社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

アスク山下町保育園

2023年05月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 アスク山下町保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60名(利用者:59名) 名
所在地 231-0023
横浜市中区山下町27 プロシード山下公園ザ・タワー2階
TEL 045-227-1385 ホームページ https://www.nihonhoiku.co.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2010年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社日本保育サービス
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:8 名
専門職員
園長:1 名
主任:1 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
保育士:14 名
看護師:1 名
保育補助:1 名
調理補助:1 名
施設・設備の概要
保育室:3室
トイレ:2か所 
調理室:1か所 
事務室:1か所 
園庭:有

③ 理念・基本方針
【保育理念】
「未来を生きる力を培う」
自分らしく、生きる道を歩み、どんな時代にも対応できる資質と能力を培いています。

【保育方針】
一人ひとりに心をかけ、愛情を注ぎ、成長に合わせたきめ細かな保育を行うことで、変化の激しいこれからの社会を生き抜くための、生涯にわたる生きる力の基礎をはぐくみます。
・自らの伸びようとする力を支えます。
・五感を養って感性を豊かにします。
・後伸びする力を育みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園では、子どもたちの「生きる力」「伸びる力」を育むことを目的にそれぞれの年齢の発達に合わせた多様な保育プログラムを実施しています。すべてのプログラムは、子どもたちへの教育ではなく、楽しむ心や学ぶ楽しさを育むプログラムとなっています。
英語プログラムでは様々な国出身の講師との会話や、歌や絵本を通じて自然と英語に親しむようになります。また、ハロウィーンなどの外国文化を学ぶテーマも積極的に取り入れています。
体操プログラムでは、体の動きだけでなく、集団での運動遊びを行う中で試行錯誤を繰り返してえた多くの成功体験から、意欲的な心を育てるとともに、さらに思いやり、譲り合い、助け合い、応援する心など将来的にも必要となる社会性の面も育てます。
リトミックプログラムでは、音楽を身体全体でのびのびと表現しながら、体験、経験、する中で集中力、想像力、協調性、創造性などの人間力を育む音楽教育です。様々なプログラムを通して、耳を傾けて集中する事、音楽を受け止め感じること・自由に考えたり発想したりする事・判断したことに即時に反応する事・心にあるものを自由に表現する事・音楽に合わせて柔軟に動けるようになることを目指しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/01(契約日) ~2023/04/03(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 7 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)他園や小学校と連携し、就学を見通した保育を実践しています
全体的な計画の中に小学校との連携や就学に関連する事項が記載され、それに基づいた保育が行われています。年長児がいる保育園による中区主催の「中区保育園児駅伝大会」に今年も5歳児が参加しました。駅伝では、皆が応援する中、一人ひとりが一生懸命に走り、次の友だちにたすきを渡し、最後までたすきを繋げることが出来ました。駅伝終了後は就学する小学校別に分かれて遊び、交流を深めています。また、就学に向けて近隣の小学校を訪問しています。1年生に学校を案内してもらって交流しています。コロナ禍であっても実際に交流を行い、子どもが就学を意識し、見通しを持てるよう取り組んでいます。

2)子どもの健康管理を適切に行っています
入園時に保護者から「健康調査票」を提出してもらっています。「健康調査票」で個々の今までの健康状態や既往症の確認をしています。登園時には子どもの検温と体調、様子を確認して日誌に記入しています。注意を要する子どもの体質について、看護師が「園児体質一覧表」を作成し、確認しやすくなっています。看護師は子どもの健康管理や感染症などの対応の中心となっています。

3)人材育成の為の研修制度や人事管理の体制を整えています
法人は園の保育サービスの質の向上を目指し、人材育成の為の社内研修制度を整えています。研修には、等級別研修、自由選択研修、キャリアップ研修、園内研修及びアシスト・施設研修があり、半期ごとの研修計画を策定し、研修実績を記録しています。職員個々の業務目標を「目標管理シート」に設定し、年4回の園長との面談により、振り返りと評価をしています。さらに年2回、園長との面談で、個々の職員の等級毎に必要とする能力や技術を評価する仕組みを整えています。これらの評価は、職員の賞与,昇給及び昇進の考課に活用されています。人材育成と職員のモチベーション維持・向上に役立っています。

