社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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とつかルーテル保育園

2025年04月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 とつかルーテル保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 222(202) 名
所在地 〒244-0817
横浜市戸塚区吉田町100-4
TEL 045-862-3086 ホームページ https://ikusosu.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2005年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 イクソス会
職員数
常勤職員:37 名
非常勤職員:24 名
専門職員
保育士:48 名
看護師:1 名
管理栄養士:2 名
栄養士:4 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3~5歳児室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:遊戯室
設備:事務室兼医務室
設備:更衣室
設備:会議室
設備:相談室
設備:応接室
設備:休憩室
設備:トイレ
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
◎人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなた方も人にしなさい
児童福祉法とキリスト教に基づき、保育に欠ける全ての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保証し、愛護すると共に、最善の利益を図り、保護者と共にその福祉を積極的に増進する。

<基本方針>
●ユネスコが提唱した「生涯教育」を念頭に置いて、『誕生から学齢期までの一貫保育』を意図しています。更に児童憲章とキリスト教精神を基にして保育所保育指針、モンテッソーリ幼児教育を以て当園独自の保育を進めています。

<保育目標>
1. 安全で保守的な、文化的で豊かな保育環境の中で、健康な体と感性を育み、生命の保持と情緒の安定を図り、意欲的に生活できるようにする。
2. 食事、排泄、睡眠、着脱衣、清潔、安全などの、生活に必要な基本的な習慣態度を養い、主体的に見通しを持って生活できる自立と生きる力の基礎を培う。
3. 歩く、走る、跳ぶなどの基礎的な運動能力を養い、積極的に運動する態度を身につける。
4. 愛情豊かで応答的な保育の中で、子どもの欲求を受容することを通して、人に対する基本的信頼を育む。
5.母親や保育士等との愛着・信頼関係を基に、積極的に園での生活・遊びや友達とふれあい、相手の人権を尊重することや思いやりの心、社会性を育てる。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<とつかルーテル保育園の特徴的な取組>
●私たちの保育園は、キリスト教主義です。ですからイエスが言われた言葉、「人にしてもらいたいと思うことは何でもあなたがたも人にしなさい。」この言葉の実現を目指して、子ども達の必要を自分のことと考えて保育している。
●一人一人の成長のために、必要な訓練となる、モンテッソーリ教育法を実践している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/09/24(契約日) ~2025/04/01(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【とつかルーテル保育園の概要】  
●社会福祉法人イクソス会(以下、法人という。)は、昭和42年に先代が社会福祉法人茅ヶ崎学園に属する児童福祉法による第2種社会福祉事業を開始及び開園し、後、平成12年に社会福祉法人イクソス会とし独立して先代が理事長に就任し、同年、「つづきルーテル保育園」を開園(定員120名)しました。平成16年には「大船ルーテル保育園分園」(定員42名)を開園し、翌年、「とつかルーテル保育園」(定員120名)が開園され、平成17年、現在の園長(松川和義氏)が就任しました。平成21年には定員240名に増員がされました。平成30年、松川和義氏が理事長に就任し、「とつかルーテル保育園」(以下、当園という。)は現在、定員222名として開園から20周年を迎えようとしています。

●法人の施設は、キリスト教を基に運営され、理事長は牧師としても貢献しています。キリスト教礼拝式の活動を行い、主日礼拝式、教会学校(3歳~小学生対象)、教会学校中高生科(中学高校生対象)が行われており、法人系列各保育園にもキリスト教会の精神が至るところで反映されています。保育理念の1つに、キリスト教保育を大切に取り入れ、「神が私たちを愛してくださっているように、私たちも隣人を愛していくことを日々おこなっています。」とし、聖書の言葉を通して、「人にしてもらいたいことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」、愛されているあなたが、愛を届けるのです。と子どもたちに教え願っています。

●当園は、JR線「戸塚駅」より徒歩5分程度、近隣には市立東戸塚小学校や、横浜市戸塚スポーツセンター等の公的機関があり、春には柏尾川の桜並木が美しい閑静な環境に立地しています。駅周辺は商業施設も多く、再開発が盛んであり、幹線道路により車の往来も活発な街並です。園舎は2階建て2棟からなり、1階には毎日の礼拝に使用するホールが設備されており、厳かな空間が醸され、定員減にしたことで施設に余裕ができ、多目的に活用できる環境が整備されています。園庭も広く、四季の植栽と菜園があり、自然豊かなゆとりある保育園です。

●当園の保育の特長は、キリスト教保育を軸に、子どもの自発性を尊重したモンテッソーリ教育を行い、一人ひとりの子どもと向き合い、自主性・個性を大切にした保育を展開しています。モンテッソーリの資格を有する職員も多数在籍しており、資格の取得、維持、更新にも積極的に取組み、子どもたちに見合った環境作りを大切にして、大人が子どもたちへ提示することにより、「やってみたい」「一人でできる」といった気持ちの芽生え、自主性への支援に取組んでいます。

◇特長や今後期待される点
1.【モンテッソーリ教育の取組】
キリスト教保育とモンテッソーリ教育を保育の柱に、子どもの自主性を育てる保育を展開しています。全職員はキリスト教精神に基づき、一人ひとりの子どもの気持ちを受け止め、寄り添い、子どもを尊重した保育を心がけ、マニュアル「キリスト教保育課程」、「モンテッソーリカリキュラム」に則り、保育実践に生かしています。モンテッソーリは、「子どもが主体」とし、子ども自身で選択できることで自分のやりたいこと、興味を深めることができる教材・学習方法であり、個性や才能を制限せず、伸び伸びと自主性や主体性を育みます。保育者としては子どもの発達状況が分かり、保育者の観察する目を養えることで導線を引ける等、メリットは多く、保育者の支援的な環境の中で子どもたちが自発的に学び始める力を養っています。利用者(保護者)アンケートからもモンテッソーリに関する評価が多く挙がっており、「モンテッソーリの教具が充実しておりレベルにあったおしごとができる」、「モンテッソーリ教育がしっかりとしている」、「モンテッソーリ教育のおかげでカタカナ、地図等を覚えられた」、「職員自らもモンテッソーリを学んでいる」等、家庭ではできない事柄等を多く学べていることに賛同の声が寄せられています。

2.【キリスト教保育について】
児童福祉法とキリスト教に基づき、保育に欠ける全ての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保証し、愛護すると共に、最善の利益を図り、保護者と共にその福祉を積極的に増進することを目的としています。毎日の礼拝を通じて神様に見守られていることを教え、当たり前に生活できていることは神様が隣で悲しみ、嬉しさを得られるように助けてくれていることを伝えています。12月の降誕劇(キリストの降誕の一連の物語)の上演では、クリスマスの本当の意味を知る機会となり、大人になった時に気付きや思い出し、後々まで心に残り伝えられています。利用者(保護者)アンケートから、「ご飯を食べる前にお祈りの時間があり、神様への存在や感謝の気持ちが養われる」、「礼拝や行事を通してキリスト教の教えに触れられてありがたい」、「礼拝の時間が精神的に良い時間になっている」、「毎日の礼拝を通してメリハリのある行動が取れている」、「キリスト教保育が身に付いている」等、多くの喜びの声が挙がっています。

3.【縦割り保育について】
3歳児以降は縦割り保育を実施しています。年長児に憧れることを大事にして年少児がステップアップ
しようとする気持ちを育み感化できる導きに取組んでいます。また、手伝ってもらった経験から自分も年長になった時に自然と年下の子のお手伝いをするようになることも特徴の一つとなっています。その反面、年齢ごとの活動も大事にして「自分ができることをやる」ことを意識付けできるように縦割り横割りの両面を大事にしています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 とつかルーテル保育園    
          
