社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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グローバルキッズ下田町園

2022年04月11日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 グローバルキッズ下田町園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 定員43(利用者43名) 名
所在地 223-0064
横浜市港北区下田町3-16-25 ルーチェ1階
TEL 045-561-2255 ホームページ https://www.gkids.co.jp/facilities/nursery_038.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社グローバルキッズ
職員数
常勤職員:8 名
非常勤職員:4 名
専門職員
施設長:1 名
保育士:7 名
保育補助:2 名
調理員:1 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
保育室:5室 
トイレ:3 
調理室:1 
事務室:1
園庭:1

③ 理念・基本方針
理念:豊かに生きる力を育てる

方針:1,子どものこころに寄り添い、支える
    2,子どもの力を信じて見守る
    3,子どもを中心に捉え、家庭や地域との信頼関係を築き、環境を通して、
人やものと関わりを大切にする

④ 施設・事業所の特徴的な取組
実体験を大切にしている。田植え・稲刈り・脱穀・みそづくり・縄跳びあみなど
2・3・4・5歳児では異年齢保育を行っている。
3本の柱 1.表現、2.身体づくり、3.対話

体幹、筋肉、骨格など育てていく「リズム」というプログラムを取り入れている。跳び箱、鉄棒などプロのヒップホップ、プロダンサー講師が月1回行う体操教育を行っている。

発表会などはなく、子どもたちが主体となった行事で、全てが保護者参加可能とし、輝いた大人を見せて、子どもたちが大人へあこがれる環境を作っている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/06/11(契約日) ~2022/03/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)保育の専門家として学び続けること

園では毎日、子どもたちの様子を話す時間、毎月、保育目標の確認や、「学びの会」を行っています。また、保育士が自分が決めたテーマで学んだことを発表する日を設けています。園長は、知識を詰めるだけでなく、自らが考え、子どもの行動の意味を捉え、活動が保育指針の10の姿からずれていないか、一つひとつの活動内容において自身の保育実践が常に問われていることを伝えています。職員は、日々の学びを続けることから「保育する」ことの意味を深く理解し、保育士一人ひとりの専門性、人間性の向上に努めています。 

2)保護者と共に行う子育て

園ではICTシステムを導入し、園からのお知らせ、日々の登降園情報の管理やその日の動画発信を行っています。また、保育活動のドキュメンテーション(写真やコメントで提供)を毎日掲示し、登園後の子どもの様子をいつでも確認できる「保育の見える化」に努めています。園は、常に保護者と共に子どもの成長を見守り、共に喜び合える保育支援を行っています。保護者は、園の取組について満足しています。

3)子どもの最善の遊びと学びを保障

日々の子どもの様子を反映したウェブマップ(蜘蛛の巣図式)を活用し、一人ひとりへの心配りを大切にして、子どもの興味を引き出す遊びを提供しています。子ども主体の保育を徹底し、保育士たちは、毎日30分の時間をとり、学びのツールとしてウェブマップで、一つの言葉やテーマから子どもの活動も含めた発想・展開を理解し、発達年齢に合った保育環境に繋げています。
改善を求められる点 1)マニュアル全体の再確認

法人策定の各種マニュアルが整備されています。使用する頻度の高いマニュアルについては、職員間で見直しや改善を行っていますが、使用頻度の低いものについては、見直しなどが実施されていません。使用頻度の低いマニュアルについても定期的に内容の確認や見直しを行い、職員の理解を深める機会も必要と思われます。

2)地域コミュニティへ開かれた園としての役割

有事における防災対策として、自助・共助・公助が求められていますが、中でも地域住民同士の共助が最も重要だと考えられています。平時における子育て相談や掲示板、AEDの設置はありますが、残念ながら周知が十分ではありません。幼い子どもたちを預かる保育所として地域コミュニティとの交流をさらに深め、SNSやICTシステムの活用も含めた防災対策など、地域における危機管理体制への更なる取組が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回第三者評価を受けさせていただいたことで、自分たちの強み・弱み課題
が明確になりました。
また細かく聞いてくださることで自分でどんな思いでやっているか、目的も明確になりました。
保護者の皆様からも温かいコメントばかりで、より一層プロとしてお子様たちの関わりに
生かしたいと強く思いました。
ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念や基本方針は、園内の文章やパンフレット、ホームページなどに明文化され、職員や保護者に周知しています。利用案内のパンフレットや重要事項説明書などに、園の目指す方向や考え方を明記しています。職員が必携する「コンセプトブック」には、企業理念、保育理念、クレドなど、保育に関わる職員としての心構えが具体的に明記されています。園長は、保育の専門家として「保育をすること」の意味を掘り下げ、毎月理念・基本方針に沿った園内研修や指導を行っています。保護者への周知は、資料配布のほかにICTシステムを活用し、動画やドキュメンテーションで園の理念や基本方針に沿った取組を説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向については、法人が、一括して具体的に把握し、分析した情報を各園に報告しています。園長は、港北区の園長会や横浜市の「横浜の保育を考える会」などに出席し、地域の福祉計画の情報などを把握しています。保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率の分析などは、法人の運営サポート部と協議し、毎月確認しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

