社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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なかじま保育園

2022年05月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 なかじま保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 19(15名) 名
所在地 210-0806
川崎市川崎区中島1-4-2
TEL 044-223-6721 ホームページ https://www.majima-fukushikai.in/facilitv/nakajimans
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2016年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人馬島福祉会
職員数
常勤職員:7 名
非常勤職員:6 名
専門職員
保育士:9 名
看護師:1 名
保育補助:1 名
事務員:1 名
施設・設備の概要
保育室:3
トイレ:2
調理室:1
事務室:1
園庭:なし

③ 理念・基本方針
保育理念
・0歳児からの道徳心を理念に、人として守るべき行いの大切さや思いやりの心を育てる保育を目指します。

保育方針
・個々に寄り添った保育を行い探求心を満たし、表現する力や感性を育てていきます。
・いろいろな人との関わりの中で、人と関わる楽しさや思いやりの心、自主性・協調性などを育てていきます。
・食べ物に興味や関心が持てる子どもを目指し、年齢に適した食育活動をしていきます。

保育目標
・心身共に健康な子ども
・思いやりの心を持った子ども
・自分を表現できる子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・小規模保育園ならではの家庭的な保育

・同法人内での異年齢交流(老人ホーム訪問)

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/12/15(契約日) ~2022/04/21(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)子ども一人ひとりに全職員で寄り添う保育
保育方針にもとづき、全職員で、一人ひとりに寄り添う保育を実践しています。職員会議や昼礼で情報を共有するほか、日常的に連絡や連携を取り合っています。常勤職員だけでなく、看護師をはじめとする非常勤職員や外部委託業者の調理職員も個々の子どもの発育、発達の様子や活動の様子などを適確に把握し、一人ひとりに向き合っています。協力しあいながら、保育環境や活動内容の見直し、食育、手作りおもちゃなどに積極的に取り組んでいます。子どもが健やかな心と体で安心して過ごし、一人ひとりが主体的に活動できるようにしています。

2)保護者と共にある保育
保護者一人ひとりとの対話を大切にしています。手書きにこだわった連絡帳は保護者に必ず手渡ししながら、子どものその日のエピソードや活動内容を直接伝えています。事務室や調理室にいつでも立ち寄って話や相談などがしやすいような雰囲気づくりを心がけ、職員はクラスに関わらず全員の保護者に声かけしています。全職員で子どもに関わっていることで保護者の安心感が得られるようにしています。日常会話や普段の様子から保護者の意向や気持ちを汲み取るように心がけています。保護者に寄り添い、一緒に考え、子どもの成長を共に喜べるような関りを持っています。

3)保育活動を広げる工夫
園の近くにはさまざまな公園があり、積極的に出かけて子どもたちは楽しく身体を動かしています。0歳児クラスはどの職員とも関係性が築けるよう、中心に関わる職員を3ヶ月を目安に替えるようにしています。1、2歳児クラスは、子どもの自我の育ちを受けとめ、その気持ちを引き出すこと、環境を整えることを工夫しています。コロナ禍で休止中ですが、散歩途中にある高齢者通所施設の利用者との交流、同法人が運営する高齢者施設との定期的な交流、他園交流などの機会を設けています。絵本の読み聞かせボランティアの来訪もあり、子どもの生活と遊びが豊かに展開されるようにしています。
改善を求められる点 1)マニュアルの整備と活用
業務の標準化のための保育に必要な各種マニュアル類について未整備なものがあります。マニュアルにもとづいた適切な対応をするための読み合わせを含む園内研修や訓練についても不十分な面があります。PDCAサイクルを参考に標準的な実施方法について継続的に行えるよう、さらなる仕組み作りの検討が期待されます。

