社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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グローバルキッズ白根保育園

2023年12月19日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 グローバルキッズ白根保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60名(利用人数:60名) 名
所在地 241-0005
横浜市旭区白根5丁目13-1
TEL 045-952-3500 ホームページ https://www.gkids.co.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社グローバルキッズ
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:9 名
専門職員
園長:1 名
主任:1 名
保育士:15 名
保育補助:2 名
調理補助:3 名
施設・設備の概要
保育室:6
トイレ:6
調理室:1
事務室:1
ホール:1
沐浴室:1
調理室:1
調乳室:1
休憩室:1
教材庫:1
エントランスホール:1
倉庫:2
備蓄庫:1
バギー庫:1
園庭:あり(72.15㎡)

③ 理念・基本方針
(企業理念) 子どもたちの未来のために
(保育理念) 豊かに「生きる力」を育てる
(保育目標) 1、 何事も楽しむ子
       2、 自分で考え、行動する子
(保育方針) 1、 子どもも大人も楽しい保育   
       2、 子どもの考えや行動を尊重し、見守る保育

 ・子どもたちの「やりたい」気持を受け止めて様々な経験を可能にできる環境を設定した保育を行う。
 ・子どもの気持を尊重し、話を聞く。
 ・保育者が子ども達の手本としての態度をとる。(表情や行動)
 ・チームで助け合い、笑顔が増える保育をする。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園は最寄駅からバスで10分程度の住宅街にあるため、近隣住民の在籍率が高い保育園です。近くには公園や、自然環境も多く子どもたちが小さな興味から遊びを創り出す日常があります。子ども達の育ちを見守ることを大切にしながら下記の取り組みを行っています。

異年齢保育の充実・・・デイリーノートを共有することで、活動へのヒントや個々の育ち、興味、課題など施設長も含め全体が理解し子どもと向き合う取り組みになっています。今年度は、職員が活動を決めがちな日常に子どものつぶやきや、仕掛けを工夫することで活動のスタートから展開そして次への継続などWEB保育を取り入れ始めました。

保育と食育の連携強化・・・園庭野菜の栽培に子ども達の気づきや疑問を取り上げたり、堆肥を作り成長につなげたり、連携園の取り組みや地域の意見などから知識を広げ継続的に食につなげています。今年度より、グローバルキッズ専用の田んぼで給食用のお米の栽培が始まり、自園で案山子づくりや看板、農家の方への手紙づくりなどに取組み、田んぼの状況なども変化があるごとに子どもたちと共有しているところです。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/05/09(契約日) ~2023/12/12(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)子どものサポートに徹する保育
職員は子どもたちの発見となる仕掛けを日々工夫し、幼児は子ども主体のweb保育に取り組んでいます。テーマに対し、子どもたちの考えや発見を展開させ、文字に起こして見える化していきます。自分の意見をなかなか言えない子どもでも、職員が個別に意見を聞いて受容し、共感することで自信を付けていきます。日々の生活の中で職員は細かな声かけを控え、子どもが考えて行動し、新しい発見をすることのサポートに徹しています。子どもが自身で考え、行動する力が自然に身につく保育を行っています。

2)職員の育成環境の充実
法人から職員のグレードによる研修参加の要請はありますが、園では内部研修に限らず、外部研修の情報を提供し、職員が積極的に受講できる体制を整えています。研修受講のための就労環境に配慮し、職員の知識・スキルの習得にできる限りのバックアップを行っています。研修は常勤職員だけでなく、非常勤職員においても就労状況により研修を受けることができます。

3)積極的な地域の子育て支援
園長は横浜市私立保育園こども園園長会の旭区地区委員として地域の福祉ニーズを把握し、ニーズに沿った子育て支援の取組を積極的に行っています。「子育て支援担当」を設け、就学前の親子を中心に「身体測定・大きくなったかな」や「園庭開放」「交流保育」その他、年3回の育児講座や参加した子どものお誕生会を年4回設けるなど、参加親子からいつも好評を得ています。直近の子育て講座は離乳食相談で、栄養士がわかりやすく説明しました。園では今後も多様なニーズに対応できる地域貢献を引き続き進めていきたいとしています。

4)ボランティア受け入れマニュアルの整備
絵本マイスターによるボランティアが毎月来園し、子どもたちも楽しみにしています。しかし、ボランティア受け入れのマニュアルは改善が必要と考えています。今後は体験学習など学校教育の協力を進めていくうえで、園の受け入れに対する基本姿勢を明確にし、トラブルや事故がないようにお互いの理解のもとで実施することが望まれます。また、実施後に明らかになった課題などについて職員間で話し合い、マニュアルに追記してくことも期待されます。

