社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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アプリコット保育園246

2021年09月29日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 アプリコット保育園246 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 地域型保育事業(居宅訪問型保育事業除く) 定員 10 名
所在地 〒213-0001
川崎市高津区溝口3-21-11
TEL 044-281-4600 ホームページ https://hoiku246.ed.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社アプリコット倶楽部
職員数
常勤職員:4 名
非常勤職員:6 名
専門職員
家庭的保育者:2 名
保育士:4 名
子育て支援員:1 名
施設・設備の概要
居室:保育室1室
設備:調理室
設備:テラス

③ 理念・基本方針
<理念>
家庭的な雰囲気の中で、子ども一人ひとりの思いを受け止め、子どもからも保護者からも信頼される居心地の良い園を目指します。  

<基本方針>
十分に養護の行き届いた家庭的で暖かい雰囲気の中で、一人ひとりの子どもの個性を大切にしながら、将来を生き抜くたくましい心と体づくりをします。

<保育目標>
知的・道徳的・身体的発達の基礎が作られる、大切な時期の保育を進めていきます。

●健康で元気に活動する力を育てる
●自分で考えて行動する力を育てる
●豊かでおもいやりのある優しい心を育てる

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<アプリコット保育園246の特徴的な取り組み>
●経験豊富な保育者が、大切な子どもをきめ細やかに愛情をそそぎ、愛される喜びを十分に感じられる保育を目指しています。   
●晴れた日は近隣の公園に出かけ、体力作りに力を入れています。室内遊びでは、マットや手作りの積み木・知育玩具など様々な遊具で手足の運動遊びをして、楽しく過ごしています。
●毎日、笑顔あふれる園生活が送れるように配慮し、子どもたちの小さな成長も保護者と一緒に喜び、共有できるようにしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/05/07(契約日) ~2021/08/30(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【アプリコット保育園246の概要】
●アプリコット保育園246は、株式会社アプリコット倶楽部(以下、法人という)が開設・運営している保育園です。法人は、2015年7月設立され、不動産の売買・賃貸・管理・保有等を主たる事業としていますが、地元に社会貢献したい、また、色々な人が交流できるような施設を創造したいという代表の想いから、不動産事業と福祉事業を同じ施設で展開する工夫により実現しています。アプリコット保育園246は、そうした施設の一つです。園の建物は、法人が運営しているシェアハウス&ゲストハウス「スミタス溝ノ口」も同居し、一つの玄関から子どもと大人が共存し、色々な人々との交流が成されています。

●アプリコット保育園246は、2017年4月1日に開園し、園児は2才までの小規模保育事業C型の保育園です。なお、法人は、2020年4月1日に高津区久本でも「あぷりこっと保育園エミタス久本」を開園しており、5才までの保育園とし、建物は全館を保育園として使用し、一部を地域にも開放しています。

●アプリコット保育園246は、東急田園都市線溝の口駅・JR南武線武蔵溝ノ口駅より徒歩10分程度、近くには人工用水路「二ヶ領用水(にかりょうようすい)」が流れ、近隣はマンションや民家が建ち並ぶ住宅地に位置しています。建物は重量鉄骨造3階建てで、シェアハウス&ゲストハウス「スミタス溝ノ口」の1階部分の一部が保育園スペースになっています。建物の出入り口ドア及び玄関は共用ですが、出入り口ドアは施錠されており、シェアハウス住人、もしくは内部から許可された者しか入室できないようセキュリティを万全にしています。玄関も共有ですが、保育室側ドアにはさらに別の施錠がされており、シェアハウス住人でも入室はできないようになっています。保育室は約35平方メートルを確保し、保育スペースに接する形でトイレ、キッチン、事務室が設置されています。保育室は南面側に面しており、採光は十分確保され、明るい保育園です。

