社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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まきが原愛児園

2023年04月26日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 社会福祉法人清正会まきが原愛児園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 137 名
所在地 241-0836
横浜市旭区万騎が原3番地
TEL 045-361-0633 ホームページ http://makigaharaaijien.info
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1967年06月02日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人清正会
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:14 名
専門職員
保育士:28 名
栄養士:2 名
調理員:9(内1名調理師) 名
施設・設備の概要
保育室:11
事務室:1
予備室:1
職員休憩室:1
ランチルーム:1
園庭 屋内温水プール:1

③ 理念・基本方針
保育理念:
明るく元気な身体と豊かな心・優しい心を育てる
保育方針:
・心身ともに明るく健康な身体を育成する
・体育指導・プール指導を通してけじめと忍耐の大切さを知る
・音感指導を通して、豊かな感性を育み、自主性、協調性を培う

④ 施設・事業所の特徴的な取組
相模鉄道線二俣川駅から徒歩 10 分ほどの住宅地にある。付近には南本宿小学校、万騎が原小学校、万騎が原中学校のほか、同一法人の特別養護老人ホーム、地域ケアプラザ、系列の幼稚園もあり、様々な人とふれあう環境にある。定員137名のところ、0歳児から5歳児まで143名の園児が在籍しており、28名の保育士及び調理委託業者の社員も含め42名の職員で運営されている。
園内には、年齢別の保育室のほかにプレイルームや図書ルームがある。園庭には様々な遊具がある。
近隣には南本宿公園ほか多くの公園がある。さらに、徒歩 5 分圏内のところにこども自然公園もあり、自然環境に恵まれている。「心身ともに明るく健康なからだを育成する」「体育指導・プール指導を通してけじめと忍耐の大切さを知る」「音感指導を通して豊かな感性を育み、自主性、協調性を培う」という具体的な保育方針を掲げている。専門講師によるプール指導は、年間を通じて隣接の高齢者施設の屋内温水プールで行っている。また、体育指導や合奏・マーチングなどの音楽教育にも力を入れている。クッキングや野菜の収穫・栽培などを行い、自分たちで作って食べることで、食の楽しさ、うれしさを感じる食育を行っている。
産休明けの乳児保育からサービスの対象とし、通常の保育に加え、長時間保育、時間延長サービス なども行っている。
隣接する同一法人の高齢者施設、系列の幼稚園などとの交流が活発に行っている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/18(契約日) ~2023/03/30(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2005年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
・同一法人の高齢者施設や系列の幼稚園との連携
専門講師の指導による水泳を、年間を通じて隣接の同法人が運営する高齢者施設の屋内温水プールで行っている。コロナ禍以前は、5歳児が「あじさい交流」「今昔交流会」など数回高齢者施設を訪問し、一緒に歌を歌うなど交わりの時を持っていた。現在は製作品での交流やガラス越しでの訪問を工夫している。また、隣接する系列の幼稚園と月1回1時間、5歳児が一緒に学習する時間を持っていたが、再開を予定するなど連携して保育をしている。

・「連絡帳」による保護者との連携
全てのクラスにおいて、「連絡帳」を活用し保護者との連携を図っている。0歳児と1歳児は家庭での前夜と今朝の食事欄の他、睡眠、排泄など細かく工夫された専用の「連絡帳」を、2歳児以上は、体温と迎えの時刻以外は自由に記述できるノートを「連絡帳」として用いている。

・合奏・マーチングなどの音楽教育
子どもたちが協同して行う活動として、合奏に力を入れている。外部講師の指導で、クラスの中で合奏を楽しんだり、太鼓の他、3歳は鈴やタンバリン、4,5歳はシロフォンで合奏をし、発表会で披露している。また、4,5歳によるマーチングは、運動会で披露している。

・事故・ヒヤリハットの記録の工夫
事故及びヒヤリハットは同一の書式で記録し報告している。書式は、発生状況と対応の欄を時系列で記録できるようにする他、子どもの様子と対応、保護者対応、発生原因、再発事防止策などの項目を工夫し、具体的にポイントをとらえて記録できるようになっている。確実な記録から発生の傾向を分析し、予防策の策定が期待される。

◇今後期待される点
・集団保育の伝統を継承する中での子ども一人ひとりの保育
「体育指導・プール指導を通してけじめと忍耐の大切さを知る」や「音感指導を通して豊かな感性を育み、自主性、協調性を培う」などの保育方針を掲げ、専門講師によるプール指導や体育指導、合奏・マーチングなどの音楽教育、また、3歳からは教材を使った学習などの保育を、園の伝統として継承している。一方で、障がいをもつ子どもなど、一人ひとりの子どもの個性を理解した保育が求められており、伝統を継承する中での工夫が期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
新型コロナウイルス感染症が発生して3年が過ぎ、その間、どのようにすれば保育園を安全に、毎日安心してご利用いただけるか、また、子どもたちの成長にとってとても大切な時期に行事などが中止や縮小せざるを得ないなか、どうしたら子どもたちが有意義な時間を過ごすことが出来るかを職員で考え、保護者の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、保育や出来る範囲での行事を行なってきました。保護者の皆様から、「子どもたちのためにありがとうございます」と感謝の言葉をいただき、とても励みとなりました。
 今回、第三者評価を受審するにあたり、担当5名を中心に何回も話し合いをした後、職員全員で課題を共有し、項目ごとにチェックして考えを整理したことで、改善点を見出す事も出来ました。
 この受審にあたり、調査員の方より温かい言葉をいただき、また、今後へのアドバイスもいただきました。結果を職員全員で共有し、子どもたちにとってより良い保育、より楽しい日々が過ごせるよう、また、保育の内容を充実していけるよう、努力して参りたいと考えます。
 ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。感謝申し上げます。