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
第三者評価を受審したことで、感じたことで2点述べる。
1点目は、書類がいかに多いかということ。行政監査でも常に感じていることであるが、記録をつけることが多くて、その分の時間はどのように捻出するのか。保育士は対面し援助を行う業務である。その者が書類に向かうということは、援助を止めなければできない。保育士の負担が増える一方である。

2点目は、社会福祉法人として役割を受けていること。保育園が社会資源として求められているが、公定価格にはそのことは何も含まれてこない。その他の面で考慮されているところがあるが、人的余裕のない状況では応えられない。

自己評価を実施して気付かされたことは、周知不足である。
保育者への周知も色々な方法を持って行っているが、こちらの意図が伝わっていないこともある。「職員への周知」ということでも、地域との関係等について、職員への周知はしていなかったということに気付かされた。そうではあるが、この点にも人員の余裕ということが関係してくる。職員を連れて行ったら勉強になるような会議はあるが、それが難しい。それと同時に、日々の業務が多いので、情報過多になってしまうのではないかと危惧していた面もある。
今後は、回覧をして見てもらうことから始めていく。

≪評価後取組んだこととして≫
1.保護者への周知を徹底する。

2.職員へ地域との関わりの会議資料を回覧する。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念、基本方針は明文化され、ホームページ、リーフレット、重要事項説明書等に掲載し、入園説明会や園見学会等で保護者に説明し、理解を促しています。職員には入職時に法人研修により周知されています。保育方針及び保育目標は、分かりやすい言葉で伝わりやすく表現されています。また、園内に掲示することで浸透が維持されるように取組んでいます。しかし、今回の利用者(保護者)アンケート結果では、保護者への周知が十分とは言えない結果でした。文章から分かりやすく読み取れるよう、毎月の「園だより」の中に「聖句」が掲載されており、そこで「園目標」と関連付ける等、工夫を期待したします。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営の把握・分析は、主として法人が担っています。横浜市の社会福祉協議会、区の園長会、戸塚区つながる連絡会等で動向や他園の状況等を情報収集しています。横浜市の総合計画、戸塚区地域福祉保健計画等、地域の計画も鑑みて動向を把握するようにしています。また、園内アンケートや、園見学等でニーズや動向を把握し、分析を法人系列の園長会で行っています。職員に伝達すべき情報は、園長が整理して、園長・主任と各クラスの室長で構成する室長会を通じて、職員に周知しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人理事会、各園代表者会議等により、経営環境や保育内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の現状分析に基づき、具体的な課題を明らかにし、役員間で共有しています。経営上の課題等については、就職の人数の減少、新卒者が少ない等による「正規職員の保育士不足」、保育の質の向上及び指導に係わる「管理職の育成」、「新任職員の育成」、苦慮事項では「横浜市と川崎市の基準の違い」等であると捉えています。園として一番の課題としているものは、「正規職員の保育士の充足(確保)」です。特に、職員の確保・安定化、入園児童の増減、収支状況等は中・長期的な視点で検討しています。経営の圧迫については、人件費比率でもあり、保育職員加配加算や職員の処遇加算等の収入増に取組んでいますが、状況的に苦慮が見られます。今後は、収入増に向けた取組に一層努めると共に、派遣職員費の圧縮等、サービス水準の維持を図りつつ、収支バランスの改善に取組まれることが望まれます。また、人材確保・採用については現場と共有を図ることで、現場との齟齬が少なくなることが考えられますので取組に期待しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中・長期計画は年度末に理事会、代表者会議で検討及び立案しています。地域の状況を考慮し当園としての運営状況、見込み等、事業の進捗を確認し、必要があれば見直し・改善を図っています。当園では中・長期のビジョンとして次の目標を掲げています。①次期幹部職員を育成する、②イクソス会の縮小等、これらの目標の達成に向けて、計画的な事業実施に取組んでいます。今後は時期、期間、範囲等、数値も盛り込まれることで更に具体的な計画になることを期待しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の中・長期計画に沿って園の単年度の事業計画を園長が年間計画と合わせて策定しています。単年度計画は予算書と関連付けてより具体化されています。重要事項説明書に、「保育」、「子育て支援事業」、「保健衛生」、「災害対策」等の項目を設け、それぞれの取組内容が詳細に記載されています。また、年間行事計画表を作成し、行事の担当を決めて実施しています。年間を通して実行可能な計画となるように、今後は時期、期間、範囲等の数値を盛り込まれると尚良いでしょう。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は、園長が中・長期計画を基本に立案し主任が検討して職員に周知しています。単年度事業計画は年度末に振り返り、見直しを行っています。また、各年齢の指導計画は、職員会議等で話し合い、周知から見直しまで実施しています。「全体的な計画」には、保育理念、保育方針、保育目標を始め、0歳児から5歳児までの子どもそれぞれの保育目標、保育のねらい、食育、地域交流等、保育所保育指針が求める内容が、適切に策定されています。全体的な計画の下、クラスごとの年間指導計画、月間指導計画、週間指導計画や、行事計画が策定されています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は、重要事項説明書に記載され、入園時に保護者へ配付・説明を行い周知しています。「全体的な計画」や行事計画は、園内に掲示し外来者へ周知しています。また、保護者説明会で、園の事業計画・行事予定、全体的な計画を説明すると共に、保護者懇談会で事業報告及び保育の振り返りを行い、理解を促しています。各クラスの保育指導計画はクラス別懇談会で周知しています。また、毎月の園だより(お知らせ)に各月の行事予定等を掲載しています。利用者(保護者)アンケートでの「年間指導計画・行事計画」の認知度は、「まぁ知っている」と合わせて98%であり、ほぼ全保護者に周知されていることが分かります。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の実施状況は、クラスの職員間で話し合い、情報共有と振り返りを行っています。保育の質の向上に向けて、PDCAサイクルに基づき、年間指導計画は四半期ごとに、月間指導計画は毎月、週間指導計画は毎週、振り返りを記載し、組織的・計画的に実施しています。また、各クラスで計画に対する評価を行うと共に、保育日誌等で振り返りを行っています。日々の保育の評価は、園長、主任が日誌の確認と、ラウンドすることで保育の様子、子どもの様子、環境の適正化等、職責からの視点による複眼的な階層確認を行っています。毎年自己評価を行い、年度の振り返りと、次年度以降に向けた課題や改善点を話し合うと共に、第三者評価を定期的に受審する等、保育の質の振り返りを継続的に行っています。また、利用者アンケートを毎年実施しています。自己評価や第三者評価結果、利用者アンケート結果は、理事会で共有され、次年度の園の事業計画や、研修計画に反映させています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画を始め、保育に関する年間・月間・週間指導計画については、各計画の実施後に反省・振り返りを行い、全体職員会議等で評価、改善の提案、改善策の評価や計画の見直し等、課題を明確にして次期に生かすようにしています。また、自己評価結果は園長が集約し、職員間で課題の共有化を図り、PDCAをサイクル化して問題の大小に関わらず一連の流れとフォローアップ体制ができており、次回に向けて計画的に取組んでいます。今後は、入職2~3年の職員、中堅職員、ベテラン職員の課題定義を行い、改善へつなげる取組をしていかれることを期待しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