経営環境や保育の内容、組織体制などの分析は、法人の運営サポート部エリアマネジャーと協議し、課題や問題点を明らかにしています。 毎月、エリアマネジャー、連携園の園長ら6名で「班会議」を行い、経営状況や課題について共有しています。職員に関連する課題などは、職員会議や面談で周知しています。経営課題の取組は、園独自では行わず、法人に沿った方針で行います。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の中長期ビジョンが策定されています。短期から長期の方向性としての方針、業績目標、経営計画、重点項目や施策など、具体的な内容や数値目標を明確にしています。中長期計画は、必要に応じて見直しが行われます。園の中長期計画は、法人のビジョンに同じとしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の計画は、中長期計画を踏まえ、保護者支援、地域交流、人材育成など、成果の出る取組を継続的に行うとしています。人材育成は最も重要項目として具体的な計画を作成していますが、その他の取組についての具体的・計画的な実施方法が明確ではありません。今後は、進捗状況の評価も行える事業計画の作成が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、職員会議、職員の自己評価、保護者アンケート、半期ごとの園の自己評価などの分析から、園全体における課題を抽出し、年度末に園長とエリアマネジャーでまとめていますが、具体的・計画的な実施方法を明確にしていません。前年度の報告・計画にPDCAサイクルを活用し、今年度に繋がる事業計画の作成が望まれます。保育に関する計画は、全体的な計画、年間保育計画などについて、職員会議で話し合い、今年度の課題や継続事項など、具体的な計画として次年度計画に繋げています。年度初めに事業計画全体を職員に周知しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者に関連する園の方針、保育内容、行事計画、園庭の改良、補助金の使途、職員の人材育成などについては、資料配布、ICT(情報通信技術・パソコン/携帯/タブレットなど)や年に2回開催する保護者会などで説明をしていますが、今年度は、コロナ禍のため、対面式の保護者会を中止しており、十分な説明ができなかったとしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育内容については、全体的な計画をもとにデイリープログラムから年間指導計画までの自身の評価・反省を各指導計画に記載し、総合的な評価分析を年度末に行い、次年度の指導計画に反映するPDCAサイクルが機能しています。毎月行う職員の自己評価をもとに半期に1回行う園全体の自己評価、保護者による園評価、定期的に受審する第三者評価など、園全体に関わる評価結果の分析、分析内容についての検討、改善に向けたPDCAサイクルは、十分に機能していません。今後は園全体におけるPDCAサイクルを活用した園の質の向上が期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

職員の自己評価、園の自己評価や保護者の評価などを集約し、分析を行っています。分析の結果、明らかになった園の課題などは、ICTで共有し、ファイルに保存しています。園として明確になった課題の中で職員に関連する保育内容や専門性などは、職員会議で話し合い、改善策や改善計画を策定しています。園運営においてはエリアマネジャーと協議し、具体的な取組を計画して進めています。いずれも必要に応じて見直しを行っていますが、事業報告・事業計画への反映と計画的な改善の取組が、十分とは言えません。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園運営は、法人の方針に沿って取り組むことを明確にし、職員会議や園内の文書で周知しています。重要事項説明書には、園長、保育士、調理人など職員体制、及び職務についての明示があります。保護者向けの重要なお知らせには園長名で通知しています。有事の際の権限委任は、その場にいる責任者順に行う体制ができています。しかし、職務分掌としての文書化が十分ではありません。重要事項説明書の記載はありますが、園長はじめ、職員序列の職務・責任を明文化することが望まれます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、法令遵守を理解しており、取引事業者や行政関係者らとの適正な関係を保持しています。職員は入職時の研修で法令遵守や社会的ルールについて学んでいます。SNSやICTシステムの取り扱いには、細心の注意を払っていますが、全体的には、まだ十分だとは言えず、更に理解を深めていきたいとしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園では、保育の質の向上に向けて常に学び合い、子どもの姿を語りあい、問題解決は迅速に進めることを第一としています。毎月実施する自己評価や半期毎の園の自己評価の分析を行い、課題とする問題を採り起こし、職員たちと徹底した意見交換を行っています。園長は、広く学びを重ねることが、「保育する」ことの意味を理解し、自身の専門性、人間性の向上に結びつくことを常に伝えています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

