社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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グローバルキッズ戸塚第二保育園

2021年04月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 グローバルキッズ戸塚第二保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 110名  (利用者:109名) 名
所在地 244-0003
横浜市戸塚区戸塚町6002-39 
TEL 045-881-0408 ホームページ https://www.gkids.co.jp/facilities/nursery_031.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社グローバルキッズ
職員数
常勤職員:22 名
非常勤職員:11 名
専門職員
栄養士:1 名
調理師:1 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
居室数:7
厨房:1
事務室:1

③ 理念・基本方針
豊かに「生きる力」を育てる

子どもを中心とした保育の、実践が第一ということを意識している。子どもに対し、良い時は大いに褒め、注意が必要な時は、分かりやすい言葉で簡潔に伝えるようにしている。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
職員同士の連携を大切にし、風通しのよい環境作りを行っている。職員自ら目標設定を立て、それに向かい努力をする姿勢がみられる。子どもにとって良い環境とは、保育士が明るく笑顔で毎日過ごせていることが、大切である。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/09/01(契約日) ~2021/04/16(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(平成29年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)年齢に合った環境の中で子どもたちが伸び伸び活動し多彩な経験をしています
園は、子ども自らの伸びる力を大切にし、年齢に合った環境の中で沢山遊んで欲しいと考えています。0歳児には職員がたっぷりのスキンシップで愛情豊かに接して、信頼を感じ取ってもらえるようにしています。乳児たちには可愛いイラストの掲示物や温かみのある壁面装飾で保育室を飾っています。1歳児は0歳からの進級児と新入園児の2クラス編成とし、子どもの思いを受け止めながら丁寧な保育に取り組んでいます。
年齢が上がるにつれ、好きな遊びにじっくり取り組めるようにパズルや知育玩具、制作に使う素材や道具などを要所に配置したコーナーを作り、子どもたちが自分で選んで集中して遊んでいます。絵本や図鑑もたくさん用意し、幼児は毎週の英語遊びの時間を楽しみにしています。絵具や、空き箱工作により、独創性を増すようにしています。リズム遊びや歌、合奏により、きれいな声で歌い優しい音色に触れると気持ちがいいと感じ取れるようにしています。

2)子どもの健康に気を配り感染症予防にも万全の対策をとっています
安心と安全を第一に、子どもの健康の維持と保護者への情報提供を行っています。夏や猛暑の中での保育となり、職員全員で熱中症対策を再度確認しながら保育に取り組んでいます。看護師を中心に感染症予防と発生時の対策、蔓延防止に気を抜くことなく日々取り組んでいます。毎朝検温を実施し視診も徹底して園児の健康管理に努めています。
今年度は3密を避けることを第一に考え、行事の持ち方を変更して実施しました。新型コロナ感染症対策では、徹底した消毒に加え各保育室に加湿器を置いています。家庭で子どもの健康を守るための知識も発信しています。
改善を求められる点 1)園がもつ専門性を地域に還元してゆくための取り組み
園は入園希望者の見学時に相談を受け資料を渡し、園行事を地域の人に開放するなどの取り組みがありますが、いずれも受動的な取り組みに留まっています。子育て支援事業として本格的な取り組みは実施していません。
職員は子育ての知識を豊富に持っており、離乳食や給食レシピ、子どもの発達や保健衛生に関する知識は、地域の子育て家庭の役立つ貴重なもとの思われます。園が持つ専門性の還元をしていくために、地域に向けて情報を積極的に発信することが望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回第三者評価を受けさせていただき、たくさんのアドバイスをいただきました。子どもを中心とした保育を心掛け、職員全員で取り組んでいましたが、改めて、課題が見つかり、目標に向かって取り組む姿勢ができました。
保護者アンケートから、感謝の言葉をいただき、大変嬉しい気持ちでいます。改善内容についても、具体的に記入してくださっているので、職員で共有していきます。
今回、第三者評価をしてくださった方々の温かいアドバイスを励みに、これからも愛される保育園作りを目指していきたいと思います。

ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念や基本方針はホームページや園のパンフレット等に明文化されています。園の入口や保育所内に掲示され、保護者や職員に周知されています。保育所の使命や目指す方向、考え方は入園説明会で配布される資料や重要事項説明書に具体的な説明があります。理念などを、わかりやすく説明した資料などの工夫による保護者等への周知が十分でありません。全職員が所持しているコンセプトブックには企業理念、目指す人材、保育理念、クレド、ビジョンが具体的に明記されています。園長は職員会議で定期的に職員の周知状況を確認しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業全体の動向は本部の運営サポート部が一括して把握し、分析して具体的な情報を毎月園に訪問して伝えています。地域の各種福祉計画の策定同行と内容把握が分析までは至っていません。保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等も本部が行っており、年度初めに園の状況に見合った具体的な検討が本部と園とでなされています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や保育の内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の分析は本部の運営サポート部が一括して行い、園長と協議し具体的な課題や問題点を抽出しています。その結果を園長は職員会議で共有し職員間で協議検討を行い具体的な取り組みにつなげています。今年度はコロナ渦の中で運営協議会開催が見送りとなり役員間での共有が十分には行えていません。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の作成した中・長期ビジョンを基に園独自の中・長期計画を職員間で話し合いを重ねて作成しています。計画の内容は課題や問題点の解決や改善を明確にし、具体的な取り組みがなされる様に単年度の計画に反映されています。実施状況の評価や振り返りは年度末に園長と職員間で行われていますが、数値目標の設定や必要に応じての見直しまでには至っていません。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の計画は中・長期計画を基に毎年2月から3月にかけて作成されています。内容は園長と主任で検討を重ね、年齢別に具体的な目標や行動計画が作成されています。今年度はコロナ渦により行事の見直しを含めて、計画の修正を余儀なくされています。計画の中に数値目標や具体的な成果の設定までは盛り込まれていません。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は職員全員の意見や保護者からの意見を集約し、それを反映して策定されています。職員全員で目標を出し合い、それを園長がまとめて職員会議で周知し共有しています。年度末には計画の見直し振り返りの機会をもち、年度途中では見直しや振り返りの必要を認識してはいますが、現在まで実施には至っていません。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の内容は毎年5月と2月の2回の保護者会や毎月発行の園だよりにより保護者へ周知されています。内容により必要に応じて送迎時に保護者の目につく様に入口や園内の掲示板に掲示されています。コロナ渦の中で今年度は保護者会の開催が出来ないこともあり、連絡帳アプリや連絡ノートの活用で保護者とのより密な連携を心がけています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上に向けて、月1回の職員会議、週2回のリーダー会議で園長と職員で検討を重ね、組織的に評価の取り組みが出来る体制にあります。全体的な計画に基づいて、年齢ごとの年間保育指導計画、月間保育指導計画、週案、日誌が作成されて、それぞれ目標・評価がされています。年度末には園長による保育士各自が記入している自己評価表による面談も行われ、自分の中の理想の保育士像を引き出していけるように指導がなされています。今年度は第三者評価を受審し、PDCAサイクルの円滑な取り組みを行っていきたいとしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

園長により、評価結果を職員会議で職員全員に周知し課題を共有化しています。課題として職員全体で検討を重ね、次年度の事業計画への改善の取り組みとして繋げていけるようにしていきたいとしています。今後は具体的な改善策の評価が実施され、必要に応じて改善計画の見直しが出来る体制を期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

入園時や保護者会、園だより等で保護者へ園長から園の方針や取り組みを明らかにしています。しかし、災害、事故等における役割と責任、不在時の権限委任等が明確化されていません。保育施設運営規定には園長は園の業務を統括し、職員を指揮監督すると共に会計事務に従事すると明記されています。有事における職員の職務分担の取り決めは園内に提示され、保護者や職員が把握出来る様になっています。園長、看護師、主任間での伝達ノートにより緊急時における情報共有が取れる様になっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、法令遵守の研修に参加していませんが、定期的な園長会や行政機関との関わりで園の責任者としての遵守すべき法令を理解しています。園の運営規定や入職時に職員全員に配布される就業規則にコンプライアンス管理規定が明文化され、職員が遵守すべき倫理行動綱領、倫理行動マニュアルが記載されています。職員は入社時研修で内容を周知しています。園の「保育の実践」には保育に関わる職員の心得、行動規範が明記され、園長主導の下で職員の確認や振り返りが実施されています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は各クラスのリーダーからの報告により、週案、月間保育指導計画、年間保育指導計画が全体的な計画に沿って実施されているかの把握に努めています。園長は保育現場やリーダー会議に参加することで、日常的に保育の質の向上を目指しています。職員の資質向上の為に職員一人ひとりの年間研修計画の作成があります。研修後の振り返りは職員会議での共有が図られています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

本社運営サポート部で一括して人事・労務・財務管理を行っています。園に必要な人材は本社の担当部署へ依頼し、園の意向を取り入れた人材配置を行っています。園長は職員の働きやすい職場を目指して、正職員、パート職員の区別なく、残業をさせない配慮や有休取得の為の声掛け等を積極的に行っています。職員をグループに分けて複数担当制にすることで各職員の負担を軽減するようにしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

本社人材採用部が人事管理を一括して行っています。計画に基づいた人材確保計画や育成プログラムが確率しています。採用時には本社教育プログラムを受講し、保育理念、目標、方針等の基本的な内容の周知がなされています。配置後の階層別研修も個別の研修計画に組み込まれ、参加しやすい環境になっています。職員の定着率も良好ですが、専門職の配置、活用等、必要な人材や人員体制について具体的な計画が課題となっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

