社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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カモミール横山台

2025年12月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 カモミール横山台
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)
設立年月日 2018年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 法人の理念にあるように、どの人の人生も肯定される社会づくりを目指す為に、職員一人ひとりが明るく・楽しく・元気に働ける環境づくりを目指しています。
具体的には、利用者様が体験の提供を通し楽しい気持ちになることや、職員のモチベーションを高める為に、自らが進んで研修に参加出来る体制を整えています。そのことにより、研修で学んだ事を現場で実践し、支援が楽しいという感情の創出に務めています。また利用者様も体験を通して喜びや次は何をしてくれるんだろうとワクワク出来る感情に繋げています。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 利用者様への定期的なイベントの開催をしています。BBQや、みんなでクリスマス会をする機会など、普段の生活では味わえない事を通して、横の結び付きを深めています。また職員にも、福祉や障がいのある方への支援方法に関して、経験やスキルの違いで戸惑うこともあるので、積極的に強度行動障害者養成研修に参加するなど、ご自分のスキルアップと支援方法の知識獲得などを目指して取り組んでいます。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2025年05月08日
終了:2025年12月03日(評価結果確定日)
受審回数:1回(2020年度)
⑥ 総評
◆ 特長や今後期待される点
1)利用者主体の支援に努めています
運営法人の基本方針に人権の尊重、利用者主体の支援、地域との共生など11項目を挙げています。利用者がその人らしく、安心して健やかに過ごせるように支援をしています。各支援計画に基づき、1日の時系列の流れや配慮点を個別に作成しています。日頃から利用者との信頼関係を築き、言動や反応の仕方、様子などに気を配り、本人の意向を把握することや支援者の思いや都合が先行しないように努めています。業務日誌に、本人の言葉や具体的な行動内容を丁寧に記録しています。記録の中から職員間で、気づきや意識の向上にもつながります。日々の支援の中で、本人にとって成長や自立、主体的な活動につながるように、対応の仕方や環境設定の工夫を続けています。

2)安心して快適に過ごすための体制を築いています
利用者が安全で快適に生活できるように、ホーム内の整理整頓や備品の整備・管理を徹底しています。夏場の暑い時期には、帰宅予定時間の1時間前から、居室の冷房を入れ、熱中症予防に努めています。感染症予防や衛生上の観点からも、食卓ではアクリル板を設置しています。本人の心身の状況に応じて、関係機関や外部サービスとの連携や調整を細やかにしています。日中にも職員を配置し、日中活動先から早く戻ってきた場合も、素早い対応ができるようにしています。開設時より入居している利用者も多く、生活に慣れてきていますが、日々の利用者の様子や活動の状況を把握し、記録に残し今後の対応に反映しています。各利用者が自分の健康に関心を持ち、無理をせずゆったり過ごせるように支援しています。家族とは「連絡帳」を使用していますが、迅速かつ丁寧なやり取りのために電話連絡を活用し、本人や家族が安心して過ごせるように配慮しています。

3)人材確保と職員の育成が期待されます
人材確保が困難な中で、人事異動など法人の規模を活かし、正規職員の確保を行っています。職員育成では、利用者の障がい特性の理解や、人権への配慮、倫理規程の遵守など、専門性の高い仕事としての研鑽を求め、マニュアルの遵守や基本的な支援手順など、日常的な業務の振り返りが必要です。非常勤職員が多く、勤務体制や時間の制約も多い状況ではありますが、個別のオンライン研修により、研修機会を確保する取組も進めています。職員同志が集まり、学びあい、情報を共有し、さらに共通理解を深める取組や機会が増えることが期待されます。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 調査日当日は、長時間にわたり詳細に調査して頂きまして有難うございました。
今回ご指摘頂いた部分に関しては、事業所内で職員同士共有しながら、改善できる部分は着実に実施していきたいと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
                                             カモミール横山台 前澤
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人のパンフレットやホームページには理念・基本方針を記載し、職員には入職時の研修で伝えています。利用者や家族に向けた施設入所時の説明書の中にも記載しています。マスタープラン(中長期5か年プラン)の冊子を作成し、理念や基本方針もわかりやすく記載しています。非常勤職員も含めてすべての職員に配布し、理解を深めることが期待されます。理念・基本方針とともに、倫理や人権に関する規程が、非常勤職員に対して周知が不十分であることを課題としています。