管理運営規定に園長の職務職責が定められており、園長は自らの役割と責任を自覚して法人の方針の下、園の保育方針を職員会議で説明しています。また、重要事項説明書及び広報誌であるパンフレットにも職責を記載して周知に努めています。園長の役割・責任は、「職務分担表」、「自衛消防体制」に記載され、職員に周知しています。園内で園長不在時の権限委譲(主任保育士)も周知し、職員は理解しています。「危機管理対応マニュアル」には園長不在時の職務権限委任の記載及び有事発生時の人員体制と指揮系統の取りまとめをしています。保護者向けには、重要事項説明書で入園時に説明を行うと共に、園だより、掲示等を活用して周知を図っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の運営規定や就業規則、個人情報保護規則に、園長が遵守すべき法令等に関する記載があり、理解を深めています。園長は、法人研修会、区園長会、園長研修等で県や市・区と情報共有し、法令遵守や経営に関する情報を得ています。市または区からの通達及び周知は現行規定・基準に取り込むようにしています。必要な情報については都度職員と共有しています。その中でも環境に対する取組は将来の子どもへの影響を鑑みて重点課題としています。また、法人全体のコンプライアンスに努め、常に法令等を遵守することを、法人系列各園長との意識を合わせて取組んでいます。守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、内容についても理解していますので、今後は各種情報の重要性を認識できるよう各職員が意識を深める取組を期待しています。保護者には、重要事項説明書で説明し、個人情報保護の観点から「個人情報使用同意書」に署名をもらい理解を得ています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

主任は、「全体的な計画」を基準に、毎日の保育の様子、子どもとの関わり方等を巡回による観察、または保育日誌で確認し、状況に応じて助言・指導を行う等、保育の質の向上に意欲を持って取組んでいます。また、法人の取組である「より良い保育委員会」(保育の質の向上や業務の実効性を高めるためのアイデアを「モンテッソーリ大会への参加」による「保育の質向上」への取組の振り返りや見直しができています。職員個々については、自己評価、人権擁護セルフチェックシートから振り返りを行い、課題化を図り、園長・主任との面談で相互の意見を尊重した保育運営につなげています。職員は、「子どもの人権を守る」研修、本人の希望する研修等を受講して研鑽に努めています。さらに、各職員の課題の明確化、能力の気付きによるモチベーション感化ができるよう、法人系列園間での交流を取り入れています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、業務改善に向けた法人の取組として「より良い保育委員会」が挙げられます。当園では、人員体制や業務内容、財務状況等の現状を把握し、課題の改善に努め、事業計画に基づき職員体制や環境整備、保育の財務管理等に努めています。人材配置については、園長が適切かつ効率性に配慮して行われています。勤務のシフトは主任が管理し、有給休暇は各職員が取得しやすいように努め、働きやすい環境に配慮しています。休憩取得、時間外労働については見直し及び検討を図り、さらに働きやすい職場環境作りに取組まれることを期待しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の確保・定着に向けた取組は、法人・園一体となって組織的行われています。法人では、正規職員の確保に向けて、ホームページに、「採用サイト」を設置し、就職情報提供や就職希望者からの問い合わせ対応を行っています。採用は新卒を主軸としていますが現状では有料紹介等も利用している状況です。求める職員像はキリスト教、モンテッソーリ教育の理解、理念、方針への共感により安定定着化を目指しています。法人全体の採用計画は年ベースで取組んでいます。学校にはパンフレット及び求人票を送付し、行政、学校が開催する就職説明会への参加、ホームページを活用して訴求しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像については、「職員心得」の「法人の基本精神」の中に、「服務の基本精神」、「服務心得」が明記されています。人事考課基準については、キャリアアップ基準表、職位ごとに求められる職責・能力・職務内容・必要資格等のスキル項目等の具体化に向けた見直しが、法人の代表者会で現在行われているところです。人事考課については、保育姿勢や資質向上の取組、自己評価等が記載された「個人研修計画・評価シート」や「自己評価シート」の内容は、室長等の上司、主任、園長、理事長が確認し、人事考課に反映されています。勤続年数は大切にして評価されていますが、今後は「職員に必要な経験の目安」等、キャリアパスが明確になる仕組みに取組まれ、職員へ周知されることを期待しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の定着に向けて、職員個々の背景を鑑みながら超過勤務時間や有給休暇取得状況を把握した上で、必要に応じて業務の見直しや超過勤務の削減、有給休暇取得を促す等、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を心がけています。また、勤務のローテーションの中で休暇の配慮が成され、時間休暇の導入、新採用職員に入職初年度に10日間の有給休暇が支給され、他職員には介護休暇や看護休暇が最長10日まで付与され、乳幼児がいる職員には短時間勤務の導入等、働き易い環境に取組んでいます。残業は公平を配慮して平均5時間程度となっています。家庭のある職員には残業の配慮、出勤時間を選べる等、配慮して取組んでいます。福利厚生制度については、退職金制度や各種社会保険制度に加え、「ハマふれんど」に加入することにより、慶弔給付や福利厚生施設等の利用等ができます。さらに、法人独自の制度として、資格取得費用貸与(資格取得後は昇給等の対応)制度等があり、福利厚生が比較的充実しています。また、業務のシステムの導入により、事務処理等の負担軽減が図られています。毎日の職員の様子、声かけ等コミュニケーションを図ること、世代間でのコミュニケーションが取れる環境にも配慮し、必要に応じて園長または主任が個別面談を都度実施しています。今後は、職員採用において多種多様なメディア・サイトを活用する等、一考を期待しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像は、「職員心得」に明記されています。法人・園では、職員の資質向上に組織的に取組んでいます。「個人研修計画・評価シート」を用いて年1回面談を行い、職員の資質向上への取組や、取組の振り返りを行っています。「個人研修計画・評価シート」には、冒頭に園と法人それぞれの研修目標が毎年度明示されます。また、経験年数や職階ごとに求められるキャリアパス研修が記載され、職員の履修状況が併せて把握でき、職員自らの研修計画の作成に活用しています。職員にはセルフチェックシートによる基本的な人権を基本としての業務履行をお願いしています。当園として求める職員像は、面談の機会以外にも業務内で都度指導がされています。今後、年3回の面談を実施して進捗の確認を期中に実施することで、現状のズレを修正できる仕組みに取組まれることを期待しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人では、人材の確保・定着と、保育の質の向上に向けて、研修とマニュアル、自己評価、OJTを複合した保育者育成に戦略的に取組んでいます。研修では、市や区、神奈川県、県・市社会福祉協議会・保育士会等が開催する、新採用職員研修、階層別研修、職種別研修、スキルアップ研修等の受講を職員本人のニーズを踏まえながら促しています。OJTはプリセプターの手法を取り入れ、比較的年齢の近い先輩と新任職員をペアにして指導を行っています。また、「職員心得」に保育の意義や取組姿勢等の基本的な保育の考え方が明示され、業務の各場面を想定した多種のマニュアル集が用意されています。法人内研修としては、勉強会(5回/年)、モンテッソーリ教育会議、キリスト教保育、保育会議、外部講師を招聘した座学等多様な研修を実施しています。特にモンテッソーリ教育の資格取得について積極的に取組んでいます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

