社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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つめくさ保育園

2022年04月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 かながわアドバンスサポート

② 施設・事業所情報
名称 NPO法人むくの木 つめくさ保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 30 名
所在地 210-0813
川崎市川崎区昭和1-5-8
TEL 044-201-9789 ホームページ info@mukunoki.main.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) NPO法人 むくの木
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:2 名
専門職員
園長:1 名
保育士:9 名
看護師:1 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
用務員:1 名
施設・設備の概要
保育室:5室
乳児室、ほふく室:各1室
園庭:88.70㎡

③ 理念・基本方針
【保育理念】           
・子どもの全面発達を願い、生きる喜びを感じることのできる保育
【保育方針】 
◇自然と親しみ、楽しい生活の中で強いこころと強いからだ
◇子ども達に本当の体験、本当の文化を伝える
◇子ども達の自主性を重んじ、自立心を養う
◇大人は専門性を高め、黒子として子ども達の輝く毎日を援助する
【保育目標】
◇それぞれの発達に応じた自立心のある子ども
◇喜怒哀楽を真っすぐ表現できる子ども
◇しなやかでたくましい身体を持つ子ども
◇仲間とともに暮らす喜びを知り、仲間を大切にする心を持つ子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【立地および施設の概要】    
本園は京浜急行川崎駅より大師線乗り換え東門前町駅下車徒歩10分、鉄筋コンクリート造り2階建ての新築園舎です。敷地281.33平米、床面積129.68平米、定員30名の小規模保育園です。
本園の運営法人であるNPO法人むくの木<代表理事熊谷操、本部川崎市川崎区田町2-10-6>は、川崎市川崎区大師地区で「熊谷乳児園」「つめくさ保育園」を運営し、子どもの健全育成を図る活動を行っております。併設の「熊谷乳児園」は昭和51年開園以来、乳児専門保育園として運営し、53年川崎市援護対象施設として認定され、後に特定非営利活動法人とし、地域密着の小規模保育園として認可を受け、3歳からの子どもを受け入れるサテライト型保育園つめくさ保育園<園長熊谷和彦>を平成31年4月開設しました。熊谷乳児園が2歳までの乳児専門であるところから、3歳児以上の子どもの受け皿とし開設したものです。従って0、1、2歳児までは定員2名ずつ受入れ、3歳児から8名ずつの定員となり、計30名の小規模保育事業所の認可を受けています。令和4年度から0歳児の定員を増やし、3名としています。NPO法人むくの木は川崎市の「かわさき☆えるぼし認証企業」に指定され、求人の際に使用しています。これは女性の活躍推進、ワーク・ライフ・バランスを推進するため、働きやすい職場づくりに積極的に取り組んでいる中小企業に与えられる認証で、市内15社に与えられています。
【園の特徴】
⓵むくの木では独自献立の「むくの木ごはん」を採用しています。柱は二つ。「和食中心」と「みんなで食べられる」です。
和食は、ご飯は五分搗きの胚芽米、だしは煮干しと鰹節から取っています。
「みんなで食べられる」という意味は、アレルギー食の子どもも差別なく、一緒に食事できるということです。毎年、様々なアレルゲンで除去食を余儀なくされる園児がいます。トレーを別にして、厳格に間違いがないように配膳しないといけません。絶対に間違いがあってはならないので、一人だけ別になるのですが、器が同じでも他の子は自分で取りに行くのに、自分は大人に渡されるものしか食べられない、その状況をなくしたいという思いから、むくの木では、その年にアレルギー症状が発生する食材を使用しないで給食を作る方法に変更しました。そうする事で全員が同じ配膳方法で一緒のテーブルで食べる事ができるようになりました。現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止の為に、一部配膳方法がちがっています

②園庭に遊具はなく裸足で泥んこ遊び
つめくさ保育園には80平米以上の園庭があり、固定遊具はなく、砂場、小さな畑と落葉樹、食べられる実がなる樹があるだけです。
園庭の地面は赤土でできていて、築山が一つあります。芝やグラウンドの園庭と赤土の園庭の違いは泥んこ遊びができるかどうかです。
川崎大師地区で随一の泥んこ遊びができる保育園と自負しておりますが、実際に子どもも大人も一年中泥だらけになって遊んでいます。
畑や花を植えてある場所以外はどこを掘り返してもいい、大人も通れる大きさのトンネルを掘ってもいい、山のてっぺんを深く掘り、水を運んで露天風呂を作ってもいい、むくの木の園庭の遊び方は無限にあります。


⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/11/09(契約日) ~2022/04/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2021年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇特に評価の高い点
1.築山を造ったり崩したり1年中自然に触れている
 運営する特定非営利活動法人むくの木の創始者が半世紀にわたる乳児専門の保育経験から出した保育方針「自然に親しみ、楽しい生活の中で強い心と強いからだを作ってゆく」が顕著に具体化されているのが、泥んこ遊びとリズム遊びです。息子である現園長がみずからトラックで赤土を運び、30センチの高さに盛土し、泥んこになって裸足で走りまわります。築山を1mの高さまで築き、そこへ登ったり、崩して遊んだり、最初は嫌がっていた子も誘われて近づき、泥に入るようになっています。そしてほぼ全員が自然の中に溶け込む姿が「評価反省」欄にあります。

2.リズム遊びで強くしなやかな体を作る
 リズム遊びはピアノの音を耳で聞き、目で見て、真似て、自分も体を動かしてみる運動です。園の紹介パンフレットはこの写真が目をひきます。一つ一つの動きのなかに子どもの育ちの要素が詰まっている遊びで、リズムを楽しむなかで、自然と体が育ってゆきます。アヒルの真似で足腰を強くし、カエルのリズムで跳躍力をつけ、ワニのリズムで身体を低くし、すり這いができ、ロールマットリズムで逆さ感覚、しなやかな体を作ります。トンボのリズムで走る、止まる、平衡感覚が養えます。
毎日、乳児から幼児までレベルの違いはあっても少しずつ上達し、年長になると見違えるように、体も強くしなやかにできあがります。

3.”伝える”
 若い園長が、次代へ”伝える”ことの重要性を、子どもに実体験を通じて伝えています。
日本の現代の歌、林光、関忠亮などの歌とその世界観を子どもに教え、習得した年長児は卒園式で自信たっぷりに歌っています。
東北地方の民俗舞踊「虎舞」「はね娘踊り」「荒馬」などを、保育士自身が踊り、笛や太鼓のお囃子も演奏して、子どもたちへ伝統芸能の楽しさを伝えています。
卒園式の場で卒園する年長組が年下組へ「リズムを渡す会」のテーマを作り、かもしかや2人でトントン等のあたらしいリズムや、民舞「荒馬」「はね娘おどり」などのリズム踊りや道具を使った踊りを見せ、これらの芸能やリズムを後輩に”伝え”渡しています。
改善を求められる点 1.ICT化の促進
本園は園長を始め職員は若い層が占めています。川崎市の保育所ICT化に伴い、園児の登降園の管理・重要な連絡などが本園でも導入されていますが、現在は一部の機能しか使用されていません。保育現場は記録が多く、可能な限り、早い時期での取組を期待しています。

2.保育の質の向上についての中長期計画の策定
 本園は開所間もないために、中長期計画、事業計画に、保育の質に関しての改善課題を明確に盛り込んでいません。現状の保育の質に関して、アンケート、保育所自己評価、指導計画の振り返りなどから浮かび上がる改善課題を明確にし、中長期計画、事業計画に盛り込むことを期待いたします。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