               まきが原愛児園 園長 小川 由喜子

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念を、職員に配布してる「保育マニュアル」に掲載している。しかし、「園のしおり」やホームページ、保護者に配布している「重要事項説明書」や「園だより(MA通信)」には掲載していない。他方、保育方針や保育目標につては、「園のしおり」「保育マニュアル」やホームページに掲載し、玄関に掲示している。
保育理念を「園のしおり」やホームページに掲載し、また玄関に掲示することが求めれらる。併せて「重要事項説明書」に明記し、保護者への周知が求められる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:c】

市の動向や施策について園長会を通じて把握し職員会議で報告している。しかし、1・2歳児の受け入れ枠確保や一時保育等の拡充、障がい児や医療的ケア児の対応など、市の待機児童対策など具体的なことまでは話題にしていない。
市の施策を確認するとともに、保育園周辺の地域の子どもの数・利用者像、また、保育のニーズや潜在的利用者に関するデータを収集するなど、地域の特徴や変化等の経営環境の把握や課題の分析が求められる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:c】

法人の理事会で園の状況を確認している。しかし、市の待機児童対策など具体的なことまでは話題にしておらず、取り組むべき課題の洗い出しには至っていない。
市の施策の確認や、地域の特徴や変化等から経営環境や課題を把握し、地域における園としての経営上の課題を明確にし、解決に向けて職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定するなど、組織的な取組みが求められる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

どのような保育園にするのか、どのような保育や地域の子育て支援をする保育園にするのかなど、中・長期的な目標(ビジョン)の策定と、その目標を実現の為に取り組むべき具体的課題を明文化することが求められる。また、その目標実現の為の課題について、どのような計画で取り組むのか、「中・長期の事業計画」と「中・長期の収支計画」から成る「中・長期計画」の策定が求められる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

目標(ビジョン)実現の為の課題について、中・長期的に取り組む「中・長期計画」の下で、単年度でどこまでを目標として設定し、どのような方法で取り組むのかを明記した「年間事業計画」の策定が求められる。「年間事業計画」には、保育の内容のみならず、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成等について明記され、実行可能な具体的な内容となるよう工夫が求められる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

職員参画のもとで「年度保育指導計画」や「行事計画」「食育活動年間計画表」などの年間計画を策定している。
それら諸計画の元となる「年間事業計画」の策定が求められる。また、「年間事業計画」の策定にあたっては、策定の時期や協議方法など職員の参画の仕組みを作ることが求められる。その上で、行事など保育の内容のみならず、組織体制や設備の整備、職員体制、研修などの人材育成等について「年間事業計画」に明記する目標を、年度末にその達成度の振り返りが可能なように、具体的に設定することが求められる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

「行事計画」を3月に開催する説明会や懇談会、また「園だより(MA通信)」などで保護者に説明している。
「年間事業計画」の策定と、策定された事業計画の主な内容について、分かりやすく説明した資料などを工夫し、保護者への周知が求められる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

年度末に、主任2名で横浜市が作成した「保育所自己評価」を用いて組織としての自己評価を行い、その結果を取りまとめ、職員会議で報告するとともに、保護者に配布している。
非正規職員も含めた全職員による「保育所自己評価」を用いての自己評価の実施が望まれる。また、取りまとめた実施結果を分析し、明確になった課題について次年度の事業計画に反映させるなど、組織的にPDCAサイクルにもとづく保育の質の向上に活かす工夫が求められる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

年度末に、主任2名で横浜市が作成した「保育所自己評価」を用いて組織としての自己評価を行い、その結果から「園外への散歩の機会の増加」や「外部からの不審者に対す安全面での配慮」などの課題を取りまとめ、職員会議で報告している。
非常勤職員も含めた全職員による「保育所自己評価」の実施と、明確になった課題について、職員の参画のもとで、改善策や改善計画の策定と、次年度の事業計画への反映などが求められる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

「管理規定」及び「職員業務分担表」で職種と職務内容を明記している。また災害時については、「自衛消防隊組織図」及び「安全点検・安全管理連絡体制方法」で、園長が自衛消防隊隊長の任に就くことなどを明記している。
「管理規定」及び「職員業務分担表」には、職務内容の概要だけが記述されている。実情に即したより具体的な職務内容と、不在時の代務者などについて明記した職務分掌に関する規定の整備が求められる。併せて、全職員への周知が求められる。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき事柄を「就業規則」の「服務心得」で定め、入職時に配布し説明している。
保護者からの金品授受の禁止など明文化されていない事柄など、コンプライアンス全般について内容を具体的に洗い出し、別途規定として整備するなどの工夫が望まれる。併せて、全職員への周知が求められる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

年齢ごとの「年間指導計画」や月ごとの「指導計画」について、職員が達成状況を話し合い、次の期の保育に活かしている。これら日常的な保育の質の向上に向けた取組みに加え、年度末に主任2名で、横浜市が作成した「保育所自己評価」を用いて組織としての自己評価を行っている。また、同じく年度末に、各保育士が「自己評価ファイル」を用いて業務を振り返り、園長がコメントを記入し、保育の質向上を図っている。
各々の評価や振り返り内容を分析し、園全体での課題を明確にし、それに基づいた組織的な改善策の設定と実施が求められる。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

職員の残業時間数や有給休暇の取得状況を、毎月園長が確認している。育児休業は、早い段階から園長が職員の意向を確認し、確実な取得につなげている。有給休暇の取得希望を「有給休暇簿」で把握し、希望が重なる場合は時間単位での取得や、園全体での勤務を工夫し取得できるようにしている。職員休憩室を女性用と男性用スペースに分け、冷蔵庫を設置し便宜を図っている。
働きやすい職場に向け、業務の整理を通じた効率化が求められる。特に、子ども一人ひとりに対する個別保育や子育て支援など、園に求められる機能が変化する中で、IT化への取り組みが望まれる。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