5)中期計画、事業報告・事業計画策定の改善
事業計画・事業報告から中期計画に連動し、反映させていくシステムが十分ではありません。園は中期目標の達成に継続する体制を確立していますが、それぞれの内容が保育活動に特化しており、保育所全体の質の向上に反映させていく内容としては十分ではありません。今後の課題として保育所全体の環境構成の見直しを職員参加で行い、中期計画達成につなげる事業報告・事業計画の策定が望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 開園10年目を迎え、社会における保育園の在り方や保育の考え方の変化が激しくなる中での第三者評価受審となり、気付きをたくさんいただくことが出来ました。
 全職員が保育を振り返る中で評価をしていただけたことも多く、次の目標へチームとして挑む課題も見えてきたと感じております。
 運営部分に関しては、職員間のコミュニケーションを増やしながら園全体で取り組むことを意識し理解を深めていきます。また、子育て支援や地域交流、地域支援につきましてはこれまで通り社会に溶け込む保育園を目指して積極的に計画を立て実践していきます。

 そして引き続き、グローバルキッズ白根保育園で大切にしている異年齢保育や人との関りで育ちあう姿を、運営や保育そして地域で支え合い、子どもたちの未来のためにつなげることを今後も意識してまいります。
 利用者様とはコミュニケーションを深め、保育園に参画していただける機会も増やしていき信頼関係を築くことを大切にしていきたいと感じております。

 今回の第三者評価の受審に際し、ご尽力いただいた評価機関の皆様、利用者アンケートに協力いただいた保護者の皆様に心より感謝申し上げます。

 本当にありがとうございました。
                  グローバルキッズ白根保育園 施設長 森香織

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念や基本方針は、園内の文章やパンフレット、ホームページなどに明記しています。法人、及び保育所の目指す方向や考え方は、利用案内の資料や重要事項説明書などに示しています。全職員が必携するコンセプトブックには、企業理念、目指す人財、保育理念、クレド、大切にする姿勢など、保育に関わる職員としての心構えを具体的に明記しています。園長は、職員の保育業務や自己評価などで職員の理解を確認しています。保護者には、アプリケーションソフトでの情報交換、懇談会、行事などで、理念や基本方針に沿った保育活動を伝えており、さらに理解を深めていきたいとしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業全体の動向については、法人が把握し、分析した情報は全社会の会議で報告されます。園長は、横浜市私立保育園こども園園長会の委員として月1回の定例会や年2回開催の全大会に出席し、地域の福祉計画全体の情報を把握しています。それに伴い、園の経営環境を法人運営担当とともに協議していますが、職員との共有に課題があります。園全体のコスト分析や子どもの利用率などの分析は毎月行い、法人に提出しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人全体の経営状況は、法人が一括して行い、現況報告は、オンラインやメールで各施設に配信があります。園長は毎月、法人の「事務連絡会」に出席しており、組織的な経営状況や改善すべき課題を共有し、会議内容は職員会議で周知しています。具体的な取組の職員理解に課題があります。経営課題の解決・改善には100%の入所率を確保することとし、継続的な取組で進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人策定の中期経営計画を基に園の中期計画を策定しています。策定の手順は、保護者の意見、職員のグレード別の自己評価の結果を集約し、園の自己評価として事業報告・事業計画につなげ、中期計画に継続できる体制を確立させていますが、それぞれの内容が保育活動に特化しており、園全体に反映させる内容としては十分ではありません。今後は、職員参画のもとで園運営全体を見直し、数値目標や具体的な成果の設定などを明確にした中期計画の策定が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中期計画に反映した単年度の事業報告・事業計画を策定しています。実行可能な内容としていますが、保育活動を重点的に設定しており、園全体の現況における「事業報告・事業計画」とするには、内容が十分とは言えません。事業報告から事業計画の内容は具体的な成果を設定し、評価・見直し・改善を繰り返しながら中期計画の達成につなげる組織的なシステムづくりが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の策定は、保護者や職員の意見を集約・反映のもとで園長を中心に策定しています。年度末にまとめ上げ、職員には、今年度の事業計画として会議で説明しています。事業報告・事業計画策定は、職員が園の現況を把握する機会であり、職員全員で運営項目についての意見交換を行いながら策定することが望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画の主な内容、特に保育内容については、懇談会や園だより、メールを活用して周知しています。事業計画内容の保育計画を重点的に伝えていて、保護者からは評価されています。玄関ホールには中期計画、事業報告・事業計画など、必要な園情報をファイルしており、保護者はいつでも閲覧することができます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育活動の内容については、組織的に評価を行う仕組みができています。全体的な計画に沿って、年間指導計画、月案・週案・日誌プログラムに職員の評価・反省が記載され、園長が必ず確認をしています。年1回、法人で定められたフォーマットで職員自身の自己評価を実施しています。第三者評価も定期的に受審し、評価結果による課題・検討は園長中心に行っています。今後、園の運営全体にPDCAサイクルを正しく活用し、組織的、効率的に進めていきたいとしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保育活動の評価結果については、職員間で共有し、職員の参画のもとで改善計画を作成していますが、園として取り組む課題については、職員の意見などをまとめて園長・主任で作成しています。園の課題を計画的に実施する体制はまだ十分ではないとしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長としての役割と責任については、運営規定に明確に記載され、園だよりに園長の思いとして「園長コラム」を掲載しています。有事における権限委任については「災害時職員役割分担表」で明確にしており、それぞれの職員が理解しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人は、フェア取引宣言を表明しています。園長は取引業者や行政と適正な関係を保持しています。「施設長レクチャー」があり、職員のマネジメントを中心に保育園運営の管理や園の責任者としての方法論を学んでいます。横浜市の資源循環局の出前教室で、職員、在園児、近隣の子どもたちが、ごみ・リサイクルについて毎年、学んでいます。職員はコンプライアンス研修を受け、遵守すべき法令を理解しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園の自己評価を定期的に実施し、課題や必要な改善を把握しています。職員は、毎月、姉妹園9園でオンラインによる勉強会に参加し、保育現場での実践状況の評価や課題について意見交換を行っています。また、積極的に取り組んでいる他園の見学会など、演習研修にも参加しています。今後は、勉強会に参加できない職員も共有できる環境にしていきたいとしています。引き続き、職員の研修を重ね、適切な指導と必要なサポートが期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