保育内容につきまして、当園が大切にしている「20歳(成人)を見据えた保育」について評価をいただけたことをうれしく感じています。当園の保育は、今すぐ何かが出来るようになることや、子どもの疑問や葛藤がすぐに解決されることを求めているのではなく、子どもが自ら出来るようになるための努力や葛藤、子どもが自ら答えに向かっていく過程に重きを置いています。長い時間をかけて自ら答えにたどり着くプロセスこそが保育の一番大事な要素であると考えています。
また、当園では大人になってからも心に残される本物の体験、経験をするために、アニメやテレビなどの音楽や、いわゆる子ども向けお遊戯等は取り入れておりません。
日本の伝統民族舞踊や、林光作品や丸山亜季作品を保育に多くとりいれております。それらを子どもに伝えるときにも動画視聴やCD再生などを行わず、民族舞踊のお囃子は職員が笛や太鼓を取り、歌も保育士がピアノを弾き、レッスンを受けてから子どもに歌って伝えます。
 それらの独自性を評価していただけたこともありがたく感じます。
 また、当園では保育士が専門的スキルを上げていくことも大切にし、職務中はそのことに集中するために職場環境を良くしていくことも大切にしているので、それらを評価していただけたこともうれしく感じます。
 課題点としてあげていただいた点につきまして、前述のICT化を行って職員の業務負担軽減を進めることは重要だと捉えました。
また、少子化時代を迎える中での保育園の位置づけは、今までの両親の就労のための育児の補完から、育児の専門家として子どもの育ちを保証する専門機関になっていくべきだと考えております。今後法人として具体的にそうなっていくためには何が必要なのか、中期・長期的に具体的に考えて参りたいと思います。
第三者評価受診を受け、自園の良い点・課題点を客観的にとらえることが出来ました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園では、保育理念を「子どもの全面発達を願い、生きる喜びを感じることの出来る保育」とし、保育方針を、◇自然と親しみ、楽しい生活の中で強いこころと強いからだ ◇子ども達に本当の体験、本当の文化を伝える、◇子ども達の自主性を重んじ、自立心を養う、◇大人は専門性を高め、黒子として子どもたちの輝く毎日を援助する、として、全体的計画の基盤とし、事務室に掲げています。
 また、保育目標は、⊡それぞれの発達に応じた自立心のある子ども、⊡喜怒哀楽を真っすぐ表現できる子ども、⊡しなやかでたくましい身体を持つ子ども、⊡仲間とともに暮らす喜びを知り、仲間を大切にする心を持つ子ども、として、職員会議の際に必ず園方針・理念を含めて、読み合わせを行っています。
 園は、保育理念、保育方針、保育目標により、子どもの成長・自立を第一として、保育を進めており、園の使命や方向を表しています。全職員はこの理念、方針、目標を保育の行動規範として保育に当たっています。
・入園前説明会では、入園の手引きを参照しながら保護者に園方針を伝え、入園後に保育内容のずれが無いようにしています。
・保育目標は、毎月一度開催される運営委員会やクラスごとの会議で冒頭に保育方針・保育目標の読み合わせを実施しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・園長は顧問税理士とは随時面談を行い、会計報告に基づいて、保育園経営についてのアドバイスを受け、また、地域の園長会や大師支所から得られる情報について、分析を行い、待機児童数、少子化傾向など課題について判断をし、保育園経営を行っています。
・運営法人の役員会においても、川崎市や川崎区の行政の保育園担当者から得られる情報について、情報を共有しています。
・子育て相談や園見学などで来園する地域の子育て世代との会話の中で、地域の子育てニーズの把握に努め、記録に残しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・運営法人役員会議により、保育を取り巻く経営環境分析などを行い、課題を抽出し、対応策を検討しています。抽出された課題は各園に持ち帰り対応します。各園に持ち帰った改善課題は職員会議などで全職員に周知し、対応しています。
・休憩室に女性活動推進法(かわさき☆えるぼし)に基づく一般事業主行動計画を掲示し、職員全体で改善に取り組んでいます。
・月に一度運営委員会や主担会議、クラス会議等で現場の問題が議題にあがると即対応を行っています。また、運営委員会で法人の状況を報告し、問題や現状の共有を行っています。保育運営委員会には現場の保育リーダー2名も入れ、現場意見も反映できるようにしています。
・抽出された課題については、解決・改善にむけて、対応責任者、メンバーを決め、グループで対応します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・園では全体的な計画の中で、子どもの育ちを発達段階ごとに分析し、入園から卒園までの長期の育ちを保障するようにし、これを「中長期計画」として、保育園運営を行っています。
園には、「こうあるべき」という「つめくさミーティング」というものがあり、園長、事務長、保育リーダーで必要な時に会議を行って、ビジョンの見直しをおこなっています。
・3年間の中期計画を、「保育園運営事業」「子育て支援事業」に分け、「きめ細かく、地域ニーズに対応しながら進める」として打ち出し、単年の事業計画に結びつけています。
・「保育園運営事業」においては、1976年開設した0歳児預かりの「無認可保育所」をスタートとして、2015年からの川崎市認定保育所(1、2歳児受入)、2017年の「小規模保育事業認定」の取得、卒園児を受け入れる、系列園「つめくさ保育園」の開設と、中長期計画を着実に実現してきています。
・園は、一貫して理念、保育方針の実現に向けて歩を進めており、現在に至っています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・年間行事計画は、事業計画の一部として取り扱っています。
・行事計画については、毎年同じ内容の行事ではなく、その年々の子どもの興味や育ちにあわせて計画をおこなっています。
・全ての行動計画には、従事人員数、実施年月、費用など数値目標も盛り込んでいます。
・3年間の中期計画を、「保育園運営事業」「子育て支援事業」に分け、「きめ細かく、地域ニーズに対応しながら進める」として打ち出し、単年の事業計画に結びつけています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・年間行事計画は、事業計画の一部として取り扱っています。
・行事後、職員間での振り返りだけではなく、保護者へのアンケートを行い、客観的な視点での振り返りも大切にしています。
・単年度の事業計画は、年度初めの第一回職員会議にて保育総括により説明され、職員の意見も受け入れて見直しも行います。
・職員も参加する運営委員会や設置法人の役員会議においても、重要課題の事業計画内容について、進捗状況の把握を行っています。
・職員会議を通じて、計画内容は職員に周知しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・年度初めの保護者懇談会では、単年度の事業計画内容を、分かりやすく、プリントにまとめ、配布し、保護者に説明しています。また、懇談会では日常の様子も動画も使ってわかりやすく説明しています。
・保護者からの意見は必ず記録し、必要ならば計画内容に反映します。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・園では定期的に開かれている、園長、主任(リーダー)会議により、保育の現状を的確に把握しており、保育の質の向上に努めています。
・主任・担任会議やクラス会議で関係する職員は、PDCAサイクルを使い、保育結果を振り返り(チェック、Check)、対策を策定し(対策、Action)、実行計画を立て(計画立案、Plan)、実行し(実行動、Do)の各段階について話し合いを行い、対応しています。
・年間指導計画には自己評価欄、月間指導計画、週間指導計画には評価・反省欄を設け、定期的に保育の振り返りを行っています。
・毎年度末には、保育士一人一人が「保育士自己評価」を行い、保育の質について振り返りを行っています。運営委員会で保育の質の向上に向けた取り組みや計画が話し合われています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・運営法人の全体運営委員会や各園のリーダー会で検討された内容が議事録となり、クラス会議や主任・担任会議など、必要な階層で伝達がなされ、それらの報告会議についても議事録を必ず残しています。