4)マニュアルの類の棚卸を実施し、保育活動に活用することが期待されます
各種マニュアル類は基本的に法人で作成しています。マニュアルによっては内容の充実が求められる項目や、現在は中止している保育プログラムの内容が記載されたままで、改定が必要な項目もあります。一度、マニュアル類の棚卸を実施してマニュアル類を整備し、閲覧場所や保管場所も検討したうえで、職員の保育活動にさらに活用することが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
前回の受審から、今回は5年がたっていて、職員も園長以外、初めての第三者評価の受審となりました。
第三者評価とは何かから始まり、全職員が説明を聞いてから、3から4人のグループで話し合いの時間を持つことで、重要事項説明書やマニュアルなどの書類について職員全員で再確認することができました。また、伝えていても伝わっていなかったことや、小さなグループで話し合うことにより、いろいろな意見や考え方など職員同士のコミュニケーションをとる機会にもなりました。保護者の方からのアンケートからもご意見をいろいろ頂き今後の保育運営に生かしていきたいと思います。
今回の受審の結果を真摯に受け止め職員一同さらにより良い保育を提供していけるように努力していきます。

最後に今回の第三者評価受審に際し、ご尽力いただいた評価機関の皆様、ご多忙にもかかわらず利用者アンケートにご協力いただいた保護者の皆様に心より感謝申し上げます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念や基本方針は「入園のご案内(重要事項説明書)」や「入園のしおり」に掲載し、ホームページでも公開しています。園目標は毎月の「園だより」に掲載しています。園の玄関にも、理念、基本方針及び園目標を掲示し、周知を図っています。入園時の保護者説明会は、コロナ禍のため、事前に資料を配布し、当日は質問を受ける形にしています。今後さらなる周知徹底が期待されます。職員には、入社時の研修を始め、職員会議、園長と職員の個別面談などで必要に応じて説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人は、社会福祉事業全体の動向について把握しています。保育園の管轄責任者をブロック単位、また、その上部のエリア単位に配置し、該当エリアの動向についても把握しています。園長は、法人の園長会や区の園長会などに出席し、地域の福祉計画の策定動向と内容を把握しています。法人は保護者アンケートを実施して、保護者の意向を収集し、経営課題などを把握しています。園は、その情報を受け、課題解決に取り組んでいます。法人は、財務管理などを通じて適正な保育園運営を支援する体制を構築しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人は園の経営環境や経営状況の把握や分析に努め、課題を明確化にして園の改善を支援しています。法人で議論された重要事項は、法人の園長会などで議論され、重要重点課題に設定された場合は、職員会議などで職員に周知し、園全体で改善に取り組む体制となっています。保育士の人員では、従来多かった派遣社員を非正規雇用の保育士に替えています。また、財務状況の改善も実現しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は法人の理念や基本方針を実現する為に、法人としての経営や保育の中・長期の事業計画や収支計画を策定しています。また、園の保育内容などもホームページなどで広く公開し、法人の目指すビジョンを明確にしています。「保育園業務マニュアル」の中で各種計画の目的や内容について触れられており、園独自の中・長期計画の作成も示されています。職員会議で議論して園長と主任が確認して策定することになっていますが、園独自の中・長期計画は未策定です。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画を反映しての単年度計画は未策定です。「保育の内容に関する全体的な計画」の中で保育内容や環境や衛生管理・安全管理、研修計画、職員の資質向上などの項目を定め、具体的な取組計画を示していますが、園の中・長期計画の策定がされていない為、計画が反映した内容とは言えない状況です。今後は園の中・長期のビジョンに基づいて、経営課題や設備、人材確保育成など、事業全体としての単年度計画の策定が期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

法人が設定した単年度の事業計画は、職員会議などで職員に周知し、目標達成に向けた取組が行われています。また、「保育の内容に関する全体的な計画」において、保育の具体的な活動目標を明記しています。課題については、具体的に職員会議などで議論して改善に取り組んでいますが、自分の意見や希望などをなかなか話せない職員に対しては、付箋に意見や希望を記入してもらい、コミュニケーションを図って議論に参加してもらっています。今後、職員のさらなる参画が期待されます。今後は中・長期計画を反映させ、実施状況の評価が行えるような事業計画の策定が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者への説明は、保育計画や行事計画を主体に保護者会で行っています。年度の途中での重要な意思決定、例えば、年度の途中での担任交代、園の行事の日時変更、内容の見直しなどがあった場合は、「園だより」の配布や玄関での掲示及び保護者会を開催して説明するなど周知に努めています。その際、自分の要望や意見などが話せない保護者に対しては、付箋に意見や希望を記入してもらうなどコミュニケーションを図る工夫をして成果をあげています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

法人の方針である経営基盤の確立や成長戦略の推進により、ブロック目標、エリア目標及び園の業務目標が定められ、職員の「目標管理シート」の目標設定に繋がっています。法人は年2回保護者アンケートを実施して分析し、該当保育園に必要情報を提供しています。園はアンケートの結果を踏まえて課題を職員会議などで検討し、改善に取り組んでいます。今後職員の更なる積極的参画が期待されます。コロナ禍で一時中断していた第三者評価の受審も再開し、保育の質の向上に積極的に取り組んでいます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

