社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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グローバルキッズ新子安保育園

2021年04月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 グローバルキッズ新子安保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60名(60名) 名
所在地 221-0013
横浜市神奈川区新子安1-18-1 ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン内 
TEL 045-433-0500 ホームページ http://www.gkids.co.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社グローバルキッズ
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:8 名
専門職員
保育士 :17 名
保育補助:3 名
栄養士:2 名
調理員:1 名
施設・設備の概要
保育室:6
給食室 事務所 医務室 休憩室:

③ 理念・基本方針
【企業理念】
  子ども達の未来のために
【保育理念】
  豊かに生きる力を育てる
【園の保育目標】
  1.やりたいことを、思いきりできる
  2.人の気持ちを想像し、受け止めたり考えようとする
【園の保育方針】
  1.子どもの考えを主体とし、やりたい気持ちを大切にし一緒に取り組む 
  2.子どもと一緒に考え、子どもの意見を尊重し、楽しく面白い保育
  3.家庭との連携をしっかり取り、子ども一人ひとりが安心感を感じる保育

④ 施設・事業所の特徴的な取組
保育目標として
1.やりたいことを、思いきりできる
2.人の気持ちを想像し、受け止めたり考えようとする

保育方針として
1.子どもの考えを主体とし、やりたい気持ちを大切にし一緒に取り組む
2.子どもと一緒に考え、子どもの意見を尊重し楽しく面白い保育
3.家庭との連携をしっかり取り、子ども一人ひとりが安心感を感じる保育

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/06(契約日) ~2021/04/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(平成29年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)子どもの気持ちを大切にした保育の実践
園の保育方針の中で「子どもの考えを主体としやりたい気持ちを大切にして一緒に取り組む」「子どもと一緒に考え子どもの意見を尊重し楽しくておもしろい保育」を掲げて実践しています。他のクラスの製作活動を見た子どもの「描きたい!」という声に応じて、お絵かきの時間にするなど、遊びや活動の中で子どもたちのやりたい気持ちを尊重し、一緒に考えることで子どもたちが楽しく積極的に活動できるように配慮しています。
「今はやりたくない」という気持ちを主張することも大切に考えています。子どもの気持ちに寄り添った対応をしており、子どもたちは友だちを励ましたり心配する気持ちを育んでいます。職員は、遊びや生活の様々な場面で、一人ひとりの子どもの気持ちを大切にして、子どもたちが楽しく自発的に活動できる保育を展開しています。

2)食育活動の取り組み
「年間食育計画書」を作成し「食」への関心を深める取組みを行っています。季節の行事に合わせて、七草粥や恵方巻等の伝統食の話をしたり、三色食品群などについて伝えています。大根やミニトマト等の苗植えや種まき、水やり、収穫を体験して、自然の恵みの大切さや感謝の気持ちを育てています。
3歳児以上はクッキングでスイートポテトやうどん作りなどを楽しんでいます。ハロウィンには子どもたちの希望でかぼちゃと餃子の皮でパイを作り、かぼちゃが苦手な子どももおいしく食べることができました。様々な食材に触れ、野菜の栽培やクッキング等を通して、子どもたちが食事を楽しむことができるように、保育士と調理担当が連携して食育活動に取り組んでいます。

3)チーム保育の実践
全体的な計画と事業計画の中で「チーム保育」を掲げ、「一人ひとりの子どもの発育発達を保育園に関わるすべての人で育む」としています。日々の情報伝達や保育の記録、ケースカンファレンスで、一人ひとりの子どもの生活や遊びの状況を全職員で共有しています。
職員は、子どもの姿に共感し自主性を尊重する保育を実践するために、チームとして日々の保育にあたっています。保育の振り返りや保育ニーズの把握が適切に行われているかを話し合い、必要に応じて園長が助言や指導を行っています。送迎時には積極的に保護者の思いを聴き取り、意見や相談に関しては園長が中心になって対応し理解を得るように努めています。
改善を求められる点 1)地域子育て支援事業の取り組み
園では、地域との交流で把握した保育ニーズにもとづき、園庭開放や育児相談を実施していますが、利用実績はあまりない状況です。園の体制等を考慮したうえで、保育ニーズにもとづいた具体的な事業や活動を園の計画に明示し、園が有する専門的な情報・技術を地域に還元するための、さらなる取組みが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
開園6年目を迎え2回目の第三者評価を受審した。
チーム保育をより充実させるため職員一丸となり保育目標、保育方針をたて子ども中心の保育に取り組んできた。
保護者の皆様からあたたかいお言葉やご意見を頂き真摯に受け止め今後も子どもたちの為により良い保育の実践に繋げていきたい。
又、評価を頂いた結果をどう反映させていくか、どのように取り組んでいくか、等保育園運営と保育者の専門性の向上に向けて更なる保育園づくりに努めていきたいと思う。
この度はありがとうございました。 