基本的な人事・労務・財務は、法人中心に行われていますが、園における人員配置・就労環境整備などは、職権の範囲内で取り組んでいます。変形労働時間制を導入し、公平な労働時間の調整を行っていますが、まだ、十分ではなく、さらに工夫が必要だとしています。園長は、保育現場に参加し、現状の把握から改善に向けての取組に努めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材に対する基本的な考え方や人材確保・育成については法人中心に行われ、方針も確立しています。人材確保に関しては、法人と同様に園独自においても就職フェアやお友達紹介制度の導入、学生アルバイトからの延長、養成校とのつながりや園外に求人募集のポスターを貼るなど、積極的な取組を行っていますが、社会問題とされる保育士不足の対策にはさらに工夫が必要だとしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は「目指す人財」として「輝いた大人」を表明し、職員必携のコンセプトブックなどにも明文化しています。総合的な人事管理は法人が中心となっています。就業規則に人事基準について明記しており、職員は理解しています。職員の意向や意見は、定期的に実施する「輝き度調査」、「意向調査」、異動や契約内容の希望などを把握し、検討します。職員のグレード一覧により、必須研修や希望する研修など、自己研鑽の機会も推奨しています。成長支援制度により、本人の目標設定シートを作成し、段階的にレベルアップに繋げていますが、まだ十分ではなく、さらに進めていきたいとしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

土曜勤務、有給休暇、就労時間の軽減や希望を加味した月ごとのシフト調整を行っています。職員の健康・安全管理に配慮した職場環境に務め、必要に応じたサポートシステムも整えています。定期的に個別面談を行い、本人の意向や意見などを聞く機会を設け、職員のメンタルヘルスケアにも配慮しています。職員がいつでも相談しやすい環境に努めていますが、まだ十分ではないとしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

成長支援制度による職員一人ひとりの目標管理体制が整備されています。目標設定をもとに、本人のスキル・課題に応じた研修受講を推奨し、受講対応のシフト調整を行っています。進捗状況の確認として、目標期限の中間に面談をし、必要に応じて助言や指導を行っていますが、園長は、一人ひとりに対する適切な指導がまだ十分ではないとしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

育成に関する基本方針や計画は法人が策定しています。職員のグレードによる研修計画が作成されており、必須研修・専門選択研修など、個々のスキルや希望により受講することができます。定期的な計画の見直しは、法人が行います。園では、職員の育成の結果から、より効果的な研修に参加できるように配慮しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

人事管理は、法人が行っていますが、職員のグレードは園においても把握しています。新任職員、経験の習熟度に合わせた配置を行い、各クラスでOJT的な助言・指導が行われています。グレードによる研修は、法人から参加要請がありますが、内部研修に限らず、外部研修の情報を提供し、職員が積極的に受講できる体制も整えています。研修は常勤職員だけでなく、就労状況により非常勤職員においても研修を受けることができます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生受け入れのマニュアルを整備し、基本姿勢を明文化しています。学校や実習生の要望により、効果的なプログラムを作成し、実習中は、コミュニケーションを密に取りながら助言や意見交換を行っています。実習期間中には学校担当者が実習状況を視察し、必要に応じてプログラムの見直しも行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人ホームページには、企業理念、事業内容(各保育園の取組)について公開しています。予算・決算情報も法人が一括して公表しています。園では、保護者や園見学者向けに事業報告・事業計画・園の自己評価などの閲覧ファイルを置いています。第三者評価の受審・苦情の体制や内容については重要事項説明書に記載し、受審結果は「WAM NET」のホームページ上に公開されます。苦情解決の結果は、個人情報を除き、施設内で公表するとしています。地域には、関連機関に保育内容や子育て支援の取組を配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務・経理・取引に関しては、各種規定に沿って公正、かつ、適正に行われています。「運営規定」「業務分担表」などに職務分掌と権限・責任を明確にし、職員に周知しています。法人による内部監査や外部監査が実施され、園の指摘事項については、職員間で把握し、改善に向けて取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員必携のコンセプトカードには、地域との関わりについて「職員・親子・地域に最も信頼される存在になり、子ども達と学びの社会インフラになる」としています。親子が利用できる情報の掲示や資料を置いて参加を推奨しています。子育て支援担当を決め、 「旭子育てまるしぇ」への参加、絵本の貸出し、園庭開放、年3回の育児講座など積極的に行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