年2回、法人が実施する保護者アンケートから保護者からの要望や意見を把握して、園の課題を明確にしています。把握された課題は、職員会議などを通じて改善に努めています。保育園ではサブスクによる子どものおむつの提供を検討していますが、実現は難しい状況です。従来、子どもが持参していた手拭きタオルは使い捨てのペーパータオルに変更しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長の職務分掌や必要なスキルが「保育園業務マニュアル」や「目標シート」で明確化されています。また、「保育園業務マニュアル」には園長不在時の権限委任なども明確に記載しています。園長は、職員会議での発言や発信だけでなく、年度の園長個人の目標、取組、課題及び対策を「目標管理シート」に記載し、職員に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人にはコンプライアンス規定が設定されています。園長は法人の園長会や中区の園長会などに出席し、また、法人から配信される法令に関する情報を収集し、法令改正などの情報把握に努めています。把握した情報は、職員会議などを通じて職員に周知しています。「個人情報管理規定」に則り、事務所からの文書の持ち出しや、データや資料の保存期間なども規定し、個人情報の保護にも取り組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は保育の質の向上に向けて、職員との「目標管理シート」による年4回の面談や、「目標シート」による年2回の個人面談を実施してアドバイスを行っています。日々の保育でもクラス担当からクラスの様子を聞き取りしたり、保育の様子を自ら観察し、アドバイスをしています。また、加配の子どもへの関わり方なども相談にのっています。職員にアドバイスする際は子どものいない場所で行うなどの配慮をしています。職員との面談はメモで記録し、園長が保管しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

法人は経営の改善や業務の実効性を高めるよう園の運営を支援しています。園長は法人の支援の下に基本的な課題を常に視野に入れて園を運営しています。保育園の将来性、継続性及び経営資源の有効活用などの分析などは園として十分に行われていません。園長は保育を実践し、職員の人員確保や働きやすい環境整備などの課題解決に向け、法人と協働して取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、園が目標とする保育の質を確保する為に支援体制を構築しています。人員の確保や配置などは法人が計画し、職員の募集はホームページなどで法人が行っています。職員の採用にあたっては園長が面接しています。人材の確保・定着に取り組んでいますが、計画や実績など職員の理解には至っていません。職員の人材育成に向けては、目標管理システムや各種研修制度を活用し、計画的に保育の質の向上に努めています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は、人事基準を明確に定めています。職員は、年2回、「目標シート」により、等級別に定めた必要なスキルを園長と職員の面談で確認し評価しています。職員は、「目標管理シート」で目標を設定して保育を実践し、年4回の園長との面談で目標の達成状況を確認し評価しています。法人は年1回職員に対して意向や意見などの調査を行い、人事異動などの参考にしています。働きやす職場作りに取り組んでいますが、職員への理解に課題があります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の残業を含む勤務状況や休暇の取得状況はITを活用して管理しています。園長や主任は勤務データや有給休暇の消化状況を把握し、必要に応じて指導しています。有給休暇は、年に5日は必ず取得することになっています。年1回全職員に翌年度の働き方についての意向調査を実施しています。また、園長との定期的な面談時にも、相談ごとがあれば対応しています。また、職員が希望すればエリア長やブロック長とも面談の機会を設けることができ、必要な事項は園長にも情報が提供されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育士人材育成ビジョン」により、保育士の期待される職員像が明確になっています。職員は目標管理システムで、法人理念、保育方針、園の目標及び保育の内容に関する全体的な計画に則り、園長との面談を受けて個人目標を設定し、年4回振り返りの為の面談も受けています。年度末での評価は翌年度の目標設定に繋げています。また、日々の保育の実践活動を通じて、悩み事や相談事を抱えている職員に対して、園長は声をかけ、いつでも相談ができる良好なコミュニケーションがとれる職場環境を心がけています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、「保育士人材育成ビジョン」で、保育士の期待される職員像を明示しています。法人は、等級別研修、自由選択研修、キャリアアップ研修、園内研修及びアシスト・施設研修の制度を設けて、職員の研修・教育を実施しています。等級別「目標シート」で、該当等級の必要とするスキルなどを明確にして、評価しています。研修受講者は、「等級別研修レポート」などの研修レポートを提出し、研修内容やカリキュラムの評価と見直しを実施しています。今後研修レポートや研修記録のさらなる充実が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

研修制度には、各等級で学んで欲しいこと・身に付けてほしいことを学ぶ「等級別研修」、自分の知識・保育技術向上の為の「自由選択研修」、自身の知識・技術の向上の為の「キャリアアップ研修」、保育園でテーマを設定して行う「園内研修」及び、人手が必要になった社内の施設へサポート役として訪問する「アシスト・施設研修」があります。研修は半期ごとに計画し、「個人年間計画」に記録していますが、今後、研修記録の記載方法の充実が期待されます。研修の参加希望者には勤務シフトの調整も行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

