社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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もやい

2022年03月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 もやい 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 40 名
所在地 249-0008
逗子市小坪5-22-10
TEL 0467-23-2311 ホームページ http://www.shounan-nagi.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1995年12月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人湘南の凪
職員数
常勤職員:10 名
非常勤職員:21 名
専門職員
サービス管理責任者:1 名
看護師:1 名
支援員:23 名
施設・設備の概要
活動室3:更衣室、会議室、ホール、レストラン

③ 理念・基本方針
◇基本理念
 1.利用者が尊厳を持って、自立できる地域社会の実現を目指します。
 2.基本的人権を守り、個人の尊厳を重視した支援を行います。
 3.地域とともに歩み、地域から信頼される法人を目指します。
 4.常に法令を遵守し、良質な福祉サービスを提供します。
 5.法人の経営基盤を強化し、経営の透明性を確保します。
◇職員行動指針
 1.私たちは、社会福祉法人の職員であることを強く自覚し、高い職業倫理を身につけます。
 2.私たちは、常に法令・制度に対する自己研修に励み、これを遵守します。
 3.私たちは、利用者の基本的人権と個人の尊厳を守り、利用者本位の支援に努めます。
 4.私たちは、地域のセーフティネットの一翼を担うものとして、地域社会と連携し、様々な困難に立ち向かいます。
 5.私たちは、「障害者権利条約」推進のため、イエローリボン運動に賛同します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇利用者一人一ひとりの障がいの特性を把握するため、法人全体で「生涯発達・地域生活支援の4領域」の考え方を取り入れ、①コミュニケーション領域、②作業・労働領域、③自立生活領域、④学習・余暇領域の4つの領域からアセスメントを行っている。必要に応じて、障害特性シートや高齢障害行動チェック表など数種類のアセスメント方法を用いている。現在、利用者の能力や必要とする支援を再度確認するため、「自閉症者サービス評価キットA1」を試用している。
○自閉症や発達障がいのある利用者に対して、TEACCHプログラム(一人ひとりの優れた部分を発揮できるように支援していく包括的プログラム)を基にした構造化(生活場面において環境設定やスケジュールの提示などで何をすべきかをわかりやすく提示する方法)を行い、利用者が安心して活動に参加できるよう取り組んでいる。利用者への動機付けとして、好子(好きなもの)を用いて、強化子(モチベーションを上げるもの)を設定している。言葉の表出が困難な利用者は、PECS(絵カードを使用したコミュニケーションの方法)を用いて、一日の活動を通し、職員とコミュニケーションを図っている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/06/01(契約日) ~2022/02/09(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2017年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○生活介護事業所「もやい」は、地域で生活を送る利用者を対象に日中活動を支援し、設立して20年を超え、地域に根付いた事業所として活動を続けている。自閉症や発達障がいのある利用者が3つのグループに分かれ、作業や余暇活動などを行っている。
○グループ1の利用者は、自閉症や配慮が必要な方が多く、電線のリサイクルや学習を行っている。グループ2の利用者は、身体障がいを併せた方が多く、グループ3の利用者には年齢が高めの方が多く、若い利用者は作業を中心に行っている。
○活動室内は、安心を確保するため、利用者一人ひとりが落ち着けるよう個人の作業スペースを決め、利用者は自分の机に向かって、安心して作業や活動を行っている。車椅子利用の方も多くなり、危険を避けるため動線を確保している。また、構造化により、安心して生活を送ることができるよう配慮している。利用者がパニックになったり、体調不良の時は、状況に応じて、職員とともに別室を使用して、安全の確保に努めている。
〇言葉でのコミュニケーションが困難な方が多い。利用者一人ひとりの状況に応じて、身振りや手ぶり、手話、サイン、文字盤を用いて、関わり方を変えている。自閉症の方にはPECSを活用し、絵カードでコミュニケーションを取っている。休憩時間になると、休憩カードを持って休憩室に行き、休憩室には飲み物の絵カード(コーヒー・紅茶・お茶など)があり、自分で飲みたい絵カードを選んでいる。利用者一人ひとりのコミュニケーション方法は、グループミーティングで周知を図っている。
○食事は外部業者に委託し、栄養士が献立を作成し、事業所内で調理員が調理をして提供している。利用者による「あおぞら会」で話し合い、リクエストメニューを決めている。献立表のリクエストメニューには星印があり、利用者は希望したものがメニューに載ると喜び、完食が多い。食事摂取が全介助の方も増えており、誤嚥などに注意している。アレルギーのある方には、代替え食を提供している。
○地域からの依頼を受け、段ボールや空き缶の回収活動を行ったり、広報紙の折り込みや配布に取り組んでいる。また、赤い羽根共同募金などの社会活動へ参加し、地域のお祭りに参加して作品を販売している。
○家族との交流については、利用者の意向を確認したうえで対応している。事業所での様子や支援状況の報告、連絡は、電話や連絡帳で行っている。また家族の高齢化に伴い、家族支援にも積極的に取り組んでいる、家族からの相談は随時受け付け、面談の時間を設けて、必要な助言や支援を行っている。家族の高齢化により親亡き後の子どもへの心配などの相談がある。
◇独自項目への取り組み
〇事業所におけるサービスの質の向上のためのシステムを確認する「発展的評価項目」に取り組んでいる。「新人職員の育成環境を整え、適切に指導を行うことで提供する利用者支援の質を向上させる」をテーマにして、取り組みの過程をPDCA(計画、実施、反省、課題の検証)に分け、実践を振り返っている。各現場に対応した支援の具体的な内容や業務マニュアルを作成し、新人職員の教育を展開し、内容を振り返り、次の取り組みにつなげている。
改善を求められる点

