社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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グローバルキッズ日吉園

2023年03月24日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 グローバルキッズ日吉園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 69名(利用者:69名) 名
所在地 223-0061
横浜市港北区日吉1-10-26
TEL 045-562-0321 ホームページ http://www.gkids.co.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2010年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社グローバルキッズ
職員数
常勤職員:19 名
非常勤職員:5 名
専門職員
園長:1 名
主任:1 名
看護師:1 名
保育士:17 名
栄養士:2 名
保育補助:2 名
施設・設備の概要
保育室:3室
トイレ:3箇所
調理室:1室
事務室:1室
休憩室:1室
調乳室:1室
園庭:有

③ 理念・基本方針
【企業理念】 子ども達の未来のために

【保育理念】 豊かに「生きる力」を育てる

【保育目標】 目的を持って自主的に行動できる子
       安心して自分を表現できる肯定感あふれた子

【保育方針】 達成感を味わえる環境を整え、チャレンジを認め、見守っていく
       愛情を持って一人ひとりの個性を受け入れる

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 【日吉園での保育とは】
子ども一人ひとりの生活リズムを大切にし、ありのままの自分でいられるようにお家にいるようなゆったりとした時間を過ごします。 園の行事は、年長さんを中心に子どもミーティングを行い内容を自分たちで決めて行います。

【異年齢保育】    
園では2~5歳児までは一緒のお部屋で生活する異年齢保育を行います。年下児にとっては、一緒に過ごすことで年上の子に憧れ、「やってみよう!」と自らチャレンジする気持ちが生まれます。年上児にとっては年下の子に対して思いやりやお世話をすることが自然と日々の生活の中で培われます。

【外遊び】      
天気の良い日は毎日公園に行きます。子どもたちのチャレンジする気持ちを大切にし、日吉園では遊びに禁止はありません。やってみよう!と自分で決めること。まだ無理だとストップすることも大切でのちに自分のことは自分で決めることができる肯定感にあふれた子に成長します。

【ランチルーム】   
ランチの時間は3.4.5歳児を中心にランチルームの好きな場所で食事をします。遊びの続きでお友達と同じテーブルでワイワイお話しながら食事をします。コロナが終息すれば以前のようにバイキングスタイルで自分の食事の準備をしたいと思います。栽培活動で育てた野菜を調理して、昼食やおやつで食すること食育にも繋げます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/05/23(契約日) ~2023/02/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1) 異年齢の関わりにより、成長し合える保育環境があります
園では、2歳児から5歳児の一貫した異年齢保育を行っています。同じ保育環境のもと関わる場面も多く、年下の子は年上の子の言動を真似、年上の子は、年下の子のお世話をしたり、お手本になるようにふるまうなどお互いに良い影響が生まれ、兄弟姉妹のような関りが見られます。0歳児、1歳児の活動は基本的にはクラス単位ですが、昼食は、ホールをランチルームとし、1歳~5歳児が一緒に食べています。一つのテーブルに異年齢の子どもが集まったり、仲の良い子ども同士で食べる姿も見られます。食事のなかでも、箸の使い方、食事の進め方、食べ方、食器の持ち方を学んでいます。制作に使うはさみも年上の子の様子を見て2歳児から自主的に挑戦できるようにしています。傍で見守る年上の子は手助けをし、年下の子ができるようになれば、今度は自分が年下の子にやってあげる環境があり、保育方針の「達成感を味わえる環境を整え、チャレンジを認め、見守っていく」が実践されています。

2)園と保護者の連携により園活動を支えています
「園庭改造プロジェクト」の一環として、職員・保護者が設計段階から一緒に検討し、創りあげたワークショップ「ひみつ基地作り」を実施しています。保護者も積極的に保育園運営に参画し、地域の大工さんの協力も得て完成させています。完成した「ひみつ基地」は子どもたちの大好きな遊びの環境となっており、探索活動、ごっこ遊びへの展開など子どもの豊かな活動に繋がっています。子どもの成長を共に喜び、同じ目標に向かって園と保護者とが連携して子どもの育ちを支えています。

3)保育記録「日吉園ノート」によって保育実践に役立てています
園長は、通常の保育のなかで、子どもが一日を楽しく過ごせたと思える園環境について常に追求しています。一貫した異年齢保育での成果や参考になる事例、園長の思いなどを自身の「日吉園ノート」にまとめあげています。2010年の開園当初から長きにわたる園の保育記録でもあり、マニュアルでもあるこのノートは、機会あるごとに園の保育に対する考え方・心得として職員に伝え、園の歴史と共に積み上げられ、実践の場で活用されています。

4)ICTシステムへのセキュリテイ対策が望まれます
ICTシステムの導入により、職員の業務軽減も進んでいますが、一方で園情報の漏洩、ウイルス対策やサーバーの管理などのリスクも考えられます。現在、法人中心に管理されていますが、園独自においても業務効率化に伴う徹底した情報セキュリティ対策の構築が期待されます。