新採用職員については法人によるオリエンテーション研修として社会人教育、電話応対、保育の基本、保護者対応、連絡帳の書き方の統一等の研修が実施されています。中途採用職員には、OJTや業務マニュアル等の活用等により、保育の質の確保・向上に向けた取組を進めています。また、職員自ら受講したい研修の受講についても希望を叶えるように調整しています。救命救急、子どもの人権についての研修は毎年受講して研鑽に努めています。今後は、年間の研修を計画化できることで見通しの持てる育成につながることをさらに期待しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受入れについては、マニュアル集の「他」編に「実習生の受入れ」を位置付け、福祉人材の育成への貢献に加えて、人材確保の機会と捉え、法人・園一体となって実習生を積極的に受入れています。実習生とは受入承諾書、守秘義務契約を取り交わし、実習開始時にはオリエンテーションを行い、本事業の目的等を説明しています。実習プログラムは、クラス配置、時間等のスケジュールを作成し、実習生本人の希望が叶うよう調整しています。全職員は、実習生に対して、人材育成の観点から指導、助言、相談のできる環境と姿勢を心得、対応する旨を申し合わせています。今後は、「保育実習指導者研修」を実習担当者が受講されることを期待しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人は社会福祉法人であり、全国社会福祉協議会のWAMNET(福祉・保健・医療情報)に法人の現況報告書及び計算書類が掲載されています。法人のホームページでは、理事長挨拶や、モンテッソーリ教育・キリスト教保育に基づく保育理念、各施設の案内、沿革、苦情解決システム等の法人概要、収支計算書等の公開情報、費用や行事・アクセス、求人案内、お問い合わせ等の情報が掲載されています。理事長挨拶や保育理念は簡潔で分かりやすく記載されています。地域に向けた活動、イベント、リーフレットは、玄関先に置いています。一方、法人の公開情報は、令和元年の資金収支と平成30年度の当初予算が掲載されているのみです。情報の更新と、定款や、評議員・役員名簿、組織図、事業計画や事業報告、第三者評価結果等、運営に関する公開情報の充実が望まれます。法人発刊の月報では、系列各園の状況と7月、8月号においては決算情報、収支統括表を掲載しています。保護者には、入園時に詳しく伝えています。利用者(保護者)アンケートからも、「園長先生から正直に、園が直面する難しさ(保育士の方々の採用困難、園経営でのコスト増等)を話して下さり、保護者も園の運営に参画する立場であるような意識付けに役立っている」という意見があり、保護者にも情報を公開していることが窺えます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

就業規則や、経理規程、職務権限規程の他、文書管理、保育管理等が規定された管理規程、職員心得等が整備され、法人本部で管理・改訂がされており、これらの規定や手続、手順によって適正な業務執行が成されています。各種管理規定については、当園では職務分担表を整備し、職員に周知しています。会計士による内部監査が定期的に実施され、その後の理事会、代表者会議、事務職員の会議によって精査されています。また、5年に1回第三者評価を受審する等、必要に応じて専門組織と連携して適正化に努め、公正かつ透明性の高い経営・運営のための取組が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との基本的な考え方は「重要事項説明書」、「全体的な計画」に記載し、年間行事にも位置付けて、子どもと地域との交流に取組んでいます。お散歩では種々の公園に出かけ、四季の自然に触れ合うと共に、地域の子どもたちや行き交う住民と挨拶する等、交流を図る機会もあります。また、近隣の保育園との子どもたちとの交流が行われています。地域の保護者へは子育て相談を実施しています。地域の社会資源の情報に触れる機会は、区役所等から発信されていますが、園でも保護者や地域の子育て世帯等に向けた、掲示板等による情報発信を行うと尚良いでしょう。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受入れについては、マニュアル集の「他」の編に、実習生の受入れと並んでボランティアの受入れを位置付け、地域貢献の機会と捉えています。戸塚区社会福祉協議会のボランティアセンターでの依頼や、タウン誌でのボランティア募集の掲載等、活用されると良いでしょう。受入れ要綱は用意されており、ボランティアの受入れに当たっては、受入れ前にオリエンテーションを行い、個人情報保護等に関わる注意事項等の説明を行います。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

区保健所、地域療育センター、児童相談所、医療機関を始め、区こども家庭支援課や市の担当課、区内の子どもの支援機関・施設、警察署、消防署等のリストを整備し、常に連携が図れる体制を構築し、事務所に掲示しています。被虐待児の早期発見や保護の取組については、虐待の疑われる保護者への声かけや相談に努め、児童相談所や関係機関等と連携できる体制を図っています。特に区こども家庭支援課とは園長、主任が必要に応じて打合せする等連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園長は、地区園長会への出席、子育て相談、戸塚区社会福祉協議会主催の「つながるフェスタ」等で地域の情報収集や情報交換を図り、福祉ニーズを把握しています。地域の福祉ニーズを把握するための独自のツールとしては、随時受け入れている園見学や地域の子育て家庭の保護者への育児相談があります。また、民生委員と交流を図り、地域の福祉ニーズを得るよう取組んでいかれることを期待しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書に育児相談を位置付け、地域の子育て支援に取組んでいます。育児相談では、乳児相談、幼児相談、学齢相談等、随時相談に対応し、面接のみならず、電話でも受付けています。地域の防災協力についての明記はありません。災害時については、園児・保護者や、近隣住民の避難場所、地域の社会資源として貢献の一環として取組むことについて苦慮していますが、保育園の役割、生活困窮問題等の支援について総合的に実現可能なことを一考するテーマとされることを期待しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」に人権尊重の姿勢について記載され、職員へ子どもを尊重した保育の徹底を図っています。法人・園のモットーとして、基本理念である「人にしてもらいたいと思うことは、あなたがたも人にしなさい」との隣人愛を、一人ひとりの子どもを、愛情を持って見つめ、子どもの気持ちに寄り添うことにより、意欲と思いやりを持ち、好奇心溢れる元気な子どもを育てることを職員間で共通理解の下、子どもの養育・支援に当たっています。また、法人・園ではキリスト教保育、モンテッソーリ教育を基本として世界の平和を願うことを掲げ、この精神に基づき、尊重、人権、性差、文化の違いを先入観持たないよう指導をしています。モンテッソーリ教育では、子どもが自ら考え、創造性を養い、与えられた場所で最も適切に対処できる人を育み、個々の意思を尊重して取組んでいます。法人では人権擁護に関する研修を実施し、職員に配付している行動規範を都度見直し、理解の浸透を図っています。子どもを尊重した保育については子どもが主体的に考えて行動できるよう導けるよう、勉強会で研鑽しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

マニュアル集の「法関連」の編に、個人情報保護が位置付けられ、個人情報の取り扱いが具体的に記載されています。子どものプライバシー保護に関しては「子どもの人権を守る」、「人権を配慮した保育」等マニュアル及び研修を基本に、配慮事項等について共通理解が図られています。入職時や入園時には個人情報の取り扱いについて説明を行い、職員から誓約書、保護者から個人情報保護に関する承諾書や個人情報使用同意書を徴取しています。また、健診や着替えのため衝立を設置して、子どもたちのプライバシーに配慮した支援を行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

法人本部のホームページに、理事長挨拶、保育理念、キリスト教保育、モンテッソーリ教育、保育所案内等を掲載して、法人・園の特色等を分かりやすく、情報提供しています。一方、法人情報については、公開情報の適時更新や、さらなる情報提供内容、イラストや写真等を用いたブログ等を活用していくと良いと思われます。また、法人本部のホームページの求人案内には問い合わせのフォームが設けられていますが、ホームページ全体に関する問い合わせや園見学の予約ができる等の利便性が図られると尚良いでしょう。園見学には随時対応しており、保育の内容や特色について園長または主任が丁寧に説明を行い、来園者の記録も残しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始に当たっては、入園時および年度末に次年度の「重要事項説明書」を基本に、施設の概要・職員体制・保育計画・利用について、留意事項や緊急時の対応等を保護者に分かりやすく説明し、同意を得た上で、その内容を書面に残しています。年度途中での変更については必要に応じた説明に努め「重要事項説明書」の差替え及び承諾書で対応しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