保育は、正規職員を中心に非正規職員で補い行なっており、土曜日の保育など正規職員の負担が大きい。求人の応募者と必要とする勤務時間が合わず、思うような補充には至っていない。
必要とされる福祉人材やクラス毎の人員体制などの基本的な考え方や、育成に関する方針の明文化が求められる。また、年1回職員から提出される「自己評価ファイル」や「職務に関する申告書」について、全職員との面接で、職務に対する思いなどを把握し助言するなど、職員一人ひとりの育成の工夫が求められる。地域の子育て支援が大きく期待される状況にあって、保育士以外の資格取得の奨励などの工夫が期待される。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

16項目からなる「まきが原愛児園職員として」を、服務心得に準じた内容で定めている。理念・基本方針にもとづく「期待する職員像等」を明文化することが求められる。
人事基準は特に定めてなく、法人全体で各施設長間で協議し決めている。面接などを通じて一人ひとりの職員の意向・意見を把握するとともに、それを組織全体の改善策に活かす工夫が求められる。また、「期待する職員像等」の策定の下で、経験別や資格別に期待される業務内容と水準を明記するなど、職員一人ひとりが具体的に目指す業務内容を知り、自ら将来の姿を描くことができる工夫が望まれる。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況や休暇取得状況を毎月確認し把握している。
各保育士の「自己評価ファイル」による業務の振り返りや、全職員が提出する「職務に関する申告書」に加え、全職員との面接を通じて職務内容や勤務時間に対する思いなどを把握し、職員が相談しやすい環境を整える工夫が求められる。また、組織の魅力を高める取組や、働きやすい職場づくりの工夫が望まれる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりが具体的に目指す「期待する職員像等」を明文化することが求められる。
保育士が、3年間加筆しながら記述できる「自己評価ファイル」を用いて、年度末に前年度の評価と比較しながら自己の業務を振り返り、自身の目標を設定している。それに園長がコメントを記入している。
全職員との面接を通じて職務に対する思いなどを把握し助言するなど、一人ひとりの育成の工夫が求められる。また、「年間事業計画」を策定し、一人ひとりの目標が「年間事業計画」の目標と連携した内容で設定することが望まれる。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園として、理念・基本方針にもとづく「期待する職員像等」を明文化することが求められる。研修委員が年度研修計画を策定している。市の「保育士等キャリアアップ研修」が始まり、そちらの受講を優先しており、年度研修計画にそった研修の実施が難しくなっている。キャリアアップ研修の受講を抱括した研修計画の策定の工夫が求められる。また、教育・研修に関する基本方針の明文化と、経験や階層別、テーマ別など研修の体系化が望まれる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

年度の研修計画は、研修委員が策定している。外部研修の情報を職員い伝え、受講希望を申し出る事ができる。キャリアアップ研修も含め、外部研修の受講者は園長と主任で決めている。受講後の研修報告書の回覧やファイルを、研修委員が行なっている。
階層別研修、職種別研修、テーマ別研修の仕組みを整え、研修後の評価・分析を行う事が望まれる。また、保育士や調理師の資格以外の資格取得や、入職後の研修の受講履歴などを整え、年度の課題や将来的な課題に対して、効果的な資格取得の奨励や研修の計画策定と実施が期待される。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れは「保育実習受け入れについて」や「学校教諭研修受け入れについて」などにそって行なっている。受け入れに際しては、保護者に事前に「園だより(MA通信)」で伝えている。
実習受け入れに関する基本姿勢の明文化と、実習するクラスの順番など、園の実情をとらえた標準的なプログラムの設定が望まれる。また、事前に実習生の希望を確認し、実習スケジュール上での工夫、実習の様子などの実施記録の整備に加え、実習後の感想を職員全体で受け止めるなどの工夫が望まれる。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページに保育方針と保育目標、法人のホームページに財務帳票等を掲載している。平成29年度以降の財務帳票等については、WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)で公表している。
事業計画、事業報告、苦情・相談内容と対応状況について公表することが求められる。加えて、事故やヒヤリハット等についても公表することが望まれる。併せて、ホームページだけでなく地域への広報誌や掲示板などを工夫し、複数の方法での公表が望まれる。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理、取引等に関しては「経理規定」で定め処理している。法人の監事2名による内部監査を受け、理事会で監査内容を報告し承認を仰いでいる。経理は外部税理士事務所に処理を委託し、事業、財務等に関する助言にもとづく経営改善を行なっている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍以前は、同法人が運営する高齢者施設に5歳児が「あじさい交流」「今昔交流会」など数回訪問し、一緒に歌を歌うなど交わりの時を持っていた。現在は製作品での交流やガラス越しでの訪問を工夫している。どんど焼きは、同法人の高齢者施設や幼稚園、地域の小学校校4校に声をかけ、風習の話を聞き竹の先にお団子をつけて焼いて食べ、園児が交流の時を持っている。また、民生委員が年に一度来園し、4,5歳児が伝承あそびを一緒に楽しんでいる。近隣には公園が多く、散歩に行った先での地域の人との触れ合いがある。
様々な行事の保育上の目的や、地域との関わり方についての基本的な考え方を、明文化することが望まれる。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

中学校のボランティア部の学生を1年間を通して毎週数名、また、職業体験実習を受け入れている。受け入れにあたっては「ボランティア受け入れについて」にそって行ない、保護者には事前に「園だより(MA通信)」で伝えている。近年、ボランティアの意味が社会貢献から自己実現に変わってきており、また、どのような方が応募してくるか確認も難しいので、現状では一般のボランティアは募集していない。
ボランティアや体験実習の受け入れに関する基本姿勢の明文化が求められる。また、地域のボランティアセンターの活用を工夫するなど、ボランティアの受け入れが望まれる。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

