社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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コスタ二宮・SP企画

2025年01月09日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 コスタ二宮・SP企画 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 就労継続支援(B型) 定員 40 名
所在地 〒259-0132
中郡二宮町緑が丘1-10-6
TEL 0463-73-1551 ホームページ https://www.yorube.or.jp/costa.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1999年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 よるべ会
職員数
常勤職員:8 名
非常勤職員:11 名
専門職員
社会福祉士:1 名
精神保健福祉士:1 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
設備(コスタ二宮):作業訓練室A
設備:作業訓練室B
設備:作業訓練室C
設備:作業訓練室D
設備:作業訓練室E
設備:作業訓練室F
設備:機械室
設備:厨房
設備:食堂
設備:食堂隣接談話スペース
設備:医務室兼静養室
設備:事務室
設備:相談室
設備:多目的スペース
設備:女子トイレ
設備:男子トイレ
設備:ユニバーサルトイレ
設備:女子更衣室
設備:男子更衣室
設備:バルコニー
設備:エレベーター
設備:売店
設備(SP企画):作業卓A
設備:作業卓B
設備:作業卓C
設備:作業卓D
設備:作業卓E
設備:食堂
設備:キッチン
設備:洗い場
設備:ユニバーサルトイレ
設備:事務室
設備:談話室兼静養室
設備:相談室兼静養室
設備:女子トイレ
設備:男子トイレ
設備:女子更衣室
設備:男子更衣室

③ 理念・基本方針
<理念>
障害がある人もない人も平等に、自立に向かって努力し、暮らし合う社会をめざした活動を基本とする。そして法人が行う様々な活動を通して、利用する人たち自身が主体的に社会参加に向かい、その関わり合いの中で成長し、人としての喜びが広く生まれ続ける環境づくりとその支援に努める。またそのためにも地域社会の福祉に積極的に貢献する。

<基本方針>
1.私たちは適切なサービスを提供するために、各部署で高い技量と能力を得る努力を行い、それを支援の場で実践します。
2.私たちはその実践にあたり、常に利用者一人ひとりの尊厳と権利を尊重し、利用者本位を元にしたサービス提供を基本とします。
3.私たちは日々親切・笑顔・挨拶をモットーに気配りの行き届いたサービス提供を行います。
4.私たちは常に品質の改善を図り、質の高いサービス提供を実践します。

<目標>
<大切にしよう5つのS>
Service(奉仕・貢献) Speed(迅速) Spirit(真心) Speciality(専門性) Satisfaction(満足)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<コスタ二宮・SP企画の特徴的な取組>
●コスタ二宮は、安心・安全なパン・焼菓子・麺の製造と販売を、20年以上続けています。この食品製造が働きがい・生きがいになるような日中活動を目指します。
●食品の販売活動を通じての社会貢献と地域社会とのつながりと、将来地域社会で生活できる力を育む支援を大切にしています。
●SP企画では、楽しく健康にのびのび働く事をテーマに、個別の支援を大切にした日中活動を提供しています。
●日常での学習の時間や余暇支援のプログラムの充実を図ります。
●理学療法士と看護師が定期的に巡回し、予防介護や高齢化に対応した健康管理に意識した取組を行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/05/31(契約日) ~2025/01/07(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【コスタ二宮・SP企画の概要】 
●コスタ二宮・SP企画(以下「事業所」という。)は、JR東海道線(上野・東京ライン)二宮駅の北方約2.5㎞の工業団地「ニノテック」の東南端に位置しています。事業所までは、二宮駅からバスで約10分の「二宮高校前」で下車し、徒歩で10分程度です。事業所は、二宮町シルバー人材センターと障がい者就労継続支援B型事業所「カンナカンナ」を運営する、「二宮町福祉ワークセンター」と同一敷地内にあり、イベント等での事業所間の交流・連携が図られています。

●事業所の経営主体は、障害児・者福祉に関わる事業を運営する、社会福祉法人よるべ会(以下、「法人」という。)です。事業所は平成11年4月1日に開設され、法人の経営する種々の事業の内、障害者福祉サービス事業を行っています。障害者福祉サービス事業として事業所が運営する事業は、コスタ二宮では「就労継続支援B型」で、SP企画では「生活介護」です。利用定員はそれぞれ20名で、計40名の利用者が通所しています。

