社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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にじいろ保育園古淵

2023年04月26日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 にじいろ保育園古淵 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 70 名
所在地 〒252-0344
相模原市南区古淵2-17-9
TEL 042-707-9116 ホームページ https://www.like-kn.co.jp/academy/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2020年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) ライクキッズ株式会社
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:20 名
管理栄養士:2 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
居室数:9
設備等:調理室、調乳室、沐浴室、休憩室、医務室、乳児トイレ、幼児トイレ、園庭②

③ 理念・基本方針
理念 : 「のびやかに育て だいちの芽」
あたたかな環境の中で、一人ひとりの心に寄り添い人や物・自然との豊かな出会いや体験を通して生きていく力を育てる。

基本方針 : 「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛」信頼・安定・共感 
→ 〇自分らしさを発揮しながら、相手を尊重し、信頼しあい、認め合い、自分のことも友達のことも好きと言える子ども。
  〇いつも見守られ、見つめられている安定した空間の中で、心身ともに健やかな子ども。
  〇響きあい共感しあう喜びを自信につなげ、力強くたくましく生きていける子ども。

☆にじいろ保育園古淵 保育目標 : 遊びを通して、思いやり・優しさ・助け合い認め合う心の育ちを大切にする

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇遊び中心の保育から、思いやりの心、助け合いの心を育み心身ともに健康な子どもを育てる
〇雨天以外は公園や園周辺散歩・園庭遊び
〇幼児クラスはコーナー遊び
〇廃材を使って自由に製作
〇絵本の読み聞かせ

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/06/01(契約日) ~2023/03/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 特長
・子どもに寄り添いながら一人ひとりの良さを引きだすことができる保育を目指している
乳幼児会議や職員会議、日々の申し送り等によってクラスの様子だけでなく、子ども一人ひとりの状況の把握に努めており、課題を全体共有し対応できるように取り組んでいる。保護者の状況なども踏まえ、一人ひとりに寄り添いながら園全体で保育にあたるように努めている。

・園内研修を通して保育実践の改善と向上に努めている
園内研修ではテーマを決めて、お互いの保育について学び合い保育感を共有することで保育実践の改善や向上に努めている。各クラスで力をいれたい遊びについて、子どもの成長過程について、などの他、震災時にどの様に過ごしていたかという体験談を通じて、年齢や立場の違いによって様々な体験と思いがあることを共有し、学びにつなげることができている。

・職員が働きやすい環境整備に取り組んでいる
職員の勤務シフトは主任が中心となり、園長と連携しながら作成を行っている。有給休暇の取得や振替休暇は職員の希望日に取得できるように努めており、取得状況は園長が把握するとともに、職員一人ひとりもパソコンからの確認ができるようになっている。残業に関しても殆どなく、行事準備などは早めの2か月前から行うようにし、行事期間でも残業がでないように努めている。また、法人としては、入寮制度、新卒者帰省費用補助、健康診断、予防接種補助、特別休暇付与などの福利厚生を設け、職員のメンタルヘルスとして嘱託医や臨床心理士による相談窓口を用意し、職員が働きやすい環境の整備をしている。

今後期待される点
・コロナ禍における地域交流について課題としている
開園直後からコロナ禍となり、地域との交流、小学校との交流などへの取り組みをすすめることは難しい状況であった。感染状況を踏まえ次年度に向けて地域との交流の場を設けることや小学校との交流について具体的に検討をすすめている。

・園の事業計画作成にあたっては、園全体で取り組むことに期待したい
園の事業計画や自己評価などの内容検討は、リーダー層だけで行う場合が多いことが現状である。全職員からの意見を聞く機会を設け、園全体として決定していくことで、職員一人ひとりが園の課題や運営にも意識を向けられるような取り組みに期待したい。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
園外研修の充実を図り、園の事業計画作成等は全職員で作り上げていき、今後は保育向上を目指して取り組んでいきたいと考えます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・法人のホームページや園のパンフレット、重要事項説明書、運営規定などに理念や基本的な保育方針を記載している。理念や基本的な保育方針は入園時での説明会にて重要事項説明書を用いて保護者への説明を行っている。また、園のエントランスに掲示をしており、保護者の目に留まるようにしている。
・全体的なマニュアルとなっている保育ガイドには理念や基本的な保育方針を掲載しており、新入職員の入職時には法人のOJT研修などで共有化を図っている。保育室にも理念や基本的な保育方針の掲示をし、職員間での確認を行っている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・2か月に1回、法人内で開催される園長会議に園長が出席し、児童福祉事業全体の動向についての把握を行っている。コロナ禍においてはリモートによる会議の参加となっている。
・法人内で開催される園長会議には、エリア担当のスーパーバイザーも出席し、園の経営状況などを報告して課題を抽出している。園長は、市内の保育園の園長が参加する園長会議にも出席し、地域での児童福祉事業の情報把握にも努めている。その際には地域の保育園の園長との情報交換なども行い、地域情報を収集することに努めている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