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の企業理念・保育理念、園独自の保育理念・保育目標が策定されています。理念や基本方針については入園時に説明している重要事項説明書に明示されています。また、パンフレットやホームページ等に掲載され、保育園の玄関にも掲示しており、保護者に周知されています。職員に対しては、職員会議などで周知しているほか、新しく入ってきた保育士には、園長が個人面談の中で理念や基本方針を説明し、その趣旨を理解するよう取り組んでいます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向や地域の各種福祉計画の策定動向と内容については法人が把握・分析を行っています。園長は月1回の法人の全社会議に出席し、事業経営をとりまく環境や経営状況についての情報を把握しています。神奈川区の園長会や町内会等との交流を通じて、地域の保育のニーズ、経営環境や課題について把握し分析を行っています。 

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や組織体制、設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等については、法人が現状分析を行い課題を明らかにしています。分析の結果や明らかになった課題については、法人の全社会議で園長に周知されており、全社会議の内容は社内ネットワークで共有しています。経営状況や改善すべき課題についての職員周知と、改善に向けての具体的な取り組みが課題となっています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人では、理念や基本方針の実現に向けた中長期計画を策定し、ホームページに「職員と親子と地域に最も信頼される存在になり、子ども達の育ちと学びの社会インフラになる」というグループのビジョンを掲げています。園長は、法人の中長期計画の内容を踏まえて園運営に取り組んでいます。園の独自性や地域性を考慮した中長期の目標の設定や、課題や問題点の改善に向けた具体的な計画の策定が課題となっています。  

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

園の単年度の事業計画は、保育方法、保育環境構成、施設運営方針、保育内容及び保育計画等の項目について記載されており、子どもを中心にした保育、チーム保育、質の高い保育等が挙げられています。単年度の事業計画の策定にあたっては、具体的な事業内容や数値目標等を記載し、進捗状況の確認や、実施状況の評価が行える内容とすることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

中長期計画に関しては、法人が策定し、評価・見直しを行っています。園では職員間で話し合い、単年度の事業計画を策定し見直しを行っています。事業計画の実施状況の評価が次年度の計画に反映されるよう、事業計画の実施状況の評価・見直しの方法、関係職員や保護者等の意見を取り込めるような手順を、組織として定め、実施する取り組みが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画の主な内容は、クラスごとの指導計画の主な内容や行事を中心に、保育園に掲示版に掲出したり、書面通知だけでなく、保育ICTシステムでの配信も活用しながら、周知を図っています。また変更のある場合は速やかに連絡しています。特に、保護者等の参加を促す行事等については、その趣旨を理解して納得してもらうために、ていねいな説明を行っています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質をの向上に向けて、保育活動を振り返り、職員会議、乳児会議、幼児会議等で保育の内容を職員で共有し、評価する取り組みを行っています。年1回、園としての自己評価を実施しており、保育目標、保育内容、行事などの項目について、職員会議で評価・分析を行ってその結果を全員で共有し、保育の改善につなげています。日常的な保育の質の向上に向けた取り組みや、自己評価の実施、第三者評価の受審などを行い、組織として保育の質の向上に向けた取り組みを行っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の評価や、園の自己評価等の評価結果を職員会議等で分析し、明らかになった課題については、改善策や改善計画について協議しています。評価結果を分析した結果、それにもとづく課題、改善計画については文書化しています。課題の改善に向けて、職員会議等で改善計画の進捗状況を確認し、次期の指導計画等に反映させています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、リーダーとしての自らの経営・管理に関する方針と取り組みを明確にして、職員会議等で周知して職員との信頼関係を築いています。園長の不在を想定して、主任が中心になって対応する訓練を実施しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、法人の全社会議や研修に参加して、遵守すべき法令等についての理解を深め、職員会議等で職員に周知しています。利害関係者との適正な関係を保持し、環境への配慮等も含む幅広い分野について遵守すべき法令等を把握しています。法令遵守事項について、徹底させるため、保育園内に掲示しています。また、現金などの取り扱いは原則廃止し、デビットカードを導入し、職員間でもロッカーなどの施錠なども励行し、厳正な対応に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、日々の保育の状況や、指導計画・保育日誌等の記録から、保育の質の現状について把握して改善のための具体的な取り組みを明示し、必要に応じて職員への指導や助言を行っています。最も大切なことは「子ども中心の保育の実践」を考えて取り組むことであるとの信念を持ち、職員に周知しています。個別面談や職員会議等で職員の意見を把握し、保育の質の向上についての体制を構築して、自らもその活動に積極的に参画しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、法人の全社会議に出席し、人事、労務、財務などの状況を把握し、園の運営に取り組んでいます。職員の役割分担や、キャリアや経験に応じた配置を行い、適正な職員配置などを法人と調整して、業務の実効性の向上に取り組んでいます。働きやすい保育の職場環境を整え、職員が主体的に業務に取り組むことができるように配慮しています。職員会議では、業務の実効性の向上に関わる課題について共有しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人本部にグループの全体の人事採用部署があり、福祉人材や人員体制に関する基本的な方針を策定し、保育園に必要な人員を配置しています。人材の育成についても法人で新人研修をはじめ階層別の研修など計画的に福祉人材を育成する体制があります。計画にもとづいた人材の確保が課題となっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人の目指す人財は「輝いた大人」としており、クレドの文章の中で「豊かな心を持った輝いた大人を魅せる」と記載しています。職員配置や、昇進昇格等の人事基準が定められており、職員に周知されています。法人で策定した人事考課制度に基づき、職員の職務遂行能力や職務に関する成果などを評価しています。総合的な人事管理を行なっており、職員が自ら将来の姿を描くことができる体制になっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の有給休暇の取得状況や時間外労働のデータを定期的に確認するなど、職員の就労状況を把握し、ワークライフバランスに配慮した取り組みを行っています。職員が心身ともに健康で楽しく働けるようシフト調整をしたり、オンとオフのメリハリができるよう職場環境に配慮しています。生活面で仕事と休暇を上手に過ごすことにより、職員一人ひとりがリフレッシュして、元気に保育に取り組めるよう努めています。また、園長は職員からの仕事だけでなくプライベートも含めて、悩みの相談にもオープンに応じて、職員を支援しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の目指す人財を「輝いた大人」とし、職員一人ひとりの目標管理を行っています。職員一人ひとりが、経験や階層に応じた目標を設定しています。職員一人ひとりの目標については、職員の主体性や自発性を重視して設定しています。目標の進捗状況については、3か月ごとに面談を行い、具体的な目標項目についての取り組みや振り返りなどを確認し、職員が年間での目標を達成すべく支援しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人の策定した研修体系が整備されており、「職員研修受講計画」にもとづきキャリアステージを意識した教育・研修が実施されています。保育園では、チームブックを策定しており、チーム保育を掲げ、組織作り方針を「良くて強いチームビルディング」として取り組んでいます。その中に人財育成目標を設定しており、必要に応じて法人の研修とは別に園内研修を実施したり、行政が主催する外部研修にも参加しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