●コスタ二宮では、利用者に生産活動の機会を提供して、利用者の生産活動に関わる知識や能力の向上・維持を支援しています。生産活動は、利用者を3班に分けてA班が食パンの製造を、B班がコッペパンやクッキー等焼菓子の製造を、C班が麺の製造をそれぞれ行っています。コスタ二宮では、事業所のテーマである「町のパン・麺・お菓子屋さんとして『一目置かれる存在』」を目標に、商品の品質管理・向上に努めると共に、地域でのイベント参加や販売促進に積極的に取組んでいます。SP企画では、利用者が豊かに生活を過ごすことができるよう、軽作業等の生産活動や、生活力、社会性向上のための学習活動、絵画創作等の文化・芸術活動について、利用者個々の能力やニーズに沿ったサービスを提供しています。

◇特長や今後期待される点
1.【地域で「一目置かれる存在」を目指した取組】
事業所のテーマである、コスタ二宮とSP企画を、地域で「一目置かれる存在」とすることを目指した取組が積極的に行われています。事業所の「強み」は、製品・部品等の受注に頼る事業所が多い中で、「パン・焼菓子・麺」の独自商品を開発・製造・販売ができるところにあります。近年は、原材料費や燃料費が高騰する厳しい状況下にありますが、その中でも、品質の管理・向上を図ると共に、事業計画や工賃向上計画に、イベント等を通じた地域社会との交流や、学校・企業・販売拠点の開拓等を位置付けて、積極的に取組んでいます。パン等は二宮駅前に店を構え、地域の方々にも評判を得ています。また、SP企画でも、コスタ二宮の商品の販売促進に向けて、紙袋やマグネット等の自主製品の比率を高めて、作業に取組んでいます。

2.【利用者の能力に応じた内容の仕事の提供、仕事を通じた能力向上】
コスタ二宮、SP企画を通じて、難易度に応じた一貫した作業が用意されています。SP企画の軽作業から、コスタ二宮の食品作りにおいても、焼菓子、パン、麺と難易度が上がっていきます。利用者の習熟度に応じて仕事内容がステップアップしていくことから、仕事は利用者の目標となり、また、利用者の意欲と能力の向上の糧となっています。軽作業や焼菓子作りは、ある程度利用者が作業内容や工程を選択・計画することができます。一方、パンと麺の仕様には、納入先の注文があるので、仕事内容・工程の計画を利用者が行うことは困難ですが、仕事の難易度が増すため、利用者のやる気と能力の向上につながっています。さらに、コスタ二宮では作業の熟練度に合わせた支援を提供することで、利用者本人のモチベーションの向上と、他の利用者の目標と能力向上に効果を上げています。

3.【利用者と保護者の満足度向上への取組】
法人・事業所の特長的な取組として、ISO9001の手法による満足度調査を毎年実施しています。利用者の満足度調査については、日常生活や作業等の日課、余暇活動等に関わる質問内容を18項目用意して、「だいまんぞく」から「ふまん」までの5段階の評価と、「わからない」を設定し、自由記入欄も設けて利用者に回答してもらいます。保護者の満足度調査は、開所時間、現在の工賃、日中の活動内容について、「◎・〇・△・×・?」で問うと共に、「支援で伸ばして欲しい力や得意なこと」等、4項目について記述式で答えてもらい、「その他意見」、「面接希望の有無」の欄を設定しています。満足度調査結果については、利用者・保護者の満足度や意見をまとめ、施設の対応案を検討し、対応を図っています。その他、利用者懇談会や、利用者や保護者との個別面談を通して、利用者・保護者の満足度の向上に努めています。尚、今回の第三者評価での保護者アンケートでは、事業所に対する総合的な満足度は、どちらかと言えば満足を含めて、「満足」が100%でした。