◆評価機関からのコメント

法人の理念・基本方針を、事業内容を示し、福祉サービスの目指す方向性を明確に言語化しています。職員一人ひとりが、理念に基づいた質の高いサービスを提供することができています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

全ホーム部会(オンライン会議)を3ヶ月ごとに開催し、経営に直結する行政の情報の取得、AEDの全施設設置などの重要な課題について検討しています。また、相模原地区グループホームとの定期的な情報交換や、月次報告書による経営状況の継続的なモニタリングを通じて、日々の施設運営のPDCAサイクルを確立しています。最大の経営課題は、採用難と厳しい職員配置が緊急性の高い問題と認識しています。

◆評価機関からのコメント

法人のスケールメリットやノウハウを十分に生かして、経営状況を客観的に把握することができる点は、大きな強みとなっています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人は、2024年度から2026年度までの3ヶ年プランとして中長期計画を策定しています。それに福祉サービスの在り方や法人の考え方を利用者・家族・地域に示すことを策定趣旨としています。それに基づき、毎年事業計画を策定し、支援員会議などで職員と共有をし、次年度の事業を行っています。毎年行う家族会では施設での様子を知らせるとともに、主な事業の内容や運営の方針を伝えています。利用者が日中通所している「パステルファーム」の家族会にも職員が参加して情報の共有を行っています。

◆評価機関からのコメント

法人のガバナンスの下、事業計画を作成しています。今後は、非常勤職員を含めた全職員との共有が望まれます。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

人事評価の仕組みがあり、毎年職員は目標設定や自己評価を年3回行っています。その内容について、施設長や支援課長が面談を行い、職員の持つ課題を共有しています。第三者評価は5年ごとに受審し、ワムネットなどで公表しています。訪問歯科の導入やガイドヘルパー、訪問リハビリをはじめとした介護サービスを積極的に利用しています。希望により外部サービスの利用機会を提供し、利用者の暮らしの質を高める取組を行っています。

◆評価機関からのコメント

前回の第三者評価の結果から見出した強みを生かし、明確になった課題については具体的な改善策を策定し、取り組んでいます。今後は、その取組を明文化し、業務の標準化に努めることが期待されます。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

重要な問題解決などには施設長が対応しています。正規職員の職務分掌が、文書により明確になっています。避難訓練も年4回行い、居室入り口にはヘルメットをすぐに手に取ることができるように設置しています。非常用食料の備蓄もあります。業務マニュアルがあり、新規採用職員にも理解しやすいように業務の手順を明示しています。経営に関する取組については、法人から、または管理者会議で得た情報を、わかりやすい形で、常勤・非常勤に伝達しています。毎月常勤職員が参加する支援者会議を行って情報を共有しています。また、業務日誌により情報を伝達し、非常勤職員も必ず確認する体制が定着しています。

◆評価機関からのコメント

小規模のホームであるために、非常勤職員への研修の実施が時間的にも難しい状況があります。オンライン学習の活用や、研修機会の確保できる人員体制の構築を期待します。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

正規職員の採用は法人が行い、非常勤職員については、施設が行っています。求人チラシを配布したり、インターネットで求人募集をかけたり、非常勤職員の友人などの紹介で人材確保を行っています。スケールメリットを生かして、法人内での異動も活発に行っています。人事考課の仕組みを構築し、職員が目標設定を行い、自己評価に基づき年3回の面談を行っています。資格取得についても法人でバックアップをしています。管理者は普段から職員とのコミュニケーションを大切にしていて、心身の健康にも配慮しています。特に常勤の有給休暇の取得について積極的に取り組んでいます。

◆評価機関からのコメント

職員をやりくりしながらも有給休暇の取得を保障して、ワークライフバランスを大切にしています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人全体のホームページを作成し、多くの情報を発信しています。県内でも大きい法人の傘下にあり、情報公開も積極的に行っています。第三者評価は定期的に受審の実績があり、公表しています。苦情解決の仕組みを整えていて、利用者・家族に周知しています。広く利用者の募集をするということはなく、市役所へのパンフレットの配架などは行っていません。法人内の別事業所のネットワークや相談センターなどの専門機関を通じて利用希望者への情報提供を行っています。経理、請求は経理規程に基づき事業所で行い、毎月月次報告を提出しています。

◆評価機関からのコメント

経理や請求、預り金の管理など、職務分掌を文書化し、組織の健全性と信頼性を高めています。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