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 自己評価表にて点検を行うこと及び訪問調査を受けることを通じて、当事業所の現状の強みや課題を確認することができました。生活介護施設という施設の中での支援に終始してしまいがちですが、改めて「利用者の地域生活を支えるための視点」を各職員が醸成できるよう引き続き取り組みを継続していきます。発展的評価項目の取り組みにおいては、利用者支援の質の向上を目的に、新採用職員への指導教育内容を整える取り組みを行いました。利用者支援の基本的な支援内容や関連する業務を標準化したことで、一定の効果が表れたものと捉えております。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページやパンフレットに基本理念や職員行動指針を記載し、基本理念に利用者の尊厳や人権重視、地域との関わり、法令遵守、経営基盤の確保と透明性など5項目を挙げている。職員採用時の研修では、基本理念や職員行動指針を具体的に説明し、周知を図っている。また、利用者や家族には、パンフレットや事業計画書を配布して、基本理念や職員行動指針を伝えている。基本理念や職員行動指針は、事業所内の職員室や相談室に掲示するとともに、終礼時に唱和することで、職員全員が常日頃から意識するよう取り組んでいる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業所の施設長が、経営全般の財務関連や人材育成、働き方改革などの研修会に参加している。サービス管理責任者以上も制度理解研修(報酬改定など)に参加している。また、法人内の職員が市町の障がい福祉計画策定委員として活動し、事業所内で障がい福祉計画を回覧するとともに、終礼などでも内容を伝えている。潜在的な利用者ニーズを把握するため、行政関係や近隣の養護学校の連絡会に出席し、卒業生の動向などを把握している。月1回、運営会議を開催し、収支や経営状況を把握している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人で中期事業計画を策定し、設備や組織体制、人材育成に重点を置いている。中期事業計画は年度初めに開かれる事業方針発表会にて、職員全体に周知している。経営課題については、施設長だけでなく、リーダー職員も経営管理の資料を作成し、分析や課題抽出を意識して行っている。各年度の事業計画の作成にあたっては、職員へヒアリングし、内容をまとめて作成している。利用者の3つのグループの目標や取り組み、職員像を明確にしている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

5年毎の中期事業計画を策定し、環境の整備については概ね予定通り実施できている。利用者支援は、利用者自身の高齢化が進んでいることから、より良いサービスに向けて試行錯誤を繰り返している。人材育成として階層別研修を開催し、1~3年目は知識や理論、4年目からは事例検討や理論的な支援方法、10年目以降は人材育成を担いながら、事業所の強みや弱みを学んでいる。今年度は5ケ年の最終年として職員の処遇改善に取り組み、10%の給与改善を実現している。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

5年毎の中期事業計画に基づき、単年度の事業計画を策定している。計画の作成にあたっては、具体的な利用率や計画的な施設整備などを掲げている。年度当初にグループミーティングの日程を決め、連絡事項や利用者支援、勉強会などを行っている。特に利用者支援については、2週間毎に話し合いを行い、より質の高い支援につなげている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