2)保育所の自己評価
年1回、職員個人の自己評価をし、振り返りをしていますが、個々の評価までとなり、互いの学び合いや意識の向上につなげるまでに至っていません。職員の自己評価結果から明らかになった課題をまとめたり、保護者アンケートの結果を反映したりしながら園全体の自己評価をし、併せて公表することも期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回、初めて第三者評価を受けてみて保護者の方からは肯定的な意見があったことを嬉しく思うと共に継続していかなくてはいけないなと思いました。
小規模保育園ということもあり、在園期間が短いこともあるのか?保護者からの意見が少なかったのでもっと保護者とのかかわりを密にしていき、意見を聞いてみたいと思いました。
 今まで保育者から意見の聞き取りをしていたつもりでいたが、文章にしてもらったことで職員の考えなども見えてきたので今後も職員からの聞き取り方法として取り入れていきたいと思います。
 評価委員の方からも保育園がより良くなるためのアドバイスをいただいているので、職員同士で連携をとりながら更なる発展を目指していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念・保育方針・保育目標があり、ホームページ、パンフレット、入園のしおりなどに記載されています。保育理念は「0歳児からの道徳保育を理念に、人として守るべき行いの大切さや思いやりの心を育てる保育を目指します」で、園の考え方を読み取ることができます。職員には会議の中で確認したり、職員自ら意識付けをしたりして、実践につながるようにしています。保護者にはパンフレットを用いた園見学の段階から説明しています。現児童数15名の小規模園なので保護者との距離も近く、理念の周知がしやすい環境があります。今後も理念・方針の周知に向けた取組の継続が望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業全体の動向については法人が主に行い、法人の方針にもとづいて園運営を行っています。園周辺の動向は定期的な地域の廃品回収協力時に把握に努めています。今後の福祉に対する需要の動向、子どもの数・保護者像の変化、保育ニーズ、潜在的利用者に関するデータの収集・分析等は法人と連携しています。毎月空き人数を区に報告し、入園の受け入れをしています。今後も事業経営を取り巻く環境と経営状況の的確な把握・分析の継続が望まれます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人が収集・分析した事業所運営に影響のある重要な情報や課題は、法人園長会の中で園長に示されています。その後、運営に必要性のある内容に関しては職員会議などで報告し、重点改善課題として設定されていく体制がありますが、全職員にさらに周知していく必要があると園長は考えています。周知の継続が望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中長期計画及び収支計画の策定が確認できなかったため、C評価になります。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の事業計画の策定はありますが、中長期計画策定の確認ができなかったため、C評価となります。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

園の事業計画は、経営に関する事項については職員間での検討が難しい場合があるため、法人と相談をしながら園長が策定をしています。進捗状況は毎週法人に報告をしています。保育内容については、指導計画作成、行事の計画、職員の自己評価等、PDCAサイクルで取り組んでいます。中長期計画策定後はそれと連動することが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

園の事業計画の主な内容や目的は、懇談会で保護者に説明をしています。今年度はコロナ禍のため懇談会は開催せず、議事録を配付して知らせています。保育に関することは入園のしおりや重要事項説明書で説明しており、計画に変更が生じた際は、その都度お知らせを配付しています。事業計画の内容を分かりやすく説明をする工夫に関しては今後も検討し、周知・理解につなげていくことが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画、指導計画作成、行事の計画、職員の自己評価等、全て保育の質の向上に向け、PDCAサイクルで取り組んでいます。年間指導計画、月間指導計画に自己評価欄、週日案・日誌に反省欄があり、日々の保育から自らを評価していく体制があります。職員の自己評価などの結果から明らかになった課題を園としての課題とし、改善や専門性の向上に取り組んでいます。第三者評価は今年度初受審しています。保育の質の向上に向け、組織的に検討する場や時間の確保のさらなる工夫が必要であると考えています。取組の継続が望まれます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

改善計画は、進捗状況の評価に応じて進め方の見直しをしています。長引くコロナ禍により、行事をはじめ、園運営の一つひとつを職員と見直し、何を大切にすべきか最善を見つけながら進めています。さらなるサービスの質の向上のための第三者評価受審の自己評価は予定通り取り組んでいます。第三者評価結果は公表する予定です。今後は、保育所の自己評価をし、その評価結果にもとづいて園として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策の実施につなげていくことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、園をリードする立場として日頃から全体把握に努めているほか、会議などを利用し、園長が大事に考えている子ども中心の、一人ひとりに対する丁寧な保育について全職員に伝えています。園長自らの役割と責任については「運営規定」に明記され、玄関に常置していますが、平常時のみならず、園長が不在時の役割と責任について明確化することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は園をリードする立場として社会的ルールや倫理等、遵守するための幅広い分野の法令について十分な理解をしています。園の取引事業者を決める場合には法人とともに複数業者から見積もりをとっています。環境に配慮した取組については、地域の廃品回収の協力をはじめ、省エネルギーやエコロジーなどについて職員に周知し、取り組んでいます。園長は自ら学んだことを園内研修や会議の場で職員に周知し、不適切な対応がないよう働きかけをしています。報道された不適切事案等についても話し合いの題材としてさらなる意識の啓発を促しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は積極的に保育現場に入り、日誌や月間指導計画の振り返りを通して、保育の現状について把握をしています。また、会議では気づいたことを伝え、保育のアドバイスや提案等を行ったり、職員からの意見・提案を聞いています。さらに保育の質の向上に向け、組織の中で望まれる役割を担える人材の確保・育成、経験を高め、役割を果たせるように指導しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は法人とともに経営状況やコストバランスの分析にもとづいて、園としての将来や経営資源の有効活用などを常に考えて運営を行っています。園長はクラスの様子、本人の希望、全体のバランスなどを考慮して毎年の組織体制作りをしています。また、会議で課題や改善に向けた方向性を示し、業務の効率化、事務(記録)時間の確保、休憩のとり方など働きやすい環境づくりに取り組むことで組織内に同様の意識が形成されるようにしています。ICT化に向け、現在法人で検討を行っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