事務所に、医療機関の一覧を掲示し、また小学校・児童相談所・他事業所などの一覧表も、いつでも見る事ができるようにしている。
園長が、区の社会福祉協議会の保育士部会や園長会の会合に定期的に参加し、参加できない場合は記録を確認している。重要な事柄は、職員会議で報告し資料を回覧している。地域療育センターの「療育巡回相談」を利用し、障がいをもつ子どもの保育について助言を受けている。要保護児童対策地域協議会への参加は無い。また、地域の自治会には参加していない。隣接する同法人の施設は入っており、園として自治会に参加するなど地域との連携が望まれる。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

隣接する同法人の施設は、自治会の防災訓練に参加している。また法人の評議員である地区の民生委員とも連携している。園としても機会をとらえて、防災訓練や民生委員との連携を考えている。他方、地域住民を対象にした相談を受ける体制にあるが、相談など問い合わせは無い。
民生委員との定期的な会合や、実施している育児講座などを通じて地域の多様な相談に応じるなど、地域の具体的な福祉ニーズや生活課題等を把握するための取組が求められる。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

市や区の事業である月2回の園庭解放の他、園独自に、月1回の身体計測と交流保育、その他プール解放、絵本読み聞かせや育児講座などを実施している。「子育て通信」を定期的に発行し、地域に向けて掲示板に掲示し、子育て家庭向けのレシピなどとともに配布用ボックスに置いている。
隣接する同法人の他施設が、区の委託事業「子育てひろば」を実施しており、その事業との連携を課題ととらえている。法人全体で連携しながら地域のニーズにもとづく事業に取り組む工夫が望まれる。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「全国保育士会倫理綱領」を職員に配布するとともに、「保育士としての言葉使い」で、子どもを否定する言葉や他の子どもと比較する言葉など、使用すべきでない言葉を5項目に渡り具体的に示している。また、園創設当時から言葉について掲示を行い、園全体で言葉を大切にする取り組みを行っている。子どもを呼ぶときは、乳児は「ちゃん」や「くん」付けで、幼児は「さん」付けにしている。
「自己評価ファイル」の内容を集計・分析し、定期的に全職員で振返る場を設定するなど、組織的な取り組みが求められる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

「プール遊び(水遊び)・水泳指導について」で着脱中の配慮について定めている。また、トイレの扉や夜間の外からの目隠し、身体計測ではブラインドなどにより男女を別にするなど工夫している。
発達段階に応じたプライバシー保護の対応内容や留意点など、より具体的な記載の工夫が望まれる。また、幼児に対しプライベートゾーンについて教えるなどの工夫と、その内容について保護者と連携し保育する工夫が期待される。プライバシー保護は日常的に発生する事柄であり、全職員が振り返りを確認できるチェックリストを作成するなどの工夫が望まれる。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

ホームページを開設している他、保育方針や保育の内容等を紹介している「園のしおり」を作成し、区役所、療育センターやケアプラザなどに置いている。見学希望の問い合わせは、「見学日一覧表」に見学者氏名や年齢・見学日時を記録し、その後の対応に用いている。見学は「入園希望者見学案内 説明事項」にそって行なっている。
問い合わせへの対応から見学後のフォローまでの手順を明文化することが望まれる。また、外国籍や障がいのある保護者などへの配慮など、利用希望者の状況や視点に立った情報提供の工夫が求められる。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

ホームページを開設している他、保育方針や保育の内容等を紹介している「園のしおり」を作成し、区役所、療育センターやケアプラザなどに置いている。見学希望の問い合わせは、「見学日一覧表」に見学者氏名や年齢・見学日時を記録し、その後の対応に用いている。見学は「入園希望者見学案内 説明事項」にそって行なっている。
問い合わせへの対応から見学後のフォローまでの手順を明文化することが望まれる。また、外国籍や障がいのある保護者などへの配慮など、利用希望者の状況や視点に立った情報提供の工夫が求められる。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:c】

退園し、他の保育園に移る園児について、園の判断のみならず保護者の意向をも踏まえ、保護者の同意のもと転園先への情報提供など、保育の継続性に配慮した対応の仕組みと手順のマニュアル化が求められる。併せて、退園後の相談方法や相談窓口になる担当者などについて、分かりやすく説明した文書の整備が求められる。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度末に全保護者を対象に、14の設問と自由記述欄からなるアンケートを実施している。昨年度は、コロナへの対応を優先し実施できなかったが、それ以前は毎年実施している。各設問の集計結果と寄せられた意見や要望を保護者に報告している。また、職員会議で結果を分析し、裸足での保育を励行しつつトイレにサンダルを設置するなど、保育の改善に活かしている。
園として協議し分析を通じて把握した課題、その課題に関する対応計画などについて、保護者に説明する工夫が望まれる。併せて、前回のアンケート結果との比較ができるよう、回答方法の工夫が望まれる

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「重要事項説明書」に、相談・苦情受付担当者、相談・苦情解決責任者、2名の第三者委員の氏名及び連絡先を掲載し、併せて玄関に掲示している。
第三者委員など各々の役割や、苦情関係職員以外の職員にも相談できること、苦情や相談の受付けから解決までの対応手順などについて明文化し、職員及び保護者に周知することが求められる。また、苦情内容の傾向などを分析し、保育の質の向上に活かすことが求められる。併せて、苦情の内容と解決状況を、ホームページ等で公表することが求められる。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

「重要事項説明書」に、面接や電話など複数の方法により、相談や苦情を受け付けていることを明記している。また、玄関に「ご意見箱」を設置している。受け止めた相談や意見は、「保護者からの質問・相談の対応の仕方について」にそって、クラス長、リーダー保育士や園長で共有し迅速な対応に努めている。送迎時の保護者に声をかけ、保護者の思いを受け止めるよう努めている。また、保護者との個人面談を通じて相談や意見を把握している。
相談や意見を受け止めた後の対応手順を整理し、分かりやすく明記するとともに、保護者への周知が望まれる。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

