社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ふじさわ爽風舎

2021年02月10日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ふじさわ爽風舎 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 40 名
所在地 252-0816
藤沢市遠藤3550-2
TEL 0466-49-3112  ホームページ http://tomoni.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2007年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
職員数
常勤職員:7名 名
非常勤職員:13名 名
専門職員
社会福祉士  :4 名
介護福祉士 :2 名
精神保健福祉士:1 名
施設・設備の概要
居室:14
餃子室・エレベーター・厨房:

③ 理念・基本方針
理念(法人)

(1) 障害児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャルインクルージョン」(共生社会)を目指します。

(2) 社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。

支援方針(事業所)

(1) 所長をはじめ職員は、利用者さんが明るく、元気に、楽しく活動ができるように、日々の活動に取り組みます。

(2) 送迎の幅を広げ、日々の利用率のアップ、新規利用者さんの獲得も図ります。

(3) 利用者さんに喜んで頂けるようニーズを把握して活動の幅を広げ、魅力のある施設、地域からも選ばれる施設を目指します。

(4) 作業活動の内容は、利用者さんお一人おひとりの障がい特性や個性に合わせると共に利用者さんの就労意欲大切にした支援を行います。

(5) ご家族への情報提供と信頼関係の確立を図ります。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・生活介護の事業所であっても、餃子の製造・販売や受注作業の箸の袋詰めなどで、働くことの喜び、工賃を受け取ることの喜びを感じていただくことをモットーとしています。

・自主製品の餃子は素材にこだわり、地場野菜と国産ブランドやまと豚を使用し、化学調味料は使用しないで安心・安全に手作りしています。

・平日以外に行う活動で、クッキング・トランスフィットネス・トランスミュージックなど楽しみのある時間を過ごすことを大切にしています。

・一泊旅行で、ディズニーランドや温泉旅行などに何回かに分けて行っています。家庭でも難しくなりつつある旅行へ参加することで、一日を通して利用者同士や職員と関わることができるので、利用者が楽しみにしている行事です。

・食事サービスは大切な時間と考え、事業所内での調理に切り替え、バランスの取れた献立に配慮し、あたたかくおいしい食事を提供しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/04/01(契約日) ~2021/01/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(平成29年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)利用者の就労意欲向上のための取り組み
「利用者は仕事をすることで人間としても成長できるし、幸せを得ることができる」という施設長のモットーに基づき、時給4円であった作業の工賃ついて、チームを組成し、生産活動の向上に取り組んだ結果、現在時給15円まで引き上げ賞与まで支給するところまで成果を上げました。利用者の就労意欲の向上に繋がっています。
また、従前から販売していた餃子について無添加、無着色、国産小麦にこだわった新餃子商品〈ふじキュン餃子)を開発し、今年の6月からスタートしました。コロナ禍にもかかわらず売り上げは順調な滑り出しとなり、生産活動の支えとなっています。

2)利用者ひとり一人の障がい特性に配慮した支援
利用者に寄り添い障がい特性に配慮した支援を実践しています。作業室は6ヶ所に区分し、音に敏感な人あるいは他人が気になる人には独立した作業室を用意したり、仕切りを設置し、落ち着ける作業環境を整えています。
車いすの人には、机の高さを調整し作業しやすくする配慮をしています。言語でのコミュニケーションが難しい人には、絵や写真のカードを使用し伝達しています。食事については本人や家族の要望を受け入れ、栄養バランスの取れたメニューを用意し、食事の量をそれぞれ調節して対応して、きざみ食や一口大形態など状態に応じて提供しています。

3)充実している余暇活動
①1泊旅行について毎年実施しており、利用者は旅行を通じて楽しい時間を過ごしています。昨年はディズニーランドと温泉旅行を選択して、小人数に分けて実施しました。
②事業所内ではトランスフィットネス(体操)やトランスミュージック(音楽)を毎月開催しています。そのほか、お菓子づくり、映画鑑賞、芋掘りや作業室単位でレクリエーションを実施しています。  

改善を求められる点 1)地域との結びつきの強化とプレゼンス向上のための情報発信
昨年よりボランティアの受け入れや養護学校の訪問を通じて見学などを積極的に働きかけていますが、さらに地域との連携を深めるため、自治会・地区社会福祉協議会活動など他機関等との交流を深めるとともに事業所の活動や行事に地域住民が参加できるように、地域に向けて情報発信されることが期待されます。