◇特に評価の高い点
1.【少人数ならではの家庭的保育】
●アプリコット保育園246では、1つの保育スペースにおいて、子ども10人(0才~2才。なお、2021年度は0才児の在籍なし)を、通常時4人の職員が保育に当たっています。1人の職員が、「担当」として関わる子どもは2~3人にしていますが、同じ室内なので、全職員が全員の子どもを見守る環境にあります。保育スペースの使い方としては、(1)全面を使ってみんなで同じことをする、(2)仕切りボードや遊具でエリア分けをして年齢ごとで遊ぶ、(3)今はちょっと一人で居たい子どものためにコーナーを作ってあげる、等一つのスペースを臨機応変に区分けして工夫・活用がされ、どの場合であっても、同じ場所にみんなが居るという一体感があります。また、1人のスタッフが、「担当」としては2~3人の子どもに関われることで、一人ひとりの子どもと緊密に接する時間を長く取れるというメリットがあります。そのため、(1)子どもの思いをしっかり受け止められる、(2)今はみんなと一緒に活動するのではなく、自分のことをしたいといった欲求にも応えてあげられる、(3)その子の表情、動き、様子を常に見て、変化にも気づける、等のメリットがあります。少人数ならではの家庭的な保育が実施できているのが最大の特長だと言えます。

2.【職員が働きやすい風通しの良い職場】
●アプリコット保育園246は、風通しが良く、職員が働きやすいことが特長の1つに挙げられます。開園した4年前、初期スタッフとして集まった職員には、(1)地元、近隣の人である、(2)元々知り合い同士が在籍している、(3)全員が保育経験者であり、経験値が高い、といった共通点がありました。そして、職員数も10人程度で、意思疎通を図りやすいことも、風通しの良い雰囲気をもたらす要素になっていると考えられます。しかし、働きやすく、風通しの良い風土は、園長が推進してきた尽力も大きくあります。(1)みんなで話し合う、(2)色々なことをオープンにしていく、(3)自由に発言してもらう、(4)情報をみんなで共有する。園長は、このような方針を掲げ、職員に呼びかけて推進を図ってきました。園長と職員が、共にこの方針を進めてきたことで、風通しが良く、和気あいあいとコミュニケーションが取れる職場が出来上がったと言えます。コミュニケーションが円滑に図れることで、「働きやすい」、「この園に愛着を感じる」、「ここで長く働き続けたい」と感じる職員が増えた所以です。子どもは、大人の感情をすぐ感じ取る力を持っています。アプリコット保育園246の職員は、楽しい、元気、伸び伸び、意気揚々、といった感情が表れており、それが子どもたちにも伝わり、子どもたちも、楽しい表情で、元気良く過ごすことができています。職員が働きやすいことで、子どもたちも伸び伸びと成長するという効果が生まれています。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1.【職員間における「見える化」の推進】
●アプリコット保育園246は、開園4年目に入ったところですが、上述したように、(1)継続して働いている職員が多い、(2)入社した時点で既に長い保育経験を有している、(3)全員で話し合い、情報を共有しながら活動を進めている、という特長があります。このため、保育の方法、行事の取り組み方、保護者への対応、ケガ・事故の予防、起きた時の対処等々について、職員間で共通理解が出来ています。また、職員は、そうした共通の対応を出来るだけの知識、技能を持っています。こうした知識、技能は、「暗黙知」と言えるものですが、これが成立しているため、アプリコット保育園246では、これまで詳細なマニュアル類は必ずしも必要ではなかったので、策定されていない、或いは、策定されていても簡易な内容に止まっている、という状況があります。しかしながら、中・長期的に見た場合、現在の職員の中から、退職、異動等も今後、十分予想されます。その時、後任として入職した職員には、現職員が持つ「暗黙知」はありません。新たに着任した職員にも、逸早くアプリコット保育園の保育方法等に慣れてもらうためには、「暗黙知」として共有されている保育の仕方、方法、ノウハウ等を、言語化、見える化をして、マニュアルとしてまとめておくことが望ましいです。暗黙知の言語化、見える化は、新しい職員にとって役立つだけでなく、今いる職員にとっても、再確認、より正確なレベルでの共通理解にもつながるものですので、第三者評価の評価基準に示されているものから順次策定していくことが望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
事業者コメント
施設名: 株式会社アプリコット俱楽部 アプリコット保育園246         


<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>

 全保育職員が自己評価を行ったことで、今まで気づき得なかった問題点に気づき、共通認識を持つことができました。
 調査員の方に細かな聞き取り・アドバイスをしていただき、多くの事を知り学ぶことができました。
 今回の評価を今後の保育に活かしていけるよう努めていきたいと思います。