4.【品質改善・リスク管理体制の整備】
ISO9001に沿って作成した業務マニュアルが整備され、作業工程や品質管理基準、評価方法等が詳細かつ具体的に記載されており、品質管理と評価の仕組みが構築されています。事業所ではマニュアルに則った品質管理や、PDCAサイクルに基づいた評価が継続的に成されています。事業所のサービス向上計画は、業務マニュアルのPDCAサイクルの評価を踏まえ、前期・後期の年2回見直しがされ、事業活動の改善が継続的に図られています。リスク管理については、事業所では、事故対応マニュアルを整備すると共に、ヒヤリハット事例を記録し、是正等の対応を行い、年1回、法人の横断的な組織であるサービス向上委員会に、各事業所からヒヤリハット事例とその是正措置を報告し、その内容を各事業所のサービス向上委員が事業所に持ち帰ることで、全職員の共有が図られており、リスク対応や事故防止に効果を上げています。また、職員ハンドブック「よるべ会で働くあなたへ」(以下、「職員ハンドブック」という。)にも「緊急時の行動と対応」を記載して職員への周知を図っていますが、さらに、事業所ではリスクマネジメントについて、eラーニングを活用した研修の実施を考えています。事業所の品質改善やリスク管理の取組状況は、毎月のコスタ会議で共有され、組織的、計画的な取組が行われています。

5.【困難課題への計画的・継続的な取組について】
障害者支援サービス事業所として、利用者の地域移行や一般就労移行に、法人内の相談支援事業所や、障害者共同生活援助(グループホーム)所管事業所と連携して取組んでいます。一方、利用者のニーズはあっても能力面等の課題から、地域移行や一般就労移行に結び付くケースが少ないのが現状です。一般就労移行と地域移行は、就労継続支援B型の事業目的の一つです。また、一般就労移行と地域移行は密接な関連があります。利用者の能力と一般就労とのマッチングには難しい現実がありますが、二宮工業団地内の施設外就労で、利用者が最低賃金を上回る賃金を得ている実例もありますので、今後とも利用者の能力開発や就労先の新規開拓等に、計画的、継続的に取組まれることを期待します。また、今回の第三者評価で、基本的事項の「Ⅰ福祉サービスの基本方針と組織」、「Ⅱ組織の運営管理」について、職員の認知度が他のサービス項目に比して低い傾向が認められました。組織の総合力の向上と後継者育成を図る上でも、職員が経営や運営課題の改善の取組に参加し、これらの情報を共有する等を通じて、職員のマネジメント意識の醸成が計画的・継続的に図られることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 社会福祉法人よるべ会 コスタ・二宮  
              
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
法人組織の理念と社会・組織が望んでいる職員としての価値観の共有が、サービスの質に極めて重要であることが改めて認識できました。

ISO9001で培った組織のシステムは現在も有効で、法人の財産だと強く感じました。引き続き、顧客満足度と従業員満足度の両方を大切にして、サービスの質の維持・向上に努めたいと思います。

≪評価後取組んだこととして≫
1.一般就労移行と地域移行への取組の見直しと改善、次年度計画への考察

2.組織の価値観、理念の共有を目的とした周知と面談。『よるべで働くあなたへ』の活用。

3.人材育成と確保のための仕組み作りの強化と、法令遵守の定期的な確認

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人・事業所の理念は、共生社会の実現を目指した地域福祉への法人・事業所の取組姿勢を、基本方針は法人・事業所のサービス提供に関わる職員の行動指針を、それぞれ簡潔に表しています。理念・基本方針は法人のホームページや、パンフレット(理念のみ)に掲載され広く周知されています。理念・基本方針は職員ハンドブックに掲載し、職員に入職時に説明すると共に、職員の携行による周知・活用を図っています。この項目に対する職員の第三者評価は「a」で、職員周知が図られていると認められます。利用者や保護者に対しては事業所利用開始時に説明していますが、第三者評価での保護者の周知度は、「まあ知っている」を含めて「知っている」が54%でした。利用者・保護者説明資料にルビを振る、保護者会で毎年継続的に周知する等の工夫や取組を図られると尚良いでしょう。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、二宮町障害福祉計画策定委員として活動すると共に、中郡自立支援協議会、二宮町社会福祉協議会に参加することで、地域の福祉ニーズに精通しています。さらに、神奈川県知的障害者施設団体連合会や湘南地域施設長会からも、国や神奈川県の福祉政策動向や、障害者福祉事業に係る経営環境を把握しています。また、法人の経営状況は、法人の執行責任者会、運営会に参画して情報を共有すると共に、事業所の経営状況については常に把握・分析に努め、事業計画に反映しています。こうした情報は、適宜、整理され、会議や回覧で職員への周知が図られています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