新人職員は法人の新人研修に参加し、法人の理念や基本方針などの研修を受けるとともに、現場では、リーダーがOJTを適切に行い、教育に努めています。また、4月~6月間の期間については、毎日振り返りの記録を付けて専門知識の習得状況を把握しています。また、職員の経験や習熟度にあわせた法人研修や外部研修に積極的に参加しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

園として、積極的な実習生の受け入れは行っていませんが、近隣の専門学校や学校から保育園に要請があったときは、実習生等を受け入れしています。実習生等の受け入れに関するマニュアルは策定されており、受け入れにあたっては、園長が窓口となって対応しています。ただし、今年度は新型コロナ感染症対策のため受け入れは実施していません。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育園の理念や基本方針については、玄関掲示版に掲出されています。ホームページには法人の理念や基本方針や決算情報について公開されています。保育園のパンフレットには保育理念、保育目標や保育方針が記載されています。理念や基本方針は配布していませんが、園での活動内容については地域ケアプラザや町内会、近くの商店等に制作物などを配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

保育園における事務、経理、取引等については、定期的に本部が内部監査を実施して適切に確認されています。法人としては外部の監査法人による監査を実施しており、経営改善を実施しています。予算については、すべて本部が収支を含め管理しています。保育園に対しては毎年4月に予算書が本部より通知され、経費を管理しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域への取り組み方針としては、地域の見守りや声かけを行なったり、園児の散歩先や公園などで積極的に交流を行い、より地域に根付いた保育園を目指しています。現在は、近隣のケアプラザへ訪問し、お年寄りと交流したり、公園での美化活動に参加し、花を植えたりして地域との交流を深めています。子ども達も楽しんでいる姿がうかがえました。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの実績としては、中学校や近くの保育の専門学校などの職場体験を受け入れています。園としてはボランティアの受け入れについては、子どもとの交流を図る視点での積極的な取り組みは行っていませんが、受け入れマニュアルも作成されており、要請があれば受け入れる体制ができています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