<評価後取り組んだ事として>

1.個人ごとに自己評価を行い、実務に即したものになるよう振り返り改善し、保育の向上に努めて行く。

2.年度初めに1年間の計画を立て、その計画を保育者間で検討し、中期・年度末に自己反省と話し合いを行っていく。

3.ミーティングで話し合った内容が改善されているか・実行されているか、数か月後にその問題について話し合い振り返る機会を持つ。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●保育理念には、「一人ひとりの思いを受け止め(る)」と記し、また、保育方針では、「子ども一人ひとりの子どもの個性を大切に(する)」と記され、職員の行動規範にもなっています。保育理念、保育方針、保育目標は、園のホームページ、「入園案内」、「入園のしおり」、保育室の壁面に掲載し、入園希望者、在園児保護者がいつでも見られるようになっています。職員に対しては、毎月開催の「職員ミーティング」で園長から周知し、共通理解が図られています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●園を運営する「株式会社アプリコット倶楽部」(以下、法人という)は、一般社団法人日本こども育成協議会に加盟しています。園長は、同協議会の総会や研修会、また、高津区の園長会、園長補佐会等に参加しており、そこで社会福祉事業全体の動向を把握しています。また、地元自治会に加入しており、地域の動向、実情等を把握し、園の運営に生かすよう努めています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●園長は、法人の取締役で随時、園の状況を報告すると共に、保育活動、施設設備、人員体制等に関する現状や課題について、適宜、協議、共有を行い、経営課題として抽出して取り組みに生かしています。園長は、話し合われた内容を「職員ミーティング」で報告し、職員全員で共有しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●法人では、3年単位の「中期事業計画」を策定しています。この事業計画は、法人が営む、保育園運営以外の事業も含む総合的なものですが、この中で、運営法人の地元である高津区において、社会福祉、社会貢献を進めていくことを謳っており、アプリコット保育園246もその一翼を担うものとしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●法人では、「中期事業計画」に基いて、単年度の「事業計画」も策定していますが、法人としての予算計画が中心となっています。保育園の年度ごとの事業計画については、職員体制、研修計画等、個別には作成していますが、統合はしていなかったので、現在、統合化した文書とするよう、調整しているところです。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●次の年度に行う事業の起案、また、今年度に行った事業の振り返り、成果検証等については、個別には「職員ミーティング」の場で行ってきたものの、「事業計画」・「事業報告書」として総合的に文書化することは、これまで行っていなかったので、現在、統合化、プロセスの標準化について検討しているところです。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●園で企画している、(1)事業、(2)施設設備の更新、修理、工事等、(3)行事、(4)地域との交流、等の計画については、その都度、保護者にも連絡アプリを用いて伝えてはきましたが、「事業計画」の周知という位置付けはしていませんでした。今後は、「事業計画」を統合化すると共に、「事業計画」の中で、保護者に伝えるべき部分の抽出を行い、よりわかりやすい説明の仕方、伝え方にするよう、検討を重ねているところです。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●保育者が10名と少数であり、また、1つの室内で保育を行っているため、午睡時には、出勤している保育者全員で「職員ミーティング」(月1回)を行っています。そこで、個々の保育者の保育の関わり方、そして園全体としての保育のあり方等について、全職員で課題抽出、分析、検討、評価を実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●園では、月1回の「職員ミーティング」で、保育者全員による課題抽出、改善検討を行い、決まったことは保育者全員で実行してきました。ただ、職員ミーティングの記録は記していますが、今後、様式を策定し、文書とした形を整え、活用することが望まれます。評価結果(反省等の欄、ミーティング1~6)に記している内容を園として明確にした取り組むべき課題について、改善策や改善実施計画を策定し、実施していくよう期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「職務分担表」と題する文書に、(1)職員名、(2)職種、(3)仕事内容、(4)勤務時間、を記しています。この文書により、園長は、自らの役割、責任を明らかにしています。また、「職務分担表」は、職員の権限の順位表を兼ねており、上位の職員が不在の場合は、その次の職員が権限を代行することと定めています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園長は、高津区の園長会等に参加することで、社会福祉、保育、労働等に関する制度・法令の制定・改廃等の情報を得ています。入手した情報については、まず法人の取締役に報告すると共に、「職員ミーティング」(月1回)及び日々の昼礼で職員に伝え、園としてどのような対応が必要かを全職員で協議しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は、保育の質の向上に意欲を持っています。保育の質の把握については、(1)子どもたちの反応、様子、態度、(2)保護者の意見、要望、苦情、(3)保育者の意見、提言、提案、等に基いて行っています。そして、月1回の「職員ミーティング」の場はもとより、日々の昼礼で、全職員で振り返り、協議を行い、全職員が一緒に向上していけるようにしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園の保育者は、常勤・非常勤を合わせて10人であり、また、1つの保育室内において全職員が勤務しているので、経営改善についても常に全職員で協議しながら進めていくという体制を取ることができています。担当者会議、委員会といった組織を設定する必要がないので、効率的に合意形成を図ることができています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●園長は、職員が働きやすい職場にするために、(1)意見が言いやすい、(2)みんなで協議する、(3)みんなが情報共有する、といった風土の構築に努めています。また、残業を少なくすること、年次有給休暇をきちんと取得できることにも力を入れています。そのため、保育者が長く働き続けている、すなわち定着しているという成果が出ています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●園では、創立時から勤めている職員が多く、また、保育経験が豊富な人が入職しています。そして、定着率も高いため、現状では、期待する職員像、人事基準、キャリアマップ等については、制度、文書として明確化されていない部分もあります。但し、系列保育園では、新卒保育士が多数採用されていることから、法人としては、これらの明確化を現在進めているところです。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●運営法人は、園長と協同して、職員の就業状況を把握し、残業が出ないような勤務シフトの作成、年次有給休暇の計画的な取得促進に努めています。また、保育室に隣接しているシェアハウスの応接スペース、キッチン等を、職員が食事・休憩等で使えるようにしています。さらに、地方出身者等に対しては、シェアハウスの室を提供する等、住宅支援措置も講じています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●法人では、職員採用時、入社時に、アプリコット保育園の保育者としてあるべき姿、望ましい姿、社会人として守るべきルール、身だしなみ等について伝えています。また、法人は年1回、職員との面談を行い、職員一人ひとりの目標、意向等も聞いています。このような取り組みを行っていますが、法人として、これを制度として位置付ける、文書化して明確化する等を、現在検討しているところです。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●園では、毎月1回、職員ミーティングを開いていますが、これ以外でも、日々、午睡時間を活用して協議や研修を行っています。外部研修については、受講案内を全職員に知らせると共に、受講希望があればシフトを調整して、なるべく参加できるよう配慮しています。こうした方法で研修受講促進に取り組んできましたが、今後は、年度ごとの研修計画を文書化するよう検討しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●園では、職員一人ひとりの経験年数、職務分担、本人の興味・関心等に応じて相応しい外部研修の受講を奨励し、受講希望がある場合は、シフトを調整する等の配慮をしています。現在、職員ごとの研修受講歴の文書化や職員ごとの目標設定、自己評価に研修受講歴を加えること等を検討しているところです。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生の受け入れについては、家庭的保育者の実習を受け入れたことはありますが、保育士養成校の学生等の実習は申し込まれたことがなく、受入れ実績はありません。現状、保育実習マニュアルは整備されていませんが、園として実習生を受け入れたいと考えており、現在、告知方法や実習生指導のあり方等について検討をしているところです。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●園のホームページに、保育理念、保育目標、保育方針、保育内容等を掲載しています。また、入園希望者向けに作成した「入園案内」については、高津区役所にも設置し、園見学希望者にも手渡しをしています。第三者評価の受審は今回が初めてですが、確定後、 推進機構、WAMNET等に結果報告書を公表する予定にしています。さらに、地域へも情報発信の工夫が望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「運営規程」、「職務分担表」を策定し、それにより職員の職務・職責を明らかにしています。法人は、弁護士、税理士と顧問契約しており、保育園事業を含む事業全般について、法律面、税務面での助言を受けています。また、法人で園の労務、経理等について定期的にチェックを行い、適正な運営に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園は、小規模保育事業C型であり、職員数が少人数であることに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域との交流が思う存分には行えない状況にあります。しかし、そのような状況下でも、散歩途中や公園では、近所の方に挨拶をする、他園の園児、保育者と挨拶を交わす等、交流を心がけています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●園としては、ボランティアの受入れを積極的に行いたいと考えており、以前には、絵本の読み聞かせボランティアに来園してもらったこともあります。しかし、保育室が1室であることを考慮し、新型コロナウイルス感染症等の影響を考え、現状では受け入れが難しい部分もあります。現在、他の小規模保育園の事例を収集するなどして、どのような形であれば受け入れられるか、検討しているところです。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

