社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

ら・すてら上和田

2023年02月06日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ら・すてら上和田
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)
設立年月日 2020年08月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人県央福祉会
③ 理念・基本方針 〇 法人の理念
  1 ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します。
  2 先駆的で開拓的な事業を目指します。


〇 事業所の方針
・ 神奈川県、大和市の方針に則り、障害者総合支援法の理念である、三障がいの一元的支援と地域生活移行を障がいの特性や障がい支援区分に基づき、人権の尊重とサービスの向上を図り、利用者さん主体の適切な支援に努め、利用率アップと選ばれる事業所作りをめざします。
 ・所長始め中間管理職は、利用者さんが元気で明るく活動し、モノづくりを行い、魅力あるプログラムに取り組みます。事業所は現状遂行状況を正しく把握するために、SWOT分析を行います。障がいを持つ当事者およびご家族からの相談に応じる等地域生活支援を積極的に推進するため関係機関に働きかけることを運営の基本に置き地域との共生を目指す事業をすすめます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 ・車いすを利用している方が入居するのを想定したホームなので、ホーム内は完全バリアフリーとなっています。廊下やトイレ、浴室には手すりがついています。廊下の手すりは、リハビリでつかまり歩きやつかまり立ちで使用しています。トイレや浴室の手すりは便座やシャワーチェアへの移乗を想定していて、自立支援を目的に設置しています。
・訪問リハビリや訪問看護、訪問診療と様々な関係機関の事業所が出入りをしていて、ホーム内での課題や身体機能の細かな確認を共有することができます。
・日中支援型ということもあり、短期入所が併設されています。女性フロアにあるため基本的には女性利用者さんの受け入れを行い、ご家族やご本人のレスパイトに利用して頂いています。
・個別支援計画書は誕生月で作成をしています。14名分の支援計画書の作成や取り交わしを分散することで、毎月の会議で個々の支援計画書をじっくりと話し合うことができています。取り交わしの面談も分散されるため、個々のニーズや話しをじっくりと聞き取ることができています。
・毎週水曜日は移動スーパーがきていて、普段お一人で買い物にいけない方も買い物を楽しむことができています。お一人で買い物が困難な方は移動スーパーの方が付き添い支援をして下さっているので、地域の資源を使って自立した生活を送る経験ができています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2022年05月16日
終了:2023年01月05日(評価結果確定日)
受審回数:-回(-年度)
⑥ 総評
◇ 特長や今後期待される点
1)ヒヤリハットの積極的収集により事故防止を行っています
今年度は事故防止に向け、職員に対してヒヤリハットの積極的な事案提出を推奨しました。その結果上半期で278件と法人内で第1位の提出数となり、職員のヒヤリハット提出への意識も変化しました。提出方法は、常勤は記録ソフトへの入力、非常勤は手書きを可とし、出しやすい方法で実施できるようにしています。毎月の事業所会議ではヒヤリハットについて振り返りを行っています。出された案件についてどう取り組んでいくか、重大事故に繋げないための工夫を事業所全体で話し合い、共有しています。

2)標準化・見える化によりサービスの質の向上に努めています
業務手順書を作成し、早番、遅番、日勤(土日)、夜勤用、とシフトごとに食事、排泄、入浴、服薬など主な業務、支援、留意点等を時系列に沿って明文化し、標準化に努めています。支援については、利用者の特性等に合わせた食器類の配列の画像をキッチンに貼り出す等の見える化をすすめています。作業においてもタオルの洗い方等について写真を使用した手順書を貼り出して標準化を図っています。また、こうした手順書に関しては定期的な振り返り及び更新をし、職員の経験値に関わらず最適な支援や業務の水準が確保できるよう取り組んでいます。

3)利用者の自立への支援に取り組んでいます
利用者の交際や同棲のニーズなど、性の問題について、事業所常勤職員での話し合いや、通所先、相談支援事業所との連携により取り組んでいます。同棲を希望する利用者に対しては、実現するために小さな目標を個別支援計画書に盛り込み、達成感を味わいながら更なる目標を掲げて段階的に支援しています。内部では利用者への性教育を予定しており、また職員の専門性の向上に向けては、利用者の性に関する支援をテーマとした外部研修へも派遣しています。本人の権利擁護を前提に、利用者の希望や自己決定、身体のリスクに対する安全への配慮、家族の意向など様々な条件を勘案しつつ、支援を積み上げています。