・法人の園長会議では、園の経営状況をはじめ、職員体制、園設備、保育内容などについての課題を挙げて検討している。
・法人や市の園長会議後には、会議内容や課題などについて、園の朝礼、職員会議などで職員への報告をしている。ただ、課題などについての検討は園長と主任、副主任間で行うことが多いため、職員全体の意見などを抽出することを期待する。
・法人本来のシステムとしては、各園と法人との連携において、エリア担当のスーパーバイザーが間に入り、情報交換を行いつつ、課題の検討などを園長とスーパーバイザーで行うような体制となっているが、担当のスーパーバイザーが変更する頻度が多いこともあり、連携が希薄になっていることが現状である。そのため、担当スーパーバイザーとの連携方法などの検討が望まれる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・年度末での法人の園長会議では、理念や基本的な保育方針が含まれる法人の中・長期的な目標の確認を行い、内容についての評価や見直しを行って必要があれば目標設定を変更している。園としての中・長期計画の策定はされていないので検討が望まれる。
・理念や基本的な保育方針、法人の中・長期的な目標などの内容を把握して、単年度事業計画や年間保育指導計画、職員育成研修年間計画、保育園の自己評価、成長支援シートなどの作成時に反映させるように取り組んでいる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・園での単年度事業計画は、理念や基本的な保育方針、法人の中・長期的な目標の内容を反映させて策定している。
・園が独自に行っている年間保育指導計画をはじめ、健康や栄養管理面、保護者や地域とのかかわり、環境問題への取り組み、職員体制、年間行事予定など、前年度の見直しを行い、具体的な課題を挙げて単年度事業計画に反映するように取り組んでいる。
・年間保育指導計画などの計画の見直しや行事後のアンケートなどにより、都度、単年度事業計画のモニタリングを行って次年度の事業計画作成時に反映させられるように取り組んでいる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画は年度末の3月頃にリーダー会議などで、園長、主任、副主任による話し合いをして見直しを行っている。見直し内容に基づいて事業報告書を策定し、法人への提出を行っている。
・年度初めには事業報告書を基にリーダー会議などでの検討を行い、新たな単年度事業計画を策定し、園のエントランスに設置し職員がいつでも閲覧できるようになっている。
・全職員が単年度事業計画についての検討や意見を出し、関わりが持てる場を設けるなどの検討が期待される。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画書は園のエントランスに閲覧用のものを設置して、保護者がいつでも閲覧できるようにしている。
・入園説明会では、単年度事業計画にある行事内容の部分を中心に説明を行っている。保護者懇談会などでの単年度事業計画書の説明は特に行っていないため、保護者へ内容を分かりやすくするような工夫なども考慮しつつ、説明方法や配布などの検討が期待される。また、入園説明会での単年度事業計画の説明においても、行事内容以外の内容の説明を行うことが望まれる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・園では年度の前期、後期に分けて、法人が設けた成長支援シートを活用し、職員が自己評価を行っている。年度前期の初めには職員が目標を設定し、成長支援シートを作成して園長との個人面談を行っている。後期には、前期の振り返りを行い課題を挙げて年度末に向けた動きが取れるように努めている。その際にも園長との個人面談を行い、アドバイスや指導などを行って保育の質の向上に繋がるようにしている。
・年度ごとに年間保育指導計画を作成し、月案、週案の作成ごとで評価を行っている。月案、週案の作成時には園長や主任がアドバイスや指導などを行っている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・園の自己評価は、年度末にリーダー会議などで、園長と主任、副主任での話し合いを行い評価結果の分析をして、法人への報告を行っている。園の自己評価結果はリーダー会議などで振り返りを行い、改善点や課題を検討し、次年度に向けた事業計画に反映している。各行事後には保護者アンケートを実施して、その内容を踏まえ単年度事業計画の改善に向けた取り組みを行っている。
・園の自己評価の振り返りなどは、園長や主任、副主任のみだけではなく、全職員が振り返りを行い意見などが挙げられる場を設けることが期待される。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長の役割や具体的な業務内容などは法人の保育ガイドにて明確化されている。園の年度ごとに作成する職務分掌には園長の役割や具体的な業務内容などを明示し、職員に配布、職員会議などで説明を行い共有化を図っている。入園説明会や保護者懇談会、園だよりなどで、保護者へ園長の役割などを説明している。
・法人の保育ガイドには自然災害や事故発生時におけるフローチャートを整備しており、その際に園長の役割を明記している。園長不在時には主任が園長代行として、権限委託を行う体制が整備されている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は2か月に1回程開催される法人による園長会議に参加し、児童福祉事業や法令などの動向について学んでいるほか、市内の園長会議へ参加し、地域での法令などの情報把握にも努めている。また、その際に近隣の園長との情報交換を行い、地域の情報把握にも努めている。
・各園長会議ではその時期に合わせたテーマを決めて園長同士でのディスカッションを行っている。また、行政からの通知などでも、法令や制度に関する把握に努めており、各園長会議で知り得た法令遵守や行政からの通知などは、園での朝礼や職員会議、リーダー会議などで職員に報告をしている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、単年度事業計画書、職員育成研修年間計画、保育園の自己評価、成長支援シートなどの見直しに取り組み、園の保育の質の向上に繋げるように努めている。
・年間保育指導計画を基に職員が作成した月案や週案を園長と主任がチェックし、各計画の見直し時には指導やアドバイスを行って、保育の質の向上に繋げるように努めている。年度の前期、後期の2回で職員一人ひとりが園長との個人面談を実施し、成長支援シートを活用して目標設定と評価を行っている。職員一人ひとりに合った具体的な目標を設定し、その目標に取り組むことによって職員のスキルアップを図っている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・定期的な法人での園長会議の出席により、園の経営などに関する報告を行い、法人と連携しながら分析をしている。2か月に1回ほどのスーパーバイザーの来園や電話、メールなどにより、園の状況の報告を行っているが、スーパーバイザーとのより密な連携について課題としている。
・園長は毎月、園の小口現金出納帳を管理し法人への報告を行っている。園の収支は法人が管理を行っている。
・園内の全職員で経営課題を検討する場などを設けることが望まれる。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・園での人材の確保や採用などは、法人人事部の採用グループにて行っており、全国の養成校への求人活動や就活会場でのブース設置、園見学ツアー、ホームページでの求人募集、社員紹介制度などの採用活動に取り組んでいる。園長は園長会議などで園の必要な人材配置を法人に報告しているが、園の人材不足が現状となっているため、スーパーバイザーとのより密な連携が望まれる。
・新卒での新入職員は、法人での教育研修を経てから各園へ配属されている。配属後には園長や先輩職員からの指導などはあるが、OJTとしての仕組みを設けていないので検討することが期待される。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