人事、労務、財務関連の分析は、法人中心に行われますが、人員配置、職員の働きやすい園環境の整備などは、法人のエリアマネジャーと共に具体策を講じ、法人に報告しています。職員の日々の様子や意向から、シフト改善やICTシステムの活用で全体的な業務負担が軽減され、効率化が図られています。園長は、指導力を発揮していますが、まだ、十分ではないとしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

必要な人材、人員体制の考え方や人材育成に関する方針が確立しています。人材育成や人材確保は、基本的に法人が一括して行っています。園は保育体制や人材育成の計画を作成し、実施していますが、採用や定着にまで繋がらない現状だとしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員全員が必携している「コンセプトブック」には、法人の理念、目指す人財、保育理念にもとづく「期待する職員像」を明確にしています。人事基準を定め、職員の専門性、研修成果、日々の保育実践、定期的な面談などから総合的に評価を行っています。園長は、職員との個人面談で本人の目標や専門性を確認し、必要なスキルの水準、必須科目、研修内容について助言や指導を行っています。法人の人事基準は整えられていますが、人事管理が的確に行われているか検討の余地があるとしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

労務管理の責任体制を明確にしています。時間外労働もなく、有給取得率はほぼ100%となっています。園長は日常的に職員の心身や健康状態に配慮し、面談や現場の様子を見ながら本人の意向や要望などを確認しています。必要に応じて就労状況を見直し、無理なく働ける職場づくりに努めていますが、まだ、十分ではないとしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」は、「保育基本マニュアル」「コンセプトブック」「コンプライアンスハンドブック」などに明文化し、職員育成の体制を整えています。毎月の自己評価や個別面談で本人の適切な目標を設定し、中間面談で進捗状況や必要な見直し、助言を行い、年度末に最終的な確認をしています。目標管理の仕組みはできていますが、本人の意識向上に繋げる取組は十分ではないとしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

組織として「期待する職員像」を明文化し、必要とされる専門技術と専門資格を明示しています。法人が中心となり、育成に向けた目標管理が行われています。必須研修や階層別・職種別・選抜テーマ別など研修ごとのシラバスが作成され、該当する職員の受講を促しています。職員は自己チェックシートに目標を設定し、進捗状況の報告を兼ねて園長との面談を行い、必要に応じて見直しや指導を受けています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

毎月行う自己評価や人事考課制度により、職員のスキルや能力を把握し、必要な知識や技術に応じた教育・研修を実施しています。園では、特に内部研修に力を入れ、日々の保育が学びの場であり、それぞれの振り返りと一つひとつの活動の意味を理解する演習形式の時間を設けています。経験のある職員もない職員も共に考え、理解し、保育活動に反映できる園環境があります。研修の情報は、全職員に周知し、必須研修や希望の研修を受講する仕組みができています。園長は、研修・経験・実務が合わないこともあり、経験年数と質の高い保育ができるかは別問題だと考えており、さらに検討する必要があるとしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

法人策定の実習生受け入れマニュアルがあり、実習生の育成、研修に関する基本姿勢を明確にしています。専門分野に見合った内容を効率よく研修できるプログラムや学校・本人の希望を組み入れた実習内容にしています。しかし、現在はコロナ禍のため、受け入れを中止しています。コロナウイルス感染の状況により、再開する予定です。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページには、法人の理念、基本方針、保育目標、保育の特徴や法人の中長期ビジョン、四半期報告書などを公開しています。第三者評価の受審、苦情・相談の仕組みや内容などの情報も公開しています。園独自の事業計画・報告、予算決算などは公表していません。地域への情報として、園活動や催しを玄関に掲示したり、港北区子育て支援の広報誌に掲載したりしていますが、現在はコロナ禍のため、情報発信が少なくなっています。コロナウイルス感染状況を確認しながら再開していきたいとしています。 

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園における事務、経理、取引などの業務ルールを明確にし、職員に周知しています。定期的に内部・外部監査を実施し、園運営の適正性を確認しています。監査による指摘事項や助言について、法人サポート部のエリアマネジャーと改善策の取組を検討し、進めています。職員関連の必要な事項については職員と共に検討し、改善策に繋げていますが、運営・経営全体に関しては、周知していません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人のクレドや中長期ビジョン「2030 トリプル トラスト」には、地域との関わり方について明示し、全体的な計画に地域交流を広げる取組を明記しています。保護者が活用できる社会資源やイベント情報は、ポスター掲示やパンフレットで提供しています。港北区の子育て支援として「赤ちゃん会」が月に1回開催され、健康測定や育児相談、家での遊び、わらべ歌やお話などに協働参加をしています。園では、育児相談や園庭開放などを定期的に行っていますが、子育て世代だけでなく、高齢者の施設へ毎月訪問し、歌やお手玉を一緒に楽しんでいます。5歳児はクリスマスにベルの演奏を披露していますが、コロナ禍のため中止にしています。コロナウイルス感染状況を見ながら再開していきたいと考えています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