玄関に設置した「ご意見箱」の他、連絡帳や個人面談、クラス懇談会、送迎時の会話などを通じて相談や意見を把握している。受け止めた内容は、「保護者からの質問・相談の対応の仕方について」にそって、クラス長、リーダー保育士や園長で共有し、迅速な対応に努めている。また、全保護者を対象に年度末にアンケートを実施し、意見などの把握に努めている。
相談や意見を受け止めた後の対応手順を整理し、分かりやすく明記するとともに、保護者への周知が望まれる。また、意見や要望などを協議した記録を整備し、組織的に保育の質の向上に活かす工夫が求められる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

「事故防止・安全対策」で。場所や場面毎の事故防止の方法を明記している。ドアの施錠や電気の消灯などは毎日、遊具や砂場などは週1回点検し「安全点検簿」に記録している。事故発生時の対応を「園内での事故対応」などで定めている。「事故・ヒヤリハット報告書」を用いて、各々についての発生状況などを、6項目にそって記録している。
遊具等の点検について、具体的に「目視なのか、触診・打診なのか」など、事故防止の視点にたった点検方法の策定が望まれる。事故発生後の保護者への報告日時や対応職員名の明記が求められる。加えて、ヒヤリハット及び事故報告を分析し再発防止策の策定が求められる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症については、「病気対応マニュアル」などで対応している。感染症の発生が疑われる場合は「お知らせ」を掲示し、保護者に伝えている。清掃や遊具などの消毒は「衛生管理マニュアル」にそって行い、「(玩具消毒)清掃チェックシート」などに記録している。子どもの嘔吐を想定した訓練を子どもたちと一緒に行い、職員が子どもへの対応や嘔吐物の処理を習得するとともに、子どもたちも基本的な動きを学ぶ機会となっている。
コロナ禍で実施している様々工夫などの文書を整理し、マニュアルの充実が求められる。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時の対応は「地震・火災災害発生時の対応」にそって行っている。事前に想定内容を伝えずに訓練しているので、年間の防災や避難訓練計画は作成していない。訓練は、地震や火災を想定し月1回、不審者を想定し年2回実施している。非常時の備品と園児全員の緊急連絡先資料が入れてある「非常用持ち出し袋」を事務室に常備している。
数種類の書面に分かれて記載されている災害時の対応について、火災や地震、不審者など想定される災害別に整理するなど、対応マニュアルの整理と整備が求められる

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

0歳、1歳〜2歳、3歳〜5歳の3種類の「デイリー」を作成し、保育士の子どもへの働きかけを明記した1日の保育の標準的な流れを策定している。室内や戸外など場面別の標準的な保育士の動きを「事故防止・安全対策」に明記している。
さらに、散歩での公園などに着くまでの保育士の立ち位置や危険箇所での声かけや確認内容、園庭遊びや午睡など次の保育場面への声かけや誘導、また給食時やトイレなどの場面での声かけや見守り方法など、場面をとらえた具体的な保育方法について、標準的な実施方法を定めることが求められる。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

必要に応じて、標準的な実施方法について見直しを行っている。特に、新型コロナ感染症対応については、市からの通達に従い、適宜内容を見直し変更を加えている。
見直す時期を定めるなど、標準的な実施方法の定期的な検証と、職員や保護者等からの意見や提案を受け止めるなど、見直しの方法や手順、検討会議など協議する場などの仕組みと、見直された内容の周知方法を明文化することが求められる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

アセスメントを、乳児は3ヶ月毎、障がいのある子どもは年4回行っている。個別指導計画は、0,1歳児と障がいのある子どもは個別の書式で、2歳児は「月次指導案」に一覧表で、アセスメント実施時に作成している。
全ての園児一人ひとりについて定期的にアセスメントの実施と、個別指導計画の作成が求められる。また、アセスメントの実施時期と方法、保護者の希望やニーズの把握方法、個別指導計画の作成時期と方法など、アセスメントから計画作成、実施、評価、見直しといった一連のプロセスを明文化することが求められる。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画の評価と見直しを、乳児は3ヶ月毎、障がいのある子どもは年4回アセスメントに併せて行っている。
一人ひとりの個別指導計画について、前回の個別指導計画の達成状況などの評価、保護者の意向の把握、そして発達段階を踏まえた保育の目標と、目標に向けての課題の設定が求められる。さらに、アセスメント及び個別指導計画は、保護者に開示する観点から、子ども毎に個別に策定することが望まれる。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりに関する保育について、クラス毎の「保育日誌」に記録している。それをもとに「経過記録」に要約し記録している。特定の子どもに記録が偏らないよう工夫している。緊急を要する事柄は「引き継ぎノート」に記載し、出勤した職員が確認している。
記録に際しては、子どもの様子、保育士が子どもへ関わった内容と子どもの反応などについて、保育士の主観を交えず事実だけを記録することが求められる。
「書類記入について」で「保育日誌」など書類毎に記録内容を明記している。記録者により記述する表現に大きな差異が生じないよう、記録要領などの工夫が望まれる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

「書類記入について」に、月案のファイル方法や、業務終了後の「保育日誌」の提出手順を明記している。「個人情報保護に関する規定」について、保護者からの開示請求や、第三者への情報提供禁止の除外規定など、一般的な解釈や実情に即した文言の見直しが求められる。併せて、保育士一人ひとりが保育場面で用いているメモなどについても個人情報保護の適用範囲となること、退職後においても遵守が求められることなど、内容を整理し系統立てて明記する工夫が求められる。業務終了後、「保育日誌」などのファイルの保管手順と保管場所などの明記が望まれる。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」の冒頭に、保育理念、保育方針と保育目標を明記し、「社会的責任」「人権尊等」「説明責任」「情報保護と苦情解決」「発達過程」「主な行事」などの項目にそって具体的に明記している。その後に、年齢を8段階に分け、それぞれについて「養護」「教育」「食育」を明記している。
年度事業計画で策定した目標や課題などを、「全体的な計画」に反映することが求められる。また、「就学に向けての準備」「長時間保育」「障がいを持つ子どもへの保育」などについても明記することが求められる。「書類記入について」で「全体的な計画」を毎年度見直すことを明記している。職員参画のもとで見直すなど、見直し方法についても明記する事が望まれる。また、「全体的な計画」を見直し評価した内容を、次年度の事業計画に活かすことが求められる。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

