社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

やまばと学園

2021年04月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 やまばと学園 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 障害者支援施設(施設入所支援+日中活動事業) 定員 60 名
所在地 259-1322
秦野市渋沢2620番地の2
TEL 0463(87)1188 ホームページ http://yamabato.org/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1991年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人浄泉会
職員数
常勤職員:40 名
非常勤職員:15 名
専門職員
生活支援員:29(うち非常勤5) 名
サービス管理責任者:1 名
看護師:1 名
介護福祉士:5(うち非常勤1) 名
栄養士:1 名
強度行動障害支援者養成研修受講者:2 名
施設・設備の概要
居室:3人部屋6室、2人部屋19室 1人部屋6室
設備等:食堂、作業室(4室)、機能回復訓練室、相談室、静養室、浴室(2室)、医務室、便所(11室) 洗面所(3室)、デイルーム(3室) リネン室(3室)

③ 理念・基本方針
(やまばと学園信条)
1、私達はいかなる時にも、いかなる場所に於いても、利用者の基本的人権を尊重し、その人間性を育むことを誓います。
2、私達は利用者とともに健康管理を重点目標とし、安らぎとゆとりのある楽しい学園の運営に努めます。
3、私達は利用者の動静に注目しその要求を具にくみ取り、これに対応し利用者が安心して過ごせる明朗で健全な学園の運営に努めます。
4、私達は利用者に対して心からなる愛情を持って接することを指導上の要とし学園の運営に努めます。
5、私達はこの信条を厳守し遂行するにあたり報告連絡相談を行い、より良い学園の運営に努めます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
「やまばと学園は、知的障害者の皆様の生活を支援し、利用者様各人の個性と能力を十分に発揮し自立への営みができるよう「やまばと学園信条」に則り、利用者の利益の保護はもとより、地域社会に於ける福祉の充実に貢献するため適正かつ活力ある経営に努め、民間社会福祉事業としての透明性、公明性、公正性、先駆性、独自性を発揮し、職員の資質向上を図り、あわせてISO9001、第三者評価のフレームワークを駆使し利用者が快適、安心、楽しく、アットホームに健康で満足して過ごせることを最重要目的として事業を推進する。」施設運営の基本方針としている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/09/14(契約日) ~2021/03/30(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 4 回(平成29年度年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇特に評価の高い点
①環境特性に配慮した施設運営に努め、利用者支援のサービス向上に努めている。
 毎年経営組織の環境特性分析、SWOT(Strength,Weakness,Opportunity,
Threat)分析を実施し、法人を取り巻く様々な環境に対して、外部環境からの脅威、機会、内部環境からの強み、弱みを抽出する中で、事業経営の取り組むべき重点課題を明確にしている。令和2(2020)年度は、「利用者主体のサービス向上に努め、公益性・透明性・倫理性・継続性・効率性・説明責任を以て法人の円滑経営を行うこと」「利用者の意思決定支援、合理的配慮、人権に配慮し、虐待等のない透明性のある支援を行うこと」等を明示し、また、「ICT(情報通信技術)等社会インフラの向上を念頭に置いた介護や見守り支援を行い、利用者の安全性・快適性を高めること」等の目標を掲げ重点課題に設定している。

②品質マネジメントシステムを構築し、利用者支援の品質向上に努めている。
 品質マネジメントシステムを構築し、年2回、施設長が議長となりマネジメントレビュー会議を開催し品質目標の達成状況を確認している。マネジメントレビュー規定を作成し、ISO9001要求事項との対比を図り、また、部門ごとの品質マニュアルを作成し、品質目標の達成状況を評価し生活支援サービスの質の向上に取り組んでいる。部門ごとの品質目標は、施設の基本方針等に基づき「利用者に対する人権尊重、サービスの質の向上、地域社会との良質な関係、利用者の生活環境の充実等の項目」に沿って設定し、半期ごとに達成度を評価している。マネジメントレビューチェックリストを作成し部門ごとの品質目標の達成率等を項目ごとに評価し、課題を分析し対策を明確にしている。
 
③職員は個別支援計画に沿った支援の状況を毎月家族に伝えている。
職員は、日々の利用者支援の状況を「ケース一覧」に記録している。ケース一覧は利用者の日々の状況を生活面、情緒面、医療面、対人関係及び利用者支援のニーズ面等の視点に分類し記録されている。職員は、ケース一覧を基に月ごとの個々の利用者の「生活支援サービス報告書」を作成し、個別支援計画の目標に沿った支援が実践できていることを確認している。また、毎月利用者の施設での生活の様子や健康状態、前月の要望を踏まえた支援内容等を「生活支援サービス報告書」にまとめて家族に送付し支援の状況を家族と共有している。今年度はコロナ禍のために家族面談を控えており、利用者の元気な表情の写真を添えて郵送し家族とのコミュニケーションを図っている。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
①利用者・家族が気軽に相談できる環境整備が望まれる。
最重度の利用者が多く言葉で意思を表明することには限界があり、職員は利用者の表情や行動から利用者の相談の思いを読み取り、利用者が自身の判断で複数の案から選んで対応できるように説明するように心がけている。また、家族とはこまめに連絡をとり、意見や要望の把握につとめている。しかし、相談室は2階の1室のみでいつでも利用者が相談したいときに応じるには十分な環境とは言えない状況である。利用者・家族がいつでも気軽に相談できるような環境整備が求められる。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を受審し、課題が明確になったところから、
しっかりと改善し、更に支援や運営の質が向上するように
職員一丸となって取り組んでいきます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