途中で転園した子どもの情報については、個人情報であるため、基本的に情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者に行ってもらっています。養育困難ケースや障害児、児童相談所ケース等については、区役所を通して行う場合はあります。年長児(5歳児)については、保育所児童保育要録を作成し各小学校へ提出し、必要に応じて電話対応も行っています。卒園児に関しては継続性を持ち、担任及び主任が窓口となり、いつでも相談ができる旨は口頭で伝えていますが、文章化を図ると尚良いでしょう。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で、子どもを受容し、主体的な行動を促すと共に、応答的な対応に心がけています。日々の保育の中で子どもの表情や言動、関わり等から、子どもが興味を示し、やりたいと思う気持、行動、発想を大切にし、主任が子どもの様子を把握するよう観察しています。子どもの意思で活動できるような環境に取組み、モンテッソーリ教育も興味を持てるような環境作りに努めています。保護者については、毎年、利用者アンケート調査を実施し、年1回の面談、4月、1月の懇談会等で収集した意見・相談等を幹部会議または各種会議で改善課題として園長主導で分析・検討しています。また、園だよりや、保健だより等を発行して園や子どもたちの情報を伝え、朝・夕の送迎時には、保護者との情報交換を大切にし、声かけや会話からの気付きも参考にしています。このような活動から期待される保育園像を園長はじめ全職員で思いを一つにして取組んでいます。利用者(保護者)アンケートの「園の総合評価」項目では、概ね満足を含めて、満足が94%の評価を得ています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決責任者を園長、苦情受付担当者は主任、各クラス室長とし、第三者委員を3名設置し、苦情解決の体制を整備している旨を、重要事項説明書に明記し、保護者に周知しています。また、当園玄関に意見箱を設置し投函できるようにしています。保護者から寄せられた苦情・相談・意見等は速やかに検討に着手し、申出人に速やかに回答することを心がけています。公表については秘匿性を考慮して現在行っていません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見をする環境としては、対面、電話、文書にて随時受付けることを重要事項説明書に明記して案内しています。職員は「保護者との接し方について」を基本に日頃から、連絡帳での情報交換や送迎時等の声かけで信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りに努めています。相談や意見があった場合、園長、主任は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を職員間で共有しています。相談内容や保護者の様子に応じて、担任の他、主任、園長が対応しています。検討が長期化する事案については、進捗の報告をしています。また、面談ではプライバシーに配慮した話しやすい環境として相談室で安心して相談できる環境を用意しています。日々の細かな要望、相談、苦情等は、職員間で共有・検討し、改善に努めています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は、保護者と良好な関係を築くよう、送迎時の会話を大切にし、傾聴に努めています。送迎時には子どもの様子を伝える等、保護者とのコミュニケーションを図り、意見・相談が述べやすいよう会話を工夫しています。保護者からの相談や意見を受けた場合は、職員個人の判断で返答するのではなく、園長、主任、担任、事案内容によっては法人本部で検討した上で、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、法人及び園の総意とした改善結果を申出者に伝えられるようにしています。また、相談内容によっては市・区の協力等の支援も必要な場合もあります。この場合にも経過状況を申出人に説明することで理解を得られています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

マニュアル集に「危機管理」の編を設けて、防犯対策、けがや事故の予防対応、安全点検、防災対策、地震災害対策、各種訓練、午睡(SIDS)等のマニュアルを位置付けると共に、同マニュアル集の「保育関連」の編にも、園児安全、持参薬品与薬、誤飲手当、プール・水遊び等、日常の保育上想定されるリスクに対応するマニュアルを整備し、事故・事件発生時の対応方法・手順を明示しています。また、安全計画(避難訓練、防犯訓練、救急訓練、安全点検)、防災マニュアル、園児安全マニュアル、ケガ・事故の予防対応マニュアル、お散歩マップ等を見直し、全職員への周知及び職員体制を敷いています。リスクマネジメントでは、園長を責任者とし、園長不在時は主任と定め、事故・災害時における訓練を計画的に行っています。これら安全計画から園内外のハード面の安全点検の基本方針および毎日の目視、3か月ごとに各保育室内のチェックリストによる点検、毎月の施設安全チェック表や保育等ソフト面の安全点検(散歩、遊び、ブレスチェック)等のマニュアルを見直し、ハザードマップの都度見直しと共に、事故報告書での状況分析と原因究明を行い、改善策・再発防止策を検討・実施しています。事故に至らないヒヤリハット事案についても効果的に運用され取組まれています。研修については各種団体、救命救急等、外部研修等を適宜受講して研鑽を深めています。訓練についても火災・地震、及び戸外活動での避難、消火等については時間帯別、訓練予告の有無、お散歩、総合訓練、引き取り訓練と多様な状況を想定して実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

マニュアル集の「施設関連」の編に、施設衛生管理(清掃等)、殺菌消毒衛生管理、感染症対策衛生管理、給食衛生管理等のマニュアルを整備し、毎日の清掃や、感染症の性質に応じた適切な清掃・消毒を行うことにより、感染症の発生防止や蔓延防止に努めています。また、横浜市の感染症対策ガイドラインに則り「健康管理マニュアル」を作成しています。嘔吐処理や衛生管理における手順書や横浜市から提供される「食物アレルギー対応マニュアル」を参考にしています。感染症予防や発生時における子どもの安全確保に取組む為に「感染症事故安全対策委員会」を設置し、定期的に情報共有しています。嘔吐処理についてはセットを使って看護師を中心に実際に訓練をしています。園内での感染症発生時は、速やかに全職員に伝え、蔓延防止策として職員のマスク着用、換気、扇風機を利用しての空気循環等を講じています。保護者には、個人の特定につながらない範囲で、園全体の状況を公表しています。今後はキッズリー(保育ICTアプリ)での配信も検討されています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

職員心得の中に「非常災害関係」の項を設けて災害時の職員の心構え等を記載すると共に、マニュアル集の「危機管理」の編に、防災対策、地震災害対策、各種訓練を位置付けて、災害発生時の対応や手順を明示しています。また、安全計画及び事業継続計画を作成しています。その他、消防設備点検も実施しています。毎月の消火訓練、通報・点呼・報告の防災訓練等、災害発生を想定して実施し引取訓練も実施しています。安否確認としては一斉メールを利用しています。これら実施後には反省点も含め記録に残し、次回の訓練に反映させています。備蓄品である水や食糧(アレルギー対応食も含む)については調理担当、ミルクは0歳児担任がリスト化してローリングストック形式で管理し、園長が確認及び把握しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法は、保育マニュアルとして保育指導計画を基本に「保育安全、健康管理、排泄、誤飲手当、離乳食計画、食育等」を用意して運用しています。園長、主任は、保育日誌、指導計画等を確認すると共に、日々の保育の状況を考察し、標準的な実施方法に基づいた保育が実践されているかを確認しています。標準的で一定水準の保育ができているかについては、各年齢の指導計画の評価欄や保育日誌等で確認し、都度見直し検討をしています。保育計画については、画一的な保育ではなく、子ども個々の興味や関心に考慮して作成し、子どもを主体とした保育に取組んでいます。また、その時々に応じた子どもの姿を受け止め、見直しを図っています。今後は、子どもの人権尊重、プライバシー保護について重要事項説明書に「姿勢」を公表・周知されることを期待しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法については、2年ごとに代表者会議、系列園主任で見直しをしています。日々の保育内容についてはクラス会議、室長会議、代表者会議により各クラスの指導計画や保育日誌を確認して振り返り、保育内容に反映させています。また、毎年度末には各種マニュアルの検証・振り返りを職員で協議し、必要に応じて内容を更新しています。年度末には保育園の自己評価を実施し、年間を通した保育の取組や課題について分析・評価を行い、次年度の保育計画に反映させる仕組みを構築しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

