社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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アクトかにがや

2024年11月19日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 アクトかにがや 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 20 名
所在地 213-0026 
川崎市高津区久末 1776-1
TEL 044-789-5420  ホームページ http://www.tomoni.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2022年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
職員数
常勤職員:4 名
非常勤職員:4 名
専門職員
社会福祉士:2 名
精神保健福祉士:1 名
看護師:2 名
行動援護従業者:1 名
強度行動障害・実践研修:1 名
基礎研修:4 名
施設・設備の概要
作業室:1
多目的室:1
相談室:1
事務室:1
厨房:1
更衣室:2
バリアフリートイレ:2
トイレ:1
浴室・脱衣所:1

③ 理念・基本方針
【法人理念】
1 ソーシャルインクルージョン(共生社会)
2 先駆的で開拓的な事業

【基本方針】
1 人権の尊重とサービスの向上を図ります
2 インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します
3 地域との共生をめざします
4 ニーズの多様化と複雑化に対応します
5 社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します
6 説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します
7 人材の確保・育成のための研修体制を充実します
8 柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します
9 財務基礎の安定化に努めます
10 国際化への対応に取り組みます
11 社会貢献活動に積極的に取り組みます 

④ 施設・事業所の特徴的な取組
当事業所は、それぞれの利用者さんの困りごとや課題に合わせた活動を行い、利用者さんの社会参加や精神面の安定と共に、在宅も含めた生活能力の向上を図っています。
また、希望者には入浴サービスを行っております。特殊浴槽を備えており、お体が不自由な方でも安心して入力することができます。
月1回法人内のトランスミュージックチームが来訪し、音楽会を開催しております。地域の事業所も招待し、地域交流も図っています。
同じく、法人内の理学療法士が定期的に巡回し、希望者に個別の機能訓練メニューを作成し、活動中に機能訓練を実施しております。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/04/30(契約日) ~2024/11/11(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)職員の経験と実践に基づき、利用者への柔軟な個別支援を実践しています
常勤及び非常勤職員が一人ひとりの利用者の支援のあり方についての経験知を共有し、法的根拠やスーパービジョンをもとにそれらを実践知として支援をしていこうという姿勢が見られます。生活介護サービス事業者という法的根拠のもとで、一人ひとりの障害特性や感情を重んじ、利用者に寄り添った、マニュアルにしばられない柔軟な個別支援を実践しています。

2)業務とサービス提供の改善を図り、質の高いサービス提供に取り組んでいます
経験豊富な職員を中心として、記録の書き方、支援のあり方などの課題について、常勤・非常勤職員で朝夕の申し送りや職員会議で話し合いを重ねています。課題を抱えている利用者のマイナス面を見るのではなくプラス面にフォーカスし、利用者観のマイナスの枠組みを外し、利用者の潜在化している強み(ストレングス)を見い出しています。このような利用者観のもとで職員の専門的力量を高めながら、質の高いサービス提供を目指しています。

3)事業所の取組を利用者や家族へ周知し、相互理解を深めることが期待されます
連絡帳のやり取り、送迎時のコミュニケーション、随時相談対応により、利用者家族との連携が図られていますが、事業所の取組についての発信が少ない現状です。家族会を開催し、家族の意見や要望の聴取を実施することや、利用者家族の横のつながりを作ることが期待されます。事務所への理解を促すために、事業所の理念、基本方針、事業所計画と報告、関係機関との連携、苦情受付や解決の状況など、事業所の取組について利用者や家族に発信し、相互理解を深めることが期待されます。