・新入職員入職時に配布される保育ガイドや成長支援の手引きなどには、法人の理念や基本的な保育方針、法人が期待する職員像などが記載されており、入職時での法人のOJT研修時に説明を行っている。職員は、年度の前期と後期で成長支援シートを作成しており、各期に合わせて園長とのアドバイスなどを踏まえた個人面談を行い、職員自身で決めた年度目標を設定している。後期では前期の目標の見直しと自己評価を行い、クリアした目標がある場合には年度末に向けて新たな目標設定を行っている。
・職員が役職などに就いたタイミングにより、職員会議などでキャリアアップに関する説明を園長が口頭で行っている。キャリアアップに関する文書化されたものがないため用意することが期待される。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・職員の勤務シフトは、主任が中心に園長と連携しながら作成を行い、希望休などを聞きながら無理のない勤務シフト作成に努めている。勤務シフトはスーパーバイザーへファックスにて報告している。有給休暇取得状況は園長が把握しており、パソコンから職員一人ひとりも確認が行えるようになっている。
・シフトのバランスなどを考慮しながら行事の準備などは早めに行うなどして、残業がないように取り組んでいる。9月には携帯電話を活用して、職員の意向調査を行っている。
・法人では職員のメンタルヘルスとして嘱託医や臨床心理士による相談窓口を設けている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員は年度の4月から9月の前期と10月から3月の後期で成長支援の手引きを基に成長支援シートを作成し目標設定をしている。作成時には、園長との個人面談を行い、成長支援の手引きに記載されている法人の期待する職員像などの内容を含んだ話をしている。前期での成長支援シート作成時には前年度の振り返りを行い、それを次年度の目標に反映するように努め、後期の個人面談では年度の中間の振り返りとして目標の見直しを行っている。
・月案、週案などの各計画の見直しの際にも、園長や主任からアドバイスを行っている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・職員育成年間研修計画は年度ごとでの作成を行い、理念や基本的な保育方針、期待する職員像などの内容が記載がされている保育ガイドを反映させている。年度初めに必要な研修などの大きな枠組みの設定を行い、その後、外部研修などの案内が来てから具体的な日程や内容などを設定している。その際には、職員育成年間研修計画の見直しをしながら設定を行っている。
・研修終了後には、法人指定の研修報告書を作成し、全職員が回覧している。また、研修報告書は法人に提出し、園内では年間の研修結果一覧をまとめている。人材不足の問題により、職員育成年間研修計画通りの研修が行えていないことを園としては課題に挙げている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・外部研修などの受講は、職員一人ひとりの課題やスキル、経験を考慮した上で園長と主任で受講の決定を行っている。外部研修の案内が来た際には、職員に希望の有無を確認して参加する場合もある。
・新卒での新入職員は、法人での教育研修を行ってから園に配属されている。配属後はOJTとしての仕組みを設けていないため、OJT研修の担当決めやOJTシート、OJT期間や目標の設定をするなどの仕組みを設けていくことが期待される。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生に関わるマニュアルを整備しており、保育ガイドに記載して職員の入職時の研修にて共有化を図っている。
・実習生受入れ時には、園長がオリエンテーションとして実習生との面接を行い、保育に関わる全体的な留意点を説明するとともに、実習生の目標設定を行っている。目標設定を行う際は、担当教員から学校側のプログラムの確認を行って、実習生からのヒヤリング内容を考慮し実習プログラムの作成をしている。
・実習生受入れ時には、指導担当者になる職員の実習生対応研修などを実施することが望まれる。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園のエントランスには、法人の理念や基本的な保育方針を掲示し、運営規定や重要事項説明書、事業計画書、事業報告書、財務収支報告書、運営会議議事録などを設置し、閲覧が可能となっている。また、法人のホームページでも、理念や基本的な保育方針を明示している。定期的な第三者評価の受審を行い、その結果はインターネットでの閲覧ができるようになっている。
・毎月1回、地域の未就園児を対象に子育て広場を開催し、その保護者に対して園での活動などの情報を提供している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人では外部の監査法人に業務委託し、法人及び園の内部監査を定期的に実施している。その際には指導・アドバイスなどを受けて、事業経営の適正性の確保に努めている。園では年に4回、小口現金実査を行い、園長以外の法人の第三者やスーパーバイザーが小口収支の確認を行っている。
・定期的に行政による実地指導などを受けており、改善点やアドバイスなどがあった場合には職員会議などで報告し、職員間での共有化を図って改善に努めている。職務分掌にて園での事務や経理などの責任者は園長と明記し、職員間での共有に努めている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・保育ガイドの地域支援・子育て支援の項目では、園と地域との関わりについて明記している。園のエントランス外の掲示板には子育て広場や就学前相談会などの情報案内を掲示している。
・近隣施設の活用としては、公園や公園内に所在する虫の資料館へ出かけるなどの機会がある。また、近隣の小学校との交流を行っていたがコロナ禍においては交流をを控え、園の年長組と小学校の1年生が手紙のやり取りをするなどの交流の継続性に努めている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティア受入れに関わるマニュアルを整備しており、保育ガイドに記載して職員の入職時の研修にて共有化を図っている。受け入れ時には職員会議などで報告し、職員が保育ガイドの再確認を行い、ボランティアの対応方法や留意点などを共有する仕組みを設けている。
・ボランティア受入れ時には機密保持誓約書の署名をもらい、園長と主任が園の概要、法人の理念や基本的な保育方針などと保育に関わる留意点を説明する仕組みを設けている。園ではボランティア受入れの実績はないが受け入れ体制としては準備している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・園の事務所には、地域の児童相談所、地域療育センター、保健所、学校、管轄警察、消防署、病院、行政関係などのリストを一覧にして設置し、職員には職員会議や研修などで説明を行い、一覧を配布して共有化に努めている。