●園では、高津警察署、高津消防署、川崎市、高津区、中央児童相談所、中央療育センター、高津区保健福祉センター、川崎市児童虐待防止センター等の関係機関の電話番号を記した一覧表を作成し、保育室の事務スペースに掲示しています。また、これらの機関と必要な時に連絡が取り合えるよう、普段から担当者と電話、メール、訪問等によりコンタクトを図り、体制を整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●川崎市のホームページでは、「保育所等の受入可能児童数」及び「保育所等利用申請・利用調整結果状況」が月ごとに公開され、同ページを参照することで、地域の保育ニーズを把握しています。また、園として町内会にも加入して地域密着の保育園として努めています。但し、新型コロナウイルス感染症の影響により、イベント等が中止を余儀なくされ機会を逃しています。このような状況下において、地域福祉ニーズをどのように把握していくのか、検討を重ねています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●園では、地域のニーズに応え、子育て相談(園内で実施。日時は応相談)と、絵本の貸し出し(園内で実施。開園中ならいつでも利用可)を実施しています。この取り組みについては、園のホームページ、高津区の情報誌にも掲載しています。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により利用数は減っています。建物外側壁面に情報掲示する等、告知方法の多様化を検討しているところです。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「重要事項説明書」及び「運営規程」において、「保育の提供にあたり、利用する子どもの最善の利益を考慮(する)」ことを謳っています。法人は、職員を採用した時は、この方針を、保育理念等と共に職員として守るべき規範であると伝えています。園内でも「職員ミーティング」において、定期的に再確認をしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