正職員、非常勤職員合わせた全職員に、入社時にコンセプトブックの配布があります。それにより企業理念、目指す人材、保育理念の共有化がなされ、「期待する職員像」が輝いた大人であることが、職員一人一人の共通の認識となっていきます。一定の人事基準にもとづき、職員の職務遂行能力、職務に関する成果を評価する人事管理が不十分となっています。園長は年度末に本部共通のフォーマットにより職員と個別面談を実施し、具体的な行動姿勢や目標を意識させ、リーダーや主任へ育っていける人材を育成するようにしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

本社と園とをつなぐパソコンによる勤怠管理システムにより、職員の勤務状況を常に把握出来る状況にあります。園長は保育の現場に参加しながら、職員の心身状態を把握し、必要と判断した場合は随時面談を実施しています。残業ゼロや有休の取得等の働きやすい職場を目指して、常に人材の定着に努めていますが、具体的な計画の明文化までには至っていません。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は各職員が記入している自己チェックノートや目標シートを基に面談を行い、職員一人ひとりの目標確認を行っています。目標に向けた具体的な期限を明確にし、達成度の確認、評価を定期的に行っています。年度末に面談を実施し、来年度に向けた新たな目標設定と今年度の振り返りを行いますが、年度途中での振り返りが現状まだ出来ていません。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

研修プログラムは入社時の導入研修や階層別研修等の本社で確立したプログラムがあります。全職員へ周知がなされ、受講出来る体制が整っています。全職員が所持しているコンセプトブックには「期待する職員像」が輝ける大人であることが明記されています。研修後の振り返りは職員会議で他の職員へ周知され、保育の質の向上に努めていますが、研修計画の中に専門資格の明示まではありません。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

年度初めに年間研修計画の作成があります。それにより各職員は本社必須の研修と階層別研修を受講可能となっています。外部研修の機会を作りたいと考えてはいますが、現状そこまでには至っていません。研修の振り返りは職員会議で報告し、他の職員に周知され共有されています。今後は研修成果の評価分析が次の研修計画に反映されることが期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

本社作成の実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成のマニュアルが整備され、受け入れの準備は整っています。学校と連携しながら、積極的に受け入れていく体制であることを外部に発信しています。今後は専門職種の特性に配慮したプログラムや指導者に対する研修の実施が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のホームぺージに企業理念、保育理念、基本方針、保育の内容、事業計画、事業報告、決算情報が掲載されています。予算は確認できませんでした。園の事業計画、事業報告は、保護者に説明されています。苦情や相談窓口は玄関入り口に掲示されています。第三者評価の受審結果はウェブ公開されていますが、苦情・相談の内容に基づく改善・対応状況についてはプライバシーへの配慮から公表していません。地域交流には力を入れ地域への発信が行われていますが、印刷物や広報誌等を配布するまでには至っていません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

本社担当部門が一括して運営に伴う財務管理、契約関係等の業務を行っており、定期的に法人の内部監査を受け適正な運営を確認しています。法人本部は外部の監査を受けています。園の運営規定には災害時、感染症、緊急時の記載があります。職務分掌について、運営規定に明文化され、「施設長業務一覧表」「業務分担表」に具体的な権限・責任が記載されています。適切な園運営が行えるよう行政のガイドラインに沿って取り組みの改善などを実施しています。財務、経理などは、本部の専門部署を通して改善等の取り組みが行われていますが、外部の専門家による指摘、経営改善は実施されていません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全職員必携のコンセプトブックのクレドに地域に最も信頼される存在になると明記されています。年間保育計画にも地域との関わりに対する目標が記されています。園長は戸塚エリアの園長会に3ヶ月に1回出席し、地域の社会資源の情報を得ていますが、保護者へ提供するまでには至っていません。園のクリスマス会や運動会、ハロウィン等の行事は地域へ積極的に発信しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れについて明文化されたものはまだありませんが、地域へボランティア受け入れの体制が整っていることを発信しています。近隣の中学校の生徒が、職業体験の一環として園児との交流を図っています。中学校の体験学習の受け入れや学校教育への協力も積極的に行っています。毎年、来年度小学校入学予定の園児を地域の小学校へ事前に連れて行き交流を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域で実施している社会資源のリストを園内に掲示し、資料を持ち帰れるようにしています。定期的に園長は区の園長会に出席し、エリア間の連携をとる努力をしています。持ち帰った情報は毎月の職員会議や保護者会で職員や保護者へ周知され共有されています。虐待権利侵害が疑われる子どもへの対応については事業計画に一部記載がありますが、関係機関等の連携も含めて具体的なマニュアルの整備までは至っていません。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