「私達はいかなる時にも、いかなる場所に於いても、利用者の基本的人権を尊重し、その人間性を育む事を誓います。」「私達は利用者とともに健康管理を重点目標とし、安らぎとゆとりのある楽しい学園の運営に努めます。」等5項目のやまばと学園信条を理念として掲げている。施設内各フロアに信条を掲示し、事業計画に明示し職員会議のはじめに唱和し全職員に周知している。また、利用者主体に毎月開催している「かながわ会議」や毎月開催の保護者会で事業計画を分かりやすく説明し、やまばと学園信条の周知を図っている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

毎年SWOT(Strengs,Weakness,Opportunity,Threat)分析を実施している。分析の結果に基づいて法人の経営会議で事業経営の取り組むべき重点課題を明確にしている。令和2(2020)年度のSWOT分析では、法人経営を取り巻く外部環境の変化として、「深刻な人手不足による人材難」「コロナウイルスの脅威と対策」「利用者の高齢化・重度化への対応」等を明示し、また、内部環境の強みとして「やまばと学園信条に則った利用者主体の施設経営」「ISO9001品質管理、第三者評価受審等のフレームワークによる透明性を高めた利用者意思決定支援」「4人部屋解消による快適空間の整備」等を明示している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人の経営方針、SWOT分析の結果及び事業経営計画に基づき、法人で取り組むべき重点課題を明確にしている。令和2(2020)年度の重点課題に、「利用者主体のサービス向上に努め、公益性・透明性・倫理性・継続性・効率性・説明責任を以て法人の円滑経営を行うこと」「利用者の意思決定支援、合理的配慮、人権に配慮し、虐待等のない透明性のある支援を行うこと」等を明示し、また、「ICT(情報通信技術)等社会インフラの向上を念頭に置いた介護や見守り支援を行い、利用者の安全性・快適性を高めること」等を重点課題の目標に設定している。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

3~5年の中期ビジョンを明示し、ビジョンに沿った事業経営計画を策定している。毎年経営環境の変化に応じて見直しを行い、当該年度を含めた3年間のアクションプランを作成している。令和2(2020)年度の中期ビジョンには、「無駄を省きバランス経営を主体に行うこと」「利用者居住区域のリニューアルを行い4人部屋を解消したことで新入浴棟の完成を利用者が喜んでいる状況があること」「介護ロボットや見守り機器、利用者を守るセンサー等を設置し生産性の向上を図り、職員の負担軽減を図ること」等を明示している。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期ビジョンを見据えた法人全体の事業経営計画を基に、施設の単年度事業計画を策定している。事業計画は、当該年度事業計画の達成状況を評価し、毎年1 , 2月に次年度の事業計画を策定している。課長会議やフロア会議で確認し、また、各種委員会の意見を反映し決定している。令和2(2020)年度事業計画には、やまばと学園信条に則り、利用者の利益を保護し地域社会の福祉の充実に努めること等を明記している。また、職員の資質の向上を図りISO9001、第三者評価のフレームワークを駆使し、利用者が快適に安心し満足して過ごせることを最重要目的として事業を運営することを明記している。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

当該年度の事業計画の達成状況を各フロア会議及び係長主任会議で確認している。会議の話し合いの結果を基に課題を分析し、1 , 2月の課長会議で話し合い事業計画を策定し、3月の理事会で確認し決定している。また、理事長、施設長は、11月,12月に全職員に面談し次年度の事業計画策定に向けた職員の意見や提案事項を把握するようにしている。事業計画は全職員に配布され、3月の職員会議で説明し周知されている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は年度初めに家族に配布し、毎月開催している保護者会で事業計画を説明し周知している。特にやまばと学園信条や施設運営方針について説明し、また、事業計画に明記している年間スケジュールについて説明し家族の理解に繋げている。また、毎月開催している利用者主体の「かながわ会議」で利用者支援の具体的内容について説明し、日々の生活や各種イベントにおける利用者の意思決定支援と利用者の障害状況に応じた合理的配慮の実現に努め、事業計画の実践に努めている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

品質マネジメントシステムを構築している。年2回、施設長が議長となりマネジメントレビュー会議を開催し、部門ごとに品質目標の達成状況を評価し生活支援サービスの質の向上に取り組んでいる。マネジメントレビュー規定を作成し、ISO9001要求事項との対比を図り品質目標の達成状況を評価している。部門ごとの品質目標は、施設の基本方針等に基づき「利用者に対する人権尊重、サービスの質の向上、地域社会との良質な関係、利用者の生活環境の充実等の項目」をもとに設定し、半期ごとに達成度を評価している。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