法人策定のボランティア受け入れマニュアルがあり、受け入れの体制は整えられています。読み聞かせボランティアや中学生の体験学習に協力していましたが、コロナ禍のため現在は中止しています。申し入れがあれば、コロナウイルス感染状況を確認しながら再開していきたいとしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

社会資源関係のリストは作成していませんが、関係機関の情報をまとめたファイルがあり、職員間で共有しています。園長は港北区の園長会や港北区幼保小連携事業などに定期的に参加し、子育て支援の取組として毎月行う「赤ちゃん会」や育児相談、園庭開放などで協働しています。関係機関がない場合の地域のネットワーク化の取組はしていません。虐待について、事例はありませんが定期的に港北区子ども家庭支援課と見守りを必要とする子どもについて連絡があります。他に港北福祉保健センター、横浜市北部医療センターや新横浜療育センターなどと連携があります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営委員会を年に2回開催しています。各クラスの保護者、法人担当者、園長、外部委員の参加により、利用者の立場に立った課題や具体的な取組などについて意見交換を行っています。横浜市港北区の子育て支援事業や港北区の園長会などで地域の福祉ニーズや課題などを把握しています。定期的に港北区主催の「赤ちゃん会」に参加し、育児相談やわらべ歌など親子で楽しめる遊びを提供しています。また、園では、夏場の園庭開放(プール、水遊びなど)、子育て相談なども定期的に開催し、地域貢献に努めています。ただ、現在は、コロナ禍のためニーズに伴う活動ができず、今後はコロナウイルス感染状況を確認しながら再開していきたいとしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

世代を超えた地域交流として高齢者施設へ毎月訪問し、歌を披露したり、昔遊びを教えてもらっています。また、クリスマスシーズンには、5歳児の子どもたちがベル演奏をし大変喜ばれています。救急対策の一つとしてAEDの設置や水などの備蓄もしていますが、地域住民への周知はしていません。今後は公表し、地域住民との共助に繋がるような工夫が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「重要事項説明書」に、虐待防止に関する体制の整備や職員の研修について明示されており、職員は定期的に子どもの人権擁護や虐待防止、保育者としての倫理などの研修を行っています。「全体的な計画」や各保育指導計画には“人権”の項目が設けられ、園児への対応・指導方法を明示し、実践に繋げています。“一人ひとり違うことがあたりまえ”という方針の下、異なっていることを互いに認め、尊重することを学んでいますが、子どもが瞳や髪の毛の色が違うことで悩む場合には、保護者と共に食や文化・言語などの違いについて理解できるよう図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人の保育実施を示すガイドブック「GK保育」には子どものプライバシー保護、配慮について明示されており、職員は習得しています。「全体的な計画」や各保育指導計画に沿って実施しています。着替え時には必ずカーテンを閉め、また、保育室の中にも一人になれる半個室のスペースを用意して、プライバシーを守る場所を提供しています。保護者に対しては、入園説明会や保護者会で個人情報保護規程について説明を行い、“個人情報取り扱いに関する同意書”と写真業者導入に関する“写真業者同意書”を収受しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のホームページには保育目標・保育方針・園の取組の他、利用案内(料金・保育時間など)・アクセスマップ、施設内の写真などを紹介しています。見学希望者の問い合わせには園長が対応しています。個人情報保護の観点から保育活動の分かる写真を掲載していないため、見学時にゆっくりと見てもらうようにしています。入園パンフレットを配布して質問にも応じ、1組ごとに丁寧に対応することを心掛けています。見学者の記録は敢えて取っていませんが、帰りに感想や意見を聞いて、次に生かしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園説明会で重要事項説明書と保育内容を説明した「全体の計画」を配布し、保護者に対して詳しい説明を行っています。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言やまん延防止法施行等によって、中止や延期を決めた行事や保育内容等の変更については、配布物・掲示に加えて、保護者向けアプリで保護者に伝え、既読にならない場合には直接電話して確認しています。また、配慮が必要な保護者には、口頭で丁寧に説明を行い、周知を徹底しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育園等の変更・転園にあたり、法人作成の定型フォームを利用して保育の継続性に配慮した引き継ぎを行っています。退園児や卒園児、及び保護者に対しては、園長が窓口となり、問い合わせや相談に応じていますが、特に記録は残していません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で、子どもの満足度を把握するように努めています。保護者に対しては、行事後に実施するアンケートを活用し、保護者から寄せられた意見・感想など全員の生の声を園長がまとめ、職員会議や乳児・幼児会議で話し合っています。集計したアンケート結果は、保護者向けアプリや保護者会等で公表しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設置)が整備されています。保護者には重要事項説明書で解決責任者名、担当者名、第三者委員名の他、横浜市の苦情相談窓口を記載し、配布しています。日々のコミュニケーションで話しやすい雰囲気作りに努めており、保護者からの意見・相談と解決策は記録を残しています。苦情記入カードの配布を行っておらず、保護者向けアプリでは発信者が特定されるため、意見箱の設置が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者には、保育内容に関する相談・苦情の窓口は市にも相談できることを明示しています。また、個人面談の他、保護者向けアプリを介さない書面でのアンケートも実施しており、複数の方法で相談したり意見を述べたりすることが可能である旨を周知しています。コロナの判断等、配慮の必要な内容については「遠慮なくお声掛けください」と一言添えて、相談しやすい環境を用意する工夫をしています。建設的な意見は改善のチャンスと捉え、積極的に意見の収集を図っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員・園長は送迎時には積極的に保護者に声をかけ、会話できるよう配慮しています。また、アンケートの実施、保護者向けアプリからのフリー記入欄の活用、個人面談など様々な機会を通して意見の把握に努め、記録しています。保護者からの相談や意見に対して真摯に受け止め、迅速に対応しています。組織的解決になるよう、園長を中心に職員間で共有しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