4)地域社会に向けて、事業所の取組や存在意義を発信することが期待されます
利用者は近隣の在住者が多く、事業所とグループホーム、特別支援学校、相談支援事業所とのやり取りを活発に行っており、地域住民とは散歩途中に挨拶する関係性を築いています。事業所の取組や存在意義を広く地域にアピールしていくことは、利用者獲得実現の第一歩ともなり、また多様性を尊重する社会を目指す歩みにも通じます。開設2年半となり、事業所運営が順調に進んでいる今こそ、地域共生社会へ向けたアクションが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回、第三者評価に際して行われた利用者様及び職員アンケート、またヒアリング調査では、様々な気付きを得ることができ、自分たちの支援を振り返る良い機会になったと感じております。
開設3年目となり、事業所の方向性も定まって来たところで「地域で暮らす障害を持った方の安心できる居場所の提供」を目指し、職員一同日々努力しております。今後も、利用者様が落ち着いて穏やかに、また笑顔で過ごされる様な、より良い事業所となる様、さらに力を入れて参る所存です。
今回ご指摘頂いたご意見については職員間で共有し、更に支援の充実を図っていきます。
今回、アンケートにご協力頂いた利用者様には、厚くお礼申し上げます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念と基本方針はホームページ、パンフレット、中長期計画、単年度事業計画書などに明記されています。理念には「共生社会の実現」「先駆的開拓的な事業展開」の2本の柱を掲げ、それを取り巻く11の基本方針を図式化し、法人の目指す方向を読み取ることができます。職員は入職時研修にて理念と基本方針について学び、その後も事業所の次年度計画策定の際に再確認する機会を得ています。利用者や家族への周知方法を今後の課題としています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向や課題については法人が随時情報を得ており、中長期計画や単年度計画策定に反映しています。所長は地区の地域福祉計画や障害者福祉計画に目を通すことで、地域の福祉ニーズを認識しています。累積赤字削減を目指す法人の経営状況を鑑み、事業所においても効率的な業務遂行を目指しています。毎月の利用者数、サービス提供状況、収支を本部へ報告するとともに、法人事務局より配信されるデータから前年比・予算比や利用率の把握に努めています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

役員が構成する幹部会議や経営企画会議などで、累積赤字削減や人材育成などの経営課題の改善に向けて議論を継続しています。その結果をまとめた議事録を所長が読み込み、経営状況のみならず、事故や虐待案件についても事業所職員会議での周知を図り、改善に向けた有効な取組を検討しています。130を越える事業所を有する大きな法人であり、内容も多岐にわたるため、所長は取り上げる項目を取捨選択して職員に伝達しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の中長期計画はマスタープラン策定委員会にて3年ごとに策定され、役員会議での承認を経て、全職員に冊子を配布しています。現状の課題、法人理念、今後3年間の目標・ビジョン、中期事業目標を明確に据え、経営、財務、サービス、人材の各項目について具体的数字や目標とする姿がわかりやすく記載されています。中長期計画に基づいて、法人では単年度計画を策定、事業所でも3年間の方向性を見据えつつ単年度の事業計画を策定することで、更なる目標達成につなげています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の単年度計画はサービス種別ごとの部会で括り、部会の方針、目標、数値目標、部会日程を明記し、中長期計画を反映した計画となっています。生活介護部会としては、専門性の高い職員、安心安全な環境、障がい特性に適した支援、健康経営の方針を定め、具体的なサービス提供状況や数値目標を掲げています。事業所では法人の中長期計画と単年度計画に基づき、単年度の事業計画を策定しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業所の単年度事業計画は、前年度3月に職員会議で策定を終え、職員への周知は職員会議で行っています。今年度の重点課題は収支改善、日中活動の充実、職員の専門性向上と捉え、疑問点や不明点について話し合いを重ね、職員の理解を確認しながら目標を共有しています。上期10月と下期4月のモニタリングと評価を経て、翌年度4月中に事業報告書にまとめています。研修参加や避難訓練実施状況などを確認の上、計画を見直し微調整する場合もあります。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

開設3年目となり、利用者はもとより、利用者家族や利用者の暮らすグループホーム職員とのコミュニケーションは豊富であり、良好な関係を築いています。これまで利用者や家族に対して事業計画を伝える機会がありませんでしたが、今後、事業計画書や事業報告書の配布により、事業所の取組や目指す方向を周知し、理解を図るべきだと所長は考えています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

事業計画を策定→計画に沿って事業を進行→モニタリングと評価→次年度の事業計画の策定という事業所運営の枠組みの中で、PDCAサイクルが活かされています。日頃のサービス提供や事業所運営の振り返りとしては、毎年神奈川県の自己点検シートを用いており、職員会議での話し合いも有益な機会となっています。第三者評価は今回が初回受審であり、受審結果を職員会議で検討し、今後は5年ごとの受審予定としています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

神奈川県の自己点検シートを用いて事業所の自己評価を継続しており、職員会議で議題とした後にファイリングしています。現時点の課題は利用者支援に関するものが多く、送迎ルートを変更して利用者の混乱を防いだり、クールダウンに使用する部屋の整備を検討するなど、取組を継続しています。利用者の家族から、事業所での入浴介助の要望が挙がっていたため、至急対応する予定としています。今後は改善に向けた取組が計画的に実施されることが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