毎年9月末に、中間事業報告会を開催し、事業計画の実施や進捗状況を評価、報告している。年度後半に向け、具体的な課題を挙げて取り組んでいる。事業計画の内容を意識できるよう、月1回の運営会議で話し合いを行い、内容を職員に伝えている。今年度は、基礎スキルとしてアセスメントに力を入れており、利用者の行動に対しての理解に重点を置いている。TEACCHプログラムにより,自閉症の方の正しい理解に取り組んでいる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、家族会で書面を示し、内容を説明している。昨年度及び今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止により、家族会が開催できないため、利用者及び家族には事業計画書を送付して周知している。利用者や家族からの要望はあまりないが、利用者に対しては年2回の個別面談を実施し、利用者のニーズを引き出す工夫をしている。市内イベントへの参加希望は多く、ガイドヘルパーなどを活用し対応している。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

「利用者支援マニュアル」を整備し、PDCAサイクルに基づき、計画の作成、実施、評価・点検、計画の修正を行っている。支援向上委員会を置き、事業所の自己評価を行い、内容を法人内で公表している。公表結果を基に課題を抽出し、サービスの質の向上につなげている。今年度の課題として、個別支援プログラムや緊急時対応が挙げられ、インターネット上の教育動画学習を行っている。4年に1回、第三者評価を受審し、現状の見直しと新たな気付きにつなげている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

支援向上委員会により、事業所の自己評価から抽出された課題を、職員間で共有している。今年度の課題としては、個別支援プログラムや緊急時対応が挙げられ、抽出された課題に対して、明確な改善にはつながっていない部分もあるが、個別支援計画や支援方法の振り返りを行っている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

法人の組織管理規程や「防災マニュアル」を整備し、施設長としての責任や役割を明確にしている。月1回の全体会議や、繰り返し行われているミーティングの場で、施設長の役割と責任を職員に周知している。施設長が不在の時を想定して、災害発生時の権限移譲などについて説明し、職員に周知している。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

役員及び施設長を対象とした、経営管理に関する研修会に参加している。関係法令の改訂など、職員に必要と思われる情報は、職員に周知している。障がい者施設などで働く職員のため、サポーターズカレッジの会員となり、オンライン研修で、法令や障がい者支援について事業所全体で学習する機会を設けている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

サービスの質の向上のため、利用者の特性に配慮して、日中の活動を3つのグループ分けている。グループ毎の課題や求める職員像を明確にして、ミーティングなどの場で、職員に指導、教育している。6つの定例会を設置し、施設長も参加することで、職員教育や人材育成の場として機能している。年2回、職員からサービス提供上の困りごとを聞く機会を設けている。利用者支援において、利用者の対応が重なって職員が混乱したことがあったが、職員の話をよく聴いて、職員の安心感やモチベーションの向上につなげている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

月1回開催する法人の運営会議にて、労務や財務などの確認、点検を行っている。当該年度の事業所内の職員配置や業務内容を明確に定め、運営や利用者支援、人材育成などの課題を検討し、施設長だけでなく、リーダー職員にも経営改善の意識付けを行っている。また、各活動グループの職員の業務スケジュールの明確化、見える化に取り組んでいる。職員の業務スケジュールを明確にすることで、軽度から重度の利用者支援の場において、効率的かつ効果的な支援が実現できている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

人員体制については、中期事業計画などで配置の基準を明確にしている。毎年度の人員配置については、福祉専門職等配置加算に基づき、必要な資格保持者を配置している。人材確保については法人本部が中心に行っているが、新卒の職員採用が課題として挙げられている。入職後3ケ月は、OJT(職場内教育体制)による人材育成制度を整備している。OJTは教育担当職員にも発見が多く、指導場面での気付きも多い。新入職員と指導職員の間で、その日に気付いたことや疑問に感じたことなどを、ノート形式でやりとりし、新入職員の理解向上や不安解消に効果が見られている。また、人材関連会社とも連携し、人材確保に努め、中途採用職員も積極的に採用している。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人で職員育成指針を整備し、階層ごとに求められる職員像や姿勢を明確にしている。求められる職員像に基づき、職員一人ひとりが自己目標を定め、半期毎に目標の達成度を自己評価している。目標管理制度を導入し、職員が業務に関する目標を定めるとともに、自己評価(職務遂行能力など)を行う仕組みを作っている。学びたいと思う職員が多く、勉強会やオンライン研修に積極的に取り組んでいる。給与規程にて、昇給の基準を定めている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

休暇の希望は、事前申請に基づき承認及び管理をしている。職員の心身の状況を把握し、メンタル面で不調を抱えていると思われる職員には、面談を実施し、相談や助言を行っている。法人内に「なんでも相談室」を設置し、担当職員に直接連絡や相談ができる体制を整えている。「なんでも相談室」の利用は多くはないが、利用した職員の安心につながっている。毎年10月~12月頃に、異動希望の意向を確認している。職員親睦会は任意参加で、例年忘年会などの食事会が多いが、コロナ禍により実施できていないため、代わりに職員が希望する研修会や福利協会などの行事に参加している。有給休暇や時間外勤務は、月次で事務担当者が状況の報告書を作成し、施設長が把握している。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

