社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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わおわお江ヶ崎保育園

2025年04月01日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 わおわお江ヶ崎保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(70) 名
所在地 〒230-0002
横浜市鶴見区江ヶ崎町21-6
TEL 045-582-8011 ホームページ http://www.waowao.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 わおわお福祉会
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:13 名
専門職員
保育士:17 名
看護師:1 名
管理栄養士:1 名
栄養士:1 名
幼稚園教諭:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:遊戯室
設備:医務室
設備:事務室
設備:乳児トイレ兼沐浴室
設備:幼児トイレ
設備:エレベーター
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
「ほめて、みとめて、はげまして」
~やる気を育て自分で考え行動できる子どもを育てる~

<基本方針>
1.保護者に寄り添い、安全安心な保育を実践します
2.子どもを地域と支え合い、社会に貢献します
3.職員がやりがいを感じ、充実感に満ち、情熱を持って働ける職場にします
4.保護者、職員、地域に選ばれる園を目指します

<保育目標>
1. 豊かな人間的ふれあいを通じて“人と人との信頼”の価値と尊さを身につけます。
2. 子どもの社会性を培い、人間性を育むうえでの“正しい習慣”を身につけます。
3.面白いね!ふしぎだね!すごいね!という体験を積み重ね“創造性の芽生えとやる気”を育てます。
4.“もじ・かず・ことばへの興味や関心”を育てます。
5.人と人とのつながりを大切に“元気で明るく、笑顔であいさつできる子ども”を育てます。
6.やさしい気持ちを養い、忍耐力・正義感・自制心をもつ、豊かな心を育てます。
7. 命の尊さを知らせ、慈しむ心と感謝の心を育てます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<わおわお江ヶ崎保育園の特徴的な取組>
1.系統的な研修計画のもとに、資質向上・キャリアパスを見据えた人財育成
2.保育指針を根底に、保育理念・園ビジョンに繋がる一貫性継続性のある保育実践
3.担当制保育における乳幼児期に重要なアタッチメント・応答的な保育の実践
4.ICTを活用し、業務効率を高め、ワーク・ライフ・バランスを推進
5.定期的なヒヤリングやアンケートを行い、職場環境の充実化を図る

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/06/04(契約日) ~2025/03/21(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【わおわお江ヶ崎保育園の概要】  
●わおわお江ヶ崎保育園(以下、当園という。)は、社会福祉法人わおわお福祉会(以下、法人という。)の運営です。法人は、運営方針に「選ばれる保育園」を掲げ、横浜市に6園、川崎市に1園、東京都大田区に1園の認可保育所を運営しています。また、学童保育「ワオキッズ」も川崎・横浜に15施設展開しています。保育理念「ほめて・みとめて・はげまして」の下、やる気を育て、自分で考えて行動できる子どもを育てる保育を提唱し、子育て支援の観点から、法人系列各園で地域の「子育てステーション」を目指しています。

●当園は、JR南武線「矢向駅」から徒歩15分程の住宅街に位置しています。位置的には、川崎市に近いのですが、鶴見川の東側にあり飛び地的に横浜市鶴見区となっています。矢向駅の他、新川崎駅への利便性もあり、マンションや一戸建て、集合住宅等が建ち並び、保育園も点在する等、子育て世代が多い環境です。園舎は鉄筋コンクリート2階建て、法人のテーマカラーでもある原色系のビビッドな色を基調とした外観・内装です。学童保育「ワオキッズ江ヶ崎園」も同施設内にあり、主に矢向小学校・新鶴見小学校の学童を受入れています。

●当園の定員は60名、0歳~5歳児までの保育を実施し、現在70名の園児が在園しています。園舎内は明るく広々として開放感があり、1階に0歳~1歳児の保育室、2階に2歳~5歳児クラスがあり、屋上園庭も有し、プール遊びが楽しめます。また、1階のルーフバルコニーには砂場が設置されています。全職員は、保育理念「ほめて・みとめて・はげまして」の下、子ども一人ひとりの成長に寄り添い、「おもしろいね!」、「すごいね!」と声をかけながら、「できた!」を一緒に喜び、みんなの笑顔が溢れる保育園です。  

◇特長や今後期待される点
1.【子ども主体の保育の推進】
保育理念「ほめて、みとめて、はげまして」の下、職員は常に「子どもが自ら考えたり判断して、意欲的に行動していたか」、「その子らしさが大切にされ、安心して自分の思いや考えを表現していたか」を保育実践の振り返りの中で共有しています。また、園ビジョンに「一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」を掲げ、日々の保育の中で子どもの表情、遊びへの意欲等を観察すると共に、子どもの話を聞きながら、子ども自身の満足を把握するように努めています。当園では0歳~2歳児クラスまで担当制保育を実施し、継続的に特定の保育士が応答的に関わることで、子どもの表情の変化を見逃さず、日々の成長に気づき、保護者と共に子どもの成長を喜び合う機会になっています。幼児クラスの各行事への取組では、子どもの興味・関心から、子どもの心「やってみたい!」、「挑戦してみたい!」を大切にし、理念に沿って言葉かけや援助を行い、子どもが「できた!」と喜ぶ成功体験につなげています。正に保育理念「やる気を育て自分で考え行動できる子どもを育てる」につながると言えます。今回の利用者(保護者)アンケートでも「一人ひとりに合わせた対応」、「子どもの気持ちに寄り添っている」、「丁寧な対応」、「子どもを大切にしている」等々の意見が多く寄せられ、保育に対する保護者の満足が窺われます。

2.【丈夫な身体作り】
当園では法人が推奨する保育・教育(知育、英会話、体育、食育、リズム遊び)に取組んでいます。中でも知育では、ガウディア保育理論から7つのカテゴリー(言語・流暢・数・空間・知覚・推理・連想記憶)を教材プリントで学習するスタイルを3歳児から行っていましたが、子どもの状況を鑑みて、机上の遊びをプリント学習ではなく、見て、触れて、感じる五感を大切にした教材や遊びへと転換しています。園の周りには自然豊かな公園があり、その日の目的や年齢構成によって散歩コースを選び、季節の変化を感じさせ伸び伸びと身体を動かして楽しんでいます。また、屋上園庭を活用した体育遊び(縄跳び、竹馬、プール等)にも取組んでいます。調査日は、1歳児が歓声を上げながら、保育士と駆け回って楽しんでいました。雨の日でもホールを活用し、体操・ダンス・リズム遊びを十分に行い、活動を通して汗をかき、お腹が空くリズムが作れるよう取組んでいます。また、年間を通して裸足保育を取入れ、土踏まずの形成を促し、バランスや五感を養うことにつながっています。インフルエンザの流行時期の最中、園内は感染もなく、各年齢の子どもたちは元気一杯で活気に溢れていました。

3.【食育活動の推進】
法人給食ビジョン及び園の給食ビジョンを基に、栄養士が食育年間計画を策定し、季節の食材や行事食の提供、クッキング活動、食事のマナーの習得等、子どもの発達に応じた取組を進めています。各年齢の保育士との連携も良く、月1回の給食会議では、栄養士、調理員、保育士が捉えた子どもの姿を通して「食事が楽しい!」と感じられるよう、それぞれの視点で意見を交わし、献立や調理法の見直しに反映しています。当園の献立は、栄養士が法人共通(郷土食)を取入れながら、独自で作成しています。旬の食材を使用するため地域の6ヶ所の業者から食材(米・肉・魚・牛乳・野菜・調味料等)を仕入れています。また、年長児対象に「おこめやさん」に米を買いに行き、玄米を精米機に入れて白米になる過程を見学し、買った米を研いで炊いています。調査日も「お当番」の子どもたちが上手にお米を研いで、炊飯器にセットし、炊き立ての美味しいご飯を給食で食べていました。地域の特定業者「やおやさん」の協力を得た「納品確認」では、野菜の名前・量・重さ・色・匂い等を体感した取組がユニークです。給食のモットーに「会いに来る給食室」を掲げ、朝・夕に子どもと保護者が給食室に顔を出す取組も好評です。今回の利用者(保護者)アンケートでも「給食メニュー(栄養のバランス)が良い」、「給食室の先生が食の相談に乗ってくれる」等の意見が寄せられ、満足回答率87%と高い評価を得ています。

