社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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にじのそら溝の口保育園

2022年12月07日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信

② 施設・事業所情報
名称 にじのそら溝の口保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50(57) 名
所在地 213-0011
川崎市高津区久本3丁目9ー9
TEL 044-455-7620 ホームページ https://www.fukushi-nijinokai.net/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人虹の会
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:6 名
専門職員
園長:1 名
保育士:17 名
看護師:1 名
子育て支援員:1 名
栄養士:1 名
調理員:1 名
調理補助者:1 名
施設・設備の概要
0歳児室(沐浴室含む):1室
1歳児室:1室
2歳児室(兼延長保育室):1室
3歳児室(兼延長保育室):1室
4歳児室:1室
5歳児室:1室
遊戯室(絵本ルーム含む):1室
調理室:1室
事務室(医務室含む):2室
屋外遊技場(1階園庭):47.54㎡
屋外遊技場(屋上園庭):146.86㎡
相談室:1室
子ども用トイレ:3
大人用トイレ:3

③ 理念・基本方針
【保育理念】
・子ども一人ひとりの人権を尊重しながら子どもの健やかな成長発達を保障します
・保護者と協力関係を築き、子どもの最善の利益と福祉の向上を図ります
・地域子育て支援としての役割を果たします

【保育方針】
・一人ひとりの子どもを大切にし、集団の中でそれぞれの個性を発揮できるよう、自発的、主体的に行動できる子どもに育てます
・保護者との信頼関係を深め、十分に連絡を取り合い家庭とともに健やかでこころ豊かな子どもに育つよう協力しあいます
・安心感がもてるよう保育者のきめ細かな援助やかかわりを大切にします
・さまざまな体験を通して豊かな感性を育て創造性の芽生えを養います 
・育児をめぐるさまざまな問題への対応を専門機関と連携し、広く子育て支援の役割をもち、地域に開かれた保育園づくりをします

【保育目標】
・生き生きとあそべるこども
・心の豊かなこども
・自分で考えて自発的に行動できるこども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【3つのプロジェクトチームの活動を通して、保育の質の向上につなげています】
 園では、「環境プロジェクト」「食育プロジェクト」「運動遊びプロジェクト」を立ち上げ、各プロジェクトが連携することで、保育の質の向上につなげています。プロジェクトメンバーは、主任が職員配置や経験年数等を考慮し編成しています。編成されたメンバーは、月に1回打ち合わせを行い、保育内容について意見交換を行っています。
 食育プロジェクトの打ち合わせの中で「食事の際に姿勢の維持が難しい」というテーマがあがった際、姿勢維持のためには体幹を育むことが大事ではないかという意見が出された結果、運動遊びプロジェクトと連携することとなりました。そして、ホールに吊りロープを設定し、年齢に応じてロープの結び目を変えて登るなどの運動遊びの実施にもつなげています。
 また、環境プロジェクトのメンバーが各保育室の環境設定で気付いた点を伝えることで、保育所内外の設備・用具の管理をはじめ、玩具棚の配置を変えるなど、専門的な視点での振り返りが実施され、子どもの発達や興味に応じた環境設定につながっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/06/06(契約日) ~2022/11/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回((今回が初)年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【人財育成方針を策定し、職員一人ひとりに応じた、育成体制が整えられています】
 法人では、「人材」を「人財」と捉え、人財育成方針を策定し、職員一人ひとりに応じた育成体制が整えられています。人財育成方針には、「法人の基本理念」「目指すべき職員像」「行動指針」が記載され、方針を常に念頭に置き、子どもの最善の利益につなげることを目的に方針が策定された経緯が明記されています。
 「法人の基本理念」の実現のために、目指すべき職員像として、「思いやりと豊かな心を持つ人」「笑顔のコミュニケーションが取れるまろやかな人」「向上心を持ち前向きにチャレンジできる人」「感謝と誠意のある人」が示され、行動指針として、「子ども、保護者、先輩、同輩、後輩、地域の方々など関わる人全てに対して思いやりと豊かな心で接します」「相手の立場に立って物事を捉え、笑顔と柔軟なコミュニケーションを心がけます」「人として、専門職として、主体的、自発的に真摯に学び、何事にもチャレンジ精神を持って取り組みます」「何事にも感謝と謙虚な気持ちを忘れず、誠意をもって取り組みます」と記載されています。
 また、人財育成方針と連動してキャリアラダーが作成されています。キャリアラダーでは、経験年数に応じて求められる専門性業務や社会人・組織人として備えるべき資質が職種別に示されるとともに、受講が必要な研修も記載され、職員がキャリアビジョンを描きながら日々の課題を明確にし、職務にあたれるよう体制が整えられています。また、キャリアラダーステップにもとづいた、職員一人ひとりに応じた自己評価票が整備されています。自己評価票には、目標と具体的な取り組み、反省・評価・今後の課題について記載します。併せて、自己評価チェックシートにて社会人・組織人として備えるべき資質をチェックするとともに、職種別経験年数別の専門性業務も合わせてチェックする仕組みを設けています。
 これらの取り組みにより、人財育成方針にもとづいた、職種別、経験年数に応じて求められる職員像を明確にし、一人ひとりの職員が自己評価票で確認するとともに、年に3回の園長面談を実施し、進捗状況を確認することで、職員一人ひとりに応じた、育成体制が整えられています。

【子ども一人一人の生活リズムや興味、関心に応じて生活できる環境が整えられています】
 保育所内外は、整理整頓が行き届き、子ども一人ひとりの生活リズムや興味、関心に応じて生活できる環境が整えられています。
 生活の面においては、食事のスペースと午睡のスペースを分けることで、一人ひとりの生活リズムに応じてゆったりと生活ができるとともに、幼児クラスでは準備のできた子やグループから食べ始めることで、一人ひとりのペースに合わせて生活できるよう配慮されています。また、乳児クラスでは緩やかな担当制を取り入れ、個々の子どもの様子の適切な把握につなげています。職員が個々の様子を踏まえて、食事や排せつ、睡眠に関わることで子どもが安心して過ごせるよう配慮しています。また、マットの上で横になることができるスペースや、室内に2~3人程度の子どもが入って静かに過ごすことができる空間、ホールの一角に設置された図書コーナーなど、ゆったりと過ごし、休息ができるスペースが室内に常備されています。
 遊びの面においては、構成遊び、ごっこ遊び、机上の遊びなど遊びの種類ごとにコーナーが設定され、一人ひとりの子どもが、自身の興味や関心にもとづいて遊ぶことができるよう環境が整えられています。また、作った物や遊び途中の物を置いておくことができるスペースを確保することで、継続した遊びができるよう配慮しています。身体を動かす遊びについては、保育室内にバランスを取って遊ぶ遊具や、跳びはねて遊ぶことができるタイヤなどが設定されるとともに、ホールにも吊り具のロープを設置しています。縄跳び、鉄棒、巧技台、飛び石、マット、トランポリン、じゃれつき遊びなどにも取り組んでいます。
 1階の園庭には砂場やタイヤ、ごっこ遊び用の小屋やテーブル、いすなどが設置されています。またプランターでは、ピーマン、なす、きゅうり、ニンジン、オクラ、トウモロコシなどを育てています。さらに雑草を植えることで、子どもたちが自由に草を摘むなどの経験ができるよう配慮しています。屋上の園庭には、コンビカーや三輪車、竹馬やフラフープを用意するとともに、組み合わせを変えることで様々な身体活動が可能な大型遊具が設置されています。また、プランターではお米作りに取り組んだり、泥遊びができる環境も整えています。

【さらなる地域への貢献、地域との交流が期待されます】
 園では、区の園長会や主任児童委員との意見交換等を通して地域の福祉ニーズを把握しています。把握されたニーズを踏まえ、園では、地域に向けた絵本の貸し出しの実施や育児相談、にじっ子ひろばと呼ばれる地域子育て支援事業を実施しています。にじっ子ひろばでは、親子で楽しむ手遊びと絵本の読み聞かせの実施や、保育士、看護師、栄養士の専門職による子育て相談や離乳食講座等を実施しています。これらの実施内容については、区が発行する情報誌への掲載や、園のホームページ、また園外の掲示板に貼り出し周知に努めています。
 また、年長児が近隣の保育所と交流し、合同で消防署見学を行ったり、近隣の公園で一緒に遊んだりするなど、地域との交流にも取り組んでいます。
 今後は、安定した職員体制と、経験年数が長く、保育経験が豊かな職員が多く在籍する当園の強みを生かし、コロナ禍においても実現可能な、地域に向けた保育体験や給食体験などの子育て支援や近隣の高齢者施設等との交流、また中学生・高校生等の職場体験の受け入れの実施など、さらなる地域への貢献と交流が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・第三者評価を受審する目的は保育の質の向上と保育や運営の課題を明らかにすることであり、職員間で共有して取り組むことが出来た。
・一つひとつ丁寧に見直す機会となった。
・利用者アンケートは毎年行っているが、今回のアンケートからの意見も今後に活かしていきたい。
・第三者評価者に各クラスの保育を観察していただき、各クラスが大事にしていることを理解していただけたことが職員の励みとなった。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や方針は、パンフレットやホームページに記載されるとともに、玄関及び各保育室に掲示されています。保育理念は「子ども一人ひとりの人権を尊重しながら子どもの健やかな成長発達を保障します」「保護者と協力関係を築き、子どもの最善の利益と福祉の向上を図ります」「地域子育て支援としての役割を果たします」です。保育方針は、理念との整合性が確保されています。