保育理念、保育方針の実現に向け、「子どもたちのあるがままを受け止め、認めながら関わりをもち」「保護者の方と共に育て、成長していく喜びを共感しあう」ことができる人材の確保と育成に努めています。園運営に必要な配置基準に沿って、人員配置をしています。職員の経験、勤務体制、希望などを考慮てし配置しています。法人の人事採用担当部門で、専門職の採用活動を行っていますが、保育士の確保に関しては、厳しい状況が続いています。園および法人として、将来の施設運営の中核を担う次世代の育成を課題ととらえています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像は、入園のしおり、重要事項説明書、法人ホームページに記載しています。人事基準や処遇改善の仕組み等は、給与規程に定め、職員に周知しています。職員の意向や意見の把握を行っており、職員が長く勤務できるよう法人もバックアップする体制としています。具体的な階層別の期待水準等を設けるなど、職員が将来の姿を描けるような仕組み作りが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況、時間外労働、有給取得等は毎月、園長、事務担当職員が把握し、法人に報告しています。園長・主任は、職員の心身状況、事情等を把握しています。常に園長・主任に何でも話せるようにし、まめに声かけをしています。ワーク・ライフ・バランスに配慮し、シフト編成の工夫や、介護、通院などの配慮をしています。働きやすい職場作りに取り組んでいますが、人員体制や、休憩室の確保など課題もあるとしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりは、園長と個別面談を年2回、10月と年度末に行っています。職員の立てた目標について、OJTや研修参加などを活用し、専門性や技術についての振り返りを行っています。職員一人ひとりの目標設定、項目、水準、目標期限などを具体的に記載した書式は策定されていません。個々の目標や、振り返り、達成の確認ができるような仕組み作りが期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像は、入園のしおり、重要事項説明書、法人ホームページに記載しています。保育所が職員に必要とされる専門技術、専門資格は、重要事項説明書、運営規程に明記しています。キャリアパスや外部の研修受講を職員に勧めています。職員会議の中で、保育内容に必要な分野について確認していますが、外部研修や内部研修の研修計画策定には至っていません。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

園長は、日常の保育業務、指導計画の振り返り欄、面談内容などから、職員の知識や技術水準などを把握しています。園では、個別に園長や主任、クラスリーダーがOJTを行っています。外部研修については、コロナ禍のため、Web会議システム利用などで参加の工夫をしています。人員体制上、外部研修の参加が十分とは言えない状況です。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

実習生の受け入れ施設となっていないため、受け入れはしていません。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

川崎市ホームページ、法人ホームページ、パンフレット、WAMNET「ここdeサーチ」に、保育所の理念、基本方針、保育目標、1日の生活の流れ等を記載しています。玄関に、重要事項説明書、予算・決算のファイルを設置しています。法人の現況、経営状況はWAMNET財務諸表等電子開示システム上で確認できます。地域に向けては、町内会の活動に参加する折や、高齢者施設、連携している保育園との交流時、法人発行のお便りなどで園の役割などを発信しています。地域の福祉向上のための取組は十分実施できていません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務、経理、取引等に関するルールは、経理規程に明記していますが、一部の職員の周知にとどまっています。事務、経理処理は事務担当者が行い、園長が管理しています。毎月、事務手続き、経理処理について法人に報告し、法人内で定期的なチェックが行われています。法人で年2回の監査があり、監査報告書を作成しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関わり方について、しおり、重要事項説明書、事業計画、全体的な計画に文書化しています。保護者に、近隣の公立保育園で実施している子育て支援事業の内容を伝えています。地域の子育て拠点や子育て支援グループ紹介、活動予定などが掲載された冊子、地域の行事、催事のちらしを玄関ホールに置いています。近隣の連携園(藤崎保育園)や、高齢者施設と定期的な交流をしています。現在、コロナ禍で機会は減っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

毎月の誕生会に、地域の絵本読み聞かせボランティアグループに絵本の読み聞かせをしてもらっています。現在コロナ禍で機会は減っています。ボランティア受け入れの体制はありますが、受け入れについてや学校教育への協力についての基本姿勢を明文化したものが確認できませんでした。ボランティアに関するマニュアルは作成していません。今後、マニュアルの整備が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