・指導計画の振り返り結果は、各指導計画の「自己評価欄」「評価・反省欄」に記録し、課題を明確にしています。各指導計画の振り返りは、関係する全職員で行い、課題の共有は図られています。
・クラスごとの会議において、関係する職員により改善計画をたて、園長、主任の承認のもと、改善策を実行します。改善計画については、タイムスケジュールを立てて、計画的に改善を進めます。
・クラス会議においては、改善の進捗を報告し合い、必要ならば計画の見直しを行います。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長はすべての会議に参加し、園の目指す保育観の共有を図っています。
・園長は自らの役割を、「全保育士が楽しく仕事できる場をつくること」として、「園だより」や、クラス懇談会において保護者に表明しています。その結果園は、「かわさき☆えるぼし」という、「女性の働きやすい職場」として、認証企業認定を受けています。
・園長が自分の役割について表明した内容は、職員会議などの議事録に記録しています。
・職務分掌規程や消防訓練計画書内に、有事(災害、事故等)における園長の役割と責任について明記しています。また、不在時の権限委任等については、業務マニュアル(組織図)に明記しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は保育・労務・衛生管理等、必要な分野の研修に参加、また、看護師や栄養士等と連携して法令遵守に努めています。
・園長は川崎市の法令遵守関連の研修会、勉強会には出席し、また、地域園長会議などでも情報を得ながら、適切に保育事業を運営しています。
・園では、川崎市のごみ分別ルールに従って、ごみ類を処理しており、環境への配慮も怠りません。
・園長はことあるごとに保育現場に入り、率先垂範することで、職員にも法令順守を浸透させています。また、園長は、職員に対しての順守すべき法令等は顧問社労士や事務長を通じて勉強しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は保育会議にすべて参加し、助言を行っていますが、「要請が無い限り現場には手を出さない」ということを公言し、保育士の主体性を大切にしています。要請を受けた時には保育現場に直接入り、指導を積極的に行います。
・自主研修の資料を職員休憩室に置き、質の向上を図っています。
・園長は「運営委員会」において、保育の現状について報告し、メンバーによる討議を行っています。
・事業計画などの改善グループなどの活動について、園長も中に入り積極的に参画しています。
・年1回の職員個人面談において、職員からの保育に関する意見をくみ上げ、対応しています。
・園では、年間研修計画を立てて、研修を進めており、また、研修の案内がある場合、職員の目に留まる場所に掲示して参加を促しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園では、つめくさミーティング(運営委員会)や、四半期毎の会計報告を基に改善を図っています。
・園長は、顧問社労士、顧問税理士、事務長の意見をもとに、保育所運営の現状を把握し、分析を行い、課題を抽出しています。
・本園の保育所運営の目標の一つに「働きながら子育てができること」があり、職員会議や役員会議などで園長は、本件をたびたび取り上げて、組織全体の意識形成を図っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・園では実習生の受け入れやボランティアの受け入れを行い、保育士志望の学生に興味を持ってもらったり、コンスタントに相談会に参加して人材確保に努めています。
・運営法人において、保育士人材は一年中募集しており、人員基準を上回って保育士を採用しています。
・毎年度の事業計画では、人員採用計画を明確に打ち出して保育所運営を進めています。
・時間帯別必要人員を表にして視覚化しています。
・ホームページの整備、就職フェアの参加、エージェントを活用しての採用活動を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・運営法人の「期待する職員像」である、「むくの木の保育10か条」というものを作成しており、子どもと向き合う時の具体的なふるまいや保育内容について記載しています。
・園では「職能資格等級制度表」があり、入職後の年数による「職能基準(キャリアパスに応じた期待される職員像)」を明確に打ち出し、人事管理を進めています。園ではこの制度に伴い、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等を評価しています。
・職員の処遇水準については、他保育所の求人広告内の処遇条件などを参考にして、おくれを取らないように配慮して進めています。
・年1回の職員個人面談では、保育所運営に関する職員意見を多く受け取り、運営改善に結びつけています。「職能資格等級制度表」は職員の自らの将来展望を明確にしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・園では「働きやすい職場作り」として、残業ゼロ方針を打ち出し、ほぼ達成していいます。また、有給休暇の消化については、100%を実現しています。
・特別有給制度や時間給等、職員から出た悩みや意見に臨機応変に対応して働きやすさを向上しています。
・シフト表作成は園長が責任者として行い、職員の勤務状況について深く把握し、職員の意向も取り入れ、進めています。
・職員の心身の健康状態はシフト作成における重要要素であるため、平素より職員とのコミュニケーションを大切にしています。
・ワーク・ライフ・バランスを配慮し、年間120日休暇制度を導入しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・全職員は半期ごとに園長と面談を行い、アドバイスを得ながら目標を設定し、自己研鑽に励んでいます。
・面談では理念に基づいて目標の達成状況を確認し、次期の目標を設定しています。
・園では「職能資格等級制度表」があり、入職後の年数による「職能基準(キャリアパスに応じた期待される職員像)」を明確に打ち出し、人事管理を進めています。この期待される「職能資格等級制度表」に則り、職員は年間キャリアアップ目標を定めています。
・目標管理には期限なども盛り込み、期央などで進捗状況を判定しやすいもので策定しています。必要な場合には期央でも個人面談を受けることができます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・園では、「むくのきの保育十か条」で「期待する職員像」を明示・配布し、、かつ事務所に貼りだして職員に周知しています。
・園の「職能資格等級制度表」は入職後の年数による「職能基準(キャリアパスに応じた期待される職員像)」を明確に打ち出しています。
・「職能資格等級制度表」には、保育所が職員に必要とされる専門技術や専門資格を明示しています。
・年度初めに年間研修計画を作成。計画をもとに実施するが、行事や本人のスキルアップ希望等により随時研修内容を変更しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・園では、新入職員に対して、メンター制度を取り入れ、多角的に職員の必要とする知識・技能に応じた研修を提示しています。
・「メンター制度」とは、所属する上司とは別に、年齢の近い年上の先輩職員や、社歴が近い先輩職員が新入職員や若手職員をサポートする、新入職員からすると相談しやすい兄/姉のような制度です。
・園では職員一人一人の知識、技術水準、専門資格の取得状況等を把握しており、園長は「職能資格等級制度表」の期待する職能と比較しながら、個人面談に臨んでいます。
・年間研修計画は、この「職能資格等級制度表」に則った、必要な研修内容を選別し、実行しています。
・外部研修の案内は休憩室に置いたり連絡ノートに記入するなどして参加を勧奨しています。
・内部研修は全員にヒアリングし、参加できる日程に設定しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・本園では受入れ体制は組んでいるものの、開設間もないことから、応募がほぼありません。
・保育所業務マニュアル中には実習生の受入項目があり、実習生受け入れの意義が明文化されています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・今回の第三者評価受審が開設後初めてであり、この評価結果は、評価機関にホームページなどで公開されます。
・園のホームページには、園の保育方針、保育目標を公表しています。事業計画や決算内容については内閣府に毎年提出するNPOの事業報告書に記載して、内閣府のホームページ上で公開されています。