指導計画は、各クラス担任が全体的な計画を基本に作成し、園長、主任が責任者となって確認しています。各クラスの担任が年度初めに年間計画の素案を提案し、ねらいの達成に向けて月間指導計画を展開し、週案では、より具体的に落とし込んだ内容となっています。個別指導計画、成長記録は、クラス内での振り返りや話し合いを基に給食担当職員の見立ても参考に担当者が作成し、クラス担任や主任が確認し、園長の承認で確定しています。また、個々の状況に応じた「個別支援計画」を適切に作成し実践しています。給食担当職員、看護師と情報・状況を共有して体重が多い少ない子どもには食事のコントロールを保護者と共有しています。成長曲線を気にしている保護者には個別相談にも応じています。今後は、支援困難対応における採用等、マンパワー的な取組も検討されることを期待しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画は子どもの主体性を基本に年度末に代表者会議、主任会議で評価・見直しを行い、次の計画の作成につなげています。「月間指導計画」は、クラス内で振り返りを行いながら意見交換を行い、評価欄に記載をして次月の計画作成に生かす等、PDCAサイクルによる継続的な取組を実施しています。個別指導計画は、柔軟な変更や見直しを行い、子どもの発達状況に合わせて、適切な保育につなげています。計画の緊急的な変更は、園長、主任が主導的に行い、全職員に周知を図り、保護者にはクラスだより等で伝え、周知及び理解を促しています。保護者とは懇談会、面談等で意向を把握し、関係する計画については丁寧に説明をすることで同意を得られた認識としています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達、生活状況等については、連絡帳、個人記録、成長記録に記録しています。日々ブリーフィングを実施し、記録を残して出席できない職員とも情報共有をしています。個別指導計画に基づいた保育の実施状況の検証は、保育日誌、個人記録、乳児については個別指導計画を作成して成長を確認できるようにしています。必要があればケース会議も開催して把握に努めています。各種紙データは鍵付き書庫で管理されています。端末からの外部への情報漏洩等の防止策として、インターネットのセキュリティを導入して安全に留意しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な文書保管年限が規定され、適切に保管、廃棄が行われています。個人情報に関する書類等は、鍵付き書庫に保管・管理しています。また、書類の閲覧場所は原則事務所内としています。全職員対象の個人情報に関する職員研修は、入職時に実施しています。保護者には個人情報の取り扱いについて重要事項説明書の記載及び説明を行い、同意を得、必要に応じて関係機関と情報共有をしています。職員とは守秘義務誓約書を締結して意識を高め、個人情報保護をはじめコンプライアンスに取組んでいます。今後は、園内ネットワークの利用方法、データ管理について規程、重要事項説明書への個人情報の取扱いに関して明文化を検討していかれることを期待しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、保育理念、保育方針、保育目標に基づき、当園の特徴、地域の実態等を考慮して、職員が関係するパートを記載して主任がまとめています。各クラスの指導計画や行事等は全体的な計画に沿って展開しています。子どもの成長・発達、保護者、地域の実態等については各種会議で話し合い、年度末に評価を行い、次年度の計画に反映しています。子どもの最善の利益を守り、適切な保育の実践、子どもの主体的な活動に向けた話し合いを進めています。これらを踏まえて、全体的な計画の見直しについては2年ごとに代表者会議で見直しが行われています。職員には全体的な計画と職員心得を配付し周知しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室の採光・温度・湿度等は適切な状態に保持し、毎朝の衛生管理により子どもたちが心地良く過ごせるように心がけています。アフターコロナも保育室内換気や玩具消毒、朝掃除、マット清拭等子どもたちが触れる部分の衛生管理(小さなゴミ、玩具の清掃、隅等)を徹底して行い、感染症予防対策にも取組んでいます。安全点検は毎朝受入れ前に目視点検、1回/週・月は自主点検記録簿を利用して点検を実施し、子どもたちが安全に過ごせるように配慮しています。また、興味の状況を把握して玩具の取りやすさ等、遊びやすさ、遊び込みができる保育室の環境及び整備に配慮しています。一人ひとりの子どもが落ちつけるように使用していない部屋等を活用・工夫して配慮しています。環境整備としては、動き、体の大きさに配慮してケガが無いよう、また落ち着ける環境としてコーナーを活用したり、子どもが集まるところを観察する等、子どもの動向を把握しています。玩具については収納場所が分かるようにする、簡単に手に取れるようにできるよう環境整備にも努めています。遊びやすさの取組としては、モンテッソーリ教育教材により指先訓練、引っ張り玩具、2歳はブロック遊び等を展開しています。幼児は生活に慣れることをファーストステップとして、マークを活用した分かりやすい生活環境にし、程度に応じて難易度を上げる等工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時の保護者面談では一人ひとりの子どもの発達や家庭での過ごし方等を丁寧に聞き取り、個人差を十分に配慮した保育になるよう全職員で情報を共有し、保育の見直しに取組んでいます。子どもの思い、欲求、寄り添い方、声かけの仕方、支援の仕方、行動の配慮により、達成感の獲得等について意見交換を図り、その後の保育に生かしています。保育者は、複数担任の良さを活用して見守りすることを大事にして、子ども自身でできるように支援し少しずつ自立への道に導いています。また、常に子どもの思いを汲み取り代弁する、子ども個々の求めることを理解して何を支援するかを見極め、職員間で共有する、スキンシップを取る、いつでも休めるようにし「動」だけでなく「静」にも配慮しています。保育者は、子どもの「やってみたい」気持ちを大切に、子どものリクエストに応えられるよう心がけていますが、応えられない場合は理由を話して納得できるようなコミュニケーションを大事にしています。子どもに対する言動・対応・援助の仕方等については人権擁護チェックシート(セルフチェックシート)での振り返りと気づきや、園長、主任からの現場での適宜指導、園内研修での学び合い等を通じて、当園としての統一認識を図っています。保育者は、子どもに分かりやすい言葉遣い、否定的な言葉は使わない、保育側の自己満足での保育は行わない等を心得、子どもの主体性を大切にして自分で考える習慣、やってみる精神を養うよう、日々取組んでいます。モンテッソーリ教育が生かされ、保育者は子どもの自立を促すよう見守る姿勢を大切にして支援しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得については、挨拶、「ごめんね」、「ありがとう」を言えるようにすること、基本的な振る舞いから、自分で選び、自分でできるように、一人ひとりの子どもの発達、家庭環境に合わせて、励ましたり、褒めたり、鼓舞しながら援助し、見通しを持てる生活、時間管理を少しずつ身に付けられるように切換のタイミングを大切に取組んでいます。さらに、モンテッソーリ教育の中で、日常使用するほうき、雑巾等の教具を使って日常生活の訓練を行うと共に、文化や言語、数等の教具を使って生活に必要な知識の基礎を養っています。睡眠、手洗い、うがい、咳エチケット等保健指導、着替えの仕方(プライベートゾーンの理解)、身の回りのことは自分でするように促し、その際には無理強いはせず、優しく徐々に改善できるよう、保護者の気持ちにも寄り添いながら進めています。常に子どもの姿、気持ちを観察し、職員間で情報を交換し、子どもにとって取組みやすく、分かりやすい方法・手順等を検討及び工夫して援助につなげています。個人差を意識した支援内容とし、家庭でのリズムにも配慮して一人ひとりの睡眠、食事、友だちとの関係等の発達成長状況、成長過程で必要な行動、保護者の考え方等も尊重し、連絡帳等で状況を共有する等、家庭と連携して進めています。利用者(保護者)アンケートでも、モンテッソーリ教育を評価する意見や、「先生方の所作が綺麗で、それを真似するので子どもの正座姿が美しいです」等、多数寄せられています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