4.【人材確保・育成への取組】
当園の運営上の課題として、「人材確保と育成」が挙げられています。この課題は、当園に限らず、保育園運営上に共通するものと思われます。当園は若い保育士が多く、明るく活力に溢れています。今回の利用者(保護者)アンケートにも「先生方が明るい」、「先生同士の仲が良い」、「アットホームな雰囲気」等の意見が多く寄せられ、職員のヒヤリングからも職員間のコミュニケーションが良いと感じられました。園長は、職員との対話を通して日々の保育を語り合い、「子どもの心を1番に考える園」でありたいという思いを伝え、チームワークを高めるよう取組んでいます。また、保育業務のICT化を図り、ワーク・ライフ・バランスに配慮した働きやすい環境作りに努めています。法人全体でも「働きやすい職場」になるよう中・長期ビジョンの1つに「人材確保と人材育成、職場定着に向けた取組の体制強化」を掲げています。法人が目指す「選ばれる保育園」に向けて、保育士からも選ばれる園となるよう今後の取組に期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 わおわお江ヶ崎保育園  
        
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
開園10年目の節目に第三者評価を受審できたことで、目まぐるしく進んでいく日々の中にも園としての小さな成長の積み重ねを感じることができました。法人の理念として掲げている「保育所保育指針を根底にわおわおの保育理念を実現する園」、目の前の子どもにとっての最善を尽くすため「日々自己啓発、研鑽をし続け、互いを高め合う園」であるために、今まで取組んできたことや今後も取組んでいくことについて改めて職員間で共通認識を図ることができ、とても有意義であったと感じています。今回、経験年数別のチームに分けて園評価に取組み、職員間での認識や捉え方の差が感じられたため、今後はより園全体で共通認識の持ち方を工夫し、目指す状態を具体的に掲げ、強みを更なる強みとして磨いていきたいと考えています。そして、今後も引き続き「地域で選ばれる園」を目指し、質の向上に取組んでいきたいと思います。

≪評価後取組んだこととして≫
1.利用者アンケート集計・分析結果をもとにグループディスカッションを行い、特に優先的に改善に取組む必要性が高いことを抽出。安全面の強化、衛生的な環境づくり等、来年度の事業計画に繋げた。

2.職員全体会議にて、評価報告書の内容を共有。「子どもを真ん中にして、職員間で連携を図り、目の前の子どもにとっての最善を考え、子どもの思いを大切にした保育を実践しようと日々取組んでいる」ことを改めて認識することができた。今後も「子ども主体の保育」について継続的に取組み、更に理解を深めていくと共に、地域の子育て支援を推進する園として、園の特長も打ち出していけるよう取組んでいくことについて話し合った。

3.令和6年度園の評価として保護者に周知。今年度の振り返りから来年度の取組としてどのように繋げていくかを共有することで、園への理解が深まる機会にした。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針については、法人で確立され、法人系列全園で周知されています。理念や基本方針は、ホームページ、リーフレット、入園案内(兼重要事項説明書)等に掲載されています。保育理念は「ほめて、みとめて、はげまして~やる気を育て自分で考え行動できる子どもを育てる~」と端的で覚えやすいフレーズでまとめられています。保育方針及び保育目標でも、どのような子どもに育てたいのかを分かりやすく、伝わりやすい言葉で表現しています。理念は、法人及び保育園の目指す方向を読み取れる内容であり、全職員が確認し、保護者に対しても入園説明会、見学会等で周知を図っています。毎月発行の園だよりにも理念を記載し、保育の視点・内容を伝え、保護者へ理解を促しています。今回の利用者(保護者)アンケート結果でも81%(知っていると回答)と周知率は高いと言えます。当園では、さらに既存の資料を分かりやすく工夫し、次年度の保護者説明会や職員向けの新年度スタート会議を行う等、周知率アップを図るよう取組んでいます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営の把握・分析は、主として法人が担っています。園長は、法人園長会議・鶴見区園長会議等に出席し、社会福祉事業の動向や国・県や市からの情報を入手し把握しています。当園が立地する地域の動向やニーズの変化、課題等については、地域の保護者と対話を通して把握し、内容は法人内で共有しています。保育にかかるコスト分析は、事務職員と行い、保育所利用率については、区の担当者と常に情報を共有しています。経営状況の分析については、法人と連携して助言を得て、適切な運営に努めています。今後も入所児の動向を的確に把握し、欠員が出ないように対応していくと共に、地域の各種福祉計画の策定動向と内容の把握・分析を課題と捉え取組んでいます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人本部で経営環境や保育内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の現状分析に基づき、具体的な課題を明らかにし、役員間で共有しています。中でも法人全体で、人材確保・育成を目的に「働きやすい職場作り」に取組んでいます。当園としても今後の改善すべき課題について、職員の意見を聞いたり、内容の検討をしたり等、職員同士の話し合いの場を設定し、職員同士の連携やチームワークの醸成につながるよう組織的な取組を進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にし、保育指針やガイドラインを反映した中・長期のビジョンを策定しています。内容は、「保育環境」、「保育実践」、「職員育成」、「保護者支援」を柱に、実現可能な目標を掲げて取組んでいます。また、年度末や必要な時期の振り返りを踏まえて、次年度の計画内容を確認し、目標の達成に向けて計画的な事業実施に取組んでいます。当園では、法人で作成した中・長期計画についての説明を行っていますが、今後は職員への具体的な内容の理解まで浸透させていくことが課題と捉えています。地域の「子育てステーション」を目指し、関係機関との連携を図り、子育てを支援する窓口となれるよう「子ども理解」・「保護者理解」への取組を継続・実施しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページで事業計画等、情報公開しています。法人の事業計画を踏まえて、園の単年度の計画を策定しています。事業計画に沿った単年度の計画として全体的な計画が策定され、各年齢の指導計画、行事計画があり、年齢別の保育目標、保育内容、家庭・地域との連携が盛り込まれ、園の独自性も反映しています。また、年間を通して実行可能な計画となるように、その年の利用状況や子どもの様子に合わせた職員配置・行事計画にする等、具体的な内容になっています。今後は、年度の終了時期に計画の実施状況を職員間で共有し、次年度の具体的な課題に職員が主体的に取組めるような仕組み作りが課題と捉えています。中・長期計画のビジョンの1つに掲げている「一貫性継続性のある計画に基づいた、子どもの主体性を高める保育の実施」に向けて、職員も主体的に取組めるような仕組み作りに期待します。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

園の事業計画として、全体的な計画、年間指導計画が挙げられます。事業計画は、中・長期計画及び昨年度末の職員・保護者による「園の自己評価」を全職員で取組み、その評価を基に次年度の計画を策定しています。各年齢の指導計画は、職員会議等で話し合い、周知から見直しまで行っています。事業計画に沿った年間行事等も職員会議にて評価・反省を行い、見直しや改善を図っています。また、今後の事業計画の実施状況について、保護者アンケート結果も踏まえて職員会議等で話し合い、これからの保育を考慮して次年度の計画・立案につなげています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画については、保護者に入園前説明会及び年度初めのクラス懇談会で、今年度の取組の概略を説明しています。内容については、行事計画に置き換えて分かりやすく説明し、理解を促しています。中でも保護者参加の行事については、具体的な内容を配布や掲示、口頭等で分かりやすく保護者に伝え、理解を得て実施しています。保護者への周知を図るための情報提供として、ホームページ、タブレット配信、園内掲示のお知らせ、園だより等を活用し、保護者との連携を図っています。さらに当園では、「どんな方でも」分かりやすい資料となるよう次年度の計画より工夫していく計画です。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