自治会に加入し、会費を納入しています。広報誌の配布を担当し、地域の活動に参加しています。大型の商業施設やコンビニが徒歩圏内にあり、利用者は、職員の付き添いや、ガイドヘルパーの利用により、日常的に買い物に出かけています。利用者は日中活動の施設に通所していて、それらの施設との連携を綿密にとっています。連絡帳の共有や家族会への参加などで、情報の共有も行っています。

◆評価機関からのコメント

地域貢献が求められている中で、地域とどういう形で交流していくかは今後の課題といえます。AEDの導入や防災上の役割を果たすなどの取組が進められることを期待します。
Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

倫理要綱を遵守することを、利用者尊重の姿勢として、職員全体で共有しています。法人では虐待防止委員会を毎月開催し、職員が出席しています。施設では虐待防止のセルフチェックを実施し、内容を職員間で振り返る取組も行っています。職員は、要望や思いを傾聴し、人格を尊重して接することを心がけています。

◆評価機関からのコメント

非常勤職員には印刷物の配布だけではなく、倫理規程の遵守や人権、利用者に対する接し方についての研修機会をより多くとれるような工夫が期待されます。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

施設紹介を目的として、公共施設に配架することはありませんが、ホームページで広く情報提供をしています。ホームページは、随時更新し、各ホームの紹介をはじめ、法人全体の情報を広く発信しています。ホームの利用希望者には個別に丁寧な説明を実施しています。個別支援計画は年1回、利用者と面談をして策定しています。家族会の後などに個別に家族との面談を行って、支援計画の説明を行っています。

◆評価機関からのコメント

家族会にホーム職員が出席し、コミュニケーションを図っています。信頼関係を構築する取組として高く評価できます。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

満足度の調査は行っていませんが、日頃から利用者の要望を聞いています。家族会の際にも利用者の希望を聞いています。誕生会には対象利用者の好きなメニューを用意しています。個別支援計画を策定する際にモニタリングを行い、利用者の状況を把握して満足度の向上につなげています。職員は家族会に出席し、家族からの意見の聞き取りを行っています。日中施設の家族会にも職員が出席し、情報の共有をしています。業務日誌には、利用者の様子を記録していて、困りごとがある場合の対応の仕方など、職員間で共有しています。

◆評価機関からのコメント

毎日の買い物や散歩を支援したり、日曜日の午後に利用者と一緒にパンを焼いたり、利用者の日常生活の楽しみを積極的にサポートしています。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

苦情解決の仕組みがあります。重要事項説明書に加え、施設内への掲示を通じ、利用者や利用者家族へ仕組みを周知しています。連絡帳があり、日中通所する施設とホーム、家族の間でやり取りしていて、家族や利用者の意向を把握することができています。重要事項説明書には「ホームの生活で気に入らないことがある時」という項目があり、苦情解決委員(第三者委員)2名と相模原市障害福祉サービス課とかながわ福祉サービス運営適正化委員会の2機関を掲載しています。

◆評価機関からのコメント

重要事項説明書で第三者委員を顔写真入りで明示することで、苦情解決体制の公正性と安心感を高める取組を行っています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

事故発生時の対応などは、マニュアル化しています。日々のサービス提供で困ったときには、非常勤職員は必ず常勤職員に相談するようにしています。
リスクマネジメント体制の強化を課題としていて、ヒヤリハットの重要性を職員に伝えながら、一人ひとりの支援の中で気づきを大切にする取組を行っています。感染症の予防については、感染症BCPを策定し、研修も行っています。避難訓練を年4回行い、ヘルメットは居室入り口横のわかりやすいところに常備するとともに、備蓄食料も用意して安全を確保しています。


◆評価機関からのコメント

支援の過程をマニュアル化することで、一貫したサービスを提供することができています。支援で悩んだ時には、職員同士で声をかけあうことも大切にし、職員全体のスキル向上と組織的なリスクマネジメントに努めています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