・川崎市地域子育て支援マップに、設置法人の理念や保育方針を掲載し、法人(保育所)の存在意義や役割を明確にするように努めています。
・見学に来た保護者や求職者に対して各園のパンフレットを配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園では顧問税理士・顧問労務士を依頼し、公正に運営がなされているか、常に確認を行っています。
・全職員は入職時に新人研修を受講し、就業規則や保育所運営に関するマニュアル類を学んでいます。
・園長、事務長は、小口現金などは使用都度チェックし、記帳し、管理しています。
・年に一度川崎市の指導監査を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園では、全体的な計画で地域との連携を具体的に、「地域の介護施設への慰問」「赤ちゃん駅の設置」「電話のよる育児相談の随時受付」「園見学の受付」等が計画されています。かわさき・きっずの令和4年度版によれば、「子育て相談」「体験保育」「施設見学」「栄養相談」「絵本貸し出し」「身体測定」などを子育て支援として行うことが案内されています。
・2年越しのコロナ禍により、集合、交流の自粛が行政より求められているため、実施は見送られております。また公表はされておりませんが、「地域町内会への行事参加」「地域公園清掃」「連携保育園との保育交流」のうち、連携保育園との交流は実施されております。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティア等の受入れは、次世代育成のために積極的に行っていますが、今年は問い合わせは数件来ておりましたが、1名が体験実習にきております。
・ボランテイア募集は「ボラ・ナビ」で広告をし、小学生から社会人までを川崎のボランティアに登録できますが、開設間もないのでまだ応募はありません。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・園長が保有する資格「発達支援コーディネーター」の会議が年三回川崎市で開催され、発達障害のこどもの現況や保育方法について職員と情報を共有しています。
・虐待については児童と保護者間の虐待の事例があり、子ども家庭センター(川崎中央児童相談所)や大師地区健康福祉センターと連絡を取りあっています。これを機に職員は、虐待の早期発見などへの対処方法について身近な問題として、情報収集、報告体制など知識を深めています。園には「学齢期における気づきのポイントとその対応」のチラシが来ており、職員に回覧しています。
・園長は区の児童家庭課、地域みまもりセンター、南部地域療育センターなどと、日常的に緊密な連携をとっております。実際に問題が発生していない時でも、子ども家庭センターや療育センターとの連絡を定期的に行い、いつでも子どものフォローが取れるようにしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域町内会長と連絡を取りやすい関係づくりを行っており、ダイレクトに情報をもらえています。
・川崎市主催の地域交流会議に積極的に参加する意思を示していますが、コロナ禍の為、、2年間開催はされておりません
・立地する地区の町内会長と親密な関係を築き、地域ニーズの収集は容易に把握できる体制にあります。
・また、民生委員児童指導委員とも連絡とり、地域のニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・電話による子育て相談は随時受け付けています。
・「赤ちゃんの駅}に登録し、おむつ替えスペースの提供やミルク用のお湯の提供を行っていたが、コロナ禍により一時休止中です。
・町内会行事には、「盆踊り」「おたき上げ」などに参加してきましたが 今年は開催されておりません。
・廃品回収には協力できております。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・川崎市こどもの権利条例、児童虐待防止について市発行のガイドブックを中心に読み合わせ、ポスターを掲示、権利条例研修を行い、こどもの権利にについての知識涵養につとめています、
・川崎市の権利条例に基づいた指導計画も作成されています。
・「子どもの権利条例」研修を受け、各種職員会議で職員に対して周知をはかるべく会議のなかで「読み合わせ」を行っています。
・性差への固定観念を排除すると同時に、プライバシー保護のために、日常の生活上の態度から指導することを心がけ、法人として「幼児に伝える性について」の通達を出し、「保護者から厳しい目でみられることが多いのでより言動には注意して保育してほしい」と、注意を促しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・具体的に写真撮影、使用の同意を、重要事項説明書の説明の時に「同意書」をもらっています、本園では「保育の見える化」の方針で写真を多用し、毎日の保育の様子をクラスごとに公開する「公開日誌」を、毎日玄関に掲示して、保護者に見てもらっています。その際には、写真を公開していますので、特にプライバシーには配慮しています。
・1年を通して、特に夏には、泥んこ遊びで服が汚れ、体も汚れるので、シャワーを使うため、衝立をし、目隠しをして、大きなバスタオルで体を覆うなど配慮しています。
・「幼児に伝える性について」の通達が法人から出ており、注意が喚起さています。
・職員はプライバシー保護の具体例のマニュアルを持ち、保育の場での禁止事項を頭に入れています。
・保育説明会や懇談会の時に、保護者にも保育園の方針を伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園紹介パンフレット「こどもの幸せを願って」が写真を多用して、分かりやすく見やすいものとなっています。
・見出し「リズムと育ちと意欲」で子どもの反り返った写真を配し、「土を踏みしめて体中を使い切ってあそぶ”」で園方針である泥んこ遊びを表現し、「むくの木ごはん」で和食中心のメニューを紹介するなど、このパンフレットだけで園の様子がわかるようです。
・入園希望の見学者はすべて、希望にあわせて日時を設定しています。
・「重要事項説明」を玄関に置き、だれでも確認できるようにしてあり、見学者には園長、事務長が丁寧に説明します。今年はコロナ禍で見学者は入室できませんが、通常は泥んこ遊びをした後の、汚れた衣類を見せることで、見学者は泥んこ遊びを実感し、自然体験のすばらしさを認識してくれています。
・情報提供は対象が若年層、又は中年層であることを重視してHPで最新の情報を掲載し、園が「大事にしているところ」「園の様子」など紹介しています。
・見学者については、コロナ禍で園舎内には入れなくても、写真付き資料を用意し園長が説明しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園説明会では「重要事項説明書」を配布説明して、「同意書」をもらい、同時に配布する「つめくさ保育園の手引き」では、詳細な園生活上の注意事項が書かれています。
・保護者への応対方法は具体的な方法、丁寧な言葉遣いの例示があります。
・地震時の対応では手引書で、「災害対策」として地震対策に重点が置かれ、「警戒警報発令時」の登園前と園内での対応、「発生してから」の登園前と保育時間内に分け、保護者に分かるように説明しています。特に配慮が必要な保護者に関しては、プライバシーに配慮して匿名性を重んじています。
・保育上の何か変更がある際は文書を配布、または掲示しています。
・保育内容の変更においても園長が対応し、担任もファローしながら、わかりやすい説明と同意や保護者の意向に配慮し、対応しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・本園は乳児専門の熊谷乳児園のサテライト保育園として、同園の3歳児のこどもの受け皿として同運営法人が3年前に開設し、乳児園の卒園児<3歳児>を全員引き取っています。
・本園の園児は、熊谷乳児園から自動的に進級してくるのに伴い、子どもの関連書類も引き継いでいます。保育の継続性が保証されています。
・他の園へ転園する子どもは殆どいませんが、引越しのケースが時々あります。資料は要望がない限り提供はしません。要望があった場合には保護者の同意が必要になりますが事例はありません。
・保育が終了した後も必要に応じて面談・相談を行い、在園中の書類を保存し、主に担任をしている保育士(就学前には年長児担任が主となって)が卒園、転園、退園後もフォローする体制が整えられています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園児全員が個人としてもつ連絡帳には、毎日の出来事や成長の兆候などが詳細に書かれ、保護者からのコメントも詳しく書かれており、満足度が図ることができます。