・理念や方針は、4月の全体職員会議で園長が独自に作成した書面とともに職員へ周知されています。書面には、理念や方針に基づき「コロナ禍でも園を開園し続ける対策」や「コロナ禍での行事を実施する工夫」などが記載されています。
・園の理念や方針については、保育内容説明会にて全体的な計画を配布し、園長が園全体の内容を説明するとともに、乳児リーダー、幼児リーダーが年齢ごとの内容を説明しています。説明の際には、パワーポイントや日頃の活動写真などを取り入れ、園での活動の様子が分かりやすいよう工夫しています。
・園では、日ごろから園の理念や方針を継続的に周知する取り組みの一環として、ドキュメンテーションに取り組んでいます。ドキュメンテーションでは活動写真とともに、子どもたちの様子が記載され、保護者と子どもたちの成長を共有する機会となっています。これらの取り組みにより、利用者家族アンケートでは、9割以上の保護者が園の方針について「よく知っている」または「まあ知っている」と回答していました。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向については、厚生労働省や市の担当課からの情報提供をもとに、法人と園が共有しながら具体的に把握し分析につなげています。例としてコロナの感染状況や対応、処遇改善、SIDS、事故等が挙げられます。
・地域の各種福祉計画の策定動向等については、年3回実施される区の園長会に参加し情報を得ています。具体的には、地域における子育て支援の動向や、障害者雇用のあり方等が挙げられます。また、0歳児の保育ニーズの減少に伴う、各保育所における定員割れなどの変化等を把握しています。
・予算の執行状況は、毎月、法人の事務担当と園長が確認し、保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等の分析を行っています。また、園児の入退園、延長保育申請・解除状況は随時共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・経営課題については、法人の施設長会議や保育園長会議、統括施設長との面談等にて具体的な課題や問題点を明らかにしています。現在の園の課題として、次年度譲渡予定の保育園の職員確保及び保育内容の定着が挙げられます。これらの課題については、評議委員会・理事会をそれぞれ年に2回実施し、共有されています。また、園長が全体職員会議等を通じて、職員に周知しています。
・経営課題の解決・改善に向けた具体的な取り組みとして、職員確保については就職相談会への参加、養成校への訪問等が行われています。また、職員からの紹介も挙げられます。保育内容の定着については、既存園からの職員の異動等に合わせて、ゆとりある職員配置をすることで保育内容の定着を図る試みが検討されています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画は園長が作成し、主任、法人事務局が確認しています。計画には理念や方針が明記され、実現に向けての運営方針、保育環境、保育事務、子育て支援や研修計画が記載されるとともに、保育に携わる者としての心構え等が記載されています。
・中・長期計画では、保育環境においては保育室、遊具、園庭遊具等の定期的な点検を行うこと、保育事務においては、「見る」と「観る」の違いを明記し、子どもの内面を意識して記録することの大切さについて記載するなど具体的な内容となっています。また、子育て支援では「保育をわかりやすく伝えるお便りの作成」「見える保育を心掛ける」ことが記載され、日々のドキュメンテーションの作成につながっています。また、地域に対する子育て支援では、食事に対する悩みが多いことを踏まえ、栄養士による離乳食講座や看護師による子育て講座の実施などにつなげています。研修計画では、法人全体研修、ステップアップ研修、職種別研修、市の研修などが日程、テーマ、講師別に一覧で記載されています。
・中・長期計画では「職員の定着」と「保育の質の向上」を大切にし、園長が見直しを行っています。今後は、さらに数値目標や具体的な成果等を設定し、見直しの精度を高めていくことが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画の重点テーマとして「職員の定着」と「保育の質の向上」を挙げ、単年度計画の「人財育成と職員の定着」「各種会議・研修」などに反映させています。今後は、中・長期計画の重点テーマをより反映させた単年度計画の策定が期待されます。
・人財育成と職員の定着では、「人財育成方針」を策定し、職員の自己評価の方法を見直すとともに、将来像を描きながら職務にあたれるようキャリアラダーを作成するなどの具体的な内容となっています。また、福利厚生制度のさらなる充実等についても明記されています。各種会議・研修では、「専門性を高めるための3つのプロジェクト会議」や法人全体研修、ステップアップ研修、職種別研修、施設内研修、外部研修が記載されています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画は、主任と職員の意見を取り入れながら園長が作成しています。具体的には、年間行事や地域子育て支援などについて、昨年度の内容を振り返り、次年度の事業計画に反映し策定しています。
・事業計画には、「施設の状況、施設長の運営方針等」の項目があり、その中で行事について「子どもの成長を保護者と共有できる貴重な機会であり、運動会や発表会、保育参加や面談等の要望に応えていく」旨が記載されています。また、行事後にアンケートを取り、保護者の思いを受け止めていくことも記載されています。地域子育て支援については、「にじっ子ひろば」を月に1回のペースで実施し、遊びの提供、子育て講座、園児とのふれあい、保護者同士の交流、同年齢クラスでの体験保育を計画し実施する旨が記載されています。
・事業計画書の見直しについては、保護者の要望等を踏まえ見直すとともに、事業報告書にて年間行事の実施状況等が評価されています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画に関連する、全体的な計画やそれに伴う乳児保育、幼児保育、健康管理や給食への取り組みなどについては、保育内容説明会でパワーポイントや日ごろの活動写真を踏まえて保護者に説明しています。また、行事への取り組みなどについても説明しています。今後は、中・長期計画の重点テーマとして挙げられている「保育の質の向上」に関連する内容や、単年度計画で挙げられている「人財育成」等について、保育内容説明会等を通して、さらなる周知が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・保育の質の向上に向けて、各種会議にて組織的にPDCAサイクルにもとづく取り組みを実施しています。全体職員会議をはじめ、乳・幼児会議、クラス打ち合わせ、リーダー会議、フリー会議などが実施されています。また、食育プロジェクト、運動遊びプロジェクト、環境プロジェクトの3つのプロジェクトを立ち上げ、より専門的な視点での振り返りが実施されています。
・各種会議には園長と主任が参加し、主任は他の会議で出された内容等を他の職員と共有することで、全職員が保育内容について組織的に確認できる体制が整っています。
・年に2回、園長が施設自己評価シートを使用し、「子どもの理解」「家庭及び地域社会との連携や子育て支援に係る観点」「保育の実施運営・体制全般に係る観点」などについて園全体の自己評価を実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・評価結果については、各種指導計画に反映され文書化されています。一例として、かみつきがあった際に「じっくり遊びたかったのではないか」という子ども理解のもと「安心して遊べる環境づくり」に取り組み、その後のヒヤリハットの分析等から、かみつきが減ったという改善の実施状況の評価を行いました。また、食育プロジェクトで課題として取り上げられた「姿勢維持」について職員間の共有化を図ったところ、運動プロジェクトにもつながり、姿勢維持に必要な感覚を育てる遊具を導入したことも事例として挙げられます。
・園では日ごろから、子どもの興味や関心、発達にもとづいて玩具や遊具の見直しを行っています。またフリー保育士等が各クラスに入り、玩具棚の位置等の環境設定で気付いた点を共有することで、改善につなげるなどの取り組みが行われています。
・今後は、園長が年に2回実施している施設自己評価シートの結果についても、取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施することが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は4月の全体職員会議にて、園の方針を伝えるとともに、「コロナ禍でも園を開園し続ける対策」や「コロナ禍での行事を実施する工夫」などを書面にし、職員に伝えています。
・職務分担表では園長の役割として、「園の運営管理全般」「施設管理に関する事」「保育内容及び職員指導」などが挙げられ、自らの役割と責任について表明しています。
・有事(災害、事故等)における園長の役割と責任及び不在時は主任へ報告をすることなどの権限委任等については、主任の職務内容として「園長不在時の園長代行」と職務分担表に記載されています。また、自衛消防(地震防災)隊の編成と任務が事務所内に掲示され、隊長を園長とし、副隊長を主任とすることが明記されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は市の監査基準に関する説明会等に参加し、児童福祉法にもとづいた職員配置や設備基準、監査基準等の理解を深めています。把握された内容については、職員に周知しています。また、労働基準法における労働時間や残業時間、有給休暇等について理解しています。これらの関連法令については、ファイルにまとめられいつでも閲覧できる体制となっています。
・園長は法人施設長会議での勉強会等を通して、職場におけるハラスメント防止対策について理解を深めるなど、幅広い分野について遵守すべき法令等を把握することに努めています。把握された内容については、法人独自にハラスメント防止に関する冊子を作成し職員へ配布し、周知を図っています。冊子には、事務局の統括施設長が担う、相談窓口も記載されています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は各種会議に参加することで、保育の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行っています。また、各種指導計画を確認し、「文章から子どもの姿を読み取れるか」を一つの基準として確認し、必要に応じて指導することで、改善のための具体的な取り組みにつなげています。