運営法人が職員の指針となる方向性を明記した「職員ハンドブック」「中長期ビジョン2024>2026」を全職員に配付しています。運営法人が制定した個人情報保護、苦情解決、危機管理に関するマニュアルなどがあります。「県央福祉会職員倫理行動綱領」を踏まえてホームにおいては、「利用者主体」を大切に考えています。利用者一人ひとりの支援業務を時系列に作成したものを「標準的な実施方法」とし、職員がシフトで変わっても同じ対応ができるようにしています。「標準的な実施方法」はパソコン内に保存し、いつでも確認できるほか、入職者には印刷資料として渡し、一緒に業務に当たり、補足説明を行っています。毎月の支援会議で変更や修正点を会議後、必要に応じ改訂しています。「標準的な実施方法」を実施しているかどうかは、管理者が支援業務に一緒に入り職員の支援状況や、各記録類、業務日誌、職員との話、シフト引き継ぎ(打ち合わせ)の内容などから把握しています。「標準的な実施方法」を実施しても、利用者の反応や行動がいつも同様とは限らず、目指す方向性に沿わない場合もあり、常に利用者の心身や意向の観察や場面に応じた対応が必要と考えています。支援区分が高い利用者や、一人ひとりの適切な支援ができるように職員のレベルアップや意識の向上を図るように努めています。人材育成は、人に対する支援業務の数値化、期待水準を明文化するのは難しいと感じています。オンライン研修や個別に助言するなどしています。今後の各職員の育成方法について具体的な対策を模索中です。


◆評価機関からのコメント

利用者一人ひとりの特性に応じた適切な支援ができるように、各職員のレベルアップや育成、職員間の情報共有と連携の努力をしています。勤務体制や時間の制約も多い状況ですが、職員同士が情報を共有し、さらに連携を深める取組や機会が増えることが期待されます。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

「フェイスシート(基礎情報シート)「障害者支援アセスメントシート」を使用し、本人、家族の要望や、日中活動先の職員、相談支援専門員との連携、医療機関や看護師の助言なども含め、利用者についての情報収集と分析をしています。支援会議で話し合い、個別支援計画を作成しています。日頃から各利用者の言動や反応の仕方を日々の記録に残して、利用者の様子や生活パターンを把握しています。意思疎通が難しい場合は写真や絵カード、ホワイトボードに言葉を書く、本人の発語の特徴をまとめたリストを活用するなどで、要望や意向を把握するように努めています。個別支援計画の変更や実施方法を変更する際には混乱や不安がないように配慮し、本人に説明をしています。

◆評価機関からのコメント

個別支援計画に基づき、日々の生活における支援がどのように関わり、どのように本人の生活を豊かにつなげていくかが難しくもあり、大切であると考えています。本人ができそうなことを予測することも大切としています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者の基本情報、個別支援計画、業務日誌、日別記録などの実施記録は統一した書式に記録しています。記録類はパソコンで記入し職員間で共有できるようにしています。法人の独自システムでデータ管理し、USBメモリは使用不可とし、外部に漏洩できないようにしています。紙の資料、ファイル類、印刷物は事務室の施錠できる書庫に保管管理し、事務室も施錠できます。運営法人制定の文書規程、個人情報保護規程に、新たにSNS規程を追加して情報保持体制を強化しています。また、カモミール横山台運営規程にも秘密保持について明記し、職員は入職時に、個人情報保護について研修をしています。行事やイベントの写真記録は、法人支給の専用スマートフォンと職員個人の法人メールアドレスを用いる手順を定め、厳格な管理下で印刷・保管しています。個人情報の取り扱いについて、利用者と家族に重要事項説明書、サービス利用契約書をもとに、入居時に説明しています。利用者がインターネットを利用する際にも個人情報漏洩防止のためのルールを説明しています。個別の様子を記録する際の書き方は、経験年数により管理者が助言をしたり、先輩職員の記録を参考にするなどしています。「客観的で、わかりやすい文章」「具体的に実際にあった行動」「利用者の言葉」「誰が読んでも場面がイメージできる」ように書くことを助言しています。

◆評価機関からのコメント

入職時研修で個人情報保護について学んでいます。さらに個人情報保護やプライバシー保護の学びが深まる機会や取組が期待されます。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

運営法人の基本方針の1番目に人権の尊重をあげています。サービス利用契約書、カモミール横山台運営規程に、人権の尊重、自立支援、人権と意思の尊重を明文化しています。利用者一人ひとりがその人らしく健やかに過ごせるよう支援の実践に努力しています。入居時は、他の施設から移動した場合や自宅から入居する場合とも、不安や躊躇がある際には、体験入所の機会も設けています。日常の支援では、支援者側の判断や都合を優先しないように気をつけています。絵カードや写真などを使用したり、言葉で誘導するだけではなく本人の行動しやすいような動線を考えたり備品の設置の工夫で、本人の自主性を尊重するようにしています。各利用者の話を傾聴して、心の奥底にある思いを受け止めるように努力しています。具体的な展開として選挙に行こうと決めた利用者もいます。入浴の順番やリビングにあるテレビの使い方、動画を見る時間帯は皆で話し合って決め、ボードに自分で表示して置くなどしています。各利用者の日常の様子を職員間で共有し、意思や想いを把握するように努力しています。さらに職員の傾聴する力の向上を目指しているところです。