年度ごとに部門ごとの品質目標を設定し、半期ごとにマネジメントレビューで目標の達成度を評価し、サービス改善課題を明確にしている。マネジメントレビューでは、品質マネジメントシステムの改善やプロセスの有効性を評価し、また、顧客要求事項に関連する生活支援サービスの改善及びプロセスの有効性等を図っている。マネジメントレビューチェックリストを作成し、部門ごとの品質目標の達成率等を項目ごとに評価し、課題を分析し対策を明確にしている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の役割と責任について、「浄泉会事業計画書」に法的義務に関する役割、法人内各種規程に関する役割、事業運営に関する役割等を明記している。園の経営・管理に関する取組方針は「やまばと学園事業計画」として明確化し、必要に応じて園の広報誌に掲載している。法人の事業計画書は3月の理事会後に職員会議で周知すると共に、全職員に配布している。施設長は自らの職務分掌を「浄泉会職務分掌」に明示し、主任以上に配布している。消防計画には施設長の防火管理者としての任務や、自衛消防隊編成時の隊長として任務及び不在時の任務代行者も明記している。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の「経営方針」では、経営に対する基本姿勢について「倫理性、透明性、組織性」を掲げ、法令遵守による経営を行うこととしている。職員行動指針では社会的ルール・コンプライアンスの徹底、公正・公平な取引の推進、行政機関との健全な関係などを明文化している。不適切な支援が発生した場合は、行政への通報や賞罰委員会の開催を明示している。研修については例年、市町村や県障害サービス課主催の関係法令の研修等に参加している。職員に対しては倫理綱領、運営規程等を事務所掲示板に掲示し、周知を図っている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 ISO9001による生活支援業務の品質マネジメントシステムの審査や、第三者評価の受審に取組み、定期的・継続的な評価・分析を組織的に行っている。平成17年に取得したISO9001では、各部門毎に「品質目標」と「実行計画」を作成し、半期毎に%で示す達成度評価を行い継続的改善に努めている。3 年毎の第三者評価は今回5 回目の受審である。施設長は年1回、副理事長と共に各職員と意向面接を行い、職員の意見・提案等を確認し次年度につなげている。今年度はコロナ禍にあっても権利擁護をテーマとした内部研修の実施や外部研修への派遣に努めている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 ISO9001による年2 回開催の「マネジメントレビュー会議」は施設長、支援課長、係長、主任等で構成し、品質管理室の室長を兼ねる施設長を中心に、システムの見直しを図っている。「マネジメントレビューチェックリスト」を用い、自部門の品質目標達成率、利用者家族の要望・苦情等への対応、事故報告・是正・予防の管理など11項目を4 段階で評価し、経営改善につなげている。
 施設長は意向面接により把握した意見を反映し、休憩スペースの確保、軽食対応の自販機の設置など福利厚生面の向上や休暇取得の推進にも努めている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人の事業計画において、福祉人材に対する基本姿勢を明文化している。教育・研修規程では、「職務基準・職能資格等級制度」を定め、「職能等級表」により職務遂行能力を階層、資格等級、職位、研修内容毎に等級化し、職員の能力開発・育成を行っている。採用計画の立案・採用は法人が行っている。人材確保・定着については、各種求人のほか、国家資格取得支援制度による資格取得の経費助成や、低額な家賃による職員住宅の提供等に取組んでいる。年3 回、社会福祉協議会主催の福祉人材育成懇話会に出席し情報交換を行っている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 事業計画に「期待する人財像」を明記している。入職時のオリエンテーションでは給与規程や人事考課制度を周知している。人事考課は「賞与・昇給昇格人事考課実施要領」に基づき、全職員について「職能等級表」に定める等級、職位毎の着眼点に沿って自己評価及び評価者による評価を実施している。施設長は職員処遇の水準の評価・分析は不十分であり、相談や直接支援など、部署や専門性に応じた評価基準が必要との考えである。研修によるキャリアアップの視点等も加味した職員の育成、評価、処遇などを総合的に実施する人事管理制度の整備には工夫の余地がある。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

施設長は出勤時に現場内の巡回を行い、就業環境の把握に努めるほか、朝夕の申し送りに同席し、職員との積極的なコミュニケーションに努めている。職員のメンタルヘルスについてはストレスチェック表を配布し職員に注意を喚起している。勤務表作成時の希望休へ配慮、有給休暇の取得、時間外勤務の削減などワークライフバランスにも配慮している。施設長は職員面接を行い職員の意向を把握する機会としているが、職員が相談しやすい職場内の工夫は不十分との考えである。職場風土の透明性の確保に向けたスーパービジョン体制の整備については工夫の余地がある。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 事業計画書に「期待する人財像」を明記し、目標面接チャレンジシートによる目標面接支援により、職員育成の仕組みを構築している。職員は担当業務や能力・意欲の向上について、半期毎にチャレンジ目標、達成方法・手段を立案する。これについて、職員は毎月、3段階評価による自己評価と、実施結果、翌月への対策を記載すると共に、半期終了時には目標達成度を%で記載する。同様に、一次考課者である主任・係長も毎月の3段階評価を行うほか、アドバイスの記載及び、半期毎の面接を行っている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