法人による「危機管理マニュアル」、厚生労働省の「コンプライアンス管理規程」に則り、安心・安全な福祉サービスの提供に向けて取り組んでいます。事故やヒヤリハット発生時は、保護者向けアプリでの配信に加え、必ず手書きによる「ヒヤリハット報告書」と園独自の振り返りシートを作成しています。発生の都度、会議で全職員にフィードバックを行い、ヒヤリハットだからこそ丁寧に振り返り、検証を行って再発防止に努めています。園長は上級救急救命の資格を持っており、AEDを設置し、研修を開催しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「感染症マニュアル」・「感染症対策ガイドライン」が法人で作成されており、園長を責任者とした管理体制が整備されています。法人の看護師や外部研修に出席した園長による嘔吐物の処理や保健衛生安全対策などの研修を実施し、職員に感染予防対策や発生時適切な対応ができるよう周知を図っています。「清掃・衛生ガイドライン」も整備されていますが、現在は、園長が状況確認を行う体制のため、職員に移譲していくように改善を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

「重要事項説明書」に緊急時及び非常災害時の対応体制が明示されており、年に1度、引き渡し訓練を実施しています。毎月1回、避難訓練計画に沿った避難訓練を実施し、計画事項を重点的に確認し、職員会議等で丁寧に検証した避難体制を整えています。警察と連携した不審者対策を実施し、消防署には避難訓練報告書を提出しています。AED設置を自治会に公表していますが、地域との連携が十分ではないと感じており、検討中です。備蓄リストを作成し、3日分の食料や水、防災グッズを備えており、定期的に管理しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人作成の「GKマニュアル」には保育の実施方法が明記されています。「GK保育」ガイドブックをもとに、プライバシー保護や権利擁護に関する姿勢、適切な保育の実施について自主研修を行い、園児一人ひとりへの適切な保育の実施に向けて、職員への学び・再確認、周知徹底を行っています。各保育指導計画には、自己評価や子どもの姿を記載する欄が設けられており、自己の振り返りを行っています。毎月の園長との面談で、「GK保育」に沿った保育が実施されているか確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

毎月の園長との個人面談において、「GK保育」ガイドブックに基づいた保育の実施状況を確認する仕組みがあり、検証・見直しと、全職員へのフィードバックが行われています。時には園長実践による保育を見せ、園内研修で保育の実施を学ぶ機会を設けていますが、個人の経験や資質により技術が伴わない場面も見受けられるため十分ではなく、保育の専門家としてのレベルを上げる取組を行っている段階です。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」に基づき、年間指導計画等の各指導計画を立案しています。作成にあたっては保育士以外の専門家の意見も参考にしています。乳児や配慮が必要な子どもには入園前の個人面談によるアセスメントをもとに、また、日々の子どもの様子や発達状況をウェブマップに記録して協議を実施しています。今年度からウェブマップを採用したことで、他の職員の考えや道筋、振り返りの様子を把握し、ケース会議で分析することで、全ての子どもたちに対して一人も見落とすことなく目を配り、その子にとって最善の遊びを保障しているかを確認して指導計画に反映しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」をもとに作成した年間指導計画は四半期ごとに自己評価を行い、課題を明らかにして評価・見直しを行っています。職員会議等で共有して月案作成に反映すると共に、次期の計画作成に繋げています。併せて、各指導計画書に設けられた自己評価欄に記入することで、定期的に振り返りを行って改善に繋げています。コロナ禍等、指導計画を急遽変更する場合には、園長のトップダウンで行う仕組みが確立されています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況は、ドキュメンテーション(写真)やPDCAサイクルの記録、職員向けアプリ等で共有されており、全職員がいつでも閲覧・確認する仕組みが整備されています。記録内容や書き方は園長が確認しており、定型の文書が作成されていますが、その中で、自分の言葉や表現で子どもの保育状況を記録し、自分の考える“保育”を語ることができる保育士を目指して園長が指導しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