目標管理制度に基づき、各職員が作成した目標をもとに、施設長や副施設長との定期的な面談を行っている。職員一人ひとりが設定した目標に対して、達成度を段階的に確認している。施設長との面談により、職員一人ひとりの強みや弱みが把握できている。また、対人援助が中心の職場であることから、人間関係の悩みや心配事を話すことができる場を作っている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員育成指針により、各職員に求められる職員像の他、必要な知識や技術、整備すべき利用者支援の環境を明確に示している。年間の研修計画は、職員像や求められる知識や技術などの習得状況に即した内容としている。研修計画は、前年の職員習熟度に合わせ、毎年見直ししている。今年度は、ダウン症のある利用者のてんかんの対応が多かったため、てんかんの対応方法を研修に多く盛り込んでいる。その他、障がい者の特性の正しい理解や感染症予防など、動画を用いた研修も実施している。動画研修では、実際に職員が体験することで、職員教育に効果が現れている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

定期的に行う面談により、各職員の知識や技術の水準を把握している。入職後3ケ月間は、OJT制度により、新入職員に対して適切な教育体制を整えている。また、法人本部による階層別研修や、各委員会がテーマを決めて、研修会を開催している。各グループのミーテングでは、情報共有以外に、研修会も兼ねて行っている。OJT期間中及び終了後も、常にグループリーダーが指導や助言、育成に携わっている。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

「実習生受入マニュアル」を整備し、育成体制や実習指導の具体的な内容を示している。教員や社会福祉士を目指す学生の現場実習を、毎年1~2名受け入れている。施設長が実習指導者を担い、実習における指導内容や実習計画を立案している。実習生を受け入れるにあたって、職員に実習目的や内容を伝えている。利用者及び家族にも、実習生の受け入れを伝えている。実習生には、利用者自身の今までの生活や利用の経過、どのような支援を受けているかなどを伝えている。受け入れを継続することで、利用者のモニタリングの一環にもなり、職員が緊張感を持って利用者の対応にあたることができている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

基本理念やサービス内容、事業計画などの施設運営に関する情報については、ホームページや広報誌、館内掲示などで公開している。また、事業計画書や事業報告書は、利用者及び家族へ提示している。また、問い合わせがあれば、いつでも対応できる体制を整えている。その他の取り組みとしては、事業所の取り組みを知ってもらうよう、見学者に実際の作業を体験してもらっている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人内の事業所が毎年順番に第三者評価を受審し、「もやい」は今回が3回目の受審になる。法人の諸規程により、経理や事務管理、業務分掌などをルール化し、役職者の権限や責任体制を明確にしている。年1回、常勤職員を中心に、就業規則や各種規程類を確認する場を設けている。また、定期的な監事監査により、事業所の運営や事業内容が適切か確認している。毎年9月に、県の「自己点検シート」を用いて、運営や報酬請求などが適切に行われているか確認している。その他、運営や報酬請求などについては、必要に応じて、県の担当課へ確認及び相談を行っている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本理念や職員行動指針により、地域の方との交流方法や考え方、必要性を明確に示している。地域におけるイベントや情報については、随時館内に掲示することで、利用者へ情報提供を行っている。地域行事や交流会は、法人内の各専門職が対応している。関係団体主催のスポーツイベントや、近隣の小中学校との交流を行っている。その他、福祉教育の一環として、近隣中学校を訪問し、障がい者理解の啓発活動を行っている。社会福祉協議会の福祉教育の企画や運営にも携わっている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

「ボランティア受入マニュアル」を整備し、受け入れに際し、事業所の基本姿勢や対応方法を明確に示している。ボランティアの活動前には、必ず事業所の目的や役割、利用者と接する場面での注意事項を伝えている。現在、ボランティア10名程が登録しており、植木剪定や作業準備、利用者支援などで活動している。法人の広報紙や、社会福祉協議会のボランティア登録などで、ボランティアを募集している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

利用者の担当者会議などで、各関係機関や事業所と情報共有や連携に努め、より適切な利用者支援を行っている。法人が自立支援協議会の事務局運営を担っており、関係機関との連携や情報共有、対応を協議している。相談支援では、様々な事情で他施設に入所した場合であっても、担当者会議に出席し、情報共有や利用者支援に携わっている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人内に基幹相談センター(相談支援事業所)を設置しており、積極的に各関係機関との連携や地域の集まりに出席することで、地域の福祉ニーズの把握に努めている。また、基幹相談センターより、事業所の利用者の情報提供を受け、利用者支援に活かしている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

