社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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なごみグループホーム ペニーレイン

2022年04月01日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 ㈱第三者評価機構神奈川評価調査室
評価対象事業所名 なごみグループホーム ペニーレイン
評価対象種別サービス 共同生活介護
設立年月日 2018年12月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人なごみ福祉会
③ 理念・基本方針 (1)理念
共に生き、共に育つ
 障がいの有無に関わらず地域であたりまえの生活を

(2)基本方針
1)わたしたちはすべての人の尊厳、生きる権利を重んじ、障がいや疾病を理由とした差別のない地域社会を目指す。
2)一人ひとりの多様な個性を認め合い、障がいの有無に関わらず共に生活ことを通して共に育つことを大切にする。
3)障がい児者が地域で安心して生活できるよう支援し、環境の整備に努力する。地域諸団体の行事への参加、地域の企業や商店街との結びつき等地域との連携に努力し、障がいを持った人たちの存在の認識を地域に広げる。
4)一人ひとりの特性、特技を生かす活動を通して、喜び、感動を共にする。共感する喜び達成する喜びを通して、信頼関係を築き自分への自信(自己肯定感)を育てる。
5)障害福祉の制度改革や障がい者の権利拡大のために、関係団体と連携し国自治体、地域に働きかけを行う。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 1)ひとりでは難しいことは職員が手伝い、それぞれの方に沿った自立を模索しながら、地域の中で暮らしていくことをサポートしている。
2)日帰りや1泊旅行を行っている(今年度コロナ禍のため延期中、昨年度は日帰りのみ実施)。案内板に掲示する等職員も盛り上げを図っており、聞き取りでは「楽しみにしている」と頻回声が」あがっている。
3) アレルギーや衛生・健康面に配慮した、調理担当者による手作りの夕食を提供している。
4) 体験入所を実施している(今年度コロナ禍のため、緊急時・入居前提の体験のみ実施)
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2021年09月15日
終了:2022年03月15日(評価結果確定日)
受審回数:1回(30年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 (1)同じ屋根の下に住んでいても一人ひとりの個別性を際立たせています
定員7名に対し7名の入居者が暮らしています(内1名は最近入所したばかり)。全員の聴き取りが可能でしたが、一般就労や趣味芸事、作業現場によって帰り時間がまちまちで、訪問前にそれぞれのシフトを確認して当日の聴き取り対象者をお願いした次第です。定員も多いことから、1階、2階ともにトイレ、浴室があり、同じ時間帯にかぶってもどちらかを利用できる住環境を整えています。とにかく若々しくはつらつとした利用者集団であるものの、それぞれが生活スタイルを確立させ自己アピールも上手なことから 個別性が際だっていて希望があれば将来的に一人暮らしも可能と思われる利用者もいます。                         

(2)情報が一元化され、サポートが速やかに実現しています
そもそもは職員数が不十分なための対策でしたが、管理者が6棟あるグループホームを統括、サービス管理責任者が一つひとつを巡回することで情報の一元化が成されています。管理者はサービス管理責任者からの昇格で利用者、家族、職員とも馴染みの関係にあり、現任のサービス管理責任者と職員の支えもあって、利用者や家族の希望や困りごとに速やかに対応することが叶い、内容によっては個別支援計画に反映させています。

(3)地域資源が豊富で、法人内の施設に隣接していることから安心、安全の環境にあります
ペニーレインは住宅街の一角にあり、スーパーマーケットやコンビニエンスストアも近く、利用者殆どが自ら電車に乗って買い物に出かけることができるため、最寄駅からも徒歩15分圏内は利便性が高いといえます。また同法人事業部の本体施設である多摩川あゆ工房が脇にあり、防災の観点やからもそちらにも避難可能となっていて、協力体制が敷かれていることで安心な環境にあります。
改善を求められる点 一般就労や趣味芸事、作業現場など外活動の充実により一人ひとりの表情は満たされてはいるものの、能力的には地域に戻ることも可能と目される人も多く、将来的に一人暮らしを希望している利用者や、在宅支援があれば一人暮らしも可能と思われる利用者への意思確認や環境設定などの洗い出しを進めるためにも、定期面談の計画と実施を期待します。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