4)プライバシー保護のもとボランティアや実習生の受け入れが期待されます
グループホームは生活の場であることから、人権擁護やプライバシー保護の観点からボランティアや実習生の受け入れを行っていません。一方で職員との関係とは異なる距離感や関係性を求める利用者の声もあり、今後、「もっとラフに人と関わりたい」というニーズが高まれば、利用者満足度の向上につながる形でボランティアの受け入れを検討していく考えです。また、ボランティア等の受け入れにあたっては、利用者の権利や自由の尊重とプライバシー保護やリスクを勘案し、受け入れの枠組みを整理する方針です。地域と利用者をつなぐ柱としてグループホームに応じたボランティア等の受け入れや協力のあり方について更なる検討を期待します。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 開所して3年目がたちこのタイミングでの第三者評価はいい振り返りの機会になりました。開所後、職員の異動も多く慌ただしい中での支援になってしまっていたこともあり、実際に利用者さんの感じる満足度は低いことが改めて分かりました。今後は安定した職員体制の中で利用者支援を行い、行事などを企画しながら楽しい生活が送れるように支援をしていきたいと思います。
地域の中で生活をしていますが、まだまだ認知度は低いです。「自分たちから地域に発信することが大切」とアドバイスも頂いたので、積極的に地域に発信していきたいと思います。
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

理念や基本方針等は法人ホームページや法人パンフレットに記載されています。事業所では職員の部屋や事務所に掲示し、いつでも確認できるようにしています。年2回程度、会議で読み合わせを行い、法人の理念や方針に沿った支援や運営が出来ているかを振り返り、利用者の呼称など人権侵害につながるグレーゾーンの関わりへの注意喚起を図っています。利用者・家族には、パンフレットやホームページの確認を依頼するほか、面談時に意見交換をしています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

毎月、大和市地域生活支援部会に出席し、経営環境の把握に努めています。事業所では毎月、利用率、人件費、人件費率を算出しており、収支の分析を行うと共に月次試算表を作成し、経営状況を法人に報告しています。毎月の事業所会議では試算表について所長から報告・説明を行い、今後の方向性を共有しています。求職者が少ない現状に対しては、常勤職員が地域にチラシを配布したり、作業所に配布を依頼した結果、職員採用につながり、派遣職員の割合の大幅減が実現しました。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

法人及び事業所の中長期計画が未策定です。事業所の単年度計画では、短期入所について「女性が安心して利用できる場所」として特化した結果、稼働率3割の目標を達成できました。残業時間は常勤1人月10時間以内の目標を平常時には達成、利用率85%の目標も達成しました。年度計画については進捗確認などの話し合いの機会が少ないと感じています。会議の場の活用などにより、ヒヤリハットの分析や「にこりほっと」の取組についてなど、事業計画に関する活発な話し合いを実現する仕組みを構築したい方針です。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

定期的な事業所会議のほか、フロアごとの会議の場を設け、利用者への具体的な支援方法など詳細な検討を行っています。また、業務手順書によるサービスの標準化により均質なサービス提供に努めています。今年度は事業所として、ヒヤリハットの積極的な事案提出を推奨しました。その結果上半期で278件と法人内第1位の提出数となり、職員のヒヤリハット提出への意識も変化しました。提出方法について常勤は記録ソフトへの入力、非常勤は手書きを可とし、出しやすい方法で実施できるようにしています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

現在、管理者を中心に利用者の性についての課題に取り組み、利用者の権利や希望、身体のリスクに対する安全への配慮、家族との関係等について事業所内で話し合い、通所先、相談支援事業所と連携しています。管理者は非常勤職員を含む現場の職員に感謝を言葉で伝え、積極的なコミュニケーションに努めています。また、定期的な機会を設けて支援の悩みや課題の聞き取りを行っています。会議では参加者全員が発言できるように配慮し、誰もが発言しやすい環境づくりに努めています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

ワークライフバランスに配慮し、業務の見直しによる職員の負担軽減に努め、業務の標準化やフレキシブルな勤務形態とすることで常勤の残業時間の偏りをなくしました。人材育成では、主任がメンターとなり新人のフォローアップを図り、常勤による夜勤のOJTにも力を入れています。今年度の事業所の重点課題は、障害特性を考慮した統一した支援の構築としています。外部研修は法人や県からの情報に基づき、管理者が事業所の専門性を勘案し職員の派遣を決定しています。直近では高次脳機能障害や性に関する支援をテーマとした研修へ職員を派遣しています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

大和市障害者自立支援協議会地域生活支援部会では、高齢障害者の介護サービス利用にあたり、障害の知識や支援経験のない介護系スタッフに理解を深めてもらうため、ケアマネジャーとグループホーム職員の情報交換やグループホームの見学を企画しており、協力する方針です。地域との関係では、スタッフがスーパーマーケットに声をかけ、事業所の駐車場での移動スーパーの定期的販売が実現し、店員や地域住民との接点が生まれました。生活の場であることから地域に向けて印刷物等による積極的な情報発信は行っていません。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