各保育室は独立した部屋となっており、空気清浄機が設置され、また窓が多く換気を工夫している。温度・湿度計を備え「保育日誌」に記録している。清掃や消毒は、ぬいぐるみなど遊具ごとの消毒方法などを明記した「衛生管理マニュアル」にそって行い、「(玩具消毒)清掃チェックシート」などに記録している。おもちゃや絵本を図書ルームなどに置き、保育室に心地よく過ごせるスペースを確保するよう工夫している。また、遊びとゆったり過ごせる場所をクッションで分けたり、プレイルームで子どもが一人で落ち着けるよう工夫している。活動と食事のスペースを分け、1歳児は隣接する部屋で、2,3,4歳児はランチルームで食事している。
季節毎の目安となる室温や湿度を定め明記することが求められる。
コロナ禍で実施している様々な工夫、感染症の種類による消毒や対応方法、清掃箇所別の清掃方法など、具体的な記述を通じたマニュアルの充実が求められる。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

市の「よりよい保育のためのチェックリスト」を職員に配布し、また年度末に各保育士が「自己評価ファイル」で、せかす言葉や制止させる言葉を用いていないかなど、振り返りを行なっている。配慮が必要な子どもに対しては、他の園児と同じように声かけした上で、子どもの気持ちを受け止め、子ども自身が選べるよう選択肢を示すなど工夫している。また、時間をおいて子どもの気持ちにそった対応をするなど工夫している。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの月齢や発達段階にそって、子どもが生活習慣の前提となる「自分の物」だと認識できるよう、乳児の段階から、自分のオムツを取りに行き自分で履いたり、靴箱に靴をしまうなど工夫している。睡眠のリズムや食事の仕方、トイレでの排泄などのトイレトレーニングなどについて、保護者の気持ちに寄り添いながら園での様子を伝え、家庭と連携して取り組んでいる。園に通うことも生活リズムの一部であり、朝登園できない子どもの保護者からの電話に対し、保育士が保護者に対し、子どもに今日の給食のメニューと、保育士が園で待っていることを伝えるよう促し、保護者と連携し登園できるよう支援している。
幼児に椅子の持ち方を伝え、他の子どもに気をつけながら自分の椅子を片付ける様子がある。お箸の使い方や手の洗い方を、子どもが分かりやすく視覚で理解できるような図を掲示するなど工夫している。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが友だちと協同して行う活動として、合奏に力を入れている。外部講師の指導で、クラスの中で合奏を楽しんだり、太鼓の他、3歳は鈴やタンバリン、4,5歳はシロフォンで合奏をし、発表会で披露している。また、4,5歳によるマーチングは、運動会で披露している。身体を動かす活動として、水泳指導を行っている。隣接する同法人の高齢者施設にある室内プールで、3歳児は1月以降、4,5歳児は通年で2週間に1回、30分から1時間程度水泳を行っている。体育指導も行っており、4.5歳児を対象に外部講師が指導している。乳児はスペースを分けて子どもが自由に歩けるスペースを確保している。幼児は、遊びを限定しないようコーナーを作らず、木製ブロックなど、子どもが自発性を発揮できるような数種類のおもちゃを用意するなど工夫している。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の乳児の内容にそって0歳児の「年間指導計画」を策定している。低月齢と高月齢に分けて毎月の「指導案」を作成し、日々の保育の様子を「保育日誌」に子ども毎に記録している。遊びとゆったり過ごせる場所を分け、クッション等を利用し障害物遊びやつかまり立ちをしたり、自分でできない子どもには保育士が手を添え、自分でやりたい気持ちを大切に保育している。水遊びの前段階として、ベビーバスにおもちゃを入れ、水に慣れる工夫をしている。月齢や個人差が大きく、興味のあるおもちゃなどを数種類用意し、一人ひとりの挑戦したい気持ちを大切に保育している。また、園庭で落ち葉を絨毯に見立て、足で感触を楽しんでいる様子がある。家庭の様子を、前夜と今朝の食事欄の他、睡眠、きげん、排泄や入浴などの欄、園での様子は、おやつと昼食などの欄からなる0歳児専用の「連絡帳」を使い、毎日園と家庭で情報を共有している。園児が18名と多く、散歩よりも園庭での外遊びが多くなることを課題ととらえている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の1歳〜1歳6ヶ月未満、1歳6ヶ月〜2歳未満にそって1歳児の「年間指導計画」を、2歳児の内容にそって2歳児の「年間指導計画」を策定している。毎月の「指導案」を作成し、日々の保育の様子を「保育日誌」に子ども毎に記録している。子どもどうし言葉で伝え合う事が難しい場合は、保育士がしぐさを伝えたり代弁しながら保育している。散歩に出かけるにも1歳児は慣れが必要で、まず靴を履いて一歩外にでる所から始めている。靴を履かせてほしいと保育士に訴えた子どもに対し、自分で履いてみようと促し、履けるまでそばで見守り、左右反対になっていたが、子どものはけた喜びに共感しながら保育している。1歳児は0歳児と同じく細かく書く欄が工夫された書式の「連絡帳」を使っているが、2歳児の「連絡帳」は体温と迎えの時刻以外は自由記述としている。全体の様子は掲示物で、個別の様子は「連絡帳」を工夫しながら保護者との連携を図っている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の3歳児、4歳児、及び5歳児の内容にそって「年間指導計画」を作成している。毎月の「指導案」を作成し、日々の保育の様子を「保育日誌」に記録している。3歳児が、ダンゴムシに興味を持ち、園庭で友だちと探しながら集めたり、また、桜の花びらをままごとの材料にして楽しんでいる様子がある。4歳児が、当番活動などをきっかけに文字に興味を持ち、カルタ遊びを楽しんだり、転がしドッジボールで子ども同士で遊ぶことに少しずつ慣れる様子がある。5歳児が、ミニ発表会で急遽代役を努めることになり、周囲の友だちからセリフを耳打ちで教えてもらい、やり終えて満足な様子がある。また、あいうえお作文を作り、隣接する高齢者施設にププレゼントなどしている。3,4,5歳児は「連絡帳」を用い、体温と迎えの時刻以外は自由記述で様子を伝えている。全体の様子は掲示物で、個別の様子は「連絡帳」を工夫しながら保護者との連携を図っている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障がい児と認定されている子どもが数名いる。また、特別な配慮が必要な子どもが各クラスに数名ずつ園全体で十数名いる。認定されている子どもは、個別の「指導計画」を毎月作成し、それにそって保育をしている。園での様子を保護者を介して地域療育センターに伝え、必要な助言をもらっている。キャリアアップ研修で障害児保育を受講しているが、「学んだ内容が、集団保育を中心とした合奏などの活動や行事が多い園の実情に合っていない」との議論を以前から行っている。合奏などの園の伝統的な活動や、特色として大切にしてきた集団保育を守る中で、障がいのある子どもも含め、子どもの多様性をどのように受け止め保育していくかを課題としてとらえている。
障がいを持つ子どもの保育について、「全体的な計画」で明記されることが求められる。また、保育士一人ひとりの熱意と工夫で保育を進めているが、障がいの特徴と保育方法について研修を積むとともに、専門機関との連携のもと助言を受けながら、子ども一人ひとりに合った保育の実践が求められる。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