所長が事業所全体を統括し事務業務全般を担い、管理者がサービス管理責任者を兼務し現場業務に専念する体制としています。業務分担内容を組織図に並記するとともに、職員会議で折に触れ説明しており、書類や送り状には所長名を記載しています。有事における責任者は所長であり、その役割について業務継続計画(BCP)に明記していますが、管理者不在時の権限委任ルールが不明であるため、明確にすることが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

所長は障害者総合支援法などの関係法令、倫理、社会ルールを正しく理解し、事業所全体をリードするように努めています。制度改正の際には管理者が内部外部の勉強会に参加して、事業所に持ち帰り職員間での共有を図っています。障害者虐待防止法や身体拘束廃止に基づいて、利用者支援にあたって遵守すべきポイントを日頃から職員へ説明しています。福祉や労働における関連法の周知を図り、具体的には報酬不正受給の防止やサービス残業の禁止につなげています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

所長は毎年自己点検シートを用いてサービス提供を振り返るとともに、顧客満足度調査の実施により利用者や家族の意向聴取とニーズ把握を通して、利用者の希望や要望に添うように努めています。送迎時には職員が家族とのコミュニケーションを図り、家族の不安や悩み、意向を聴取し、その内容を共有し、利用者や家族への理解を深めています。また職員に自治体主催研修への参加を促しており、強度行動障害支援力向上研修、行動援護従事者養成研修、サービス管理責任者基礎研修の受講により職員のスキルアップを図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

所長は、小規模事業所の良さを活かした「何でも言い合える」アットホームな職場環境を大切にしており、職員一人ひとりの勤務状況や心身状態の把握に努めています。所長就任から1年を経て、書類やマニュアル類の整備や職員間の業務分担がスムーズに運んでいます。その結果、事務業務の見直しにより効率化が図られ、時間外勤務と職員の離職が激減しています。事業所運営についても利用者獲得を目指して、外部の関係機関に働きかけるなど次のステップに進むべき時期だと所長は考えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

必要とする有資格者や人員体制については運営規程と重要事項説明書に明記しており、それに基づいて毎年度の事業予算に採用関連費用を計上しています。採用活動は法人事務局に一任せず、事業所でも現場の視点から採用案内を点検し、求職者との効果的なマッチングが図れるようにと工夫しています。現状の利用者数に対して職員の確保はできており、職員のスキルアップやチームワークの良さも相まって、和やかな職場環境の中で職員の定着が実現しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員ハンドブックに明記した「期待する人材像」について、入職時研修の場で詳しく説明しています。人事基準の詳細は就業規則に定めるととに全職員に配布し、法人のイントラネットでも閲覧可能となっています。人事評価には法人作成の「職員育成シート」を活用しており、管理者のスーパービジョンを受けて目標を設定、到達度や問題点などを面談にて確認、評価するプロセスを踏んでいます。今後、キャリアパスの具体化やボトムアップ体制など、職員のやりがいや意欲向上に向けた仕組みづくりが一層期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

労務、勤怠、有給休暇管理などは、職員本人と確認し合いながら所長が一元的に管理しています。法人事務局の立案により年1回の健康診断と年2回のストレスチェックを励行し、また所長の定期面談により職員の心身状態を聴取しています。中長期計画でも職員の心理的安全性の充実を謳い、法人全体で働きやすい職場づくりに取り組んでいます。一例として産前産後休暇や育児休暇の取得、時間短縮勤務や福利厚生会、法人の相談機関である県央ヘルプデスクの活用を呼びかけています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員ハンドブックに13項目からなる「期待する人材像」を列挙し、利用者の人権尊重と権利擁護をはじめ、積極的思考、率先垂範、切磋琢磨など職業人としてあるべき姿を、具体的目標管理の前提に掲げています。職員一人ひとりの目標や取組は所長との面談を通して適切に作成し、「職員育成シート」を用いて管理しています。半期ごとにモニタリングと面接を行い、行動評価と業績評価を重ねて、目標期限の1年間で期末評価を数値化しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員ハンドブックはサービス提供や支援者としての在り方を振り返る際のよりどころとして機能しており、法人の2つの理念、11の基本方針、職員行動指針、期待する人材像を明示しています。また質の高い専門性の獲得を重視し、職員の認識の一助となるように職種内容と資格一覧を記載しています。事業所では、法人や事業所の内部研修はもとより、川崎市や神奈川県主催の公的資格研修への積極的参加を呼びかけています。次年度の計画策定にあたり、福祉制度や接遇マナーなど様々な学びが得られるように研修内容を見直しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