「共に生き共に育つ」という理念の下、利用者本人にはできることは取組んでもらい、できないことはサポートするためには、職員への理念周知が要として、掲示のほか管理者が何かにつけ言葉に現すよう努めており、会議や研修会では必ず発するようにしています。職員全てが研修会などに出席しているわけではありませんが、理念を知らない職員はいないと管理者は自負しています。

◇課題と考えていること

現在職員数に余裕がなく、またコロナ禍も影響しており、外部の研修会への参加が難しいことを悩ましく思っています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

法人本部では社会福祉事業全体の動向について把握・分析をおこない、潜在的な利用者数などデータ収集を経て、外的経営環境を考察しています。それらの集約として収支の状況が管理者会議の場で共有されていますが、一般職員には口頭報告に留まっています。例えば調理スタッフの食材購買の予算は配分が予め告知され、内輪で収まるように工夫に取組んでいます。ただし、収支決算書は誰もが確認できます。

◇課題と考えていること

Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

昨年度の課題の内、完遂していないものや、今年度の取組について、年度はじめに整理しています。主には管理者ですが、適宜サービス管理責任者の意見も加え、事業計画を策定しています。その内容は職員には「事業計画」として示してはおらず、一つひとつの案件として全体会議で周知しています。

◇課題と考えていること

次の3点を課題と考えています。①職員の中には「事業計画」としての認識が薄い人もいる。②家族や利用者に説明ができていないこと。③年度途中で変更があった場合、職員に周知できていない。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

会議は、事業部単位での「①管理者会議」、事業所内の「②常勤会議」「③全体会議」と主なものが3つあり、全てに出席しているのが6つのグループホームを統括する管理者です。①は法人事業部内他事業所の状況把握・事業の進行具合の共有を目的に集会しています。②は6つのグループホームの課題や検討事項を協議する場です。③は②の結果報告とともに職員から意見を聞き、必要に応じて利用者への支援について話し合っています。福祉サービスの質の向上に向けた計画を事業計画に盛り込むとともに、3つの会議がマネジメントサイクルの役割を果たしていると管理者は捉え、議事録もそこを意識して作成しています。

◇課題と考えていること

会議録はPDFでアップして誰でも確認できるようにしていますが、6つのグループホームの中で4箇所の確認率が低く、当事業所はその内の1つです。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

管理者の中で事業所の方針は明確で、「寄り添い過ぎず、離れず過ぎず」は理念を現すものとしてよく言葉にしており、現在のサービス管理責任者との協力体制も堅固です。前任のサービス管理責任者だったこともあり、利用者と職員がリーダーとして認識して頼りとするのは第三者に見てとれます。また利用者と職員のやりとり場面に入り、助言や手伝いに入ることもあり、リーダーシップよりフォロワーシップを発揮している様子も受けとめられます。

◇課題と考えていること

サービス管理責任者であったときの業務スタイルがまだ残っていて、管理者としての立ち位置でないことがあることは、早期に人員を確保して解決したいと管理者は考えています
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

新入職員には、教本としてマニュアルがあります。OJTをシステムとして整備してはいませんが、先輩職員と新入職員とのシフトを組むなどして学ぶ機会をつくっています。また同法人の日中支援事業所が実習生の受け入れを定期でおこなっていて、当事業所にも学生の見学が1日設定されています。「現場を体験してもらうとともに、他の施設も見るよう勧めており、どういう道に進むのであれ、どういった方々がどのように生活しているのかを知ってもらいたい」という意識のもと指導にあたっており、取組は職員の刺激にもなっています。法人・後援会企画の内部研修は年1回以上あり、人員が充足していれば外部研修への参加を勧奨しています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