入職時研修は研修計画に沿って人権、総務、職員行動、各フロアの業務、医療・健康、栄養・調理等の各講義を受講し、各フロアでの現場実習後、振り返りシートの記入や、所属部門長との面談を行う流れとしている。その他、各年度の人権委員会計画において、内部研修、外部研修の実施を明記している。
現在、職能等級表に階層毎の研修内容を概略的に示しているが、今後、教育・研修計画として知識・技術水準や専門資格を明示し、職員がキャリアアップを描ける等体系化した研修計画の策定には工夫の余地がある。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

個別の職員の知識・技術水準・専門資格の取得状況を把握している。入職時研修は座学と現場実習のほか、外部の新人研修への派遣も行っている。外部研修は研修委員会が中心になり経験年数や階層に応じて情報提供し、積極的な参加を促している。「出張・研修報告書」には上司コメント欄を設け、個別に評価のフィードバックを行っている。皆が研修機会を得られる様に割り振りに留意し、組織内での勤務調整に配慮している。新任職員へのOJTはベテラン職員が担い、分かりやすく自信につながる教育に心掛けている。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

 実習プログラムの整備にあたり学校との連携を密にすると共に、入浴・排泄支援、夜勤、行事や外出など施設内外の支援が経験できる様に日程の配慮を行っている。実習生向けに「実習に来られる皆様へ」を作成し、園の説明や実習の注意事項を記載している。業務引き継ぎ用には依頼の受理から実習終了までの手順や実習当日の手続きを明記した書面をそれぞれ作成している。専門職の研修・育成に関する基本姿勢や実習の目的の明文化、及び既存の文書に加えた実習生受入マニュアルの整備は工夫の余地があり、また実習指導者研修への派遣は実施していない。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページに、やまばと学園信条、施設方針、事業経営計画、及び定款、財務諸表等を開示し施設運営の透明性に努めている。また、利用者支援のサービス内容や日中活動支援の利用者の状況などをホームページに掲載し市民に分かりやすい情報提供に努めている。年4回広報誌「やまばと」を発行し、施設運営に関する施設長の方針や決算報告、やまばと学園信条、コロナ禍対策等を掲載し利用者・家族、及び関係機関に配布し施設運営の透明性の確保に努めている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

毎年、外部機関による会計監査を実施している。内部監査規定を作成し、品質管理室を設置し法人の品質マネジメントシステムが生活支援サービス実現の計画及び実施状況に適合していること、また、ISO9001規格に適合していることを確認している。また、年2回施設長が参加しマネジメントレビュー会議を開催し、内部監査結果報告書に基づき課題対策を実施している。毎年、外部機関による会計監査を実施し、法人としての財務状況をホームページに公開している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者は、春の神輿祭りやたばこ祭り、福祉展バザーなど各地のバザーに参加し地域住民との交流を図り、また、日中活動の散歩では散歩ボランティアの協力があり地域の人たちと顔なじみになっている。利用者は美容院や理髪店など自分のお気に入りの店に通い、地域の人たちとの交流を図っている。また、学園のスポーツレクリエーションは地域の中学校の体育館を借りて、利用者、家族、地域ボランティア、職員が一緒になりいろいろな競技を楽しみ、秋祭りでは地域のボランティアが祭りの屋台づくりなどを手伝い利用者との交流を図っている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 「ボランティア受け入れマニュアル」を作成し、積極的にボランティアを受け入れ地域の人たちとの交流の機会を作るようにしている。ボランティアの受け入れに際しては、やまばと学園信条やプライバシー保護について明示した資料を配付しボランティアが適切に利用者支援ができるように配慮している。現在ボランティアとして登録し定常的に活動しているボランティアは30名程度である。コロナ禍の中でボランティア活動は減少しているが、散歩やカラオケ、買い物、理美容ボランティアなど各種のボランティアが活動している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の相談支援事業所との連携を図り、利用者ごとに計画相談等の情報共有を図っている。また、利用者ごとに関係病院一覧を整備し、利用者の受診など緊急時の対応に備えている。必要に応じて地域の関係機関と連携しているが、利用者個々の障害状況に応じた施設として必要な関係機関のリストや資料の整備、及び関係機関と定期的に連絡会を開催し利用者支援に関する情報共有を図る取り組みには工夫の余地がある。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

年3回、施設運営会議を開催し、地域の自治会会長、保護者会役員、法人役員等が出席し、施設に求められる地域福祉ニーズの把握に努めている。また、市の社会福祉協議会主催の福祉人材育成懇話会に参加し、年3回定期的に連絡会を開催し地域福祉を担う人材の確保や育成について話し合っている。また、行政とこまめに連絡をとり、防災協定を締結し災害発生時の緊急時避難場所を提供し、飲料水・食料等の備蓄を行っている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人として「やまばと相談支援事業所」を立ち上げ、神奈川ライフサポート事業に参加し生活困窮者の相談に応じるネットワーク事業に協力している。市の地域公益事業「キャッチ」に参加し、生活困窮者が利用可能な制度の紹介や機関への橋渡しを行い、また、地域の高齢者への買物支援等を行ったり、また、市内美化清掃に参加したりと地域の公益事業に努めている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 基本的人権の尊重を明示した「やまばと学園信条」を法人の理念とし、各階、事務所等に掲示し、課長会議や係長主任職員会議の冒頭で唱和している。倫理綱領や職員行動指針は事務所前の掲示板に掲示している。利用者を尊重する基本姿勢は各フロアのマニュアルや、各利用者の個人マニュアル等に反映させている。今年度の内部研修は虐待防止と権利擁護をテーマに実施している。人権委員会では人権アンケートを実施し、とりまとめ係長主任職員会議に報告している。各職員は毎月、目標面接チャレンジシートの自己チェックシートにより、人権意識の振返りを行い注意を喚起している。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