市の行政機関やその他関連機関と連携し、公園の美化活動や福祉教育事業を実施している。障がいの理解や地域を交えた利用者支援の普及、啓発活動を行っている。また、事業所が沿岸部に立地しているため、津波の避難建物として、地域の防災活動に参加している。地域との関わりによって、地域住民からも声を掛けてもらう機会が多い。また、福祉避難所として指定されており、生活支援が必要な方々の避難拠点としての役割を担っている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員の採用時研修は1.5日行い、施設長より、基本理念の具体的な説明を行う他、事業所の概要と利用者の支援方法などの基礎知識の講義を行っている。法人の運営規程に、利用者を尊重した福祉サービスの提供などに関する内容を明記している。入職後は、利用者の個別支援の方法を習得している。個別支援計画には、全職員が共通理解できるよう、具体的な細かい支援方法を記載している。人権の研修会は、法人内のコンプライアンス委員会でテーマを決め、今年度はZOOMを使用して行っている。また、毎日の終礼時には、その日に気付いた言葉遣いや対処方法について注意喚起を行っている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

マニュアルを整備し、トイレや更衣室などは出入口にカーテンで間仕切りし、外から見えないよう配慮している。休憩場所や個人の余暇活動については、外から見えにくい静かな場所を用意している。利用者との面談は、1階に相談室を設け、予約制で受け付け、会話などが他者に聞かれないよう配慮している。また急な相談についても、会議室や食堂などを利用し、他の利用者と接触を避けるよう配慮している。相談については、いつでも対応可能な態勢を整えている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

利用希望者に対しては、個別に丁寧な説明を行い、できるだけ希望に対応できるようにしている。事業所の見学は随時対応し、パンフレットを使用して、丁寧な説明を心がけている。事業所の玄関にパンフレットを置き、訪問者がいつでも手に取ることができるようにしているが、公共施設などにはパンフレットは置いていない。パンフレットは、2年に1回は見直しを行っている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

サービス開始時には、契約書及び重要事項説明書により内容を説明し、同意書を残している。サービス内容を変更した場合も、書面で説明し、同じく同意書に残している。重度の知的障がいのある方には、保護者に書面で説明している。障がいの重さに関係なく、利用者本人には、写真や実物などで、取り組みの内容や予定を示している。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

他事業所への移行などの際は、必要事項を書面にし、引き継ぎを行っている。今年度は2人の移行があり、市外のグループホームへ入居した利用者は、入居後も必要時に情報を提供する他、移行先に出向き会議に出席している。サービスの継続性に配慮し、移行先でもスムーズに支援を受けることができる体制を整えている。福祉サービスが終了した後も、主にサービス管理責任者が家族の相談を受ける体制を整備している。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

"月2回の「あおぞら委員会(準備委員会)」と月に1回の「あおぞら会(全体会)」を開催し、職員も参加して利用者の声を聴き取る場を設けている。「あおぞら会」は利用者が何でも言える場とし、利用者の満足や意向を把握する場としている。家族との面談も定期的に設けている。「あおぞら会」であがった意見は、各部署にあげ、毎月の部署会議で改善に向けた検討を行っている。現在はコロナ禍で開催を中止しているが、コロナ禍前は2ケ月に1回、家族会を開催し、利用者の満足に対する意見を聴いている。家族会開催時は、利用者の日々の活動の様子を、映像で紹介している。
"

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組み(苦情解決規程)を整備して、事業所内に分かりやすい掲示物を掲示している。現在、利用者や家族から、苦情の申し出はない状況であるが、苦情があがった場合は、規程に沿って、速やかに対応することとしている。意見箱の設置などは、特に行っていない。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

月2回開催の「あおぞら会」にて、利用者が意見を述べやすい場を設けている。事業所内の各階に、相談についてのポスターを掲示し、利用者に周知している。利用者から相談があった時は、相談室(個室)や周囲と離れた場所を用意している。利用者からの相談は、利用者が意見を述べやすいよう、どの職員にも相談できることを伝えている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

「あおぞら会」で出た利用者の意見は、各部署の会議で議題に取り上げて、迅速に対応する体制を整えている。利用者の意見を反映し、質の向上を図るよう取り組んでいる。食事のメニューについては、外部業者と情報共有を図り、献立の変更などの対応を行っている。コロナ禍前は、栄養士が会議に出席している。また、利用者の送迎中の姿勢についても、利用者本人と一緒に解決策を講じ、クッションを入れて、身体の傾き予防の改善を行ったりしている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