関係機関・団体と定期的な連絡会として神奈川区の園長会に参加しています。地域の共通の課題に対して、解決に向けて具体的に取り組むような活発な活動までには至っていません。要保護児童対策地域協議会などの研修にも参加していますが、社会福祉法人の保育園が中心に活動しており、あまり連携は図られていません。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営委員会には町内会の会長もメンバーとなって地域のニーズの把握に努めています。保育園が管理している地域交流室を利用する町内会や近くの学童クラブと交流し、情報交換を行っています。保育園の園児のほとんどはマンションの住人であり、マンション住人以外の地域住民との交流や地域の具体的な福祉ニーズや生活課題等を把握するための取り組みは今後の課題となっています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズ等の対応として、園庭開放や育児相談を実施していますが、利用実績はあまりない状況です。保育園では公益事業として、地域交流室でバイオリンの演奏会や、チアダンスの会やピアノの演奏会を実施して地域コミュニティの活性化につなげています。今後さらに地域の福祉ニーズを掘り下げて、保育園が有する専門的な知識・技術を地域に還元する取り組みが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「豊かに生きる力を育てる」という法人の保育理念に沿って園独自の保育目標と保育方針を定め、子どもを尊重した保育の実施について明示しています。「保育基本マニュアル」「チームブック」等には子どもの人権を尊重した保育に関する基本姿勢が記載されており、個々の保育の標準的な実施方法に反映され、職員が理解し実践するための取り組みを行っています。人権擁護に関するセルフチェックシートを活用し、子どもの尊重や基本的人権への配慮についての状況の把握や評価を行っており、研修や勉強会を実施しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護に関して配慮すべき事項については、「保育基本マニュアル」や各種業務マニュアルに、生活や活動の場面ごとに明記されています。オムツ交換は専用の交換台やロールカーテンを利用して行っており、幼児の水遊びの着替えは部屋を分けています。園庭でプールを使用する時期は、大きなテントを設置し外部からの視線を遮るように配慮しています。一人ひとりの子どもにとって、生活の場にふさわしい快適な環境を設定し、子どものプライバシーを守れるような工夫を行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

ホームページに、基本方針や保育内容、園内の写真などの情報を掲載しています。利用希望者からの問い合わせには園長が対応しており、見学会の案内をしています。今年度は新型コロナ感染症対策のため実施を見送っていますが、例年は月2回の見学会を行っており、園の設備や保育の様子をゆっくり見てもらった後、個別の質問にていねいに対応しています。パンフレットの公共施設等への配置は行っていませんが、利用希望者への情報提供については適宜見直しを行っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

3月上旬に入園説明会と個別の面談を行い、重要事項説明書等の資料に沿って詳細な説明をおこない、保護者の理解を得るようにしています。重要事項説明書には、理念・基本方針や園の体制、保育内容、緊急時の対応、延長保育などについて明記されており、内容についての保護者の同意を得たうえで署名をもらっています。入園後の保育内容等の変更については、掲示と口頭、保育ICTシステムでの配信で保護者に周知しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更にあたり、他の保育所や施設等への情報提供が必要な場合には、保護者の意向を確認し適切に行うことにしていますが、引継ぎに関する手順や文書は定めていません。保育所の利用が終了した子どもや保護者に対しては、退園後もいつでも相談ができることについて口頭で説明し、園長や担任が窓口になって対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の子どもたちの表情や言動から、満足感をもって過ごしているかをくみ取り、子どもが職員に自分の意思を伝えることができるように配慮しています。クラス懇談会や運営委員会、個人面談などで把握した保護者の意見や要望は、職員会議等で情報共有や検討を行っています。玄関のクラス別のホワイトボードや送迎時の会話などで、日々の保育活動を分かりやすく伝え、寄せられた保護者の感想や意見からも改善点などを検討しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「苦情解決規程」を定めており、苦情の受付から解決までの流れが明記されています。重要事項説明書に、苦情受付担当者(園長)、苦情解決責任者(保育サポート部)、第三者委員、神奈川区子ども家庭支援課の連絡先を明記し、入園時に保護者に説明を行っています。玄関に苦情解決体制についての掲示をしています。意見箱の設置や保護者アンケートは実施していませんが、送迎時などの保護者とのコミュニケーションは園長自ら積極的に行っています。送迎時の保護者との会話や、クラス懇談会、運営委員会で把握した意見・要望等を真摯に受け止め、速やかに対応策を検討し、保護者へフィードバックしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

職員は、送迎時に保護者との会話をていねいに行い、相談したり意見を述べやすい関係づくりを行っています。意見や相談の内容によっては園長が対応しており、面談室や空いている保育室など落ち着いて話ができるスペースで話をするようにしています。重要事項説明書には、面接・文書・電話等の方法でどんなことでも気軽に相談できることを明記しており、保護者への説明を行っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