「職員行動の指針」にプライバシーの尊重を明文化し、居室に入る時のドアノック、個人宛郵便物などの開封、私物の点検、施設見学者の案内、介助には必ず利用者の了解をとること等を明示している。併せて利用者の家族のプライバシー保護への配慮についても触れている。郵便物は必ず家族にも確認し開封している。園の支援場面では、着替えは部屋で行い見学者来訪時は声をかけてから入室する等の配慮をしている。ハード面では、令和元(2019)年11月に居室のリニューアル工事が終了し、4人部屋は解消されている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

施設を紹介するパンフレットやホームページはカラー写真や絵を豊富に使用し、視覚的に分かりやすい内容となっている。現在、入所待機者が多く空きがないため、入所希望者の受け入れはできないが、見学や体験入所は随時相談にのっている。入所が困難であるため、園の理念や基本方針、サービス内容等を紹介した資料等を公共施設等に置くことは控えている状況である。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービス開始時は契約書、重要事項説明書を2通作成し、利用者・後見人等への説明後、同意のサインの収受し、園と利用者等が各1通ずつ保管している。利用者が同席可能であれば、同席してもらい同意を得ているが、障害状況に配慮したわかりやすい説明については課題を残している。同意書については「個人情報の利用目的」についての同意書を収受している。その他種類の異なる複数の同意を1枚の書面で取得している。サービスの変更時は個別支援計画を変更し、説明し同意を得ている。意思決定困難な利用者については写真等を併用した説明を行っている。項目毎の同意、不同意の意思表明が困難な利用者が多いこともあり、同意の取得方法については工夫の余地がある。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 サービス終了後は、主任や係長などを利用者や家族の相談窓口としている。サービス終了後も、移行先の地域の相談員や関係職員と連携し、生活の環境調整を図っている。サービスの継続性に配慮し、利用者に不利益が生じない様に、個々の支援方法を記載した個人マニュアル、個別食事箋、看護サマリーなど、同意書に基づく個人情報の提供を行っている。必要に応じて関係機関によるケースカンファレンスを実施し、行政、相談支援事業所、後見人、移行先の施設等により、情報共有や支援方針の確認等を行っている。サービス利用が終了した後の相談方法についての書面での確認や担当者の対応については工夫の余地がある。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者主体の「かながわ会議」を月1回開催し、食べたい物、やりたいこと、困っていることや、バス旅行が中止の際は、代替行事のプランについてなど、利用者が意見を述べる場としている。司会は利用者で、職員は話のスムーズな進行を側面からサポートする役割である。
保護者に対しては、年3回、保護者会の同日に、各階のフロア懇談会を開き、職員が家族に各階の生活の様子について報告を行っている。今年度はコロナ禍で懇談会を中止としたため、書面でお知らせを送付した。全ての家族宛てには、利用者の1ヵ月の支援内容や生活状況をまとめた「生活支援サービス報告書」と利用者の写真を送付している。イベント後にも利用者の写真を送付している。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「苦情解決規定」を作成し、苦情解決責任者、苦情受付担当者及び苦情解決第三者委員を規程し、苦情解決の手順を明記し職員に周知している。また、苦情解決責任者、苦情受付担当と第三者委員の連絡先を明示したポスターを各フロアに掲示し利用者・保護者に周知している。玄関に苦情箱を設置し、常時利用者の苦情を受け付けている。年に一度利用者主体の「かながわ会議」に第三者委員が出席し利用者の苦情や意見を直接聞く機会を設けている。苦情対応の結果を「苦情解決結果報告書」に記述し、1か月以内に苦情申出人に報告し、また、利用者・家族の状況に配慮し地区の苦情解決委員会に報告し公表している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