"リスクマネジメントの担当者を選任し、毎月ヒヤリハットの内容をまとめて、職員会議にて報告している。事故発生時には、終礼で周知し、迅速に対応している。「リスクマネジメントマニュアル」を整備して、職員がいつでも内容を確認できる体制を整えている。ヒヤリハットの件数や種別、日時の集計を行い、事故防止に努めている。曜日や時間別に集計することにより、職員が手薄になる時間が把握でき、対策に向けての取り組みを行っている。
"

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

月1回、法人の安全衛生委員会を開催している。「感染症予防マニュアル」を整備し、感染症対策用のキットを備えている。感染症が流行する時期には、職員にロールプレイ方式で実践研修を行い、対応方法の確認を行っている。職員が身体で覚え、すぐに動けるよう研修内容を工夫している。また、新型コロナウィルス感染症対策を中心にして、マニュアルに沿って、予防策を講じている。「感染症予防マニュアル」は、安全衛生委員会にて、年1回、改訂を行っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

「防災マニュアル」を整備して、事業所内の避難訓練を年4回(地震津波訓練2回、火災訓練2回)行っている。事業所が海に面した場所にあるため、特に津波を想定した訓練を行っている。また、建物の屋上が地域の避難場所になっている。先日は市内の一斉訓練にも参加している。地域のハザードマップは、事務所に置いている。備蓄品の管理を年1回行い、賞味期限がある食品などは半年前に補充するようにしている。東北大震災の時には、全利用者に電話による安否確認を行っている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体で「利用者支援マニュアル」を整備し、利用者支援に関する指針や考え方から、個別支援計画に関する年間スケジュール、必要な書類やその記入方法などを明記している。「利用者支援マニュアル」は、法人全体の共通書式として使用し標準化を図っている。研修や個別の指導については、年間で研修計画を定めて職員に周知し、取り組みを行っている。「利用者支援マニュアル」の活用方法は、入職時研修と職員研修で説明している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

法人全体の「利用者支援マニュアル」については、各事業所の主査を中心に構成する主査会にて、改訂を行っている。各事業所からの意見を主査が拾いあげ、マニュアルの改訂につなげている。法人内の事業所間で使用する書式に違いがあったことから、統一した書式への改訂を行っている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画の策定は、「利用者支援マニュアル」において、アセスメント方法や作成方法、進捗管理などを具体的に示している。①コミュニケーション領域、②作業・労働領域、③自立生活領域、④学習・余暇領域の4つの領域からアセスメントを行う他、必要に応じて、障害特性シートなど数種類のアセスメント方法を用いている。また、目的別に、2週間に1回程度、定期的なケース検討を行い、職員間で内容を共有している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

"個別支援計画の見直しは、「利用者支援マニュアル」に時期などについて具体的に定めている。個別支援計画の定期的な見直しは、6ケ月に1回、設定している。計画の内容は、各グループミーティングにて、非常勤の職員を含め、詳細を説明する機会を設けている。また、必要に応じて、随時評価と見直しを行っている。
"

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

「利用者支援マニュアル」にて、記録の書式、記入方法などを定めている。サービスの記録が適切に行われることを目的に、法人全体で書式の統一を図っている。記録の指導については、定期的に内部研修を行い、今年度は動画での研修も実施している。動画での研修は、当日参加ができなかった職員も、同じ内容を後で学ぶことができている。記録や関係書類の保存は、法人が契約するクラウドサービスを活用している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規程を整備して、記録類の管理体制を確立している。記録の保存については、保存文書に保存期間、廃棄方法を定めた規程を整備している。年1回、専門業者に委託して、期限に応じて書類を破棄している。また年1回、個人情報保護に関する研修会を開催し、気になる点は終礼などで話し合い、最近は、利用者の近くで申し送りを行わないなど、改善している。利用者の写真や動画について「同意書」や「肖像権アンケート」で、利用者の写真の使用の可否を、家族に確認している。実際に写真を使用する際は、再度、本人や家族に確認を行っている。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

言葉での意思表示が困難な方には、PECSを用いてコミュニケーションをとりながら、自分で決めてもらっている。自分の1日の活動を、構造化されたスケジュールに沿って、集中できるスペースで行っている。休憩時間になると、休憩カードを持って休憩室に行き、休憩室には飲み物の絵カード(コーヒー・紅茶・お茶など)があり、自分で飲みたい絵カードを選んでいる。職員は「紅茶ですね」と、飲み物を用意して渡すなど、自分の行動を自分で決めている。利用者一人ひとりの対応は、職員間で共有している。その方の支援方法は、複数の職員で検討して決定している。利用者が自分で理解し、自分で行動できるように、写真やイラストのカードを示し促している。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