・また年1回の保護者懇談会でも職員が出席し、保護者の意見を知ることができています。
・年数回開かれる運営委員会は、園職員だけのメンバー構成で外部や保護者は出席しませんが、職員からの活発な意見が述べられ、改善につなげるケースがあります。
・職員は保護者との面談時には、園長、担任が出席し、綿密なヒアリングが行われ、その後の検討会では保育に生かす方法が検討されています。
・利用者の満足度を高めるために保育を”見える”ようにと、園廊下は多くの写真や掲示文書が貼り出され保護者に伝えられています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決第三者委員2名の名前と電話番号を重要事項説明書に掲載し、さらに玄関先の最も見えやすいところに意見箱を設置をすることで、保護者側からの意見を待っている姿勢を表明しています。
・「ご不明な点、不安に思うこと、疑問等がありましたらすぐにお申し出下さい、職員同士、即時対策をおこないます」と、あえて苦情、要望とむづかしい用語を使わずに ソフトに、全職員間で迅速に周知・検討する体制ができていることを知らせています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・園では個別連絡帳を活用し、意見や苦情も聞き、玄関には意見箱も設置し 重要事項説明書でも紹介しています。
・苦情の受付者は担当保育士、事務長、解決責任者は園長、と入園説明会で配布される「つめくさ保育園の手引き」」でも紹介されています。玄関にも掲示がされています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・相談苦情があった時には迅速な対応をする体制があり、職員にも周知しております。
・設立3年が経過しても今まで苦情 要望などは1件もありません。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・本園は川崎市の臨港地帯の中の戸建て住宅やマンションが多い地域で、事故発生が予測されるのは散歩ルートです。利用頻度が高い近くの大師公園への散歩のときには、道路での事故を気をつけています。
・園内では園庭に固定遊具を置いていないため、利用中の事故は少ないです。「ヒヤリハット検証記録」においても年間数件しかありません。
・園庭での事故、園内での転倒事故などを記録する「事故発生報告書」がありますが、川崎市役所大師支所へ報告する事例は近年ありません。
・本園には用務員が1人おり、1か月の定期的安全点検を「安全点検チェックリスト」で各保育室、用具 施設設備などで行われていることが確認されています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・新型コロナウイルス感染拡大予防のため看護師を中心に感染症対策をとり、嘔吐処理研修を受け、「感染症になりやすい時期」等をアナウンスしています。
・川崎市からの「保育園での対応」についての通達は、その都度、玄関に貼り出しています。
・園では来客者には手指の消毒、検温をしており、部屋は、冬でも窓は1時間ごとに開閉し、用務員がドアノブなど共用部分の消毒や玩具の消毒など、園児の手に触れる場所の消毒を重点にし、嘔吐物の処理は看護師の指導で職員が行っています。
・保護者への対応は「保護者の皆様へ」の文書で、「本人が37.5度以上の発熱した場合」「兄弟が欠席した場合」「家族の体調不良」「本人の通院」などのケースは、すべて「休みとする」など厳しい処置が取られることが通達され、コロナウィルスによる休園は直近2年間で2回にとどまっています(令和4年4月現在)

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・本園が想定している災害は火災、地震、洪水です。
・近くを流れる多摩川の氾濫が予想されており、海抜ゼロメートルに位置する本園一帯は、3m以上のコンクリ建物に避難することが要請されていますので、避難計画書を川崎市へ提出しています。これは洪水による被害を受けないために予防的な行動と、現実に多摩川が洪水に見舞われたときの対応を計画したものです。保護者にも伝え安心感を与えているようです。
・行政から「緊急時災害用伝言ダイアル」が流される仕組みがあり、災害には地域の協力が不可欠ですが、園長の父親が町内会長を務めているので、万一の場合の協力は得られます。
・地震対策としては本園の場合は2階へ避難することが要請され、避難訓練を実施しています。
・一環として炊き出し訓練を行い、握り飯を握ったりしています。
・備蓄リストを3日分常時確保しています。
・予算内に防災対策費を入れ、防災対策に実効性をもたせています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・本園の保育マニュアルは運営法人「NPO法人むくの木」理事長が長年にわたる乳児専門の保育経験から編み出されたものがあります。「丁寧な言葉使いで、目を見て正面から話しなさい」など10か条が具体的で簡潔で分かりやすいものとなっています。実務的な運用マニュアルでは川崎市作成の健康マニュアルなど参考にしています。
・保育内容については「全体的な計画」で大綱を決め、子どもの人権を尊重しプライバシー保護に配慮した保育指導計画により実施されており、また各種職員研修を通じて保育内容の周知を図り、職員間で差異のないよう努めています。職員にはそのために必要な会議、研修等を細かく設定しています。
・特に子どもの人権については配慮され、定期的に職員間で討議を図り保育内容と照らし合わせたり、保護者へも懇談会を通して人権についての意識向上に向けた取り組みを行っています。
・職員は研修を通じて共通の理解を深め実行しています。保育内容としては指導計画を各年齢ごとに策定し年間、月間 週案と作成し、乳児と要支援児には個人別の指導計画が作成されています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育内容の変更は必要に応じてクラスリーダー会、主担当会、運営委員会等を開き、随時変更しています。例えば、お絵描き帳を導入したが、より自由な表現活動となる様に大きな用紙を用意したり、また、歌について、歌詞や音程を覚えるだけでなく、歌の世界観を伝えたいので、まず大人がそれを知るための時間を作る、など変更されています。
・本園では乳児は2人づつの定員なので個別指導計画はきめ細かく、月次、週案で立てられ、内容の変更も個人差を反映し、サポートの良さを感じさせれるものになっています。
・その子どもをよく観察し、サポートする部分はサポートした結果が、翌月の指導計画書「ねらい」欄に現れ、 保護者の意見も取り入れながら、翌月の計画書に反映されています。
・そして毎月の記録は、「観察・個人記録票」に集約されています。原則として0歳児は毎月、1歳児は2か月ごと、2歳児は3ケ月ごとに、3歳児以上は6か月ごとにこの記録が書かれ、保存されています。保育内容についての標準的な見直しをする仕組みは確立しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・本園の指導計画は、川崎市公立保育園用の「全体的な計画」フオームに基づき統一された様式で作成されています。アセスメントは児童票、健康台帳、面談の結果をもとに作成さしています。
・指導計画書のフオームは、年次、月次、週・日案等は川崎市保育所の統一様式で作成され、その運用はPDCA手法でなされています。
・「乳児要連絡票兼個人記録」で毎日の食事、健康状況が具体的に把握されます。
・「週日指導計画・日誌」で、週5日の保育状況が、クラスごとに毎日、日誌形式で、「保育内容」「保育者の援助と配慮」「記録」「評価・反省」の各欄に記入されています。
・乳児の年間指導計画は、年間を4期に分け、計画と実施の評価を記入しています。
・月間指導計画は従来の個人別指導計画と合体させ、一覧性があります。月間指導計画全般ではトップに「ねらい」で前月の評価、反省が書かれ、行事、家庭との連携、自己評価、今月の内容〈養護 教育 他)、環境構成、保育士の配慮、取組状況と保育士の振り返り、などが記載されます。新たな個人別指導計画では「名前」「月歳」「ねらい」の3項目だけです。
・3、4、5歳の幼児の指導計画は、年間を4期に区切り、養護・教育の7領域についての計画がしめされています。週・日案の様式は同じです。月間指導計画も乳児と同じフオームですが、「食育」「保護者支援」「地域子育て支援」が追加されています。
