社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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らいらっく山吹保育園

2024年11月05日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 らいらっく山吹保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 40(42) 名
所在地 〒212-0024
川崎市幸区塚越1-60-160
TEL 044-223-8388 ホームページ https://lilacnursery.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 リラ福祉会
職員数
常勤職員:12 名
非常勤職員:3 名
専門職員
保育士:13 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
居室:0.1歳児室
居室:2.3歳児室
居室:4.5歳児室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:沐浴室
設備:乳幼児用トイレ
設備:事務室兼医務室
設備:ロッカー室兼休憩室
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
子どもの幸せを最優先し、健全な心身の発達が育成できるよう養護と教育の創意工夫と環境つくりの中で保育を図る

<基本方針>
子どもたちのなかに、かくれている輝きを最大限に活かし、リスクを最小限に抑えるプログラムづくりの導入

<保育目標>
1. 子どもの人権を十分配慮し「心と身体のバランスを保って健全なる育成と豊かな情操を図る」
2. 「からだのしくみといのちの成長発達を図る」
3. 保護者と園の「共育て」を大切に家庭への補完を図る。
4. 自己評価を通して、保育者の資質向上や職員相互の研鑚を図る。
5. 地域の子育て支援をする。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<らいらっく山吹保育園の特徴的な取組>
●〈職員が働きやすい職場環境〉
さまざまな年代、子育て中の職員が勤める中で、それぞれに合った働き方を提案し、長く勤務できるように年代・職種・役職関係なく意見が言いやすい場を設けている。
●〈研修制度〉
充実した研修体制を整え、園内研修をはじめ外部研修にも積極的に参加し、1年目の職員からスキルアップを目指す。
●〈心理的安全性のある職場環境〉
年数の違いのある中でも、自分の意見を伝えられるように話し合いの場を作っている。
●〈異年齢児保育〉
0・1歳児、2・3歳児、4・5歳児クラスが縦割り保育で日常を過ごしている為、年下の子どもたちは年上の子どものあそび、運動面などに対し憧れを抱き「こうなってみたい」という気持ちが育まれ、年上の子どもたちは年下の子どもに対し可愛がる姿があり、思いやり慈しむ気持ちを持つ事が出来ている。
●〈食育活動〉
自園調理を実施し給食を提供している。給食で使用する食材は園周辺の商店から取り寄せ、顔の見える関係。栄養士から野菜などの栄養について教えてもらったり、4,5歳児クラスが商店に出向きお買い物ごっこを行い、園庭で夏野菜を栽培、収穫したものをその日の給食に盛り込んでいる。旬の食材を取り入れて、子どもたちの興味関心を引き出している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/05/09(契約日) ~2024/10/23(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【らいらっく山吹保育園の概要】 
●らいらっく山吹保育園(以下、当園という。)は社会福祉法人リラ福祉会(以下、法人という。)の運営です。法人は、「子どもがのびのびと育つ環境を目指して」をスローガンとし、法人事務局のあるらいらっく保育園、らいらっく幸(さち)保育園、らいらっくみゆき保育園を、中原区、幸区に展開しています。運営方針の1つに、「褒めて伸ばすポジティブ保育」を目指し、「デンバースケール」(発達記録表)を入園から卒園まで各クラスの担任が一環して記録し一人ひとりの発達を把握しながら工夫して保育に当たる体制を推進しています。

●当園の立地は、JR南武線鹿島田駅から徒歩10分弱、幸区中央部の塚越の地区に位置し、近隣には中学校や集合住宅、戸建て住宅があり、中学生の活発な声が響き、活気が溢れ元気がみなぎる環境にあります。園舎は、設計時から保育士が関わり、保育環境に拘った構造になっています。法人の名称に沿った「枝先に葡萄のような房なりの花をつけて咲く姿のように」と、子どもたちが集う保育園でありたいと願い、良い保育を追求し、成育・発達過程を見守る保育を実践しています。

●地域との関係については、園設立時に園舎のすぐ脇に町内会の防災倉庫を設置する等、友好的な関係を構築しています。当初、地域との交流等も計画予定にありましたが、コロナ禍の時期と重なり交流が思うように進まない状況となっており、新型コロナウイルスも5類感染症に移行した現在、町内会を始めとする地域との交流を進める予定でいます。

●当園の方針として、定員40名の小規模園を生かし、子ども一人ひとりに向き合う保育を心がけ、個々の輝きを最大限生かすよう実行しています。職員は先回りして制限するのではなく、経験させ、実感し、ダメなことは叱り、良いことは存分に褒め、一人ひとりが伸び伸びと育まれるよう「褒めて伸ばすポジティブ保育」を実践すると共に、保護者と協力し合う「共育て」を目指しています。