利用者の権利擁護は、業務マニュアルや規程集などを用いて、年度初めに施設長から職員に話をして周知している。また、全職員による2階ミーティングでは、どんなことが権利侵害にあたるか具体的に話し合い、検討している。活動作業中に、利用者が急に外に出ようとする行動を職員が止めることは、安全確保なのか、権利侵害にあたるのかなど、話し合う機会を持っている。また、グループミーティングでも、利用者に対しての関わり方について、事例を挙げながら検討し、対応を考え、職員への周知を行っている。権利侵害が発生した場合はカンファレンスを行い、再発防止策の検討や職員への周知を行っている。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の支援のために、成育歴、生活歴、特性などを基本情報として、それぞれの①コミュニケーション領域、②作業・労働領域、③自立生活領域、④学習・余暇領域の4つの領域からアセスメントを行っている。担当者は本人や家族と面談の上、個別支援計画を作成している。さらに個別支援計画の支援手順書を職員に示し、統一した支援が提供できるようにしている。現在、利用者の能力や必要とする支援を再度確認するため、「自閉症者サービス評価キットA1」を試用している。各ミーティングで、その日の利用者の状況を共有して支援を行っている。利用者自身が行えることは、極力本人に行ってもらっている。利用者への動機付けとして、好子(好きなもの)を用いて、強化子(モチベーションを上げるもの)を設定している。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

言葉でのコミュニケーションが困難な方が多い。利用者一人ひとりの状況に応じて、身振りや手ぶり、手話、サイン、文字盤を用いて、関わり方を変えている。自閉症の方にはPECSを活用し、絵カードでコミュニケーションを取っている。利用者一人ひとりのコミュニケーション方法は、グループミーティングで周知を図っている。また、本人の行動に着目し、複数の職員で本人の状況を推察している。言葉だけで利用者に活動を伝えた場合、実物を見せて言葉なしで伝えた場合、後者を理解して活動につながった利用者が多いことを、職員は動画を使った研修で学び、視覚を通した伝達の重要性を認識している。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者から職員と話をしたいとの希望があった時は、個別に話す機会を作り対応している。話を聞くだけでなく、その後の対応についても伝えている。毎日、10分だけ1人の職員と話す利用者がいて、定期的に職員と向き合えることで安心感を得ていることから、職員と話す時間を確保している。利用者自身が活動を選び、次に何を行うか決められるよう、一人ひとりの特性に応じて、写真やイラストカード、現物の提示などを行っている。担当職員だけの判断にならないよう、相談内容や支援については、責任者へ報告している。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

9:30~15:30までの1日のスケジュールの中で、利用者の特性に応じ、作業や活動、昼食、余暇活動など、自分で好きなことを楽しくできるように、個別支援計画を作成している。作業や活動以外では、別室で行うゲーム、屋外での散歩ウォーキングなどを選んでいる。室内だけでなく、屋外の運動も行い、身体を動かしてもらうために体力に応じて階段を利用するなど、個々に合ったメニューを選んでいる。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の障がいに配慮して、身体介護が必要な方には移乗や移動の介助を行い、負担のない生活を送ることができるよう支援している。早期老化が見られるダウン症の方や、認知症の方の対応方法を考えながら支援している。また、自閉的傾向のある方には、コミュニケーション方法にPECSを使用し、構造化による活動支援を行っている。職員は法人内研修や外部研修を通じて専門的知識を習得し、各グループミーティングを通して、利用者に対する支援の質の向上や、支援内容の共有、検討を行っている。利用者の不適応行動に対しては、記録を取り、複数の職員で具体的な支援方法を検討している。利用者間の関係については、席の配置や動線の設定など、環境の調整を行っている。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

食事は外部業者に委託し、栄養士が献立を作成し、事業所内で調理員が調理をして提供している。利用者による「あおぞら会」で話し合い、リクエストメニューを決めている。献立表のリクエストメニューには星印があり、利用者は希望したものがメニューに載ると喜び、完食が多い。食事摂取が全介助の方も増えており、誤嚥などに注意している。アレルギーのある方には、代替え食を提供している。利用者の半数は、排泄に介助が必要であり、プライバシーに配慮しながら、トイレ誘導を行い介助している。事業所への通所は、ほとんどの利用者が事業所の送迎車を利用している。日常生活の支援は、個別支援計画に基づき、個々の特性に配慮して行っている。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