◆評価機関からのコメント

一人ひとりの特性に応じた自己決定を尊重した支援は、日々の観察や気づき、傾聴が大事であるとしています。職員間の連携やお互いにスキルアップしていく機会がさらに増えることが期待されます。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

運営法人で虐待防止のための指針、身体拘束等の適正化のための指針を制定しています。サービス利用契約書、カモミール横山台運営規程に、虐待防止・身体拘束等の禁止について明記しています。玄関フロア掲示板に、困ったことがある時の相談先のポスターを掲示しています。管理者が運営法人の虐待防止委員会に出席して得た情報や内容を持ち帰り、職員に伝えています。身体拘束に関する会議は来年2月に開催予定です。開設当初から入居している利用者も多いため、職員は、利用者との会話や接し方などの関係性をわきまえて対応しています。虐待防止に関する研修はオンデマンドで受講できるようになっています。職員間での話し合いや、振り返りの機会を作るのがシフト編成上難しい面があります。

◆評価機関からのコメント

人権尊重、権利侵害に関する取組や学びがさらに深まることが期待されます。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

重要事項説明書に「地域で普通の生活ができるように」と明記しています。サービス利用契約書、カモミール横山台運営規程に「利用者の自立」「人権および意思の尊重」「自立した日常生活又は社会生活を営む」ことを支援すると記載しています。ホームでは、「利用者主体」を支援の基本としています。利用者本人ができることは自分で行い、支援が必要な場合は職員が支援しています。本人の努力や成長につながるように配慮しています。身の回りの整理整頓、買物、洗濯などの家事、食事の準備・片付けなどできることは自分でしています。本人が興味を持っていること、好きなこと、趣味などに職員が気にかけることで生活や活動が広がり、自律性が増していきます。行政との書類のやりとりや手続き、成年後見人、訪問医療、訪問リハビリ、ガイドヘルパーなどとの関係において調整を行っています。社会参加の機会を増やし、皆で一緒に楽しめるイベントの開催はホーム内においては少ない状況です。

◆評価機関からのコメント

今後、皆が参加できる活動やイベント実施を事業計画に入れています。利用者、職員が共に、明るく楽しく過ごしていくため、引き続き体制や環境整備が進むことが期待されます。
A-2-(2)日常的な生活支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者、家族の意向を汲み取り、関係機関からの情
報を加味して作成した個別支援計画をもとに日々の
生活の支援をしています。日常生活は、家事や本人がやりたいこと、できることを尊重し見守る支援をしています。言葉かけや環境の整備にも気を配るようにしています。食事は業者の配食サービスを利用し、一人ひとりの状況に応じた食事形態を安全に提供しています。誕生日には、本人の好きなメニューをリクエストして皆で集まり、ケーキでお祝いしています。入浴は毎日可能な体制を整え、順番は話し合いやボードを活用して利用者が主体的にルールを決めています。帰宅後夕食前に入るのが自然な習慣となっており、必要時には同性介助を行うことで、プライバシーに配慮した支援を実施しています。


◆評価機関からのコメント

利用者の意向や、思いを把握するために職員は、日常接する中から、新たなアプローチを試す努力しています。さらに気づきや対応の工夫が増えることが期待されます。
A-2-(3)生活環境

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

2階建ての建物は、室内エレベーターと階段の手すりを備え、バリアフリーに配慮しています。各フロアには居室5部屋に加え、浴室とトイレを設置しています。安全管理として、2階のIHキッチンは調理時に施錠し、利用者の安全に配慮しています。また、エアコンの定期清掃を徹底し、衛生的な環境維持に努めています。家具や電化製品は、利用者が必要なものを持ち込み、快適な生活を送れるようにしております。
自由時間は自室で過ごしたり、職員と話したり、動画を見たり、家事、買物、外出、夕食後に皆でゲームをするなど各自自由に過ごしています。半数の利用者が週末は自宅に戻っています。日中活動先から帰宅すると、疲れが見える場合もあり、充分休息できるように気を配っています。