毎年、年2回の運営委員会の開催により地域のニーズ把握や関係機関・団体との連携を図っていますが、今年はコロナ禍の為、開催を見送っています。園長は区の園長会に出席して、最新の必要な情報を得ています。ハロウィンでは近隣のケアハウスへ参加協力を得て地域との繋がりを意識して行っています。今後は地域の子育て相談支援の拠点となる事が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域とのふれあいを大切に考えています。現在はまだ地域の子育て事業としての本格的な取り組みは実施しておりませんが、園行事に地域の人に開放する機会を持ったり、育児相談に応じ資料を渡すことはあります。今年度は感染症予防の観点から、全て実施が見送りとなり、今後の進め方を検討中です。地域の相談を受ける体制がある事を地域住民向けに広く案内し、園を理解してもらいたいと考えています。災害時における役割として備蓄品の確保や消防署との連携による消火訓練も実施しており、地域との防災協定についても検討しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重する保育実践について職員会議で確認しています。指導計画作成では、法人の保育理念、保育目標、保育方針を念頭に立案し、計画に沿って展開される日々の保育には、人権の擁護が徹底されています。保護者会や個人面談の機会に説明し保護者の理解を得ています。性差への固定的な対応については「男の子は泣かない」「ピンクは女の子の色」等の発言は禁止とし、ごっこ遊びではお父さんお母さんが役割を交替して遊ぶことも多く、活動で性差について特筆すべき問題はありません。今後は明文化で職員が共有する事が望まれます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー情報の取り扱いについては、「保育園の個人情報の取り扱いについて」の規約に沿って配慮と保護を行っています。入園の際の同意書で保護者の意向を確認しています。子どもの名前や誕生日の掲示、お便り類への記載、園児の一人写真、複数の園児の写真やブログ掲載など、細かい項目について、その扱いは保護者の意向に沿って対応しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページの中で園の特徴や基本情報を伝えており、系列園一覧から当園の案内のページに移ると、保育目標・方針、開園時間、定員、関心の高い保育料金や延長保育の情報、アクセスマップ等の詳細情報を得ることができます。必要な書類も入手できるようにしています。3つ折り裏表に園生活の詳細を掲載したパンフレットを配布し、保育園を探す保護者に特徴を伝えています。紹介資料を公共施設等の多くの人が入手できる場所には置いていません。出産前から園を探す保護者もおり、見学希望者が増える秋には、決まった曜日に5名を限定で申し込みを受け付けています。見学者の対応は園長がしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

通常4月には0歳児が10名、1歳児が10名程度の新入園児を迎えています。入園が決まると書類セットを渡し、記入して持参してもらった資料を見ながら園長、担任、栄養士等が面談を行っています。入園式の後に説明会を実施し、十分な説明をした後に質疑応答をして、同意を得て契約を交わしています。特に利用方法や料金、注意事項は事例を挙げて説明しています。保護者からは子どもの成育歴や生活状況、園への要望などを聞いて面談記録に残し、計画の立案や保育活動に役立てています。さらに、保護者等がわかりやすい資料を用いて説明等の工夫が期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転居等で他の園に転園を希望されるケースでは、保護者から率直に相談してもらえる雰囲気を作っています。不安等を一緒に受け止める姿勢を保っています。年度途中や進級時の機会に転園していく子どもには、作品帳を渡し、ミニお別れ会を開いて写真を撮ったり、寄せ書きやカードを渡し、新しい場所へ送り出しています。保護者にはいつでも相談に乗れることを伝えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育では子どもの気持ちを大切にし、満足する様子を把握しています。保護者代表を含む運営委員会を開催し、父母の意見を園運営や保育に反映させています。保護者参加行事の後にはアンケートを集め、意見要望を次の行事企画に活かしています。さらに、分析・検討の結果にもとづいて具体的な改善につなげることが期待されます。保護者会では日常の保育が判るようにしていますが、今年は感染症予防のため開催できず、資料を配付して、年齢別の特徴やクラスの取り組みを知らせました。個人面談は希望者のみ実施しており、園の保育方針などを話し共通理解できるようにしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情受付の担当者は園長、責任者は法人の保育サポート部、その他外部の第三者委員を設置し、苦情解決の体制を整えています。苦情対応については掲示し、重要事項説明書には体制と仕組みを記載し、入園の契約時に保護者に説明しています。苦情はマニュアルに沿って所定の書式に詳細を記録し職員が共有しています。分析や改善は園長が主体となって行っています。苦情の申出人には、園長から速やかに返事を出していますが、園全体での共有や、公表に向けた配慮については今後の課題となっています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書には保護者が意見を述べたり相談する窓口が記載されています。行事後アンケートの回収ではアンケートボックスを置いています。保護者の希望があれば、最初の相談窓口は担任以外に園長、リーダー職など、話しやすい職員に話すことが可能となっています。個別の相談できるスペースを用意して、相談に応じています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

送迎時の会話、個人面談などで積極的に保護者と話コミュニケーションをとり、相談しやすい環境を作っています。行事後アンケートで意見を把握し、改善につなげています。意見や要望を受けた後の対応は、苦情処理に準じて行っています。保護者の気持ちに寄り添い、保護者と一緒に考える施設を保っており、安心して子育てと仕事を両立できる環境になるように配慮しています。保護者も参加している運営委員会の内容、質疑応答は議事録に記載して公開しています。今後は対応マニュアルの定期的見直しが望まれます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントの責任者は園長とし、明確となっていますが委員会は設置されていません。事故発生時の対応や安全確保について、手順等は明確になっており、全職員に周知しています。事故発生時は事故報告書を作成し、ヒヤリハット報告書も作成しています。職員会議では、事故発生要因を分析し、再発防止を検討しています。また、ニュースで取り上げられた他の福祉施設や保育園で起きた事故事例を取り上げ、職員間で注意喚起することもあります。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