・特別支援を要する園児に関しては、地域療育センターとの連携を図るような体制を設けている。また、民間の発達支援センターとも連携を図っており、見学などを行っている。家庭内での虐待などの問題に対して行政の保育課や児童相談所などと情報共有をし連携する体制を設け、いつでも対応が行えるようにしている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・2か月に1回開催される市内の保育園の園長が参加する園長会議に園長が出席し、地域の待機児童の状況を把握している。幼保小連絡会に参加し、共通の教育テーマに沿った課題や情報交換を行っている。
・市内の園長会議や幼保小連絡会議の参加時には、それぞれの園の問題や現状について話し合い、地域の動向を把握することに努めている。園見学者からの園の説明をはじめ、子育て事情などの相談も受け、地域の最新のニーズの把握に努めている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の子育て支援として、園見学時や電話での問い合わせ時には子育てに関する相談を受けたり、臨床心理士相談などの案内をしている。また、園玄関の掲示板には園の子育て広場や就学前相談会などの情報案内を掲示している。
・月1回で開催する地域の未就園児が活用できる子育て広場では、保護者が子どもと遊びながら保育士に子育てに関しての相談ができる場となっている。また、子どもの食事に関して栄養士との相談も行っている。
・有事の災害時には地域住民へ提供できる食料備蓄品を僅かだが準備している。備蓄品に関しては栄養士が管理している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人の新入職員の入職時研修では、保育ガイドを活用して子どもの人権に関する研修を実施している。保育ガイドには児童憲章や全国保育士倫理綱領を明示し、人権に関する内容を特に重視している。
・内部研修において、子どもの人権に関しての研修を設けており、保育ガイドを活用しながらの研修を行って職員間での共有化を図っており、研修終了後には報告書を提出している。子どもの人権に関しては日頃から職員間での注意を促しており、子どもの性差に関することや虐待に関するニュースなどからの事例検討も行っている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人の社内規定では個人情報保護方針や個人情報保護規定を定めており、職員の入職時には機密保持誓約書に署名している。法人ではプライバシーマークを取得しており、園においても厳重な個人情報の管理を行っている。入園時には重要事項説明書を用いて、保護者に個人情報に関する説明をし、個人情報承諾書に署名をしてもらっている。
・夏の園庭での水遊び時などでは、外から覗かれないように遮光ネットを取り付け、園児は必ずラッシュガードを着るようにしているほか、着替えやオムツ交換時などではパーテーションを使用し、子どものプライバシー保護に配慮をした保育に努めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・ホームページやパンフレットには園情報を掲載しており、理念や基本的な保育方針をはじめ、園の概要や1日の流れ、行事、利用料金などを掲載して園での過ごし方が分かりやすいようなものになっている。
・園の見学は予約制となっており、1日3組までの開催となっているが、当日の見学希望に対しても、簡単な説明とパンフレットの配布を行なうようにしており、改めて予約をお願いしていてる。園の見学は9月から1月までの期間となっており、行事日以外で園長が対応を行える日での開催となっている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園説明会は、保護者7組で開催し、重要事項説明書や個人情報承諾書などの内容についての説明を行って、内容を理解したうえで同意書を交わしている。入園説明会後には各クラス担任や栄養士が個別面談を実施し、児童票や健康診断票、アレルギーチェック表などを提出してもらい、子どもの情報を把握するように努めている。
・特別支援を要する園児に関しては、対応方法や行政との連携などの説明を行っているほか、外国籍の家庭には、携帯電話の翻訳アプリなどを活用し、わかりやすく説明できるように努めている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・引っ越しなどにより園が変更する園児に対しては、転居先の行政や関係機関からの依頼があれば必要に応じて、保護者からの確認後に情報提供を行う方針となっている。
・園児の卒園時には、小学校へ保育要録などの情報を提供する仕組みを設けている。転園、卒園後には引き続き、子どもとの関係が保たれるように、運動会などの園のイベントに招待する方針となっている。2020年4月からの開園のため、卒園児がまだ出てはいないが、卒園児への対応方法などの体制は設けている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・年2回、保護者との個別面談を実施している。保護者からの希望があれば、随時、個別面談を実施しており、園側からも保護者の様子などで気になることがある場合には声をかけて個別面談を行うことがある。ただし、コロナ禍においては個別面談は中止となっている。
・クラス担任を中心に、年2回、保護者懇談会の開催をし、保護者からの意見を聞いている。また、各行事後には、保護者にアンケートを行い、結果を職員会議やリーダー会議などでフィードバックし、次年度に反映させるようにしている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・苦情解決の体制を整備しており、その内容は重要事項説明書に記載され入園時に保護者への説明を行っている。園内の苦情受付担当者は主任とし苦情受付責任者は園長として、それぞれ氏名を記載し、そのほかに第三者委員を設置して民生委員の氏名と連絡先も記載している。
・苦情があった際にはスーパーバイザーへの報告を行い、法人と連携して迅速な対応を行っている。その後は苦情報告書を作成し、苦情内容、苦情に関しての対応、今後の対策などを記載し、職員会議やリーダー会議などで議題に挙げて職員間での共有化を図っている。苦情や意見に対してのフィードバックは苦情や意見を挙げた保護者のみに行っているため、保護者全体へのフィードバックも検討されたい。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・園では日常的に接するクラス担任以外にも、園長や主任、副主任、栄養士などへの相談ができる体制を設けており、重要事項説明書にも保護者が遠慮なく相談が行える旨を記載している。
・職員は登降園時に日頃から保護者とのコミュニケーションを取るように努めており、保護者が相談しやすいようにしている。気になる様子などがみられた場合には個別面談での相談ができるような配慮も行っている。園に直接の相談がしにくい場合には法人ホームページからの問い合わせが可能となっている。また、場合によっては法人専属の巡回臨床心理士との相談が行える体制も整えている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