子ども、保護者の状況に対応できる医療機関のリストがあり、事務室に掲示しています。医療機関以外の行政、教育機関、町内会、児童相談所などは園長が把握および連絡窓口となっており、職員への周知はしていません。川崎区の園長会議、法人の3保育園園長会議、系列高齢者施設の運営推進会議などに出席し、地域の実情、課題などについて情報共有をしています。法人、系列保育園や、区役所の保健師とは、常時連携をとっています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の3保育園園長会議や、法人本部からの情報、系列高齢者施設運営推進会議出席、町内会とのつながり、見学者からの質問や相談内容などから、地域の具体的なニーズ把握に努めています。地域の特徴や課題等は把握していますが、具体的な福祉ニーズ把握は、まだ不十分であると園長は考えています。保育所のもつ機能を地域へ還元する機会は作りにくい状況です。今後の検討が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業計画に、地域に向けた活動を記載しています。法人系列園の高齢者施設と連携し、地域の福祉の向上を目指しています。町内会と連携をとり、町の美化、整備やリサイクルへの意識向上および、地域との関係作りに貢献しています。保育所の機能を生かした地域住民向けの講演会や講座、事業などは実施できていません。小規模園のため、住民の安全・安心のための支援の取組は整っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育理念、保育方針、保育目標に子どもを尊重した保育の実施について明示しています。子どもを尊重する姿勢は、しおり、重要事項説明書、運営規程、各マニュアル、各指導計画に明示しています。子ども一人ひとりに寄り添い、子ども主体の保育を心がけています。子どもの人権、生活習慣の違いなど、お互いに尊重し合い、理解しあえるように職員会議等で確認しています。基本的人権への配慮などについての研修や、話し合いの機会は持てませんでした。さらに学びが深まることが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

園児写真使用及びビデオ撮影についての、文書(同意書)があります。プライバシー保護についてのマニュアルは策定していません。策定が期待されます。保育では、おむつ替えは保育室内で行わず、別室の沐浴室にあるおむつ替え台あるいは、マットを敷いた場所で行っています。夏の水遊びの着替えや、日中の着替え時は、外から見えないようにカーテンを引くなどしています。子どもの気持ちやプライバシーに配慮した保育を行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

園の情報は、川崎市ホームページ、法人ホームページ、WAMNET「ここdeサーチ」に掲載しています。法人のおたよりに、園紹介を載せています。法人ホームページでは、1日の流れや、保育活動の写真などを分かりやすく掲載しています。またスタッフブログで活動内容を紹介しています。パンフレットは見学希望者に限り配付しています。さらなるPRが期待されます。見学希望者は、午前、午後のどちらかの時間帯を選んでもらっています。園長が対応し、丁寧に園の特徴や、子どもとの関わりを手厚くしていることなどを説明しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園前の説明会で、入園のしおり、重要事項説明書をもとに丁寧に説明しています。説明後に、「特定地域型保育の提供の開始について」の同意書にサインをしてもらっています。説明会と同じ日に個人面談を実施しています。事前に記入してもらった生活記録、食材チェック表、生活時間調べをもとに、保護者の意向や子どもの状況などを確認しています。特に配慮が必要な保護者へは、個別に丁寧に説明し、伝え方の工夫等行っていますが、ルール化はしていません。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

入園のしおり、重要事項説明書に、個人情報使用について明記しています。保育所の変更にあたり、連携保育園との継続性に配慮しています。毎月の身長、体重測定は自園で行いますが、健診は連携保育園で行うほか、定期的に交流するようにしています。保育所の利用を終了した後も、いつでも相談などを受け付ける体制はありますが、文書にはしていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の子どもの様子や表情、反応、態度、活動に取り組む姿などから子どもの満足度を把握するように努めています。保護者には、行事後アンケート、連絡帳、懇談会、送迎時の会話などから利用者満足を把握しています。利用者満足に関しての分析と検討は園長が担当しています。職員会議や昼ミーティングで、保護者の意向や要望など職員に伝えていますが、職員は十分な取組とは考えていません。行事の企画や実施方法などの見直しを行い、次の機会に反映できるようにしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制(苦情解決責任者、苦情受付担当者の設置、第三者委員2名)が整備されています。入園のしおりに苦情解決について記載しています。園内に、苦情解決の受け付け、担当者名、連絡先を掲示しています。玄関ホールに意見箱を置いています。保護者からの苦情・要望があった場合は、職員間で共有し、対応策を協議して、解決内容をフィードバックしたり、おたより、掲示で内容を伝える場合もあります。迅速な対応をしていますが、記録としてファイルにまとめたものはありません。データとして蓄積・整理し、今後に生かしていくことが期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

掲示している苦情受け付け案内に「どんな小さなことでも気になることがあれば電話下さい」と記載し、相談や意見が述べやすいようにしています。玄関ホールに、川崎市人権オンブスパーソンのポスターや、地域の子育て支援団体、助産院などの相談受付窓口を紹介した冊子やパンフレットを置いていますが保護者への周知は、十分行えていないとしています。事務室の扉はいつも開けて置き、だれでも園長と話ができる状況にしています。相談や話を聞くスペースは、子どもが散歩に出ている時間帯で、事務室の扉を閉めて利用しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