2)新たな生産活動へのチャレンジ(新製品の開発など)
コロナ禍で受注作業が落ち込む中、「ふじキュン餃子」が好調な滑り出しとなっており、生産活動を支えていますが、今後継続的に工賃アップを目指すために、受注作業の種類を増やし、あらたな自主製品事業の開発にチャレンジされることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
平成29年に他社の第三者評価を受けてから3年が経ちました。評価項目も違うため一概に比較はできませんが、全体的に大きく改善されたと感じています。その中でもこの3年で大きく変化した点は、食堂に厨房ができたこと、日中の余暇活動を定期的に取り入れたこと、そして生産活動として新餃子の開発を行い皆さんの工賃を3倍に上げたことです。逆に、今回の調査では地域との結びつきがまだ薄いこと、そして新たな作業の取り組みがこれからであることを再確認することができました。対応してくださった担当の方もとても親切丁寧で、事業所の課題を分かりやすく説明していただけました。利用される方が使いやすく、職員が働きやすい、「明るく!楽しく!元気に!」を今後も実践できる場になるよう努力していきます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・事業所方針については、事業所内に掲示されており、事業所のパンフレットにもわかりやすく記載されています。施設長は職員会議はじめ、いろいろな機会を捉えて、理念・方針について職員と話し合い、周知が図られています。事業計画にも理念・方針に基づいて具体的な行動計画を策定し実践しています。利用者の家族には、実際に行動した内容や成果を踏まえて、「ふじさわ爽風舎からのお知らせ」等により家族にも周知していますが十分ではありません。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業経営をとりまく環境や福祉サービスの課題などが掲載された新聞記事を職員が持ち寄り回覧したり、福祉新聞を購読し職員間で周知しています。市が主催する集まりにも参加し、行政からの情報収集も行っています。経営状況の把握については、職員会議とは別途、役職会議を月2回設定し、事業所の福祉サービスの収支分析、工賃支給状況、売り上げ状況、事業所の在籍数、入所・退所状況、通所(活動)及び利用状況などの情報交換を行い、経営状況を把握しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境と経営状況の把握・分析にもとづき、取り組みを進めていますが、職員等への周知は十分ではありません。爽風舎の福祉サービスを運営課題の一つである障害程度区分の判定の見直しについて、職員がもっと関与できる仕組みを検討し、実態に即した判定ができるよう取り組むことを計画しています。
福祉サービスの利用状況を向上させるため、通所率を毎日記載し、通所率を明確化し、どの曜日が定員割れをすることが多いのかを確認しています。
新たな利用者を受け入れるため、近隣の養護学校を訪問し、事業所活動状況を説明するとともに、受け入れ可能人数等を明確に表示し、養護学校等からの見学者を含めて受け入れ態勢を整えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中期長期計画において、法人および事業所の理念や基本方針にもどづき、具体的な目標を明確にしています。ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指し、社会資源としての事業所の役割を地域の中で広げていくとともに先駆的で開拓的な事業を展開し、活気のある選ばれる事業所を目指してています。仕事を通じて、利用者に働く喜びを実感してもらい、利用者のモチベーションを高めながら成長していける目標を設定しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人理念・事業所方針に基づき、3ヶ年計画、5ヶ年計画を立て福祉サービスの向上に努め、「選ばれる事業所」づくりを目指しています。中長期計画に基づき単年度の事業計画を策定し、計画の達成に取り組んでいます。特に重点を置いているのは、生産活動における工賃アップ計画で、3ヶ年で時給20円増と毎年賞与を出すことを目標としています。現在、時給15円まで達成し、賞与もすでに実施するところまで成果が出て、職員も工賃アップの3ヶ年計画達成に向けて一丸となって取り組んでいます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の策定を行い、進捗状況・結果内容に記載し、検証しています。
計画で終わらないよう会議等で取り上げ重点項目として取り組んでいます。重点項目の一つである工賃アップについては、職員全員で一丸となって取り組むことを確認し、売り上げを棒グラフにして事業所横の廊下に貼り、誰が見ても売り上げ状況がわかるようにしていますが、職員の理解・自覚が十分ではありません。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

利用者の家族には「”ふじさわ爽風舎”からのお知らせ」等の配布物で、事業所の主な取り組みや方向性を伝えて事業所の活動の理解を促しています。利用者等がより理解しやすいような工夫への取り組みが十分ではありません。
事業計画の具体的な推進状況についてタイムリーに利用者や家族に通知して、事業所の活性化に繋がっています。工賃アップの成果についてのお知らせに対しては、家族からも本人が働く喜びを感じているなどのフィードバックがありました。家族会などの機会を捉えて、掲示物だけでなく口頭でも伝え、理解を深めてもらうように働きかけています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの向上に向けて、会議等で見直し、話し合いを行う場を設けています。
満足度調査を利用者や家族を対象に実施して、その結果を基に事業所の変革に取り組んでいます。家族から要望を受けて、利用者の将来の自立を視野にいれたグループホームの活用を検討するために法人グループの施設にショートスティの手配をしたり、ホームヘルパーの利用促進の支援を行い、利用者がより満足して通所ができるように努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