・園長は、保育の質の向上について、職員の意見を反映するための具体的な取り組みを行っています。一例として、1階の園庭に雑草や草花を植え、自由に摘んで遊べる環境を設定しました。また、以前は屋上の園庭の遮光ネットを準備する際に、毎回3~4人の職員で行っていましたが、法人と状況を確認し、職員1人だけで手動で設定できる遮光ネットの取り付けに至りました。
・園長は全職員を対象とした法人全体研修の受講をはじめ、経験年数や役割などに配慮し、ステップアップ研修、職種別研修、施設内研修、外部研修、キャリアアップ研修等を受講できるよう、研修の充実を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、毎月法人の事務担当と予算の執行状況を確認するとともに、各時間帯における職員配置等についても共有し、必要に応じて採用につなげるなど、適切な職員体制を整えています。また、職務分担表については、保育経験年数や法人内での経験年数を考慮し、園長が作成しています。シフトに関しては主任が作成し、遅番勤務の翌日に早番勤務にしないことや、事務作業の時間が確保できるよう、フリー保育士等を体制に組むなど、職員の働きやすい環境整備などに取り組んでいます。
・園では、全体職員会議を始め、クラス会議、リーダー会議、フリー会議、乳児会議、幼児会議などの会議が定期的に行われ、園長も参加することによって、組織内に同様の意識を形成するための取り組みの一環につながっています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・法人全体で「人財育成方針」が策定され、「法人の基本理念」「目指すべき職員像」「行動指針」が記載され、
必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方、福祉人材の確保と育成に関する方針が示されています。
・キャリアビジョンを描き日々の課題を明確にしながら職務にあたれるようキャリアラダーが作成されています。キャリアラダーでは経験年数に応じて求められる専門性業務や、社会人・組織人として備えるべき資質が職種別に示されています。また、「職員自身が今いるステップで獲得していくべき能力や遂行すべき職務などを知ることで、課題や目標に対する主体的な業務遂行を目指す」ことが明示され、育成計画の一端を担っています。
・福祉人材の確保については、養成学校の訪問や実習生の受け入れ等を通して実施しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・「目指すべき職員像」は、人財育成方針に示されています。目指すべき職員像として、「思いやりと豊かな心を持つ人」「笑顔のコミュニケーションが取れるまろやかな人」「向上心を持ち前向きにチャレンジできる人」「感謝と誠意のある人」が示されています。
・人事基準については、就業規則に記載されるとともに、具体的な内容について、キャリアラダーにて職務別の求められる能力が明確に定められ、職員に周知されています。
・職員は、3種類の自己評価を実施しています。記入票1ではキャリアラダーにもとづいた目標や具体的な取り組み、また取り組みに対しての反省、評価、及び今後の課題について記載します。記入票2では理念や方針の理解、倫理・道徳・人権、服務規律、職務・業務遂行能力、専門性などについてチェックします。記入票3では、職種別、経験年数別に求められる専門性業務等についてチェックします。これらの自己評価をもとに、年に3回園長面談を行い、職務に関する成果や貢献度等を総合的に評価し、処遇改善等につなげています。
・職員が、自らの将来の姿を描くことができるよう、キャリアラダーが策定され、自己評価と連動させることで、人事管理における仕組みづくりを行っています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・労働時間の管理は園長が実施しています。また、タイムカードの最終確認は園長と主任が実施し、職員の就業状況を把握しています。
・有給休暇取得の際は、職員が主任に申し出て、主任が体制を確認します。その後、職員は園長に休暇申請を申し出ます。園長は申し出を受け、有給休暇を承認します。園長は年間有給休暇取得届兼残数表にて職員の有給休暇取得状況を確認し、全職員がバランスよく有給休暇を取得できるよう声をかけるなどの配慮をしています。
・職員に対し、毎年健康診断を実施し、その結果について法人の産業医にアドバイスを受ける機会を設けるなど、職員の心身の健康と安全の確保に努めています。また、産前・産後休業、育児休業、短時間勤務等、各職員の事情に合わせて勤務できる体制が整っています。
・年3回の園長面談のほか、必要に応じて面談の機会を設けるなど、定期的に職員との個別面談の機会を設けています。また、全職員に法人独自で作成したハラスメント防止に関する冊子を配布しています。冊子には、相談窓口として、事務局統括施設長の連絡先が記載されています。
・福利厚生については、会員制リゾートクラブに加入し、全国のリゾート施設を安価で利用することができます。また、福利厚生代行サービスに加入し、自己啓発、各種レジャー、映画鑑賞、子育て、介護などに関するサービスの割引を受けられるなど、充実した福利厚生が整備されています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「期待する職員像」については、キャリアラダーにて初任者、中堅職員、リーダー・副主任、主任、施設長の階層別に求められる能力が記載されています。さらに、階層別に求められる専門性業務、社会人・組織人として備えるべき資質についても記載されるなど、組織として「期待する職員像」が具体的に示されています。
・職員一人ひとりの目標管理のための仕組みとして、自己評価票があります。自己評価票には、各職員のキャリアラダーステップにもとづいた、目標と具体的な取り組み、反省・評価・今後の課題について記載します。また、自己評価チェックシートにて社会人・組織人として備えるべき資質をチェックするとともに、職種別経験年数別の専門性業務も合わせてチェックする仕組みを設けることで、職員一人ひとりの目標の設定が適切なものとなっています。
・職員一人ひとりが設定した目標について、年に3回の園長面談を通して、目標の確認や、進捗状況の確認を行う仕組みが構築されています。職員との面談は、園長が各職員の良い所や、良く取り組んでいる部分を直接伝える機会にもなっています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・目指すべき職員像として、「思いやりと豊かな心を持つ人」「笑顔のコミュニケーションが取れるまろやかな人」「向上心を持ち前向きにチャレンジできる人」「感謝と誠意のある人」が人財育成方針に示されています。
・キャリアラダーでは、階層別に求められる能力が記載されています。求められる能力にもとづいて受講が必要な研修を明示することで、各職員が必要とする専門技術や専門資格を把握することにつながっています。
・主任は、各職員の研修受講状況を一覧で作成しています。一覧にもとづいて各職員の年間の研修計画を作成しています。研修計画は年度ごとに見直され、次年度の計画に反映しています。
・キャリアアップ研修については、該当経験年数の職員に対し、年間で1分野の研修を受講できるよう、研修計画及び研修内容の見直しを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況等は研修受講状況一覧表で把握するとともに、日々の保育実践や各種指導計画の内容を通して把握しています。
・新任職員や経験の浅い職員と保育経験年数が長い職員を同じクラスに配置することで、日ごろの保育実践や保育記録、保護者対応などについての個別的なOJTが適切に行われています。観察時にも、経験年数の長い職員が、子どもへの声のかけ方や促し方などについて具体的に新任職員に伝えている姿が見られました。
・法人による全体研修を始め、ステップアップ研修、職種別研修、施設内研修、外部研修などの機会を確保し、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修を実施しています。
・研修受講後は、研修報告書を記載し園長に提出します。その後、法人事務局に提出し、園専用のファイルに綴じ、いつでも閲覧できる体制が整っています。研修内容については、研修報告会を設け、全職員で共有しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢は、実習生・ボランティア受け入れマニュアルに明文化しています。
・実習生・ボランティア受け入れマニュアルをもとに、主任が連絡窓口を含め、中心となり対応しています。受け入れの際に、園内掲示をし、保護者への周知も図られています。
・学校からの依頼内容とオリエンテーションにて、実習生の意向や学びたいこと等を把握し、実習生ごとにプログラム、スケジュールを計画しています。
・実習生受け入れ窓口である主任は、養成校の講師による実習生の現状等に関わる研修を受けています。研修の中では、書くことが苦手な学生が多くなっていることなど、実習にかかわる具体的な内容が挙げられ、指導の際に配慮するなどの取り組みにつなげています。
・学校との連携として、実習中の学校担当者の巡回の受け入れや、直接養成校を訪問し、実習生の受け入れをについて伝えるなどの取り組みを実施しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・ホームページ及び社会福祉法人報告書閲覧サイト(WAM NET)等を通して、園の理念や基本方針、保育の内容、また決算情報等が適切に公開されています。
・苦情・相談の体制については、重要事項説明書で示されるとともに、園内にも掲示しています。
・ホームページでは、地域とのかかわりとして、「保育園の機能を生かし地域に親しまれる保育園」「地域の子どもや保護者に対して子育てを支援していきます」「見学者、保育相談者をいつでも受け入れオープンにしていきます」の3点が掲げられるなど社会・地域に対して明示・説明し、園の存在意義や役割を明確にするように努めています。また、園外の掲示板には、絵本の貸し出しのお知らせや、にじっ子ひろばと呼ばれる地域に向けた子育て講座の年間計画を貼り出すなどの取り組みも実施しています。