厚生労働省の感染症予防ガイドライン及び法人の保健衛生ガイドライン、感染症対応マニュアルを職員全員に周知しています。この度の新型コロナ感染症予防策についても、園内で徹底して行い、室内をアルコール消毒し、手洗いの励行、来園者全員に検温を実施しています。刻々と変わるニュースに、手順を改定して対応しています。看護師が嘔吐物処理について研修を行い職員が方法を会得しました。処理セットも用意しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

危機管理マニュアルに災害時の対応を定めています。園の立地から災害のリスクを考え、毎月異なる想定で避難訓練を行っています。保護者への引き渡し訓練、不審者対応訓練も実施しました。安否の確認と非難情報は保護者宛て一斉配信できるようにしています。食料や備品はリストで管理しており、管理責任者を定めています。消防署からアドバイスを頂き安全確保に努めていますが、警察、自治会、福祉団体との連携は現在のところなく、今後の課題です。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

法人共通の保育マニュアルを入職時に職員に配付し、入職時研修で内容を学んでいます。子どもを尊重した保育とプライバシー保護等についての項目もあります。園独自の手順書として基本的な業務の流れと衛生管理、安全管理、アレルギー対応、健康管理、散歩、食事など保育園業務を具体的に記載した物や、清掃手順などの各種掲示物があります。プール遊びや行事の前には職員が読み合わせをしています。園独自の手順書は、読みやすいファイルに纏め、身近に置いて日々の業務が手順書に基づいているか確認しやすくすることが望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

園独自のマニュアルの中には、勤務時間帯に応じて手順良く仕事ができるように流れを明確にしたフローチャートや一覧表などもあります。散歩マップにはコースや公園の位置、注意ポイント等を記載しており、日々の保育が手順書に合っているかについては、複数担任ではクラス会議で、幼児クラスはリーダーが検証・見直し、内容を施設長に報告しています。運営委員会や行事後アンケートで保護者からの意見も聞いています。今後はマニュアル類の時期を決めての定期的な検証が望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、園の特徴や地域独自の特性を加えた園独自のものとなっており、4月には全体的な計画を基に前年度の年間指導計画の評価と反省から、新年度の年間指導計画を立案しています。看護師は子どもの発達や健康に、栄養士が子どもの喫食状況や食への関心を高める食育等にと、専門職が意見を述べています。配慮が必要な子どものケースにも対応しています。指導計画の内容の保護者への周知や伝達方法には検討の余地があります。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

年度の初めには職員が年間指導計画を作成しています。月案はクラス会議で子どもの発達と興味を考慮して立案し、多様な体験が得られるように職員が意見交換しながら作成しており、振り返りや評価も行っています。週案により具体的な活動を展開しています。日々のクラスの様子と具体的な支援内容の評価と反省を、次月の計画に反映させています。各クラスで作成した指導計画の内容を、全職員で意見交換する場を設けたり、園全体に周知する手順を定めることが望まれます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

法人本部が定めた書式があり、記載された子どもの情報は児童票に集約しています。児童票には家庭の状況や成育歴、面談記録等も綴じ、発達と成長の歩みは成長記録に記載し在園中の記録を集積しています。保育所における情報の流れが明確にされ、情報の分別や必要な情報が的確に届くような仕組みが整備されていません。月案では0、1、2歳児と配慮が必要な子どもについては個人別の記録欄を設け、対応と具体的な支援内容、子どもの様子を記録し、評価と反省をもとに次月の計画を立案しています。記入内容等については、園長が指導を行い、リーダ職が中心となって内容の充実と向上をめざしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報の保護については、法人本部作成の「保育園の個人情報の取扱いについて」を用いて入園の契約時に説明し、保護者の理解を得ています。個人情報保護の観点から、職員に対し記録管理につい教育や研修が行われていません。個人情報の利用目的及び開示、適正な管理についても説明しています。子どもの生活環境や家族構成等も守秘義務を守り、園児の写真掲載や、外部とのやり取りで子どもの情報を提供する必要がある場合は、保護者の許可を得ています。個人情報の含まれる書類は施錠できる決められた場所に保管し、書類を放置しないことも職員に徹底しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は園長が作っており、年度の初めには出来上がっています。前年度の評価と反省に、園の特徴や取り巻く環境、地域の特性を考慮して作っています。
全体的な計画は、園が大切にしている保育理念「豊かに『生きる力』を育てる」に沿って、保育目標「意欲や好奇心が夢につながる子ども、積極的に挑戦、最後まであきらめない子ども、思いやりを持って行動できる子ども」の達成をめざしています。保育の方針は「①やってみたいが、やってみようになる保育、②子どもの気持ちに共感し、保育士も共に成長できる保育」です。今後は、全体的な計画の作成時点から職員が関わることが望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