●子どものプライバシーを守るために、例えば、(1)おむつ交換は、トイレ内で、トイレのドアを閉めて行う、(2)水遊びのため2階テラスに移動する時は、服を着る、等の配慮をしています。また、職員に対しては、入所時に守秘義務と合わせてプライバシー保護についても誓約書を提出してもらっています。このように、取り組みは広く行われていますので、今後は、実施していることをマニュアルとしてまとめることが望まれます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

●園では、「入園案内」を作成し、(1)保育の概要、(2)保育理念、保育方針、(3)一日の流れ、(4)年間行事予定、(5)給食、についてわかりやすく記しています。園見学の際には、入園案内を渡しています。園見学は、1日1組で、1組あたり30分をかけて丁寧に説明しています。保育の様子については、保育室の外側からとして見てもらい、園の雰囲気を掴んでもらっています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

●新年度からの入園児保護者に対しては、毎年2月~3月に、個別に面接の場を設定しています。面接の場において、「入園のしおり」、「重要事項説明書」、提出書類等を渡して説明すると共に、保護者から、(1)子どもの様子、(2)配慮してほしい事項、(3)園に対する要望、等を聞き取っています。面談を経た上で、4月1日に入園してもらっています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園は、小規模保育であり、2才で保育が終了するので、卒園児が入園する連携の保育園に対して、引継ぎ文書を作成して渡しています。近隣の保育園に入園する子どもがほとんどであり、卒園後は登園中や降園中に立ち寄ってくれたり、また、散歩中や公園で会った時は近況を尋ねたりと卒園後も交流を継続しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園では、保護者全員が集まる機会は主に行事の運動会であり、保護者、懇談会の場は設けておらず、行事後には、連絡用アプリを用いてアンケートを実施し、利用者の意向や感想を聞いています。利用者アンケートから、「懇談会や個別面談等での意見交換について」では、「十分」が0%であり、「概ね十分」は38%、「やや不十分」では50%とういう結果になっており、今後の取り組み・検討が望まれます。しかし、連絡用アプリを通してや、日々の登園・降園時に小さなことでも、意見、要望、苦情を話してもらえるよう、職員から声をかけ、利用者満足に努めるようにしています。さらに、向上を目的とする仕組みについて検討が期待されます。利用者アンケートでの総合満足度では、「満足」50%、「概ね満足」50%(合わせてほぼ満足は100%)という結果になっています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

●「入園のしおり」では、「苦情・要望等に係る窓口相談」という項目を設け、(1)園長が苦情受付担当者である、(2)副園長が苦情解決責任者である、と明記し、「苦情・要望等のご相談は、直接またはお電話にて担当までお申し出ください。」と記しています。また、民生委員に第三者委員を委嘱しており、氏名、住所、電話番号を記載しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