◇特長や今後期待される点
1.【異年齢児保育の推進】
当園は、「異年齢児保育」を推進しています。その特徴として、一般的な3・4・5歳児別に分けた3年齢とは異なり、「0歳児、1歳児」、「2歳児、3歳児」、「4歳児、5歳児」での2年齢ごとにし3つのグループの異年齢児保育を日常的に行っています。1年齢を7名平均(0歳児は5名)とし、2年齢(約14名)で体系的に計画され、団体生活はスムーズに進めやすく、一緒に過ごすメリットは大きいと思われます。3年齢での保育のメリット・デメリットを理解しつつ、2年齢の保育は成長等のレベル差が少ない為、1歳下の子どもが上の子どもと同じように真似て覚え、上の子どもも年上意識を持って頑張る成長の姿があります。また、0歳児、1歳児では月齢差が大きく、0歳児で月齢の大きい子どもは1歳児と一緒に遊んで成長できる等、2年齢の異年齢グループの良さが見られました。2年齢での異年齢児保育での改善を図りつつ、効率的に保育の機能を生かし推進を図っています。

2.【職員の育成】
小規模保育園の実態として、保育士は総数13名、その内、園長、主任、副主任・クラスリーダーを除くと一般保育士は半数強という体制の中で、クラスの運営を見せていただきました。0歳児、1歳児のクラスでは風船をたくさん膨らませ、風船が割れても安全なようにビニールに入れて圧縮させてクッションを作り、見た目も楽しく、子どもたちは興味を持って遊んでいました。2歳児、3歳児クラスでは、保育室にビニール紐を縦横十文字に貼った上に新聞を吊り下げ、新聞の無いところを進む迷路遊びを楽しく遊んでいました。いずれも職員の工夫とアイディアで活動プログラムが作成され、各クラスの自主性が尊重された生き生きとした保育が実施されています。「ポジティブ保育」の職員間の共通認識は根付いており、職員の一つひとつのアイディアが園の財産となっていく体制が、ひいては組織の向上につながっていくと思います。

3.【中堅職員の育成】
当園の中堅職員の育成の1つに、法人系列のらいらっく保育園(定員110名)、らいらっく幸(さち)保育園(定員90名)、らいらっくみゆき保育園(定員120名)との行事等での連携・活用が挙げられます。系列園との連携は、行事を通しての連携や園庭を共有した交流、法人合同研修を行っていますが、さらに拡大を図り、中・長期(3~5年)の目標(ビジョン、組織全体が目指す姿)に示すよう、組織階層における中堅職員の視野を広くし、園全体を把握できるよう職員自身の役割を果たせる体制作りのための教育体制を進め、ひいては法人の教育体制の構築につなげられるよう期待されます。さらには、法人の運営方針の一つである「褒めて伸ばすポジティブ保育」の推進を十分図った上での教育体制の構築を期待しています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 らいらっく山吹保育園     
            
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
開園8年目にして初めて第三者評価を受審し、利用者アンケートの回収率が86%と非常に高くまた、園の運営にあたり保護者の方にご理解ご協力いただけていることを改めて感じると共に、少人数の小さな園だからこそできる事を日々職員と共に実践してきた結果が表れ、とても励みになりました。
一方でまだまだ至らない点、改善が必要な所も明確になったので、今後より一層子どもに寄り添う保育を目指すべく、努力してまいりたいと思います。

自己評価を行うに当たり、職員を年数別の四つのグループに分け評価をまとめましたが、それぞれの年数によって園・法人についての理解度が異なり、運営側としての課題も見えてきました。
職員同士も普段あまり話し合う機会の少ない内容を細かく確認し合うことができ、良い機会となりました。

とても丁寧にヒアリングを行っていただき、会話の中から気づきや学びが多くあり、自園にとっての強みを知ることができました。

≪評価後取組んだこととして≫
1. 第三者評価、利用者アンケート集計・分析結果の内容確認と対応策について職員と検討を行う

2.保育の見直しを改めて行う

3.職員に対し、法人や園についての細かい話等も分かりやすく伝えていく

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念、基本方針を基に、園の理念、基本方針を作成しています。法人の理念、基本方針については保育に対する考え方が明確に示され、ホームページ、園のしおり、幸区の子育てサイト等に掲載され、周知が図られています。また、園見学者や保護者に対して、園のしおりやパワーポイントを用いて分かりやすく詳細に説明を行っています。職員は、入職時に理事長から説明を受け、園内研修、新年度の会議の中でも再確認し、理解を促しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

経営環境については、厚生労働省の動向及び、川崎市、幸区の園長会議、研修会等から、地域の福祉、子育て政策の動向等の情報を具体的に把握し、職員に対しても内容を要約して伝え(昨今の保育所入所状況等)、全体的な計画、年間指導計画にも反映させています。園児は殆どが近隣の住宅やマンションの家庭からの入園であり、定員を満たしていますが、駅から離れた保育園では定員割れが発生しており、今後一層の地域状況の把握が必要と思われます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人では年2回理事会を行い、法人の長期ビジョンを話し合い、法人全体、各園の財務状況を検討しつつ長期ビジョンを策定し、共有をしています。この長期ビジョンに沿って、園の中・長期的なビジョンを策定し、年間計画につなげています。職員は法人研修にて、理事長や法人本部の職員から経営課題等について話を聞く機会を得ています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