 最重度の利用者が多く言葉で意思を表明することには限界があり、職員は利用者の表情や行動から利用者の相談の思いを読み取り、利用者が自身の判断で複数の案から選んで対応できるように説明するように心がけている。また、家族とはこまめに連絡をとり、意見や要望の把握につとめている。しかし、相談室は2階の1室のみでいつでも利用者が相談したいときに応じるには十分な環境とは言えない状況である。利用者・家族がいつでも気軽に相談できるように相談室等の環境整備については、工夫の余地がある。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は利用者の相談内容や日々の利用者の思いを受け止めケース一覧に記録している。重度障害者が多く言葉で自身の意思を伝えることが困難な利用者の表情や行動から思いを汲み取り、「情緒」のキーワードでケース一覧に記述し、職員間の情報共有を図っている。また、各階会議で利用者の相談内容について話し合い、職員間の利用者支援の統一化を図っている。毎月実施している利用者が司会する「かながわ会議」は、利用者の食事や旅行先などそれぞれの思いを活発に話し合っている。職員は利用者の自主的意見を尊重し可能な限り実現するように支援している。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスク管理委員会を立ち上げ、「事故報告・是正処置報告規定」を作成し、事故報告・ヒヤリハット報告の仕組みを整備している。年度ごとに報告書を集計し事故の原因と対策を分析し事故防止に努めている。月1回、定期的に委員会を開催し事故報告書、ヒヤリハット報告書について振り返り、再発防止対策を話し合っている。話し合いの結果を部門会議、職員会議で説明し職員間の情報共有を図っている。毎年、危険予知トレーニングを実施し、利用者が躓きやすい設備や置物の配置等の事例を用いて、職員が危険予知ができるように訓練している。また、個々の利用者の障害や行動特性を明記した「個人マニュアル」を整備し、職員は利用者一人ひとりのリスク管理に努めている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長を委員長とする感染予防対策委員会を立ち上げ、新型コロナウイルス等感染予防対策を徹底している。「感染症対策マニュアル」 「インフルエンザ対応マニュアル」「BCP(新型コロナウイルス対策)」等の感染症対策マニュアルを作成している。感染の疑いがある場合の連絡体制や感染予防と感染拡大防止対策を具体的に明示し職員に周知している。また、ノロウイルス対策として毎年定期的に汚物処理等のシミュレーション訓練を実施し緊急時に備えている。職員の勤務時間以外の行動についても感染症を持ち込まない、広げないための対策を周知し徹底を図っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

「消防計画」を整備し、自衛消防組織や休日・夜間の防火管理体制について明記し、火災や地震、土砂災害等の災害発生時の緊急時対応に備えている。消火訓練、通報訓練、避難ルート訓練等目的を定め、利用者全員が参加し毎月防災訓練を実施している。年1回大規模地震を想定し、二次災害としての火災の発生を想定し、初期消火、避難誘導体制、消防通報など総合訓練を実施している。家族への一斉同報メールを送信するなど、災害発生時の緊急連絡票を整備し有事に備えている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

ISO9001に基づいた品質マネジメントシステムを構築し、マネジメントレビュー規定及び内部監査規定を作成し品質マネジメントシステムの実践の状況を毎年定期的に確認している。また、マネジメントレビューチェックリストを作成し、年2回マネジメントレビュー会議を開催し品質目標の達成度を評価している。部門ごとの品質マニュアルの作成など品質マネジメントのPDCAの継続性を確認し、サービスの質の向上に向けた取り組みの標準化を図っている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

マネジメントレビュー規定を作成し、標準的な実施方法の見直しについて明示している。年2回マネジメントレビュー会議を開催し、内部監査の結果や品質目標の達成状況などの分析データーを基に課題を明確にし、社会ニーズ、利用者ニーズに対応した品質マネジメントのシステムの改善、プロセスの有効性の改善等を図り標準化の推進を図っている。マネジメントレビューの記録は、品質マネジメントシステムの品質記録として、文書管理規定に従い記録されている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画の見直しに合わせて年2回アセスメントを実施し、利用者支援ニーズの把握に努めている。アセスメントでは、本人の日常生活、金銭管理、健康管理、共同生活・地域生活等について、現在の状況、本人・家族の意見、支援内容等について確認している。所定の様式を用いて担当職員がアセスメントを実施している。アセスメントを見直し、話し合いやその結果の内容を追記していく形で使用し、次期の個別支援計画に反映させている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回、定期的に個別支援計画の見直しを実施している。「個別支援計画等作成フローチャート」を作成し、個別支援計画の作成・見直しに必要なモニタリングやアセスメント、看護師や栄養士等専門職種担当との情報共有・確認について規定し、個別支援計画の品質確保に努めている。半年ごとに個別支援計画の目標にそってモニタリングを実施し、達成状況を評価し次に達成すべき目標を「モニタリング・評価」に明示している。モニタリングの結果及びアセスメント等の結果を各階会議、ケース会議等で検討し、個別支援計画の見直しに反映している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

職員は、日々の利用者支援の状況を「ケース一覧」に記録し、パソコンの記録システムに入力し職員間の情報共有を図っている。ケース一覧は利用者の生活状況や情緒に関する情報、医療に関する情報などケースごとに分類し記録されている。また、毎月「生活支援サービス報告書」を担当職員が個々の利用者ごとに作成し、個別支援計画の目標に沿った支援が実践されていることを確認し、支援内容及び利用者の状況を記録している。毎日、「朝の申し送り事項」を作成し職員に配布し、施設全体の連絡事項や部門ごとの利用者支援の情報について職員間の共有を図っている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

「文書管理規定」を整備している。個人情報保護については理事長が管理責任者で施設長が個人情報監督者である。「個人情報保護規定」を整備し、個人情報の目的外利用の禁止や個人情報の漏洩防止について規定している。パソコンのデータについては、職員一人ひとりにパスワードを設定し、また、役職ごとにパスワードを設定し権限に応じたアクセスのみを可能にし個人情報の保護に努めている。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