「個人情報保護規程」に基づき、個人情報の収集・第三者への提供等に関する規定を定め、記録等は施錠できる書庫に保管して、子どもの記録を適正に管理しています。個人情報の取り扱いについては、ルールと責任者を簡素化してミスを防ぐ工夫をしています。また、資料の持ち出しに関しては、園長・持ち出し(使用)クラスの責任者・遅番の担当者が返却を確認する三重の管理体制を敷いています。配慮が必要な子どもに関する資料は、園長の直接管理にしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」は、保育所の理念や方針に基づき、児童憲章や児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえて作成しています。「全体的な計画」の内容が各指導計画書に落とし込まれるように、子どもの発達過程や子どもと家庭の状況、保育時間等を考慮して、適格な内容になるように作成しています。毎月の乳児会議・幼児会議で日案・週案・月案を振り返り・見直しを行っています。毎年1月の全職員が参加する会議では、それまでの振り返りや見直しの結果を踏まえて、再度保育理念を確認して「全体的な計画」の評価・検討を行っており、園長が中心になって作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

保育室は1フロアで繋がっており、保育スペースが仕切られています。1歳時は小ぶりな保育スペースで、みんな一緒に過ごしています。今年度から2~5歳児による異年齢保育を取り入れており、それぞれのスペースを自由に行き来して活動しています。作品を置く棚や発達年齢に合わせた教材や教具は、いつでも好きな時に取り出して使用することができます。絵本コーナーや玩具コーナーの横には、数人で座るスペースや、一人になれる空間も確保されています。室温・湿度の管理をこまめに行い、安全チェックや室内清掃を実施しています。保育スペースの向かいにトイレがあるため、プライバシーの配慮と併せ、保育士の目が届くことで安全性と衛生面も考慮されており、生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を用意しています。限られたスペースを工夫して使用していますが、改善の余地があるという意識を持って保育に取り組んでいます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

「GK保育」による園内研修で、子どもを受容する丁寧な保育を職員間で実践していくことができるように学びの場を設定しています。上手くできない場合には職員同士で声をかけ、どこが難しいのか話し合いを行い、乳児・幼児会議等で組織的に解決しています。“一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育”を実施することは、保育のプロである保育士としては当たり前のことであると考え、子ども一人ひとりに向き合う保育を実践するために、口調や用いる言葉・態度等を模索している段階です。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりの発達に合わせて、日々の生活習慣を身に付けることができるように、保育の場面での環境に配慮しています。担任に捕らわれず、全職員の目で子ども一人ひとりを見て、発達状況を確認することを重視して、基本的な生活習慣を身につけることができる環境を整えています。発達段階に応じて、子どもが自分でできるよう配置し、子どもが自分でやろうとする気持ちや達成感を得て自信や次への意欲につながるように時間を掛けて支援しています。職員が子どもに対して過干渉になるところも見受けられるため、自立心を奪わないように発達状況を見極める、見守ることを大切にしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが主体的に活動できる環境を整備して保育を実践することを心掛けています。子どもの遊ぶ様子を常に観察することで、年齢や興味・関心に応じて、自ら遊びを選択して遊びに集中できるような玩具や教材・絵本を用意しています。また、近隣の公園で自然や生き物に触れる機会を設け、遊びを楽しむ環境を用意するなど、子どもが自主的・自発的に遊ぶことができる保育の環境設定に努めています。職員全員が同じ目標を持ち、日々の振り返りを大事にして、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を実践しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