・区の子育て情報誌である、「ホッとこそだて・たかつ」に園情報が記載されています。また、ホームページでは園内の写真が掲載されるとともに、動画にて園内の様子や活動の様子を閲覧できるようにするなど、地域に向けて園の活動等を伝える取り組みが行われています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育所における事務、経理、取引等に関するルール、職務分掌と権限・責任については、経理規定に示されています。経理規定では、予算や出納、資産・負債の管理等の項目が設けられています。規定にもとづき、見積もりの際は複数の業者から見積もりを取るなどの取り組みが行われています。
・園では小口現金を取り扱い、一定額以上については、法人決裁で購入し、それ以外は園長決裁となっています。職員が物品等を購入する際は、園長に申し出て、購入後領収証を提出するルールとなっています。
・園における事務、経理、取引等については、毎年度の決算時に、取引の証憑類の照合、契約関係の書類確認及びそれらに伴う理事会の決議を確認するなど、定期的に確認する取り組みが行われています。
・法人では、行政、保育施策、人事労務、財務に詳しいコンサルタントと契約を結び、事業全般について必要な際に随時相談できる体制が整っています。また、社会福祉法人会計、保育所委託費の通知に沿った会計処理が適切かどうかについても随時確認するなど、外部の専門家による指導を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域とのかかわり方については、保育理念、保育方針に掲げられるとともに、ホームページや事業計画書にも記載されています。
・玄関には、ワーキングママカウンセリング、川崎子育てアプリや子どもの権利に関してなどの区からの情報を掲示するとともに、資料が手に取りやすいよう置かれています。また、地域のお話会ボランティアグループのチラシが掲示されています。
・区の作品展では、年長児の作品を展示するとともに、職員が当番で作品展に参加するなど、子どもの個別的状況に配慮しつつ地域の行事や活動に参加するための体制が整っています。
・年長児が近隣の保育所と交流し、合同で消防署見学を行なったり、近隣の公園で一緒に遊んだりするなどの取り組みが行われています。今後は、地域の福祉施設や児童館、図書館等の定期的な利用などを通して地域の人々と子どもとの交流の機会を設けることが期待されます。
・個々の子ども・保護者のニーズに応じて、地域における社会資源を利用できるよう、市の人権オンブズパーソンや虐待に関する情報、また区の子育て情報ガイド等が玄関に置かれています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティアの受け入れに関する基本姿勢については、保育園運営マニュアルや実習生・ボランティア受け入れマニュアルに示されています。
・近隣高校の吹奏楽部が園を訪問し、楽器演奏をした実績があります。中学生の職場体験等の受け入れについては、現時点では実績はありませんが、依頼があった際は積極的に受け入れる体制が整っています。
・ボランティアの受け入れの際は、オリエンテーションを実施し、個人情報の取り扱いに関する説明等を行い、誓約書を受け取るなどの規定が示された実習生・ボランティア受け入れマニュアルが整備されています。
・養成校を訪問し、実習の受け入れを実施している旨を伝えるなど、実習生の受け入れを積極的に行っています。今年度は2名の実習生を受け入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・近隣の病院一覧や区の担当課、児童相談所及び療育機関等の関係機関の連絡先を一覧にし、事務所内に掲示しています。一覧については、職員間で情報共有が図られています。
・区の園長連絡会、主任・園長補佐連絡会、年長児担当者連絡会、給食担当者連絡会、健康管理担当者連絡会、発達相談支援担当者連絡会、子育て支援担当者連絡会など職種ごとの連絡会に定期的に参加しています。
・警察署と連携し、散歩に同行してもらい交通安全について教えてもらう機会を設けたり、療育センターの巡回を通して子どもについて理解を深めるなど、地域の関係機関と連携した具体的な取り組みが行われています。また、消防署との連携では、水消火器を借り、消火訓練を実施するなどの取り組みも行われています。
・家庭での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、虐待対応防止マニュアルに沿って対応する体制が整えられています。また、地域の情報については主任児童委員から情報を得る等連携が図られるとともに、必要に応じて児童相談所との連携を図る体制が整えられています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域の福祉ニーズについては、区の園長会や主任児童委員との意見交換等を通して把握しています。また、園見学や地域を対象とした育児相談、地域子育て支援事業である「にじっ子ひろば」の参加者の声からも、地域福祉ニーズの把握に努めています。
・地域の具体的な福祉ニーズについて、在園児の保護者の実態からも把握しています。例として、兄弟で同じ園に通うことができない家庭や、3歳児を受け入れ可能な保育所を探すのが大変であるなどの内容が挙げられます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・把握された福祉ニーズにもとづき、園では、地域に向けて絵本の貸し出しの実施や育児相談、にじっ子ひろばと呼ばれる地域子育て支援事業を実施しています。にじっ子ひろばでは、親子で楽しむ手遊びと絵本の読み聞かせの実施や、保育士・看護師・栄養士の専門職による子育て相談や離乳食講座等を実施しています。
・地域コミュニティの活性化やまちづくりなどの貢献の一環として、区が主催する作品展に年長児の作品を出展しています。作品展には、区内の100を超える園が作品を出展し、地域の方々が子どもの育ちや保育活動の様子に触れる機会となっています。
・園では、被災時における避難場所としての開放など、福祉的な支援を必要とする人びとに対してできる取り組みを検討しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもを尊重した保育の実施については、園の理念に「子ども一人ひとりの人権を尊重しながら子どもの健やかな成長発達を保障します」と明示し、具体的な取り組みについては各種会議にて検討されるとともに、日々の保育実践につなげています。
・子どもを尊重した保育の提供に関する「倫理綱領」については、全職員が実施する自己評価チェックシートに倫理・道徳・人権の項目が設けられています。また、人権擁護のためのセルフチェックリストを全職員が毎年実施するなど、職員が子どもを尊重した保育について理解し、実践するための具体的な取り組みにつなげています。
・全職員が受講する法人全体研修または、園内研修の中で虐待等に関連する子どもの権利研修を取り上げるなど、子どもの尊重や基本的人権への配慮について、組織で勉強会・研修を実施しています。
・子どもを尊重した保育に関する基本姿勢は、週案、月間指導計画などの各種指導計画に反映されています。一例として、4・5歳児の混合クラスでは、保育者が一人ひとりの違いを認め、個々の発言や発想を大切にすることに取り組んでいます。観察時も、運動会のはじめのことばとおわりのことばを決める際に、保育者が一人ひとりの意見を聴きながら、ことばの内容を子どもたちとともに決めていく様子が見られました。
・性差への先入観による固定的な対応をしないよう、男女で分ける遊びや、「男の子だから、女の子だから」といった言葉がけをしないよう配慮しています。
・子どもの人権、文化の違い、互いに尊重する心について、園見学時、入園前説明会にて、重要事項説明書を使用し保護者に説明しています。また、職員が子どもの人権擁護に関する研修を受講している旨も伝えています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・子どものプライバシーの保護について、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務等が、全職員に実施される自己評価チェックシートや重要事項説明書、市が監修する「保育の質ガイドブック」に記載されています。さらに職員は園内研修で取り上げられる、子どもの権利研修等を通して理解が図られています。また、市の子どもの権利担当者に講師を依頼し、法人全体研修としても取り組んでいます。
・一人ひとりの子どもにとって、生活の場にふさわしい快適な環境を提供し、子どものプライバシーを守れる設備等の工夫として、0歳児クラスからオムツ替えの際に衝立を使用したり、着替えやプール時のシャワーを男女別に行ったりしています。また、1階園庭の遮光カーテンは、下からは上空の様子を見ることができますが、上からは園庭の様子を見ることができない構造となっています。
・入園時には必ず、画像や動画の使用について、保護者に説明するとともに、毎年同意書をいただいています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・区が発行する、「ホッとこそだて・たかつ」や「ひろばノート」などの情報誌に、園の理念や基本方針、保育の内容や保育所の特徴等を掲載するなど、多くの人が必要な情報を入手できるよう取り組んでいます。また園のホームページでは、活動写真を掲載するとともに、園内を案内した動画や子どもの活動を紹介した動画を自由に閲覧することができます。
・園見学は、コロナ禍でも施設内を案内するために、登園園児数が少ない土曜日に1組ずつ実施しています。園舎内を案内しながら、園の保育理念や保育内容等を説明しています。また、重要事項説明書を使用し、質疑応答なども行っています。現在は、中堅以上の保育者が園見学の対応をしています。土曜日の見学が難しい希望者に対しては、別の曜日での実施を検討するなど、見学者の希望に応じて柔軟に対応しています。
・利用希望者に対する情報については、毎年検討し見直しを実施しています。一例として、地域に向けた子育て支援事業の内容の見直しが挙げられます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・保育の開始にあたり、保育内容説明会にて、説明会用の冊子や全体的な計画を配布し、パワーポイントを使用するとともに、園の活動写真なども取り入れるなど、わかりやすく説明し、保護者等に同意を得ています。また、保育内容の変更時には、書面等にて変更内容を説明し、再度、同意書を得ています。
・園で必要な持ち物の説明にあたっては、イラストの使用等をして理解しやすくするとともに、見本を掲示するなど、保護者等が理解しやすいような工夫や配慮を行っています。