子どもたちの成長に合わせて快適に過ごせるよう保育室の環境整備に取り組んでいます。子どもたちが、好きな遊びにじっくり取り組めるようにコーナーを充実させています。保育室は窓が大きく明るい部屋で、職員手作りの玩具を揃えています。
全体に色彩や感触など、五感を刺激することにも力を入れています。職員は、子どもが自ら伸びる力を大切にしたいと考え、年齢に合った環境の中で、沢山遊んで欲しいと考えています。各保育室は子どもの制作作品や季節の掲示物で飾っています。一つの大きなフロアを可動式の棚で仕切っているため、室内が雑然としがちですが、子どもが集中を欠くことが無いように、担任が話し合って保育室の使いかたを工夫しています。この部分は、常に気を抜かずに取り組もうと考えています。洗面とトイレは清潔を保つために、職員が当番表を作って清掃に当たっており、子どもたちは年齢が上がると共に扉のあるトイレを使用しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの成育歴や、家庭での様子を把握し、子ども一人ひとりの個性を尊重し、特性を理解した上で、職員は子どもに合った声掛けをしています。年齢や文化の違う子どもたちがお互いの違いを認め合い、共に成長できるようにしています。
入園直後に無理なく園に馴染めるように、一人ひとりの子どもに合った導入保育を行い、乳児では子どもの欲求をしっかりと受け止め、園が安心できる場所であることを感じ取ってもらえるようにしています。職員の言葉づかいでは、「〇〇してはダメ」と言いたい場合でも、「お約束を覚えているかな」と話すなど、否定する単語を使わないように申し合わせています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭と連携しながら無理なく基本的な生活習慣が身につくように援助しています。トイレトレーニングの開始は、一定の排尿間隔が取れ、嫌がらずに便座に座れる時期を目安にしています。年上の子どもを見てパンツに興味を持つこともあり、異年齢の子どもが一緒に過ごす環境では、衣類の着脱や箸での食事に、自分でもやってみたいと思う気持ちが引き出されています。
離乳食は家庭で食べた食材を園でも提供できるようにし、離乳初期から後期、幼児食まで細かく配慮しています。手洗いやうがいも年齢に応じた方法で上手に促しています。いずれも、子どもの発達状況や個人差に配慮し、褒めながら自分でやろうとする気持ちを大切にしています。その日の活動に基づいた細かい配慮のもと適切な休息をとれるようにしており、午睡は子ども一人ひとりの生活リズムや年齢、活動内容によって柔軟に対応しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

日々の保育は、職員が子どもの興味や関心欲求を見極め、見通しを立てて臨んでいます。バランスの取れた計画を立案しており、様々な年齢の子どもの交流や、自然に触れて思い切り遊ぶ活動を盛り込み、楽しい園生活になるようにしています。様々なことに積極的に関り、自信をもって発表して友だちから拍手を貰う誇らしい体験なども子どもにとって貴重な体験となっています。
幼児は毎週英会話教室に参加し歌やゲームを通じて英語に親しんでいます。園は積極的に戸外に出て体を動かすことを目標に散歩に出かけており、公園で豊かな自然に触れ、季節を感じ、落ち葉や木の実を集め、昆虫にも出会い、草花や自然を大切にする心を学んでいます。安全に配慮したルール等は職員が手本を見せ、道の歩き方や信号や横断歩道を渡る時の注意事項なども正確に覚えています。消防署を訪問したり、ハロウィンではお菓子を貰いに前もってお願いしておいた商店を訪ねました。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は、職員がたっぷりのスキンシップで愛情豊かに接しており、信頼を感じ取ってもらえるようにしています。職員手作りのパーティションで仕切り、ハイハイやつかまり立ち、ヨチヨチ歩きの子どもたちの安全にも十分配慮しています。可愛いいイラストの掲示物や、ウォールポケット、温かみのある壁面装飾で保育室を飾っています。マラカスやぬいぐるみ、音の出る玩具、触って気持ちのいい物、色彩豊かな物、動く物や音の出る物を用意し、五感を刺激して感性を養っています。
子どもの発達段階に応じた環境設定については、複数担任の職員がクラス会議で検討しており、園長やリーダー職がアドバイスしています。月齢によって生活リズムが大きく違う0歳児が、安心して過ごせる環境づくりが何より大切であるとの共通認識をもっています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳から在園の子どもと、4月に1歳児として入園した子どもは、当初別クラスで対応しており、1歳児クラスが2組あります。各クラスにはコーナーが設定されており、様々な素材や玩具を置いて、子どもが自由に遊べるようにしています。職員は子どもたちが心身ともにのびのびと表現活動ができるように配慮し、子どもが集中して何かに取り組んでいるときは静かに見守り、そっと静かに声をかけ、遊びが発展するようにしています。クレヨン、色紙、粘土などたくさんの素材を用意しています。
天候の良くない日や散歩に行かない日は、保育室にマットや鉄棒、滑り台などを組み立てて、体を動かしたりピアノに合わせて走ったり跳ねたり、活動的に過ごしています。誘い合って遊ぶごっこ遊びも大好きです。絵本を手に届くところに置き、職員が読み聞かせのリクエストに答えています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児では、子どもの興味や体験の幅を広げることができるような体験を増やしています。ピアノのリズムに合わせて全身で表現したり、英語遊びで楽しんだりと、子どもたちは豊かな感性を身に着けています。天気のいい日は積極的に戸外に出て体を動かす活動が多く、体力もつき、散歩先の公園では好みの公園遊具でおもいきり遊んでいます。
公園で集めた落ち葉や木の実を持ち帰り制作に使ったり、図鑑で調べたりしています。職員の関りで、子どもは言葉で気持ちを伝えることを学び、友達との関係でも、お互いを尊重する心が育っています。集団に入れない子どもには無理強いせず、職員が子どもの性格を捉えて上手に誘っています。
4歳児、5歳児になると、リズム遊びや歌、合奏も得意となり、きれいな声で歌い、きれいな音に触れると気持ちがいいと感じ取れるようになっています。絵具や、空き箱工作も更に独創性を増し、皆で協力して大きな作品を作っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