四季を通じて戸外遊びを重視して実践し、当園の特色でもある広い園庭で伸び伸びと体を動かし、近隣の自然環境を生かすと共に、子どもたちは楽しんでいます。活動は子どもたちで話し合って決められるように配慮し子どもたちが活動を選ぶことにより主体的に取組が向上されています。園の特長として、モンテッソーリ教育を保育の一つの柱として、子どもたちが自分の意思で主体的に育つ環境作りを行っています。モンテッソーリ教育は、「気づき」と「挑戦」をテーマに、子どもたちが、遊びや生活の中から好奇心を育み、子どもたちの五感を使って発達を促すことを主眼として、指示的ではなく応答的な関わりを大切にしています。モンテッソーリ教育を通して、子ども一人ひとりの個性を尊重し、用意された教具を自由に選択して、自ら成長を促すことを目的とした養育が成されています。この活動から保育者は支援していくことを大切にしています。子どもたちが、自己肯定感を基に、自発的、意欲的に自己を十分発揮できる、子どもの主体的な活動を大切にした保育が行われています。戸外では自然に興味を抱ける工夫や公園での他園児と玩具遊具等を共有するためのルールを遵守する、社会ルールとしての横断歩道や信号の渡り方等、戸外活動を通して学習し、環境への関わりを考えた取組を実施しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

この時期は養護を基本にして気持ち良く過ごせるように室内温度湿度等ハードウェア環境への配慮と多様な人に慣れるようなヒューマン環境に配慮をすることを大切にしています。ゆったりとした、安全で個々への刺激を促すために気付きが得られるような環境に配慮し、落ち着いた家庭的な雰囲気が作れるように取組んでいます。また、子ども同士の相性にも配慮して落ち着く環境に努めています。子どもの状況は連絡帳、お迎え時には今日の様子、家庭・保護者の状況の聞き取り、健康面、食事面が充足できているか等も情報を共有して適切なコミュニケーションに取組んでいます。保護者の知らないこと(病気等)等細かく説明してアドバイスに努めています。利用者(保護者)アンケートでは、0歳児の保護者からは、「個別の相談に対し、保育士さん、看護師さん、調理員さん、それぞれ専門の方のアドバイスを聞くことができ、安心につながりました。連携が取れていると感じます」、「プログラムに則った指導、生活をしっかりと実施されている」等、保育方法を評価する複数のコメントがありました。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1歳・2歳児)の保育では、「年間指導計画」を基本に、養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施して見守る姿勢を大切にしています。特に動きがでてくる時期と、自我の芽生えと伝える能力不足等によるケガ等を考慮し、家具等の配置に工夫しています。日案については日々の状況を話し合い、振り返りをすることで子どもの関わり方に生かしています。戸外を活用した社会ルールの習得等の学習や、他園児との交流も大切にしています。子どもが自由に探索活動を楽しめるように危険を把握回避し、「やりたい」と思う気持ちを大切にして保育者も一緒に楽しむようにしています。保育士以外の多種多様な大人とも関わる機会を持っています。日頃の子どもの様子は連絡帳、登降園時の会話、個人面談等でコミュニケーションを取り、保護者と共有して連携を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、縦割り保育を導入して、年齢の上の子どもたちは下の子どもたちのお世話をする、下の子どもたちは上の子どもたちを慕い敬うという、兄弟愛・隣人愛の醸成を図っています。また、モンテッソーリ教育の本物の教具を活用して、視・聴・味・嗅・触の五感の発達促進や、日常生活習慣の習得、自然現象の学び、地理や文化、言語や数の理解を進めていきます。教育的なことも大事にしながら、やりたがる気持ちを大切に興味、イメージが持てるような活動に導き、各年齢で取組んでいます。3歳・4歳・5歳児の部屋は、作業の段階的な学びが図られ、システム的に教具が準備されています。移動五十音、綴り字法等の言語教具、算数、十進法等の数教具、地球儀や国旗、図鑑等の地理教具等、子どもたちが自分で教具を選び、遊びに集中し、さらに高度な教具に取組むことにより、自然に能力開発が行われています。保育者は、友だち同士で楽しめるように、職員は距離を取る配置にして見守りを重要にして取組んでいます。また、集団でのルール遊びを通じた社会性の習得や、運動遊びを積極的に取り入れています。外部講師による国際の時間(体で学ぶ英語グループ)、音楽時間(わくわくみゅーじっく)、絵画の時間が5歳児に全て用意されており、国際感覚や情操教育の基礎を培っています。就学に向けては近隣園と年長交流会としてお互いに面識が持てる機会を用意することでスムーズな就学導線となっています。保護者にはクラス懇談会、面談で就学イメージが持てるような説明に努めています。園としては幼保小連携事業、小学校の施設見学等に参加して状況を確認しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害児の受入れを行っており、エレベーターや設備(多機能トイレ)等、受入環境は整っています。障害児支援に当たっては、保護者の状況や意向を理解、受容しながら、子どもの気持ちに寄り添い、日々の保育の中で、共に成長できるよう支援しています。当園の障害児への関わりの姿勢として、衝動を抑え込まない、距離間に配慮してパニックにならないよう配慮しています。できるだけやりたいと思えるように導き、やりたくない時は無理強いをしない、行事もできる範囲とする等、対処しています。また、専門機関の支援や、進め方、活動内容を共有することで相互認識を高めています。障害児保育ではクラスの指導計画と関連付けた個別指導計画を作成・記録し、保護者と連携(連絡帳、会話、面談)を図りながら支援の方向性を確認し、適切な支援が行えるよう努めています。障害児保育についての研修として、キャリアアップ研修、コーディネーター養成講習、市・区主催の障害児研修を受講し、必要な情報を得、子どもの様子に合わせた適切な支援が行えるようアドバイスに生かしています。尚、当園は該当児の対応において、職員配置を鑑み、今後は積極的な採用に取組み人的配慮にも取組んでいかれることを期待しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

在園時間の長い子どもには、子どもの様子に十分配慮してスキンシップを多く取り、ゆったり関わり、やりたいこと、その子が過ごしたい状況を優先するように努めています。18時位までは各室で安全性、遊びの違い等に配慮しています。ゆったりとした環境構築には日中を活動的に過ごした子どもには「静」の状態になれるよう導き、落ち着いた雰囲気作りに努めています。保護者とは、連絡帳や会話等で、連携を図り、職員間では、口頭、ミーティング、引継ノート等で伝達漏れがないよう朝夕の連携を適切に行い、情報共有に努めています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中に、小学校との接続連携により就学を見通した保育に関する取組を位置づけ、それに基づいて実践しています。就学までに必要な「生活」、「学習」等の習得の必要性を子ども・保護者に伝え、アプローチカリキュラム(幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿)に沿った内容として取組んでいます。基本はモンテッソーリ教育を軸とし、海外を知り世界観を習得できるように期待しています。子どものやりたい欲求を大切に、文章学習活動、植物の栽培等も展開しています。幼保小連携事業にも積極的に参加し、近隣保育園との交流会等からスムーズな就学に向けた取組を行っています。子どもたちの就学先には保育所児童保育要録を送付し小学校と円滑な引き継ぎを行っています。保護者には、各小学校の視察、面談等の機会を増やし、就学に向けたイメージ作りに取組まれることを期待しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理、嘱託医については、重要事項説明書に記載しています。保健計画、応急マニュアルは、看護師主導で年度末に評価・反省を行い、見直しをしています。保護者へは連絡帳の記録及び個人記録で子どもの成長状況を伝え、また、毎月「保健だより」を発信して健康に関する情報を共有しています。毎日、朝の受入れ時の視診及び保護者から家庭での子どもの健康状態を確認しています。日々の保育の中では、看護師が子どもの様子を巡回により観察し、保育士からの報告等で個々の体調を確認し、職員間でも情報共有を図り日誌に記録しています。健康(感染症を含む)に関しては、重要事項説明書に園での保健と健康管理方針を記載し、入園時等に保護者に伝え、家庭での衛生管理や健康管理の協力を依頼しています。今後は、SIDS(乳幼児突然死症候群)に関してのリーフレットを0歳~2歳児保護者に配付して啓蒙することを期待しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による内科健診、歯科健診を年2回実施し、結果は、発達経過記録、連絡帳に記録して卒園まで活用及び保管しています。健康診断の結果は、子どもたちの育成記録に記載し、職員間で共有を図り、喫食量の調整等日常の保育に活用すると共に、年間保健計画に反映しています。保護者には、結果を伝え、必要に応じて治癒に取組むことを伝えています。身体測定の結果についても同様に記録し、保護者が確認できるようにしています。必要に応じて看護師が健康相談にも応じています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