5)多様化に伴う均衡性ある就業体制が期待されます
人材確保・人材配置として多様な就業形態を取り入れていますが、一方で業務の均衡性が難しい現況だとしています。今後は、働き方などの多様化に伴う就業体制の再構築が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
開園して13年が経ちました。2023年度は早いもので14年目に入ります。
今回4度目の第三者評価を受けさせていただくことになりました。
毎回共通評価の内容には頭を悩ませますが、ご丁寧にアドバイスをいただきながら職員全員で取り組みました。保育分野は得意ですが、事業計画や中長期ビジョンなど運営面での共通理解の場がなかなか持てないので、時間を作って伝えていく必要があると感じました。保育内容に関しては新しい職員も含め、日々子ども達の学びや成長に関してよく話し合いをしています。他のクラスのドキュメンテーションを見ながらクラスを超えて全員で保育するスタイルが浸透していると感じています。
コロナ禍で保護者参加の行事や人数制限、Zoomでの保護者会等初めての経験が重なりましたが、保護者様も園の現状にご理解いただきとても協力的で感謝しかありません。この三年間保護者様と一緒に乗り越えてきたと実感しています。
前回課題であった地域交流に関しては、秘密基地作りを通して地域の大工さんにご協力いただくことができて一つ前進できたかなと思っています。
引き続き地域の方が気軽に参加できる内容を発信して、地域交流を深めていきたいと思います。
評価機関、評価調査者にはいつも丁寧にご対応いただき感謝しております。
良いところはさらに延びるように、不足しているところは具体的にアドバイスをいただき本当にありがとうございます。
毎回園の思いに寄り添っていただき温かさを感じています。今回も本当にありがとうございました。

         グローバルキッズ日吉園 園長 金子 由理

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念、基本方針は、園内の文章、ホームページや各職員に配布する「コンセプトブック」に明文化しています。職員必携の「コンセプトブック」には、企業理念、目指す人材、保育理念、行動指針とするクレドなど、園保育に関わる職員としての心構えを具体的に明記しています。園長は、職員の保育業務や自己評価などで各職員の理解度を把握し、年度始めや会議などで確認しています。保護者への周知は、パンフレット、園内資料や重要事項説明書などに園の目指す方針について明記していますが、周知が課題となっています。保護者会、年間の行事では、理念や基本方針に沿った保育活動や内容を説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業の動向については、法人中心に把握・分析され、各園に周知されています。地域的な福祉計画の動向は、横浜市からの通達や港北区園長会などに出席し、現況を把握しています。子どもの利用率や地域的な課題などは、法人保育部のエリアマネジャ-中心に情報収集や利用率の分析が行われ、月に1回開催する会議で現状を把握し、共有しています。園保育のコスト分析は毎月行い、法人に提出しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

経営環境や保育内容、組織体制、施設整備、職員体制、人材育成、財務状況等の分析は、エリアマネジャーと園長が協議し、課題や問題点を明らかにしています。月2回開催する法人会議(園長会)で法人全体の経営状況や課題などの共有をしています。また、法人経営者から全職員に保育方針・ビジョンなどのメッセージがアプリやオンラインで配信されています。課題や改善策は、エリアマネジャーと協議しながら取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期ビジョン、中期計画書、収支計画は、法人が策定しています。「2030トリプルトラスト」を掲げ、「2030年までに職員と親子と地域の三者に最も信頼される存在になり、子どもたちの育ちを学びの社会インフラにする」とするコミュニケーションワードを明示しています。毎年、11月に進捗状況や方針を発表しています。園は法人の中・長期ビジョン、中期計画書を同義とし、中長期ビジョン・中期計画書に沿った経営環境を把握し、取り組んでいます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の中・長期計画を基に園独自の単年度の事業計画を作成しています。事業計画には、事業内容が具体的に示されていますが、次年度に繋げる改善策として課題を明示し、PDCAサイクルを継続的に活用する仕組みは十分ではありません。現在の事業計画の仕組みを確実に実施できる事業計画を策定していくことが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の内容は、職員としての自己評価、職員の評価結果を反映した園の自己評価、運営委員会の意見、監査に依る評価結果などから、課題を抽出し、改善に向けての具体策を作成しています。11月、12月に計画の評価結果を抽出し、職員の意見を踏まえた見直しもしていますが、評価結果による課題の明記が十分ではありません。 事業計画は、毎年、職員に周知され、今年度の方針として具体的な改善策に向けた取組を進めています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保護者に関連する事業計画については、園だよりや保護者会、運営委員会で周知しています。今年度、園内に完成した「ひみつ基地」については、園の方針を説明し、園だより、園掲示、さらに情報アプリで完成までの経過状況などについて、詳しく報告しています。一級建築士の保護者、地域の大工さん、保護者の方たちの協力で子どもたちが喜ぶ「ひみつ基地」が完成しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育内容については組織的にPDCAサイクルが正しく活用されていますが、園運営に関する各業務分担の活動内容・課題・実施についてのPDCAが十分に機能していません。保育活動を含めた職員としての自己評価や園の自己評価、第三者評価も定期的に受審しています。評価結果を分析し検討する場も設けていますが、今後は、総合的な評価結果を事業報告・事業計画に反映し、保育の質の向上に繋げることが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保育内容だけでなく、園全体における課題の文書化や共有化が十分とは言えません。保育内容における課題については、職員間で意見交換を行い、改善策に向けて計画的に取り組み、必要に応じて見直しをしています。今後、園全体の課題について具体的な改善策を作成し、計画的に取り組んでいきたいとしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