・子どもの成長、発達を示す総合的な経過記録となる個人ごとの「観察・個人記録」が、全園児同じフオームで作成されています。
・障害児には個別支援計画書が作成されています。
・振り返りや評価は各指導計画の「評価・反省」欄に園長らの確認印があります。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・年間指導計画は、四半期ごとに評価・見直を行われる仕組みになっています。
・指導計画の見直しは月1回のクラス会議やリーダー会議で、園長、クラスリーダー、担任と相談しながら行います。主として週案の指導計画の内容と実際の子ども様子を確認して、場合によっては適宜変更して、翌月の指導計画につなげています。
・指導計画の評価、見直しは、川崎市保育所の場合は、記録の書き方がPDCAサイクル手法に基づくものになっており、評価・見直しの考え方もそれに倣っています。変更の必要な部分は職員間で話し合い、合意して次年度の計画作成に反映させています

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・本園では指導計画、個別指導計画、週日指導計画・日誌は、すべて統一した様式で記録され、「観察・個人記録票」は、川崎市園長研究部会で作成された書式で、児童が入園してからの育ちを一人一人、保育士の関わりようと今後どのようにかかわるかかを記録したもので、子どもの発達する姿が見える貴重な記録です。
・1歳2か月までは毎月、1歳3~8か月は2か月に1回、1歳9か月~11か月までは3ケ月に1回、以降2歳11か月までは3ケ月に1回、3歳に達するまでは4か月に1回、3歳以上は6か月に1回と記録が義務付けられています。
・「観察・個人記録」の内容は個人ごとの発達の「ねらい」「月~月」の達成状況が「食事」「生活習慣」「全身の運動」「手指の動き」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の各領域でチェックされています。同時に「健康状況」「保育士との関わり方」「保護者に関する事項」も記入されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・本園では職員の業務の持ち帰りは禁止されています、多忙で時間外に及ぶときは他の職員がヘルプしています。USB、SDカードの持ち出しはありません。
・園内での写真・名前の掲示など個人情報などの取り扱いは、保護者に対して重要事項説明書で同意を得ています。顔写真の園内貼りだしは慎重になりがちですが、保育の見える化のため多用しています。保護者が撮影した動画のスマホやYOUTUBEアップは行事冒頭に禁止の旨を保護者に伝えています。
・保育に関する記録の管理責任者は園長です。職員は児童福祉法上の「保育士の守秘義務」があること、漏洩については厳しく問われること、を承知して 保育に当たっています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・本園の全体的な計画は、川崎市公営保育所の書式にそって各クラスリーダーと園長が作成しています。
・川崎市には「子どもの権利条例」「子どもを虐待から守る条例」があり、全体的な計画の「人権尊重」のカテゴリーの中で、差別禁止、子どもの意見尊重など、総合的に権利保障する保育を行う、と明記されています。
・本園は住宅街の中にあり、自然環境に乏しい園ですが、子どもには自然と触れ合う機会を作るため、園庭には固定遊具は置かず、全部を赤土で覆い、泥んこ遊びをする保育を行い、同時に強い身体を作るために、毎日リズム遊びで体を激しく動かすプログラムを組んでいます。伝統芸能の伝承という意味で、地方の民俗舞踊を教えるなど、独自の保育方針を立て保育に生かしています。
・変化してしまった川崎の工場地帯は、近隣の住宅がマンションに変わり、高齢者の増加、若年世帯の減少とともに少子化の波が襲い、一人親家庭、アジア系の外国人が増えるなど、環境が変わってきております。
・園長はこれらの変化には、「量よりも質の向上」でしか対応できない、としています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・本園の立地は閑静な住宅街のなかです。3年前に新築され、保育所仕様に設計され、保育室は柔らかく温かいヒノキを使い、壁は音を吸音するボードを使い、80平米の園庭には固定遊具は1つもなく、すべて赤土と砂場と築山です。
・子どもたちは裸足で飛び出し、築山を上り、スコップで穴を掘り、水を流してトンネルや川を作り、築山を削り、泥団子をつくり、創造的に遊びこみます。築山の上り、下りで足の土踏まずをつくり、しっかりした歩行ができるようになります。普段使わない筋肉を使うことで、強いしなやかな体ができます
・建物の床はヒノキ材で作られ、乳児保育室に畳を敷くなど、保育方針にある「自然に親しみ・・」」の趣旨に沿った設計です。室温は22~25度、湿度は加湿器があり、子どもが使うおもちゃは毎日、次塩酸塩素水で消毒しています。
・設備、備品などすべて用務員が毎日チェックしています。6畳ある和室はスライド式のドアのため、容易に入り込め一人になれます。トイレには個室のトイレがあり、プライバシーは保たれています。
・絵本の多さが本園の特色で、外国の絵本など800冊の蔵書を誇っています。2階の踊り場には自由に取れる本が並んでおり、「本当の文化に触れる・・」との保育方針の一端をうかがわせます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・本園は併設の乳児専門の熊谷乳児園のサテライト型保育園であるため、0、1、2歳までは、各2名ずつしか受け入れておりません。3歳以上は熊谷乳児園の卒園生が入ってくるため、定員を8名にしております。従って乳児は少人数で、人員配置はゆとりがあり、約1.5倍になります。
・子どもの個人差は、毎日の遊びの様子の記録、週間単位の記録、月間の評価反省記録で適確に把握されています。特に乳児は2名ずつのため、子どもとの愛着関係は強く、きめ細かな保育が行われています。毎週の個別計画表には、その週のねらいと保育士の支援、配慮が記入されており、週末にはその活動の様子が記入されています。
・職員が遵守すべき保育10か条の1つ「一人一人のペースを守り、子どもの時間の速さに合わせる」に則り、保育士がやらせたいことを優先するのではなく、子ども自身がやっていることを尊重する姿勢です。
・支援の必要な子に対する対応を全職員に周知し、園全体で支援しています、例えばアレルギー食の場合アレルゲンの大豆、小麦を最初から除去したメニューを年間を通じて献立にして、アレルギー食の表示であるカラーのプレート、一人テーブルなどをなくし、他の子どもと全く同じ食事を同じテーブルで食べます。「みな同じ食事を食べる」という方針が貫かれています。
・子どもへの対応は臨機応変に行い、より子どもにあった対応が出来るようにとの話し合いの結果です。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの生活上の基本的習慣は、排泄、着脱、食事、睡眠などですが、子ども自身が意欲的に身辺の自立を行えるように、子どもの発達意欲に合わせた目標を設定をして、保育士は、黒子に徹して強制することなく、主体性、自立性を重んじています。
・生活習慣は「あそび」を通じて、ひとりひとりが自己肯定感をもって身に着けられるように時間をかけ、工夫しています。
・個々の育ちにあったタイミングを見計らって取り組むので、子ども自身に無理なく導入しています。
・梅雨時には体調を崩す子が多く、遊びはその日の体調に合わせ臨機応変に変えたり、排泄では0歳児は快、不快の気持ちがあるので、それを敏感に感じ取り、オムツ交換しています。
・1歳児になると、面倒くさがらずにトイレに行くような、目標設定をします。子どもは他の子どものパンツを見ることによりトイレに意識がゆくようになり、これに挑戦するようになってきます。半年もたたないうちに、これができるようになっています。
・2歳児の後半には“パンツとなる”という喜びの言葉が反省欄にあります。子どもは自分で人のふりを見て 真似て、考えて行動するようになってきています。ここでの保育士の役割は、園方針にある通り「黒子に徹して、子どもたちの輝く毎日を援助する」ことです。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・本園最大の特色は、泥んこ遊びと体を動かすリズム遊びです。園庭には遊具を1つもおかず、土山と砂場だけがあります。80㎡の庭には、ダンプで搬入された赤土が30センチの高さで敷き詰められ、子どもたちの泥んこ遊びの場になっています。赤土は裸足で走れ、団子やケーキなどの造形に利用できる土です。土山の頂上から溝を作り、そこにバケツでお湯を2人で運び流す、その溝を滑り台にして遊ぶ。仲間と全身泥んこになり、最初は躊躇して入っては来ませんが、やがて仲間の子が泥んこになって遊ぶのを見て、自分も泥んこになって仲間入りします。本園では遊びを選択する場合は、毎日保育士と子どもたちが話し合って1日の活動を決めます。子どもがやりたいことを出し合い、大人がだした活動もみんなが納得して決めます。一人一人の発言の場や子どもの興味を大切にした活動計画を毎日立てることで、主体的な暮らしを保証し、ひとりひとりが”主体的”に毎日を過ごす、みんなで紡ぐ毎日です。