現在障害のある子どもは在籍していませんが、在籍の場合は個別指導計画を立て、他の子どもとの関係に配慮しながら、共に成長できるようにすることを申し合わせています。障害のある子どもへの配慮については、本社の発達支援巡回として臨床心理士が園を訪問し、経過の共有と配慮についてのアドバイスを受けることができる環境となっており、専門機関との連携や、適切な支援の継続に向けて取り組むことができる体制があります。
保護者の相談にも応じており、発達面で気にかかることがある子どもには、時間をかけて見守り、丁寧に記録を取るようにすると共に、職員が情報を共有しています。支援にばらつきが生じて子どもや保護者に混乱が起きないようにしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

朝8時30分から18時30分までの保育に加え7時から8時30分の朝の時間帯と、18時30分から20時までの延長利用が可能となっています。子どもは長時間保育園で過ごしていますので、園は子どもの心身の負担を軽減したいと考え環境を整え、きめ細かい配慮をしています。 
延長保育の時間帯は、人数によって段階的に合同保育となり、年齢の違う子どもたちが集まって過ごしています。その際は、異年齢の子どもたちの発達の違いによる危険がないように配慮しています。その日の子どもの状態に考慮しながら、主体性を持たせた活動を主に過ごしています。担任が延長保育担当者に必要事項を「健康観察記録」に記入して申し送り、伝達ファイルも活用し、口頭でも伝えて連絡漏れがないようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

通常、5歳児の保護者会では、小学校入学までに達成課題を伝え、就学に向けた取り組みを説明しています。今年は感染症予防のため、保護者会を開催できず、文章で知らせました。小学校に出向いての交流も、今年はありませんでした。
当園の5歳児については、指導計画のもと、グループ活動などで自分で考え行動できるようになっており、変化のある園生活から意欲が育つような働きかけで、就学に向けて期待を持って過ごせるようにしています。子どもたちそれぞれが入学する予定の小学校に、保育所児童保育要録を作成し、郵送しています。保育所児童保育要録は日頃の保育に関わっている担任が記入し、園長が確認して完成させています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

法人本部作成の保健計画に沿って園独自の保健マニュアルがあり、それに沿って子どもの健康状態を把握しています。入園時の面談や保護者会、送迎時の会話などから家での子どもの健康状態を聞いています。登園時には検温し、特記事項や申し送りは「健康観察記録」に記入しています。
子どもの健康に関する情報、成育歴や既往症、予防接種記録、主治医名などを児童票ファイルに集約し、職員が確認しやすくしています。子どものケガや急病の際は保護者に連絡すると共に、応急処置をして、救急車の手段を講じたり、嘱託医と相談するなどして、速やかに判断し、医療に繋げる体制ができています。乳幼児突然死症候群(SIDS)についても入園時に保護者に説明しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は月1回、全園児について年2回健康診断を行い、その内容を保護者に知らせています。健康診断の結果再診が必要となった場合等では、書面だけでなく直接口頭で保護者に話しています。ウェブ版連絡帳で、健康診断結果を個別配信しています。年2回の歯科検診と歯磨き指導も実施しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

食物アレルギーの有無や種類は入園時の面接で確認し把握しています。その後もアレルギー面談を重ね、丁寧な対応をしています。アレルギーガイドラインと対応マニュアルを完備しており、本社主催の研修テーマに「食物アレルギー」取り上げ、職員が知識や適切な対応を学ぶ機会を作っています。
一人ひとりの子どもについて対応マニュアルを一覧にして掲示し、職員が共有しています。担任は除去食品をチェックし、給食室では調理方法等を、保育室では配膳に間違えがないか確認することを徹底しています。席やトレーを別にして誤配膳、誤食を防いでいます。日光など、食物以外のアレルギーや子どもの慢性疾患についても申し出によって保護者と相談のもと十分な配慮をしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