毎月「絵本マイスター」による読み聞かせのボランティアが来園し、事前のオリエンテーションを行っています。園では学校の体験学習などを積極的に受け入れていきたいとしていますが、マニュアルの整備や基本姿勢等が明文化されていません。今後、保護者・子ども・職員やボランティアなどへの事前説明、および、実施記録などを含めたマニュアルの整備が望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

関係機関や団体のリストを作成し、職員間で共有しています。園長は横浜市私立保育園・子ども園園長会の旭区委員として参加しており、月1回の定例会、年2回の全大会に出席しています。その他に区の資源循環局や療育センターなどと、協働の取組を行っています。見守りが必要とする子どもについては、職員間で共有し、必要に応じて行政や民間の支援施設と連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

運営委員会を年2回開催しています。保護者、地域コーディネーター、エリアマネジャー、園長、主任の参加構成員により、園の現状について、意見交換を行っています。また、地域コーディネーターから最新の教育現場などの情報を得ています。園長は旭区委員として地域の福祉ニーズなども把握しており、ニーズに沿った子育て支援の取組を積極的に行っています。就学前の親子を中心に年3回の子育て講座や、参加した子どものお誕生会も年4回設けており、好評を得ています。近々の子育て講座では、離乳食相談を栄養士がわかりやすく説明しました。今後も多様なニーズに対応できる地域貢献を引き続き進めていきたいとしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

勤労感謝の日に地域の郵便局、スーパー、ごみ収集員、クリニックなど、日頃お世話になっている地域の人たちに感謝の気持ちとして、子どもたちの手作りカレンダーやメッセージカードを届けています。絵本の貸し出し、育児相談、近隣の他園との協働イベントなど、子育て支援を積極的に行っています。AEDの設置をしており、地域住民への周知もしています。今後は、地域住民との共助に繋がる防災対策や災害時における支援の工夫が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

全職員に「保育者実践ガイドブック」が配布されており、子どもを尊重した保育の実施について職員が理解し実践するための取組が行われています。園ではデイリーノートで子どもたちの情報を共有し、子ども一人ひとりの個性を尊重しています。外部研修に参加した職員は研修資料をまとめ、他の職員へ配布して内部研修を行っています。他園で起きた不適切な支援や事故について職員間で意見交換をしています。幼児で行われているweb会議では、お互いを否定しないことが約束され、守られています。乳児では、おもちゃの貸し借りのやり取りでお互いの思いを認め合うことが出来ています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシーに配慮し、着替え時にはカーテンを下ろし、シャワーを行なう時期は目隠しを設置する等、外から見えないように配慮がされています。看護師が幼児を対象として男の子と女の子の体の違いやプライバシーを含んだ保健の学びを行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園の理念、基本方針、保育内容や園の所在地を記載した園のパンフレットを区役所の保育課に置き、パンフレットとは別に園のパネル紹介も区役所に掲示されています。園のホームページは定期的に更新されています。地図や子どもたちの日々の活動がわかる写真が掲載されており、誰にでも見やすくわかりやすいものとなっています。園の見学申し込みは、保護者から直接連絡があり、個別に行われています。入園前の説明会の後、個別面談で質問に応じています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園説明会では、重要事項説明書の内容を園長、保育士、栄養士より説明しています。説明後に各項目の確認欄にチェックを付け、同意書に署名をした書類を園へ提出してもらっています。入園までに準備が必要な物品や登録等の資料は、わかりやすいようイラストで手順を記載しています。園の申し込みの際に保護者の意向や思いなどを記載してもらい、個別面談を行っています。特に配慮が必要な保護者への説明については都度個々に対応しますが、ルール化はされていません。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