前回の第三者評価結果から、保育の質の向上に向けたPDCAサイクルが徹底される仕組み作りを組織的に実施しています。内容は、年間指導計画から月案・週日案を見直し、内容の改善を図り、子どもの成長の見通しを持った保育実践につなげています。当園の各年齢の指導計画は、定期的(日、月、期ごと)に評価・反省が記入され、組織的・計画的に行われています。また、年1回保育所の自己評価と保育士の自己評価を実施しています。さらに当園ではPDCAサイクルの検証を行い、C(評価・振り返り)からA(改善)が課題と認識し、次年度以降の重点事項として取組む体制です。具体的には、子どもの姿だけではなく、保育の質(適切な関わり・配慮、見通しを持った計画、職員連携等)に視点を持ち、良かったことも含め次の計画につなげていますが、職員自身が保育士(保育に携わる仕事)としてのやりがいを実感できることが重要事項と捉えています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

評価結果に基づき当園としての課題を明確にし、計画的に取組んでいます。具体的には、PDCAサイクルの機能強化と共に、職員間で「課題の共有」を図り、課題解決に向けて定期的に進捗状況を共有し合い、計画・実施しています。また、保育所の自己評価を毎年行い、職員の自己評価結果及び保護者アンケートを基に改善点について討議し、結果をまとめて文書化し、園内掲示で保護者に周知を図っています。今後に向けては、職員が課題を共有した時点で、各々がどのように参画・貢献できるのかを考え、主体的に取組めるような組織作りを目指しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長(園長)の権限と職務については、園の就業規則、管理運営規定、事業継続計画(BCP)上に明文化され、園長は自らの役割と責任を自覚して、法人の方針を受け、園の保育方針を職員会議で説明しています。当園の職務分掌で文書化し、職員への周知が図られ、園長は平常時のみならず、有事における役割と責任も職員に表明し、不在時の権限委任も含め主任が担うことを明確にしています。有事発生時の連絡体制等、保護者向けには、入園案内(兼重要事項説明書)で入園時に説明を行うと共に、園だより等を活用して周知を図っています。当園では、園長・主任における詳細な職務分掌表を作成し、各事象に備えた権限委譲を明記することで、園長・主任が園を留守にする場合も、職員が落ち着いて対応できるよう体制強化を図っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の運営規定や就業規則、個人情報保護規則に、園長が遵守すべき法令等に関する記載があり、理解を深めています。また、園長は法人園長会、鶴見区園長会、園長研修等で県や市と情報共有し、法令遵守や経営に関する情報を得ています。遵守すべき法令等の前提としての「倫理」については、保育士倫理綱領に則り、行動等を確認し合い、守秘義務や個人情報の取り扱いに細心の注意を喚起しています。中でも、守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、保護者には、入園案内(兼重要事項説明書)で丁寧に説明し、個人情報保護の観点から「個人情報使用同意書」に署名、捺印をもらい理解を得ています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、日常的に起こる様々なことを保育の質の向上につなげるチャンスと捉え、職員間での対話、相談やアドバイスを行う等、改善が図れるよう意欲を持って取組んでいます。また、指導計画や日誌等の確認を通して、現状や課題を把握し、主任と共有し、改善に向けた取組が実践できるようにしています。職員会議やクラス会議等では、職員が意見を述べられる環境を整え、意見を聞き保育の質の向上に取組んでいます。職員の意欲・維持向上については、キャリアアップ研修等への参加を促すと共に、習得した資格に応じて処遇改善を行っています。外部研修には、全職員が均等に受講できるよう体制作りを行い、各職種の質の向上を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、園における人員体制や業務内容、財務状況等の現状分析を行うと共に、法人と連携して人材不足解消に努めています。また、職員一人ひとりが主体的に考え、チームワークの中で自己実現が図れることが、組織全体の質の向上につながると考え、日々の業務に取組んでいます。園長は、「子どもの心を1番に考える園」でありたいという思いを貫き、職員との対話を可能な限り行ってきたことで、保育園の役割を正しく理解し、「子どものため」心を尽くす職員が増えてきていると実感しています。日々、保育を語り合う中でチームワークを高め、疑問や感じた問題を声に挙げ、目指す状態を共有しながら取組み、振返るという循環が、いい空気を作り上げています。引き続き経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を大いに発揮して行かれるよう期待します。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人で必要な福祉人材の確保・人員体制に関する基本的な考え方や、方針は確立しています。運営規程に明記し、採用案を法人内で検討し実行しています。法人の人事担当が、各園の勤務体制を基に人事体制の具体的な計画を策定すると共に、人材採用メディアサイト登録等、採用活動を行っています。また、ホームページや人材採用サイトで保育士の仕事内容を分かりやすく伝えると共に、待遇面についても細かく記載しています。採用後は、OJTやチューター制度、導入研修、キャリアパス研修等、育成に努めています。当園の現状は、常勤職員の平均年齢が30.5歳、平均在職期間が4年となっています。引き続き職員の定着につながるように、長く働いていたいと思える環境作りへの取組に期待します。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・基本方針に基づき、「期待する職員像等」を明確にし、人事基準(採用、配置、異動、昇進・昇格)を定めて職員に周知を図ると共に、人事基準に基づいて職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する貢献度を評価しています。園長は法人の評価システムを活用し、組織性、専門性、それぞれに評価ポイントを置いた人事考課を行い、定期的に振り返りの場を持ち、自己評価と他者評価のギャップを埋めながら、実現可能な目標を自らが立て、達成していくプロセスを上司と分かち合えるよう評価のフィードバックを行っています。また、職員との面談や年度末総括(職員の自己評価結果)を把握し、課題の改善策を園内研修や職員会議で検討しています。クラス配置については、職員の意向や職務遂行能力、OJT等を総合的に判断して決めています。キャリアアップ制度及び法人の待遇により、職員が、自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組み作りに取組んでいます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

人事労務管理に関しては、園長と事務員の協力の下、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況の双方のバランスを確認・実施しています。毎月、職員は希望の休暇を申請し、それを反映してシフトを作成しています。保育業務ではICT化を図り、保育事務の軽減につながっています。また、残業要因となる事務作業は、勤務時間内で処理するようにする等、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。職員の心身の健康と安全を確保し、快適な職場環境作りや新入職員に対するフォローアップに取組んでいます。園長は、面談を通して職員の意向等を把握し、必要に応じて相談対応しながら、働きやすい職場環境の整備に努めています。相談窓口については、現在は園長、もしくは法人本部の窓口(園担当職員)へ相談する仕組みとなっていますが、今後は主任も含め、どの職員も「相談しやすい」と感じられる組織体制を作るよう取組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

組織として「期待する職員像」を掲げて、職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っています。園長は、職員との対話や面談等を通して、一人ひとりの得意分野を把握し、助言を行い育成に努めています。職員の目標設定や目標達成度については、「人事考課表」を基に、年3回(年度初期、中期、年度末)アセスメントを行い確認・把握しています。また、必要に応じて職員面談を実施し、職員とのコミュニケーションを図ることが、人材育成の要として位置付けています。園長は、日々、積極的に保護者や職員に声かけを行い、コミュニケーションを図るよう努めています。今後は、各職員の明確な目標設定と、その目標達成に向けた定期的な評価、最終的な評価までをやり通すことが課題と捉え、次年度の目指したい姿まで見通せるような目標管理ができるよう体制作りに努めています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