事業計画について実績を記録し、事業所として取り組むべき課題について、改善策や改善実施計画を立て実施しています。利用者から選ばれる魅力ある事業所を目指して職員一丸となって改善を進めています。食事を施設内での調理に切り替えたり、老朽化した什器(椅子)の買い替えを実施したり、あるいは建物の大規模修繕を計画するなど施設のインフラ面を充実させて、福祉サービスの質の向上をサポートし、居心地のよい環境を整えています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

事業所の職員の業務分担表を作成しています。施設長をはじめとするそれぞれの業務担当・役割を明確にしており、職員間に周知されています。特に、施設長は本事業所のほかに法人の執行役員となっており、執行役員と統括する立場でもあるため、法人本部とのコミュニケーションは円滑に取られており、法人からのサポートも受けやすく、事業所の職員からも信頼されています。そのほか「カナルの家」ショートステイ施設の所長を兼務しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、遵守すべき法令等を正しく理解するための取り組みを行っており、法人で実施されている研修に参加しています。事業所内の会議で、遵守すべき法令等を正しく理解するよう議題として取り上げています。事業所では、職員と労働協約(36協定)も締結しており、労働環境には十分配慮された運営を行っています。いままで、事業所内では、直近では遵守すべき法令等のトラブル事例が発生していないこともあり、遵守状況の検証態勢をさらに整えていく必要があるものと思われます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は福祉サービスの質の向上に強い意欲をもち、意識の高い職員・スタッフの協力を得ながら、組織としての取り組みに十分な指導力を発揮し、事業所の活性化を図っています。満足度調査の結果を丁寧にとりまとめて記録し、職員間で共有して日常業務に反映させています。
職員会議や空き時間等を利用して、職員とも話しやすい雰囲気を作るよう心掛け、意見を聞いて実践しています。職員が希望する研修等には積極的に参加させて、職員のモチベーションを高めることに努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、経営の改善や業務の実効性を高める取り組みに十分な指導力を発揮しています。
法人本部とも密に連携を取っており、事業所の活動を円滑に進めています。
法人内では複数の仕事を兼務するなかで、副主任と連携を取り、事業所内の状況や現場での困りごとを把握し、改善に努めています。
経営状況については、月2回役職会議を開き、毎月の収入、利用率等の状況を確認する話し合いの場を設け、業務の実効性等を意識づけしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

事業所が目標とする福祉サービスの質を確保するため、人材育成に関する具体的計画が確立しており、それに基づいた取り組みが毎年実施されています。計画にもとづいた取り組みへの職員の理解が十分ではありません。
昨年度の人材育成のための研修は、「サービス管理責任者」、「強度行動障害研修」等に参加しそれぞれの資格を職員は取得しています。今年度も、事業所の福祉サービスの質を高めていくための自己啓発のモチベーションを維持するため、関係する国家資格取得にチャレンジしていきます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人の人事管理制度に基づき、確立した人事管理を実施しています。
仕事に対するモチベーションや専門性を高めてもらうために、職員一人ひとりに具体的な将来像を描いてもらえるよう面談時等で、話し合いをしています。昨年度、職員はサービス管理責任者、強度行動障害研修等の資格を取得しています。今年度は国家資格にチャレンジする計画です。職員間でも専門性・業務遂行能力の向上のため話し合い、都度研修参加を勧めています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況や要望について反映した労務管理を行っています。月次の「勤務表」を作成し、行事予定などの事業所のスケジュールや研修・会議・委員会、日直当番、作業室ごとの担当の割り振りについて管理しています。
働きやすい職場にするために、各分野の会議を設置し、多くの話し合いの場を設けています。
施設長は本部の役職を兼ねており、日中は不在が多くなるため、毎朝、早朝出勤して必ず職員と顔を合わせながら挨拶をかわし職場でのコミュニケーションづくりに努力しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

常勤職員は管理職との面談を行い、組織として期待することを明確にし一人ひとりに合わせた年間目標を作成し業務に取り組んでいます。中間面接など職員への進捗状況の確認が十分ではありません。
目標設定に際しては、個々の職員の成長と業務経験を勘案しながら、職員一人ひとりに合った育成につながるよう取り組んでおり、法人の業務研修制度も経験年数に合わせて用意されています。
新人については福祉サービスに従事していく前に、社会人として一人前になることを重点において育成しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人内でしっかりした研修制度が確立されており、基本方針や資格に応じた期待される職員像が明示されています。年間の研修開催計画が策定されており、事業所内においても職員間で周知されています。職員は年間研修計画に基づき、勤務年数や資格や経験に応じた研修を受けて専門性を高めています。
法人内の研修に加えて、外部の研修についても、積極的に情報収集し、事業所内で回覧し、希望者は参加できるよう配慮しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