懇談会、個人面談、意見箱設置、連絡帳、行事アンケート、日常の会話から保護者の意見などを把握しています。事務室の扉はいつも開けて置き、毎日保護者と言葉を交わしたり、気楽に事務室に立ち寄れるようにしています。日常的に積極的に声をかけたり、保護者の様子からさりげなく話しかけるなどし、保護者の気持ちに寄り添うことに努めています。相談を受けた場合のマニュアルは策定していません。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

ケガや事故があった場合のほか、事故報告書作成までに至らないケガ、ヒヤリハットについても会議で職員に周知し、再発防止策、今後の取り組み方などを検討しています。法人にはリスクマネジメント委員会がありますが、園としてはマニュアルの読み合わせ、乳幼児突然死症候群、救急蘇生法、不審者対応訓練など園内研修や訓練等を通し、リスクマネジメント体制をさらに構築していくことが期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

毎日の手洗い、うがい、換気、消毒など園長の指示の下、感染予防をしています。保護者には入園時に感染症罹患時の登園禁止期間や登園時の医師による「意見書」や、保護者記入の「登園届」の提出が必要なことを保護者に説明しています。園内で感染症が発生した場合は、感染症名、クラス、発症人数を掲示して情報提供しています。今後はマニュアルを作成し、それにもとづく職員の適切な対応に注力することが期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

地震・火災・風水害等幅広く災害を想定した防災訓練を毎月実施しています。災害時には情報提供用アプリケーション配信、災害伝言ダイヤル171、貼り紙を利用して安否確認を行い、安否確認方法については職員、保護者に周知しています。非常食は3日分程度を備蓄しています。法人内の高齢者施設との関係から民生委員とつながりがあるほか、法人内の協力を得る体制があります。今後は、マニュアルを作成し、それにもとづく職員の適切な対応に注力することが期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育理念・方針・目標を、保育に関する標準的な実施方法としています。具体的な方法については「全体的な計画」「年間指導計画」「月間指導計画」「個別指導計画」「週日案」にもとづいています。日常の保育は園長が積極的に現場に入って指示を出しています。しかし、業務の標準化のための各種マニュアル類については未整備なものもあります。マニュアルにもとづいた適切な対応ができるための読み合わせを含む園内研修や訓練についても不十分な面があります。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の内容の見直しについてはPDCAサイクル(計画の作成→実施→評価→見直し)で検討し、改善内容が園の理念に沿った環境設定・方針なのか、また、子どもの姿と保育や環境がふさわしいかなど職員会議で話し合っています。保護者の、意見箱、懇談会、個別面談、アンケートなどから寄せられた意向や意見を計画に反映するようにしています。PDCAサイクルを参考に標準的な実施方法について継続的に行えるよう、さらなる仕組み作りの検討が期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

子どもの適切なアセスメントを行うにあたり、入園時の提出書類及び入園前の面談で子どもの保育に必要な個別事情や保護者の意向を記録・把握し、全園児個別の指導計画の中で明示しています。全体的な計画は毎年見直しや確認を行い、その後の養護と教育の各領域を考慮した年間指導計画、月間指導計画につなげています。全職員で子どもの姿を共有し、個別カンファレンスを行いながら保育を提供しています。支援困難ケースについても会議で情報を共有し、担任だけでなく、園長をはじめさまざまな職員の意見を取り入れながら保育を提供しています。     

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

月間指導計画は毎月、年間指導計画は4期の期ごとに振り返りと評価をし、見直しています。入園時の提出書類及び入園前の面談で子どもの保育に必要な個別事情や保護者の意向を記録し、把握しています。入園後は連絡帳、日頃の会話、個別面談等で把握していきます。子どもの発達や活動の様子の状況把握を常に行い、今の子どもの育ちや保育の質の向上に結び付くようにしています。職員はその日の子どもの姿や興味に応じて、柔軟な保育を展開させ、自己の保育実践の振り返り・評価を指導計画に記載し、気づきや課題を次期計画に反映させています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

全園児個別指導計画があり、日誌・個別連絡帳・クラスの月間指導計画等で子どもの姿や職員の援助内容が確認できます。記録については記録内容や書き方に差異が生じないよう、保育の実施状況だけでなく、個人記録から子どもの育ちにどうつなげていくかについても記録するよう、園長や先輩格の職員が指導しています。小規模保育所のため、全職員が子どもを把握しています。情報共有を目的とした会議は、日々の昼礼、毎月の職員会議、給食会議があります。ICT化については現在法人が検討しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

子どもの記録等個人情報に関するものは全て事務所の鍵のかかる書庫に保管管理をしています。保存や廃棄については法人の規定があり、書類ごとの期間に従って適正に扱っています。記録管理の責任者は園長です。個人情報保護規定があり、職員は入職時に誓約書を交わし、理解・遵守していますが、理解を深めるための定期的な教育や研修には至っていません。個人情報の取り扱いについて入園時に保護者に説明し、署名・捺印を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