卒園にあたり、保育の継続がおこなわれるよう児童票をもとにした保育要録を卒園先に渡しています。転園の際の引き継ぎ文書は特に定めていません。転園、卒園した子どもや保護者が相談できるように口頭で説明は行っていますが、その内容を記した文書は作成していません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子ども主体のweb会議は、子どもたちの思いや考えで活動しています。自分の言いたいことややりたいことが反映され、積極的に意見を言える子どもが増えています。自分の意見を言えない子どもは個別に職員が意見を聞き、認めてくれることで笑顔が増え、個々の成功体験へと繋がっています。保護者に対し、行事ごとにアンケートを行っています。年2回行なわれる運営委員会やクラス別懇談会で保護者の意見等を聞く場が設けられています。利用者満足に関する調査の担当者等の設置や、把握した結果を分析・検討するための整備はありません。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制が整備され、重要事項に苦情解決責任者、相談・苦情受付担当者、第三者委員や受付方法について明記されています。保護者には入園前説明会で周知されています。事務室前に意見箱と苦情記入用紙が設置されており、いつでも申し出をしやすいように工夫されています。苦情を受け付けた際は保護者にフィードバックしていますが、公表はされていません。苦情内容についての受付と解決を図った記録は十分ではありません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談したり意見を述べたりする際は、園の苦情担当者等や意見箱を通して申し出ることができます。玄関に苦情・相談窓口の担当者や各機関の電話番号が掲示されています。重要事項説明書に「保育内容に関する相談・苦情の受付」について明記されており、入園前説明会で保護者に周知しています。保護者からの相談等がある際は空き教室を利用し、プライバシーが守られる環境に配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者の様子を観察し、いつもと違う様子であれば声かけを行うなど相談しやすいような関係性を築く努力をしています。玄関に意見箱を設置し、行事ごとにアンケートを行って、保護者の意見を把握しています。把握した意見は職員会議等で周知、検討し保育の質の向上に努めています。保護者からの相談や意見を受けた際の記録方法や報告の手順、対応策の検討等について定めたマニュアルは整備されていません。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントの責任者は園長であり、法人に委員会を設置しています。他園で発生した事故を取り上げ、自園で課題はないか職員間で話し合いが行われています。怪我や事故が発生した際は記録し、再発防止の話し合いが行われています。毎月、各クラスでまとめたヒヤリハットを全職員に回覧し、検討しています。安全マイスターを職員から選出し、外部研修受講後にフィードバックしています。危険個所に目印がされたお散歩マップが掲示されており、保護者とも共有されています。安心安全を保護者は評価していますが、さらに事故発生時などの手順を明確にしたマニュアルの作成が望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

嘔吐処理マニュアルや横浜市で発行されている感染症ガイドラインは全職員に周知されており、研修も行われています。感染症が発生した際はマニュアルに沿って適切に行われています。また、玄関に感染者の発症日、クラスや人数を掲示し周知しています。毎日ピューラックスでテーブル、床や棚等を拭いており、適切に予防策が行われています。体調不良による欠席者が多い際は、園の配信アプリで保護者へ欠席状況を知らせています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時対応マニュアルにて対応体制が決められており、掲示されています。様々な想定の避難訓練を毎月実施しており、年に1度、保護者の引き取り訓練が行われています。園の避難場所がわかる「すぐメール」「災害伝言ダイヤル」「GK災害ナビ」等で子どもや保護者、職員の安否確認ができます。防災会議が行われ、避難リュックの中身の確認をしています。消防署に安全教室を依頼し、子どもと職員が一緒に学んでいます。職員は心肺蘇生の研修に参加しています。防災計画は整備中です。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

「GK保育」「保育者実践ガイドブック」に標準的な実施方法が適切に文書化されており、全職員に配布されています。子どもの尊重については明記されていますが、プライバシーについては整備されていません。職員は標準的な実施方法について、入職の際や階層別等の研修に参加しています。全体計画、年間指導計画、月案や週案に基づき、個別保育を実施しています。個別保育について「デイリー」を活用し、職員間で共有しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法の検討や見直しを毎年度末に行っていることを口頭で確認しましたが、文書で確認することはできませんでした。現在、異年齢保育へ変更している時期で目標を立てた時期と変わっていますが、目標に近づく努力をしています。職員の辞職もあり、乳児も異年齢保育に変えています。保護者の意見は職員会議で周知し、検討しています。検討した結果を保護者へ報告しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

入園前、保護者に児童票の一部を記載してもらい、それをもとに園長、保育士、栄養士等と面談を実施し、個別計画が作成されています。全体的な計画は各クラス担任と協議して作成しています。各計画書はクラス会議や乳児会議、幼児会議等で共有され、振り返りが行なわれていますが、明確な手順等は十分ではありません。支援困難ケースへの対応は、行政と連携することが出来ています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画の見直しは、年間指導計画・月案・週案・日誌の各指導計画期間の終わりに各クラスごとに計画の評価・見直しを行っています。指導計画作成後は園長・主任・他の職員も確認を行い、意見交換を重ねながら職員共有で指導計画をまとめ上げています。計画内容を緊急に変更する場合、特にデイリー活動では、職員間で話し合い、子どもの「今の思い」を大切にしながら変更しています。園では意見交換の場をさらに増やしていきたいとしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況や生活状況などは、法人で定めた児童票や個別経過記録に記録しています。児童票には、子どもの成長・家庭状況などを記載し、個別経過記録には、子どもの様子や実施方法などを記載しています。記録内容に差異がないように書き方のマニュアルがあり、必要に応じて上長からの助言も行われます。必要な情報が的確に届くよう、園長中心に主任や担任で確認し、職員会議で情報共有をしています。また、コンピューターネットワークや記録ファイルなどは、ネット上の共有システムを活用しています。さらに充実化していきたいとしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の個人情報管理規定により、記録の管理体制は確立しています。個人情報管理責任者を置き、不適切な利用や漏洩の対策として「情報漏洩事案等対応要領」を定めるなど、個人情報・個人データの管理を徹底させています。記録の管理は園長が担っており、廃棄・保管は記録内容により期限を定めています。年1回全職員の「個人情報取り扱いについて」の研修があり、さらに受講後のテストにより、理解度が確認されています。保護者には、入園時に「個人情報に関する案内兼同意書」を配布し、説明を行い、同意書を交わしています。 