業務マニュアルに「期待する職員像」が明示され、職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、実施されています。キャリアパス研修、年齢別保育研修、保護者支援研修等、法人全体で取組んでいる研修及び人権研修、心肺蘇生や食物アレルギー対応研修等の園内研修を併せ、保育の質の向上に取組んでいます。園外研修に参加する場合は、就業時間内に行くことができるように体制作りが成されています。研修後は、職員会議等で報告の機会を設け、知識や情報の共有を図っています。当園の研修計画は、年度ごとに職員の受講実績等を勘案し、策定しています。職員の能力アップを図ることにより、園全体のレベルアップにつながるように努めています。今後の課題は、継続的な園運営に関わる人材育成という視点で、年間で見通しを持った研修計画を明確にしていくことが必要と考え取組んでいます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況や知識・技術水準等は、入職時及びその後の研修受講履歴で把握しています。法人内研修として、導入研修、新任研修、階層別研修、子育て支援研修等、テーマ別に研修の実施があり、外部研修への参加も積極的に推奨し、必要な知識や技術を習得するためにバランス良く受講できるよう配慮しています。職員は各職位に応じた研修を受講することにより、キャリアアップにつなげています。また、法人共通の育成マニュアルがあり、職員の経験や習熟度に配慮したOJT制度、チューター制度があります。各研修で得た内容は、職員間で情報共有しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

法人の業務マニュアルに、保育に関わる専門職の研修・育成に関する姿勢を記載し、実習生受入れマニュアルを整備し、基本姿勢・受入れ手順・配慮事項等を明文化しています。マニュアルに則り、実習生受入れ担当は園長とし、養成校との連携を図り、実習生に事前オリエンテーションを行う等の体制が整えられています。全職員は、実習生、ボランティア、職業体験等の学生に対して、後進育成の観点から指導、助言、相談を行う姿勢を持ち、対応する旨を申し合わせています。しかしながら、コロナ禍以前は実習生の受入れがありましたが、近年は実習の希望者がいない状況です。法人として障害者雇用の観点から、障害者(高校生2人)を受入れたことはあります。今後も養成校との連携を図る等、積極的な取組に期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人や園のホームページに、理念、基本方針、保育の内容等を公開しています。法人は社会福祉法人であり、経営の概要を現況報告書や計算書類を含め、WAMNET(全国社会福祉協議会の福祉・保健・医療情報)にも情報を公開し、運営の透明性に努めています。保護者には、入園案内(兼重要事項説明書)やリーフレット等でも情報を提供し、入園説明会等で詳しく伝えています。地域に向けても交流の場を生かし、説明を行うと共に、積極的に地域と幅広くつながるよう努めています。苦情・相談に関しては、意見箱の設置、体制について公表し、いつでも意見が述べられるようにしています。園舎入口の掲示板には、行事案内等を掲示して情報を提供しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人経理規定等に基づき、事務、経理、取引、契約等の業務に関するルールを明記しています。法人本部及び系列園を含め、担当部署による内部監査を定期的に実施しています。また、当園の決算については、法人本部の経理担当が拠点ごとの収支計算分析表を作成し、毎年、横浜市の行政監査を受け、結果は法人に報告すると共に、指摘事項がある場合には改善を行っています。労務管理は会計事務所、社労士事務所等の協力を得て実施し、透明性を確保しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わり方については、基本方針「地域に選ばれる園」及び、中・長期目標「地域の他の団体との連携により、地域の子育てを支援する窓口となる」を掲げて積極的に取組んでいます。園舎前の掲示板に施設開放の情報を掲示し、地域で子育てしている家庭と交流の機会を定期的に設けています。入園希望の見学者には、積極的に対話の機会を設け、子育てに関する情報の提供や育児相談等を受けながら、気軽に園に遊びに来てもらうよう関係作りに努めています。今後の取組として、①町内会の行事に職員・園児が参加し、保育園の存在を知ってもらう。②施設開放等で園へ直接足を運んでもらい、気軽に子どもについての話ができ、同年齢の子どもの様子を見て一緒に遊ぶ経験 ③絵本の貸し出しを通して家での楽しい親子時間の作り方等、に向けて必要な聞き取りや情報提供を積極的に行う計画です。これからの子どもと地域との交流を広げる取組に期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

法人マニュアルにて明文化し、ボランティア、職業体験等の受入れに対する基本姿勢を整えています。受入れ担当は園長または主任とし、事前にオリエンテーションを行い、基本的な考え方や園の方針の説明、利用者への配慮、守秘義務等について理解を促しています。しかしながら、ボランティア等の受入れ機会がなかったため、受入れマニュアルの存在を知らない職員もいる状況です。マニュアルの周知と共に、理解を促す場を設けるよう計画・実施していく予定です。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

事故発生時等に受診ができる病院・医院や緊急時の消防署、警察署等をリスト化し、職員に周知しています。保護者には、入園案内(兼重要事項説明書)を配布し、周知を図っています。子ども一人ひとりの様子や家庭での様子等に変化があった時は、職員会議等で情報共有を図っています。障害児保育については、鶴見区役所こども家庭支援課・横浜市東部地域療育センターと連携を図るようにしています。同様に、家庭内等での虐待等権利侵害が疑われる子どもについても横浜市中央児童相談所等、関係機関と連携を図るようにしています。職員への周知も個人情報に配慮しながら行っています。園長は、地域の定期的な連絡協議会に参加し、そこで築いたネットワークを有効に活用していくことが、今後の課題と捉えています。まずは、職員が知るために、地域の社会資源を明記したリストや資料を作成する計画です。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園見学や子育て相談等の際に、地域の方々の声を聞き、保育園の専門的な知識や技術を生かし、子育てに関する相談に応じる等、子育てに必要な支援を行っています。園長は、鶴見区園長会議や運営委員会の開催等に参加し、地域の情報やニーズの把握に努めています。また、町内会に加入していることから、地域の行事や会合に参加し、その場で得た情報を子育て支援事業につなげる取組を行っています。5歳児担当保育士は、幼保小連携の活動に参加し、子育て支援のニーズの把握に努めています。保育園の強みをより知ってもらうために、より積極的な活動を実施していくことを今後の課題とし、取組んでいます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域的に新しいマンションが多く、頼り先のない中で出産・育児をしている家庭が多いので、把握したニーズに沿って年間計画を立て、子育て支援事業を継続的に行っています。また、町内会での取組も盛んであり、古くから居住している世帯と子育て世帯が園を通してつながり、身近な環境の中で子育て支援ができるよう橋渡し的な役割を担う等、より積極的な姿勢で地域コミュニティの活性化に携わっていく体制でいます。地域との防災対策、備品の備えや支援については、協定は結んでいませんが、園児の安全を確保した上で、地域住民への協力体制を検討しています。引き続き、地域の福祉ニーズに基づく公益的な事業・活動に取組む体制でいます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園のビジョン「子どもの心と体がたくさんの愛情と安心で守り育まれる保育園」に掲げている通り、子どもを尊重した保育を実施しています。日々の保育の中で、常に子どもの思いを聞き、子どもの思いに寄り添った保育の実践を心がけ、その日の保育日誌等で振り返りを行っています。毎月の職員会議では、各クラスの子どもへの配慮すべきことを話し合い、全職員で情報を共有しています。子どもの人権については、常に振り返りを行うことで基本的な姿勢が身についていると言えますが、大人の「良かれ」が子どもの基本的人権を侵してしまうことがあるため、俯瞰的に子どもの成長に関わる大人として自身の保育を振り返る機会を定期的に設けています。また、園内研修及び園外研修を通して職員間で学び合い、互いに尊重する心、性差別や先入観による固定的な対応をしないことを共通認識としています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護については、法人の職員就業規則、個人情報保護規定に個人情報に関する職員の守るべき姿勢を定めています。職員とは職務遂行する守秘義務について誓約書を交わすと共に、コンプライアンス研修を実施しています。保護者には、重要事項説明書で園における個人情報の内容・保護方針を明記し、同意を得ています。また、園舎内での撮影、行事の際の写真やビデオ撮影に関しても注意事項を説明しています。子どものプライバシー保護については、日々の保育の中で常にプライバシーに配慮した対応(オムツ交換・着替え・シャワー等)を心がけています。基本的な理解の下、園内の環境設定でプライバシー保護の取組を行っていますが、今後はマニュアルの中に様々なシチュエーションでの対応についても明記していくことが必要であると捉え、見直しを図っています。子ども・保護者に関する書類等は、鍵付きの書棚にて厳重に保管・管理しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する保育所選択に必要な情報提供については、ホームページやリーフレット等に掲載し、理念や基本方針・施設の概要・保育の内容・園の特色等を紹介しています。設備・設備の概要等に加え、職員体制・保護者に説明すべき事項を記載した入園案内(兼重要事項説明書)等、保育園選択に必要な情報も提供しています。また、利用希望者からの見学の希望があれば個別に随時対応し、保育園のリーフレットを渡し、園長・主任が丁寧に説明しています。またその際には、マニュアル通りに一方的に伝えるのではなく、対話を通し、どのような説明が欲しいのか、保育園選びについて不安に感じること等も捉えながら説明しています。毎年、入園案内(兼重要事項説明書)を法人・園で見直し、最新のものを提供するように努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園・進級児において、個別もしくはクラス単位で説明を行っています。新入園児に関しては、保育開始前に入園面談を実施し、入園案内(兼重要事項説明書)を基に、保育内容や留意事項等を分かりやすく説明し、保護者と利用契約書を交わしています。進級児に向けては、保護者に協力を求めたい事、子どもの発達面や生活面にて理解を求めたい事については年齢ごとにまとめたものを基に説明しています。変更点があった際には、保護者に資料を配付し、周知を図っています。保育内容が変更される場合には、その都度、コドモン(連絡アプリ)や園内掲示等で内容を伝え、理解してもらえるように努めています。要支援保護者に対する説明に関しては、支援内容に応じて個別に対応することにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