園としての中・長期的ビジョンの主たるテーマは、①人材の確保・育成、②少子化問題等とされ、実際の保育に直接的に関係すると云うより、運営の課題に関する面が大きく、職員会議で説明することはありますが、具体的な計画に関しては園長、主任間でまとめています。また、職員の年齢層における組織構成の課題について、階層における中堅職員の視野を広くし、園全体の事を把握できるよう、自分の役割を果たせる教育を行い、若い職員・中堅職員の育成を進めている最中です。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の計画には、法人本部に提出する「各園事業計画」と、実際に保育を進めるための全体的な計画及び年間指導計画があります。「各園事業計画」は、法人理事会で次年度に対する計画を盛り込んで作成していますが、職員に対しては口頭で伝えるのみになっています。職員へはキャリアアップ研修の受講を進める等、スキルアップを促しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画については、実際に保育を進めるための全体的な計画及び年間指導計画としています。全体的な計画は職員会議で検討を図り、年間指導計画及び月間、週日案へ展開し、日々の保育を実施しています。法人系列各園の全体的な計画は、原案を法人本部で作成し、その原案を基に地域性を加味して各園で展開する体制となっています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画及び年間指導計画の内容及び進捗状況については、年2回実施される懇談会にて、パワーポイントを活用して保護者に分かりやすく説明しています。その場で質疑応答の時間を設け、疑問に応えられるよう努めています。食育計画、保健計画及びポジティブ保育等について説明・周知を図っています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

園では、理念である子どもの幸せを最優先し、健全な心身の発達が育成できるよう、養護と教育の創意工夫と環境作りの中での保育を実践し、子どもの姿に基づいて立案した計画が実践されているかの観点で保育日誌に記入するようにしています。また、月1回、クラスのリーダー会では、学習マトリックス(4分割分析)の用紙を導入し、クラス別に、毎月の振り返りを行い、リーダー会で情報を共有することで、翌月の計画につなげられるよう取組んでいます。学習マトリックスは個人面談表にも活用し、効果を上げています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

小規模園として、副主任以下の各職員のレベルアップが最大の課題であり、新人、2年目を始めとする一般保育士の育成が急務です。園長は、年2回の職員の育成に向けた面談に力を注ぎ、各保育士のアイディアを尊重して保育の指導に当たっています。園長面談では、前述の学習マトリックスの自己評価シートを活用し、保育士それぞれの課題や解決策を話しています。また、園内で起きた事案については職員を招集し情報を共有しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長の役割と責任については、運営規定及び組織図、職務分掌表で明示すると共に、年度初め等の職員会議等で職員に表明し、方針等を伝え、理解を求めています。また、安全計画や業務継続計画(BCP)を策定し、その中でも園長の役割や責任を明確化・周知しています。図書コーナーには重要事項説明書を掲示し、誰でも自由に閲覧できるよう工夫しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

遵守すべき法令の内、特に保育に関連が深い法令については、園長自ら研修を受け、法令等を学び、職員にも研修報告書等で周知しています。その他法令についても都度、研鑽を図り、法的な解釈が必要な場合には法人本部の事務分野及び関連法律事務所に相談できる体制が整えられています。保育関連法令が改定された場合は、法人で教育を受ける体制があります。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

年2回の園長面談では、学習マトリックスの自己評価シートを用い、保育士一人ひとりの課題等を洗い出し、改善策を見出しています。保育の質向上のため、園内研修会の他、幸区主催の研修会、キャリアアップ研修等への参加を職員に促しています。また、こまめに個々の保育士、クラス単位、園全体等、必要に応じて話し合いの場を設け、改善に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

職員の働きやすい職場の整備では、様々な年代、子育て中の職員が勤務する中で、それぞれに合った働き方を提案し、長く勤務できるよう年代、職種、経験値の差異、役職に関係なく、意見を言い易い場を設けています。研修については、充実した研修体制を整え、園内研修、外部研修に積極的に参加を促し、1年目からスキルアップが図れるよう目指しています。情報、知識を共有し、ボトムアップで取り入れられる物を無理なく取組める体勢を作っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体で協力し、保育士養成校との懇談会等に積極的に参加し、法人のPRに努め、様々な就職フェアに出展する等、人材確保・採用に努めています。法人内の園長会を定期的に開催し、各園の雇用状況や職員体制を伝え合い、情報を共有しています。必要に応じて系列園間での異動も検討しています。また、定着につながる対応について工夫を図り、努力しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

現状では、新年度初めの園内研修にて、職員の心得、就業規則(待遇等を明記)を伝え、職員に周知しています。また、川崎市のキャリアアップ研修を受講した職員へは処遇改善加算を付与する等、優遇しています。職員に期待するスキルアップについては、園長面談で学習マトリックスの自己評価シートに沿って個別に話し合い、個人別の「期待する職員像等」はできていると思われますが、さらに、階層別の「期待する職員像等」を、持つべきスキルとして示していく必要があると思われます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況、有給休暇等の取得状況については、毎月集計し把握・確認をしています。園長面談の他、状況に応じて職員の話を聞く機会を設け、個々の悩みや問題の解決に導くよう配慮しています。また、法人としてストレスチェックの実施も検討中です。業務の効率化、省力化に関しては、ICT化の推進、書類の記入量の削減、書式の簡素化を図り、ノンコンタクトタイムの導入等により業務時間内に仕事を終えられるよう取組み、子育てをしている職員にも働きやすい環境を整えるよう努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