●園では、苦情・要望等に関する申し出については、(1)口頭、電話、文書、連絡用アプリのいずれの方式でもよいこと、(2)どの職員に申し出てもよいこと、を日頃から保護者に伝えています。園内で苦情・要望等を受ける際は、同建物内のシェアハウスの応接スペース等を活用し、相談しやすい環境を設定して話を聞いています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●園では、相談・要望・苦情を受けたときは、その内容をすぐに全職員に伝えると共に、内容の分析・検討、対応策・改善策の検討についても、昼礼及び「職員ミーティング」の場で、協議して決めています。なお、内容によっては法人にも報告し、法人と園とで一致して解決に取り組む体制を整備しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「川崎市保育園 健康管理マニュアル」に依拠すると共に、園として、「事故発生時対応マニュアル」、「不審者への対応」のマニュアルを策定しています。また、「害虫駆除記録」、「安全チェックリスト」、「ヒヤリハット検証記録」等の点検票、記録表を作成し、安全確保、事故防止のための点検・確認を行っています。小さなことでも課題が見つかった時には、昼礼及び「職員ミーティング」の場で全職員に周知して、再発防止、予防に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、従前から、「川崎市保育園 健康管理マニュアル」に基いて感染症対策に取り組んできましたが、新型コロナウイルス感染症が拡大してからは、玩具、家具等の消毒を日々徹底して実施しています。厚生労働省、神奈川県、川崎市から配信される感染症予防関連の文書については、全職員に回覧し、新たな取り組みが必要な場合には、昼礼及び「職員ミーティング」の場で意思統一した上で、全職員で取り組んでいます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「運営規程」の中で、「非常災害対策」と題する一条を設け、そこで、(1)消防計画、災害マニュアルを作成すること、(2)消火用具を設置すること、(3)非常口などの設備を設けること、(4)避難用具、備蓄品を備えること、(5)毎月1回以上、避難訓練を行うこと、(6)災害時の連絡方法、避難場所を明確にしておくこと、を定めています。この規程に基いて、日々の点検、職員研修を実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

●川崎市が作成発行している「保育の質ガイドブック」(2018年)、「川崎市保育園 健康管理マニュアル」(2016年)、「川崎市公立保育所 食物アレルギー対応マニュアル」(2019年)に記載されている保育方法、健康維持管理方法、安全対策等々に依拠しながら保育活動を行っています。園長は、保育者の動きを見ながら、気づいた点は直ぐに伝えています。また、昼礼及び「職員ミーティング」の場では、全職員が互いに振り返ることで、保育の質の確保を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

●川崎市作成発行のガイドブック、マニュアルに依拠しつつも、(1)小規模保育の特性、(2)子どもの状況、状態、(3)保護者の意見・要望、(4)新型コロナウイルス感染症対策、等を踏まえ、保育方法の検証の見直しを随時行っています。検証、見直しは、昼礼及び「職員ミーティング」の場において、全職員で行い、改善点は実行するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

●入園予定の保護者に対しては、2月~3月に個別面談を行い、複数の職員で子どもの状況を確認すると共に、保護者として配慮してほしい事項等を聞き取っています。そして、川崎市で定める様式に基いた「児童票健康記録票」、「生活時間調べ」等の書類を渡しています。入園までにそれらの書類と面接時の記録を基に個別指導計画を作成し、全職員で内容の確認を行い、共通認識を図っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、毎年度1月になると、今年度の「年間指導計画」振り返り、見直しを始めます。見直しに当たっては、年間の保護者アンケートの結果や保護者からの意見・要望・苦情等の記録も重視しています。振り返り、見直しは、日々の昼礼や「職員ミーティング」場で、職員全体で行う体制にしています。これらのプロセスにより、2月末には次年度の「年間指導計画」を確定しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの成長・発達の記録は、川崎市が策定している「健康診断記録」、「発達個人票」、「生活記録連絡票」等に則った様式を活用し、記録を付けています。また、文章で記入する記録については、職員ごとに記録内容や書き方に差異が生じないよう、全職員で読み合わせを行い、統一性の確保を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

●法人は、職員採用時に、保育園の職員として特に遵守しなければならない守秘義務、プライバシー尊重、個人情報保護等について、丁寧に説明すると共に、誓約書を取っています。さらに、就業規則でも遵守事項として定めています。園では、これを踏まえて、「職員ミーティング」や研修の場で、社会問題となったケースの事例検討を行う等、法令遵守の徹底を図っています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