横浜市の「食物アレルギー対応マニュアル」をガイドラインとして、「アレルギー対策マニュアル」を策定して対応しています。対応が必要な場合は、医療機関受診後の診断結果の書類、アレルギー疾患生活管理指導票を保護者に提出してもらい、三者面談を実施して状況を共有してから給食を開始しています。朝の該当児の確認、調理前での確認、喫食場所を固定して専用テーブル・トレイを利用する等、個別対応をしています。食物アレルギー児は別献立表となりますのでオペレーションは調理と保育士側でチェックリストを利用して指差確認及び、献立表をチェックして配膳を最初に行っています。保育者は、最新情報を得るためキャリアアップ研修、市・区主催の研修を受講し、知り得た情報を園内研修等で伝え、職員間で知識の共有を図り、知識を深めています。エピペンの使用方法は看護師が実習を行っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育は、全体的な計画の付表に位置付け、偏食のない食生活は幼児期の食生活が基礎となり決定づけるとして法人・園では食育を重視して力を入れて取組んでいます。各年齢の年間指導計画にも位置付け、計画に基づいて食に興味を持ち食事がより楽しめるように取組んでいます。子どもが食に対する興味・関心を持てるように園では種蒔、栽培から収穫(キリスト教での収穫感謝祭)、食材を見て、触り、料理したものを喫食する、クッキングでの味噌作り等、子どもたちが体験し、子どもたちで飾り付け、見た目、形を変える等、食への趣向を凝らしています。喫食量は子ども自身で定量から自己申告して調整しています。食べ方は特に制限せず、自分が食べやすい順番で、席も向い合せで楽しく食事ができる環境作りがされています。利用者(保護者)アンケートでは、「給食にいつも季節感があるだけでなく、形や盛り付けで子どもたちを楽しませてくれている」、「かなりの偏食で悩んでいましたが、給食の時に先生方が根気強く食べさせて下さったおかげで、少しずつ食べられるものが増えてきました」等、食育を評価する意見が複数見られました。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月の献立には、旬の食材を使用し、季節食、行事食、郷土食については保育士が子どもたちに献立を説明して食文化の理解に努めています。おいしく、安心して食べることができる食事を基本に、国産食材を中心として、質の良いフルーツを提供し、化学調味料は使用せず出汁はかつお、昆布を利用する等、素材を生かすことに配慮しています。保護者にも献立指導をする等、食についての共有をしています。誤飲、食具の誤り等には注意をして、所作(お箸の使い方等)を大事にしています。落ち着いて食べられることに配慮して子どもの発達段階にも応じて、自発的に食べられるように食器、食具等を調節しています。月1回、給食会議が開催され、園長や栄養士、調理師、クラス担任が参加して、味付けや献立、残食状況等を話し合い、献立の改善・工夫につなげています。衛生管理は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」を基に、食中毒等の事故のないよう万全の対応が図られています。また、定期的な研修を受講して研鑽に努めています。利用者(保護者)アンケートの「給食の献立内容」・「子どもが給食を楽しんでいるか」の満足度は概ね満足を含めた結果が、それぞれ94%と高い評価を得ています。意見からは、「給食で季節の食材を取り入れていたり、アンパンマンの顔のごはんが出てバリエーションが豊か。毎日美味しいと良く食べている」等、食への評価を得ています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは面談、保育参観を実施し、送迎時には子どもの様子をエピソードを添えて伝える等、コミュニケーションに配慮しています。園だより、クラスだより、保健だよりで保育内容、健康情報を発信し、園の様子、子どもの様子・成長等、子どもの育ちを保護者と共有しています。日々の様子については連絡帳で情報交換を行い、特記する事項がある場合は、記録を残し、職員間で共有を図っています。また、面談を0歳、1歳児保護者は年2回、2歳児以降の保護者は年1回実施する等、家庭との連携を図り、保護者との信頼関係を築いています。育児に関する保護者からの相談にも随時、対応しています。さらに、毎年、利用者アンケートを実施し、保護者のニーズを法人・園で共有し対応を図る等、保護者・家庭を重視する取組が組織的に行われています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育者は笑顔での挨拶や雰囲気、子どもの様子をわかりやすく伝える、受入の時に泣く子どもに優しく接する、その後の様子も伝える等で安心感を与えることができています。また、子どもとは愛着関係を築くことで、子どもが楽しそうに登降園して、子どもが楽しかったと思えるような一日になるように取組んでいます。保護者からの意見、相談、報告等に対しては丁寧に傾聴し、家庭に寄り添った取組に努め、園の様子も丁寧に伝えて信頼関係を築けるように尽力しています。保護者が相談しやすい雰囲気を醸し出し保護者からも話しかけられるような関係が構築できるように心がけています。保護者から相談を受けた際は、保護者の気持ちを受け止めて、担任、主任、園長と情報を共有して迅速に対応し、返答するよう体制を整えています。子どもの様子の変化や、家庭の状況により見守りが必要とされる場合は、記録を残す他、専門機関、関係機関との連携、ミーティング等で職員間の情報の共有等、「報・連・相」の体制を取っています。また、相談内容によっては、園長の助言や一緒に立ち会って話を聞く等、保育者が一人で抱え込まないように支援しています。プライバシーに配慮した面談環境も整備して相談しやすい環境を提供しています。利用者(保護者)アンケートでも、職員の良い対応、安心して預けられる点等、多くの意見が寄せられており高評価を得ています。また、「相談ごとへの対応」では概ね十分を含めて、95%と高い値を示しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

「虐待防止マニュアル」を基本に家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。登園時の視診、子どもの様子、親子の様子、表情や会話、保育中は着替えによる身体の異変、または食事の様子等を確認して、不審なケガやあざ、行動等が発見された場合には、園長、主任に報告しています。虐待が明らかになった場合は、区こども家庭支援課または児童相談所、必要であれば警察等に通告・連絡の体制を整えています。見守りの必要な家庭には、保護者の言動や子どもの様子、身なり等を観察し、不適切な養育状況が未然に防げるよう注意して職員共通で理解しています。職員は事例検討会、虐待防止研修に参加して研鑽し対応策に取組んでいます。発見時の対応フローもあり、スキームが明確になっていることで職員が迷わない対応が可能になっています。今後は、指導の状況に変化の見られない保護者との面談、家庭の様子を把握し支援する取組等、保護者の気持ちを受け止め、心の安定を図れるように期待しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

当園では、自己評価表及び目標管理シートを活用した面談を実施して保育の質の維持・向上に努めています。職員は、保育に関する各指導計画は毎月クラス内で反省・振り返りを行い、見直しがされています。また、「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用して、毎年、保育の振り返りを行っています。園長との面談では目標の設定と振り返り、必要なスキルを中心に振り返りをしています。園の自己評価は園長が作成し、職員に公表しています。全体的な振り返りについては年度末に行い、職員会議で報告し課題化して次年度の「年間指導計画」や「月間指導計画」に生かしています。クラスの子どもの心身の育ちについても取り上げ、職員間で共有し、適切な援助にもつなげています。面談をすることで本人の振り返りと頑張るところが明確になることでキャリアパスも明確になっています。