事業所では、人材の採用・定着や、燃料・物価高騰対策等の切実な経営課題が明らかになっています。こうした課題は、法人全体の問題でもあるため、執行責任者会の指揮監督の下、サービス向上委員会等、法人横断的な5つの委員会が課題ごとに問題点や解決策を検討しています。事業所では、小麦粉やバター、燃料等の価格高騰に対応するため、コスタ会議や主任者会議で検討し、対策を事業計画に掲げて価格改定や販売機会の拡大に取組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人のビジョンは、「利用者お一人ひとりの可能性を引き出すために~そだつ・まなぶ・はたらく・くらす・たのしむ~の成長・充実を実現する」とし、法人設立以来一貫して掲げられています。「そだつ・まなぶ・はたらく・くらす・たのしむ」は、法人のパンフレットや広報誌「KAWARABANよるべ」(以下「広報誌」という。)のタイトルにも掲載され、法人・事業所・利用者の道標、キーワードとなっています。法人・事業所では、ビジョンを実現するため、毎年度事業計画を策定しています。事業計画は単年度更新ですが、計画の柱や取組は中・長期に亘り取組むべき課題が掲載されています。法人の事業計画は方向性を明示したもので、数値目標等具体的な指標はありませんが、事業所の事業計画は数値目標が設定される等、具体的に成果を把握できる内容となっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

事業所の事業計画は、運営目標、年間計画を柱に作成されています。年間計画は、コスタ二宮、SP企画を含めて事業ごとに、数値目標や収支計画、達成すべき水準が記載され、成果を把握できる具体的なものとなっています。特に、事業計画に位置付けられた、サービス向上計画は、「権利擁護」・「人材の確保・育成」・「業務改善と検証」・「地域社会との連携」の各項目が法人の共通計画項目となっており、それぞれ、取組内容、実施者、到達点が記載され、達成度が、振り返りのコメントと、〇・×・△で捉えられるものとなっています。また、中・長期のビジョンを直接踏まえたものではありませんが、事業所では、毎年度「工賃向上計画書」を作成して、工賃の推移や課題・改善に向けて具体的に取組む方策等を明らかにして、事業計画への反映も図られています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業所の事業計画は、成果や達成度が把握できる内容となっていますので、毎年度末に各セクションから成果や取組に関する報告や意見を聴取して、施設長・主任で事業所全体の事業報告書を作成しています。事業所ごとの事業報告は、執行責任者会議に報告がなされると共に、法人の事業報告書に事業所の報告書と同様の内容が掲載され、冊子となって理事会や評議委員会でも情報が共有されます。職員は各セクションの事業報告過程に携わると共に、取りまとめられた法人・事業所の事業報告書を閲覧することにより、計画の成果を理解しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

法人の事業計画はその概要を、前述【5】のサービス向上計画の項目に沿って、主な活動計画を簡潔な箇条書で記載しています。事業所ごとの運営目標を併せて広報誌の夏号に掲載し、毎年、保護者会で説明・配付しています。利用者には同様に広報誌を配付して、サービス向上計画の概要を口頭で説明しています。サービス向上計画の概要は簡潔ですが、「各事業所におけるサービス提供事業の充実と発展」等の記載は抽象的で理解が難しいので、利用者に分かり易く内容を伝える説明文書の作成等の工夫が必要と認められます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

ISO9001に沿って作成した業務マニュアルに、作業工程や品質管理基準、評価方法等が詳細かつ具体的に記載されており、品質管理と評価の仕組みが構築されています。各事業所ではマニュアルに則った品質管理や、PDCAサイクルに基づいた評価が継続的になされています。事業所のサービス向上計画は、業務マニュアルのPDCAサイクルの評価を踏まえて、前期・後期の年2回見直しされ、事業活動の改善が継続的に図られています。事業所の取組状況は、毎月のコスタ会議で共有され、組織的、計画的な取組が行われています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