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、園の保育理念や保育目標に基づいて作成されています。法人の行動規範をもとに、各クラスの職員は年度初めの会議で「やるべきこと」「やってはいけないこと」を決めて保育にあたり、全体的な計画作成に直接携わっています。全体的な計画の保育方針に沿い、子どもの感情や考えを共感、受容し見守る保育を行っています。長時間にわたる保育では、寒暖差による温度設定や水分補給等を行い、子どもの体調を保護者へ伝達するよう明記されています。年度末に前年度クラスと新年度クラスの引き継ぎを兼ねて全体的な計画の評価、振り返りを行っています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

室内には温度・湿度計が置かれ、マニュアルに沿った室温になるよう配慮されています。エアコンのリモコンに室温を貼付し、職員がすぐに室温調整できるようにしています。乳児教室はマットを敷き、子どもがくつろいで過ごせる環境となっています。幼児教室は天蓋やソファーが設置され絵本がおいてある等、一人で過ごしたい子どもやくつろぎたい子どもの空間が作られています。パーテーションで遊びの空間を分ける等、子どもたちの遊びの空間を作っています。トイレは毎日掃除を行い、衛生管理に努めています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの発達や個人差を把握し、考えや感情を共感し受容しています。職員は子どもたちが様々なことを発見し、興味を持ち、自ら選択できるような環境作りを行っています。職員間で情報共有し、子どもたちに考えのヒントを与えています。表現する力が不十分であったり、人前で意見を言うことが苦手な子どもには、せかしたりせずに職員と1対1で個別に思っていることを聞き、思いを汲み取っています。子どもの考えていることや思っていることを共感、受容することで自信を持つようになり、みんなの前で意見を言うことができるよう目指しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

年齢によってではなく、一人ひとりの子どものやりたいという気持ちを大切にしています。乳児クラスでは、衣服が入っているカゴに子どもの顔写真を貼り、自分の服が入っていることを自然に覚えられるようにしています。職員は子どもが巾着の中に服をたたんで入れる際に、子どものやりたい、やりたいけどできない、のサインを見逃さないようにしています。一人ひとりの子どもの生活リズムで食事や午睡ができるよう配慮し、デイリーを活用して体調による生活リズムの違い等を職員間で共有しています。トイレのスリッパを揃える位置を足形から区切りをつけることに変更すると、子どもたちが自主的に枠内に揃えるようになる等、子どもたちが理解し生活習慣を身に着けることができるよう日々努めています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

幼児は子どもたち主体のWeb会議を行っています。やりたいことについて実現できるよう意見を出し合っています。運動会で皆が楽しむためにはどうしたらよいか等、大きなことから小さなことまで話し合って決めています。子どもたちの中で意見が出しづらい際は職員間で話し合い、散歩中や生活の中で気づきが生まれるよう配慮しています。異年齢保育では、幼児が専用のエプロンを着けて乳児の教室へ行き、お世話をすることもできます。園内で育てているメダカの世話やバケツ稲、野菜の栽培に興味のある子供たちが参加しています。近隣保育園の子どもたちと一緒に公園で遊んだり、リズム遊びを通して交流を図っています。散歩中に拾った木の実や葉などを制作で利用し、一人ひとりの子どもが技法や素材を選び取り組んでいます。月1回、地域の方が絵本の読み聞かせをしてくれます。行事では、近隣商店街の方や出入りのある業者との交流もあります。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの日々の体調や成長に合わせて睡眠時間を設け、ゆったり過ごすことができるよう個別対応しています。0歳児の職員は入れ替わりをせず限定的にする等の配慮をしています。職員は子どもの表情から思いを読み取り、気持ちに寄り添った柔らかい声かけを意識し、スキンシップを大切にしています。ふれあいわらべ歌を職員同士で教え合い、活用しています。発達によりつかまり立ちの高さを変えたり、壁に仕掛け玩具を設置して子どもが興味を持った時に触れらるような環境を用意しています。歩き始めの時期は段差になるマットを活用して運動ができる環境を用意しています。食事面では、離乳食の進め方を家庭と連携して行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