途中で転園した子どもの情報については、個人情報であるため、基本的に情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者に行ってもらっています。養育困難ケースや障害児、児童相談所ケース、 区の保健師が関わるケースについては、区役所を通して行う場合はあります。年長児(5歳児)については、保育所児童保育要録を作成し各小学校へ提出し、必要に応じて電話対応も行っています。卒園児に関しては継続性を持ち、担任及び主任が窓口となり、いつでも相談ができる旨を口頭で伝えています。保育所利用終了後の相談方法や担当者についての説明や内容を記載した文章については、今年度末より作成し保護者に手渡すよう準備を進めており、保育の継続性に配慮した対応を行っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園ビジョン「一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」の下、日々の保育の中で子どもの表情、遊びへの意欲等を観察すると共に、子どもの話を聞きながら、子ども自身の満足を把握するように努めています。保護者については、園児の様子を口頭やコドモンで伝え、安心感や満足度を感じ取り、柔軟に対応するようにしています。毎回、行事後に保護者アンケートを実施し、満足度を把握すると共に、課題があれば全職員で改善策を検討し、結果を保護者へ伝えています。保護者懇談会は年2回、法人の利用者アンケートは年1回実施しています。今回、第三者評価の利用者(保護者)アンケートによっても、保育園へのニーズや満足度が明らかになりました。課題解決については、次年度に改善するよう、保育運営に取組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みを法令に従い適切に整備し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置しています。園内にも苦情解決の体制を説明した資料を掲示しています。また、入園案内(兼重要事項説明書)に、苦情解決の仕組みを掲載し、入園時に説明し、周知を図っています。園舎内には意見箱を設置し、いつでも意見が述べやすいようにしています。受け付けた苦情については、個人情報に十分に配慮した上で、苦情内容と解決に向けた園の方針を掲示する等、保護者全員に周知を図っています。苦情内容は職員会議で共有し、再発防止に努めています。これまでの相談内容等は記録し、保管・管理しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べやすい環境に関しては、面接、電話、文書、メール、意見箱の利用等で、いつでも受付けることを入園案内(兼重要事項説明書)に明記し、入園時に伝えています。また、苦情相談窓口についても記載し、園内に掲示し周知を図り、意見箱も設置しています。さらに保護者が相談や意見を述べやすくなるよう、改めてその方法を分かりやすく説明した文書を年度末に作成し、配布と掲示を行う予定です。日頃から、コドモンでの情報交換や送迎時等の声がけで信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りをしています。相談や意見があった場合、園長は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を共有しています。相談の際には保護者の就労時間等に配慮し、日時や場所を調整し、プライバシーに配慮して面談室を準備し、相談しやすい雰囲気作りに努めています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は、毎日の送迎時や連絡帳等で保護者とのコミュニケーションを図り、保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮しています。また、コドモン、懇談会、アンケート、個人面談、意見箱等、保護者の意見を積極的に把握する機会・取組を行っています。保護者からの相談や意見を受けた場合は、担任と主任で対応し、園長に報告すると共に全職員が情報を共有できるように会議等で周知を図っています。園長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、改善結果を提案者に伝えるようにしています。継続的なフォローが必要な場合については、経過は記録に残しています。保護者からの相談・意見は保育の質の向上や運営の改善に生かすよう心がけています。今後に向けては、職員間で把握し、検討する仕組みづくりが必要と認識しています。併せて相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について定めたマニュアル等の整備が必要と思われます。今後の取組に期待します。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関しては、責任者は園長であり、園長不在時は主任と定め、災害時、地震、子どものケガ、行方不明等の状況別にマニュアルに明記し、職員体制を敷いています。事故報告書で状況の分析と原因究明を行い、改善策・再発防止策を検討・実施しています。年間を通して、避難訓練、火災訓練、防災訓練、不審者訓練を行い、反省点を生かして見直しや改善につなげています。安全計画から園内外の安全点検や保育(散歩、遊び、ブレスチェック)等を見直すと共に、事故報告書で状況の分析と原因究明を行い、改善策・再発防止策を検討・実施しています。また、事故に至らないヒヤリハット事案についても日々、共有を行い、未然に防止できるような視点(こんなことが起こるかもしれない、という想像)を持てるようにしています。当園では、定期的に誤飲、食物アレルギー対応等の研修を行っていますが、今後は様々なシチュエーションで起こり得る事故(散歩先での見失い、不審者の出現等)をテーマにした研修を計画・実践していく予定でいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

国が策定した「保育所における感染症対策ガイドライン」及び「横浜市園医の手引き」に則り、感染症対応マニュアルを作成しています。登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、入園案内(兼重要事項説明書)に明記して保護者に説明しています。看護師が発信する「ほけんだより」や、感染症が発生した際に掲示するボードなどを通して、感染症の予防や発生時の対応等について、保護者・職員が理解し実践できるように周知しています。また、最新の感染症情報を行政や地域から入手し、職員間で共有すると共に、保護者にもコドモンで知らせ注意喚起を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