「保育業務マニュアル」の実習生受け入れの項目で、実習生の受け入れに関する担当者やオリエンテーションなどの基本姿勢を明記しています。ホームページで、法人や園の理念や基本方針、保育の内容、行事及び見学受け入れなどの情報を公開しています。また、ホームページには新卒者や中途採用者向けの実習申し込み欄があります。過去には、短大などの実習生の受け入れを行っていましたが、コロナ禍などから最近は受け入れをしていません。今後、マニュアルの充実とともに実習生の受け入れ再開が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページで法人や園の理念、基本方針、保育の内容、行事及び見学の受け入れなどの情報を公開しています。地域に向けてはホームページで、「地域の皆様へ」の項目を設けています。事業所のパンフレットでも園を告知しています。保育園の財務諸表も園の事務室で公開可能です。コロナ禍で一時中止していた第三者評価の受審も再開し、これまでと同様、受審結果をホームページで公開する予定です。苦情・相談の対応体制も「入園のご案内(重要事項説明書)」で案内し、玄関にも苦情相談担当者などを掲示して周知しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園は公正かつ透明性の高い適切な経営・運営の為の取組をしています。法人では外部の専門家による監査を受けています。園では、業務の運営ルール、職務分掌と権限・責任を明確にし、職員に周知しています。園の経理は、月に2回、15日の中締めと月末の締めがあり、法人の経理担当者が確認しています。また、法人担当者による業務や経理の内部監査も月に1度、期日を定めずに実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「保育の内容に関する全体計画」の中で地域交流の計画を策定しています。これまで、中区のグランマ保育事業の一環として委託されていた本の貸し出し業務は、区の業務終了後も継続して実施しています。離乳食の試食会や園庭開放などを園見学などにきた保護者に案内していますが、園庭のおかれている状態などで、充分には行っていません。過去に実施していたハロウィンのイベントは、現在コロナ禍の為に、園内でのイベントに変更しています。今年度はコロナ禍により規模は縮小しましたが、近隣の保育園5園の5歳児で、山下公園駅伝大会を実施しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

「保育業務マニュアル」のボランティア受け入れ項目では、ボランティア受け入れに関する担当者やオリエンテーションなどの基本的な考え方や方針を明記しています。今後さらにマニュアルの内容の充実が期待されます。過去にはボランティアの受け入れも行っていましたが、現在は、コロナ禍の為、受け入れていません。ボランティア人材活用の観点からもボランティアを受け入れていくことが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

中区の子ども支援課からは翌月の保育の空きの問い合わせや個人の保育時間の変更などの連絡を受けています。虐待が疑われる家庭や障がいのある子どもの保育にあたっては、中央児童相談所、中福祉保健センター及び中部地域療育センターなどの専門機関と連携して対応しています。このような場合には、職員会議などで情報を共有したり、伝言ファイルなどにも情報を記載し、全職員が同じ対応ができるようにしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園は、法人の園長会や区の園長会などを通じて地域の福祉ニーズや生活課題などの把握に努めています。 法人が実施する保護者アンケートでも、保護者の要望や希望の把握に努めています。今後、加入している自治会との交流を深め、相談事業の実施などを通じて、地域の福祉ニーズや生活課題の把握に努めることが期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

園は、社会的責任の一環として地域の福祉ニーズに基づく公的な活動を行っています。園では、立地環境の問題などにより充分活用されているとは言えないものの、地域に向けて園庭開放を実施しています。区が廃止した絵本の貸し出し業務を継続しています。また、保育の専門知識を生かした離乳食の講演会や試食会を実施しています。今後は、災害時の地域支援についての検討が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「すべてはこどもたちの笑顔のために」など、法人の理念や方針に子どもを尊重した保育の実施について明示しています。職員は入職時研修や職員会議などで理念や基本方針を学び、日々の実践に取り組んでいます。法人の人権分科会では「私たちの、子ども一人ひとりを大切にした生活場面のチェックリスト&解答書」が用意され、共通理解のための基準を示しています。また、男の子だから、女の子だからなどの理由で色などの区別をしていません。一人ひとりに応じた発達を援助するような保育を心がけています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護について、「保育園業務マニュアル」に職員の姿勢・責務などを明記し、研修などで職員への理解を図っています。子どものおむつ替えや着替えの際にはカーテンを閉め、外から見えないように配慮しています。保護者の情報についても守秘義務に務めています。入園の際には、保護者に重要事項説明書を用いて、個人情報や写真、SNSなどの取り扱いにおけるプライバシー保護への配慮について説明しています。その上で子どもの写真の取り扱いについての承諾書を提出してもらっています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のホームページでは、園の概要、保育室の様子などを動画で紹介しています。園のパンフレットは基本情報や年間行事予定、主な保育プログラム、よくある質問など保護者が知りたい情報をかなり細かく写真とともに分かりやすく紹介し、区役所などの公共施設にも置いています。見学は電話だけでなく、ホームページからも予約ができます。コロナ禍においての見学は、個別に一家庭ずつでの丁寧な対応を心がけています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