毎年、職員研修計画を作成し、一人ひとりが受ける研修を明確にしており、職員間でも共有し、研修をスムーズに受けられるよう研修時には他の職員が業務をサポートするように配慮しています。
法人内で用意された研修カリキュラムに沿って年間の研修計画を作成していますが、個人面談時に職員本人から要望のある研修や個々の成長が見込めると思われる専門性のある外部の研修についても積極的に受講させ、職員の自立性と成長を支援しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生の福祉サービスに関わる専門職の育成について、プログラムを用意する等体制を整備して取り組んでいます。法人全体としても、実習生の受け入れの姿勢を明文化して、事業所で積極的に行うよう指示しています。
実習生等の研修・育成についてのマニュアルを整備して、事業所内で担当職員を決め、多くの職員や利用者と関わるようプログラムを組んでいます。実習については、実習期間中においても学校側と連携し維持しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページの中で、事業所の事業内容や基本方針などを公開しています。現在、事業所独自のホームページを作成中であり、さらに運営の透明性を確保していく方針です。
事業所内での利用者や家族に対しては、基本方針や事業所の活動等を説明した印刷物やお知らせ、事業所だよりをタイムリーに配布していますが、地域に向けた発信はふじキュン餃子の製造・販売などの一部に限定されており、今後の取り組みの課題となっています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は監査法人トーマツの監査を受けています。その基準に準じて事業所における事務、経理、取引等に関するルール等を定めており、役割分担や責任が明確にされ、職員等への周知はしていますが十分ではありません。
事業所の基本方針に説明責任の徹底を謳っており、各会議の議事録なども記録されています。職員への周知事項は会議や口頭や文書などで適切に周知しています。
年度計画についてはその実績等を振りかえり、改善を要する点を明確にし改善に取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

ホームヘルパーの利用や後見人制度の活用についてなど、活用できる社会資源や地域の情報を収集し、利用者に提供しています。
地域のボランティアも積極的に受け入れ、14名のボランティアの方に事業所の活動に参加してもらいました。具体的には餃子の販売キャンペーン時に呼び込み支援などを手伝ってもらっています。
事業所近くにある福祉農園で畑を借り、野菜などを栽培し皆で収穫作業を行っています。
ふじさわ爽風舎としての地域への情報発信は今後の取り組み課題です。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れ担当を設けて受け入れマニュアルを作成し積極的に受け入れています。
職業体験実習の受け入れも行っており、地域の学校教育に協力しています。今後、地域の学校教育等への協力についての基本姿勢の明文化も検討課題となっています。
ボランティアは夏場に大相撲に行くときや餃子の販売時の呼び込み時に付き添ってもらっています。
今後の課題としてボランティア参加者に対する研修を充実させていくことが課題となっています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域内にあるグループの関係団体と定期的なやりとりを行っています。合同で「家族会」(青葉会)を定期的に開催して福祉施設として必要な社会資源を明確にしています。相談支援専門員に相談しながら幅広く活動をしています。希望者に他の施設でのショートスティを実施しています。他の団体と職員間の交流を深め、ヘルパー事業を利用者家族へ紹介しています。
地域の関係機関・団体の共通の問題に対して、解決に向けて協働するなど具体的な取り組みは十分ではありません。藤沢市が主催する福祉団体の集まりには参加して情報を集めています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

グループ内の福祉施設・事業所が実施する事業や運営委員会への参加や開催を行っています。地域の具体的な福祉ニーズ・生活課題等を把握するための取り組みを行っていますが、十分ではありません。
関係機関など・団体との連携、藤沢市が開催する集まりや地域の各種会合などへ参加したり、地域住民との交流活動などを通じて、地域の福祉ニーズや生活課題の把握に努めています。近隣の養護学校を訪問し見学者の受け入れを呼び掛けたり、ボランティアの受け入れなどを通じて事業所のプレゼンスを高めています。今後さらに地域の各種集まりに参加していく方針です。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業所で製造・販売においては、地域の食材を活用し、地産地消を推進しています。地域の生産業者や多様な機関等と連携して、社会福祉分野のみならず、地域コミュニティの活性化やまちづくりなどにも貢献しています。
餃子のパッケージには、藤沢市と交渉を重ねて、市の公認キャラクターである「ふじキュン」を使用することを取り付け、地域のPRにも貢献しています。
水や非常用の食品を備蓄して、災害時の拠点になるよう備えています。福祉施設が有する福祉サービスのノウハウや、専門的な情報を地域に還元する積極的な取り組みには至っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者を尊重した福祉サービスの提供に関する倫理綱領や規定、行動マニュアルなどの策定については、法人全体で取り組んでおり、事業所に備えられています。虐待防止や支援などの個別のテーマに関しては、会議等で日々取り上げています。また、法人においては、わかりやすく浸透させるためのDVDを作成しています。職員は事業所の会議や勉強会などで視聴し、利用者の尊重や基本的人権への配慮について取り組んでおり、浸透しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