ニーズ外出の取組では、利用者の意向を尊重し担当者と話し合いながら、行先や交通手段等を決めている。本人の希望に沿って自ら立てた計画であることから、経験のない長時間の道のりであっても、最後まで意欲的に取組み、職員と力を合わせてやり遂げることで、本人の自信につながっている。自己決定を尊重した個別支援と取組みが、利用者のエンパワメントの機会となると同時に、職員においても、利用者の持てる力の新たな発見の機会となっている。
 生活面では、衣類等の購入について家族や担当職員に本人が同行して購入するか、など本人が決めている。理容については、来所の理容師を利用するか、または自分で床屋に行くかなど本人が選択している。女性は通常美容院に行くが、コロナ禍であり訪問による美容となっている。個別支援では、個室にTVを設置したり、自分の部屋の鍵を持つなど利用者一人ひとり選択に応じた支援に努めている。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

「職員行動の指針」や「倫理綱領」は、職員の入職時に全職員に配布し周知している。権利侵害の防止に向けては、虐待を発見した際の対応フローチャートを各階フロアに掲示し、周知している。身体拘束については緊急やむを得ない場合に一時的に実施する際の具体的な手続きと実施方法を「利用者の身体拘束等行動制限取扱規程」に定め、職員への周知・徹底を図っている。
権利侵害が発生した後は、人権委員会が再発防止策を検討し、職員会議、部門会議にて検討、周知、共有することとしている。人権委員会では権利擁護に向けた職員アンケートを実施し、直近では「あなたにとって人権とは?」をテーマにとりまとめを行った。今年度、研修委員会では「虐待防止と権利擁護」をテーマに内部研修を実施し、外部の虐待防止研修にも職員を派遣している。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の心身の状況、生活習慣、望む暮らしなど個々のニーズを把握し、自律・自立に配慮した支援を行っている。居室のリニューアルにより4人部屋を解消し、1人部屋、2人部屋の提供人数を増やしたことで、自立生活に一歩でも近づける様に努めている。一人ひとりが使えるスペースが広がり、ゆとりが生まれたことで、棚やテーブルなどの家具を置くことも可能となった。重度の知的障害者の施設であり、居室の自己管理は困難であるが、数人の利用者には居室の鍵を渡している。職員が近くで見守り居室の掃除をしたり、職員の声掛けで居室の加湿器に水を入れるなど、生活の自己管理に向けた支援を行っている。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

自閉的傾向がある利用者に、トイレや食事など次の日課に移るため場面の切り替えが必要な場合は、写真などを使って次の日課を示すなど、統一したコミュニケーション手段により支援を行っている。日中活動の作業班では、ホワイトボード上に写真を用いて作業手順を示すなどの工夫をしている。
利用者一人ひとりのコミュニケーションの方法を探るために、職員は利用者の日々の様子や行動から、本人の意思や希望に関連するものを察知し、理解する様に努めている。新規利用者については、家族や後見人、利用施設の職員の協力を得て固有のコミュニケーション手段やサインを理解しコミュニケーションの強化に努めている。言葉でのコミュニケーションが可能な利用者については、医務、厨房など他部署の職員との挨拶や会話、外でコーヒーを注文する、など様々な人との関わりを促し、コミュニケーション能力を高めるための支援に取組んでいる。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの利用者に担当職員を配置し、ニーズの把握に努めると共に、必要に応じて利用者の話したいこと、困っていることなどを話しあう機会を設けている。ニーズ外出では、外出先を担当職員と話し合うプロセスで、職員より可能なことや困難なことなど情報提供や説明を行いながら、意思決定を支援している。
利用者からの相談内容は記録により情報共有を図り、フロア会議で検討・共有し、必要があれば個別支援計画に反映している。
 一方、一人一人のニーズの実現が集団生活の中では困難な場合も多く、一つのドアを開けたい人と閉めたい人がおり、共用のテレビではそれぞれ見たい番組が異なることがある。利用者満足の実現や、利用者の意思決定支援に関する利用者の意思にそった支援については工夫の余地がある。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

日中活動は個別支援計画に基づき、一人ひとりのニーズに応じた活動を支援している。通常は5班体制で、リハビリ中心の班、バザーへの出品を目指す班、散歩中心の班、パズルや漢字、計算ドリルなどの活動を選ぶ班、自閉症など環境に配慮を要する班に分かれ活動している。それぞれ多様なメニューを用意し、本人がその日に行いたい活動を選べる様に準備している。現在はコロナ禍にあり、班活動は中止し、各フロア対応としている。
 年4回の全体行事は、スポーツレク、秋祭り、バス旅行、新年会などを行っている。個別支援外出では昼食、夕食や希望する場所への外出を支援している。今年度はコロナ禍にあり、行事は全て中止とし、室内の代替行事を行った。秋祭りの代替行事ではヨーヨー釣りやボーリング、綿あめなどを提供した。外食はデリバリを中心に個別やグループにて提供している。
 日中活動班は隔月の班長会議で支援内容等の検討や見直しを行い、個別支援計画に反映している。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