新年度に具体的な方針と取組について資料を配布し、説明をしています。園長の役割と責任については、運営規定の職務分掌で明確にしています。また、危機管理に関する基本的な指揮権、情報伝達やBCP対策についてもフローチャートで明文化しています。有事における不在時の権限委任も明確にしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎月開催される法人園長会や港北区開催の園長会などに出席し、経営に関する法令について理解を深めています。コンプライアンスの冊子は全職員に配付され、職員としての行動規範として定めています。内部通報制度も設け、コンプライアンス違反行為の通報フローチャートで明記するなど、徹底した職員教育を行っています。法人主催のコンプライアンス研修も全職員が参加しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質の現状を把握し、弱点とする課題について内部・外部研修の機会を積極的に取り入れ、各職員の自己研鑽・自己啓発を推奨しています。研修後は他の職員と共有する機会を設け、保育水準の向上に繋げています。研修の一つに他園の研修に職員と共に参加し、保育活動の様子を視察・学習しています。定期的に職員と意見交換を行い、園の基本方針にぶれない保育活動となっているか、確認をしています。園長は、子どもが園での一日を楽しかったと思える園環境について常に追求し、園長自身の「日吉園ノート」には一貫した異年齢保育の園長の思いや参考になる事例などを纏めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

人事・労務・財務に関しては、法人中心にエリアマネジャーと園で具体的な内容について把握・分析を行っています。人員配置、職員の働きやすい環境整備なども担当マネジャーと協議しながら取り組んでいます。日常的に各クラス(0才児、1才児、及び合同保育室)を観察し、園全体の現況を把握しています。保護者の意見、虐待など、重要問題について園の方針を職員に説明し、同様の意識を形成しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材の確保や人事管理は一括して法人が行っています。園では、人材配置に多様化された就業形態を取り入れており、ワークライフバランスに配慮した就業環境は整えていますが、一方で業務の均衡性が難しい現況だとしています。多様化に伴う就業体制は十分とは言えず、検討の余地があると考えています。人材確保の一つに職員の知り合いからパート的に就労し、常勤職員に移行できる仕組みがあります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人のクレドには、「職員の主体性、人としての生き方、子どもたちから“憧れる人”になってほしい」とした「輝く大人」を明示しています。人事基準は就業規則に明記し、毎年秋に人事考課による職員の専門性、職務遂行能力や貢献度について評価をしています。また、職員の意向調査により、一人ひとりの目標管理を行い、意向に沿ったキャリアパス、スキル向上などに挑戦できる総合的な仕組みはありますが、まだ、十分ではないとし、今後は更なる仕組みづくりをしていきたいとしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の労務管理に関する責任体制を明確にしています。有給休暇の取得状況・時間外労働などの就業状況は、毎月確認し、法人に提出しています。職員の心身の健康については、個人面談や職員の様子から声をかけて話を聞くなど、職員の相談はいつでも受ける環境にしています。計画有給(5日間)、アニバーサリー休暇(1日)、いつでも休暇(3日間)など、職員の休暇は実働表で管理し、休みを取ってリフレッシュできる就業環境に努めています。法人には、職員の相談窓口や園長自身がいつでも相談できる「サービスデスク」を設置しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員としての人物像「輝く大人」の実現に向けて、一人ひとりの育成に向けた目標管理が行われています。職員は、年度始めの面談で自己設定シートに目標を設定し、進捗状況の報告を兼ねて園長との面談が行われ、実施状況の確認と必要に応じた指導や助言をもらっています。年度の終わりに職員の反省や達成度の評価結果を行っていますが、十分な仕組みとは言えず、今後は目標管理の手順をさらに丁寧に確実に達成できる仕組みにしていきたいとしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人が求める期待する職員像は、全職員に配付されるクレドやハンドブックに、職員の専門技術や資格は、就業規則に明示しています。法人が中心となり職員に必要な研修計画や研修項目リストを作成しています。園内研修や外部研修も含め、本人希望の研修や必須研修を積極的に受講できる自己研鑽・自己啓発の環境を整えています。定期的に職員の保育技術、水準、資格取得状況などを確認し、必要に応じて全体的な研修計画の見直しを行っています。目指す保育ポイントとする「保育者の倫理観と専門性の追及」は、まだ、十分ではなく、今後はさらに向上していきたいと考えています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