通院帰りの昼食や買い物、ガイドヘルパーの利用による外出、電動車いすを利用してカップルでの外出など、利用者個々のニーズに応じた社会資源の利用や外出を楽しんでいます。グループホームは生活の場であることから、ボランティアの受け入れは行っていませんが、今後、職員との関係とは異なる距離感や関係性の中で、気軽に他者と関わりたいというニーズが高まれば、利用者満足度の向上につながる形で受け入れを検討していく考えです。地域に向けては自治会を通じてAED講習会の実施や災害時のガスボンベによる自家発電機の提供等を検討中です。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

入職時に倫理行動綱領、マニュアル、事業計画書、ガイダンス等をまとめたファイルを一人一冊渡して研修を行っています。その後も会議のたびに持参し、理解を深めています。研修等で得た情報は、必要な場合は職員全員に情報提供をしています。また、利用者のプライバシー保護に関しては事業所会議で不定期に議題として取り上げ、見学者等の訪問を事前に利用者へ伝える等マニュアルにより職員へ周知を図っています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

法人が作成しているパンフレットとホーム独自のパンフレットを併用し、詳しくわかりやすい資料で丁寧な説明を行っています。事業所内のルール変更等、重要事項の変更の際には利用者及び家族に対して資料に基づき対面で説明を行っています。家族との対面が困難な場合には電話で説明し、変更の同意を受けたうえでその内容を書面に残しています。地域生活への移行を希望する利用者に対し、移行後の福祉サービス等の継続性に配慮した取組が出来るよう検討中です。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

モニタリングの際に個別に聞き取りを行ったり、「みんなの声BOX」という意見箱に寄せられた意見を事業所会議で共有していますが、定期的な満足度調査を行うには至っていません。「みんなの声BOX」に寄せられる意見も減ってきており、利用者の満足度・意見や意向の把握が課題です。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

苦情受付担当者、責任者、第三者委員の顔写真入りの苦情解決ポスターを食堂に貼って利用者に周知しています。苦情内容及び解決結果等は公表していません。利用者や家族が相談したり意見を述べることが出来る旨を記載した文書を、わかりやすい場所に掲示することについての取組は十分ではありません。「みんなの声BOX」という意見箱に寄せられた苦情や意見は事業所会議の議題に挙げて、内容についての検討をしています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

今年度は積極的にヒヤリハットの案件を職員から集めています。出された案件についてどう取り組んでいくか、重大事故に繋げないための工夫を事業所全体で話し合って共有していますが、話し合いに参加できていない職員との共有が十分ではありません。感染症対策については法人内での取組に沿った管理体制で、マニュアルに沿って行っています。職員にガイドラインを渡していますが、勉強会を開いて共有することが十分ではありません。法人内共通の支援の手順書の中に災害時の緊急対応についてのマニュアルが整備されています。地域との交流を深め、互いに協力し合える体制づくりに取り組む努力が必要と考えています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

業務手順書を作成し、早番、遅番、日勤(土日)、夜勤用、とシフトごとに食事、排泄、入浴、服薬など主な業務、支援、留意点等を時系列に沿って明文化し、標準化に努めています。手順書には留意すべき個別支援計画の内容も反映されており、喫煙や飲水、転倒リスクについてなど、個別の留意事項を手順書の備考欄に明記しています。担当職員が行う事務処理関係の業務については毎月目安となるカレンダーを用意しています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

「アセスメント表」に基づき、ADL、「エコマップ」、経済状況、「利用者の希望する生活」など、アセスメントを行っています。個別支援計画のほか、強度行動障害のある利用者には別紙で計画シートを作成し、特性に応じた支援につなげています。計画作成は利用者の誕生月に、モニタリングは6ヶ月後に実施しており、特定の時期に集中することなく、年間を通じて丁寧な協議が可能です。個別支援計画及びモニタリング、身体拘束の同意書作成に漏れがないように、早見表を作成し、組織的・計画的な仕組みを構築しています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

記録やヒヤリハットは法人内で統一化された記録システムを使用し、全事業所で閲覧できるため、同一法人内の日中施設とグループホームで日々の利用者の情報を共有しやすい環境となっています。ケースファイルには日々の個別記録や面談記録などを保管し、職員はいつでも閲覧可能です。法人は「個人情報保護規程」を定めています。契約時には「個人情報の提供について」という書面により、提供する情報の範囲、提供先、提供条件を明記した同意書の説明を行い、利用者から同意をもらっています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

個別支援計画に基づき利用者の要望を可能な限り尊重し、支援に努めています。コロナ禍により月1回開催していた利用者会議が中止となっているため、職員が利用者から個別に意見を聴取していますが、意見をまとめるには至っていません。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