例年、入園にあたって入園前説明会を開催し「入園のご案内(重要事項説明書)」や「入園のしおり」を読み合わせ、園における基本的なルールなどを分かりやすく説明しています。しかし、昨年はコロナ禍ということもあり、入園前説明会は短時間での開催となり、あらかじめ、書類を郵送して読んでもらい、説明会当日は質問を受ける形にしています。保育の変更時には、メール(パステル)や掲示により保護者に知らせています。コロナ禍においても保護者への説明は十分に理解しやすいよう、工夫や配慮が期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育園の変更にあたっては、子どもや保護者の意向を踏まえ、行政をはじめとする関係機関との連携は十分とれています。必要な場合は、保護者に確認をとり関係機関に繋げています。卒園時には、子どもや保護者に対して何かあった時はいつでも相談できる旨を伝えていますが、その内容は文書化していません。今後は文書にして渡すことが期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で、子どもの楽しそうな顔や給食を残さず食べる姿から子どもの満足を把握しています。年2回法人で保護者アンケートを実施しています。そのアンケートをもとに、保護者が求めている保育内容の把握や子どもたちに合った保育の質の見直しを行っています。保護者からの相談には、時間を合わせるように心がけ、内容は面談記録に記載して職員間で共有しています。保護者会や運営委員会はありませんが、日々の送迎時の保護者とのコミュニケーションで保護者の意向や満足度を把握しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「入園のご案内(重要事項説明書)」に苦情解決の体制として、苦情解決責任者、苦情受付担当者の設置について記載しています。玄関にも苦情解決の体制を掲示しています。外部の第三者委員も知らせていますが、保護者の認知が低く、課題となっています。日頃からコミュニケーションを心がけ、お迎えの時間には保護者と顔を合わせて話をするようにしています。その日の子どもたちの様子を伝えたり、保護者の様子を見て声がけし、保護者からも話しやすい環境を作るようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談したり意見を述べたい時に方法や相手を選択できることを、入園前説明会で保護者に伝えています。園だよりにも、担任以外と相談や面談をしたい時は事務所に声をかけてほしいと記載しています。個人面談は随時対応しています。保育園のみで解決が難しい場合は法人や中区こども家庭支援課と連携し、対応できる体制にあります。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

行事後の保護者アンケートは無記名で、保護者が意見を述べやすいように配慮しています。行事後アンケートは職員で集計し、行事の振り返りの際の参考意見として、次回の行事に生かしています。保護者からの相談や意見に対して迅速な対応を心がけています。保護者から相談があった場合には、誤解や行き違いを防ぐため、相談を受けた職員一人で対応せずに、必ず園長、主任に報告する体制になっています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

園長は日ごろから職員へアクシデントになる前に気が付くことが大切だと伝えています。保育室内の危険なものや場所を把握したり、整理整頓をするようにしています。戸外活動が多く、公園に行く道中や、着いてからも安全の確認や事故防止に取り組んでいます。職員会議で安全について議題に上がり、話し合っていますが、園内での細かい研修や振り返りが不足していると考えています。今後の研修が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「入園のしおり」に感染症について細かく記載し、入園の説明会、保護者会で、感染症について説明しています。「登園許可書」や「登園届」についても説明しています。看護師が中心となり、感染症の流行の際には園内に掲示して保護者に知らせています。同時に職員へも知らせ、情報共有し、適切に対応しています。おもちゃ、遊具や施設内の消毒は感染症のマニュアルに従って実施しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応体制を決めています。保護者の連絡先を記載した緊急連絡表を作成しており、保護者には常に最新のものになるように協力を呼びかけています。全園児の保護者、および職員の携帯、メールアドレスを登録して緊急時に備えています。食料や備品類などのリストを作成し、園長が管理者となり、3日分を備蓄しています。保護者参加の子ども引き取り訓練も行っています。保護者の安否確認は園長との災害ダイヤルで行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

「保育業務マニュアル」の「保育業務の基本」には標準的な保育の実施方法が適切に記載されています。一日の保育の流れはデイリープログラムとして、各クラスに掲示しています。全体的な計画から月案、日案の保育計画を立て、保育日誌にその日の保育の内容や子どもたちの活動の様子を記載しています。月案、日案、保育日誌は園長、主任が確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

毎月の職員会議で各クラスの子どもたちの様子を確認し、情報共有しています。保育の内容に変更があるときには職員に伝え、意見なども伝え合うようにしています。保護者からの意見や相談なども共有し、変更がある場合は随時報告、連絡、相談を行うようにしています。標準的な実施方法はPDCAサイクルにより保育の質に関する検討が継続的に行われています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