人事管理システムを使用して職員の支援スキルや資格取得状況を把握し、研修参加や新規資格取得を都度更新しています。OJTについては必要に応じて現場業務管理者が指導しています。法人の研修委員会で階層別、職種別、テーマ別に研修を組み立てて、該当する職員に参加を促しています。強度行動障害支援力向上研修やサービス管理責任者研修などの外部研修は事業計画の重点課題として扱い、シフトを調整して職員が参加できるように取り計らっています。研修の受講費用や交通費には全額法人の補助があり、研修参加を奨励しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

法人作成の「実習生受入れマニュアル」が整備されています。実習生の受入れ開始から終了時の留意点、学校との連携についても明文化されています。しかし、事業所では受入れに対する体制を整えることができていません。今後は、福祉に関わる人材の育成に協力し、積極的な取組を実施することが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人ホームページに理念、基本方針、サービス内容をはじめ、過去2年度分の事業計画書、予算書、報告書、決算書を公開しています。また女性活躍推進法や育児・介護休業法などに基づいて進捗状況の公表も行い、事業運営の透明性確保に取り組んでいます。事業所では広報誌「アクト通信」を毎月発行し、利用者や家族、相談支援事業所へ日々の活動や行事の様子を発信しています。苦情報告は事業報告書に記載するのみであり、今回初めての受審である第三者評価結果も含めて、今後の公表が期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務業務全般を所長が担い、規程に基づいて事務、経理、外部との取引を行っています。管理者はサービス管理責任者を兼務しており、利用者、家族、関係機関とのやり取りや利用者支援に関する書類作成などの現場業務を担当しています。所長と管理者が分担する仕組みにより、管理業務の効率化が推し進められています。現在内部監査は実施していませんが、外部監査については毎年度外部の会計監査法人による監査を受けています。特に指摘事項はなく、現状の事務業務を継続しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設設立時に地域の一員となるために自治会の入会をしようとしましたが、地域の役員としての役割を担うことができないということで入会はできませんでした。しかし近隣の住民は施設について受け入れてくれています。利用者の障害の特性から、地域住民と積極的に交流などすることはできませんが、毎日出かける散歩では住民に挨拶をするなどコミュニケーションをとるようにしています。また月1回、近隣の地域活動支援センターの利用者を招待して、事業者間でトランスミュージックを行っていますが、そこには地域住民の参加はありません。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

法人としてのボランティア受入れの書類は整備されていますが、事業所としては受入れ実態はありません。また、福祉養成校などとの関りもありません。利用者の障害特性から「障害の理解」をしたうえでボランティアとして参加してほしいという希望がありますが、今のところ積極的に取り組んではいません。事業所設立から2年半が経過した現在、支援のあり方も安定してきたので、今後は検討していきたいと考えています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

モニタリングやサービス担当者会議は、事業所で行っており、関係機関で連携した支援が行われています。また、そこで話し合われた内容については、夕方の申し送りの際に職員間にて共有しています。一方、高齢の利用者には成年後見制度の利用などを送迎時に家族に話したりするなど、地域の社会資源について紹介しています。また計画相談支援がついていない利用者には、その人にあった様々な社会資源について説明し、紹介しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者が住み慣れた地域での生活を続けるためには医療が欠かせないため、各利用者の主治医と連携しながら、日々の支援を行っています。また、今まで実施していた自立支援協議会の開催回数が少なくなっていますが、他の事業所に個別のケースを相談するなどして連携することで、利用者へのよりよいサービス提供のために取り組んでいます。また。通所している利用者の半数は近隣のグループホームで生活しているため、それらの地域のニーズも把握しながら、取り組んでいきたいと考えています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の防災対策としては、事業所に通常よりも多めに備蓄品を確保しており、必要時には地域に提供することができるようになっています。また、事業所を一時的な避難所として開放することも可能となっています。近隣には中部リハビリテーションセンターがあるため、嚥下障害のある人へのケアや歩行障害がある人へのケアなど、職員の専門的な技術を連携しながら取り組んでいくことができれば、地域にノウハウを還元できるのではないかと考えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人では利用者の人権尊重に何よりも重きを置き、基本理念、職員倫理行動綱領、期待する人材像の第一節に明記しています。職員倫理行動マニュアルには90条に及ぶ利用者支援の最低基準を明記しており、利用者の意思決定、意向、生活歴や生活習慣の尊重、利用者の尊厳の遵守、人権侵害行為の禁止など人権尊重について詳しく記載しています。入職時研修にて、職業倫理として利用者の尊重や基本的人権への配慮について学び、その後も定期的に職員会議で虐待防止委員会の内容を周知するなど、繰り返し確認することで認識を新たにしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