事業所会議の中で定期的に虐待防止法、虐待にあたる行為について読み合わせを行っています。法人内外で起きた事故や権利侵害を共有し、改善につなげるように意識していますが、事業所会議に参加している職員と参加できていない職員で理解度に差が生じています。また、本人や家族には入所時やモニタリングの際に、虐待にあたる行為について具体例を挙げて説明しています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の日々の体調に柔軟に対応しながら、個別支援計画書に基づき個々の障害の特性に合わせた支援を心掛けています。会話による意思疎通が取れる利用者が多いため言葉に頼ってしまいがちですが、障害の特性により会話と内容理解とは別という利用者もいるため、職員個々の判断に任せるのではなく、見える化を進め標準化を図っているところです。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

利用者の多くは日中、通所施設等を利用しており、入浴時間は夕方以降に限られてしまうため、入浴と清拭を一日おきに行っています。食事については法人内レストランと外部業者に配食を依頼し、味のマンネリ化を防ぐとともに入浴介助の時間を確保しています。利用者個々の食器等の配膳の仕方を写真に撮り、キッチンに貼って見える化を図り職員間で共有しています。
A-2-(3)生活環境

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

共有スペースのテーブルは高さ調節が可能で、洗面台は車いすの高さに合わせて低く設置されています。3ヶ所あるトイレは便器やトイレットぺーパー等の位置などそれぞれ造作が違っており、使いやすいトイレを選んで使用できるようになっています。隣室のテレビの音量や会話等、音の問題については利用者同士が配慮、協力し合っています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

訪問によるマッサージや機能訓練を定期的に受けている利用者が数名おり、帰宅後の夕方の時間に集中しています。廊下の手すりを利用した歩行訓練時には他の利用者と接触しないように注意するなど難しい部分もあります。反面、専門家からリハビリに繋がる生活の中での動作指導を受けられるため、職員の支援の質の向上に繋がっています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

健康維持のため毎日、検温、服薬状況等について医療日誌に記載して把握しています。医師の指導により必要な人については血圧も把握しています。高次脳機能障害の利用者については、本人、家族、医療、事業所で連携した取組を行っている段階です。利用者全員に対する終末期を含めた計画、職員への研修が十分ではなく、課題となっています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

職員の提案により移動スーパーを迎えることが実現し、楽しみのひとつとなっています。店員とのコミュニケーション、お金のやり取り等貴重な体験の場にもなっています。また、入所者同士で交際している人もおり、成人ではありますが、近々性教育の機会を設けることを考えています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

少数ではありますが、一人暮らしや同棲を希望する利用者がいます。実現するために小さな目標を個別支援計画書に盛り込み、達成感を味わいながら更なる目標を掲げて段階的に達成できるよう支援しています。地域資源や外部との交流面が弱く、地域の防災訓練やイベント等に可能な限り参加して情報交換や交流が行えるような取組を期待します。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えている事)

家族等には利用者の状況報告等を定期的に電話で行っています。また、職員の顔写真を入れた文書を送り、顔と名前を覚えてもらえるようにしています。今後家族への情報提供は、事業所としての方針を決めて全体で取り組んでいく必要があります。

評価後のコメント<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:14名
アンケート調査対象:14名
ヒアリング調査対象:2名
①  アンケートで評価の高い内容と%
・グループホーム内で悩みを聞いてもらったり
 相談できる人がいる      75%(9人)
・グループホームでの生活に関する不満や苦情が
 ある時に、誰かに伝えることができる 75%
・職員・スタッフは丁寧な言葉で話してくれる
                   75%

②  アンケートで評価の低い内容と%
・グループホームでの生活について不満や苦情
(困っていること)がある   50%(6人)


③  調査全体でとらえた利用者の状況
・利用者の約半数は、グループホームの生活に不満や困っていることがありますが、8割近い利用者が、ホーム内で相談できる人がいたり、不満や苦情がある時に誰かに伝えることができています。
・伝える相手は、職員と答えた利用者のほか、第三者委員、と答えた利用者もおり、相談先として説明を受けていることが分かりました。職員に相談したら悪い、と職員に対する遠慮も感じられました。
・グループホームが好きではない、と答えた理由として、共同生活の中で、他の利用者と相性が合わないことに困っている利用者もおられました。
・グループホームでの生活では決められた時間内に動かなければならないため、窮屈に感じられる場合もあるようです。同様に休みの日にはゆっくり寝ていたいが、そうもいかないと、いう意見もあり、自分のペースで生活するのは困難な面もあることがわかりました。
・コロナ禍においては一人発熱者がでると居室から出られなくなり、コロナの影響が大きかった、と感じた利用者がいました。
 車椅子を使用しており、自由に外出はできないが、ガイドヘルパーと外出や買い物を楽しむ様子を話してくださる方もおられました。