自傷、他害行為、破壊行為など支援困難な課題を有し個別的配慮を要するケースについては、他施設のコンサルテーション機能を利用し、行政、基幹相談支援機関や家族・後見人等を含めたケアカンファレンスを継続的に実施している。現況確認、情報共有の上、生活面や医療面、新たな制度利用の可能性についてなど多角的に支援方法の見直しを行っている。
 研修による専門性の向上に向けては、強度行動障害のある利用者への適切な支援計画を作成することを目的に神奈川県強度行動障害支援者養成研修への職員の派遣もおこなっている。
 摂食・嚥下障害のある利用者については、市内の病院より医師、認定看護師、管理栄養士の専門的な診療、相談を往診で受け、安心して安全に食事をとれる様に摂食・嚥下の評価や食形態の相談を行っている。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は、毎月個々の利用者の「生活支援サービス報告書」を作成し、個別支援計画の目標に沿った支援ができていることを確認し日々の支援に努めている。食事改善委員会を立ち上げ、毎月利用者主体のかながわ会議で利用者の嗜好を聞いて食事に反映している。利用者の嚥下状況に応じてキザミ食、ペースト食、トロミ食などの食事を提供している。
 入浴や排泄は同性介助である。入浴は毎日でも可能で通常一日おきに入浴している。入浴前に検温を実施し体調に配慮している。ミストシャワーの設備があり、介護度の高い利用者には座位のまま入浴できる機械浴の設備が整っている。浴室は清掃が行き届いて清潔である。排泄支援は、介護度に応じてトイレ誘導を行っている。排便チェック表を作成し排便が滞りがちな利用者は医師と相談し便秘にならないように配慮している。移動や移乗が困難な利用者はポータブルトイレを使用している。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

築30年が経ち居住棟のリニューアルを行いとても明るく温かい雰囲気の室内である。4人部屋が無くなり、利用者は1~3人部屋の広い空間を利用できるようになっている。新しく出来上がった居室は、利用者の特徴を考慮して安心して過ごせる快適な部屋になっている。コロナ禍の中で空気清浄機や消毒設備を完備している。全館バリアフリーで床は段差がなく、衝撃吸収材を使用し転倒事故の防止や車椅子利用者等に配慮したつくりである。共用空間は毎日清掃し、年3回全館のワックス清掃を実施している。災害時は、非常ドアの自動開放で避難時の迅速対応に備えている。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

日中活動班のリハビリ班を編成し廊下の往復などの歩行訓練などを実施し、また、訪問看護リハビリを実施している。理学療法士や作業療法士が毎日施設を訪問し、リハビリを希望する利用者の個々のプログラムによる機能訓練を実施している。医師の指示のもとに理学療法士がリハビリ指示書を作成し職員に周知している。半年ごとにリハビリの成果をモニタリングし訓練プログラムの見直しを行っている。また、身体状況により訪問マッサージを受けている利用者もいる。日中活動に散歩を取り入れ、元気な利用者には長距離散歩を取り入れるなど身体状況に合わせた活動を実施している。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回定期的に健康診断を実施している。担当職員が、毎月利用者一人ひとりの「生活支援サービス報告書」を作成し、看護師や栄養士の意見をもとに、体重・脈拍・血圧等の状況、内科、精神科、歯科医などの往診時の受診情報、リハビリ、服薬やインフルエンザワクチンの接種等の情報をまとめて職員間の情報共有を図っている。「個人マニュアル」に利用者一人ひとりの日常の健康状態を維持するための注意事項を明記し、職員間の支援の統一性を図っているまた、個々の利用者の摂食や入浴時のバイタルチェック及び排泄チェック表などを用いて日々の利用者の健康状態の把握に努め、体調変化への迅速な対応に努めている。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

評価対象外

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

重度の知的障害で言葉が話せない利用者が多い状況の中で、本人たちが可能な限り社会参加を果たし希望する体験ができるように支援している。地域の各種バザーイベントに利用者が参加し、ビーズや手芸作品、シュシュなどの利用者が作成した作品を販売し地域の人たちと交流している。最近は布マスクなども作成し販売している。箱根や八景島など利用者の希望を尊重し.毎年バス旅行に出かけている。また、季節行事としてのいちご狩りやみかん狩りに出かけている。日々の支援から個々の利用者の要望・希望に沿ったニーズ外出を職員同伴で実施している。利用者は事前に行き先を写真を見て選んでいる。本人の希望で大井競馬場まで馬を見に行った事例がある。コロナ禍で今年度は外出を控えることが多いが、職員は利用者一人ひとりが社会の動きや状況に関心を持ち、積極的に行動することを支援している。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

入所利用者の意向を尊重し地域移行を推進している。今までに法人内のグループホームに地域移行を希望する利用者が移動している。入所利用者の地域移行の要望については、個別支援計画に地域移行の目標とその準備に向けた対策等を設定し、家族に周知しグループホームの見学や体験宿泊等を実施している。5年後にクループホームに移行したいという利用者の希望に沿って、相談員との連携を図ることを今年度の個別支援計画の目標に設定している利用者の事例がある。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎月利用者の施設での生活の様子や健康状態、前月の要望を踏まえた支援内容等を「生活支援サービス報告書」にまとめて家族に送付しコミュニケーションを図っている。通常、毎月保護者会を開催し、また、年に3回フロア懇談会を開催し家族に施設運営の状況や利用者支援の状況について説明しているが、今年度はコロナ禍のために中止している。毎月利用者の日常生活の状況や利用者の元気な表情を写真に撮り家族に送付している。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価対象外

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価対象外

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価対象外

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価対象外