利用者のプライバシー保護について、法人全体での取り組みがなされており、規程・マニュアル等が整備されています。事業者内では利用者一人ひとりのプライバシーに配慮した空間や仕切りの設定、食事の方法などを工夫しています。また送迎バスの利用に際してもプライバシーに配慮しています。研修についてはできるだけ多くの職員が参加できるように、夕方6時半から研修を行い、プライバシー保護の対応について説明し浸透させています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

法人で作成している資料を活用し、事業所を紹介する資料は、言葉遣いや図・絵の使用等で利用希望者にもわかるような内容となっています。法人のホームページの中にも事業所の概要を掲載しています。
利用希望者より福祉サービスに関する情報や状況について、照会があった場合はその都度電話などで連絡し、利用希望者の家族を含め、丁寧に対応しています。
見学や実習はいつでも積極的に受け入れています。昨年の見学者は30名以上を受け入れています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの内容については利用者がわかりやすいよう工夫した資料で説明しています。福祉サービスの変更がある場合はその都度「ふじさわ爽風舎から『おしらせ』」を作成して配布し、わかりやすく読みやすいものになるように配慮し、利用者や家族との円滑なコミュニケーションを図っています。
連絡帳も活用して利用者や家族に伝えて周知しています。福祉サービスの変更については説明を行なった後、必ずその旨記録に残しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの利用が終了した後も、事業所として利用者や家族が相談できるように周知しています。職員間でも移行にあたり福祉サービスの継続性が維持されるよう話し合い、できる限りの配慮をしています。
以前は65歳になると施設を退所し介護保険に切り替える制度であったため高齢の利用者の負担が多かったのですが、障害者総合支援法が施行されたことにより、現在は65歳を過ぎても事業所に残れるようになり、退所しなくてもよくなっています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者満足度調査を定期的に実施しています。その結果をまとめて、分析・検討を行い、改善できる部分から取り組んでいます。具体的には、事業所の食事の改善や老朽化した椅子の買い替えを行いました。特に食事については従来外注であったものを食堂と厨房を改修して、事業所内で調理を担当する委託業者を選定し、昨年の2月から実施しています。利用者からの評判もよく事業所での食事が大切な時間となっています。また、利用者の希望に合わせた食事の量なども調整しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みについて法人が率先して取り組んでいます。苦情解決受付体制は苦情解決責任者に法人エリアマネジャーが指名され、組織としての責任体制が明確になっています。また、苦情解決制度を取り入れ、事業所内にポスターを掲示し、外部の第三者委員を選定して、公平な対応ができるよう取り組んでいます。
委員会や研修などで苦情解決制度について周知しています。利用者・職員に周知する取り組みが行われていますが、十分に機能していません。苦情解決事務マニュアルや苦情解決に関する規則を定めています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

利用者が、相談や意見を述べやすいスペースの確保等の環境に配慮しています。利用者が信頼している職員について、一日一日のスケジュールを明確にしておくことを励行しており、不安な状態となることを回避しています。
職員は、利用者一人ひとりに合った対応に心掛けて、応接室や事務室なども活用しています。配布物や掲示物も配慮して手配しています。事故防止策等の安全確保策の実施状況について、定期的に見直しを行っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

「みんなの声」ボックスを設置して利用者からの意見などを聞くよう努めています。
利用者からの相談や意見が寄せられた時は、朝の打ち合わせ時や会議などで対応を検討し、迅速に対応するよう心掛けています。
利用者満足度調査結果を踏まえて、事業所として対応できることから年度の事業計画などに取り込み、実践して事業所の改善に取り組んでいます。コロナ禍では利用者の家庭を訪問し、利用者や家族とのつながりを大切にしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体としてリスクマネジメントに関する委員会や研修などに積極的に取り組んでいます。事故発生時の対応と安全確保については、手順等を明確にしたマニュアルなども整備されており、職員間で周知されています。実際の事故発生事例の記録についてもきちんと整備されており、適切な対応が取られています。
ヒヤリハットについては、毎週報告会を開催して、職員間で情報共有し、事故につながらないよう防止に取り組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人全体として感染症対策について取り組んでいます。感染症の予防と発生時等の対応マニュアルについては常にアップデートされたものを備えています。
今回のコロナ禍では、インフルエンザ対応に準じて、事業所内ではマスクをすることとし、利用者が当日37度以上熱がある場合は自宅待機するなどの対応をしています。事業所では過去において感染症の発生がなく、発生した場合の現場での対応は、今後の課題となっています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