送迎時に把握した保護者からの意見、運営委員会やクラス懇談会で出された意見や要望については、「昼礼ノート」や、乳児会議・幼児会議、職員会議等で共有しています。法人に報告が必要な意見や相談に関しては「苦情解決規程」に沿って取り扱うことになっています。保護者からの意見・要望については、職員会議等で検討し保育の質の向上に関わる取り組みを行っています。保護者アンケートの実施等、保護者の意見を積極的に把握するさらなる取り組みが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する責任者は園長になっており、「危機管理マニュアル」を職員に周知して安全確保に努めています。「お散歩マニュアル」「事故防止マニュアル」など園独自のマニュアルを作成し、保育の場面ごとの留意点について明記しています。事故やケガが発生した場合には、「事故記録簿」「ケガ報告書」「ヒヤリハット報告書」を作成し、職員会議等で、発生要因を分析し、改善策・再発防止策を検討しています。事故防止策等の安全確保策の実施状況については、定期的に評価・見直しを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」に沿って作成された法人のマニュアルに従って、感染症の予防策や発生時の対応を行っています。感染症を発症した場合の登園基準については入園時に文書で説明を行っており、園での発生状況は、玄関の連絡用ボードに掲示して保護者に周知しています。感染症の予防策や発生時の安全確保について、適切な対応ができるように職員会議で話し合いや研修を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

火災・地震を想定した避難訓練や消火訓練を毎月実施しています。訓練がマンネリ化しないように、事前告知をしない訓練や、園外保育中の地震を想定し公園で避難行動をとる訓練などを行っています。年1回の保護者による引取り訓練も行っています。非常時には、「一斉メール配信システム」や「災害伝言ダイヤル」を利用することになっており、「災害対策カード」を作成しています。重要事項説明書に、非常災害時の対応や避難場所を明記して入園時に保護者に周知しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

標準的な保育の実施方法を明記した「保育基本マニュアル」を職員に配布し、研修や個別指導で周知徹底を図っています。「保育基本マニュアル」には、子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関わる姿勢が明示されており、その他の業務マニュアルや、園独自のマニュアル・手順書とともに、職員が日常的に活用しています。標準的な実施方法にもとづいた保育が実施されているかについて、乳児会議・幼児会議、職員会議等の話し合いで確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

職員会議等では、保育の実施状況の振り返りや評価とともに、標準的な実施方法についても検証し定期的な見直しを行っています。法人作成の「保育基本マニュアル」や業務マニュアルについては、法人の園長会などで意見交換を行っています。子どもたちが必要とする保育内容の変化や、指導計画の実施状況、職員や保護者の意見を踏まえて、標準的な実施方法の見直しを行うことで、職員が共通認識を持って保育にあたるように配慮しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画にもとづき、子どもの状況や発達に応じて指導計画を策定しています。一人ひとりの子どもの状況についてのカンファレンスを日常的に行っており、職員会議では、栄養士や調理員も参加してアセスメントに関する協議をしています。個別指導計画の作成にあたっては、必要に応じて関係機関の意見や助言を取り入れています。指導計画策定の責任者は園長となっており、保育のニーズの把握や、保育実践の評価が指導計画に反映しているかを判断し、助言や指導を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しにあたっては、子ども・保護者のニーズに対する保育・支援が十分でない状況等、保育の質の向上に関わる課題等を明確にしています。職員は、年間指導計画、月間指導計画、週案・日誌に自己評価を記入し、期ごとのねらいや目標の達成度を判断して、次の計画の作成に生かしています。各クラスの指導計画は、保育ICTシステムで全職員が共有しており、職員会議等で意見交換を行い、必要に応じて緊急に計画の見直しを行っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの生活や発達の記録は、「児童票」「週案・日誌」「個別日誌」等の様式に記録しています。子どもに関する保育の実施状況に関する記録は、ICTシステムに入力しており、指導計画等にもとづく保育の実施状況を職員間で共有しています。記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないように、意見交換や個別指導を行っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報の取扱いについては、「運営規程」に明記されており、法人のホームページには「個人情報保護方針」を掲示しています。子どもの記録の保管・保存・開示・廃棄については、法人で定めた規定を遵守しています。入園時には、個人情報の取扱いについて保護者に説明し、子どもの写真掲載に関しては同意書をもらっています。記録管理の責任者は園長になっており、子どもの記録に関しては、事務室で施錠して保管しています。職員は、採用時に、個人情報の取扱いについての誓約書を提出しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、保育所保育指針等の趣旨をとらえ、理念や基本方針にもとづいて作成しています。子どもの発達過程、保育時間などを考慮して法人として作成した計画を基本に、地域の特性、子どもと保護者の状況等を考慮して作成しています。
法人の保育理念、園独自の保育目標と保育方針を掲げ、年齢別保育目標、養護・教育に関する項目、人権、健康管理、食育、長時間保育等について記載されています。全体的な計画の作成にあたっては、日々の保育実践や取り組みを振り返り、保育に関わる職員が計画の評価を行って、次の作成に活かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園内は24時間換気システムとなっており、各保育室には空気清浄機、除湿機、エアコンを設置しています。温度・湿度は各保育室と事務所で調整できるようになっており、外気の入替えや温度・湿度調整をこまめに行うようにしています。0歳児・1歳児・2歳児の保育室の床はコルク製で、0歳児・1歳児の保育室は床暖房になっています。
各保育室は保育室清掃マニュアルに従って清掃を行い、トイレや洗面所は清掃の当番を決めて、衛生管理に努めています。園内は明るく清潔に保たれており、一人ひとりの子どもが安心してくつろげる環境を構成して保育を行っています。遊び・食事・睡眠の場面ごとに、保育室内の環境設定を行って、子どもたちが心地よく生活できるように配慮しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、子どもが安心して自分の気持ちを表現できるように配慮しています。職員は自分を表現する力が十分でない子どもの気持ちをくみとろうとしています。各クラスの月間指導計画には、一人ひとりの思いをしっかり受け止めること、話している子どもの目をしっかりと見て安心して言葉に出せるようにすることなどが、配慮事項として記載されています。
一人ひとりの子どもの個人差を十分に把握し、定期的な幼児会議や職員会議等で、職員間の情報共有や意見交換を行っています。「保育基本マニュアル」等に保育士としての基本姿勢が明記されており、分かりやすい言葉でおだやかに話すこと、せかす言葉や制止させる言葉は不必要に用いないことについて周知しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得にあたっては、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重し、一人ひとりの子どもの発達に合わせた取り組みを行っています。離乳食やトイレトレーニング等は、一人ひとりの子どもの状況を見ながら、保護者と相談して適切に行うようにしています。2歳児の「週案・日誌」には、トイレトレーニングについてのねらいや配慮、環境構成などが記載されています。
手洗い、うがい、歯みがき・着替え等については、子どもが理解できるように説明し必要な援助を行って、子どもが自分でできた喜びを感じ、自信につなげることができるように働きかけています。登園・降園時は、子どもは自分の荷物を持って保育士に付き添われて玄関で引渡しになります。子どもは職員の援助を受けながら、自分の着替えやオムツをロッカーに置いたり、帰りの荷物の支度を行っており、自分でやろうとする気持ちを育んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