新卒職員に対するOJT制度は、年齢の近い2、3年目の職員が担当していますが、クラスリーダーや園全体でもバックアップしています。外部研修のリストを作成し、職員は希望の研修受講ができるようにしています。階層別研修、職種別、テーマ別研修やキャリアアップ研修の該当者などに研修情報を提供し、全ての職員が自らの保育のスキルアップを図れるようにできる限りの援助・支援に努めています。人材育成は、まだ、十分ではなく、引き続き向上していきたいと考えています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生育成に関する基本姿勢の明文化はありませんが、受け入れに関する心得、マニュアルを整えています。実施前には、オリエンテーションを行い、園の方針や留意点などを丁寧に説明しています。本人の専門職種に対応できる効果的な育成プログラムを作成し、学校側と連携を図りながら行っています。指導者は主にクラスリーダーが担いますが、有意義な実習期間になるよう園全体で実習生を見守り、援助しています。実習生受け入れは、次世代の保育士育成の学びの場として、また、現職員の振り返りの場とする重要な取組の一つとしています。今後は、職員の共通認識として、基本的な考え方を明文化することが望まれます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人ホームページに各園の情報、港北区発信の保育園情報や子育て親子の園選び情報などに理念や基本方針、保育内容について公開しています。法人全体の予算・決算などの公表は、法人ホームページで公開されますが、園の予算・決算は公表していません。 第三者評価の受審や苦情・相談に関する体制を重要事項説明書に明記し、園の玄関ホールに掲示しています。第三者評価の受審結果はWebや園玄関のファイルで確認することができ、園の苦情・相談については、個人情報に配慮して公表しています。苦情解決規定が策定されており、手順通りに取り組んでいます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人ホームページに「最も信頼される存在を目指す」とする「フェア取引宣言」を明記しています。保育所における事務、経理、取引に関するルールや職務分掌・職務の心得は運営規程に明文化し、周知しています。定期的に内部・外部監査が行われ、園運営の透明性を確認しています。近々では、指導計画シートに異年齢の週案をさらに細かく分別することや支援児保護者との連携欄を設けるなどの助言を得て、改善しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人のビジョン「2030トリプルトラスト」の一つには、「地域に最も信頼される存在になる」とする地域交流を重点目標に挙げています。地域交流の年間計画を立て、子育て親子向け講習会の開催や園の行事参加を募りますが、園舎の外掲示板など紙媒体に限られることと、コロナ禍の行動制限により参加が少ないことを課題としています。今後はコロナ防止対策に注力し、情報提供の工夫も重ねながら取り組んでいきたいとしています。保護者や子どもが利用できる情報は玄関ホールに提供しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れや学校教育への基本姿勢は明文化していませんが、受け入れ時のマニュアルを整備し、体制を整えています。活動時の配慮や注意事項などは丁寧に説明をし、同意のサインをもらっています。今年度は、園庭に保護者と地域のボランティアとして参加してもらった大工さん協働の本格的な「ひみつ基地」が完成しています。体験学習や来園してのボランティアはコロナ禍で現在は自粛傾向です。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

園児・保護者に必要な関係機関や団体の資料などは園玄関に置き、事務所内には必要な関係機関の一覧表を整えています。園長は横浜市・港北区の園長会、幼保小連絡協議会などで、市や区の現況を共有し、把握しています。虐待が疑われる子どもの対応には、港北区子ども家庭課の保育担当や北部児童相談所などと連携を取りながら行います。また、役所からの伝達で見守りを必要とする子どもの状況や支援対応について、全職員で共有し、役所と連携を図りながら見守ります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園では、実習生、職場体験、ボランティアなどの受け入れや地域子育て計画として、年間の支援計画を作成し、実施しています。未就学の子どもたちが園児と一緒に楽しめるハロウィン・焼き芋・クリスマスパーティーや乳幼児育児相談、離乳食、小児看護、子育ての悩み相談などの講習会、園庭開放、絵本の貸出しなど、数多くの取組を実施しています。現在は、コロナ禍でもあり、参加者は少なく十分とは言えない状況ですが、引き続き、工夫をしながら地域交流・地域貢献に努めていきたいとしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の清掃活動、緑化運動やリサイクルなどに参加していますが、園主体での活動には至っていません。地域住民に向けた子育て支援の取組は積極的に行っています。平時や有事に園として対応出来るベビーステーションの提供や職員全員が救命救急の資格を得ているため、被災時などの有事に貢献できると考えています。この取組の周知が十分ではなく、今後は、園として広く貢献できることを周知していく工夫が、ビジョンに繋がる取組になると考えられます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもを尊重した保育の実施については法人作成のクレドに加え、園長作成の日吉園としての保育マニュアルでも明示しており、園内の研修・勉強会で職員の理解を深めています。男女の役割や色で女の子、男の子を分けるなど固定概念を押し付けない等、職員全体で共通認識を持っています。日々の保育の中で人権に対する違和感があった際には、その都度、全体ミーティングで協議しています。年1回、全職員対象に人権の研修を実施しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護に関する規定、マニュアルを整備しており、子どものプライバシーに配慮した保育を実施しています。個人情報の取り扱いに関する案内兼同意書で保護者から同意を得ています。子どもの写真の掲載についても可否の確認をして対応しています。一人ひとりの子どもにとって過ごしやすく快適な環境と子どものプライバシーを守る工夫をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者が園選択に必要な情報提供を行っています。玄関にパンフレットを置いている他、園長が窓口となって、園内見学を実施しています。園見学は1日3組までとし、予約制で実際に園の活動(水遊びなど)に参加してもらっています。隔週水曜日に園庭開放を実施しており、同日に園見学にも対応し、見学者の希望を重視した対応をしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始・変更時の同意を得るにあたり、入園時に個別に説明をする時間を確保して、入園のしおりや重要事項説明書を通して一つひとつ説明をしています。内容で不明な点がある場合には、別の機会を設けて説明を行い、丁寧な対応を心掛けています。内容が変わる場合も含めて、毎年、同意書を収受しています。日本語を母語としない保護者に対しても日本語で対応していますが、手順などは定まっていないため、ルール化と職員への周知・定着が期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育園変更の場合は保育の継続性に配慮して、可能な範囲で転園先の園と共有していますが、手順が明確化されていません。卒園後も子どもや保護者からの電話や対面の相談を受け入れています。園長が窓口になって対応をしていますが、その旨を記載した文書の配布は行っていません。小学校高学年や中学生が友達と一緒に遊びにきてくれることもあり、卒園児の成長の様子を共有しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