法人として災害時の対応について積極的に取り組んでいます。地震、火災などの災害に対して、事業所では年2回の訓練を実施しています。そのほか法人全体での訓練も年2回あり、計4回の訓練を行って体制を強化しています。
食料や飲料水などの備蓄リストを作成し、地域で災害が発生した場合の拠点となるよう備蓄しています。災害時に備えて利用者や職員と安否確認が取れるシステムをNTTコミュニケーションズより導入しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの標準的な実施方法は、利用者の尊重やプライバシー保護や権利擁護とともに事業所の利用契約書や重要事項説明書に記載されています。
記載されている福祉サービスの標準的な実施方法に基づいて事業所内で適切に実施されているか、職員会議等で周知して確認しています。
各種部会や研修会や法人のエリア会議等でも福祉サービスの標準的な実施についての指導や確認がされており、適切に対応しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの標準的な実施方法の検証は必要に応じて見直されています。
利用者の個別支援計画は、福祉サービスの標準的な実施方法に基づき、細目を作成しています。
福祉サービスの標準的な実施方法については、職員や利用者や家族の意見、提案を反映するように検証・見直しを行っており、定期的に開催しているケース会議(毎月)や個別支援計画会議(6ヶ月)において見直しを実施して反映させています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

3つのグループに分かれて、それぞれのグループ長が中心となり、担当する利用者について、個別支援会議を4月と10月ごとに開催しています。個別支援計画には利用者一人ひとりの要望や職員からの意見が反映されており、具体的なニーズが明示されています。
ケース会議などを通じて、個別支援計画どおりに福祉サービスが行われていることを確認し、個別支援計画会議で、福祉サービス実施計画の見直しを行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

定期的な個別支援計画の見直しについては、3つのグループごとにグループリーダーを筆頭に実施しています。個別支援計画の見直しを行う時期、検討会議に参加する職員、利用者の意向把握と同意を得るための手順などを定めています。
支援継続困難なケースの場合、事業所で支援できることは何かを話し合い、相談支援専門員とも協力して利用者や家族に寄り添いながら進めています。事業所でできることは可能な限り支援をしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

法人内において、利用者に関する福祉サービス実施状況について記録するネットワークシステムが構築されており、利用者の情報が職員間で共有できる仕組みが整備されています。利用者の身体状況や生活状況等を統一した様式によって把握しています。
利用者一人ひとりの個別支援計画の具体的到達目標や支援内容などの実施状況について、職員会議等で定期的に報告を行っており、記録を残して進捗状況の把握に努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

利用者に関する記録の管理は、保管書類、廃棄書類について法人において統一した基準が策定されおり、事業所は個人情報管理の観点から、適切に実施し、遵守しています。
職員に対しては、個人情報保護の取り扱いについて、常日頃より、十分注意するよう説明し、適切に管理するよう徹底しています。
法人で開催している所長会議等において、個人情報の管理についての研修が実施されており、管理者は管理の重要性について指導を受けています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日中活動で作業を中心に行っていますが、作業内容については毎日朝礼で利用者から希望を聞いています。納品に行きたいなどの希望があれば、職員と一緒に出掛けています。余暇活動のお菓子つくりや創作活動、トランスフィットネスなどは利用者の希望により参加できるようになっています。年2回希望する利用者が参加し、ミーティングを開催しています。「時間の使い方」や「作業内容」などのテーマで利用者同士が話し合いをし、利用者の意見を活動に反映しています
個別支援計画を利用者に、より分かりやすものに変更することを検討しています。
自己決定が難しい利用者には、ご家族からの意見を参考にし支援方針を決めていますが、成年後見人や保佐人が付いている利用者が少なく、今後の課題と捉えています。家族会向けに成年後見人セミナーを開催するなど家族に理解を深め、利用を促していく予定です。
 

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

法人の倫理行動綱領の中に基本理念、利用者支援の姿勢、法人・施設との関係、社会とのかかわりなどが記載してあり、職員研修などで職員へ周知しています。また、倫理行動マニュアルも整備され、倫理行動綱領を基本に、職員としてのあるべき姿が具体的に記載されていますので、職員の行動指針になっています。
3種類の権利擁護に関するツールを法人人権委員会で作成しています。「グレーゾーンを語ろう~ロールプレイ作成を通して~」・「人間の尊厳について考えるツール『よりそう会』」・「設問に対して考えシート」などのツールを用いて勉強会を実施し、職員一人ひとりの権利侵害防止の意識を高めています。また、「行動指針」・「身体拘束」・「虐待防止」についてに悪い例・考察・良い例などの実例をビデオにして、全体会議などで職員皆で鑑賞し、自身の行動の振り返りを行なっています。身体拘束は行っていませんが、強度行動障害の利用者の自傷行為を止めるための職員の対応については、職員間で話し合い、共有しています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者本人の生活習慣や望む生活については、年2回利用者本人と家族に担当職員とサービス管理責任者が面談し、話を聞いています。利用者がどんな生活がしたいかを具体的に聞いて、個別支援計画に入れ、支援に活かしています。また、利用者本人の目標とする生活に向け、現状何をするべきかを話しをする時間を設けています。作業では利用者の自立生活に配慮し、職員は「できないところを寄り添う」姿勢で、できるところは見守り、支援をしています。 
受給者証の更新手続きなどの助言をしたり、相談に乗ったりしています。ショートステイやガイドヘルパーなど新しいサービスを利用したい希望がある利用者には、情報を伝え、手続き方法などを説明し、必要な時は相談支援事業所につなぐ支援を行っています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