職員倫理行動綱領と職員倫理行動マニュアルを利用者支援の根幹に位置付け、利用者のプライバシー保護の重要性について明記しています。「秘密」の遵守、入室時のドアノック、着脱衣とトイレでのプライバシー確保、肖像権使用同意の取得など、具体的な支援の場面に沿った説明により、職員の理解を図り実施につなげています。契約時には重要事項説明書を用いて、プライバシー保護の取組を利用者や家族に伝えています。また毎月事業所の全職員が人権擁護のためのセルフチェックリストにより利用者支援の振り返りを励行しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

特別支援学校や相談支援事業所を通じて利用希望を受け付ける場合が殆どであり、事業所のパンフレットはそれらの機関に持参しています。A4版両面印刷のパンフレットは写真を多く用い、大きな文字で見やすく表記しており、開所日の変更など内容を随時見直しています。見学は親子での来所もあれば、特別支援学校の教員が付き添う時もあり、懇切丁寧な説明を心掛けています。体験の受入れは利用希望者の様子を見ながら、数時間から2、3日の通所まで幅を持たせて、個々に応じて対応しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

家族同伴での契約が多いですが、後見人や弁護士が同席したり、本人単独で行う場合もあります。いずれの場合も、決して無理強いすることなく、本人や家族の状況を把握、意向を確認してサービスを開始に結び付けています。契約時には重要事項説明書と契約書の読み合わせを行い、言葉の言い換えや例示をしたり、重要な箇所は再度確認するなど理解しやすいように対応しています。重要事項説明書は全文に振り仮名を振る工夫もしてしています。意思決定が困難な利用希望者への配慮については、個別対応を行っていますが、ルール化までには至っていません。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

他事業所への移行の際は、先方の求めに応じて、口頭での利用者状況の伝達となる場合もありますが、事業所としては書類送付やカンファレンス参加を検討しています。既に作成済みの支援経過では、利用者状況にタイムラグが生じる懸念もある為、新規に書類を作成して直近の状況を共有したいと考えています。利用中断や利用終了後も、随時利用者や家族からの電話相談を継続していますが、その旨を文書を渡して説明する段階には至っていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年1回実施している顧客満足度調査では、送迎、日中活動、食事、職員対応について利用者や家族の意見聴取を継続しています。意思表示が困難な利用者であれば家族が代弁者でもあるので、家族来所の折には、家族の言葉から利用者自身の思いや意見に思いを馳せるように努めています。利用者の家族から、入浴介助のサービス提供希望があったので、即時に対応する予定としています。現在、家族会や利用者参画会議の開催は予定していません。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決に関する規則に則り、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員を設置し、玄関内2箇所にポスターを掲示しています。契約時には契約書と重要事項説明書の苦情解決条項を読み合わせて周知を図り、年1回実施の顧客満足度調査では事業所への要望記入欄を設けて、苦情申し出の機会としています。開設後2年半を経て、今のところ苦情はありませんが、その旨を事業報告書に記載するのみとなっています。今後、苦情の有無を含め、苦情を受け付けた際には解決までの対応について、利用者や家族、関係機関などへ公表することが期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

事業所の担当者以外でも、第三者委員、川崎市障害計画課、かながわ福祉サービス運営適正化委員会を苦情や意見の受付窓口として挙げ、契約時に重要事項説明書を用いて説明しています。また送迎時は家族とのコミュニケーションが得られやすく、大切な意見や相談対応の機会と捉えており、職員は傾聴に努めています。その真摯な対応が利用者との信頼関係構築につながり、意見や相談が苦情レベルになることは、今まで皆無でした。事業所の相談室や多目的室はプライバシーが確保できるため、面談対応スペースとして活用しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

