侵害の防止等)
・入居者の権利侵害の防止の取り組みとして、第三者委員やオンブズマンを定期的に受け入れている。第三者委員はクリスマス会にも参加して、入居者の話を聴いている。オンブズマンは日中活動の場を訪れ、話を聴いたり、活動の様子を確認している。苦情解決の仕組みはホーム内に掲示している。
・入居者には「○○さん」と呼び掛け、入居者に届いた手紙も直接手渡しているが、本人や家族から読んでほしいという希望がある場合は、本人と一緒に読むことにしている。
・職員は、法人が実施する虐待防止や身体拘束禁止の研修会に参加している。
・虐待防止委員会では、自分たちのケアの振り返りを行い、不適切な行為がなかったか確認している。言葉遣いに関しても、「ダメ」「ちょっと待って」などの言葉を用いないよう、職員間で注意している。常勤職員が手本を示している。
・入居者の居室は鍵を掛けていないが、職員が入室する際には、必ずノック、声掛けしてから入室している。


◇課題と考えていること

A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

(A-2-(1)支援の基本)
・入居者の望む生活を実現できるよう、本人の意思を確認しながら、入居者一人ひとりが主体的に取り組む姿勢を大切にしている。
・入居者本人の持っている力を最大限引き出すことができるよう、エンパワメントの視点で支援している。配膳の手伝いを行っている入居者には、ねぎらいの言葉をかけることを忘れないようにしている。
・金銭の管理については、これまでの施設入居の中ではまったく経験がなく、金銭の使用方法がわからないことから、ホームの職員が行っている。


◇課題と考えていること

A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

(A-2-(2)日常的な生活支援)
・自分から意思を表出する方としない方があり、入居者の状況はさまざまだが、職員はその都度話を傾聴している。
・食材は業者に委託しているが、食事作りは職員が行っている。朝食や夕食の時間は決めているが、食事時間の幅を取り、入居者がゆっくりと食事を摂ることができるよう配慮している。
・毎日の食事作りに入居者の参加はないが、毎月の誕生会や行事の開催時には、入居者の希望を聴き取り、メニューに反映している。焼きそばやホットケーキ、フランクフルトなどをホットプレートで皆で作り、楽しんでいる。


◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

(A-2-(3)生活環境)
・週1回、布団乾燥機を使用し、シーツ交換も定期的に行い、清潔な環境を整えている。シーツ交換は、手伝うことが可能な入居者は職員と一緒に行っている。
・居室内の家具類は、家族が持参したり、入居者の希望を聴いて購入している。
・ホームは設計段階から入居者の声を聴き、各居室にあかりとりの天窓を設置している。居室内に陽が差し込み、建物内もバリアフリー化されている。


◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

(A-2-(4)機能訓練・生活訓練)
・生活訓練として、土日曜日は近隣への散歩を行っている。また、入居者の体重増に気を付け、食事量や食事内容に注意している。日中活動事業所では、本人が好きな活動を選び、身体を動かしている。


◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

(A-2-(5)健康管理・医療的な支援)
・内科は近所の診療所に、精神科は駒木野病院に、サービス管理責任者の付き添いで通院している。
・ホームでは、毎朝の検温を実施する他、常勤職員の巡回時に、入居者一人ひとりの健康状態を把握している。身体の不調を訴えることができる入居者も多い。
・非常勤の看護師が、週1~2回、日中活動事業所を訪れ、入居者の健康状態を確認し、必要に応じて受診につなげている。また、法人のレインボーネットの「健康カード」のフォルダーに、入居者の障害の状況や日々の健康状態を記録し、職員が把握できるようにしている。
・服薬の管理は看護師が担当し、ケースに薬をセットし、夜勤者と支援員が内容をチェックして、入居者に渡す仕組みとしている。
・コロナ禍で今年度は健康管理についての研修会は開催できなかったため、常勤職員のホーム巡回時に、入居者の健康状態の把握の方法を、非常勤の職員に見てもらうようにしている。


◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

(A-2-(6)社会参加、学習支援)
・地域の自治会に加入し、朝のゴミ出しは、入居者と職員が一緒に行っている。また月1回、ゴミ出し場の清掃を行っている。入居者と地域の方の関係は良好で、いつも挨拶を交わしている。
・今年度はコロナ禍で中止になっているが、町内の盆踊りなどは、入居者用の席を用意してくれている。
・ホームの近くには食事ができる処がないので、移動支援のヘルパーと一緒に外出した際には、外食するようにしている。


◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

(A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援)
・一人暮らしを希望する入居者はいない。入所施設での長い生活から、ホームでの生活に移行し、これまでできなかった多くのことができるようになったことから、入居者の多くがホームでの生活を地域移行のゴールとして捉えている。


◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

(A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援)
・今年度はコロナ禍で開催できていないが、家族会を定期的に開催して、家族との交流を積極的に行っている。
・毎年、1泊2日の旅行を企画して、家族も参加して交流している。
・また、面会の制限もあるため、手紙や電話で入居者の状況を家族に伝えている。家族からは「運動させてほしい」などの希望があがっている。


◇課題と考えていること

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 特記事項なし。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) ◇ヒアリング対象者  1名

◇ヒアリングの方法 
 日中活動事業所から帰宅した女性入居者にヒアリングを実施した。入居者の年齢は40歳代であった。積極的に話をし、ホームの生活に満足している様子がうかがえた。

◇ヒアリングで確認できたこと
 〇職員とはいろいろとおしゃべりするし、自分の話を聴いてくれる。
〇食事がおいしい。
 〇誕生会は、ホットプレートでフランクフルトを焼いたり、お寿司を食べることができるので楽しい。
 〇ホームでは、配膳の手伝いを行っている。
 〇休日はヘルパーと一緒に、買物や映画に出掛けている。でも、コロナで
  以前のように行くことができない。
 〇コロナ禍で、母親にも会えないが、電話をくれる。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
調査員の方に各グループホームの日々の支援を調査していただき、共感やアドバイスを通して多くの気付きを得ることが出来ました。今回の結果を踏まえて、今後も利用者様支援を中心とし、障害特性や年齢に応じた利用者様により添った支援を心掛けていきます。貴重な機会をありがとうございました。