◆評価機関からのコメント

開設当初から入居している利用者が多く、生活の場として慣れ親しみ、今後も利用者が安心して過ごしていける環境の継続が期待されます。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

住居として利用者が快適に過ごせるように、訪問リハビリテーションなどの外部サービスも積極的に活用できる体制を整えています。共同生活の中で主体的に行動し、ゴミ出しや2階で調理されたものを1階に運ぶ、下膳など場面に応じた役割や動きが生活訓練となっています。室内用ランニングマシーンがあり、利用者が自分のペースに合わせ利用しています。共同生活をしていくうえで、他の人が嫌がるような言動を慎むことや日常的なマナーを守ることを伝えています。

◆評価機関からのコメント

各利用者の心身の状況にあわせた日々の生活自体が生活訓練となっています。引き続き地道な支援が期待されます。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者は日中活動先で、年1回健康診断を受けています。訪問看護師が2週間に1回、バイタルチェックと健康状況の把握をしています。看護師からの助言や健康に関する情報を職員間で確認し、利用者の対応に反映しています。服薬管理は毎回職員がチェックしています。定期的な通院は家族が対応していますが、訪問診療を希望する場合は医療機関と連携しています。アレルギーや慢性疾患がある場合は個別に対応することにしています。コロナウィルスは5類移行となりましたが、リビングのテーブルは感染症予防のためアクリル板を設置しています。暑い時期は、利用者が帰宅する前から居室の冷房をつけて、熱中症予防をしています。食事量や、嗜好品の把握をしています。間食、糖分の多いものを取り過ぎないよう、健康状態を意識できるように助言しています。

◆評価機関からのコメント

健康で安全に暮らせるよう支援しています。 将来的に、医療や介護の支援が必要な場合もあることも予想されるため、必要な支援について対策を立てていくことが期待されます。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

自治会に加入しています。自治会からイベントなどの案内が来ますが、日程の都合や週末は自宅に戻る利用者が多いなどで参加できていません。ガイドヘルパーと一緒に利用者が外出することもあります。各利用者の状況に応じて、金銭管理、小遣い帳をつける、買物の会計の仕方、パソコンの使用上の操作方法などの支援をしています。

◆評価機関からのコメント

時間の制約や利用者の状況もあり、難しい面もありますが、地域の社会資源の利用や地域交流の機会が、今後増えることが期待されます。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者が、週末に自宅に戻ることも多く、各利用者の希望に沿い、安心して生活できるよう支援しています。今後、自治会との連携や地域資源の活用を考えています。

◆評価機関からのコメント

現状では、地域との積極的な交流や地域生活移行への具体的な支援はありません。今後は、地域社会とのつながりを広げることが期待されます。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者の支援計画は、家族の要望や意見も踏まえて作成しています。家族とは「連絡帳」を利用してやり取りをし、電話も活用しています。家族がホームに来訪の折に話を聞いたり、相談に乗ったりしています。定期的な個別面談は開催していませんが、年に1回家族会があり、貴重な時間と考えています。親が高齢化し、家族に対する対応や支援も必要となっています。

◆評価機関からのコメント

今後は、親の高齢化や経済上の問題、利用者本人の心身上の問題などが想定されます。家族や関係機関との連携や支援の検討が期待されます。

利用者調査結果<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:10名
アンケート調査対象:12名
ヒアリング調査対象:1名
①  アンケートで評価の高い内容と %
   自分のペースで過ごしているか
   過ごしている 100%
   職員スタッフが丁寧な言葉で話してくれるか
   話してくれる 100%

②  アンケートで評価の低い内容と %
   自分のお金がどのくらいたまっているか
   わからない 57%
   自由に外出したり友達に会いに行ったりできるか
   できない 43%

③  調査全体でとらえた利用者の状況
  (障害特性や利用者の背景や表情等も含め記述)

居室はきちんと整えられていて、好きな音楽を聴きながら漫画を読むなど、それぞれが自室での生活を楽しんでいる様子でした。ヒアリングを行った利用者は、ホームでの生活が楽しいことを満面の笑みで答えてくれました。重度の障がい者が多い中で、スタッフが障がい特性に見合った対応をすることで、利用者が落ち着きを見せる様子もうかがえました。