今年度から、新人職員のフォローアップ面談を副主任に任せる等、組織体制作りを進めています。副主任は、学習マトリックスの用紙を活用し、毎月、クラスの振り返りを行い、目標や反省がし易い仕組み作りに取組んでいます。新人職員のフォローアップ面談・育成と併せ、副主任の管理能力向上の相乗を図るよう体制作りの構築を図っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

教育・研修は、考え方を職員に示して進めています。保育の質の向上のために、園で定めた目標とその目標達成に向けた事業計画と職員の研修計画の整合性を図ることが大切です。職員に期待するスキルアップに関しては、園長面談、個人別に話し合う機会、個人別に「期待する職員像等」はできていると思われますが、階層別に「期待する職員像等」をその経験値が持つべきスキルとして示し、今後、基本方針や計画の中に「期待する職員像」を明示していかれることを期待します。また、職員会議、研修会等を活用し職員間で互いの考えや思いを伝え合い理解・共有を図り、学び合う機会と体制作りはできていると思いますが、教育・研修成果の評価・分析を行い、その結果を踏まえて次の教育・研修計画等に反映させていかれると尚良いでしょう。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人研修や園内研修について充実を図り、キャリアアップ研修該当者の受講の他、年度の初めに幸区主催の研修一覧を回覧し、希望者は入職年数、役職、職種等関係なく研修に参加する機会を確保し、学びたいことを学べる機会が持てるよう配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生については、法人系列共通で対応しています。当園は開園8年目ですが、実習生受入れは現在1回のみです。ただし、毎年、近隣高校生のインターンシップを受入れています。受入れ体制の整備については、受入れ側の姿勢等を園内研修にて共通認識を図っています。話し合った具体的な内容を受入れマニュアルに組み込み、受入れに関する必要な項目を記載し、効果的な育成のための工夫を期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページに保育理念や基本方針等を掲載していますが、社会福祉法人として事業計画、事業報告、予算、決算等の掲載が望まれます。苦情・相談については、入園時に重要事項説明書の記載事項を説明し、体制及び解決結果を園内に掲示しています。地域に向けては行事のポスターを掲示し、幸区で発行している情報誌「おさんぽにいこう」に園行事を載せて情報を開示しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理、取引等については、内部監査を実施する等、定期的に確認し経営改善に活用しています。また、外部の専門家による監査支援を受け、会計監査により指導・助言を受けています。保育所指導監査の指摘事項については職員会議で全体に周知を図り、速やかに改善に取組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園児の居住地は近隣の住宅、マンションの家庭が主であり、行事についても保護者に呼びかけ、協力的な関係が構築されています。地域との関わりでは、夏まつりでは5歳児が、お散歩用カートを活用して制作した山車を地域の商店街を練り歩き、園や子どもへの理解をしてもらうよう取組み、近隣の方から七夕の笹をもらったり、商店街のお花屋さん、八百屋さん、お肉屋さんで買物をする等、地域の人々と交流を持ち、子どもの社会体験の場を広げ社会性を育んでいます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

小規模園という特性を鑑み、複数の中学生の体験学習等の受入れが困難な状況はありますが、高校生のインターンシップは毎年受入れています。受入れや協力に関する方針とマニュアルは作成され、職員に周知がされています。今後、少人数で希望があれば受入れる意向を持っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の社会資源として、幸区こども文化センター、隣の塚越相談室、警察署、消防署等を始め、児童相談所、療育センター等と連携を図り、活用しています。地域の社会資源の1つとなる保育所として地域に貢献しています。幸区主催の実務担当者連絡会や要保護児童対策地域協議会等に出席し、情報交換及び相談をしています。職員に対しては、年に1度虐待に対する園内研修を実施し、実際に虐待ケースに遭遇した場合の手順・通報方法等を周知しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

物理的な状況から園庭開放は実施していませんが、園見学等の来園時には子育ての悩み等を聞く機会を設けています。また、幸区主宰の子育て交流「バンビひろば」に職員を派遣し、園で行っている手あそびや紙芝居等を楽しんでもらう他、参加した保護者の育児相談も受けています。園では、保育園等に通っていない子ども・保護者へ、園行事に参加を呼びかけ、育児の孤独感を払拭し、保育園を身近に感じられるような取組を始めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