子どもの成長に合った椅子とテーブルを用意し、椀や皿、スプーンや箸も年齢に合わせた物を使用しています。お代わりの用意もあり、毎食デザートがついています。一人ひとりの食事量を把握し、楽しく食べることができるように職員が声掛けしています。子どもの発達に合わせて、食材の大きさや形に工夫を加えています。指導計画に食育の欄を設けています。
小さい子どもはトウモロコシの皮むきなど、旬の食材に触れ、重さを実感し匂いをかいで、食の楽しさを感じることができるようにし、幼児クラスでは配膳や献立読み上げ、当番活動、調理器具を使う、収穫したサツマイモやトマトなどの野菜を給食で食するなど、食に関する知識を得て積極的な気持ちになるように働きかけています。今後は更に工夫を加えていきたいと考えており、食育年間計画を作成しての取り組みが期待されます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

旬の食材を使用した献立は、子どもたちの嗜好に合ったバランスの良いものになっています。季節の新鮮な食材を使い、適温配食にも努めています。
魚や肉をおいしく調理し、野菜を多く摂取してほしいと考え、苦手な食材を分からないように調理して食べてもらうなど、調理方法に栄養士が工夫を加えています。1か月の献立を2サイクルメニューで実施しており、2回目に登場するメニューに、味付けや大きさ、カットの仕方などの細かい部分に変化や工夫を加えることが可能です。検食日誌の記述を参考に、職員と栄養士等給食担当者が連携しています。
日本の伝統行事の由来を職員が話して聞かせた後に、皆で行事に因んだ給食を食べることもあります。栄養士は保育室を回り喫食状況を確認しており、直接子どもから給食の感想を聞いています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

ウェブ連絡帳を活用し、日常の活動を保護者に速やかに知らせています。保護者は降園時の迎えに来る道すがら、子どもの今日の活動や連絡事項を確認しています。災害発生時や緊急時の子どもの安全を保護者に速やかに連絡する体制も整えています。保護者代表を含む運営委員会を開催し、園での保育の取り組み等を話して理解を求めています。
運営委員会は保護者の意見を集める場ともなっており、園は保護者の意見・要望・提案を歓迎しています。保護者参加の行事は、開催日を土曜にするなど、保護者の参加しやすい日に実施するようにし、年間計画を年度の初めに前もって渡して、準備をお願いしています。行事後はアンケートの記入で感想を集め、集計結果を次回の企画に活かしています。今年は感染症予防のため、保護者会、懇談会を中止して連絡事項は配布で伝えましたので、今後の情報提供について対策を練っています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者が安心して子育てができるように、保護者の勤務事情等による延長保育では柔軟な対応をしています。急な残業や交通機関の乱れによるお迎えの遅れにも、連絡を貰い対応しています。園長はじめ職員は、保護者と子どもの家庭での姿を把握し、背景を考えながら個別の配慮をしており、いつでも気軽に相談してもらえるようにしています。
相談記録については、園長が手帳に記録し、メモを作って周知したり、申し送りノートに記載して職員が共有しており、苦情の場合は所定用紙で保護者対応のファイルに綴じ、一部は「ご意見ご要望報告書」や経過記録に取って児童票に綴じています。これらの相談記録が統一されていませんので、どのような記録がその後の運営に活用できるかを考え、整える必要があると思われます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

現在、虐待等権利侵害の案件はありません。法人が実施した研修に参加した職員が、学んできた知識や情報を伝達研修して共有しています。法人本部の担当者に相談する体制もあります。園長とリーダー職員が連携を取って保護者支援に取り組んでいます。
職員は、個人面談や送迎時の保護者との会話を大切に受け止めており、困ったらすぐに相談してほしいと考えています。発見時の対応については、フォロー図で示したマニュアルがありますので、今後は、園内研修でも取り上げ理解を深めてい行きたいと考えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

経験や職層に応じた法人本部のキャリアアップ研修があり、行政や関連団体の研修にも職員が参加しています。職員が自身の目標に沿って自己評価する機会を設けており、園長が面談をしています。園長は職員が自身の得意な部分を伸ばしながら保育に臨んで欲しいと考えており、各クラスの保育を把握しています。
職員がそれぞれ担当する係活動に参加して積極的に取り組んだり、人間関係を築く様子についても把握しています。そのうえで、個人面談では様々なアドバイスをしています。保育士としての専門性の向上や、働きやすい職場づくりに向けて継続して取り組んでいきたいと考えており、その思いを職員に伝えています。
今年度から毎週火曜日の昼にリーダー会議を開催しており、機能し始めたことにより園運営がスムーズになりましたので、今後が期待できます。