月案や週案に沿って計画的に保育を行っていますが、子どもたちがしたいと思っていることとずれていないか、反応を見ながら柔軟に活動を変化させています。子どもが自発的な活動ができるように必要以上の細かい声かけは控え、自我の育ちを見守る、気持ちに寄り添った関りをしています。日常的に異年齢との関りや資源循環局のごみ収集の方、行事の際は近隣店舗の方、消防士などとの交流の機会を設けています。コーナー遊びでは、ごっこ遊びや一人で集中できる場を設けおり、一人ひとりの思いを大切にしています。保護者から口頭や連絡帳等で受けた家での様子を職員間で共有し、食事時間を早めたり午睡時間を長く取る等、柔軟に対応しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

異年齢保育では、年齢は関係なく子どもが興味関心のあることに取り組める環境を用意しています。子ども同士で話し合いをしたい際は、廊下に設けられている話し合い専用のスペースで子ども同士が落ち着いて話をすることができます。行事では、子どもたち主体のWeb会議で意見を出し合い、皆で協力して取り組んでいます。配慮が必要な子どもは職員間で共有し対応しています。異年齢保育、Web会議や食育等についての取組はクラスだより等で保護者へ発信はされていますが、地域や就学先の小学校等までは伝えられていません。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園内はバリアフリーで多機能トイレやエレベーターの設備があります。現在、障害児として認定されていない子どもに対して職員間で情報を共有し対応しています。巡回相談で実際に子どもの様子を見てもらい、かかわり方等のアドバイスをもらっています。職員は横浜市やキャリアアップ研修に参加し、知識や情報を得ています。保護者から子どもの言語や発音に関する相談があり、個別面談で関係機関を紹介し、言葉のトレーニングへ通うことになった事例があります。保護者が民間の発達支援施設に申し込み、園に施設職員が対象の子どもの様子を月2回見に来ています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育時間が長くなる子どもは休息時間を設け、延長保育の時間にソファーで等でゆったり過ごせる環境を整備しています。夕方、お迎えを待っている子どもの抱っこの求めに応じて不安を軽減しています。全年齢が一緒になる延長保育の時間帯は、子どもが幼児教室から小さいおもちゃを持ち込まないようにルールを定めています。廊下に出て遊ぶ際は、必ず見守りの職員が1名廊下に出てドアの開け閉めや移動時の人数チェックをして安全に配慮しています。習い事で早めに帰宅する子どもには午睡時間をずらし、早めにおやつを提供する等の配慮をしています。子どもの状況を保護者へ伝える内容は壁にメモを貼付して共有しており、健康観察記録に赤字で記載されています。他職員を中継せず担任から直接保護者へ連絡した方が良い内容は、専用アプリで連絡しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中に小学1年生との交流や学校体験参加等の記載があり、就学へ向けた保育が行われています。近隣の小学校の通学路を散歩コースに取り入れて危険が潜んでいる場所などを確認しています。警察と連携し、交通安全教室に参加しています。小学校の図書館を利用する等の機会が設けられており、保護者へも伝えられています。職員は幼保小会議や研修に参加し、就学へ向けた小学校との連携を図っています。子どもが一人で傘を閉じることができるか、ストローを使用して飲み物を飲むことができるか等、小学校の先生から聞いた情報や放課後キッズの情報を懇談会で保護者へ周知しています。各年度で作成された児童票をもとに保育所児童保育要録を作成しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理に関するマニュアルがあり、看護師が立てた保険計画があります。入園前に児童票を保護者に記入してもらい、面談で一人ひとりの子どもの健康状態の把握に努めています。アレルギーや慢性疾患を持っている子どもについては、職員会議で周知・共有しています。子どもの体調やけが等については登園時に保護者から情報を聞き取り、関係職員で共有しています。園で負った怪我等については、翌日保護者に事後確認を行い、健康観察記録に赤ペンで記載して職員間で共有しています。保護者や職員が子どもの健康に関して注意する点が園の玄関に掲示されています。また入園前に同様の資料が配布されています。SIDSに関するリーフレットを入園前に保護者へ配布しています。乳児の午睡中にはブレスチェック専門の職員を配置し、子どもの様子を見守っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断、身体計測や歯科健診の結果は「けんこうのきろく」に記載され、職員会議で周知されています。健康診断や歯科健診の結果は小児科嘱託医や歯科嘱託医の話を添え「ほけんだより」等で紹介されています。また、「けんこうのきろく」や所定の用紙に記載し、保護者に伝えています。コロナ感染症対策から、食後の歯磨きは口にお茶を含むことで歯磨きの代わりにしていることを保護者へ周知しています。年度末に「けんこうのきろく」を家庭に渡す際、保護者が子どもの成長を感じられるように、紙テープを子どもの一年間に伸びた身長の長さに切って添付しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