朝は7時から7時半、夕方は18時半から20時まで延長保育を実施している。時間により補食及び夕食を提供している。量や内容を工夫し、家庭での食事に影響が出ないようにしている。コロナ禍以前は10名弱の子どもが利用していたが、現在は5名弱と少ない。17半頃に2歳児は3歳児の部屋に、1歳児も0歳児の部屋に移り合同保育となる。子どもたちが混乱することなく移動している。補食や夕食は食べる時だけ空いた2歳児の部屋を使っている。20時までは、遅番勤務の保育士が「引き継ぎファイル」で降園予定時刻など確認しながら保育にあたっている。
「全体的な計画」に、長時間にわたる保育について明記されることが求められる。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

園児は、卒園後は7校位の小学校に分かれて就学している。コロナ禍以前は、5歳児が小学校を訪問し、ランドセルを背負わせてもらったり、グループに分かれて1年生が学校内を案内してくれていた。4歳児の年度末から午睡の時間を短くし、5歳児になると午睡が無くなる。3歳から市販の学習教材を使い学習遊びを行ない、4歳児の1月からはひらがななどを学習している。5歳児は、系列の隣接する幼稚園と月1回1時間一緒の学習時間を持っていたがコロナ禍のため現在は見合わせている。障がいなどの為に学習教材についていけない子どもに対しては、保育士が支援している。特に、保護者向けの見学会の設定はしていないが、近隣の小学校の「小学校だより」を掲示し、見れるようにしている。就学に向けての個人面談は、希望者及び担任が必要と感じた保護者に対し実施している。
就学に向けての保育について、「全体的な計画」で明記されることが求められる。また、就学に向けての保育の工夫や準備、保護者への支援など、系統立てて全体が把握できるよう、マニュアル化が求められる。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理については、「年度健康と安全の計画」のもと、「病気対応マニュアル」及び「保育所における感染症対策ガイドライン」などにそって行っている。入園前に、子ども一人ひとりの健康状態や予防接種状況、アレルギーや慢性疾患の有無などを「健康調査票」で確認し「児童健康台帳」に記録し、入園後は追記し把握している。登園時の保護者からの聞き取り、また「連絡ノート」の内容を事務所内にある「引き継ぎノート」に記載し、職員間で共有している。また、0歳児については厚生労働省「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン」で防止に努め、保護者には入園時に説明し仰向け寝に慣れるよう依頼している。また、保護者とは月1回市販のノートによる「健康ノート」を用いて健康に関する情報を共有している。
園には看護師が配置されていないが、隣接する同法人の施設には看護師が配置されている。法人内の専門職や嘱託医と連携を図るとともに、健康管理について関する書面を整理し健康管理マニュアルなどとして整備することが求められる。併せて、健康だよりなどの発行を通じて、保護者への支援の工夫が望まれる。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

年度の「行事計画」及び「健康と安全の計画表」にそって、内科健診、歯科健診を年2回、3歳児の聴覚健診と幼児の尿検査を年1回行っている。健診の結果を「健康台帳」に記録し、「健康ノート」で保護者に伝えている。健診の所見によっては、保育士が保護者に個別に受診を促している。
健診の時期に関わらず手洗い指導などを行い、日常的な健康管理の大切さを伝えてる。食後の歯磨きの習慣をつけるために、5歳児にブラッシング指導をしていたが、現在はうがいの指導だけを行なっている。
健診結果を、園での指導などだけでなく家庭での日々の生活に活かす為に、子ども一人ひとりの「個別指導計画」にその内容を反映させて保護者と連携を図り、食生活も含めた助言や支援の工夫が望まれる。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