園の保育方針に、「子どもの考えを主体としやりたい気持ちを大切にして一緒に取り組む」「子どもと一緒に考え子どもの意見を尊重し楽しくておもしろい保育」を掲げています。子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びが豊かに展開されるような取り組みを行っています。
子どもたちは、毎月の製作活動、歌や楽器、ダンス等の様々な表現活動を行っており、天気の良い日は近隣の公園に出かけ、自然の中で遊びながら身体を動かしています。運動会や生活発表会などの練習では、友だちと協同した活動の喜びと達成感を感じられるように援助しています。異年齢での遊びの時間を設定したり、地域の公園に花を植える活動に参加するなど、子どもたちが様々な人間関係を経験できるように配慮しています。集団での活動や異年齢保育、個別対応など、それぞれの場面で子どもたちの主体性が育まれるように配慮しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児の年間指導計画の保育目標に、「一人ひとりの気持ちを受け止めて関わる中で信頼関係を築いていく。安全な環境の中で個々の生活リズムを整えながら安心してゆったりと過ごす」と記載されています。職員は一人ひとりの子どもの生理的な欲求の充足や情緒の安定を図りながら、応答的な関わりの中で安心して過ごせるように配慮しています。
音の出る玩具、柔らかい素材の玩具を用意して、好きな遊びを見つけてじっくりと遊んだり、職員と一緒に絵本を見ながら、簡単な言葉の繰り返しや模倣を楽しむことができるようにしています。安全に探索活動ができるように環境設定を行い、子どもの好奇心が満たされるように工夫しています。検温や視診等で健康状態を把握して保健的な対応を行い、連絡帳や送迎時の会話等を通じて、保護者と子どもの状況についての情報交換を行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳児・2歳児の保育にあたっては、一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、自発的な活動ができるように関わっています。また、子どもの自我の育ちを見守り、その気持ちを受け止めるとともに、友だちの気持ちや友だちとの関わり方をていねいに伝えていくようにしています。
子どもたちは、製作活動、ままごと遊び、パズル、粘土遊びなどをする中で、、職員や友だちとの言葉のやり取りを楽しみ、自分の思いが相手に伝わる喜びを感じています。好きな玩具を選んでじっくり遊ぶこと、公園で思いきり身体を動かしたり、室内遊具でのサーキット遊びなど、子どもたちの状況に応じて戸外遊びと室内遊びをバランスよく行うように配慮しています。
一日の生活の見通しが立ち、身の回りのことを自分でする達成感を感じられるように配慮しており、散歩の支度や手洗い、着替えなどを自分からしようとする子どもたちの姿が見られます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3・4・5歳児については、基本的な生活習慣の定着を図るとともに、集団での遊びや生活を楽しみ、葛藤を経験しながら相手の気持ちを理解し、自分の気持ちを伝えることができるように配慮しています。遊びや行事の内容などを各クラスで話し合い、子どもたちの意見が反映するようにしています。子どもたちのアイデアを取り入れて大きなクリスマスツリーを時間をかけて製作したり、鍵盤ハーモニカ、体操教室など様々な表現活動の取り組みをしています。
公園では、ドロケイやドッジボールなどのルールのある遊びを楽しみながら、友だちを応援したり、協力する喜びを感じられるようにしています。節分・夏祭りなどの季節の行事、運動会や夏祭り、生活発表会などを通して、友だちと協力して一つのことをやり遂げる達成感や自信を感じられるようにしています。子どもの育ちや協働的な活動については、保護者参加の行事やクラスだより等でていねいに伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達過程や障害の状態を把握し、障害のある子どもが安心して生活できる環境整備を行っています。園内は段差はなく、車いす対応のトイレが整備されています。子どもの発達状況や課題について保護者と情報を共有し、共通の認識を持つことができるように連携しています。
個別の指導計画を作成し、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるように、クラスの指導計画と関連付けています。医療機関や専門機関の治療や療育の方針を保護者を通じて把握し、子どもの状態に応じた保育が行えるようにしており、必要に応じて関係機関との連携を図っています。職員は障害のある子どもについての研修を受けており、研修内容については、職員会議等で共有し日々の保育活動に生かしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間にわたる保育では、子どもがくつろいで安心して過ごすことのできる環境設定を行い、指導計画の中で職員の配慮事項について記載されています。子どもの心身の状況について「引継ぎボード」や「昼礼ノート」などにより情報伝達を行い、子どもの一日の生活の連続性や、降園後の子どもの生活リズムを考慮した対応を行っています。
職員間の情報伝達を確実に行うことで、担任の保育士と保護者との連携が十分に取れるように配慮しています。朝夕の合同保育では、一人ひとりの子どもの気持ちを受け止め、落ち着いた雰囲気の中で好きな遊びに集中したり、異年齢の子どもとの関わりで様々な遊びを経験できるように、職員が連携しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