行事や日々の保育の対応、保護者の出欠確認内容等に関するアンケート調査を実施して利用者満足を把握し、意見を共有し改善に努めています。年2回の運営員会でも意見・要望を調査しています。利用者満足に関する取組は不定期な実施のため、定期的な検討会議には至っていません。保護者への個別面談は希望性になっており、面談を受けない人もいますが、日々の保育を観てもらって普段の保育を共有する機会を設け、保護者とのコミュニケーションを深める工夫をしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情や要望に対する窓口は掲示や重要事項説明書の記載で保護者へ周知しています。苦情解決に関する責任者・第三者委員等も設置されています。苦情に対しては臨時ミーティングを開催して職員で話し合い・改善を行い、迅速な対応と情報共有に努めています。近隣からの苦情は、必要に応じてICTアプリで保護者に伝え、協力を依頼しています。無記名の苦情を受け付ける仕組みが確立されていないため、苦情受付BOXの設置など、保護者が苦情を伝えやすい環境を整えることが期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者の都合に合わせて、いつもで個人面談が行えるようにしており、保護者には重要事項説明書への記載とともに口頭で伝えています。面談結果は内容に応じて個人面談記録に記載し、重要なケースは職員会議や臨時ミーティングで共有し議事録に残しています。ランチルームに相談スペースを設けて、プライバシー確保に配慮した相談しやすい環境を作っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は、連絡帳、日々のコミュニケーションや情報交換アプリを活用するなど、保護者がいつでも相談しやすく、意見が述べやすい環境に配慮しています。相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討などについてのマニュアルを整備しています。保護者からの相談はいつでも受けられる体制を作り、組織的に、迅速に対応しています。保護者の相談や意見については、全体ミーティングで原因や改善策を話し合い、情報共有しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

系列園などの事故事例や子どもの安心と安全を脅かす事例の収集に努め、リスクに関する分析と対応策の検討・実施を行い、事故対応マニュアルを作成し、必要に応じで更新しています。職員の動き、役割を定め、定期的に勉強会を実施しています。収集された事例を共有し、対応方法や改善、再発防止策について考える場を職員会議や研修の中で設けています。現在、リスクマネジメントを組織的に検討するための委員会の設置に取り組んでいます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策について管理体制が整備されており、感染症予防と発生時等の子どもの安全確保についての取組を実施しています。看護師による救急救命等に関する勉強会を定期的に開催して学びを深める他、マニュアルをもとに嘔吐処理などの研修を行い、情報共有と迅速な対応に努めています。保護者には「保健だより」を発行して情報提供し、園と家庭とが協力して感染症対策を行っています。感染症が発生した場合は、玄関でのお知らせの掲示に加えて、ICTアプリを活用して保護者への情報提供を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

地震・津波などの災害に対して子どもの安全確保の取組を組織的に行っています。毎月実施している様々な場面・状況を想定した避難訓練と消火訓練では、職員の役割や避難先の安全性、子どもへの対応等の振り返りを大切にしています。消火訓練や避難訓練は地元消防署と連携しています。園長は災害に備えた食料や備品等のリストを作成・管理しています。災害発生時の連絡体制を整え、年1回の引き渡し訓練を実施しています。園は災害時のベビーステーションになっていますが、地域への周知に力を入れたいと考えています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人作成の「保育マニュアル」が整備され、標準的な保育の実施方法が示され、法人研修や園内研修で周知しています。園長のこれまでの保育実践をまとめた、日吉園独自のマニュアルがあり、新しく入職した職員に対しても個別に研修を行って園で大切にしていることを共有しています。日々の保育やミーティングで保育実践や内容について確認・見直しをし、職員が共通の思いで保育に臨むことができるように、必要に応じて研修やアドバイスを行っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

法人作成の「保育マニュアル」等は、保育事業部が主体となって、系列園の園長と定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できる仕組みを定めています。園内ではミーティングを通して意見交換を行い、園の実情に応じた見直しを行っています。園長作成の日吉園独自のマニュアルも併せて更新し、思いを共有しています。園独自に数年を費やして「園庭改造プロジェクト」を実施しています。保護者の意見も取り入れて、親子で参加できるワークショップを計画し、さらに楽しめる園庭作りに一丸となって取り組んでいます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