児童憲章、保育所保育指針を踏まえながら、法人の理念、園独自の方針・目標、子どもの発達や生活の連続性を十分に考慮し、子どもの健全な育ちを中心にその土台になる全体的な計画を作成しています。全体的な計画は、保育理念・方針・保育目標にもとづいたものとなっています。2018年の保育所保育指針の改訂により、現在の様式に変更をしています。各種改定にも沿った内容になるよう、毎年度末に常勤職員と一部の非常勤職員により見直しを行い、次年度の指導計画作成に生かしています。しかし、乳児期の育ちに関する3つの視点、幼児期の終わりまでに育ってほしい10項目、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態などの考慮を計画に反映することに関しては今後の検討としています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備するため、清掃専門の職員を配置し、日々の清掃で清潔な状態を保っています。安全点検のほか、消毒と換気は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から特に注意を払っています。職員の声(大きさ、トーンなど)、音楽の音量なども大切な環境と考え、意識をしています。近隣の工事の音などが気になる場合には、午睡時間中の音の配慮を直接お願いしするなど対策をしています。オープンフロアでの保育ですが、活動・食事と午睡の場所を分けるなど、限られたスペースを工夫しながら使うようにしています。午睡用布団は業者委託でシーツ・おねしょマットは毎週洗濯をしているほか、定期的な布団の洗濯もしています。トイレの窓を開けるほか、換気扇で換気をしています。0歳児クラスの手洗い設備は子ども仕様になっておらず、踏み台を使用していますが、使いやすさへの課題があります。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時に保護者に提出してもらう児童調査票・健康記録表・生活時間調べや入園時の個別面談からの情報、入園後の子どもと職員の関わり、観察などから子どもを把握し、十分に尊重しています。保育方針の中に「個々に寄り添った保育を行い・・・」があり、職員はそれを理解し、子どもの気持ちや欲求を受け止めています。子どもの気持ちに寄り添い、共感したり思いを代弁したりしています。子どもの気持ちが表せるよう待つ姿勢も持っています。職員は個々の発達に合わせた言葉を選び、あたたかい声かけをしています。職員は保育者としての関わり方、動き方を常に意識しており、せかす言葉や制止させる言葉を不必要に用いないようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

挨拶、姿勢、食事、排泄、着脱、衛生など、基本的な生活習慣が身につくよう年齢や発達に合った援助をしています。箸は2歳後半くらいを目安にしていますが、個別に対応しています。子どもが達成感を味わえるよう、援助をするときはさり気なく行うようにしています。月齢の低い0歳児の午前寝、夕寝をはじめ、活動・休息は静と動のバランスや子どもの状態により組み合わせています。基本的な生活習慣を身につけることの大切さについては、さまざまな場面で2歳児クラスまでの子どもにもわかりやすく話しています。経験していくことが大事であることを園長は職員に繰り返し話しています。また、保護者には園で行っていることを伝えたり、アドバイスをしたり、配付物なども利用してお知らせしたり、家庭と連携して進めていけるようにしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

午前の保育内容は外遊びを中心とし、積極的に屋外へ出かけています。園庭はありませんが、近くにはさまざまな公園があります。活動の前には職員からルールや約束ごとを伝え、子どもたちは思い思いに身体を動かし、好きな遊びを楽しみ、公園の植栽(樹木・草花など)から季節を感じ取っています。子どもの表現活動のための制作、歌、手遊び、わらべ歌、感触遊びなどをしています。節分には職員が鬼役になり子どもたちの前に現れ、豆まきをしています。コロナ禍で休止中ですが、散歩途中にある高齢者通所施設の利用者との交流、同法人高齢者施設との定期的な交流、他園交流などの機会を設けています。電車を見に行くこともあり、子どもの生活と遊びが豊かに展開されるようにしています。子どもが主体的に関われる環境について、コーナー作りを中心にさらなる充実を検討しています。取組が期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

衛生面に配慮をしながら、乳児の発達や興味関心に合わせ、生活環境を整えています。月齢や時期で環境設定を変えています。子どもの表情や様子、発する声などを大切にし、柔らかな表情で穏やかな言葉をかけながら応答的に関わっています。スキンシップを十分にし、丁寧な関わりから愛着関係をつくり、子どもが安心して過ごせるようにしています。また、どの職員とも関係性が築けるよう、中心に関わる職員を3ヶ月を目安に替えるようにしています。廊下でカタカタ遊びをしたり、階段をハイハイで上ったり、遊びの工夫をしています。保護者には情報提供用のアプリケーションを活用していますが、個別の連絡帳は手書きにこだわり、丁寧なやりとりを心がけています。送迎時にも子どもの様子を伝えて保護者と信頼関係を築き、24時間の生活リズムを整えられるように連携しています。今後も環境設定や年齢・発達に合った保育の提供の継続が望まれます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