●「全体的な計画」には、保育理念、保育方針、保育目標を記載しており、それらに基いて策定されていることが伺えます。また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を意識し、子ども一人ひとりの発達段階を考慮しながら、養護と教育が一体となった保育を展開する」と記して、発達過程を重視しています。前年度1月から、今年度版の振り返り、見直しを全職員で行い、2月末までには次年度の「全体的な計画」を確定させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

●保育室には、エアコン、24時間換気装置、扇風機、加湿器、空気清浄機を設置しています。床はコルク材を使用し、床暖房を設備し、子どもが心地良く過ごせる環境を整えています。感染症対策として、窓を開けて自然換気を行い、殺菌消毒剤による消毒の徹底も心がけています。室内を仕切るローパーテーション、遊具等を複数用意し、子どもが落ち着けるコーナー作り等も適宜行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●保育理念では、「子ども一人ひとりの思いを受け止め(る)」と記し、また、保育方針では、「一人ひとりの子どもの個性を大切に(する)」ことを謳っています。この保育理念、保育方針に基き、まだ言葉では自分の思いを上手く伝えられない乳児に対し、表情、声、仕草等から気持ちを汲み取るよう心がけると共に、職員は穏やかに優しい言葉遣いで声をかけています。利用者アンケートから、「お子さんを大切にしてくれていますか」では、「満足」が75%であり、高い満足度を示しています。また、「概ね満足」は25%で、合わせて100%ほぼ満足を得ています。さらに、「お子さんが保育園で楽しく過ごしていますか」については、全項目の中でも最も高い、「満足」100%が得られています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●登園してから降園するまでの時間の中で、毎日行う「デイリー(日課)」の流れを子どもたちに掴んでもらうために、「さあ、これから○○をするよ!」というような声かけを心がけています。そうすることで、子どもたちは、リズムを掴み、声をかけなくても「次は手を洗う」など自ら行動するようになっていきます。同時に、生活習慣の援助については、一人ひとりの成長に合わせて、個々に行っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●園の周辺には、セキレイ公園、溝口南公園、久地梅林公園、溝口北公園、高津図書館前広場、溝口公園、二ヶ領用水等、散歩や屋外遊びのできる場所が多数あるので、天候の良い日には出かけ、身体を動かすことを促しています。散歩中や公園では、(1)近所の人や他園の園児と挨拶をするなどして社会性を育む、(2)草花、鳥虫、などに気付いてもらって自然と触れ合う、等の機会を設け、社会性、感性を育んでいます。利用者アンケートから、「戸外遊び」、「季節や自然との触れ合い」について、「十分」の回答では88%を得ており、「概ね十分」は13%であり、合わせてほぼ100%の満足を示しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●今年度(2021年度)は、0歳児は在籍していませんが、園では、保育者1人につき、0歳~2歳児の子ども(10人定員)の内の2~3人を担当するというスタイルの「担当制」の体制を整えています。その上で、0歳児については、先ず1人の保育者と愛着関係を築くようにしています。そして、保育室内もパーテーション等で仕切る工夫をして、0歳児が安全に動けるよう配慮しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●1歳児、2歳児に対しては、生活のリズム、お友だちとの関わり、ルール等を身につけてもらうための保育を行っています。例えば、2歳児には、「朝の会」でお友だちの名前を呼んで、出席を取ってもらう「お当番」をしてもらっています。同時に、一人ひとりの発達度合、今の気持ちを尊重して、「今は一人で過ごしたい」といった欲求があるときは、個別に寄り添う等の配慮をしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

●3才以上児が在籍していないため、評価対象外です。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●保育室のある1階部分は、玄関部分からフラットフロアになっています。また、車椅子対応トイレが設置されており、バリアフリーの環境を整えています。職員は、長年の勤務での経験に加え、川崎市、高津区の研修を定期的に受講することで、障害のある子どもが入園する際は、安心して生活できるための知識、技能を確保しています。そして、子ども10人全員が共に成長できるよう、職員全員で見守っていくよう共通認識を図っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●広いワンルームの保育室内で、0歳児(今年度は在籍なし)、1歳児、2歳児が共に過ごすスタイルですが、一方で、年齢や一人ひとりの状況に応じて、適宜仕切りを設ける等して、個別に、あるいはゆったりと過ごせるよう配慮、工夫をしています。職員も、全員が同じ室内にいるので、午睡中の時間に遅番保育者への連絡、引き継ぎができています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