・本園の特色となっているリズム遊びは、一つ一つの動きの中にこどもの育ちの要素が詰まっている遊びで、リズムを楽しむなかで自然と体が育ってゆきます。ピアノの音を耳で聞き、目で見て、真似て、自分も体を動かすその意欲を重んじます。
・アヒルの真似で足腰を強くし、カエルのリズムで跳躍力をつけ、ワニのリズムで身体を低くしずり這いができ、ロールマットリズムで逆さ感覚、しなやかな体を作り反り返りができます。トンボのリズムで走る、止まる、平衡感覚が養えます。
・毎日、乳児から幼児までレベルの違いはあっても少しづつ上達し、体も強くしなやかにできあがります。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・本園には0歳児は3名おります。個人別のきめ細かな保育が行われています。0歳児の個別指導計画書には、一人一人の子どもの月齢に応じた、目標と保育士のサポート方法が書かれています。「観察・個人記録」には2月ごとに一人一人の子どもの発達過程の様子が捉えられ、その記録が見える形で示されています。
・川崎市保育園の共通様式のこの記録は、0歳児は食事、おむつなど生活習慣、歩行など全身運動、手指の動きなど生理的な欲求が中心で捉えられ、2か月ごとに評価・反省欄で振り返りがおこなわれています。
・0歳児は抱っこなど愛着関係を築くことが最も重要と考え、本園ではその環境が整っているので保育士は「達成できている」と自己評価しているのが目をひきます。そして子どもの生理的な欲求にすぐにはすぐ応えることができているとも答えています。
・0歳児は「ならし保育」を入園直後から行い、1~2週間、集団生活や新しい環境に慣れるようヘルプします。
・園の方針で子どもに対して「黒子の徹して・」見守りを大切にした保育をしていることが随所にみられます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・1歳、2歳の子ども各2名ずつの少人数保育です。主体的に生活し活動できる時期にきています。
・園の保育方針である「自然に親しみ、楽しい生活の中で強い心と強いからだを作ってゆく」が具体的な遊びのなかに顕著に表れています。室内で行われる「リズム」は1歳、2歳の子どもが自分たちの体を使って動く、激しい運動です。円を描いて回ったり、反り返ったり、うさぎ跳び、カメ、アヒル、ワニのかっこうをしながら、体の筋肉のあらゆる部分をリズムにのせて動かす運動です。
・戸外の遊びでは園庭で寒い日でも毎日泥んこ遊びをして、赤土で団子やケーキなど好きな食べ物の形を作り楽しみます。1歳児は、まだなじまずに背を向ける子もいますが、仲間の子が泥んこになってはしゃいでいるのに刺激されて、少しずつ誘われて近づき、泥に入るようになっています。そして2歳児は、もっとダイナミックな動きをするようになります。体の成長と共に自我の目覚めもあり、友達とケンカ、仲たがいもあります。自我の育ちでは、朝や帰りの支度を「やって」から「できた」になり、褒められるとまた頑張る様子が見られます。かんしゃくをおこす子も、自分で泣き止んで切り替えができるようになり、成長を感じているようです。自我をしっかりと出し、発達の大事な節目である1歳半の節目、3歳の節目を乗り越えて成長できる事を大切にしています
・連携園との交流保育を盛んにおこない、社会性の育ちもみられるようになっています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児は本園育ちの2名と姉妹園から進級してくる6名を加え、8名になります。友達として関りを深め、簡単な決まりを知り、集団で遊ぶことを楽しむようになるよう支援しています。年長児や地域の人と関わって遊ぶ中であこがれや親しみ、思いやりの心を育てるようにしています。
・4歳児になると集団生活のなかで自分を主張をするようになり、仲間のひとりとして行動できるようにするなど、また、多様な経験を通じて、一人一人の自主性や葛藤に寄り添い、共感しながら励まし、自己肯定感を育み、自信がもてるように支援しています
・5歳になると様々な活動の中で互いの思いをしり、自ら考え話し合ったりすることで相手と共感し 認めあうことが出来るように保育士はサポートしています。老人ホームの慰問、地域のお宅のカキとりや、七夕の笹をいただいたり、地域のひととのかかわりの中で、関係を深め、年長児としての自覚をもてるように誘導しています。
・本園の特色の1つである「本物の体験、本当の文化を伝える」方針のもと、日本の現代の歌、林光の「2月」「森へ向かうソリの歌」「今日が来た」など、次代へ残したい歌を覚え、卒園式で自信たっぷりに歌っています。すべての唄には思い出が詰まっており、原体験は心に浸み込み、大人になって思い出します。また地方に残る民俗舞踊も踊ります。東北地方の「荒馬」「虎舞」「はね娘踊り」など伝統芸能の踊りを習得し、卒園式でその成果を披露しています。乳児の時から始めているリズム運動で鍛えたしなやかな体で、仲間と一体となって動くさまは保護者を感動させています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・本園には看護師と発達支援コーディネーターの資格を有する職員がおり、障害児や発達障害を疑われる子どもが複数、在園しています。
・職員も加配配置をしています。発達に関わる研修を行い、保育士の知識の向上に努めています。建物はバリアフリーです。反射音を抑えるために防音ボードを設置したり、絵カードを利用し、支援の必要な子が生活しやすい環境づくりに努めています。
・個別支援計画を作成、保護者、療育センターとの連携を密にしています。
・日常の生活には支障がなく、仲の良い友達で一緒に散歩したりして、目立った異常な行動は見受けられません。保護者とは必要に応じて面談し、園長、クラスリーダー、担任、看護師とのケース会議が不定期に開かれ、指導方法を検討しています。川崎南部地域療育センターの巡回相談もあり、相談し助言をもらい、また園独自で臨床心理士に依頼して発達支援を行っています。
・全体的な計画のなかで「インクルーシブ保育の推進」を掲げ、子どもの多様性を当然のことと温かく受け止め子ども同士のよりよい関係を育むよう支援しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・本園は朝7時から夕方6時までが標準保育時間です。6時以降は延長保育となり、夕方6時半には殆どの園児が引き取られ帰ります。8時まで残る子は少ないです。夕方4時過ぎから部屋は非常に広く感じるほどの空間となります。小規模園なので、長時間対応の保育士と担任とは常に連絡を密に取り合って、引き継ぎノートを使い伝えもれのないようにしています。
・午前中はクラスごとの活動時間、午後は子ども自身が居場所を選べるような自己選択的な活動環境を作り、子どもが穏やかに安心して過ごせるように配慮しています。あちこちで1歳児も2歳児も一緒に遊ぶ姿があり、走り回る姿もあり、中には保育士にべったりの子もいて、大人が来るとすぐ飛んできて顔を見上げて手をつなごうする子もいます。補食は6時過ぎからでます。
・この時間は子どもが不安定な気持ちになる時間帯でもあり、保育士たちは注意深くみて、子どもとの接触を多くし、一緒に遊ぶようにして、転倒、ぶっつかりなど事故を起きないように配慮しています。
・本園では土曜保育を勧めています。1階、2階全部を使ったかくれんぼや、広い空間を使い、ゆったりとした穏やかな1日を過ごせます。熊谷乳児園と合同保育になるので、異年齢保育の体験もできます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・進級先は5校です。各小学校への保育児童要録提出は担任が行い、書面及び口頭でも伝えるようにしています。気になる子については口頭、電話で行います。
・園長は幼保小連携会議に参加し、小学校との連携を図っています。
・年長組担任保育士は、年長担当者会議に参加し、小学校で同じ小学校へ行く別園の児童との交流会に参加しています。