子育て交流「バンビひろば」への参加や、園の様々な行事に地域の方を受入れ、地域社会における福祉向上に向けて、公益的な活動を行っています。園庭横の倉庫は、設立当初、地域住民から要望を受け、防災倉庫を設置し、災害時には利用者の安全確保と地域住民の方への支援が実施できます。さらに災害時において、地域の社会資源として、地域との連携・協力に関する事項を決定し、職員への説明や必要な研修等、備えを計画的に確保しておくと尚良いでしょう。今後、地域と関わりを深め、園の理解を得ることやコミュニケーションの取組に期待します。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針に、子どもを尊重した保育の実施について明示し、職員は理解し実践しています。また、園内研修で「子どもの人権」について学ぶ機会を持っています。子どもが互いを尊重する心の育みとして、人種、性別、宗教、出自等、世界には異なる独自の文化形態があることや、絵本等を用いて色々な人がいることを教えています。外国籍の家庭の子どもも在園しており、子ども、保護者へ生活習慣や文化の違い等も知らせています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護について規程・マニュアルを作成し、プライバシーに配慮した保育が実践されています。在園児及びそのご家族のプライバシー保護に関して、園の安全計画に盛り込み、園関係者に対し周知・徹底しています。また、保護者に対しても、他の利用者家族に関するプライバシーの保護に関して入園時に説明し、同意書を得ています。園児のプライバシー保護では、おむつ替えの際等に他児の目に触れる事のないように配慮し、人の目に触れる場所での着替えをしない等、配慮しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

当園の特性等を紹介した情報提供については、主に園や法人のホームページを活用しています。また、区の保育所紹介動画等でも情報提供を行っています。来園者にはパンフレット等を配布し、丁寧に説明を行い、保護者の質問・疑問等に答えるよう努めています。また、園内の図書コーナーにパンフレット等を設置し自由に持ち帰ることができるようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園前の説明会、入園式等で、重要事項説明書を用いて保育所の内容を説明しています。保育の開始に関しては保護者等の意向に配慮しています。保育内容、園の改修及び、園の選択に資する重要事項等で変更がある場合は、利用者(子ども及び保護者)に不利益が発生しないこと、変更による保育の変化について十分説明し、同意を得た上でその内容を書面に残すと良いでしょう。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

卒園児に対し、卒園後も園に遊びに来るように伝え、夏まつりや運動会等の行事案内のメールを送り、来園を呼びかけています。卒園後も子ども・保護者が園に遊びに来ることを歓迎し、その折に現在の様子を聞いたりしています。今後、保育所等の変更を行う場合、引継ぎや申送りの手順、文書の内容等を定めておくことが必要です。また、園利用終了後も子どもや保護者等が相談を希望した場合のために、担当者や窓口を設置し、子どもや保護者等に伝えておくことも保育の継続性を確保するための対応策であり、口頭だけでなく、書面等で伝えることが必要ですので、これらの取組に期待いたします。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

懇談会の中で保護者の意見を聞く機会を持ち、個別の面接等でも利用者満足を把握しています。また、様々な行事において保護者アンケートを実施し、行事後に職員へ回覧し次回に生かせるよう職員会議等で検討しています。子どもの満足、保護者に対する利用者満足に関する調査結果等については、具体的な保育の改善に結び付けるよう、組織的な仕組みを整備することが求められます。この仕組みが機能することで、子どもの満足に対する職員の意識向上につながり、全体で共通の問題意識の下に改善への取組が行われるよう期待いたします。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決体制を整備し、苦情解決の仕組みが掲示され、保護者等に説明しています。意見箱を設置していますが、具体的な苦情が投書されることは少なく、直接、園や行政に発言されるケースが占めています。苦情を受けた場合は、職員会議等で共有及び検討し対応の決定を図り、申し出の特定がされないよう配慮した上で、事務所前の掲示板に公表します。苦情内容については、記録を適切に保管しています。さらに、苦情解決や苦情内容への対応を通じて保育の質の向上に関わる取組が期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べやすい場所の設定については、事務室にて、送迎の保護者等から見られないようパーテーションを設置しドアを閉めて安心して話ができるよう配慮しています。保護者の相談や意見に関して、複数の相談相手が用意されていることを懇談会資料やチラシ、園内掲示等で周知しています。保護者の面談については、基本的にクラス担任が行いますが、希望により園長、コーディネーターで対応できるよう体制を整えています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