●3才以上児が在籍していないため、評価対象外です。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●園では、健康管理については「川崎市保育園 健康管理マニュアル」に基いて、適切に行っています。また、川崎市消防局が実施している「普通救命講習3(主に幼児、乳児を対象とする内容)」を、職員全員が受講しています。 SIDS(睡眠時無呼吸症候群) については、0歳児は5分おき、1歳児・2歳児は10分おきにブレスチェックを行い、記録しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●健康診断は、奇数月に、連携している「みぞのくち保育園」(社会福祉法人大慈会が運営)に出向いて、嘱託医により実施しています。歯科健診は年1回、身体測定は毎月行っています。検診日時や検診結果の連絡は、連絡用アプリを用い、保護者も診断結果を共有することができています。なお、今後は、健診・測定等の内容、回数、時期等は、「入園のしおり」にも記載し、入園時にも保護者に伝えることが望まれます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●アレルギー児の対応については、「川崎市公立保育園 健康マニュアル」及び「川崎市公立保育所 食物アレルギー対応マニュアル 2019年改訂版」に基いて、アレルギー児の個々の状況に応じた適切な対応をしています。例えば、給食については、(1)調理の際、まず除去食を作ってラップ保存した後に普通食を作る、(2)食器、食具は別のものにする、(3)席を別にする、(4)食事中は保育者が付き添う、等の対応をしっかり行っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●調理室は、保育室に接しており、子どもたちからは調理員が作っている様子が常に見えることに加え、食材を切る音、料理の匂い等を感じられます。また、「朝の会」では、今日使う食材を子どもたちに見せて、食事への期待が膨らむようにしています。園では、子どもの人数も少なく、食事場所も隣接しているので、出来立ての料理を温かい内に食べることができています。食器は、皿は陶器製、汁椀は木製を使用しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●園では、「川崎市統一献立」を使用しています。統一献立には、季節食、行事食(クリスマス、お正月等)、郷土食等も含まれており、献立通りにしても季節感のある料理を提供できるようになっています。食材は、配給会社、地元のスーパー、精肉店等を使い分けて、安心できる食材を購入しています。また、おやつも「川崎市統一献立」に沿って、チャーハン、炊き込みご飯、焼きビーフン、蒸しパン等、充実したおやつを手作りで提供しています。調理員は、毎日、子どもたちが食べるところを見ており、食べ具合も把握しているので、盛り付けもそれぞれの子どもに合った量に配慮しています。そのため、残食はほとんどありません。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園は、(1)本日の保育活動や出来事、(2)子どもの様子(写真を含む)、(3)本日の給食、(4)園からのお知らせ、(5)園だより、給食だより、献立表、等々を、基本的に連絡用アプリで保護者に配信しています。このため、保護者はスマホにより、随時これらの情報に接することができています。そのため、お迎え時には、保護者の思いや要望をしっかりと聞くことができています。利用者アンケートからも、園との連携・交流での、「職員との会話や連絡帳、掲示物等から1日のお子さんの様子がわかりますか」では、「十分」が75%、「概ね十分」25%を示しており、ほぼ十分では100%となっています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●お迎え時は、保護者からの思い、要望、意見等を聞く場であると捉えて、保育者から積極的に声をかけるようにしています。少し時間を取るような要望、意見、苦情等については、同建物内のシェアハウスのコーナー等を活用して丁寧に聞くようにしています。また、話の内容、解決に向けた対応策の検討、結果の伝え方のいずれについても、職員全員で共有し、検討して当たることとしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「児童虐待 防止対策マニュアル」を策定し、それに基いて、虐待予防、早期発見、早期対応に努めています。具体的には、保育中に観察すべき兆候、「変だな?」と感じた時のその後の対応、関係機関への相談、通報等について定めています。相談、通告は、中部児童相談所、高津区保健福祉センター、川崎市児童虐待防止センターと連携し、相談・助言を得られる体制を整えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●園では、従前から、「職員ミーティング」(月1回)において、各職員の振り返りを全員で共有し、互いに評価し合うという形で自己評価を行ってきましたが、個人ごとに自己評価を文章に記入し、園長あるいは法人に提出するプロセスは取っていませんでした。現在、これまでの自己評価方法を、より制度された仕組みとするよう検討を重ねているところです。今後の取り組みに期待されます。