アセスメントに基づく指導計画を策定するための体制を確立しており、関係者の合議、保護者の意向把握などに取り組んでいます。アセスメントの手順を決め、定期的に振り返りを実施しています。各種指導案作成にあたってはクラス担当で話し合い、個別面談などの結果を参考に適切なアセスメントを実施しています。支援や配慮が必要な子どもには個々のケースに適切な保育を行っています。園の看護師や栄養士などの専門職員も参加して、アセスメントなどに関する協議・情報共有を図っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画について、実施状況の評価と計画の見直しに関する手順を組織として定めて実施しています。指導計画の見直しは定期的にミーティングで振り返りの内容を記載し、確認できるように工夫しています。また、運営委員会で提出された意見を共有して改善に取り組んでいます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

ICTアプリを活用して、全クラスの保育計画・保育日誌・指導計画を記録・共有しています。子どもの身体測定の結果等の発達状況や0~2歳児の個別日誌などの記録は、ICTアプリで職員全体で把握できるようになっています。記録に際しては、特定の人の主観に偏らないように、担当する職員を順番に決めて、全員が記入に関わることで、多方向から子どもの発達に気付くことができるように工夫しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録の管理・個人情報については法人で規程を定めており、園長の責任下で管理が行われています。個人情報の取り扱いについては使用方法や廃棄方法が決められており、全職員に周知しています。各記録は在園中は園内保管を行い、卒園後5年間は外部倉庫に保管しています。書類の保管期限を定め、廃棄は指定の専門業者に依頼して処分しています。保護者には個人情報管理について説明を行い、個人情報の取り扱いに関する案内兼同意書を収受しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、理念、方針などに基づき、子どもの心身の発達や家庭、及び地域の実態に応じて作成しています。全ての職員でミーティングを行い、子どもに対する保育目標を決定しており、理念・保育方針に基づいて年間指導計画を作成しています。年度始めにクラス目標と方針を話し合って決めています。園長・主任・各クラスのリーダーの合議で全体的な計画の案を作成した後、職員会議で共有して最終的に作成しています。各クラス毎に振り返りを行い、次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

法人作成の「清掃・衛生ガイドライン」に沿って、子どもの興味や発達に合わせた環境作りをしています。保育室は明るく開放的です。各保育室には室内温度計や加湿機能付空気清浄機を設置しており、外気温との差に留意して、24時間システムにより換気を行っています。ランチルームでは、好きな時に好きな場所で食事が食べられるようにしており、心地よい生活空間を確保しています。ロッカーやキッチンセット、制作スペースの配置の工夫をし、子ども一人ひとりが、自分のペースで遊んだり、くつろいだり、自由に過ごすことができる設備と空間を確保しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達過程や家庭環境に合わせ、急かす事なく、子どもの個人差を尊重した保育を行っています。ICTアプリの連絡帳を活用し、連絡帳に記載された内容を全職員が確認でき、家庭での様子を把握した後に保育に入っています。母子分離の際や、物事が思い通りにならず泣いている時は気持ちに寄り添い落ち着くまでゆったりと関わっています。聞く姿勢を大事にして、子どもの発言に耳を傾けています。泣くことで気持ちを表現する子どもに対しては気持ちを代弁して理解する姿勢で接しています。異年齢保育の環境下で、年上・年下の年齢差は自然に受け入れられ、発達年齢に芽生える興味を、お互いが刺激と感じて日々を過ごし、良い体験になっています。自分で表現が十分にできない乳児には、特に意識をして無理強いはせず、子どものペースとその時の子どもの気持ちを汲み取り、一人ひとりに寄り添う保育を行っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得は、個々の発達年齢に応じた時期を見極め、強制することなく進めています。家庭と連携を図り、子どもの主体的な意欲を尊重しながら援助を行っています。便器に座りたい、自分で靴を履きたいなどやりたい気持ちを尊重し、時間がかかっても子どもが納得できるように関わっています。衣服の着脱の際は声掛けを行い、自分でやり遂げた時には一緒に喜び、達成感と満足感を共感しています。トイレトレーニング中の子どもにはおむつにするかパンツにするかを、本人の意志で決めることを大切にして見守っています。歯磨きについてはペープサートを使って2歳児から必要性を伝え、正しい手順や虫歯について、発達年齢に合わせて分かりやすく話しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

異年齢保育を取り入れており、子どもたちが自主的・自発的な生活と遊びを育む保育を展開しています。園庭で花や野菜を栽培しており、3~5歳児は収穫した野菜を食べる機会を設けています。5歳児はコロナ禍以前、調理を手伝っていました。天気の良い日は近隣の公園に出かけますが、2~5歳児全員に、自分の行きたい公園を候補の中から選ぶようにしています。園庭には砂場や遊具・築山があり、今年度は保護者等の協力を得てひみつ基地を作り、戸外遊びも積極的に行っています。室内にはキッチンコーナーや制作スペース、段ボールやロッカーで大小様々な空間を用意しており、年齢を超えた遊びや、一人でじっくり遊び、心を落ち着ける環境を提供しています。5歳児は”子どもミーティング”を開催して、遠足の場所や育てる野菜など、行事の具体的な内容を自分たちで決める機会を設定しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児の保育室は園庭に面してテラスが設置されています。日光浴やおもちゃ遊びができ、雨天でも外遊びが可能な保育室で、発達過程に応じて玩具の入れ替えを行い、興味と関心を持つことができる生活や遊びの環境を用意しています。保育士が継続的に接することで、子どもは安心してのびのびと過ごし、保育士との愛着関係を築いています。園独自の食材チェックを作成し、保護者・担任・調理師との間で喫食状況を確認して、経験済の食材で離乳食を提供しています。食事の際、職員はマウスシールドを着用して口元が見えるようにして、安心して食事を摂ることができるように工夫しています。ICTアプリで日々の子どもの様子を配信して、家庭との連携を図っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状態に合わせて、同年齢・異年齢を問わない保育を実践しています。子どものやりたいこと・興味があることを自分でしようとする気持ちを尊重し、静観し、生活習慣が次第に身に付くように進めています。全体が見える位置に保育者を配置して、子どもが安全に探索活動を行うことができるように見守り、危険物の確認を習慣にしています。園庭の築山やひみつ基地で探索・探検する機会を多く作り、毎日の散歩や公園遊びで、保育士以外の大人や近隣の子どもと接する機会を設け、様々な社会体験を得られるように配慮しています。2歳児クラスは3~5歳児と同室で異年齢で交流しているため、自然に年上の子の真似をして、一緒に遊び、刺激を受けています。トイレトレーニングは無理強いせず、子どもの達成感や喜びを家庭と共有し、連携して進めています。ICTアプリで日々の子どもの様子を配信して、家庭との情報共有を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