自閉症の利用者が多いので、利用者の状態に応じて、スケジュールの伝達や掲示を行っています。スケジュールに作業内容や休憩、食事、薬などの写真を貼って、終了したら剥がして、進行状況がわかるような工夫をしています。文字が分かる利用者にはスケジュールを文字で伝えています。作業に必要な物品など物の置き場所にも写真や絵を貼り、わかりやすくしています。
納品や散歩、車に乗ること、訓練(ヘルメットの写真)などの写真や絵カードを作り、カードを見せて理解してもらう工夫をしています。作業室の入り口には当日出勤の職員の写真を貼って安心できるように配慮しています。利用者本人の意思伝達に関しては、職員一人で考えず、複数の職員の意見を聞き,本人の意見として受けるようにしています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

個別の相談は、他の利用者に聞こえないように個室など落ち着いて話せる環境に配慮しています。所長には、「今いいですか?」と利用者が気軽に話に来ています。敢えて個室ではなく,食堂の隅や他の利用者から離れた場所で聞くようにしています。所長は利用者からの相談や話を聞くことを大切にし、思いや希望、悩みなどを受け止めるように配慮しています。
作業や余暇活動についても利用者にわかりやすく伝えて、行うかどうかの意思確認をしています。例えば調理の場合には、食材の野菜名や工程などを利用者によっては絵や写真、文字などで説明し、本人の意思を聞いています。また毎月のケース会議で相談内容を職員間で共有し、支援方法を考えたり、見直しをしたりしています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は年2回本人と家族に担当職員、サービス管理責任者が面談を行い、サービス内容についての意向を確認し、作成・見直しを行っています。個別支援計画には、具体的な到達目標・支援内容・サービス関連機関などが記載され、サービス内容には作業内容や余暇活動の内容が利用者の状態に応じて具体的に記載されています。
余暇活動としては、トランスフィットネス・トランスミュージック・クッキングなどを行っています。毎月第二土曜日に行っているトランスフィットネスは法人から訓練を受けた指導者が来訪し、脳トレ、骨盤体操、マシン10台を使用しての運動などを行っています。毎回お知らせを出し、希望者を募っています。平均24~25名の利用者が参加し、家族や職員も加わって楽しんでいます。地域の情報としては、他事業所のお祭りや絵画展などを掲示したり、配布したりして情報提供をしています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の多くは自閉的ですので、職員は法人内外を問わず、専門的知識を習得のための研修に参加しています。利用者のコミュニケーションなどの意思伝達方法については複数の職員の意見を聞き、方法を検討しています。車いすの利用者には作業がしやすいようにテーブルを高くするなどの配慮を行っています。他の利用者と一緒だと不安になり作業ができない利用者や、大声を出したり、相性が悪い場合は部屋を別にしています。
強度行動障害の利用者には個室で作業をしてもらい、他害を防ぐため、部屋の外に職員が待機し、見守りを行っています。家族や行政とも連携を取りながら対応しています。また壁を叩く利用者のためには、壁に緩衝材を貼って、痛くないような配慮をしています。昼食時も車いすや盗食のある利用者は他の利用者と時間を変えて、職員が介助しています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

食事は施設の厨房で委託業者に調理してもらっています。毎月委託業者と職員で給食会議を行い、検食簿の結果や利用者の希望などを基に、メニューの改善やきざみ食などについて話し合っています。魚は揚げないと食べられない利用者には魚を揚げて提供しています。毎日職員室の献立を見て、担当職員が利用者のアレルギー食材がある場合は、ホワイトボードに食事から抜くように記載しておき、調理員が確認して調理や配膳をしています。誤嚥や盗食のある利用者には食事介助しています。
入浴は実施していませんが、夏季など汗をかいた時には清拭を行っています。排泄に失敗したときなどはシャワーで洗っています。トイレ介助や生理用ナプキンの援助は同性職員が対応しています。歩行が困難な利用者の移動や車いすの移乗など必要に応じて介助を行い、安全に移動ができるように支援しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

週1回掃除専門のパート職員が施設全体の掃除をしています。作業室の掃除は毎日利用者が行い、トイレの掃除などは職員がしています。年2回業者に換気扇やエアコンの清掃をしてもらい、環境を整備しています。建物内の設備が古くなっているため、トイレの臭いが気になり、排水溝などの改装が必要になってきています。
各階にソファーが設置され、利用者がいつでも休息できるようになっています。ベッドとパーテーションのある部屋で寝ることもできます。作業の休憩時間や昼休みなどに休めるようにソファー2台を置き、自由に使える部屋も確保しています。利用者が壁を叩く場所には緩衝材などを貼って危険のないように配慮しています。
利用者の満足度調査では、「施設の器具や設備」や「施設の利用のしやすさ」では満足度が低く、ケース会議などで支援内容と一緒に検討しています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