相談や意見を聴取した際は、「主訴を把握→即刻に朝礼か夕礼にて共有し→対応や改善策をフィードバック」の手順を辿り、早期の解決を目指しています。一連の流れを個別ケア記録に入力することで、職員間での共有が図られています。送迎時にいつもと違う家族の様子や疲れた表情を感じた時などは、コミュニケーションをとる中で相談を受け、また毎年の顧客満足度調査を意見聴取の機会とも捉えて、利用者や家族の発信を逃さないように心掛けています。法人ではクレーム対応とクレーム報告のマニュアルを作成し、定期的に見直しを行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事業所におけるリスクマネジャーは所長であり、ヒヤリハットや事故事例をとりまとめて、毎月管理者会に報告しています。法人のリスクマネジメント委員会ではそれらの状況分析を行い、緊急時対応マニュアルに沿って、対応策の周知徹底を図っています。その結果を出席者が各事業所に持ち帰り、職員会議で共有しています。リスクを察知できる習慣づけとして、ドアの閉め忘れなどちょっとしたエラーもヒヤリハットとして挙げています。サービス提供時の安全確保は実地での指導を重ね、月1回運転技術についても職員の相互確認を継続しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業所の感染症対策責任者を所長と定め、指令系統を明確にするとともに、厚生労働省作成の障害福祉サービスにおける感染対策マニュアルに沿って、日頃から予防体制を整えています。コロナ5類以降は職員のマスク着用のみの対策となっていますが、利用者の体調変化時には抗原検査を励行しています。法人では感染症対策委員会を定期開催しており、各事業所では職員会議において内容を周知しています。事業所でも感染症に関する業務継続計画(BCP)に基づく内部研修を企画予定しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時の初動対応は緊急時マニュアルに則り、巨大自然災害発生時はBCPに定めた業務再開までの道筋に沿った対応がとれるように、職員会議や内部研修で周知しています。ハザードマップから特定される災害はなく、年2回の防災訓練は地震想定であり、利用者全員が敷地内駐車場への避難行動を体験しています。所長を災害用備蓄の管理者と定め、最低3日分の食料と飲水をリストを作って管理し、職員安否確認システムのメールテストを実施するなど、災害対策を整備しています。災害時における地域との具体的な協力体制を、今後の課題としています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

標準的なサービスの実施方法については、主に重要事項説明書にて利用者などに説明しています。また具体的なサービスの提供にあたっては、手順書や個別支援記録、ケア会議での方針やサービス管理者のスーパービジョンなどを通して取り組んでいます。そして利用者の尊重やプライバシーの保護や権利擁護については、法人の倫理行動マニュアルを用いて、常勤及び非常勤職員に研修を行うなど、また具体的には日々の支援を通して具現化しながら、周知徹底を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

概ね半年ごとに、定期的にそれぞれの利用者の個別支援計画のモニタリングが行われるので、その際に見直しを行っています。またそれらの見直しにあたっては、家族との日々の連絡帳のやりとりや、送迎時に事業所での活動の様子を伝え、また家族からは自宅における睡眠や排泄など体調のことを聞き、その日事業所における一日の過ごし方を決めるなどしています。職員には夕方の申し送り時及び職員会議にて意見を聴収しています。利用者や家族からの要望は、体を動かしてほしいなどが多く、すぐにその意見を反映させるために計画を見直して対応しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画策定責任者はサービス管理者としています。個別支援計画策定にあたっては、常勤及び非常勤職員が検討しています。支援困難ケースは、他害、粗暴ケース、自傷行為、感情の起伏が激しい利用者ですが、日々の支援においてそれらの行為がおこる際の様子や状況を観察することを通して、それらが起きないように環境調整するなどして適切な福祉サービスを提供しています。そのためには、職員のストレスマネジメントも必要であり、ひとりで抱え込まないように職員間で情報を共有しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者数も少なく、支援する職員も少ない状況下、組織的というよりも顔の見える関係性のなかで全職員が関わって個別支援計画を作成しています。また見直しの周知についても朝夕の申し送りや職員会議にて共有しています。朝夕での申し送りの際に共有した情報が、利用者の状況により緊急に支援計画を変更しなくてはならなくなった場合の根拠となっています。小さい事業所であるので柔軟にこれらを行うことができるというメリットがあり、それを活かしながら支援しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