運営母体が社会福祉法人なことから(義務づけがある)、法人全体の決算情報、苦情・相談の体制はホームページ上で公開されています。さらに、利用者とその家族には入所契約を交わす折りに、理念とともに方針や役割を明示・説明しています。また法人内で組織の再編成があったことから、今年度より地域に向けた情報誌「夢花&せせらぎだより」が四半期発行され、活動状況を広く知らしめています。その他にも内部監査を通じて指摘事項に基づいた運営改善をおこなう仕組みもあります。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

自治会に加入していて、回覧板で地域情報を得ることができています。普段会う機会はないものの、ゴミ出しや買い物の帰路で出会う近所の皆さんとは挨拶を交わすことが叶っています。

◇課題と考えていること

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

尊重に係る内容をリビングに掲示しており、利用者の居室はお宅との認識をもって、入室にはノックや声がけを励行、呼称は「~さん」です。利用者の大半の居室が2階で事務室が1階のため、自然な形でプライバシーは護られています。また利用者本人が日中活動の場でできるようになったことは共に歓ぶ一方で、年齢も若く活動的な利用者のため、傾聴やサービスが押しつけにならないように配慮しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

サービスの開始にあたっては権利擁護なども含み契約内容をかみ砕いて説明するとともに、利用者の自己決定を尊重するべく、リードしないよう配慮しています。利用者の意向は随時入り、急ぎ対応が必要なことも間々ありますが、基軸として定期的面談とモニタリングで確認しつつ、個別支援計画書に反映させる仕組みの中で、本人の同意を得ています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

利用者の発言からは就業生活の充実が、またと居室に置かれたグッズ類からは趣味活動の満足が覗えます。現在の形を成すまでには事業所の支援だけでなく、法人内の日中活動支援事業所のあったものと受け止められ、雑談を含む日常の会話が不足なくあることも確認できます。また基本的な生活ルールが敷かれていますが、就業や習い事での時間変更にも柔軟に対応しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

苦情受付担当者及び解決担当者を設けるとともに、特定非営利活動法人川崎市障害福祉施設事業協会を第三者委員として苦情解決の体制を整えています。相談については、サービス管理責任者(または管理者)が施設巡回を積み重ね、言いやすい状況をつくっています。また利用者から相談されたことは即答せず、サービス管理責任者にあげて組織として対応することをホームルールとしています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

「何かあれば些細なことでもサービス管理責任者又は管理者に連絡、相談するように」と伝えており、携帯電話やeメールで速やかな報連相が叶っています。職員の不安は利用者に伝搬してしまうため、「CS(顧客満足度)はES(従業員満足度)から」への意識は高く、てんかんや過呼吸などの緊急時対応についてのマニュアルを整備するほか、虐待防止のリーフレットも職員に配付しています。また法人事業部の本体施設である「多摩川あゆ工房」が傍にあるため、有事の避難場所として頼ることも可能です。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

標準的な実施方法については、例えば「意思伝達における障害特性に応じたコミュニケーション」といったものを揃えることが望ましいものの、障害の個別性が高く、また症状も多様なことから、事業所では一人ひとりの対応マニュアルを作成しています。また標準的な実施方法は個別支援計画と連動していることから、必然として評価・見直しの仕組みも付帯されています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

モニタリング、アセスメントをおこない、定まった手順通りに個別支援計画を策定しています。作成するのは管理者とサービス管理責任者ですが、支援員や調理職員からのも聞き取り、また業務日誌などの記録も参考としています。ただし、「変更点」による「現状把握」は「(個人)対応マニュアル」に概ね反映されているため、更新情報は常に最新のものが手元にある状態にあります。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

業務日誌はパソコン上にあり、職員が日々記録しています。食事の摂取量など生活の基本的な情報は項目があるため漏れはありません。また、記録ノートによる連絡引継ぎがあるため、調理メニューが一週間(土日は大半の利用者が実家に戻るため実際は5日)かぶることなく、毎日異なる味わいを楽しんでもらえています。サービスの実施状況はネットワーク上で共有ファイルにて記録されており、何日も前の内容でも瞬時に確認できるようになっているので、速やかな支援に役立っています。