非該当 0歳児が在籍しないため

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

養護と教育とが一体的に展開されるように、1歳児クラスは担任全員の目で発達状況を確認することを重視しています。保育士に対して安心感・信頼感を持ち、個々の発達に合わせた援助や助言を行い、絵本を用いて言葉だけでなく視覚的理解ができるような指導を心掛けています。2~3歳未満児に対しては、幼児クラスと一緒の異年齢保育を実施しています。2~5歳児クラスの全保育士で全ての子どもたちの保育を実施しており、個々の発達を職員間で共有し、子どもが自分でしようとする気持ちを大切にしながら身辺自立の芽生えをゆっくり見守っています。保育現場では保育士の経験の差が出るため、ウェブマップを活用して、日々、保育のプロとして技術を高める努力をしています。保護者へは送迎時に積極的に声かけを行って子どもの様子を伝え合い、個別の課題については保護者の意向を確認して、保護者向けアプリを活用し、家庭と連携して取り組んでいます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

幼児クラスでは、年齢や発達に応じて色々な遊びに興味・関心を持ち、子どもが自ら活動を選択して遊びに集中できるような玩具や教材を提供しています。異年齢保育を実施しているため、年齢で活動内容を制限することはありませんが、5歳児は針を使って雑巾と卒園制作のティッシュカバーを制作しており、針と糸を使えることが憧れの対象になるように頑張っています。また、布を染めて三つ編みで縄跳び作りをしており、指先の発達に役立つと共に、成果物で皆一緒に遊ぶ喜び・達成感を体験しています。異年齢で一緒に過ごすことで、年長児が年下の子どもたちにルールや決まりを教え、年下の子どもたちは憧れて一生懸命真似をする、というお互いが学ぶ環境が常に用意されており、養護と教育が一体的に展開されています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもが安心して生活できる保育環境として、園舎内はバリアフリーとしています。現在、認定されている障害のある子どもは在園していませんが、多機能トイレを設置しており、車いす利用の子どもの受け入れも可能です。障害児受け入れマニュアルが整備され、園内研修やケース会議で特性を考慮した個別指導計画を立てる体制は確立されています。配慮の必要な子どもに対しても、同様の対応を行っていますが、子どもの様子や反応は千差万別で、対応方法は正解は1つと決まっているものではないと考えています。障害に関する知識や情報が十分ではないと感じることもあり、今後も研鑽を積んでいくことを目標としています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

1日の生活を見通した保育を提供できるように、「全体的な計画」や「年間保育指導計画」・「月間保育指導計画」で長時間保育に関する配慮すべき事項を記載し、年齢に応じた環境を準備しています。保育室は長時間保育にもストレスがないように、明るさ・音・温度等に配慮しています。保育の様子は日誌に記載して、確実な引き継ぎを行っています。子どもの生活リズムは家庭によって異なるため、全員に配慮した食事・おやつの提供は難しいと考えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

小学校との連携については「全体的な計画」や具体的な保育内容の「全体の計画」に記載され、就学を見通した小学校との連携を予定していますが、今年度はコロナ禍で交流が持てていません。保育所児童保育要録は園長責任のもと、担任保育士を中心に作成して小学校に提出しています。特に配慮を要する子どもに関しては、書類提出と共に小学校担当教諭に口頭での説明も行い、就学後の問い合わせにても対応していますが、充分にできていないと感じています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理については「全体的な計画」や「年間保育指導計画」・「月間保育指導計画」に記載されており、健康管理マニュアルが整備され、入園時や進級時に、児童票に生育歴・内服歴・既往症・予防接種の状況等を記入して管理し、全職員で共有しています。園での様子は保護者向けアプリで知らせるほか、送迎時に口頭でも伝えることを心掛けています。感染症に関しては、法人作成と厚生労働省のマニュアルが用意されており、登園停止基準や感染症の疑いが生じた場合の対応等を明示しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)については口頭・配布物で説明を行い、園内研修を実施して安全確保に努めています。保護者には、毎月発行している法人作成の「ほけんだより」で感染症等の情報を配信しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

健診については「全体的な計画」や「年間保育指導計画」に予定が記載されており、園医による年2回の健康診断と歯科健診、毎月の身体測定結果については児童票に記録するほか、保護者向けアプリで保護者に知らせています。例年は、食後の歯磨きは、乳児は食後にお茶を飲んで殺菌を行い、幼児は自分で歯を磨き、保育士が仕上げ磨きをしていますが、今年度はコロナ禍で実施できないため、家庭と連携した取組ができていません。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