・園のエントランスには意見箱として、すまいるボックスを設置しており、苦情や意見があれば匿名で記入することができるようになっている。ただし、苦情や意見が投函されたことがないため、投函の方法や、ほかに苦情や意見を挙げやすい方法などの検討が期待される。
・保育ガイドには、保護者の苦情や意見の対応として、保護者支援の項目があり、マニュアル化されている。ただ、定期的な見直し時期などが決まっていないため、改めて見直し時期を決めたり、研修時などで活用する際に見直しを行うなどの検討が望まれる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・入職時の法人研修では安全管理・危機管理の研修を実施している。その際に活用する保育ガイドには事故防止対応や危機管理対応などの項目があり、リスクマネジメントの体制を整備している。園の事務所には保育ガイドがいつでも閲覧できるようになっており、緊急時・事故発生時の対応フローも掲示され、職員は慌てず対応が行えるようになっている。
・事故報告書やアクシデントレポート、ヒヤリハットを活用し、発生内容や原因、その後の様子・対応などを記載して、再発防止を職員間で検討している。内部研修や職員会議などでは、子どもの事故などのニュースから事例検討を行い、類似事故防止に努めている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・厚生労働省の保育園における感染症のガイドラインや看護師ガイドなどにより、感染症予防・対応のマニュアルを整備している。感染症予防・対応マニュアルは職員会議にて3か月に1回の見直しを行っている。
・感染症が発生した場合には、症状、潜伏期間などの情報を保健だよりや園での掲示により、保護者へ情報提供している。SNS情報アプリなどを活用して保注意喚起に努めており、緊急性が高い場合などには電話による情報提供も行っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