乳製品や卵などの食物アレルギー疾患を持つ子ども、及び熱性痙攣や気管支喘息などの慢性疾患の子どもが数名いる。食物アレルギー疾患については「アレルギー対応マニュアル」に基づいて対応している。入園前に、健康状態とともにアレルギーや慢性疾患の有無を「健康調査票」で確認し「児童健康台帳」に記録、入園後は追記し把握している。アレルギー対応食の提供にあたっては、保護者と面談し対応内容を確認している。「離乳食予定献立表○○さん 卵完全除去」など除去食の献立表を配布し、保護者が確認している。アレルギー対応食は、専用の黄色いトレーと食器で一つ一つラップし名前を記入し提供している。給食配膳時は、調理員が保育士に口頭で子どもごとに対応内容について説明し、子どもが専用のテーブルに着席した後に、他の保育士と再度確認の上で配膳している。
アレルギー疾患や慢性疾患の研修、また誤食時の対応についての研修を通じ、職員に周知が求められる。また、症状発生時について「アレルギー症状が出た場合」で定めているが、誤食時の緊急対応についてもマニュアル化が求められる。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を目指している。離乳食は、保育士が保護者に確認し、標準的な離乳食を基本に個別に工夫して提供している。食育は、食育委員会が「全体的な計画」にそって「食育活動計画」を作成し実施している。野菜を育て、収穫し食材として食す経験を通して、食への感謝の気持ちを育てている。乳児は食材に触れることから、幼児は育て収穫したり、年に数回のクッキングで「餃子の皮のピザ」など簡単な調理体験を実施するなど、年齢に応じた食育を工夫している。コロナ禍以前は、給食で子どもが良く食べたメニューのレシピを子育て講座で伝えていた。食育委員会で「食育だより」を2〜3ヶ月に1回発行している。また、毎月、献立表に添えて委託業者が発行している「食育レター」を配布している。玄関で、当日の給食のサンプルを展示している。
配布している「献立表」は子どもには難解であり、イラストの活用や献立名を工夫し、家庭での会話が弾むような「献立表」の工夫など、食を通じた子育て支援のさらなる工夫が期待される。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立の作成と調理は、委託業者の栄養士と調理員で行なっている。委託業者の本社から送られてくる1ヶ月分の献立データをもとに、栄養士が園の行事や食育にそってメニューを組み替え、また新たなメニュー加え作成している。子どもの嗜好などを、保育士と栄養士による厨房会議で意見を交換し、苦手な食材の調理方法を工夫するなどメニューに反映している。食育で栽培した野菜も含め、旬の野菜をなるべく取り入れるよう心がけている。行事食と月1回の郷土料理などの特別献立を工夫してる。郷土料理は、地方の食べたことのないメニューも入れると面白いかもしれないとの保護者の意見を取り入れ始めた。ゴーヤチャンプルに人参シリシリを加えた沖縄の郷土料理や、山口県の郷土料理など4回実施している。調理員の体調を「健康チェックリスト」で記録し、調理は「衛生管理マニュアル」にそって行い、中心温度を「加熱調理食品の中心温度簿」に記録している。集団調理で使える食材が限られている中で、献立や調理方法の工夫を課題ととらえている。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者との情報共有は、0歳児と1歳児は家庭での前夜と今朝の食事欄の他、睡眠、排泄など細かく工夫された専用の「連絡帳」を、2歳児以上は、体温と迎えの時刻以外は自由に記述できる「連絡帳」を用いている。全体の様子は掲示物で伝えている。また、「園だより(MA通信)」や「クラスだより」を毎月発行し、保育の様子や予定などを伝えている。行事予定に基づき、クラス別懇談会を年2回行っている。また、保護者面談を通じて連携を工夫している。
保護者との面談について、書式に基づいて記録しているが、保育士により記録方法が逐語録や発言録、また独自の書き方など様々である。保護者が語った内容と保育士が説明したり助言した内容を分けて箇条書きにするなど、記録方法の統一が望まれる。また、必要な時に開示できるよう記録内容の工夫が求められる。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者にとって身近に相談ができる社会資源としての保育園を目指し、保護者が相談しやすいよう、日頃から信頼関係を築けるように努めている。 特に「連絡帳」を、3,4,5歳児も含め全クラスで用意している。また、送迎時に交わす会話を大切に声かけを工夫し、保護者との関係構築に努めている。子育ての状況などの相談内容は、担任や園長・主任と情報を共有している。言葉の遅れなど発達への不安や、共働きの下での子育て環境などについて、他の専門の機関と連携できることを保護者に伝え、子どもと保護者にとってよりよい方法を共に考えるようにしている。
相談内容と支援内容について、相談の受理からその後の対応などの経過が追えるよう、記録の工夫が期待される。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

「虐待防止・対応について」の虐待防止と対応の項目で適切な対応を、「虐待発見のポイント チェックリスト」で早期発見のポイントを定めている。虐待が疑われる状況を保育士が発見した記録があるが、専門機関への通告までは記録に残されていない。
児童虐待の疑義を早期に発見し予防も含め対応する為に、児童虐待の4つの分類について明記することが望まれる。「虐待防止・対応について」を、児童虐待の予防も含めた内容に整備することが求められる。児童虐待を予防する観点から、些細な事柄でも迅速に関係機関と連携を図る事が求められる。その為に、登園時の視診内容を具体的に定め、全園児の視診結果の記録と、加えて保護者の送迎時の様子の記録が求められる。また、保護者に利用可能な相談機関や専門機関に関する情報提供が望まれる。児童虐待等権利侵害に関わる研修を通じ、日頃から適切な対応について周知を図る工夫が求められる。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

各保育士が年度末に「自己評価ファイル」を用いて自己評価を行なっている。「自己評価ファイル」は3年間加筆しながら記述できるようになっており、前年度の評価と比較しながら自己の業務を振り返り、自身の目標を設定している。それに、園長がコメントを記入している。
非正規職員も含め全職員を対象に自己評価を実施し、自身の業務振り返りが求められる。さらに、各自の目標を、組織全体の年度目標に関連づけて設定する工夫が求められる。また、自己評価を互いの学び合いや意識の向上につなげる工夫が望まれる。