1、2歳児はパーテーションで区切られ、縦割り保育をしています。子ども一人ひとりの体調や発達について職員間で随時話し合っています。子ども一人ひとりとの関わりを大切に、必要に応じて個別の対応をしています。1、2歳児の育ちに合わせ、子どもと関わる時は、さりげなく援助しながら、できた時は十分に褒めて自信や意欲につなげています。甘えたい気持ちも尊重しています。子どもの自我の育ちを受けとめ、その気持ちを引き出すこと、環境を整えることを工夫しています。職員が一緒に遊んだり見守ったりしながら、友だちへの興味を大切にし、相手の気持ちに気づくように、職員が代弁することもしています。不要なトラブルを防ぐため、おもちゃの種類よりも同じおもちゃの数を増やすこともしています。個別の連絡帳、送迎時のやりとりなど一人ひとりの体調や様子について保護者と連絡を取り合い、家庭との連携を深めています。1、2歳児の年齢・発達に合った保育の今後のさらなる配慮が望まれます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳児の受け入れのため3歳児以上への取組はありません。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

2歳児クラスまでの低年齢児を受け入れる保育所ということもあり、身体的障がいに配慮できる造りにはなっていません。全園児個別指導計画を作成しており、必要に応じて、クラスの指導計画と関連付けた障害のある子どもの状況や発達過程に合わせた個別指導計画を作成しています。個別指導計画をもとに配慮事項を意識し会議で話し合い、全職員で情報共有しています。障害のある子どもの家庭とは連携を密にし、関わり方や対応について伝えあい、保護者の不安にも寄り添うようにしています。状況に応じて、園と保健師による個別支援会議で相談や助言を受けることもできますが、障害と判断するには年齢が低いこともあり、診断がない場合など保護者との連携も難しさがあります。今後障害のある子どもや障害が疑われる子どもの受け入れがある際は、保護者への情報提供も含め、適切な対応や援助の継続が望まれます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園の開園時間は7時~20時です。それぞれの子どもの在園時間や家庭での生活リズムを考慮して、安心して過ごせるようにしています。配慮が必要な子ども、その日の体調や機嫌が良くない場合など職員がゆったりと関わるようにしています。朝おやつは全員牛乳を提供しています。保育時間と保護者との契約によっては夕食に響かない程度の補食の提供が可能です。適宜水分補給ができるよう、保育室にお茶を用意しています。子どもの状態について申し送り表を使用し、口頭でも職員間で情報を引き継いでいます。保護者に子どもに関する伝達が十分に行われるよう、申し送り表を使用しています。子どもの在園時間を考慮した取組を行っていますが、十分でない部分についてはさらに機能していくような取組が望まれます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

0~2歳児の受け入れのため小学校との連携や就学を意識した取組は進めていません。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

川崎市の健康管理マニュアルを利用しています。健康状態は毎朝の保護者からの聞き取り、連絡帳確認、昼礼での報告などで把握しています。看護師が毎日、クラスを回り、確認しています。子どもの体調悪化時は、看護師が確認し、保護者に連絡や、お迎えをお願いし、翌朝は様子や経過などを確認しています。各指導計画の中に、保健計画を入れ、期ごとに見直しをしています。既往症、予防接種は、連絡帳に「健康の記録」があり、保護者に記入してもらったものを児童票に追記しています。健康に関する方針等を入園説明会や懇談会で、保育の中での取組は、園だより、ほけんだよりなどで伝えています。乳幼児突然死症候群について、職員会議などで職員間で確認しあっています。午睡時に呼吸チェックを行い記録に残しています。保護者に対して、乳幼児突然死症候群についての説明や、注意喚起は行っていません。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断は0、1歳児クラスは年6回、2歳児クラスは年3回実施しています。健診の結果は、連絡帳に入れてある「健康の記録」に記載し、口頭でも伝えています。歯科健診は年1回実施し、結果は、書面で渡しています。身長・体重測定は毎月自園で行っています。歯磨き指導は、例年2歳児クラスで年明けから行っていますが、現在はコロナ禍で中止しています。健康診断や歯科健診で、個別に説明することがあれば看護師が口頭で説明しています。保健計画の見直しや、感染症などの発生状況、健診結果を参考にして、手洗い指導、着るものの調整ができるようにするなど、保育に反映させています。現在は、新型コロナ感染症予防対策として消毒・清掃の徹底、園訪問者への手指消毒、体温測定などに配慮しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギー疾患については、かかりつけ医の判断にもとづき対応し、食物アレルギーは、保護者、調理担当職員、看護師、担任と連携をとり対応しています。除去食提供時は、職員が調理室に取りに行き、調理担当職員と確認して、保育室に戻った時に、他の職員と再度チェックを行います。個別トレイを使用し、食事にはラップをかけ、除去食以外の物が混入しないよう注意を払っています。食事をする場所を決め、食事中は職員が近くで見守るようにしています。アレルギー疾患、食物アレルギーなどについては看護師から、職員に伝えています。エピペンの使い方などの実習は、以前行っていましたが対象となる事例がないため、現在実施していません。アレルギー疾患、慢性疾患について、常に意識を持つことが大切であると園長は考えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