厚生労働省より出ている「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に沿って適切な対応を行っています。園では基本、給食に卵を提供していません。アレルギーの診断がおりている子どもは除去食を提供しています。アレルギーのある子どもは入園前に所定の用紙を提出してもらい、保護者と個別面談を行い、調査記録表に記録しています。食事の提供時、乳児は椅子やテーブルを他の子どもとは分けて用意しています。他の子どもが見ても分かるように、アレルギー対応食は色別の専用食器を使用しています。アレルギーの子どもに必ず職員が1人付いています。対応を行う職員は、専用のエプロンを着用し、他の職員と区別しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食に関して子どもが自然に知識や経験が積めるよう、栄養士と一緒に翌日の昼食メニューを三色食品群分けしています。子どもが落ち着いて食事がとれるよう、教室とは別に食堂があります。1歳児でも体力のある子どもは2歳児と一緒に食事をとっています。幼児は食べたいと思う時に食堂に向い、食事前にボードを見て、空いてる席にマグネットを貼って席を決め、バイキング形式で食事をとっています。子どもや保護者が興味を持ったレシピは玄関に置いて提供しています。子どもが食に興味が持ているように食材を視覚や触覚、嗅覚を感じる機会を設けています。月一度、職員、栄養士や調理職員で会議を行い、給食や食育の進め方を計画しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

乳児の離乳食は別に献立が立てられ、家庭と連携し、一人ひとりの発育状況に合わせて調理の工夫をしています。各クラスの担任は、一人ひとりの子どもの好き嫌いや摂取量等を把握しています。喫食状況は毎日各クラスから栄養士へ報告があげられています。栄養士は喫食状況や検食簿をまとめ、大きく食べづらかった食材は小さく切ったり等し、調味料も工夫しています。季節行事の際、節分では鬼の形をしたご飯、ハロウィンではオバケ型の人参を添える等、見て楽しめるメニューとなっています。幼児の配膳時には調理師がいて、子どもたちの食事の様子を見たり直接話を聞いています。給食マニュアルに基づいてピューラックスを浸したものでテーブル等を拭き、衛生管理に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児の情報交換は毎日連絡帳で行い、幼児は、ドキュメンテーションで配信しています。幼児クラスは、異年齢保育の活動をしており、その日の子どもたちの参加により、3グループ、2グループに分けた活動を行っています。その様子は毎日配信しており、子どもたちの全容を把握できるようにしています。また、必要に応じて送迎時に口頭で情報交換を行いますが、電話やメールで知らせる場合もあります。懇談会や個人面談では、動画を流し、説明を加えながら子どもたちの成長を共有しています。その他に保育参観、年2回の個人面談、運営委員会や行事・活動内容の狙いなど、機会あるごとに子どもの成長を伝えています。保護者アンケートでは「もう少し子どもの様子を話してほしい」との要望もあり、保護者との情報交換をさらに丁寧に行っていきたいとしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々のコミュニケーションでは保護者に寄り添い、共感し、そして共有することを大切にしています。特に乳児は月齢により、成長が大きく異なるため、一人ひとりの成長に合わせた相談や悩みなどにしっかり寄り添いながら子育てを支援しています。年2回の個人面談の他にいつでも相談が受けられる体制を整えています。相談内容によっては保育士だけでなく、園長、主任、栄養士、調理師や外部の専門家の援用支援を行う体制も整えています。相談内容に対する支援対応、および、経過観察について詳細を記録し、記録内容は、職員で共有しています。 相談はプライバシーに配慮して静かな場所で行っています。園では、さらに保護者との信頼関係を深めながら、ともに子どもの成長を見守りたいとしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待のマニュアルを整備し、発見時の手順や対応を職員間で共有しています。虐待の可能性がある場合は、定められたフローチャートを基に虐待発見時の記録や写真・情報共有・関係機関への連絡・経過観察などの体制が出来ています。子どもの長期欠席や、連絡がなく未登園の家庭には電話をかけて状況を確認しています。保護者の精神面や生活面などを把握し、土曜日保育の支援も行っています。個別に見守りや支援の方法を変えながら虐待の早期発見・早期対応に取り組んでいます。各職員は虐待の知識や理解を深るため人権について内部・外部の研修を受講し、人権養護のためのセルフチェックや不適切な保育支援について、定期的に自己評価で確認しています。虐待が疑われる場合は、速やかに子ども家庭支援課などの関係機関に繋げる体制が出来ています。重要事項説明書に虐待など権利侵害について、園の方針を明記しています。虐待防止についてのお知らせを配布したり、虐待防止月間に職員がオレンジリボンを着用することで啓発しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

発達年齢に合わせた年間指導計画、月・週・日誌の各指導計画に保育のねらいと内容、環境構成、予想される子どもの姿・配慮などの項目を明記し、各指導計画ごとの評価を行っています。「保育所保育指針の幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」と理念・保育方針の視点を捉え、発達状況に合わせて、子どもたちが主体的に発展できたか、保育者の配慮が適切だったかなど、保育士の自己評価を行い、保育実践に向けた自身の意識向上に繋げています。年度末には、園に対する保護者の満足度評価や職員のグレード別の自己評価の結果から、保育所自体の自己評価を行い、園全体の質の向上に繋げています。園の自己評価は、事業報告・事業計画につなげ、さらに中期計画の目標に継続する体制が確立していますが、内容が保育活動に特化しており、保育所全体に反映させる仕組みとしては、十分だとは言えません。今後の課題として見直しが期待されます。