当園では、事業継続計画(BCP)における災害時の行動指針を掲げ、全職員参加の防災訓練(年1回)を行っています。また、年間消防計画、災害時の対応マニュアルを作成し、災害発生を想定した避難訓練(月1回)を実施し、反省点も含め記録に残し、次回の訓練に反映させています。地域的に鶴見川に近いことからも水害に対する避難訓練に力を入れています。子ども、保護者及び職員の安否確認の方法が決められ、すべての職員に周知されています。備蓄品に関しても食料や備品類等の備蓄リストを作成し、管理者を決めて整備しています。保護者には、入園案内(兼重要事項説明書)に「非常災害対策」として、避難場所や対応策等の必要項目を明記して周知すると共に、保護者への引き渡し訓練も実施しています。中・長期のビジョンに掲げている「現在のBCP計画について、より実効性が高まるよう見直しを行い、速やかに対応できる体制を確立する」に向けて、職員全員が地域との連携について、より具体的なイメージが持てるよう訓練に取り入れていく予定でいます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針や運営規定、保育の実施方法に関する各種マニュアルがあり、プライバシー保護、権利擁護に関わる職員としての姿勢を明示すると共に、園ビジョンの中にも目指す職員の姿勢を具体的に表記し、保育の標準的な方法による子どもを尊重した保育を実施しています。保育の標準的実施方法としては、全体的な計画を基に年間計画を作成し、保育指導計画、行事計画、食育計画等に沿った保育活動を行っています。園ビジョンの中に、「一人ひとりの子どもがありのままに受け止められる」という姿を示しているため、子ども理解の下「その子どもにとっての最善」という視点で保育の振り返りを行っています。実施確認については、次月カリキュラム会議の中で、当月保育について職員同士が振り返りを共有しています。当園は、法人推進の多彩な保育活動(知育、英会話、体育、食育、リズム遊び)を実施しており、標準的な実施方法の土台があり、それを基に年齢に合わせた保育を実践しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

当園では、保育の標準的な実施方法の見直しとして、カリキュラム会議を設定し、当月の保育の振り返りと次月のねらいを立てる仕組みがあります。複数担任の場合は、それぞれが自分の視点で考えたことを互いに伝え合うことで偏りのない振り返りを目指しています。年間保育目標にある子どもの姿を目指し、成長の見通しを持ち、子どもの姿を予想しながら、最善の環境作り(人的・物的)について検討しています。また、保育の標準的な実施方法により、保育実践が画一的なものになっていないかをPDCAで検証しています。年間指導計画は年度末に振り返りを行い、振り返りの内容を次年度に反映させ、保育に継続性を持たせています。また、行事後に行う保護者アンケートや個人面談等を通じて、保護者の意向や提案を把握し、各種マニュアルの見直しに反映できるようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、全体的な計画に基づいて作成し、正規職員、非常勤職員が協働し、アセスメントで修正を図って保育を実践しています。指導計画は、各年齢に応じてクラス担任が責任者として作成し、主任・園長が確認し適切に作成しています。作成ポイントとして、子どもの様子から適切な家庭環境でない可能性が考えられる場合、また保護者からの相談事があった場合等、まずは子どもや保護者がどのような状況下にあるのかを把握するために面談や聞き取りを行い、見えている姿だけではない背景をなるべく丁寧に捉えることを意識しています。0歳~2歳児までは、個別指導計画を作成しており、計画作成時は、担当者によるアセスメントの協議を実施しています。また、必要に応じて栄養士や看護師等の専門職の意見やアドバイスを受けて総合的に判断した指導計画を策定しています。保護者参加の行事等については、行事後にアンケートを取り、反省も含め課題点等を職員会議で話し合い、次に生かせるように記録に残しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、各年齢のカリキュラムの自己評価を基に、定期的(期・月・週・日)に振り返りを行い、次の計画の作成につなげています。その際に、子どもの興味関心や成長発達の様子に、予想していた姿とのズレが生じた場合は柔軟に変更し、年間保育計画の目標達成に向けてのプロセスを工夫し、子どもが主体的に育つ環境を第一に検討できる仕組みを作っています。また、カリキュラムの共有を毎月行い、配慮を要する子どもに関する事項等について周知し、クラス以外の職員も同じ認識で関わることができるよう手順を整えています。個別指導計画は、柔軟に変更や見直しを行い、子どもの発達状況に合わせて、適切な保育につなげています。見直しによる指導計画の変更内容は、保育アプリ上で確認し、職員間で共有できています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況の記録は、コドモン上の発達記録に記載して保管しています。記録内容は主任が確認し、園長がチェックを行い、職員会議(乳児・幼児・全体)で情報を共有しています。日々の共有事項については、①コドモンの園内連絡ツールを利用(記録として残すもの、その時間帯に知らせるべき内容)、②業務連絡ノートに記入(職員が出勤時に必ず目を通して把握しておくべき内容)、③事務所内で共有(個人情報を含む配慮が必要な内容)等、工夫して行っています。書き方に差異が生じないよう、個別に指導を行っています。0歳~2歳児までは月度指導計画に応じた個別指導計画が適切に作成され、保育の実践が記録を通して確認できました。保育に関する記録等は、クラウド上で職員が確認できます。毎日の連絡・確認や各会議の開催時に加え、コンピューターネットワークを通じて、園内の情報を共有する仕組が整備されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

法人の「個人情報保護規定」により、子どもに関する記録の取り扱いを定めています。守秘義務の定義
や目的については、採用職員研修時に説明し、職員と個人情報の遵守に関して、守秘義務誓約書を交わしています。利用者の個人情報については、入園時に入園案内(兼重要事項説明書)にて保護者に説明し、理解を得て、利用契約書を交わしています。園長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、過去の書類も含めて鍵がかかる書庫に保管しています。書類は持ち出し禁止、保育アプリの取り扱いは園内としています。法人全体でも強化していますが、書類等の管理の扱いについて教育・研修が不十分であると感じ、年間の研修に組み込み、改めて重要であることの認識を深めていく体制でいます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童福祉法・児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえて作成しています。策定は法人系列園の園長が集まり法人理念・方針を基に原案を作成し、地域性や利用者の状況を加味して当園の「全体的な計画」になっています。全体的な計画を基に、各指導計画(年間指導計画、月度指導計画、週・日案)を作成し、各指導計画の評価・反省欄にて振り返り、次期の計画作成に反映させています。保育計画に沿った行事等も実施後に評価・反省を行っています。当園の全体的な計画には通常の項目に加えて園ビジョンが盛り込まれ、A4版8枚綴りになっています。当園のホームページに特徴として載せている「知育」、「英会話」、「体育」等の掲載を含め、見やすく一覧表記にする等、工夫されると尚良いと思われます。今年度の全体的な計画については、令和6年度2月の園の自己評価と併せ、職員参画の下に改訂を図る計画になっているとのことで、今後に期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室の採光・温度・湿度等、常に適切な状態に保持し、子どもたちが心地良く過ごせるようにしています。各クラスの温度・湿度は、毎日、確認して日誌に記入しています。保育室内や玩具等、子どもたちが触れる部分の衛生管理を徹底して行い、感染症予防対策に取組むと共に、玩具や用具に破損等がないかを確認し、安全面の配慮をしています。トイレや手洗い場は、明るく清潔で、子どもが使いやすい設備となっています。子どもたちの遊び面では、コーナー作りを工夫し、安心・安全に生活できるように取組んでいます。限られた環境の中でも、子どもの心が落ち着くようなスペース作りを工夫しています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「整理整頓されている」、「アットホームな雰囲気」、「清潔感、安心感がある」等の意見が寄せられ、生活にふさわしい環境であることが窺えます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念を基本とした子どもへの対応について、一人ひとりの発達段階を見極め、個人差を十分に把握し、子どもを尊重した保育を行っています。養護の視点から、子どもが発する言葉だけではなく、視線や表情の変化を丁寧に捉えて、まずは気持ちの受け止めを大切にしています。具体的には、うまくいかなかったことや、間違えたことをしている場合も、「何がしたかったのか」・「どんな思いだったのか」をまず聞く、その次に教育的関わりを考えるという順序を大切にしています。園内研修でも子どもに対する言動・対応・援助の仕方等について学び合い共通認識を図っています。職員は常に子どもの気持ちに寄り添い、否定的な言葉は使わないよう、保育士の自己満足での保育は行わないよう心がけています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「愛情深く接している」、「気持ちに寄り添っている」、「丁寧な対応」等々の意見が多く寄せられ、一人ひとりの子どもに応じた丁寧な保育の実施が窺われます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園では、看護師の指導等も組み入れながら、日々、生活習慣それぞれの大切さを丁寧に伝えることで、子ども自身がその意味を感じて行えるようにしています。一人ひとりの子どもの発達やペースを大切にし意欲を汲み取りながら、なるべく、自分の力でできたと子どもが感じられるような援助を行っています。排泄では、個人差があることを十分に理解し、一人ひとりの発達状況に応じて、保護者の考え方を尊重し、コドモンで状況を伝える等、連携して進めています。また、個別カリキュラムに基づき、子どもが理解しやすい言葉やイラスト等を使いながら、遊びを通して楽しく基本的な生活習慣が身につくように取組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