3歳児未満については個別指導計画を作成しています。幼児についても課題や支援が必要な子どもには法人の発達支援担当と相談しながら個別指導計画を作成しています。個別の課題がある場合には、職員会議などで共通事項として話し合い、他の職員からの意見も参考にし、柔軟に変更・見直しを行っています。指導計画に基づく保育実践について振り返りや評価を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画の評価・見直しに関する園としての手順が定められ実施されています。週案・日誌には、その日のねらい、環境構成/配慮、クラスの様子、今日の振り返り欄があり、振り返り欄にその日の評価を書けるようになっています。指導計画はクラス毎に見直しを行っています。今後は、指導計画の見直しに当たって保育の質の向上に関わる課題を明確にすることが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活の状況は、法人の決められた書式に従って記録しています。記録は事務所内に保管されいつでも確認することができます。書式や内容の変更について、職員会議で確認、共有しています。記録する職員によって記録内容や書き方に差異が生じることもあります。現在は特別な指導はしていませんが、今後書き方に差異が生じないよう指導が期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもの成長や生活、保護者の個人情報が記載された書類に関しては、事務所内の鍵付きロッカーに保管しています。職員には研修を行い、個人情報の不正な利用や漏洩がないように教育周知し、個人情報保護規定についても遵守徹底を図っています。個人情報の取り扱いについては、「入園のご案内(重要事項説明書)」に記載し、入園説明会にて保護者に説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえて作成しています。法人の経営理念、運営理念、保育理念、保育方針に沿って園目標の「大切にしよう元気なあいさつ・ありがとうの気持ち・のびのび育てよう心と体」を作成しています。これらは利用者本人を尊重したものとなっています。全体的な計画では異年齢保育や長時間保育の内容も作成し、保育園としての保育の環境や地域性なども考慮しています。全体的な計画は園長が作成していますが、今後は保育に関わる職員が参画して作成することが期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

園はマンションの2階部分にあります。建物の構造上、窓を開けることができない環境のため、24時間換気システムを採用しています。夏は26~28℃、冬は20~23℃の室温になるように設定しています。衛生マニュアルに則り、園内は毎日清掃し保育室清掃点検記録表にチェックして清潔に保つようにしています。保育室内の採光や湿度にも気を付けていますが、時期によっては湿度が上がってしまい、環境設定が難しい保育室があることが課題です。反対に乾燥しすぎることもあるために、濡れたタオルをぶら下げるなどで対応しています。保育室は、0~1歳クラス、2~3歳クラス、4~5歳児クラスで分かれており、各年齢のスペースはロッカーで仕切って使用しています。ロッカーでの空間を仕切っているため、お互いにクラスの音には気を付けています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達と発達過程、家庭環境などから生じる一人ひとりの子どもの個人差を十分に把握し、尊重しています。全体での朝の活動の時間も、まだ全体の活動に入りたくない子どもに対して、その子の気持ちに寄り添いながら「これが終わったら、行こうね・入ろうね・みてみようね」などその時に応じた言葉がけをしています。一人ひとりの子どもの理解を深め受容することにより、子どもの状態に応じた保育・援助が行われています。園長は職員へ子どもに対する言葉がけについても、言い回しによって伝わり方も違うと指導しています。また、声が大きくなってしまうこともあり、注意をしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの子どもの発達状況に応じて、食事、排泄、衣類の着脱、身の回りを清潔にすること、適度な運動と休息をとることなどの基本的な生活習慣を身に付けられるように配慮しています。生活習慣の取得においては急かすことなく、一人ひとりの子どもにとって適切な時期に、また、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重して援助しています。子どもに分かりやすい方法・やり方などを示して自分で出来た達成感を味わえるように援助しています。食事では、年齢により、食器の大きさ、形を変えて子どもが使いやすいように工夫しています。子どもの成長に合わせスプーン、フォーク、箸と使い分けをしています。排泄なども、月齢だけでなく、個人差や家庭の環境などにも配慮して進めています。子どもが基本的な生活習慣を身につけられるよう、さらなる環境整備が望まれます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