保育計画に、食育の欄を設けています。年齢に応じて、野菜に触れたり、栽培をしたり、収穫したものを食べるなどし、食材に興味が持てるようにしています。食事は机を配置し、友だちと一緒に食事しています。職員はマナーを伝えたり、年齢に応じて援助したり、皆で楽しく食べられるようにしています。食器は陶器で、皿は、スプーンですくいやすい形状のものを使用しています。少食の子どもには、盛り付け量を少なくし、お替りできるようにして完食した喜びが味わえるようにしています。0~2歳児までの園ですが、野菜もしっかり嚙み、食感も損なわないような大きさ、硬さで提供するようにしています。調理室は廊下の突き当りで保護者とも顔を合わせやすく、レシピ等の話をすることもあります。その日のメニューは、写真で玄関ホールに展示しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立は川崎市統一献立ですが、行事食、郷土料理、世界の料理のメニューがあります。行事食の盛り付けは、委託業者の調理担当職員が工夫し、楽しめるようにしています。また、子どもの喫食状況を見て回っています。料理の色どり、歯ざわりなども考慮し、調理方法の工夫をしています。給食会議では、子ども全員の様子を話し合い、調理担当者だけでなく、全職員がそれぞれの子どもの喫食状況や好みなどを把握しています。毎日同じ調理担当職員が勤務しており、全員の子どもの喫食状況やパターンを把握しているとともに、数日間の子どもの生活状況や、活動などを考慮し、味付けなどを工夫しています。食材は委託業者から毎日搬入され、調理担当者が衛生管理・食材管理をしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

登園時に職員が保護者から家庭での子どもの様子を聞いています。降園時に、園でのその日の様子やエピソードを伝えています。全員、連絡帳(0歳児は複写式)を活用し、日々の様子、活動内容、家庭での様子を保護者とやり取りしています。連絡帳を手渡しして保護者と向かい合って話をし、一緒に子どもの姿を共有することが大切であると園では考えています。保育の意図や保育内容について園だよりや懇談会、行事案内などで伝えています。保護者参加の園行事や保育参加の際に子どもの成長を共有できる機会となっています。保育参加では、子どもに気付かれないような姿(帽子、マスク、サングラスなど)でクラスに入り、他の子どもと交流したり、保育園での子どもの姿、様子などを見ることができる機会を作っています。自分の子どもも含め、クラスの子どもたちの成長を感じられる機会となっています。年度末の懇談会では、クラスの活動の様子をビデオで上映しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは、日ごろからコミュニケーションをとるように努めています。少人数の園なので、保護者がどの職員とも、気軽に話せる雰囲気を大切にしています。保護者からの相談や面談はいつでも受け付けています。日ごろ接している保護者の様子などから、言葉かけを工夫したり、日常の会話を通して保護者の気持ちや悩みを一緒に考えていけるように努めています。保護者から相談があった場合は、迅速に対応しています。昼礼等で、職員間で共有し、相談を受けた職員に園長・主任が助言したり、園長が保護者に対応する場合もあります。第三者評価利用者アンケートで「相談したり意見を言いやすい雰囲気か」「意見や要望などに、きちんと対応してくれるか」「送迎時や連絡帳などを通じ情報交換がされているか」の設問で、高い支持を得ています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待対応に関するマニュアルがあります。重要事項説明書、運営規程に、虐待防止や人権を尊重することを明記しています。登園時に、子どもの様子や親子のやり取りを観察したり、着替え時に身体状況をさりげなく確認し、家庭での養育の状況把握に努めています。虐待の疑いや、虐待が明らかになった場合は、川崎区児童家庭課、川崎市こども家庭センターと連携をとる体制としています。見守りや家庭支援が必要な場合は、保護者の心身状況を見ながら、気持ちに寄り添い、声掛けの工夫をしたり、ゆっくり話せるような機会を継続的に作れるようにしています。虐待や権利侵害について研修や職員同士の学びの機会がさらに必要と園長は考えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

子どもの最善の利益を一番に考えた指導計画を立て、保育とのつながりを見ながら子どもの発達段階や心の育ち・意欲・興味などをよく観察し、職員の支援・関りが適切であったかなどを確認しながら自己評価をしています。年間指導計画や月間指導計画は疑問点、改善点などを会議で互いに意見交換しています。日々の保育の記録は日誌で共有しています。その他、年1回職員個人の自己評価をし、振り返りをしていますが、個々の評価までとなり、互いの学び合いや意識の向上につなげるまでには至っていません。職員の自己評価結果から明らかになった課題をまとめたり、保護者アンケートの結果を課題とし、園全体の自己評価をしていくことが期待されます。