・特に配慮が必要な保護者への説明については、ルール化され、適正な説明、運用が図られています。一例として、アレルギー児への聞き取りは栄養士と看護師が入園の際に行い、さらに栄養士は毎月の献立の確認を保護者と行っています。また、園では6か月ごとに、市の健康管理委員会に所定の書類を提出しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・保育所の変更にあたっては、市内で転園した際は、入園前健診記録や園医健診結果記録などの健康状態に関わる書類を引き継ぐことができる体制となっています。
・保育所の利用が終了した後の相談窓口として、担当者は設置していませんが、全職員が相談を受ける体制となっています。
・保育所の利用が終了した時に、子どもや保護者等に対し、いつでも来園できることなどを伝えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々の保育の中で、子どもの声や表情、態度や様子を観察し、「見る」ではなく、子どもの内面を意識して「観る」を大切にし、気持ちを理解するよう努めています。また、家庭での子どもの様子を保護者と共有するとともに、朝ミーティングにて職員間で子どもの体調や様子について情報共有が行われています。
・保護者に対し、利用者満足に関する調査として、年に1回の園全体に関する利用者アンケートをはじめ、運動会、発表会、保育参観、親子で遊ぼう会においてもアンケートを実施しています。
・アンケート内容に関しては、全体職員会議において全職員で共有するとともに、分析・検討し次年度の行事等に反映させています。集計されたアンケート内容については配布し、保護者との共有が図られています。
・アンケート内容等の分析・結果にもとづいて具体的な改善が行われています。一例として、運動会や発表会は3歳児以上が対象のため、2歳児クラスでの行事実施の要望を受け、親子であそぼう会の取り組みにつなげました。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の体制については、受付担当を主任とし、解決責任者を園長としています。また、第三者委員を設置しています。これらの内容は、重要事項説明書に記載があるとともに、玄関に掲示しています。また、意見箱を設置し、保護者等が苦情を申し出しやすい工夫を行っています。
・苦情内容については、苦情申出受付書に記載しています。また、日々の保育の中で把握された苦情内容や意見等に関しては、園長を含め職員で検討した上で、迅速な対応につなげています。一例として、コロナ禍で中止した保育参加について、保育参加の方法を再検討し実施につなげました。また、防犯上の観点から門扉の施錠について意見が出た際には、施錠の徹底を注意喚起した掲示をするなどの取り組みが行われています。
・日々の保護者とのやり取りの中で、保護者の申し出を受け、保育の質の向上に関わる取り組みが行われています。例として、子どもの制作物に制作日の日付を記載することや、玄関の給食のディスプレイに照明を取り付け、遅い時間帯に迎えに来た保護者でも、ディスプレイを見やすくするなどの取り組みが行われています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・相談の受付担当については、主任、また必要に応じて園長や第三者委員など複数の相手を自由に選べることを、重要事項説明書や玄関の掲示で知らせています。また、直接の相談以外に、意見箱を通して意見を述べられることを知らせています。
・相談をしやすいスペースの確保として、相談室を利用し、面談を実施しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・連絡帳のやり取りや、送迎時に子どもの様子を伝える等のコミュニケーションにおいて、保護者が相談しやすく意見を述べやすいように配慮しています。
・意見箱の設置や行事後のアンケートの実施、また年に1回実施される、園全体に関する利用者アンケートを通して、保護者の意見を積極的に把握する取り組みが行われています。保護者からの意見は、職員間で検討し常に迅速に対応するよう取り組んでいます。
・意見等にもとづき、保育の質の向上に取り組んでいます。一例として、保護者からの散歩の機会を増やして欲しいという意見に対して、職員体制を再検討し、早朝の時間帯でも散歩に出かけられる体制づくりに取り組みました。また、行事の内容について意見をいただいた際は、園の理念と共に「子どもたちの意欲や興味」などを大切にして取り組んでいることなどを説明するなどの対応も行っています。
・苦情対応マニュアルは、定期的な見直しを実施しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・リスクマネジメントに関する責任者の明確化については、緊急対応マニュアル、予測されるリスクマネジメントへの対応マニュアル等で責任者を明確にしています。
・事務所内には、自衛消防(地震防災)隊の編成と任務が掲示され、隊長を園長とし、副隊長を主任とすることが明記されるとともに、具体的な対応についてフローチャートで示し、職員に周知しています。
・子どもの安心と安全を脅かす事例の収集については、ヒヤリハット用紙にて積極的に行われています。ヒヤリハット用紙を使用し報告と回覧をすることで職員間での共有が図られるとともに、月ごとに事例を集計・分析し、再発防止について検討されています。
・収集した事例については、各種会議にて検討し改善策に取り組んでいます。一例として、アレルギー児の給食提供について、給食室内で確認後に給食担当者と保育者が再確認し、さらに保育室内でも担任間で確認するというトリプルチェックの方法について全職員で再確認しました。
・園内にて、応急手当普及員である看護師による、心肺蘇生、嘔吐処理、安全なおんぶ等の救急救命法の研修を実施しています。
・日々の安全点検のほか、年齢別の危機管理チェックリストを整備し、6月と1月の年に2回、事故防止策等の安全確保策の実施状況や実効性について、定期的に評価・見直しを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策について、園長・主任・看護師を中心に管理体制が整えられています。新型コロナウイルス対策については、看護師が中心となり、園児の健康状態や各家庭の感染情報等を集約し、必要に応じて園長、看護師が役所に報告しています。
・感染症の予防と発生時等の対応については、健康管理マニュアル及び安全衛生マニュアルに記載され、職員に周知しています。
・感染症の予防や安全確保に関する勉強会等については、全職員を対象とした法人全体研修にて、毎年感染管理研修を実施しています。また園内では看護師が講師となり危機管理研修が実施されています。
・感染症の予防対策として、職員・子どもともに、戸外から園内に入った際は手洗いを徹底しています。また保護者に対しても、手指消毒の徹底をお便りや掲示で周知しています。併せて、嘔吐処理セットを各保育室や事務室、トイレ等に設置し、迅速な対応ができるよう体制を整えています。
・感染症予防マニュアルは、看護師、フリー職員、姉妹園の園長など多角的な視点を通して、必要に応じて見直しが行われています。
・感染症が発生した際は、感染症名と症状、登園の目安、家庭で気を付けることなどについて玄関に掲示し、保護者に知らせています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害時の対応体制については、防災マニュアル、緊急対応マニュアルに記載されています。また、事務所内には、自衛消防(地震防災)隊の編成と任務が掲示され、隊長を園長とし、副隊長を主任とすることを明記し、併せて具体的な対応についてフローチャートで示しています。
・立地条件等から災害の影響を想定し、水害対策に取り組んでいます。園では水嚢を常備し、水害の際の設置方法についてシミュレーションを行っています。また、BCP(事業継続計画)を作成し、保育を継続するために具体的な対策を講じています。
・耐震措置として、つっぱり棒や落下防止マットを使用しています。また、フリー保育士等は日々、保育室内を点検し落下の危険性があるものなどについて職員に伝えるなど環境整備に取り組んでいます。
・子ども、保護者及び職員の安否確認の方法については、一斉メールサービスの「マチコミ」を使用しています。マチコミは全家庭、全職員が登録しています。
・食料と備品は3日分備蓄され、給食室、休憩室、事務室、階段下に分散して管理し、一覧にしています。備蓄管理者は主任と栄養士です。
・毎月、避難訓練を実施するとともに、年4回の消防署への通報訓練を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

・標準的な実施方法については、市が監修する「保育の質ガイドブック」を使用しています。また、全職員を対象とした法人による接遇研修を実施しています。
・子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護については、就業規定、保育園運営マニュアル、市が監修する「保育の質ガイドブック」に明示されています。
・標準的な実施方法について、毎月の乳児会議及び幼児会議にて、具体的なエピソードを通して職員に周知徹底するとともに、標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかを確認しています。また、主任が直接保育現場に入り、子どもとのかかわりや環境設定等について伝えています。今後は、標準的な実施方法にもとづいた実践の振り返りや指導内容等について、文書化して蓄積していくことが期待されます。
・標準的な実施方法により、保育実践が画一的なものとならないよう、日々のエピソードの共有を通して、子ども一人ひとりに合った対応ができるよう取り組んでいます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・保育の標準的な実施方法である、市が監修する「保育の質ガイドブック」について、必要に応じてクラス会議、乳幼児会議で検証し、独自に保育内容を追加しています。一例として、乳児の時から、着替えの際は上を脱いだら上を着るなど順に着替えることなどについて、追加で記載しています。検証された内容については、必要に応じて各種指導計画に反映させています。
・検証・見直しにあたり、各クラスの反省は会議前に書面でまとめ配布することで、職員の意見や提案が反映されるような仕組みになっています。また、保護者からの意見に対しては、情報を共有し、話し合いの場を設け反映させるよう努めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の策定は、各クラス担当者が行い、園長が確認し、園長を最終責任者としています。