事業所内は職員が毎日掃除して、清潔を保っている。建物内の床は1年に1回業者によるワックスがけを行い、半年に1回害虫駆除を行っている。活動室内は、安心を確保するため、利用者一人ひとりが落ち着けるよう個人の作業スペースを決め、利用者は自分の机に向かって、安心して作業や活動を行っている。車椅子利用の方も多くなり、危険を避けるため動線を確保している。また、構造化により、安心して生活を送ることができるよう配慮している。利用者がパニックになったり、体調不良の時は、状況に応じて、職員とともに別室を使用して、安全の確保に努めている。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所には機能訓練士は配置していない。コロナ禍の前は、月1回、理学療法士が来所し、必要な方にメニューを作成し、機能訓練を行っていたが、現在は中止している。理学療法士が行っていたマット上での膝立ちで歩く訓練、ボールを使用した訓練などを、生活訓練として職員が行っている。歩行可能の方には、できるだけ歩行の機会を増やすため、階段を活用して身体を動かしている。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は既往症などを把握し、どのような状況が予想できるかを把握している、毎日の送迎時の視診、バイタルチェック、顔色など、細やかな観察を行っている。活動中は排泄の状況や食事の状況などを観察して記録に残し、家族に連絡帳で伝えている。利用者に異常があった際には、フローチャートに沿って、看護師や施設長、家族に迅速な報告を行い対処している。定期的に看護師による健康状態の把握を行い、個別に対応が必要な場合、職員と連携し、グループホームの職員や家族へ報告している。利用者の急変については、ミーティングを通じて確認を行っている

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

基本的に日中活動の中では医療的支援者はいない。服薬をしている方がおり、薬は看護師が医務室の施錠できる場所で管理している。薬を預かる際は職員と看護師でダブルチェックし、服薬時は職員が確認し、本人に見せてスプーンにのせるか、手のひらにのせて、口の中に入れるのを確認している。服用後の空袋はボックスに入れ、職員はダブルチェックをして、記録している。看護師がボックスを回収して、最終的に確実に服用したか確認している。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域からの依頼を受け、段ボールや空き缶の回収活動を行ったり、広報紙の折り込みや配布に取り組んでいる。また、赤い羽根共同募金などの社会活動へ参加し、地域のお祭りに参加して作品を販売している。利用者同士の交流については、各利用者の意思を尊重し、円滑なコミュニケーションがとれるよう支援したり、事業所での座席の配置や作業グループの変更などを柔軟に行っている。支援の方向性、取り組みの内容については、本人と家族に面談して確認を行い、個別支援計画書に同意を得ている。支援に関しては、応用行動分析学に基づくエビデンスを持った支援を行っている。また、自閉症の方を対象に構造化を図り、生活の中で必要な情報を視覚化し、利用者が主体的に意欲的に学べる環境を整えている。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者は自宅やグループホームで生活を送っている。日中は事業所に通い、それぞれの活動を行っている。事業所では、健康維持のため運動の機会を提供したり、食事や排泄、スケジュールの管理など、利用者の特性に応じて、生活に必要なスキルを獲得するための支援を行っている。利用者の地域生活を支えるため、本人の状況や、それぞれの生活環境に応じて、送迎の方法や連絡手段を変更して対応している。歩いて通っていた方が歩行困難になり、本人と話し合いの結果送迎車での送迎に代わったり、また、歩いてくる方に対し地域の方がいつもと違う方向に歩いていたなどの情報を伝えてくれたり、最近歩いているのを見かけないがどうしたのかなど、地域の方たちが見守って情報を提供してくれることがある。地域に根付いた事業所として活動している。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

家族との交流については、利用者の意向を確認したうえで対応している。事業所での様子や支援状況の報告、連絡は、電話や連絡帳で行っている。グループホームの職員や家族と協力する体制を整えている、家族や本人との意見交換の場として、カンファレンスやモニタリング時に面談を行っている、また家族の高齢化に伴い、家族支援にも積極的に取り組んでいる、家族からの相談は随時受け付け、面談の時間を設けて、必要な助言や支援を行っている。家族の高齢化により親亡き後の子どもへの心配などの相談がある。業務マニュアルの中で、緊急時の対応について連絡方法のルールを決めている。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障がい者の生活介護事業所のため、「評価外」とする。"

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障がい者の生活介護事業所のため、「評価外」とする。"

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障がい者の生活介護事業所のため、「評価外」とする。"

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障がい者の生活介護事業所のため、「評価外」とする。"