・重要事項説明書には災害時の対応体制を明記し、入園時に保護者に説明を行っている。また、大災害時対応フローや災害用伝言ダイヤルなどを記載し、災害時での対応の仕方が分かりやすいように明記されている。
・保育ガイドの危機管理の項目では災害時の対応が記載されており、マニュアル化されている。また、事業継続計画を作成しており、有事の災害時に備えている。年1回、消防署立ち合いの防災訓練と年2回の警察立ち合いの防犯訓練を実施している。自治会など近隣地域の住民が参加する防災訓練などの実施検討が望まれる。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・法人共通の「保育ガイド」「看護・保健ガイド」「栄養・給食ガイド」が整備され、保育実践の場での統一した基準を文書化しており、職員がいつでも確認できる場所に設置している。「保育ガイド」の「保育の実践:心得」「にじいろの保育」では子ども一人ひとりの発達や個性に対応した標準的な水準を明記し、職員の違いによる差異が極力ないように具体的な内容が明記されている。
・本社入社時の研修の「人権」「個人情報」の項目は、職員会議等でも適宜議題に挙げ、保育士自らの振る舞いや行動を振り返る機会を設けている。日々の振り返りは保育日誌に記載し、保育がマンネリ化しないように努めている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・「保育ガイド」の内容は本部で適宜、見直ししており2019年に最新版を改訂した。保育所保育指針改訂に伴う「全体的な計画」「保育年間計画」「月案」の様式を見直している。
・全体的な計画、保育年間計画、月案、週案、年間行事計画は職員会議やクラス会議等での評価、反省を検証し次の計画に反映、行事の内容や日程の見直しを遂行している。保護者アンケートや職員の意見を考慮し、行事内容や日程を見直している。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・入園時は「家庭調査票」や「面談」をもとに子どもと保護者の生活状況を把握しアセスメントし、保育開始後は連絡帳や個人面談、日常の保護者とのコミュニティーにおける情報から、個別の職員間でアセスメントを行い、個別指導計画に反映している。
・特別支援や家庭支援が必要とされる園児へのアセスメントは子ども支援課、児童相談所、保健所、療育センター、臨床心理士との協議体制がある。
・指導計画は作成、実施、自己評価に至るプロセスを、リーダー、主任、園長の順に確認し、策定の最終責任者として園長が押印する仕組みとなっている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・指導計画を作成後、クラスリーダー、主任の指導を受け、園長確認の手順で承認されている。定例会議(職員会議・リーダー会議・クラス会議・カリキュラム会議等)で策定した指導計画についてPDCAのサイクルを継続し、職員周知のもと、恒常的に見直している。
・指導計画を変更することは少ないが、行事等の内容や日程変更がある場合は園内掲示や口頭、お便りで知らせている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・個別の「発達経過記録」様式を用い、成長過程を定期的に記録している。0・1・2歳児は個別指導月案を策定、特別な支援が必要な園児においては、個別指導計画を策定している。
・職員が記録する保育書類様式には、全て主任、園長の押印欄があり、確認が必須となる仕組みとなっている。主任、園長は必要に応じて記録内容や表現方法など指導をしている。複数担任クラスでは個別指導月案を協議しながら記録し、記録者による差異は生じないよう配慮している。アレルギー児の状況変更など、最新情報の漏れが生じないように留意している。
・計画書、報告書等の議事録は、全職員が閲覧して押印をしている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・本部は「個人情報保護法」に基づき「個人情報保護規定」を策定し、公式ホームページでは「個人情報保護方針」を開示してる。財団法人日本情報処理検定協会よりプライバシーマークの認定を習得し、個人情報保護を遵守している。
・園では家庭調査票、保育関係書類、緊急連絡票等を鍵の施錠可能な書庫に保管し、職員の持ち出しは主任、園長への確認を厳守している。部外者の事務室入室は極力避け、来客等では氏名、時間等を記録し、厳重管理体制を整えている。また適宜、事例を交え「個人情報保護」の観点での職員教育を行い、法令遵守の責任への理解を求めている。
・重要事項説明書において、入園時に保護者に個人情報の取り扱いの説明をし同意にて確認している。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・理念、方針、目標等に基づき、保育指針を踏まえ、園長、主任、リーダーが中心になり編成する仕組みがあり、年度末に自己評価をし、次年度に向けての策定をしている。
・法人統一の全体的な計画をもとに園にあった環境にあわせ、園長、主任で話し合い、リーダーが毎月の乳幼児会議での反省、課題を踏まえ子どもの状況に合わせて作成している。全体的な計画をもとに年度初めに各クラスにおいて年間指導計画を作成し職員会議で共有している。各クラスの毎月のねらいについても毎月共有し共通理解にむけて取り組んでいる。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・保育室内の温度管理、除湿機、空気清浄機の設置による湿度調整、窓を開けて空気の入れ替えも常時行い、園内の清掃、消毒の徹底によって衛生管理に取り組んでいる。廊下、階段、手摺、トイレなどの消毒、玩具の消毒においてもチェック表を用いて管理している。
・保育室の家具は木製の温かみのあるもので揃え、子どもの安全を考えた配置にしており、心地よく過ごすことができる環境整備に努めている。落ち着けるスペース作りとしてパーテーションを使用したり、多目的室なども利用し場所を変えて気分転換できるように配慮している。睡眠時は3歳児クラスからコットを使用し、毎週土曜日には午睡用布団を乾燥機にかけるようにしている。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもが安心して毎日を過ごせるよう、一人ひとりに寄り添い、どんな時も自分を表現しやすい雰囲気を作りを大切にした対応に取り組んでいる。子どもに威圧感を与えないように、言葉づかいや態度に配慮し、一人ひとりのペースを大事にしてせかすような事がないように努めている。