保育理念「ほめて、みとめて、はげまして~やる気を育て自分で考え行動できる子どもを育てる~」の下、子どもたちが自主的、自発的に遊べるよう年齢や発達に合わせて環境を整えています。子どもが自分で選んで遊べるコーナーや子どもの成長に合わせて絵本や玩具等を見直し、入れ替えを行い、遊びが発展・展開していくよう工夫しています。園の周辺には自然豊かな公園があり、目的に合わせて散歩コースを選び、クラス単独・他クラスと合同で行く等、子どもたちの経験が豊かになるよう常に考えて実施し、身近な自然に触れ、地域の方と挨拶を交わし、交通ルールを学ぶ等、子どもたちは様々な活動を体験しています。また、芋掘りや、買い物、地域イベントへの参加等を通して、地域を知ったり関わったりする機会を設ける等、社会体験を通して子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、安全・衛生面に十分配慮した玩具や手作り遊具等、見る・聞く・触れる経験が十分に楽しめるよう環境作りを工夫しています。当園は担当制保育を実施し、継続的に特定の保育士が応答的に関わることで、表情の変化を見逃さず、小さな変化(成長)に気付き、適切な保育につなげることができています。また、0歳児が長時間過ごすことからも、遊びの環境に配慮し、気候や体調に留意しながら戸外活動や異年齢児との交流を図る等、興味や関心が広がるように取組んでいます。一人ひとりの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラスの指導計画を作成し、子どもの心身の発達に関する情報を担任間で共有し、保育を実践しています。保護者とは、毎日、連絡帳(コドモン)で丁寧に子どもの様子を伝えると共に、送迎時等の会話を通して情報を共有し、信頼関係の構築に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)の保育では、年間指導計画を基に、月のカリキュラムに養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。子どもの自我の育ちを受け止め、子どもが自分の力で取組もうとする気持ちを尊重しています。担当保育士及び他職員は、言葉ではまだ伝えきれない子どもの思いを丁寧に汲み取って言語化し、代弁することで、互いに思いがあることを知る機会を大切にしています。子どもが自ら行動できるよう見守る場面、援助する場面を見極め、保育者としての関わり方を工夫しています。排泄では保護者との連絡を密に取り、子どもの発達状況に合わせて行っています。保護者とは、コドモン、登降園時の会話等を通して密に連携を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、当園の特徴に掲げている「知育」・「英会話」・「体育」を取入れ、年齢に応じた活動ができるように配慮しています。中でも「知育」では、「自分で学習する姿勢」を身に付けていくよう、「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」からカリキュラムを構築して保育に当っています。職員は、子どもの発想や考えを大切にし、子どもが意見を出し合い、子ども主体でクラス運営ができるように配慮しながら、保育実践につなげています。また、日常的に同一スペースで3歳~5歳児まで過ごす時間があり、異年齢児保育を通して、子ども同士が育ち合える環境を整えています。各年齢に応じた指導計画を作成し、担任間で子どもたちの状況を討議、検討、確認しながら遊びの構成を考え遊びの幅が広がるよう環境設定しています。子ども一人ひとりの違った良さ「らしさ」を子ども同士が感じられるよう、保育士等が言葉にして伝えながら関わっています。日々の異年齢での活動の中で、いたわりの気持ち、憧れの気持ち、優しい気持ちが育っているのが感じられ、同じ遊びを子どもたちで楽しむ姿が見られます。保護者には、園での活動内容を園内掲示や写真、クラスだより、インスタグラム等で伝え、家庭での子どもの成長に応じた対応を促すようにしています。年長児(5歳児)については保育所児童保育要録を作成し、小学校へ郵送すると共に、小学校からの聞き取りに丁寧に対応し申し送りを行う等、就学に向けて対応しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どものための環境整備では、園舎内はバリアフリーになっており、ユニバーサルトイレやスロープ、エレベーターを設置しています。障害認定を受けた子どもや支援が必要な子どもについては、クラスの指導計画と関連付けた個別のカリキュラムを立案し対応しています。該当児の保護者とは、保育参加・参観・個人面談等を通して情報交換を密に行い、支援に生かしています。また、鶴見区こども家庭支援課や福祉保健センター、地域療育センター等の関係機関と連携し、相談、助言が受けられる体制を整えています。障害のある子どもの保育に関して、研修や巡回訪問、行政等から得た情報は、必要に応じて職員会議等で伝え、職員間で対応の仕方等について確認し合い、子どもへの配慮や見通しを持った保育ができるよう共通認識を図っています。当園では職員が研修等で学んだ知識や情報についての周知については課題と捉え、今後、報告会や園内研修に生かすよう取組む体制でいます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

当園の「月度指導計画」に「長時間にわたる保育」を掲げ、年齢に応じた休息時間や1日の活動に「動と静」の時間を設けるように配慮しています。長時間保育利用の子どもが多いことからも、ゆったりと安心して過ごせるような人的・物的環境を整え、子どもの状況や登園時間に合わせたリズムが作れるように、子どもの体調・状態に応じた個別対応を心がけています。保育時間が長い保育の工夫として、机上遊びや体育・リズム遊び、年齢の異なる子どもへの配慮も十分行いながら、異年齢児保育等を実施しています。保護者とは、コドモンや口頭等で、連携を図っています。職員間では朝夕の引き継ぎを適切に行い、情報共有を図っていますが、たまに漏れが発生することもあり、伝え忘れをなくすことが課題と考えています。コドモンでの園内連絡、業務連絡ノートの活用、緊急性が高い場合や内容により直接伝える必要がある場合は臨時で会議を開く等、さらに工夫して臨む体制でいます。家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに寄り添う保育を心がけ、延長保育時には補食・夕食の提供をしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中に、「小学校以上の教育との接続に鑑みて」の中で、小学校との連携・就学を見通した保育に関する取組を位置づけ、近隣保育園との年長児交流会、保育者と小学校教諭との情報交換事業に参加しています。また、アプローチカリキュラムを作成し、それに基づいて保育を進め、一人ひとりの生活習慣の見直しを確認しながら、入学への期待が持てるように配慮しています。当園では「知育」として3歳児クラスから、就学に向けて「自分で学習する姿勢」を身に付けるよう、生活や遊び、各行事における「子ども主体の保育」に取組んでいます。子どもたちが就学する小学校には、保育所児童保育要録を作成して送り、併せて電話等で情報を提供しています。当園では、年長児クラスの学年末クラス懇談会にて、園長より小学校の情報等を保護者に伝えていましたが、さらに今後は、最終学年に限らず、全体保護者会等の場で機会を設け、小学校以降の子どもの生活に見通しが持てるよう計画しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理については、入園時の面談や健康台帳、児童票等で子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日々の保育の中では、朝の受入れ時に保護者に子どもの健康状態を確認し、職員間で情報共有しています。看護師が年間保健計画を作成し、各クラスはそれに基づいて手洗い指導、園児の健康増進、感染症予防等の取組を行っています。感染症に関しては、入園案内(兼重要事項説明書)にて、園の方針を保護者に伝えています。SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のため、睡眠チェックを0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとに行い、うつぶせ寝はしないよう職員間で周知しています。保護者にも入園前説明会で伝え、注意喚起をしています。また、看護師は毎月「ほけんだより」を発行し、生活面で気を付けることを季節に応じて伝え、感染症の情報提供や予防接種の啓蒙を促しています。職員は、安全衛生に関する研修に参加し、必要な情報の習得と対応に努めています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