◇課題と考えていること

A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

「こうした方がいい」ではなく「どうしたいか」を確認して支援をおこなっています。また「きく」ことが大切と考え、取組が難しいことは「わからないから伝えない」ではなく、できるだけ利用者と一緒に考えるよう努め、健康上に不利益を生じる可能性のある酒や煙草についても、本人の意思を尊重しています。また自己決定が難しい利用者には視覚的な情報を提示し、判断がスムーズになるよう支援しています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

法人本部には虐待防止委員会が設置され、虐待防止の仕組みが組織の中に位置づけれています。入職時の研修でも必ず時間をとるとともに、職員全員に本件に係るリーフレットを配付して理解への浸透を図っており、昨年度はアンガーマネジメント研修にも取組んでいます。利用者から苦情や相談があった場合は「受付票」に要旨を記入のうえ、サービス管理責任者または管理者に報告することで、解決に向けた組織としての適切な対応につなげています。

◇課題と考えていること

非常勤職員に関しては、研修を任意性にしているため、出席率について課題だと考えています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

個別支援計画書には「総合的な支援方針」を明示しています。長期目標へ向かうための短期目標には具体的な支援内容が記載され、具体的な取組が一人ひとり明確です。基本的には理念に基づき、相手の立場になり「利用者本人の不利益にならないよう、また穏やかな生活をしてもらえるように」と、声をかけ合って世話人同士で協力し合う文化を醸成しています。コミュニケーションスキルが十分でない利用者には、特性に応じた支援を検討し、混乱しないように配慮・工夫に取組んでいます。


◇課題と考えていること

A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

食事は調理職員が買い物、調理、洗い物と一連の流れを一手に引き受け、家庭的な献立を手作りで提供しています。また調理職員は以前に味噌汁を温め直さずに提供してしまった失敗を教訓に、「温かいものは温かく」を旨として、時間管理に留意しています。例えば訪問調査時にも「タオルが乾くかな」とつぶやき、結露が気になって仕方がない様子の利用者がいましたが、「(個人)対応マニュアル」には洗濯における決まり事が詳細に記載されており、マニュアルに基づいたサービスを提供することで利用者は気がかりなことを気にせずに済む生活を続けることができています。

◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

ペニーレインは住宅街の一角にあり、スーパーやコンビニも近く、最寄駅からも徒歩15分圏内と住みやすい立地にあります。定員も多いことから、1階、2階ともにトイレと浴室があり、同じ時間帯にかぶってもどちらかを利用できる住環境を整えています。 若い男性が多いこともあり、晴れている日はできるだけ窓を開けて換気をおこない、掃除も本人の気づかないような箇所を支援することで清潔保持につなげています。

◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

法人の方針として、グループホームを訓練の場として捉えていません。利用者ができること、できそうなこと、苦手なこと、能力はあるけれど取組みにくいことを見極めていくのは難しいものの「その人なりの自立」があると考え、支援を模索しています。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

新型コロナウィルス感染防止として個々において毎朝の検温、手洗いを励行するとともに、特に共用部分での消毒清掃を徹底しています。また毎月の体重測定と旬の素材をつかった栄養満点の食事提供で健康維持を図る一方で、体調を壊したときはお粥に切り替えるなど、状態に合せてサービスを変更しています。「お薬カレンダー」や「お薬ケース」で誤薬がないよう与薬管理をおこない、「できることはできるだけ自分で」の方針の下、薬の仕分けなど本人ができることは任せ、見守っています。

◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

事業所としては「自治会活動に参加できたら…」との思いがありますが、利用者本人の意思や、事業所がどのようにサポートできるかも五里霧中です。防災訓練では避難場所への誘導をおこない、地域での風水害や地震における身の振り方を体験してもらう、ということまでは取り組めています。また利用者は日々の就業や学習のほか、外出や外泊、コンサートや観劇、買い物など、「その人らしい生活」が送れている点では「社会参加」を果たしています。

◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

地域の中で生活するという点では、個人のできることに取組、できないことは家族やヘルパー利用、事業所職員の支援を得て成立しています。職場もあり、買い物圏もその人なりに確立させ、それぞれで楽しんでいるように映ります。地域以降支援については希望があれば事業所としては沿いたい反面、町内会や隣近所の関係性が強ければ障害のある人を守ってくれるというわけでもなく、連帯感が強ければ外部から入ってきたもの対しては排他的な面も否めずと、世界を拡げるということには利点、不利益が混在しており、「本当に本人にとってよいのか」迷うことも多く未だ事業所としての方針が明確とはなっていません。

◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

毎年家族会を開催してきましたが、昨年度はコロナ禍の影響により断念しています。今年度においても緊急事態宣言は収まったもののいつ感染拡大するとも限らず、心配はつきません。書面はありませんが、家族とは電話連絡を取り合い、利用者の近況を共有しています。また金銭管理台帳の作成では、家族(代理人)の確認を求めています。

◇課題と考えていること

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 地域移行にむけた取り組み(本人の希望をどれだけ汲み、住み慣れた土地、場所をどう確保していけるか)を中・長期の事業計画にのせていくことを期待します。
法人理念にも、「障がいの有無に関わらず地域であたりまえの生活を」を掲げていることに加え、国の制度的にも地域移行の流れはますます加速すると思われます。当事業所の利用者は年齢も若く、一般就労や趣味芸事にも活発で、聞き取りにおいて希望があることも確認しています。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <ヒアリング対象者>
利用者本人 2名(男性 2名)


・(日中は活動センターにいます。よくしてもらえて)楽しいです
  ※活動センターで何をしているかを説明くださった
・(職場の人は)とても優しい
  ※企業の中で清掃の仕事をしていることを話してくださった


・してくれません。(中を)見るだけです
・(了解を得て)くれます


・テレビがあります。借りてきたビデオでアニメを観ます。「ゆうゆう白書が好きです」
・ラジカセで音楽を聴きます


・計画はあります。考えてくれます
・あります


・おこづかいの説明をしてくれます
・自分の部屋にあります


・(日中活動の)世話人さんはいいです
・○○さん(管理者)、○○さん(サービス管理責任者)、○○さんに相談します。(困ったことでも自分でできるものもあるとの意)タオルが湿るので乾燥機にかけています


・(ホームの職員以外で相談出来る人は)いないです
・(ホームの職員以外で相談出来る人は)います


・(健康なので病気対応してもらったことがない)健康です
・病気になったことはありません


・適当にやってます。セブンイレブンでお菓子を買います。電車に乗って溝の口に行ってビデオを借ります
・お菓子が好きなので、○○屋や○○ストアに買いにいきます
 100円の○○(お茶ドリンク)も買います


・(大切にされているという感じが)あります
・あります
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
第三者評価結果を受けて
この度はお忙しい中ありがとうございました
日々の忙しさに流され、改って振り返る機会というのが少ないですし、やはりコロナ禍で支援を進めていかなくてはならないところで、とくに顕著な年だったとおもいます
 結果を見てもやりたいことやきっとやらなくてはならないことは山積しているのですが、人的にも、体制的にも、もろもろ整理していかなくてはならないと痛感しております。
 地域とのつながりもそうですが、土地柄風水害を中心とした防災にも力を入れていかねばなりません。コロナ禍の支援も続きます。また権利擁護という点では、利用者さんと対峙する上でも考え方や支援の方法など、根っこの部分は大切にしなければなりませんが、常に新しい情報を取り入れ、我々も更新しいていかねばならないと思います。そのためには研修や普段の会議などが重要になります。やりたいことややらなくてはならないことは多岐にわたりますが、闇雲に行ってもあれなので、優先順位をたて、計画的に行える体制と、またそれをどう伝達していくかを検討していかなくてはならないと考えています。
 わたしたちはグループホームを運営していますが、グループホームだけが最善の道ではないとも思っています。それぞれのライフスタイルにあった形の支援を提供し、地域の中で次に繋げられるようなことを共に考え歩んでいければと思います。