・入園の際は、入園面談を行うとともに、入園の際に保護者が提出する児童票、健康記録表等を通して子どもの生活状況や身体状況等の把握をしています。在園児については、生活記録連絡票や観察個人記録等を通して適切なアセスメントにつなげています。
・会議に応じて看護師、栄養士も参加し、さまざまな職種の関係職員でアセスメント等に関する協議を実施しています。また、療育センターと連携し、個別に支援が必要な子どもについてのアセスメントを実施しています。
・全体的な計画にもとづいて、各種指導計画が策定されています。園長は、各種指導計画に記載されているねらいに対する反省や、ねらいが週によってどのように変わっているかなどの視点にもとづいて確認しています。
・計画の策定にあたり、保護者との面談や家庭状況も考慮して作成しています。一例として、トイレトレーニングや箸の使用など、生活習慣に関連する内容が挙げられます。また、個別に支援が必要な子どもの場合、家庭での様子を聞くとともに、子どもの発達や興味、意欲などを考慮した計画の作成を実施しています。
・各クラス1~2名の子どものエピソードを紹介し、子ども理解を深めるケースカンファレンスを実施しています。ケースカンファレンスでは、所定の用紙に子どもの良い面を記入する欄を設けることで、一人ひとりの良い面に着目できるよう取り組んでいます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・週案、月間指導計画、年間指導計画などの各種指導計画は、定められた時期に見直しが行われています。全体的な計画は、年度末に振り返りを行っています。
・見直しによって変更した指導計画の内容については、必要に応じて各種会議で周知するとともに、会議議事録の回覧を通して周知するなど、周知する手順を定め実施しています。
・指導計画を変更する際は、変更内容に応じて朝のミーティング等で報告します。または各クラス担任から主任に報告し、主任が園長に報告する仕組みとなっています。
・指導計画の評価・見直しにあたっては、市が監修する「保育の質ガイドブック」を参照し、子ども・保護者のニーズ等に対する保育が充分であるかどうかの確認を行うとともに、保育の質の向上に関わる課題を明確にするよう努めています。
・評価した結果については、各種指導計画の作成に生かされています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達状況や生活状況等は、生活記録連絡票や観察個人記録等の園が定めた統一様式によって把握し記録しています。
・個別の指導計画等にもとづく保育が実施されていることを、記録により確認することができます。
・記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないように、園長は記録の作成ポイントをまとめた記録の書き方資料を作成し、個別に指導しています。記録の書き方資料では、ねらい、保育内容、保育者の援助と配慮など項目ごとに記載する際の留意点が示されています。
・情報の内容に応じて、朝ミーティング、乳児会議、幼児会議、リーダー会議等、各種会議にて伝達するなど、必要な情報が的確に届くような仕組みが整備されています。
・情報共有を目的とした会議として、朝のミーティング、クラス会議、乳児会議、幼児会議、リーダー会議、フリー会議、給食会議、プロジェクト打ち合わせ、地域支援担当者会議、全体職員会議が定期的に実施されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する方針については、保育園関係文書保存年数や保育園運営マニュアル等に定められています。また、就業規則には、個人情報の管理義務が定められています。
・記録管理の責任者を園長とし、個人情報の記載がある書類等は施錠される書庫で管理するなど適切な管理が行われています。
・記録の管理については、新規職員採用時に研修を実施します。また実習生やボランティアの受け入れの際も個人情報に関する規程を説明し、同意書を得ています。
・各家庭事情の情報の取り扱いや児童相談所等からの問い合わせ内容等、個人情報に関する内容については、定期的に全体職員会議で確認しています。
・個人情報の取り扱いについて、ホームページへの写真の掲載の有無等、重要事項説明書を通して保護者等に説明し、同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、保育所の社会的責任、人権を大切にした保育、職員の資質向上等の項目が設けられ、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえて作成されています。
・全体的な計画は、年度末のクラス会議にて子どもの発達過程、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態などを踏まえ反省した点を、次年度の計画に反映させています。
・計画作成の際は、各クラスから提出された、全体的な計画に対する反省をもとに、職員全員で見直し、提案のあった箇所について討議し、作成しています。一例として、子育て支援や食育の推進、災害への備えについて見直し、次年度の計画に反映させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・室内の温度、湿度、換気、採光、音などの環境は、常に適切な状態に保持することに努めています。温湿度計を設置するとともに、24時間換気を実施しています。湿度に関しては、常に50%以上を保つようにし、低い場合は加湿器等を使い調整しています。室内はどの部屋も採光が十分に入る構造となっています。また、音の環境については、保育者が子どものそばに行って話しかけることで、落ち着いた雰囲気で過ごせるよう配慮しています。
・毎月の避難訓練の際に安全点検を行うとともに、日々フリー保育士等が落下したら危険な物等を確認し、各職員に伝えるなどの取り組みを行っています。また、環境プロジェクトの職員等が気づいた点を伝え合うことで保育所内外の設備・用具の管理に努めています。寝具は週1回の天日干しと年1回の洗濯を行っています。
・一人ひとりの子どもが、くつろいだり、落ち着ける場所を確保しています。マットを使用した横になるスペースの設定や室内に2~3人程度の子どもが入って遊ぶことができる空間を設定しています。また、ホールの隅には図書コーナーが設置されており、ゆったりと過ごすことができます。
・食事や睡眠のための生活空間として、0,1歳児は食事のスペースと寝るスペースを別々に確保し、2,3歳児は食事のスペースを少しずらすことで寝るスペースが確保され、心地よい空間を確保しています。また、4,5歳児はランチルームを設けることで、食事のスペースと寝るスペースを確保しています。
・手洗い場、トイレは、明るく清潔で、子どもが利用しやすいよう、スリッパを置く位置にスリッパのイラストを貼ったり、1回で使用するトイレットペーパーをウォールポケットに入れたり使いやすいよう工夫しています。また、絵本のキャラクターを壁に装飾するなどの取り組みも行われています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの発達と発達過程、家庭環境等から生じる一人ひとりの子どもの個人差を十分に把握するため、クラス担任だけでなく、各種会議等で全職員が子どもの様子について共有しています。
・子どもが安心して自分の気持ちを表現できるよう、また、子どもの欲求を受け止め、子どもの気持ちにそって適切に対応できるよう、乳児クラスは緩やかな担当制を取り入れています。緩やかな担当制では、主に生活面において特定の保育者が数名の子どもを担当することで、個々の子どものしぐさや表情から気持ちを汲み取り、適切なかかわりにつなげています。
・生活時間の流れにゆとりを持つこと、必要に応じて主任やフリー保育士等がクラスに入ることで、子どもと保育者が1対1で丁寧に関われるよう配慮しています。
・子ども全員に一斉に声をかけるのではなく、子どものそばに行って声をかけたり、「走らない」ではなく「歩きましょう」など、禁止語や否定語を使わず肯定的に伝えるよう取り組んでいます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの発達に合わせて、生活に必要な基本的な生活習慣を身につけられるよう、連絡帳や個人面談、送迎時の情報共有をしながら援助を行えるよう配慮しています。一例として、トイレトレーニングや箸の使用など、家庭と園との共通認識のもと、同じ対応ができるよう取り組んでいます。
・基本的な生活習慣の習得にあたっては、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重し、さりげなく援助することで、自分でできたという達成感を味わえるよう配慮しています。また、生活時間の流れにゆとりを持ち、保育者間で連携することで、一人ひとりの子どもとじっくり関わり、主体的に取り組めるよう配慮しています。
・一人ひとりの子どもの状態に応じて、活動と休息のバランスが保たれるよう、マット等を利用しいつでも休息できるスペースを確保したり、遊びの種類ごとにコーナーを分けることで、静の活動と動の活動の空間を確保したりできるよう配慮しています。
・基本的な生活習慣を身につけることの大切さについて、食育や健康集会等を通して子どもに伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・子どもが自主的・自発的に生活と遊びができるよう、静の活動と動の活動の空間を分けています。また、構成遊び、ごっこ遊び、机上の遊びなど遊びの種類ごとにコーナーが設定され、コーナーごとに手作りの玩具を始め、必要な玩具が設定されています。さらに、自分の作った物や遊び途中の物を置いておくことができるスペースを確保することで、継続した遊びができるよう配慮しています。
・遊びの中で、すすんで身体を動かすことができるよう、室内にバランスを取って遊ぶ遊具や、跳びはねて遊ぶことができるタイヤなどが置かれています。またホールには、吊り具のロープを設置し、ロープの結び目を変え、一人ひとりの子どもが登るなどの遊びを十分にできるよう配慮しています。また、縄跳び、鉄棒、巧技台、飛び石、マット、トランポリン、じゃれつき遊びなどにも取り組んでいます。
・毎日散歩に出かけられるよう職員体制を整えることで、戸外で遊ぶ時間や環境を確保しています。
・生活と遊びを通して、友だちなどと人間関係が育まれる取り組みの一環として、当番活動が挙げられます。当番活動として、当日の出席人数表を園長に届けることや、当日提供される給食の食材と同じフェルトで作られた食材を、玄関に置くなどの活動があります。