定期的に嘱託医による健康診断・歯科健診を実施し、結果は健康台帳に記載し保管しています。健診結果は、看護師、クラス担任、園長、主任で情報共有しています。保護者には、書面で伝えると共に、場合によっては通院を勧めています。通院が必要な家庭については、結果・経過確認を行い、フォローを含め連携を密に取り合っています。また、月1回の身体測定の結果は、コドモンで保護者に知らせています。健診で配慮が必要な事項が見られたケースは、個別カリキュラムを見直し、家庭と連携して取組んでいます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園は、横浜市が策定する「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」に則り、「わおわお江ヶ崎保育園アレルギー対応マニュアル」を策定し、それに基づき子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。入園案内(兼重要事項説明書)に記載し、入園面談時に保護者へ伝え、除去食が必要な場合には医療機関受診後、園指定の書類「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(食物アレルギー・アナフィラキシー)」、「食物アレルギー対応票」を保護者に提出してもらい、担任・看護師・栄養士と面談の上、個別に対応しています。アレルギー児の保護者とは、除去食面談(年1回)、除去食確認(月1回)を行い、適切に対応しています。食事の提供時は、トレイ・食器を区別し、名札を付けて提供する等、チェック体制を十分に整えています。年1回、全職員必ず「食物アレルギー対応マニュアル」を読み、レポートを出しています。また、他施設で起きたヒヤリハットや事故報告書を共有し、意識を高めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

栄養士は食育年間計画を策定し、季節の食材や行事食の提供、クッキング活動、食事のマナーの習得等、子どもの発達に応じた取組を行っています。また、食育を各年齢の指導計画に位置付け、計画に基づき食事がより楽しめるよう、季節の食材に触れて形、硬さ、匂い等を感じさせ、子どもたちに菜園活動(野菜の種まき、水やり、収穫)を通して、食を身近に感じられるよう工夫しています。月1回「給食会議」を開き、栄養士、調理員、保育士が捉えた子どもの姿を通して、「食事が楽しい!」と感じられるよう、それぞれの視点で意見を交わしています。乳児クラスは特に担当制での食事提供なので、家庭的な雰囲気の中で落ち着いて食べることができています。年齢に応じて食べられる量を把握し、各クラスの担任が個々に合わせた対応をし、食器や食具も年齢に応じて配慮し、子どもの育ちに合わせて箸の使用も開始しています。0歳児クラスでは、離乳食を提供し、食材の形状、固形物の柔らかさの度合い等、家庭と連絡を取り合い、子どもの発達や個々の咀嚼に合わせて次段階へ移行しています。保護者には、毎月「献立表」・「給食だより」や毎日の食事内容をサンプル掲示で知らせ、園の食事の理解につなげています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

法人給食ビジョン、園の給食ビジョンを基に栄養士が当園独自の献立を作成しています。毎月の献立には、旬の食材を使用し、季節、行事食、郷土食、栄養価等、工夫を凝らし、見た目も楽しく、おいしく、安心して食べることのできる食事を提供しています。子どもの発達段階に応じて、自発的に食べられるように、食材の大きさ・硬さ等を調節しています。保育室へ栄養士も調理員も足を運び、実際に食べている子どもたちの姿・反応を見て、次の献立作成に生かしています。給食日誌には、毎日の残食、検食等を記録し、献立・調理の工夫につなげています。衛生管理体制は、給食衛生管理マニュアルを基本とし、徹底した衛生管理を行っています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「給食メニュー(栄養バランス)が良い」、「給食室の先生が相談に乗って下さる」等の意見が寄せられ、満足回答率87%と給食への高い評価を得ています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者への連絡・連携については、入園案内(兼重要事項説明書)に明記し、入園説明会等で伝えています。0歳~2歳児は、個別連絡帳(コドモン)で伝え、3歳児クラス以上は、クラスごとにコドモン連絡帳ツールで日々の子どもの様子を伝えています。また、登降園の際に口頭でも子どもたちの様子等を伝え、家庭との連携を図っています。クラス担任だけではなく、早番・遅番保育士とも漏れのないよう引き継ぎ、情報を共有しています。毎月「クラスだより」を発行して保育の意図を伝え、懇談会等を通して理解を深めています。保護者も普段の生活を実際に見て感じてもらえるよう、保育参加を随時受け付けています。各行事では、年齢に合った活動を取り入れて、子どもの成長の喜びを保護者と共感できるよう努めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は日々、保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係を築けるような関わりを意識して行っています。担任保育士が保護者から受けた相談や質問、要望については、園長が随時把握し、状況に応じて対応できるよう体制を整えています。個人面談は年2回実施、その他、子育て支援のイベントを土曜日に開催(年2回)し、保護者同士が悩みや相談事を分かち合える機会を設けています。保護者との面談では、面談室はプライバシーに配慮して設定し、保護者が安心して相談できるようにしています。相談内容は記録し保管しています。他職員へは職員会議時等にその内容を報告し、共通認識を図っています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「相談や提案に対して話を聞いてくれ、対応が早い」、「安心して預けることができる」等の意見が寄せられ、保護者への丁寧な対応が窺えます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

「虐待防止マニュアル」に基づきチェックリストを備え、家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。登園時の親子の表情や会話、保育中に身体のあざ等の確認(着替え、シャワー等)を行い、不審なケガやあざ等があれば、写真に記録しています。虐待の疑いがある場合は、鶴見区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所等に通告・連絡の体制を整えています。年1回、子どもの人権について園内研修を実施すると共に、職員更衣室に発見した場合の対応等を掲示し、内容の共有に努めています。今後はさらに、マニュアルに基づく園内研修及び外部研修への職員の参加を通し、専門知識や技能を深め確認し合い、虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・対応・予防への継続的な取組に期待します。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育実践の振り返り(保育士の自己評価)については、年間指導計画に基づき月度指導計画、週・日案を策定し、月末・週末に振り返り見直しをしています。園ビジョンの中に、「一人ひとりの子どもがありのままに受け止められる」という姿を示し、子ども理解の下「その子どもにとっての最善」という視点で保育の振り返りを行っています。保育実践の振り返りから、課題について職員会議で話し合い、保育目標に向けた保育展開ができるよう、環境や援助の方法等を見直し、保育の向上につなげています。また、職員は法人統一の「人事考課シート」を使用し、園長との面談にて自己の課題を擦り合わせて取組み、進捗状況を確認しながら自己評価後に再度、面談にて助言・指導を受け、自己の課題を確認・振り返り、次の目標につなげるPDCAサイクルを実施しています。園長は、職員の希望や意向を把握し、各階層別に期待業務を明文化し、行事分担表に担当を決めて責任を明確にしています。職員の自己評価を基に、毎年「保育園の自己評価」を行い、結果を園内掲示で保護者に公表しています。