2~5歳児は保育室を一緒にした異年齢保育を実践しているため、日々の保育活動において、子どもの発達過程によってお互いに刺激を受け、生活や遊びの中から子ども同士が自主的に成長していく取組を行っています。食事の後は、保育士の代わりに5歳児が1歳児の手を引いて保育室に連れていく等、年長の子どもたちが、年下の子どもを見守り、時に手を差し延べている場面が見受けられます。5歳児には”スペシャルデー”という行事を用意しています。何をしたいか意見を出し合って内容を決める段階からスタートし、自分の気持ちを相手に伝えたり、相手の話を聞いたりする過程を経て、友だちと協力してやり遂げ、多くの学びを得られるよう、保育士は適切に関わっています。「保育所児童保育要録」で子どもの特徴や園生活で経験したことなども小学校に伝えています。保護者にはICTアプリで子どもの様子を配信しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害の有無に関わらず、子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮しており、それぞれの子どもが必要とする保育援助を行っています。園行事に参加が難しい場合には、保護者と相談して参加のサポートを行い、満足感・達成感を得られるように工夫しています。日々の保育においても、専門機関からの助言を受け、その子のペースに合わせた保育を提供しています。個別指導計画の作成にあたっては、保護者の意向を含め、専門機関と連携をとり、必要に応じて見直しを行い、全職員で情報を共有して子どもの成長を支えています。職員は専門的な研修を受け、園での報告会や内部研修を実施して、職員の理解を深めています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

子どもの在園時間を考慮して、ゆったりと過ごせるようなくつろぎスペースを確保し、子ども自身が体を休めたり落ち着ける場所を作っています。通常保育だけでなく、延長保育でも異年齢で一緒に過ごしています。個別支援計画を基に子どもの生活のリズム、心身の状態を把握して、その日の主活動を調整する等、状況に応じた保育を行っています。子どもの変化は職員間で共有し、連絡票での引き継ぎも行っています。一人ひとりの様子を保護者に伝えていますが、延長保育の場合は担当の保育士が降園時の対応ができないため、遅番職員に正確な情報を記録して引き継いでいます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画・年間保育計画に就学に関する具体的な内容を記載しており、それに基づいた保育活動を行っています。以前は、小学校に行き、一年生から校内を案内してもらうことで、小学校のイメージを体験できていましたが、現在はコロナ禍で中止になっています。小学校の教員が保育園に来園し、子ども達の様子を見に来ることで、担任と子どもの状況を共有しています。就学前の12月に、他園の子どもたちとの交流会を行う予定です。遊びに来てくれる卒園児から、小学校のことを話してもらい就学に関心を持てるよう工夫をしています。「保育所児童保育要録」は、子どもの発達状況や特徴だけでなく、園生活で経験したことなども含めて記載し、施設長の責任の下に関係職員で作成しています。希望により就学に向けての個別相談を行っており、幼保小合同研修会での情報を保護者会で伝えていますが、小学校以降の子どもの生活について見通しを持てる機会は設けていません。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

法人によって健康管理マニュアルが整備されています。専任看護師が子ども一人ひとりの心身の状態や園全体の子どもの健康状態を把握しており、毎月の全体ミーティングで各クラスの病気やケガの状況を共有しています。毎月の身体測定、年2回の頭囲・胸囲の測定結果は、ICTアプリで保護者に配信しています。年2回の予防接種歴表の記入や既往歴など、健康に関わる情報は定期的に保護者から提出してもらっています。子どもや職員に必要な知識や技術については年間保健計画に基づいて看護師による保健指導や勉強会を実施し、子どもの健康に配慮した保育を行っています。健康に関する園の方針や取組は、保護者会や「ほけんだより」で伝えています。職員は乳幼児突然死症候群に関する研修を受け、保護者に、必要な情報や注意を呼び掛けています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