5歳児の年間指導計画、月間指導計画に「小学校との連携」の欄があり、小学校近くへの散歩や小学校との交流会などが記載されています。午睡が無い日を設け、静かにワークやぬり絵を楽しむ時間を作り、小学校を訪問し1年生に校内を案内してもらう交流を行っています。友だちと協力して行う遊びや活動、数や文字を使った遊び、基本的な生活習慣の取得など、日々の遊びや生活が小学校以降の学びや生活につながるように配慮しています。
保護者が小学校以降の子ども生活に見通しが持てるように、5歳児のクラス懇談会で、就学に向けての情報提供や話し合いを行っています。「保育所児童保育要録」は、子どもの育ち・発達の状況を的確に記録し、子どもの全体像が伝わるように記載して小学校に持参しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理に関するマニュアル、保健年間計画などに沿って子どもの健康管理を行っています。保健年間計画には、2か月ごとの目標・行事予定・留意点・保護者指導・期の反省と評価が記入されており、計画的に子どもの健康に関する取組を行っています。登園時には子どもの健康状況を確認し、「引継ぎボード」や「昼礼ノート」で情報を共有しています。
保育中に子どもの体調が悪化した時には、あらかじめ保護者が指定した緊急連絡先に連絡し、嘱託医・主治医に連絡を取るなどの必要な措置を講じることになっています。既往症や予防接種の状況など、子どもの健康に関わる情報は、保護者から常に得られるようになっており、児童票などに記録しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する知識を職員に周知し、午睡時には子どもの呼吸・体勢・表情などについて、0歳児は5分おき、1歳児は10分おき、2歳児から5歳児は15分おきにチェックしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による健康診断・歯科健診を、それぞれ年2回実施しており、身長・体重の身体測定は職員が毎月行っています。健康診断、歯科健診、身体測定の結果は児童票に記録しています。健康診断の結果は口頭で、歯科健診と身体測定の結果は文書で通知して、保護者が子どもの状態を理解し、家庭での生活に生かされるように配慮しています。
歯科健診の日には、歯科衛生士が同行し、歯みがき指導を行っています。健康診断や歯科健診、身体測定の結果を職員で共有し、保健年間計画や指導計画等に反映させて、子どもの心身の健康教育につなげています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「保育所におけるアレルギーガイドライン」をもとに、子どもの状況に応じた対応を行っています。食物アレルギーに関しては、医師の指示による除去食の対応を行っています。除去食を提供する際は、食器やトレイの色を分け名札を使用し、調理の職員と保育士間でチェックをして受け渡しています。保育室ではテーブルを別にして、食後に清掃を行って事故が起きないように配慮しており、保育士は医師からの指示を確認し、栄養士・調理員と情報を共有しています。
アレルギー疾患のある子どもの情報をまとめた表を各クラスに配置し、職員間で情報共有しています。職員は研修等でアレルギー疾患・慢性疾患等について必要な知識や情報を習得し、職員会議等で共有し対応しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもが楽しく落ち着いて食事をとれる環境づくりを工夫し、子どもの発達に合わせた食事の援助を行っています。個人差を考慮して完食は目指さず、食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるように援助し、達成感を感じられるように配慮しています。「年間食育計画書」には、食育のねらい・目的・活動内容が記載されており、食生活習慣の確立や、栄養や食に関する体験をとおして、「食」への関心を深める取り組みを行っています。
お正月や十五夜、冬至などの行事に合わせて日本の風習や食文化の話をしたり、三色食品群の説明で食品のグループと働きを伝えています。夏野菜・冬野菜の苗植えや種まき、水やりと観察、収穫を体験して、自然の恵みの大切さや感謝の気持ちを育てています。感染症が流行している時期以外は、3歳児以上がクラスごとにクッキングを行う計画になっており、子どもたちの要望を聞いて、スイートポテトやうどん作りなどを行っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