各クラスに年齢に応じたおもちゃや絵本が用意され、子どもたちの手の届く所に配置されています。子どもの興味や関心によって自ら選べるようにし、自由に遊べる環境となっています。マンションの2階にある保育園ですが、1階の外には園庭があります。砂場や水道もあり、プランターで野菜を育てています。子どもたちが水やりをして育てた野菜を収穫し、クッキングで使用して食べる喜びを味わっています。天気の良い日には、近くの公園で戸外活動をしています。公園からは海や大きな船が見えます。公園に行く途中では信号や横断歩道の渡り方など社会的なルールを身につけられるように配慮しています。子どもが主体的に活動できるよう、さらなる環境の整備が期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は特定の保育士が関わるようにして、安心して愛着関係(情緒の安定)が持てるように配慮しています。また、一人ひとりの生活リズムに合わせて対応するようにしています。食事も声をかけながら楽しい雰囲気になるようしています。一人ひとりの様子を見て提供し、ご飯の硬さにも配慮しています。入園時は月齢や家庭の状況により、睡眠の時間も不規則なため、家庭との連絡をこまめに行って個々の発達に合わせて対応しています。お迎えの時間には、その日の様子を伝えて、保護者とのコミュニケーションをとるようにしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重しています。1歳児は自分から進んで保育室の窓から外を見ようとする子どもがいます。保育室は、一面が窓のため、外の景色がよく見えます。窓の隙間に入り込み自分だけの空間を楽しんでいる子どももいます。友だちとうまく関われない子どもには保育士が仲立ちをしています。朝・夕の合同保育時間では、様々な年齢の子どもが担任以外の保育士と関わりを持っています。お迎えの時間や面談などで、保護者と個別に対応できるように配慮しています。さらに適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮されることが期待されます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

3歳児の保育について、集団の中で安定しながら、遊びを中心とした興味関心のある活動に取り組めるような環境を整えています。保育士は適切に関わっています。3、4、5歳児では、一人ひとりの遊びから友だちと関わり、遊びに繋げています。遊びの中から、運動会や発表会などで友だちと協力していく行事活動にも繋げられるようにしています。保育士が適切に関わりを持てるように配慮しています。子どもの育ちを小学校にも繋げていくために児童要録をそれぞれの小学校に送付して伝えています。集団の中で自分の力を発揮しながら友だちとともに楽しみながら遊びや活動に取り組めるような環境の工夫が期待されます。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園はマンションの2階にありますが、エレベーターを使うことができます。玄関は少し段差がありますが、保育室内はバリアフリーになっています。車いす用のトイレも設置しています。障害の内容に応じて中部療育センターや法人の発達支援から援助を受けられる体制が整っています。内容については職員会議などで情報共有しています。障害のある子どもの状況に配慮した個別の指導計画を作成し、クラスの指導計画と関連付けていますが、保護者に、障害のある子どもの保育に関する情報は特に伝えてはいません。保護者に対しては障害のある子どもの保育についての理解を深める取り組みが期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園の開所時間は平日は朝7時から夜9時までです。土曜日は朝7時から夜7時までです。職員は子ども一人ひとりの状況を把握しています。子どもとの信頼関係を築くため、職員全員が子どもたちに対して公平で同じように接するように心がけています。職員会議などで、話しかけ方や接し方について情報共有するようにしています。在園時間が長くなると子どもも疲れてくるので、ゆったりと過ごせるような環境設定にしています。また、穏やかに過ごせるように配慮しています。子どもの状況については引き継ぎノートを活用して適切に引き継ぎが行われるようにしています。1日の生活を見通して、その連続性に配慮し、子ども主体の計画性を持った取組が期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中に小学校連携についての記載があり、それに基づいて保育が行われています。全体的な計画には、小学校教育が円滑に行われるよう小学校教師との意見交換や合同研修の機会などに参加、とありますが、コロナ禍で機会はありませんでした。就学に向けて近隣の小学校を訪問し、一年生と交流して校内を案内してもらいました。また、毎年、5歳児は中区主催の駅伝大会に参加して、それぞれ就学する小学校に分かれて交流をしています。コロナ禍で、規模を縮小していますが、継続しています。保護者が小学校以降の生活について見通しを持てるような機会の工夫が期待されます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

入園説明会で保護者に健康調査票の提出を依頼しています。子どもの健康状態や既往症を記入する健康調査票によって、職員は子ども一人ひとりの今までの健康状態を把握しています。週に4日看護師が出勤し、子どもの健康管理をしたり、健康調査票をもとに園児体質一覧表を作成しています。アレルギーなど注意を要する子どもの体質を一覧にして職員が確認しやすいように工夫しています。職員に乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する知識を周知し、午睡時に0歳児は5分おき、1、2歳児は10分おきに子どものブレスチェックをしています。保護者に対しても情報提供し、園での取組を伝えています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