日々の記録については法人のシステムに集約されています。毎日の朝夕の申し送りの際に、個々の利用者の様子や支援内容を確認したことなどが、記録されています。サービス管理者は、それらの記録が個別支援計画に基づいて記載されているかなどを確認しています。また小さな事業所なので、情報共有は朝夕の申し送りや職員会議で十分に把握できています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規程は法人で作成したものを使用、その中に記録の保管や破棄、その他についての規程が定められています。これらについては法人の階層別研修や初任者研修、OJTにて周知をはかっています。また個人情報の取り扱いについては個人情報使用同意書をとって必要時に使用することになっています。また事業所のパンフレットや事業所便りに掲載する写真についても本人、家族から同意をとって掲載しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

生活介護事業所ですが、利用者の障害特性から身体介護がメインとなっています。そのなかで、個別支援計画に基づいて、生産活動ができる利用者には編み物など個別的に取り組みたいことを聞いて、行っています。また利用者への合理的配慮としては、同性介助を行い、利用者の前で他の利用者の話はしないように留意し、あなたのことを大事に思っていますよというメッセージを発しながら支援しています。また意思表示の難しい利用者には家族やグループホームの職員から意見を聞きながら、できるだけ活動が広がるように、本人の思いに基づいた支援を行えるようにしています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

権利擁護にあたっては、法人の倫理行動マニュアルを使用して研修を行いながら周知しています。また家族へは、重要事項説明書に記載している内容をもって説明しています。やむを得ず身体拘束を実施する場合には、切迫性、非代替性、一時性の身体拘束の3要件から本人や家族に同意を取り、記録を取ることを職員に周知徹底しています。また身体拘束をせざるをえなかった場合には振り返りを行うなど具体的に検証することを通して、今後の身体拘束につながらないようにしています。合わせて、定期的に虐待防止委員会、身体拘束適正化委員会を行い、事業所内事例も含めて検討したり、また権利侵害が発生した場合には、法人にて事故検証委員会を立ち上げ、検証することになっています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者が可能な限り自立した生活ができるように、自立支援を主眼とした個別支援計画に基づいて支援を行っています。行政手続きやその他の生活関連サービスの利用については、その必要性を感じた際には、本人や家族の意向に沿いながら、サービス管理責任者やグループホーム職員などに相談しながら、支援しています。障害があっても権利が擁護され、自立した生活の保障がされるためには成年後見制度の利用を進めていきたいと考えています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者のコミュニケーション能力を高める支援として、常に話しかけて、言葉が通じない場合にはサインや絵カードを使用して、利用者本人の意見を察知しリフレーミングをしています。そうすることで、問題行動となっていることが、本人が伝えたいことなのであるという理解が可能となります。合わせて、一人ひとりの利用者の様子を観察することを通して利用者の意思がわかることが必要であり、そのことで利用者は自分のことをわかってくれると感じ、だからここで一緒に過ごすという思いが培われていきます。パソコン操作が可能な利用者が手紙を書くお手伝いなどを通して、コミュニケーション能力を高めるための支援を行っています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の意思を尊重する支援として、まず話をしたいことを話せる機会の確保を通して、自己表現できるようにしています。また意思決定支援への取組としては、「あなたはどうしたいのか」「AとBのどっちをやるか」「やらない選択もある」などの意思を確認しながら、支援をしています。小規模の事業所で職員の配置も手厚いので一人ひとりに対する丁寧な対応が可能となっています。個別支援計画作成時や見直し時には、原則利用者との面談の機会をもち、要望を聞くようにしています。これらにより得られた利用者の意思は、職員会議などで共有し、個別支援計画にも必要に応じて反映しています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

日中活動は利用者のニーズによる選択制としています。決して無理強いはせず、本人が取り組める内容や、ちょっとやればできるように多様化した内容を用意しています。パソコンに取り組むことで周辺症状が軽減した利用者もいれば、自ら手芸をやりたいと意思表示をして取り組む利用者もいます。個別活動の実施が困難な人は、グループで歩行訓練をしたり、地域に出かける散歩、外気浴など、利用者が負担なく行えることを実施しています。散歩の際には、地域の人に挨拶してコミュニケーションを図っています。その他にも定期的な余暇イベントとして、音楽プログラム、水遊び、おやつレクリエーションなども行っています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

強度行動障害の利用者が多いため、職員は常勤及び非常勤職員を問わず、強度行動障害支援者養成研修を受講するようにして、専門的な知識の習得を図っています。また利用者の環境調整として、パーテーションを利用するなど、刺激を与えないような配慮をする場合もあります。利用者には成功体験が得られるような支援をしており、それらを通して支援方法をブラッシュアップしています。またこれらの支援は、日々のミーティングの中で共有され、対応方法について常に協議しています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