・年長児へ文字、数字、アルフアベッドを教えることは行っていません。幼児期には、学習意欲へとつながる実体験を重要視している為です。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者に対しては、四半期に1回発行している「保健だより」を活用し、情報提供を行っています。
・事故報告、ヒヤリハット報告は必ず職員会議などで取り上げ、全職員に周知しています。
・全クラスの担当職員は、引継ぎシートを利用し、一日の状況報告を行い、情報は全職員で共有しています。
・園では「川崎市健康管理マニュアル」に則って、登園時の保護者からの情報取得に始まり、降園時までの子ども一人一人の健康状態を把握し、連絡帳、保育日誌などに記録しています。保育中の発熱が37.5℃までは、園で様子を見ることにしており、38.0℃以上はお迎えを要請します。
・保護者には、「体調悪化」「けが」など詳細を伝え、事後の確認も行います。
・園では、看護師により「年間保健計画」を策定して、保育に当たっています。
・子ども一人一人の健康については、入園時に「健康記録表」を提出してもらい、生長歴や既往症についても把握して、全職員で共有しています。
・子どもに健康上の変化がある場合には、保護者より「母子手帳」の提出を受け、担任が「健康記録表」に転記しています。
・職員に対してSIDSチェックシートの記入方法や午睡時の注意点などを、職員会議などで園内研修し、SIDSについての知識の共有をおこなっています。
・保護者に対してのSIDSに関する知識、情報は入園時に詳しく説明し、個人面談、クラス、懇談会などでも運営委員会などでも繰り返し説明しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・健康診断は0~2歳児は、年6回、3~5歳児は、年2回以上、概ね年3回行っています。歯科健診は1回来園診察を行っており、医師作成の「検診記録表」により、健康診断は「連絡帳」に転記し、必要なら医師の「意見書」とともに口頭説明して、保護者に手渡しています。歯科健診に関しては、園看護師により「歯科健康診査表」を作成し、「歯科健康診査結果のお知らせ」を、必要ならば「精密検査要望書」とともに保護者に手渡します。
・検診結果は、すこやか手帳に記録し、保護者に即日伝え、職員も確認できるようになっています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー児一覧表を作り事務所に掲示、誤食等起こらないようにしています。
・給食に3大アレルゲンフリー(卵、大豆、小麦)の「むくの木ごはん」という独自献立をつくり、アレルギーのある子もない子も一緒に食事を楽しめる様に工夫しています。
・食物アレルギーのある子については「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、、医師の「除去食申請に対する主治医意見書」を「川崎市健康管理委員会」に提出し、認定を受けて取り進めています。
・川崎市の関連研修には必ず管理栄養士が出席し、内容を全職員に研修報告書などで周知しています。
・保護者には個別面談、クラス懇談会、運営委員会などでアレルギー対応についての理解を求めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・コロナ禍前は自分の食べる量を自分で盛り付けるビュッフェスタイルを取り入れていましたが、今は、子どもに量を聞き、担任が言われた量を盛り付け、無理なく食べきれることを大切にしています。
・園では、連絡帳に家庭での食事状況を記載してもらい、給食時の参考にしています。
・園では食育として園庭で子どもたちが、「廿日大根」「とまと」「キューリ」「なす」「枝豆」「ししとう」「大根」「オクラ」「ジャガイモ」「サツマイモ」などを栽培し、管理栄養士はそれらの食材を給食に生かしています。
・季節により、園庭にシートを敷き、屋外ランチパーティーを開くこともあります。時には系列園の熊谷乳児園に出向き、園庭で「焚火」をし、焼き芋を焼いたり、秋には「焼きサンマ」パーティを開くこともあります。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・毎月給食アンケートを全職員に行って、その結果をもとに、つめくさの園長、栄養士、調理士、熊谷乳児園の栄養士の4人で給食会議を開き、今月の振り返りを行い、翌月に反映させています。
・子ども一人一人の体調などにも配慮し、食材の刻み方など調理方法に配慮して提供しています。
・厨房が玄関の隣にあり、厨房の床の高さを一段低く設計しているため、子どもが玄関フロアから厨房を見やすくしているため、子ども達は玄関を通るたびに中をのぞき、食への関心を高めています。
・日本の季節に合わせた伝統料理、ひな祭りのちらし寿司、桜の季節には桜餅、クリスマスにはクリスマスケーキのように、季節感を折り込んだ食事を提供しています。
・安心安全な食材に力をいれ、特に調味料については無添加国産のものを使用しています。
・調理室の衛生管理は、特別「に「調理室衛生管理マニュアル」を管理栄養士、看護師で作成し、常時清潔に保っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・家庭との連絡については、保護者からの連絡および園からの連絡はは、双方向で毎日の個別の連絡帳で一人ひとりの様子を伝えています。
・連絡帳だけではなく、園長又は担任が送迎時になるべく保護者全員と顔を合わせるようにし、情報交換を行っています。
・各クラス懇談会では写真や動画を使って、保護者に子どもの日常の様子を雰囲気も含めて、伝えられるようにしています。
・保育の意図や内容については、保護者懇談会、保育参加など、又、担任が保護者と会えるようにシフトを調整して、当日の様子を口頭で伝えられるように対応しています。
・保護者との情報交換の内容は会議ノートに記録しています。
・玄関には、毎日、大判の「公開日誌」を貼りだし、写真を多用してその日の保育園生活を保護者に知らせています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者面談記録を毎回作成しています。内容は全職員で共有しています。
・保護者面談には担任保育士の他に、園長が必ず参加しています。また、保護者より面談要請がある場合には即対応しています。
・保護者との信頼関係は、保護者との接触度を多くすることでき築いています。
・園児全員がもつ連絡帳には園での出来事、様子が詳細に記入され、保護者も家庭内での生活の模様を細かく書いています。フエイスツーフエイスと連絡帳の細かな伝えあいが信頼関係を生んでいます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・子ども家庭センターや児童家庭課とも連絡を密に取り合ってより専門的な対応が出来るように努めています。
・疑いがある場合には全職員で把握し、写真を残すなどの対応を取っています。
・虐待防止に関するマニュアルは明文化され全保育士がいつでも閲覧できるように提示されています。
・毎日の子どもの様子はマニュアルのフローチャート参考に確認しています。
・子どもの権利に関す研修は、研修のスケジュールに予定されて外部講師を招いて行っています。
・児童家庭センターとの密な連絡を取り合い虐待の恐れのある家庭、あるいは要注意家庭に対して早期発見に努めています。
・虐待の恐れのある場合は、保護者から話を聞いて、問題をくみ上げるように傾聴し、次の対応につなげられるようにしています。
・川崎市が主催する虐待防止関する研修に参加し、常に新しい内容を持ち帰り共有しています。
・事例が発生した場合は、個別虐待記録に記載し、児童相談所とカンファレンスを行い、解決するようにしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・月に1回以上のクラス会議を行い、定期的に保育の振り返りを行っています。
・年度末に職員の自己評価を行い、それに基づく一年のまとめと、新年度の目標設定を行っています。
・半期に一度の園長面談で目標の達成度を確認しあっています。
・保育士の目標設定は運営委員会で検討された10項目について、保育士一人一人が査定を行い、園長面談において、アドバイスを受け、「令和3年度の評価と反省」「来年度に向けての目標」を策定、提出し、目標管理を進めていきます。
・園の保育の方針は、年間指導計画、月間保育計画、週間指導計画、日案等により詳細に計画されており、保育士自身が主体的に毎日の保育の評価、反省を記入して、保育の質の向上を図っています。
・これらの実績をもとに年間の反省と新年度の目標を設定しています。
・毎日、週、月次の反省、自己評価を行うことにより保育士自身の専門性、保育所全体の保育実践の自己評価につながっています。