日常的に送迎時に保護者へ声かけを行い、相談や意見が述べやすいように配慮しています。相談や意見を受けた場合は、適切に対応できるよう、内容の記録の方法・報告の手順、対応策の検討等のマニュアルを整えています。保護者からの相談や意見は、職員会議やリーダー会等で周知を図り、改善に努め、必要に応じて職員間で検討し、改善後に保護者と面談または、直接報告する場を設けるようにしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関して、特に委員会は設置されていませんが、責任者の明確化を図り、職員会議等で緊急検討・対応に努めています。事故発生時マニュアルを作成し、年度初めの園内研修等で周知しています。ヒヤリハットについては、件数が多い、緊急度が高い等の場合には職員会議で検討し、防止策の検討、改善、再発防止策の実施に努めています。リスクマネジメントの外部研修を受講した職員は研修報告を行い、資料を回覧して共有化を図り、安全確保・事故防止に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の予防と発生時等の対応マニュアルを作成し、職員に周知しています。法人系列園に看護師が在籍しており、いつでも相談できる体制下にあり、通常は、主任保育士が役割を担っています。主任保育士は、保健の研修等に参加し知識を学び、系列園の看護師と連携して衛生面、疾病対応・管理に努めています。職員は、保健、子どもの健康について都度、主任保育士に報告し対応等について助言を得ています。感染症については、年度初めに懇談会資料に記載及び配付を行い、保護者へ周知を図ると共に、園内感染が発症した際は園内の掲示板で周知しています。各クラスに、空気清浄機やオゾン発生機等を設置し、玩具の消毒には除菌ボックス(UVライトの消毒機)にて使用後は消毒を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害対応マニュアルや安全計画、業務継続計画(BCP)に、災害時のマニュアルや役割等を記載し、不慮の災害対応に努めています。年度別防災計画を作成及び消防署に提出し、避難訓練は毎月実施しています。また、職員がいつでも確認できるよう各クラスにマニュアルを設置し、子どもの安全確保に努めています。災害における備品類等は備蓄リストを作成し、整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人・園では、ポジティブ保育を実践し、「保育の質の向上と子どもの発達」からポジティブ・ケア・ギビング(心理学の考え方)を導入し日々の保育に生かしています。様々な研修(ポジティブ・ケア・ギビングは法人研修)に職員が参加し、そこで得た知識等を研修報告により職員間で共有し、それぞれのクラスに応じた内容を積極的に取入れ、取組んでいます。また、全体的な計画を策定する際、ポジティブ保育のチェックリストを活用して組込み、期末に自己評価で振り返りを実施しながら進めています。漸進的な考え方で保育を進めており、保育実践が画一的なものとなっていません。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアルを完備し、日常の保育活動の標準は定まっています。実施した保育の振り返りについては、週日案、月案、期、年度の区切りで詳細に反省すると共に、反省内容を今後の保育に生かしています。職員からの意見等を法人幹部会に吸い上げ、法人全園的に検討・改善を進めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画及び年間指導計画、各年齢の年間指導計画までの展開は職員会議でオーソライズされています。各年齢の年間指導計画展開については、各クラスのリーダーを中心に行っています。各年齢の年間指導計画の詳細内容、月案、週案については、各クラスでアセスメントを行い、子どもの状況に合わせた保育ができるよう、自己評価項目を生かして翌月の立案をしています。結果は適宜、職員会議で報告し園としてのコンセンサスを図っています。障害児については、個別の指導計画を作成し、毎月振り返り、評価を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画を見直した内容は、職員に周知をする手順を定めています。突発的に計画を変更する時には職員同士で確認し合い、園全体に関わる際には臨時職員会議を招集し、変更を伝えたり、了承を得ています。保護者に対しては、園の掲示板や、アプリでの配信等で伝えるようにしています。さらに、指導計画の評価・見直しに関する手順を定め、時期の設定や記録の方法、指導計画変更の手順及び周知の方法等が明示されていれば尚良いでしょう。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

園内に複数台あるパソコンを共有サーバーでつなぎ、どのパソコンからでもアクセスできる仕組みを取り入れ、園内に限らず、法人全体の共有サーバーも整備して情報の共有化を図っています。記録に関しては、記入の仕方が統一できるよう、書き方の見本をクラスに配り周知すると共に、毎月園長、主任で書類を確認し手直しする等、指導をしています。職員間での情報共有において、職員会議の議題に「クラスからの伝達」項目を設け、各クラスの状況が共有できるよう工夫しています。緊急の場合は事務所にある「メッセージボード」を活用し、仕組みを整備しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報に関わる書類については鍵のかかるキャビネットに保管しています。管理責任者は園長とし、入園時に個人情報使用同意書等について丁寧に説明し、保護者から同意書を得ています。職員には入職の際の研修等で守秘に対する教育を行い、誓約書を交わしています。各クラスへ保護者の目につくところに個人情報に関わるものを置かないよう周知・徹底しています。個人情報保護については、個人情報保護委員会から公表された「ガイドライン」等への理解と、職員への周知及び研修等の取組を期待いたします。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は理念、保育の方針等に基づき、法人全体で作成しています。原案に沿って園の地域性、家庭の実態に応じて修正及び決定したものを全体的な計画とし、年度毎に見直しをしています。全体的な計画は、保育に関わる職員が参画して作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

保育室の環境設定については、同じ保育室でも年度によって、子どもの動き、時期を考慮して各担任保育士が検討し、模様替えを行い、子どもが心地良く過ごせるよう配慮しています。寝具については定期的に日光に当て、年1回は業者による布団乾燥を実施しています。園の課題は、空間を広く使っている良さの反面、一人になれる小さなスペースを作るのが難しい状況があり、子どもの特徴による区切り等が課題であると認識しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的には一人ひとりの子どもの状態に応じて保育を行っています。子どもを受容し、子どもの状態に応じて感情的な関わりをしない保育ができています。1年齢7名定員(0歳児のみ5名)で、月齢差、発達差のあるケースもあり、特に0歳児、1歳児では、0歳の遅生まれと1歳の早生まれでは月齢差による成長具合が殆ど変わらないケースや、4歳児、5歳児は団体生活が大切な時期であり、一緒に生活することでより大きなグループを形成できる等、園では2歳ごとの異年齢児保育を加えた保育を実践し効果を上げています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