・乳幼児会議において、クラスの様子について話し合う機会を持ち、気になる事、課題などを検討し全体共有し、子どもの状況に合わせて対応できるようにしている。保護者の状況なども踏まえ、子どもをクラスだけでなく園全体で保育する意識を持つようにしている。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「食事」「睡眠」「排泄」「清潔」「着脱」などの基本的な生活習慣を身につけることができるように、一人ひとりの発達状況に合わせた援助を心がけ、保護者と相談しながら無理なくすすめるようにしている。無理強いすることはなく、できたことを褒めて、自信とやる気に繋げるように援助している。
・0歳児クラスから朝の会を行い絵本を読んだり、はいと返事をすること、いただきます、ごちそうさまなどの言葉を繰り返し伝えながら、生活の中で楽しく覚え習慣となるように援助している。1歳児は靴下や洋服を脱いだり着たり、食具の持ち方などを伝え、2歳児ではお気に入りのパンツをはけることを楽しみにしながらトイレトレーニングをはじめるなど、園と家庭での子どもの様子を共有しながら取り組んでいる。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・保育室内は子どもが手に取りやすいように玩具や絵本を配置し、年齢に応じた遊びのコーナー作りによって好きな遊びに集中して取り組めるようにしている。子どもの遊びが広がるように折り紙、廃材など年齢に応じて様々な素材を準備し、継続できるよう時間の配慮をしたり飾って楽しめるようにしている。カスタネットなどの楽器遊びやリトミックも取り入れている。
・天気の良い日は公園や園周辺へ散歩に出かけねらいに沿って外遊びを楽しめるようにしており、人数を考えて混雑を避け、距離のある公園まで出かけることもある。幼児になると昆虫や植物に興味を示す子どもが多く、地域の方から案内をもらい植物の展示会に出かけることも出来ている。カブト虫の飼育では生命の大切さについて子どもたちが考えることができる機会にもなっている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・0歳児は、月齢による発達の差が大きい時期であるため、一人ひとりに合わせた保育の配慮をしている。情緒面の安定、関わり方を意識し愛着関係を構築できるようにしており、園長、主任も保育に入り対応できるようにしている。また、離乳食の進み具合も違いがあるため、栄養士を中心に保護者との連携を密にしている。
・保育室内は食事と遊びのスペースをわけ、畳やマットが敷かれているスペースを広くとり、安全に自由に遊べるようにしており、生活リズムに合わせて午前寝をしたり、午後にも休めるように子どもの状況に合わせて対応している。玩具は発達に合わせて入れ替えを行い、手作り玩具も揃え、危険がないように見守りに努めている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・1歳児は、言葉での表現が難しく、友達を嚙みついたり、叩いたりして感情をぶつけることもあるため、一人ひとりを把握し、仲立ちに入り友達関係の手助けをしている。月齢や発達による個人差も大きいため、席の工夫などにも配慮している。1歳後半から2歳にかけてのイヤイヤ期についても、発達に応じた子どもの成長過程であることを伝え保護者との連携を密にし見守るようにしている。
・2歳児は、トイレトレーニングに個別に取り組んでおり中盤からオムツが取れ始める子どもも見られている。遊びにおいても自主的に友達と関わろうとしたり、気持の表現が上手になっていたりするので、保護者と子どもの様子を共有し丁寧な関わりができるようにしている。コロナ禍においては少なくなっているが、異年齢で交流する時間や、食育保育での調理職員との関わりも持てるように配慮している。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児はできることが増えて自我も強くなるため、遊びの中で我慢や思いやりを学べるよう一人ひとりと関わりを多く持ち、子どもと一緒に保育を楽しめるようにしている。4歳児は一人遊びも楽しめるが集団遊びを多く取り入れて遊びの工夫をしながら援助している。5歳児は「何をしたい?どうする?」と子どもに問いかけ、自分達で決めていくように促している。幼児クラスでも連絡帳や直接の会話で子どもの姿や様子を伝え保護者との連携に努めている。
・幼保小連絡会議での内容や小学校の取り組み等をクラスだよりで保護者に情報共有している。コロナ禍での開園のため、昨年より縁日ごっこ、(お祭りの経験がなく、本で見せるなどで知らせる)お店ごっこを行った。運動会では幼児人数が少なく、演目も限られてしまうが子どものやりたいこと、興味のあることに着目し、バルーン、ソーラン節組体操、などを披露し次年度につなげていくことを考えている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・園内はバリアフリー、エレベーター設置があり、身体に障害のある子どもの受け入れ環境は整備されている。
・特別な配慮が必要な園児に対しては、個別支援計画を作成して保育にあたっており、法人から派遣される臨床心理士による巡回や療育センター担当者の見学などによって子どもの状況を共有し、またアドバイスを受けながら子どもが落ち着いて過ごすことができるよう環境を整備し、保育内容の配慮をしている。支援コーディネーター研修を受講し資格のある保育士もいるため、クラスでの過ごし方や子どもの遊びなどについての工夫を話し合い、全体共有できるようにしている。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・早朝保育、延長保育時間は合同保育とし異年齢での合同保育時間としている。延長保育時間では、希望により補食と夕食(手作り)を提供している。在園時間が長くなることで疲れがでないように、絵本を読んだり塗り絵やカードゲームなど子どもの好きな遊びを用意して、一人ひとりと関わり静かに過ごすことができるように配慮している。
・子どもの日中の様子などについては、登園時視診表に記入し口頭でも引継ぎを行い、遅番職員が保護者に伝えるようにしている。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