法人の管理栄養士が作成した献立表に沿って、園の栄養士と調理員が調理しています。地域の食文化や行事食などを献立を取り入れ、子どもたちが楽しく安心して食べることができるように配慮しています。
栄養士と調理員は、毎日の子どもたちの食事の様子を確認しており、残食の状況を確認・記録しています。保育士との意見交換や子どもたちの反応を見て、調理方法の工夫や盛付に生かしています。栄養士は本社で開催される会議に出席し意見交換を行っています。食事とおやつのサンプルを玄関に提示し、保護者が毎日の食事の内容や量を確認できるようにしています。毎月配布する「給食だより」には、季節の食材の話や、おすすめメニューのレシピを掲載しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳(対象は0才歳児~2歳児)や送迎時の会話等により家庭との日常的な情報交換を行っています。保護者に対して、園での様子をきめ細かく伝えるとともに、家庭での生活の様子も聞き取りを行い、子どもの成長を支援していくことに注力しています。
玄関のクラス別のホワイトボードに、毎日の保育の様子を記載し、送迎時に保護者が確認できるようにしています。クラス懇談会、保育参観、個人面談等の機会に、保育の意図や保育内容を保護者に伝えて、理解を得るよう努めています。また、毎月クラス便りを発行し、月の行事や連絡事項などを知らせて、家庭と子どもの成長を共有できるよう取り組んでいます。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

登降園時には、保護者と顔を合わせて積極的に声を掛けるように努めており、日々のコミュニケーションを通じて保護者との信頼関係を築くよう取り組んでいます。保護者からの相談を受ける時は親身になって聞き、職員間で共有し、適切なアドバイスや対応ができるよう心掛けています。
相談内容については適切に記録し、職員間でも共有しています。園として保護者との信頼関係を築くため、クラス担当だけでなく、園長自ら率先して、子どもや保護者へ声掛けをを実践しており、何かあればいつでも相談しやすい環境づくりに取り組んでいます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待等権利侵害に関するマニュアルは整備されています。園としては、日常的に子どもの観察を行っており、なにか気づいたことがあれば必ず保護者に確認するようチェックに努めています。家庭との連携を図り、家庭での子どもの様子や保護者の精神状態の把握にも心掛けています。
児童相談所等の関係機関との連携する体制は構築されていますが、園開設以来、虐待等権利侵害に当たる事例は発生していません。法人では虐待等権利侵害に対する早期発見や予防に関する研修を実施しており、職員は定期的に受講し、虐待等に関する理解を深めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は、年間指導計画、月間指導計画、週案日誌、個別指導計画などの自己評価欄の記録により、日々の保育実践についての振り返りを行っています。保育実践の振り返りにあたっては、指導計画のねらいと内容、環境構成、保育士等の援助などが適切であったかなど、保育の過程全体を振り返るようにしています。乳児会議や幼児会議、職員会議等で振り返りの内容について話し合い、職員全体の保育の改善につなげています。
個々の保育士の自己評価を毎年実施しています。保育士の自己評価にあたっては、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程に配慮しており、園全体の自己評価につなげています。