現在、アレルギー疾患や慢性疾患の子どもは在籍していませんが、アレルギー性疾患や慢性疾患等に関する研修に職員が参加し、知識や情報を周知・共有しています。「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」や「食物アレルギー児・食事制限が必要な児童に対する基本方針」と照らし合わせ、適切な対応を行っています。主治医の指示のもと、栄養士・調理員・施設長・クラス担任が保護者と相談して、適切な対応を取る体制が整っています。事故を防ぐために専用トレイや食器の色分け、複数人による声出し確認を行い、直接対応する人を限定して、他の食事との違いを明確にしています。保護者に対しては、入園説明会で園への飲食物の持ち込みや飲食の禁止を伝えていますが、必要に応じて、子どもたちにもアレルギーの危険性について伝え、保護者に理解を図るための取組を行う予定です。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」や「年間指導計画」・「月案」で、一人ひとりの年齢や発達に応じた保育を行っています。年齢を問わずに陶器の食器を用いて、安定して器を持てるようにしています。“食事は楽しい”と体感してもらうため、集団で食べるときの雰囲気作りとして、食事に興味を持つ話やコミュニケーション作りを行っています。また、田植えから脱穀の工程や味噌作りを子ども自身が体験することや、野菜の皮むきを自分たちで行うことで、食材に興味を持つことを心掛けています。併せて、クリスマスなどの行事食を提供することで行事内容にも興味を持つようにしています。保護者には、「給食だより」と毎月の献立を配布し、旬の食材等を紹介して家庭と連携して食育を進めています。乳児は発達段階の差が大きいため、食事のサポートに関して今以上の検討を進めています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

子どもがおいしく安心して食べる事ができるように、月1回の給食会議には調理員にも参加してもらって情報を共有しています。調理員・栄養士が子どもたちの喫食状況を巡回して「喫食状況記入表」に記録して、献立・好き嫌いや子どもの食べる量・好きなメニュー等の喫食状況等から、盛り付け方や、彩り・量などを工夫して子どもの興味と五感を刺激し、楽しめる食事の提供に反映しています。お米を作って餅つきをしたり、手作り味噌を野菜につけて食べたり、地元の野菜を八百屋で購入したりと、地域の食文化を取り入れる工夫を行っています。「年間職員献立計画」に沿った食育を実施して、発達段階に応じて食材に触れる体験をしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

園と保護者の連絡方法は、入園時に紙ベースの連絡帳かICT活用のいずれかを選択することができます。現在は全員がICTシステムで家庭と園の情報交換をしています。登降園の健康状態、園や家庭での子どもの様子、園だよりはじめ園からのお知らせなど、園活動に関する情報や家庭での子どもの情報を24時間サイクルで双方が把握し、子どもの成長過程を共有しています。また、日々の保育活動を動画で発信し、年齢ごとの活動の様子は、ドキュメンテーション方式(写真やコメント付)で提供しています。家庭の状況や保護者との情報交換は、必要に応じて記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の重要項目に保護者との関わりについて明記しています。園では、「保育の見える化」を第一とし、登園後の子どもの様子を動画発信しています。また、保育参加、公開保育、個人面談、保護者会で園の保育方針や保育活動を説明し、家庭と園が1日を通して共に子育てをし、共に子どもの成長を応援し、見守っていることを伝えています。保護者の就労状況に配慮し、保護者のメンタル面や子どもの発達状況など、一人ひとりの相談に真摯に対応しています。また、相談内容によって、担当保育士だけでなく、チーフ保育士から園長への連携体制ができています。必要に応じた外部関連機関との連携も整えています。園長は、職員の更なる向上へ向けて取り組んでいます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

法人の「保育園危機管理」に虐待防止に関するマニュアルがあります。また、重要事項説明書には、虐待など権利侵害の禁止や児童虐待防止法を遵守すると明記しています。登降園時の保護者や子どもの様子、着替えやトイレ援助などで虐待の可能性が見られる場合は、速やかに職員間で共有し、横浜市北部児童相談所や港北区子ども家庭支援課に通報する体制ができています。現在までに虐待等権利侵害に関する事例はありませんが、子どもや保護者のサインを見逃さないように早期発見、早期対応に努めています。虐待に関してマニュアルの読み合わせを行っています。更に、職員の理解を深めるために「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を定期的に行い、虐待防止の意識付けを継続的に行っていきたいとしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

園では、毎月、「保育をする」ことの意味を深く理解し、自身の振り返りを確かめる演習形式の「学びの会」を行っています。また、年度末には、保育士が輪番で自身の「子ども観、保育観、発達観」について発表をしています。園長は、知識を詰めるだけでなく、自らが考え、子どもの行動の意味を捉え、保育士の視点がピンポイントで行えているか、活動が保育指針の10の姿からずれていないか、一つひとつの活動内容において自身の保育実践が常に問われていることを伝えています。保育士達は、毎日30分の時間をとり、学びのツールとしてウェブマップ(蜘蛛の巣図式)で、子どもの活動も含めた発想・展開を理解し、発達年齢に合った保育環境に繋げています。職員の自己評価の結果を分析し、園の保育実践の自己評価に反映しています。園長は、保育分野だけに留まらず、広い分野における自己研鑽、自己啓発を奨励しています。