・子どもが友だちと協同して活動する取り組みの一つとして、4・5歳児が夏祭りの際に御神輿を制作したり、5歳児がカレーを作り、4歳児に振る舞うなどの取り組みがあります。
・散歩の際に、異年齢で出かける機会を作って年長児クラスの子が道路側を歩くことをしたり、保育者がその都度交通ルールを知らせたり、近隣の方に挨拶したりすることで、社会的ルールや態度を身につけることができるよう配慮しています。
・身近な自然と触れ合うことができるよう、いろいろな公園に行き散策を楽しんだり、園庭やテラスではプランターでお米、ピーマン、なす、きゅうり、ニンジン、オクラ、トウモロコシなどを育てたりしています。
・様々な表現活動が自由にできるよう、幼児クラスでは、制作の道具や材料を自由に使えるコーナーを常設するとともに、各自が道具箱を持ち、クレヨン、のり、はさみなどを自由に使えるようになっています。2歳児クラスは、子どもの見えるところにクレヨンを置くとともに、子どもから要求があった際は、紙などもすぐに取り出せるよう環境を整えています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・室内は、子どもたちの遊ぶ様子や状態に応じて、パーテーションを利用することができ、保育者と1対1でゆったりと過ごせるよう配慮しています。また、歩行の発達や遊びの変化に合わせて玩具棚やテーブルの位置を変えるなど環境設定に配慮しています。
・0歳児が、安心して、保育士等と愛着関係(情緒の安定)が持てるよう緩やかな担当制を取り入れています。できるだけ同じ職員が関わることで、個々の子どもの様子を適切に把握することにつながっています。また、担当者がスキンシップを多く持ち、主に生活面である食事や排せつ、睡眠に関わることで、信頼関係を築き子どもが安心して過ごせるよう配慮しています。
・0歳児が、興味と関心を持つことができるよう、重ねカップや穴落とし、チェーリング等の月齢や成長に合わせた玩具を設定するとともに、遊びの内容を工夫しています。玩具棚は子どもが寄りかかっても倒れることがないよう、重量がある棚を使用し、安心して自由に玩具を取り出せるよう環境を整えています。また、保育者の生の声で「おてぶしてぶし」「うえからしたから」などのわらべうたを楽しんでいます。
・一人ひとりの成長や発達に応じて、散歩や1階の園庭、屋上園庭で遊ぶとともに廊下や階段も身体を動かす場として利用しています。
・家庭との連携に関しては、連絡帳でのやり取りや送迎時の情報共有を通して行われています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重しています。一例として、着替えの際は、子ども一人ではできないが自分でやろうとする気持ちを受け止め、時間が掛かっても子どもが納得するまで見守るよう配慮しています。
・探索行動が十分にできるよう、散歩先の公園では危険個所や危険物がないかを十分に確かめてから遊んでいます。室内では、使っていない玩具等をさりげなく片付けることで、安全に探索行動ができるよう配慮しています。
・子どもの自我の育ちについては、どんなことでも否定せず、まず思いを受け入れ、子どもの気持ちに寄り添うことを大切にしています。また、各種会議の中で子どものエピソードを共有し、職員間で意見を出し合い、共通認識が持てるよう取り組んでいます。
・様々な年齢の子どもや、保育者以外の大人との関わりとして、年長児が乳児クラスに行き、夏祭りで踊る盆踊りを披露したり、栄養士、調理師が食事の際に子どもの様子を見に行くことなどに取り組んでいます。
・送迎時や個人面談等を通して子どもの成長や発達を共有するなど、一人ひとりの子どもの状況に応じ、家庭と連携した取り組みや配慮につなげています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児の保育に関しては、集団の中で安定しながら、遊びを中心とした興味関心のある活動に取り組めるよう、子どもの興味や関心を見定め、環境を整えていくことに配慮しています。玩具や遊具を多く用意することで、一人ひとりが好きな遊びを見つけ、十分に遊び込めるよう保育者が関わっています。また、自分の思ったことを言葉に出して伝え、必要に応じて保育者が援助や代弁をするよう心がけています。
・4歳児の保育に関しては、集団の中で自分の力を発揮しながら、友だちとともに楽しんで遊びや活動に取り組めるよう、日ごろの遊びや行事等への取り組みの中で、保育者の考えを主に置くのではなく、自分たちで考えながら自由に発言できるよう配慮しています。その際に、これまでの経験や5歳児のリード、5歳児への憧れなどを生かせるよう配慮しています。
・5歳児の保育に関しては、集団の中で一人ひとりの子どもの個性が活かされ、友だちと協力して一つのことをやり遂げるといった遊びや活動に取り組めるよう、一人ひとりの良いところや得意なことが4・5歳児の混合クラスの中で、子ども同士で気づくことができるような場面を設けています。また、子ども同士の話し合いの場では、5歳児がリードを取れるよう配慮しています。このような取り組みの中で、小さな成功体験を重ね、チャレンジする心の育みにつなげています。
・子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動等について、保護者や地域等に伝える工夫の一環として、日々の写真と文書で作成したドキュメンテーションの掲示や、園外掲示板に子どもの作品を掲示したり、区の作品展に年長児の作品を出展するなどの取り組みが行われています。就学先の小学校へは、保育所児童保育要録を送付するとともに、電話にて個々の子どもの育ちについて伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・玄関にスロープを設置し、バリアフリーの構造にするなど、障害に応じた環境整備に配慮しています。また、荷物を置く場所が分かりやすいよう、使用するロッカーを入り口に一番近い場所にして、シールを貼るなどの取り組みも行われています。
・クラスの指導計画をもとに、障害のある子どもの状況に配慮した個別の月間指導計画が整備されています。計画にもとづき、発達にあった遊具の準備や、個別のかかわりを行い、また集団から離れたい際は、図書コーナーを利用するなど、子どもの状況と成長に応じた保育を行っています。
・共に成長できるよう、子ども同士のかかわりの際に子どもの気持ちを代弁し分かりやすく伝えることで、理解が深まるよう配慮しています。また、保育者が一方的に話すのではなく、対話の中で子どもの思いを把握できるよう努めています。
・保護者との連携については、連絡帳を使用して情報を共有し、子どもの成長を喜び合い、共通認識が持てるよう配慮しています。
・療育センターの巡回等を通して、療育センターと連携し、相談や助言を受けています。
・職員は、発達支援研修、インクルーシブ研修等を受講し、研修報告会で共有することで、障害のある子どもの保育について必要な知識や情報を得ています。
・障害に関連する講演会のポスターを掲示したり、資料等を玄関カウンターに置き、自由に持ち帰ることができるようにするなど、保護者に、障害のある子どもの保育に関する適切な情報を伝えるための取り組みを行っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・長時間保育の記録は、延長日誌に記載し振り返りが実施されています。今後は、長時間保育について、全体的な計画や年間指導計画等に記載し、具体的な配慮点を明確にすることが期待されます。
・家庭的でゆったりと過ごすことができるよう、動的な遊びではなく、絵本、パズルやお絵かきなどの机上の遊び、ごっこ遊びなど、気持ちが落ち着く遊びを設定するよう取り組んでいます。
・子どもの状況に応じて、おだやかに過ごせるよう、0歳児、1・2歳児、幼児クラス別に、少人数で過ごし、子どもが少なくなった時間で乳幼児合同の保育を行っています。
・保育時間の長い子どもに配慮し、補食の提供を行っています。その際に、年齢による量の調整を行っています。
・引き継ぎ簿を利用し、子どもの状況について、保育士間の引継ぎを適切に行っています。引き継ぎ簿は、朝に受けた連絡は黒字で記入、夕方保護者に伝える内容は赤字で記入するとともに、引き継ぎ簿を見ながら口頭で伝えています。
・担当の保育者は保護者との連携が十分にとれるよう、引き継ぎ簿で受けた内容を伝えるとともに、延長時の子どもの様子を伝えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

・全体的な計画に小学校との連携の項目を設け、具体的な内容を記載しています。一例として、近隣小学校との連携・情報交換、1年生との交流等が記載されています。小学校の様子を紹介したDVDが贈呈され、園内で子どもと視聴するなど具体的な取り組みにつなげています。
・子どもが、小学校以降の生活に見通しを持てる機会として、コロナ禍以前は小学校訪問等の交流を行っていました。現在は、散歩の際に近隣の小学校を巡ることで期待感を持てるよう取り組んでいます。また、5歳児の午睡時間は徐々に短くし、就学に向けての準備を整えています。
・幼保小連携推進事業の会議で得られた、学校によってはチャイムがないので時計を見ながら行動できるようにすること、早寝早起きなど生活習慣を整えることなど、就学に向けて取り組む情報について保護者に伝えています。また、クラス懇談会で小学校の教員である保護者から、親の心配が子どもに伝わることや学校生活に慣れるまでは新しい習い事は控えた方がよいなどの話を聞き、共有することで、保護者が、小学校以降の子どもの生活について見通しを持てる機会を設けています。今後は、より保護者の就学への不安を取り除き、期待と見通しが持てるよう、クラス便り等に情報を掲載し、書面で配布するなどの取り組みが期待されます。
・保育士等と小学校教員との意見交換として、幼保小連携会議に参加しています。コロナ禍以前は授業参観にも参加し、就学に向けた小学校との連携の一環となっていました。
・保育所児童保育要録は、年長児担任が作成し、フリー職員等、関係職員が確認し、園長が最終確認をしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理に関するマニュアルとして、健康管理マニュアルが整備されています。毎朝看護師は、視診により子どもの健康状態を把握し、保健日誌に記録しています。保健日誌には朝の健康状態の外、その日にあったけがなども記録されています。
・子どもの体調悪化・けがなどについては、看護師、担任、園長で保護者に伝えるとともに、翌日に体調やけがの様子などを確認しています。