・全体的な計画の中に、小学校への円滑な接続、連携として記載があり、年間指導計画、月案に具体的なねらいを定め保育に落とし込んでいる。保育要録は園長責任の下、5歳児クラス担任が作成している。
・幼保小連絡会議の情報をクラスだよりに載せて保護者に伝え共有できるようにしている。避難場所にもなっている小学校の体育館を借りて今年度は運動会を実施することができているが、コロナ禍での開園ということもあり、小学校との具体的な連携については今後の課題としている。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理については、「看護マニュアル」の内容に沿って対応しており、怪我や体調悪化等は保護者連絡をし、怪我や受診の際は報告者を記入し本部に提出する仕組みがあり、職員間で共有している。コロナ禍においては、登園時に玄関で保護者と子どもの手指消毒、または手洗いと検温を実施し、視診表に記入している。手洗い指導などは各クラス担任が行っている。
・SIDSについては、入園時面接で保護者に説明しており園内にはポスター掲示をして周知に努めている。午睡チェックは、0歳児は5分置き、1歳児と2歳児は10分置きにチェックしている。チェックでは、顔色確認、鼻と口に手を当て呼吸の確認、胸に手を当て呼吸の確認を行い、チェック欄にはチェックした者の氏名(イニシャル)を記載している。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・毎月一回の身体測定、園医による内科健診、歯科検診を実施し、健康状態を「健康カード」に記入し保護者の確認印をもらっている。健康カードは確実に見てもらえるようにチェック表も作成している。健康診断、歯科検診の結果によって受診の必要がある場合などには個別に保護者に伝えるようにしている。また、毎月の保健だよりにおいて、子どもの健康や季節の注意事項、感染症などについて伝え保護者に注意を促している。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー児には、給食室と職員が連携し、事故が起こらないように細心の注意を払っている。アレルギー児専用の食器とプレート、給食とおやつの受け取り時は声に出して受け取り、サインをする仕組みがある。保育室ではアレルギー児を最初に配膳し、正職員が側に付くようにしている。保育室にはアレルギー対応フローの掲示があり、職員はどの園児が何のアレルギーなのかを把握できるようになっている。保護者にむけても、アレルギー児への対応方法を周知している。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・保育園での毎日の給食を子どもが楽しく食べることができるように、個々の食べられる量や好き嫌いを把握し子どもへの声かけに配慮しながら促している。
・食育を通して食べる事に関心が持てるよう工夫している。グリンピースの鞘取り、トマト、オクラ、キュウリ、ピーマンなどの夏野菜の水やりから収穫までの栽培活動体験などを通して、食材に触れて身近に感じることができるようにし、収穫した野菜を給食に取り入れ提供することで嫌いな野菜も食べることができるなどの成果が見られている。離乳食ではつかみ食べがはじまると持ちやすく食材の大きさを工夫するなど栄養士と連携し子どもの様子を見ながら進めている。
・食事についても保護者に家庭での様子や園での様子を共有し連携を密にしている。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・本社作成の献立を使用し2週サイクルでの提供をしており、1回目のメニューで進み具合がよくない場合などは会議で話し合い、味付けや形状などに工夫をして2回で食べやすくなるように取り組んでいる。季節感のある食材を使い、保護者からも、「家では絶対作らないから有り難いです」との声もきかれている。行事食では、可愛らしく型抜きなどを使用して行事にちなんだ食材や盛り付けなどの工夫がされており、子どもが喜んで食べることができるように取り組んでいる。
・衛生管理はマニュアル基づき、調理室において適切な衛生管理を行っている。コロナ禍においては、幼児クラスはパーテーションを使用して食事をし感染症拡大防止にも努めている。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・乳児クラスは、毎日の連絡帳と送迎時の会話によって保護者と子どもの様子を共有できるようにしている。幼児クラスでは、送迎時の会話が中心であり、特別なことがあれば連絡帳で情報交換をしている。今日の保育について各クラスの活動内容を玄関に掲示することで、子どもとの会話にもつながるように配慮している。
・各クラスで懇談会を実施し、年齢に応じた子どもの発達の様子やクラスの様子などを伝える機会としているが、コロナ禍において中止することもあるため、その場合は写真付きのお便りを配布し確認してもらっている。個人面談は保護者の希望に応じて平日だけでなく土曜日にも対応し、必ず記録を残している。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・登降園時での挨拶や会話を大切にしており、保護者との信頼関係を築くことができるように心がけている。保護者からの相談には個人面談を行っており、子どもや保護者の様子から声をかけ面談を行う場合もあり、相談内容によっては園長が同席するなどの対応を行っている。
・保護者の就労等の事情による保育時間の変更や急な土曜利用についても対応し保護者が安心して子育てができるように支援している。今年度は乳児クラス(1歳、2歳のみ)、幼児クラスを分けて保護者2名の参加も可能とし運動会を実施することができている。コロナ禍において中止しているが、保育参加なども再開に向けて検討している。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・毎朝の健康視診の際に、体のチェックをしたり、子どもの様子の変化に気付いたりすることができるよう日頃から意識を高め留意しており、虐待等の早期発見と対応及び予防に取り組んでいる。気になることがあれば園長に報告し、マニュアルに沿って対応することを職員間で共有している。目立つ怪我やあざがあれば、首から上の場合は担任や園長が通院を促すようにしている。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・保育の振り返りは毎日の保育日誌記入をしており、園長が確認している。保育士の自己評価は年2回実施し、園長面談を行い振り返りや次の目標を設定することができるように支援している。保育の振り返り、保育の自己評価は園全体の自己評価にも繋げるようにしている。
・園内研修ではテーマを決めて、お互いの保育について学び合うことができる機会としており、アドバイスをし合い保育観を共有することで保育実践の改善や向上に努めている。今年度は、震災時にどの様に過ごしていたかという体験談を通じて、年齢や立場の違いによって様々な体験と思いがあることを共有し、学びにつなげることができている。