年齢や発達状態、一人ひとりの子どもの家庭での生活状況や生活リズムを考慮し、それぞれに合った働きかけ方で接しています。早朝保育を利用する子どもにおいて、起床時間が早い場合、無理なく横になれるよう声をかけたり、布団を敷く等、個別に家庭環境等に配慮しています。生活習慣の取得については、個々の子どもにとって適切な時期に援助し、分かりやすい方法・やり方等を示し、自分でできた達成感を味わえるよう援助しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

気温の上昇や光化学スモッグ等の現象を考慮し、戸外遊びは朝早い時間帯に園庭に出て遊ぶ等、体に負担がかからないよう配慮をしています。また、涼しい時間帯に散歩に出かけ、自然に触れたり、他園と交流を図る機会を作るようにしています。年長児は、近くの商店街に買い物に行く等、社会体験を通して、地域の人々との触れ合い方等を身に付けるようにしています。環境を見極めつつ、子どもが主体的に活動できる環境に配慮しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児が過ごしやすいよう生活と遊び、環境作りに工夫しています。入園時に保護者から得た情報を基に、子ども一人ひとりの特徴を把握し、配慮して保育を行っています。職員は、子どもの表情を大切にし、応答的な関わりを行い、発達過程に応じて必要な保育を実施しています。特に0歳児が安心して保育士等と愛着関係、情緒の安定が図れるよう、入園後も保護者との連携を密にし、家庭・園共に愛着関係の醸成を中心としながら、成長が促されるような関わりを心がけています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児の保育においては、一人ひとりへの愛着関係を大切に関わり、集団での保育としないよう心がけています。また、子どもが安心して遊びを中心とした自発的な活動ができるよう、関わっています。この時期は自我が芽生え、イヤイヤ期に突入し、自己主張が明確になってくるので、それを否定することなく受け止め、気持ちを尊重して保育に当たり、友だちとの関わりにおいても仲立ちをするよう配慮しています。連絡帳や、送迎時の保護者とのやり取りの中では、保育で気づいた場面や出来事を伝え、家庭での様子等、丁寧な連携に努めています。また、クラス内で子どもの状況を共有し、児童票に記載しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児において、3歳児の保育では、遊びを中心とした興味関心のある活動に取組めるよう、適切に関わっています。4歳児の保育に関しては、自分の力を発揮しながら、友だちと遊びや活動に取組めるよう環境に配慮しています。5歳児の保育については、一人ひとりの個性を生かしながら友だちと協力して一つのことを成し遂げられるよう、保育士は適切に関わっています。また、法人系列園の年長児と交流を多く持つ事で大きい集団に慣れる機会を作り、顔見知りを増やすことで就学への不安軽減を心がけています。さらに、幸区内の同じ小学校に就学する保育園と交流をすることで、就学への期待につなげています。異年齢の子どもたちと過ごす中で、日常的に年下には思いやりを、年上には憧れを持てるような取組を行っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

個別の指導計画を作成し、クラス等の指導計画と関連づけています。園では統合保育として、障害のある児は他児と一緒に活動し共に生活する体制であり、障害のある子どもが過ごしやすい環境を特別に整備はしていませんが、該当児が安心できるような仕組みを模索しながら、共に成長できる生活環境に配慮しています。入園時には、保護者・子ども、担任保育士、園長と面談を行い、障害特性等についてヒアリングを細かく行い個別計画につなげています。また、定期的に面談を行い、家庭との対応方法等の理解・共有を図っています。地域療育センターとは保護者が直接、相談助言を受けています。必要に応じて、医療機関や専門機関と連携を図ることは、障害のある子どもの発達を支える、状態に応じた保育を行う上でも重要ですので、今後、相談や助言が受けられるよう連携を図っていくよう期待します。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1日の生活を見通して、その連続性に配慮し、子ども主体の取組としています。特に、在園時間の長い乳児については、午前寝・夕寝を行えるよう生活リズムに配慮しています。園では、1年を通して異年齢児保育を実施しており、互いの年齢集団において無理をすることなく、必要に応じて2クラス同じ活動の実施や、それぞれ個別の活動を行う等、臨機応変に保育に当たっています。子どもの状況については、クラス内でノートの活用や、事務所のメッセージボードを活用して引継ぎを行い、職員間で伝達漏れのないよう留意しています。保護者への連絡については、連絡帳や口頭で必要な情報を伝達できるよう連携に努めています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