食事はセントラルキッチンでスチーマーで提供しており、食事形態は、きざみや強きざみ、おかゆなどに対応しています。法人全体での給食会議を月1回実施し、利用者の希望や心身の状況に応じた食事の提供をしています。事業所には特殊浴槽があり、入浴支援を今後実施していく予定としています。排泄支援としては、排泄のリズムを掴み、1日4回のむぎ茶の水分補給などを通して、スムーズな排泄ができるようにしています。これらの支援については、利用者の希望やアセスメントを基に作成した個別支援計画に従い、適切に実施しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

活動室はバリアフリーになっており、様々な障害の利用者が快適に過ごせるようになっています。配食については、障害の特性に応じて決め、職員は介助する際には全体が見渡せるように配慮しながら、利用者の安心・安全が確保できるようにしています。また利用者が休息する際には、ストレッチャーを使用しています。浴室やトイレも一定のスペースが確保してあり、明るい雰囲気のなかで障害に応じた仕様になっています。利用者のなかで、活動に影響を及ぼすような精神的な状況になった際には、一定時間を別室を使用して落ち着くように対応しています。事業所は設立されて2年半と施設も新しく、また様々な障害特性のある利用者を受け入れるための生活環境が確保されています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人から2ヶ月に1回程度、理学療法士の訪問があり、リハビリの対象となる車いす使用、歩行状態の不安定な利用者のアセスメントを行い、それに基づき訓練メニューを作成しています。それに基づき、日々の活動のなかで、支援者が機能訓練を行っています。また訓練メニューについては理学療法士が動画を作成してくれるので、自分自身で取り組むことができる利用者はそれらを見て、訓練を行うことができるようになっています。また理学療法士の来所に合わせて、介助をするうえで安全に行えるように、助言や指導を受けたり、利用者自身からも聞くことができるようになっており、機能訓練や清潔訓練の検討や見直しにつなげています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康状態など身体面に関することは、嘱託医師の巡回時、または看護師の勤務時に適宜相談し、情報を共有しています。また稀に活動日に利用者の体調が不良になる場合もあり、その際には利用者の主治医や家族に連絡をし連携しながら、救急車を呼ぶなど適切な対応を行っています。健康の維持のために、活動時の昼食の際に服薬する利用者もおり、災害時に備えて、服薬している薬を一定量、確保しています。これらの健康管理に関する職員への研修や個別の指導などを定期的には実施できていませんが、経験年数豊富なサービス管理責任者によるOJTを行っています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

事業所で行っている医療的な支援は、災害時等のための利用者の処方薬の預かりのみであり、これらの薬品については看護師が適切に管理しています。そのための実施手順や個別計画の策定、医療的なケアの研修などついては、現在行われていません。緊急で医療的な支援が必要になった際には、利用者一人ひとりの緊急連絡簿に基づいて連絡をし、救急対応しています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

社会参加については、利用者の希望に沿って対応するようにしています。土日の活動としてガイドヘルパーを利用して、食事に出かける利用者もいますが、その他の利用者が外出や外部のイベントに参加する機会は少ない現状です。事業所の日々の活動においては、社会とのつながりを持てるように、地域交流を目的とした散歩などの支援、また月に1回、地域活動支援センターとの音楽を通した活動を行っています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

現在の地域での生活が安定して継続できるように、関係機関との支援チームづくりに努めています。老老介護で利用者を介護している家族もいるため、計画相談支援の導入により、利用者が使える社会資源などの情報提供をしています。また活動時に利用者から相談があった場合や変化が見られた場合には、家族やグループホーム職員、支援者と連絡調整をしながら、課題解決を図っています。しかし、地域生活に必要な様々な学習や体験の機会の提供については支援の中で実施することができていません。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

家族等との連携については、利用者の連絡帳や送迎時の家族等とのコミュニケーションを通して行っています。またその他、顧客満足度調査を実施することで、利用者や家族からの要望を把握できるようにしています。また希望により、家族等との面談の機会を設けたり、相談に応じることもあります。利用者や家族が生活を送る上で基本的なことが困らないようにどの職員でも相談対応できるようにしたいと考えています。今後は、家族会を開催して相互理解を深める活動を実施していく予定です。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】