・子どもの保健に関する計画として、健康管理年間計画を作成しています。健康管理年間計画は、4期に分け、それぞれ期の目標、留意点、期の反省が記載されています。また、年間を通した保健行事なども記載されています。
・入園児の提出書類や面談での聞き取り内容について、全職員で共有しています。必要に応じて看護師による説明や研修を行うことで、内容の理解を深めています。
・予防接種を受けた際は、保護者が予防接種連絡カードに内容を記載し、園に提出しています。園では提出された内容について、児童票に転記しています。
・子どもの健康に関する方針や取り組みについては、入園のしおりや保育内容説明会、毎月の保健だよりや健康集会後のドキュメンテーションを通して伝えています。
・職員は乳幼児突然死症候群(SIDS)チェック表を使用し、一人ひとりの様子を確認するなど、必要な取り組みを行っています。午睡の際は、子どもの表情が確認できるよう、室内の明るさに配慮しています。
・保護者に対する、乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する必要な情報提供として、乳幼児突然死症候群対策強化月間時に園内にポスターを掲示しています。また、入園のしおりに乳幼児突然死症候群について記載しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・0,1歳児は2か月に1回、2歳以上は年に2回の健康診断を行っています。歯科健診は全クラス年に1回実施しています。健診の際は、担任が付き添い、看護師が記録しています。結果については、必要に応じて各種会議で共有しています。
・健康集会では歯の健康に関心をもってもらうために、虫歯はどうしてできるか、予防するためにはどうしたらよいか、歯に良い食べ物は何かなどを伝え、健康診断・歯科健診の結果を保育に反映しています。
・保護者に対して、健康診断の結果は健康カードで伝え、歯科健診の結果については所定の書面で報告しています。保健だよりでは、寝る前に歯磨きをしっかりすることの大切さなど、予防の大切さについて伝えるなどの取り組みが行われています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アレルギー児への給食提供について、給食室内で確認後、給食担当者と保育者で再確認し、さらに保育室内において担任間で確認するというトリプルチェックをしています。また、机、台拭き、トレーは専用の物を使用しています。
・入園の際、アレルギー児への聞き取りは栄養士と看護師が行い、栄養士は毎月の献立の確認を保護者と行っています。6か月ごとに病院を受診してもらい状況を確認するとともに所定の書類を市の健康管理委員会に提出しています。
・職員は、アレルギー疾患、慢性疾患等について、キャリアアップ研修など外部研修を受講し必要な知識・情報を得たり、技術の習得に努めています。研修内容は研修報告会にて職員間で共有しています。
・他の子どもや保護者にアレルギー疾患、慢性疾患等についての理解を図るために、入園のしおりに除去食について記載するとともに、面談等を通して説明しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食に関する豊かな経験ができるよう、全体的な計画や食育年間計画を作成しています。食育年間計画には、乳児クラスは野菜の皮むき等の経験、幼児クラスは調理保育等の経験について記載されています。
・子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるよう、乳児クラスでは、保育者がゆったりと食事の介助をするための職員体制を整えています。また、子どもの食事中に食器の配置を直すことで、子ども自身で食べられるよう配慮しています。4・5歳児はランチルームを使用し、準備を終えた子やグループから食べ始めるなど、個々の生活リズムに合わせてゆったりと食事がとれるよう配慮しています。
・子どもの発達に合わせた、食材の大きさの変更や、足が床にしっかりとつくよう、補助台を使用することや、背もたれのない椅子を使用し姿勢維持の育みにつなげるなどの取り組みが行われています。
・陶器の食器や、水分補給をする際に湯呑を使用することで、物を優しく扱うことを学ぶ機会にしています。
・幼児クラスでは子どもからの申し出を受け、個人差や食欲に応じて、量を加減しています。乳児はその日の食べ具合を見て、量を調節しています。
・稲やなす、ピーマン、キュウリ、ニンジン、オクラ、トウモロコシなどの栽培を通して、食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう援助しています。また、調理保育では、カレーづくり、おにぎりづくり、餃子の皮を使ったピザづくりなどを通して、子どもが食について関心を深める機会を設けています。
・子どもの食生活や食育に関する取り組みについて、給食だよりの配布や給食の展示、保育参観時に試食会を設けて伝えるなど、家庭との連携に努めています。また、給食だよりでは人気レシピを紹介するとともに、レシピを玄関に置き、自由に持ち帰ることができるようにしています。食に関する相談は随時受け付けています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの発育状況や体調等を考慮した、個別の離乳食計画を作成しています。また、体調が優れない際は、医師の指示を受けた保護者から配慮食依頼シートの提出を受け、硬さや形状を変えるなど、献立・調理の工夫を行っています。
・子どもの食べる量や好き嫌いなどについては、各クラスの喫食簿で確認するとともに、栄養士、調理師が子どもの喫食状況を観察しています。また、月に1回園長、主任、栄養士、調理師で献立の喫食状況やアレルギー児の献立について確認しています。
・夏野菜など旬の食材を取り入れた献立や、豆腐のチャンプルー、五平餅、とうきびごはんなど地域の食文化を取り入れた献立や、年6回の行事食を取り入れています。内容については、毎月の給食だよりで紹介しています。
・衛生管理については、衛生管理マニュアルにもとづき、毎日衛生管理チェックリストに記録しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・乳児は連絡帳、幼児はドキュメンテーションを通して、日々の保育の様子について保護者と共有しています。また、送迎時のコミュニケーションを通して、家庭との日常的な情報交換を行っています。
・個人面談や保育参観、クラス懇談会、行事等を通して、保育の意図や保育内容についての、保護者の理解を得る機会を設けています。保育参観の際は子どもたちの普段の様子を共有できるよう、保護者が三角巾とマスクをして参観し、保育参観後に個人面談の時間を設けることで、保護者と子どもの成長を共有できるよう取り組んでいます。
・コロナ禍以前はおじいちゃんおばあちゃんと一緒に遊ぼう会を実施し、祖父母が園の保育内容等について触れる機会を設けていました。コロナ禍による会の中止を受け、今年度から祖父母に手紙を送る取り組みが行われています。
・家庭の状況、保護者との情報交換の内容については、個人面談記録を作成しています。内容に応じて、各種会議等において、職員間で情報を共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・日々のコミュニケーションや、連絡帳のやり取り、ドキュメンテーションの掲示等を通して、保護者との信頼関係を築くよう取り組んでいます。その結果、利用者家族アンケートでは職員の対応について高い満足度が示されています。
・個人面談は年に1回実施しています。相談は担任を始め、フリーの職員、看護師、栄養士、園長も対応しています。面談の際は、保護者の就労等の個々の事情に配慮して、土曜日に実施するなど相談に応じられるよう取り組みを行っています。
・相談内容は、個人面談記録や児童票の保護者支援欄に記載しています。
・相談を受けた保育士等が適切に対応できるよう、園長、主任、他クラス担任に相談できる体制があります。また、内容に応じて看護師、栄養士からも専門的な助言を受けられます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように、送迎時の親子の関わりの様子を観察しています。また、着替えの時の視診や、子どもの会話の内容からも、子どもの心身の状態や家庭での養育の状況について、把握できるよう努めています。
・虐待等権利侵害の可能性があると職員が感じた場合は、虐待防止マニュアルにのっとり、園長、主任に報告し職員間で共有し、保護者への援助ができる体制が整っています。
・虐待等権利侵害となる恐れがある場合には、担当の保健師と保護者が話す機会を設けるなど、予防的に保護者の精神面、生活面の援助をしています。
・児童相談所からの問い合わせに対して対応するなど、関係機関との連携を図るための取り組みが行われています。
・虐待等権利侵害を発見した場合の対応等について、虐待対応マニュアルの周知や、乳幼児期における気づきのポイントとその対応について掲示するなどの取り組みが行われています。また、マニュアルに基づく園内研修が実施されています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

・日々の保育については、担任間で週案や月間指導計画を通して振り返っています。振り返りの際は、主任が参加し、主体的に自らの保育実践の振り返りができるよう援助しています。振り返りの内容は、月に1回実施される、乳児会議及び幼児会議でも共有されています。
・保育日誌等の記録は園長が確認しています。園長は記録から具体的な子どもの姿が見えてくるかどうかやねらいに対しての反省が記載されているかどうかなどの視点で確認し、必要に応じて指導することで、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程を意識できるよう配慮しています。
・各種指導計画の振り返りの他に、職員は年3回の自己評価を実施しています。自己評価では、職員ごとのキャリアラダーステップにもとづいた、目標と具体的な取り組み、反省・評価・今後の課題について振り返るとともに、社会人・組織人として備えるべき資質をチェックしています。
・保育者等の自己評価を、保育所全体の保育実践の自己評価につなげています。一例として、かみつきが発生した際に、職員間で意見を出し合い、ゆっくりと遊べる環境が必要ではないかという結論に至りました。自己評価をもとに、保育者が環境を整えることでかみつきを未然に防げるという保育所全体の保育実践につなげました。今後は、年に2回、園長が実施している施設自己評価シートを全職員で取り組むことで、より園全体の保育実践の自己評価につなげることが期待されます。