就学のアプローチ段階において、幸区の幼保小連携事業に年長児の担任が出席し、得た情報を保護者懇談会や個別に伝え、保護者が就学への不安軽減、期待と見通しが持てるよう配慮しています。小学校との交流では、昨年度から交流が再開し積極的に参加をしています。就学前には、進学先の小学校と連絡を行い、園児の様子や気にかけて欲しいこと等を伝え、園での様子等については、担任が保育所児童保育要録を作成し、就学先に提出しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康診断、歯科健診は定期的に実施し、健診ではない月でも気になる事項があれば園医に診てもらい相談をしています。一人ひとりの子どもの健康状態については、職員間で情報共有を図っています。健診結果については、今年度からアプリを用いて保護者に伝える方式に変更しスピーディーに周知が図れています。SIDS(乳幼児突然死症候群)については、職員は園内研修で共通認識を図り、睡眠時に定期チェックを行い、十分配慮をしています。保護者へは懇談会資料にSIDSに関するプリントを配付し、危険性と日常の対応方法について情報を提供しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科健診の結果は記録し、関係職員に周知し保育に反映するようにしています。保護者へは健診等結果をアプリで伝え、家庭での生活に生かすよう促し、特に、再診等の結果の場合には、通院の指導をしています。また、定期的に2歳児以上の子どもに保健指導を行い、分かりやすく関心が持てるよう援助しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギ―疾患のある子どもに対して「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、適切に対応を行っています。食物アレルギーの除去食の開始の際は、必ず医師の指示書を提出の上、保護者同意の下で実施しています。また、医師の指示書と保護者のヒアリングを基に園長、担任、調理担当者と情報共有を図り、提出された申請書の内容を一覧にして各職員に周知し共有をしています。除去内容の変更の際も職員会議等で全職員に知らせ、会議録に残しています。また、職員に対して、アレルギー疾患、慢性疾患や具体的な対応等について、研修の機会を設けています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育の「食を営む力」の育成に向けて、食に関わる体験を持ち、保育士が楽しく食せるよう声かけをしたり、食べることが楽しみとなるよう食育活動等を行っています。乳幼児期に相応しい食生活を展開し、適切に援助が行われています。また、発達に合った調理方法、栄養バランス等、一人ひとりの子どもに配慮が為されています。子ども自身の適量は3歳頃から徐々に判断できるようになるため、保育士が事前に量を調整したり、無理のないよう提供し、完食の達成感を味わえるよう食に対する前向きな気持ちを育んでいます。離乳食においては、担任保育士と調理担当者で定期的に話し合い、一人ひとりの発達に合った形状等や家庭での離乳食の進み具合等を把握しながら移行しています。保護者に対しては、その日の食事を玄関前に展示し、献立や量を知らせています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月、献立会議を実施し、各クラスの喫食状況を調理職員に伝え調理の工夫・改善につなげています。園では、自園調理にて給食を提供しています。食材は地域の商店を活用して旬の食材を採り入れ、季節感のある献立となるよう配慮しています。夏野菜等の栽培や、商店に子どもたちも一緒に買い物に行く等、食への興味関心につながるよう取組んでいます。各クラスの喫食状況は、保育日誌記載の他、検食簿に文書で残し職員間で共有しています。保護者には入園時に「食材リスト」を配布し、家庭で食したことがない食材は先ず家庭で試してもらってから提供するようにしています。栄養士、調理師は子どもたちに食育活動を行い、年度末には卒園する年長児の好みを聞き、「リクエスト献立」を取入れる工夫をしています。衛生管理の体制は整備され、継続的に取組んでいます。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

0歳児~2歳児クラスは家庭と連絡帳にて、その日の子どもの様子等を伝え合い、相互理解を図っています。3歳児クラス以上は簡易的な連絡帳を使用し、保育室前にホワイトボードを設置してその日の活動を伝え、送迎時に口頭でも様子を伝えるよう心がけています。保育参加、保育参観(希望制)を実施し、保育の意図の理解、子どもの発達や育児を共に考える機会を設けています。乳児は基本的に保育参観とし、3歳以上児のクラスは保育参加を促し、直接子どもと触れ合う機会を働きかけています。保護者とは、必要に応じて個人面談を実施し、面談記録を残しています。さらに、記録する内容について職員間で標準化を図るよう取組むと尚良いでしょう。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別面談にて保護者の思いや、園に対する意向、不安や悩み等を聞く機会を持つ他、日々の連絡帳、日常のやり取り、個人面談月間等を設けて支援を行い、担任保育士、または園長、主任と話す機会等で家庭と連携を図っています。面談実施時には、面談記録を記入し文書を残しています。職員は、日常的に保護者とコミュニケーションを取ることを心がけており、全職員が全園児、全保護者の顔と名前が一致して声かけを行える体制であり、担任以外の子ども・保護者とも気兼ねなく会話ができる風土があります。保護者から相談を受けた保育士等が適切に対応できるよう、助言が受けられる体制を整え、組織として保護者を支援する体制づくりができています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待等権利侵害に関するマニュアルを用意し、園内研修や幸区主催の虐待についての研修に参加し学びを得ています。毎年、「川崎市児童虐待対応ハンドブック」を幸区役所から配布され、職員へ回覧及び周知をして意識を持つよう促しています。虐待等権利侵害が疑われるような場合には、幸区児童家庭課や児童相談所、警察等の関係機関と連携体制を整えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は年2回、保育の計画や記録を通して自己評価シートにて自らの保育実践の振り返り(自己評価)を行っています。保育実践の改善や専門性の向上を図り、資質向上に取組んでいます。保育士の保育実践の振り返り(自己評価)は、個別に行うだけではなく、職員相互の話し合い等を通じて行い、一人では気づけなかった保育の良さや課題の確認につなげていくと、学び合いや協働の基盤を作ることにつながりますので今後、取組に期待いたします。さらに、保育実践の振り返りが保育内容の改善に生かされているか、園全体の自己評価につなげ、組織的・継続的に保育の質の向上に向けた仕組み作りに期待します。