生活訓練は行っていますが、機能訓練は行っていません。生活訓練としては、排泄時の拭き取りなど、自分でできることを増やすことができるよう見守り、支援をしています。利用者は食事の時も自分でトレイをもって配膳し、食後も食器を片付けています。毎日掃除の時間を作り、自分の机を拭いたり、食堂の掃除を行うなどの生活訓練を行っています。
機能訓練は行っていませんが、専門職の助言や指導を受けて、車いすの利用者が転倒しやすいので、家族に連絡し、他事業所の理学療法士や作業療法士の利用に繋げたことがあります。
月1回土曜日に余暇活動として、トランスフィットネスを希望者に実施しています。法人の訓練を受けた指導者が、脳トレ、骨盤体操、マシンによる運動などで、筋肉痛にならないで、身体を鍛えられる運動を家族や職員も一緒に参加して実施しています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

2ヶ月に1回法人の大和さくらクリニックから医師の巡回・相談を実施しています。予め家族には書面を配布し、医師に相談がある場合は提出してもらい、医師にアドバイスをもらった内容を家族へ伝えています。毎週金曜日に看護師が来訪して、検温・体重・血圧などの健康チェックをし、健康相談を行っています。作業室にも入り、利用者の様子を観察しながら支援も行っています。
定期健康診断を年2回協力医療機関で実施しています。身長・体重・血圧・血液検査・胸部レントゲン・内診を実施し健康管理に努めています。餃子の製造や調理に携わる利用者・職員は毎月検便を実施しています。毎年歯科医師と歯科衛生士による歯科検診とブラッシング指導を受けています。
健康診断や歯科検診の結果は書面で家族に報告し、再検査などの対応をしてもらっています。毎月健康プログラムを実施し、散歩などを活動内容に取り入れ、健康維持に努めています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

医療的な支援は原則行っていませんが、服薬支援は行っています。今後利用者のニーズが増えてくる様なら、医療的な支援も検討していく予定です。
服薬支援をする利用者は毎日4名位ですが、内服薬や塗布薬は職員管理のもと、服薬時に手渡し、本人が服用するのを見守り、確認しています。服用後の薬の袋は連絡帳に貼って持ち帰ってもらい、家族に服用したことを確認してもらっています。医師や看護師は定期的に来訪しますので、指示や助言をもらい安全管理体制は確立されています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域のお祭りの「あじさい祭り」や「遠藤祭り」、「竹炭祭り」などの販売会に職員と一緒に利用者も参加し、呼び込みなどを行い、地域住民と触れ合う機会を持っています。障がい者の作品展で受付をし、社会参加をしています。地域の福祉農園でサツマイモ堀りやじゃがいも掘りに参加しています。毎年ディズニーランドや温泉に一泊旅行をし、利用者同士や職員と夜も一緒に過ごし、普段見られない様子が分かり、交流を深める機会になっています。グループホームの利用者は、週末に利用者同士で買い物などに出かけています。
法人のエリア研修で利用者や家族が参加し、「どんな家に住みたいか?」のテーマで写真のカタログから切ったものを貼って住みたい家を表現するなどで自立生活の促しになっています。時計の読み方などは職員が学習支援を行っています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人のグループホームの2室がショートステイになっているので、グループホーム入居の前段階としてショートステイの利用を勧めています。初めは職員が一緒に泊まり、安心できるように配慮しています。ショートステイ利用中はグループホームの職員と連絡を密にし、情報を共有しています。個人面談の時に本人や家族からグループホーム入居やショートステイ利用の希望を聞き、個別支援計画に盛り込んでいます。現在グループホームからの通所者は4名ですので、家族会などでグループホームについての説明をし、自立に向けて利用を促しています。
近隣のプールなど社会資源に関する情報は、回覧や掲示で利用者に情報提供しています。地域移行など新しいサービスを利用する際は相談支援事業所と連携を図っています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回本人と家族に個別面談を行い、利用者・家族の意向を聞き、利用者の事業所での様子を家族ヘ伝えています。2ヶ月に1回「爽風だより」を発行し、活動内容や利用者の様子,職員の異動などカラー写真入りで家族に知らせています。そのほかに家族に知らせたい情報は,「ふじさわ爽風舎からのお知らせ」で、施設長から伝えています。
毎日持参する連絡帳には、施設での様子を記載し、家族に伝えています。食事時間や送迎時間の変更などは、電話で個別に連絡して家族の意見を聞いて決めています。電話をすると利用者が不安になる場合はメールで連絡しています。長期間通所していなかったり気になる利用者には施設長が家庭訪問し、様子を見に行っています。
法人の3事業所合同の家族会(青葉会)があり、4月には総会を開催し、家族間の交流を図っています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】