毎月身体計測を行い、年2回嘱託医による健康診断と歯科健診を行っています。その結果を健康記録表に記録しています。保護者へは、健康診断の当日に所定の用紙を使って診断結果を伝えています。保護者から健康についての相談があった場合は内容を聞き、健康診断の際に嘱託医に伝え、回答を保護者に渡しています。健康診断・歯科健診は、一人ひとりの子どもの発育・発達状態や健康の状態を知り、日々の健康管理に有効に活用することが大切として、記録に残しています。子どもの健康増進、あるいは受診、治療のために保護者と連携を図っています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対して、「食物アレルギー対応マニュアル」をもとに、子どもの状況に応じた対応を行っています。入園のしおりにも「アレルギー食の対応」として記載し、説明会で保護者に説明しています。アレルギー疾患のある子どもに対しては、入園時に医師より診断書と指示書を提示してもらい、それをもとに、園長、担任、栄養士が保護者と面談をしています。調理職員はそれに基づき個別に対応しています。アレルギー児の食事トレイは他児とは色を変えて専用のトレイを使用します。提供の際は職員と栄養士のダブルチェックをして声出し確認を実施し、誤食の無いようにしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

食事のマナーを指導しながらも、食事の場は楽しい雰囲気と思えるように、また、個々のペースで食べられるように見守っています。年齢に合わせて食事の時間を決め、幼児は終了時間などの目標を持って食べられるようにしています。終わらない場合は、量を調節するように配慮しています。食に関する豊かな経験ができるように食育に取り組んでいます。月1回のクッキング保育では、食材に直接手を触れ、五感を使って行っています。調理技術の習得やみんなで一つのものを作る喜びを感じることができています。園庭のプランターで野菜の栽培を経験し、食への関心を高める取組を行っています。自分で野菜を育てることで「おどろき」「わくわく」「よろこび」など子どもの心が動いています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月園長、職員、栄養士が参加して給食会議を開催して給食について話し合っています。献立は法人の栄養士が立てており、毎月1回日本各地の郷土料理の提供があります。また、月1回ランチの日があり、特別感のあるランチが登場します。給食は旬の食材を多く使用し、子どもたちには様々な食材や味に触れる機会となっています。苦手なものでも一口は食べてみようと声をかけ、少しでも食べられた時はほめるようにしています。また、病後や体調が十分ではない時は配慮食の対応もしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

園と保護者との日々の情報連携は、0歳児から2歳児は「保育連絡帳」で行い、3歳児から5歳児は送迎時に口頭で行ったり、メモを交わして行っています。また、専用のシステムで、保護者が子どもの翌月の登園予定を登録したり、保育園から保護者へ情報を伝達しています。さらに、ICT業務管理システムで、日々の子どもの保育園での活動状況を映像を交えて保護者に送信しています。情報は毎日午後3時頃に送信している為、子どものお迎え時に保護者と保育園の担当者のコミュニケーションにもつながっています。毎月発行している「園だより」、「クラスだより」や「給食だより」などでも保護者に情報を提供しています。年2回の保護者アンケートや行事開催時のアンケートも実施し、保護者の要望や希望を把握して対応に努めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

園は保護者とコミュニケーションを深め、信頼関係を構築するように努めています。コロナの感染予防の観点から、子どもの日々の健康状態を記録する「HOカード(Health Observation Card)」も日本語だけでなく英語、韓国語及び中国語など複数の言語に対応しています。保育園は、保護者から相談があると、可能な限り保護者の都合の良い日時を設定し、相談場所も一対一で面談できる場所を確保して相談を行っています。面談は相談のあった担当者が実施しますが、必ず、園長や主任にも報告しています。面談内容は「面談記録」に残し、職員間でも情報を共有し、必要に応じて園長や主任が対応をアドバイスしたり、職員会議でも対応を協議することがあります。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

園では、「虐待防止マニュアル」に則り、子どもの虐待防止に努めています。職員は、階層別研修や職員会議などで虐待防止について学んでいます。子どもの虐待が明白になった場合や疑われる場合は、園長に報告し、園長は法人に報告するとともに、児童相談所や中区子ども家庭支援課などの関係機関に連絡して対応する仕組みが構築されています。保育士は、着替え時や排泄時に、子どもの体に痣やけががないかを確認するなど子どもの様子に目を配り、虐待の予兆の早期発見に努めています。また、子どもの様子だけでなく、保護者の様子もよく観察し、早めに声をかけ、虐待に繋がらないように努めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は園長と面談をして、自己の活動の業務目標を「目標管理シート」で設定し、保育を実践しています。職員は年4回、目標設定や目標の達成状況などの振り返りを行い自己評価を行っています。園長は職員と年4回、面談を実施し、職員の目標設定や職員の目標達成状況の評価を行うとともに、目標達成に向けたアドバイスをしています。また、職員は、年2回、自己の等級に応じた職務遂行上必要とする能力や技術について「目標シート」で自己評価を行っています。園長は年2回、職員と面談を行い、職員の等級別能力や技術の評価を実施するとともに、アドバイスも行っています。これらの評価は賞与、昇給及び昇進の考課データとしても活用しています。また、面談を通じて職員の要望や意見の把握にも努めています。