全園児を対象に、年2回、健康診断と歯科健診を実施して保育に反映しています。健康診断と歯科健診の結果は児童票に記載しています。保護者には看護師作成の健康診断と歯科健診の結果を配布しています。受診が必要な場合は、結果を保護者から伝えてもらっています。健診後に配慮が必要と診断された場合は、保育計画に反映して、職員に子どもの情報を共有しています。身体測定は毎月実施しており、ICTアプリを活用して記録を行い、保護者に配信しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもについては、”生活管理表”を提出し、医師との定期的な面談をお願いしています。医師からの指示をもとに、園長・看護師・栄養士・担任・保護者で現状の把握をし、園での対応や今後についての話し合いの場を設けて、適切な対応をしています。法人作成の「食物アレルギー対応マニュアル」に沿って、除去食の提供を行っています。食事の対応は他の子どもたちと色を変え、名前を記載した専用の食器類を用意し、食事場所も固定しています。担任が必ず介助に付き、誤飲食防止を徹底しています。乳児のミルクは洗浄スポンジも分けています。アレルギー疾患についての専門的な知識や技術を習得し、職員で共有しています。保護者には基本的なアレルギー疾患に関して「ほけんだより」で伝えています。子どもたちは給食が異なっていることを受け入れており、理解できる年齢になると子どもに分かるように説明を行っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

発達年齢に合わせた年間の食育計画を作成しています。給食はランチルームを利用しています。幼児は、好きなタイミングで、好きなテーブルで友だちと一緒に楽しく食べています。コロナ禍で、定量を盛り付けたトレイで配膳しているために残食量が増えています。食器は法人で定められた陶器製を使用しています。5歳児の”スペシャルデー”では、自分たちの育てた野菜でカレー作りに挑戦しました。包丁を使う練習をして調理を行い、その際に調理職員から”子ども調理免許証”をもらい喜んでいます。乳児の手づかみ食べは、食べる意欲の大切な過程だと保護者会や「給食だより」で伝えています。調理職員のサポートのもと、自分たちで育てて収穫した野菜を、昼食やおやつで提供することで、食べる一連の流れから食への関心に繋げています。毎日の昼食やおやつの写真をタブレットで掲示しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍でバイキング形式の食事ができなくなり、定量に盛り付けられた食事を自由に食べるようにしているため、一人ひとりの子どもの発育状況や体調を考慮した食事の提供が難しい状況です。ランチルームが調理室の前にあり、栄養士が子ども達の喫食状況を確認しています。子どもたちが調理室を覗いて、「今日のごはん何?」など話す機会も多く、コミュニケーションをとりやすい環境です。献立は2週間ごとのサイクルで法人から送られてきており、季節の食材や子どもたちの興味が湧く味付けや盛り付けなどは、栄養士の工夫で提供しています。行事のときは特別な盛り付けで提供しています。衛生管理の体制が確立しており、法人作成の「衛生管理マニュアル」に沿って、調理室の衛生管理は適切に行われ、常に清潔に保たれています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

その日の子どもの様子は、登降園時に口頭や連絡帳、ICTシステムによる連絡機能により情報交換をしています。日々の活動は、動画や写真添付で情報発信しており、保護者は都合の良い時に子どもの様子を見ることができます。保護者会、個人面談、運動会や季節的な行事などを保護者参加型で行い、園の保育方針が視覚的にも理解できるように努めています。保育内容はICT機能で発信していますが、記録ファイルとしていつでも閲覧できるように玄関に提供しています。日中の活動が見られない保護者のためにいつでも子どもの様子が確認できるよう、たくさんの情報発信に心がけています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とのコミュニケーションは常に大切にしています。保護者からの相談は、随時対応し、保護者がストレスなく子育てができるように努めています。相談内容の対応は、担当保育士だけでなく、園長、主任、看護師、栄養士による体制を整えています。また、相談内容により、外部の専門家による支援にも繋げています。保護者からは、「相談しやすい」「残業で時間変更する場合も柔軟な対応がある」など、高い評価を得ています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

子どもの軽微な傷や気になる様子などは、必ず保護者に確認をしています。問題を抱えている保護者には、職員間で共有し、保護者や子どもからのSOSを見逃さぬよう注力しています。保護者のストレス軽減のため必要に応じて土曜保育の援助支援も行っています。虐待の早期発見、早期対応のマニュアルを整備し、全職員の人権の研修、一日の保育活動における職員自身の自己評価、及び子どもの視点からの人権擁護チェックなどを年3回実施し、保育活動における虐待等権利侵害について継続的に意識付けを促しています。今後も引き続き、子どもを尊重する保育支援に努めていきたいとしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育内容の評価・反省については、各クラスや全体的な職員会議で行い、年度末には、総合的な振り返りや見直しをしています。子どもの主体性・自主性を育む環境づくりとして、学びを生み出す保育や安心安全な保育環境、一人ひとりの個性への理解などについて意見交換する機会を設け、「保育すること」の意識向上に繋げています。職員自身の自己評価や保護者の意見、監査結果などから課題改善の具体策を検討し、園自体の自己評価に反映しています。園は、保育士の専門的な知識を高めることはもちろんのこと、あらゆる角度から保育全般について体得の積み重ねを勧めていますが、まだ、十分ではなく、さらに保育士自身の主体性・自主性を高める人材育成の取組を強化していきたいとしています。