PDCAサイクルに基づく評価結果は、各セクションからの報告の下に、サービス向上委員会及びコスタ会議で検討、課題抽出が行われ、改善に向けた取組が図られています。リスクマネジメントについても、各事業所のサービス向上委員会を中心に事業所内で共有し、毎年開催する法人の横断的なサービス向上委員会の合同会議に各事業所がヒヤリハット事例等を持ち寄り、原因の究明や再発防止策の策定等、改善に取組んでおり、是正措置の仕組みが効果的に機能しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の位置付けや役割については、就業規則や組織図、防災・消防計画、BCP(事業継続計画)に明記され、施設長不在時の権限移譲や、感染症や災害時等、緊急時に職員が取組むべき内容も上記の規則や計画の中で明らかにされています。施設長の役割や責任、事業所の運営方針、取組内容等は、広報誌に掲載され、利用者や保護者、職員の周知が図られています。さらに、施設長は、自らの役割や方針等を年度初め等、適時にコスタ会議や主任会議、作業班別ミーティング等で職員に伝えています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

行政の事業者説明会や福祉施設の協議会、さらには法人の執行責任者会で、法令や条例・規則の制定・改廃内容の情報共有が図られています。また、法人の顧問弁護士や、社会保険労務士、会計士等、法令の専門家への問い合わせや、これら専門家からの情報提供等、法令改廃情報の取得ツールがあります。職員にはコスタ会議や回覧によりこれらの情報が周知されています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、利用者に提供するサービスの質の向上について、倫理要綱や行動規範に照らして適切な支援ができているかを常に意識して職員の指導を行っています。利用者満足度調査を利用者、保護者を対象に毎年行っています。満足度調査の意見や満足度の得点、施設の対応方針を取りまとめて、事業所内で公表しています。職員の育成については、法人の横断的な組織である人材育成委員会で検討して、法人研修等に反映しています。事業所では、経験値の高い職員が新任職員にOJTを行うチューター制度での新任職員の育成や、職員が自らの業務の状況に即して学べるeラーニングを積極的に活用することにより、非常勤職員を含めた職員の研修機会の確保と、職員の質の向上を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

経営の改善や業務の実効性を高めるための取組が事業計画、工賃向上計画に沿って行われています。事業計画や工賃向上計画では毎年度、事業別・部門別に達成すべき目標を数値化して掲げ、その達成状況を毎月把握・分析して、課題や改善策を、班別のミーティングや主任会議、コスタ会議で共有して改善に取組んでいます。また、業務の実効性・効率性の確保・向上を図る上では、職員の質の向上や意識付けが重要であるため、人事考課表に職階ごとに必要と明記される研修の受講促進や、目標管理システムによる職員面接を年度の中間と年度末の2回行っています。ワーク・ライフ・バランスに配慮したシフト管理や、働きやすさの視点で定期的な職員面談を行う等、働きやすい職場環境作りに取組んでいます。職員は、自らの部門や事業に関する業務や経営の改善について、施設長のリーダーシップの下、意欲的に取組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人では、法人の主要課題の一つに「人材の確保・育成への取組」を掲げ、令和6年度は、「よるべ会活動内容の発信」、「働き続ける意欲が生まれる職場づくり」、「安定した良質な人材確保と育成」、「必要な資格把握と取得計画」の4本の柱を事業計画に位置付けて取組んでいます。各事業所では、初任者の研修や、初任者に指導的職員が付いてOJTを行うチューター制度が、初任者の育成・定着に効果を上げています。一方、職員の採用は、法人が一括して行っており、説明会や見学会の開催、PR用ホームページ・動画作成、外国人技能実習生の受入れ等、種々、積極的に取組んでいますが、職員の充足は厳しい状況です。今後は福祉人材の養成校への働きかけや、当該養成校からの実習生の受入れ等、さらなる人材確保策を講じて行かれることが期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

「期待する職員像」については、「よるべ会職員倫理綱領」に明記され、職員ハンドブックに掲載された社会人・組織人のマナーとルール等の行動規範と共に、職員周知が図られています。人事考課については、人事考課表や就業規則に能力基準や昇格基準が明記され、目標管理制度が確立しています。目標管理は、目標管理シート(個人目標・チャレンジ目標<自己啓発>等を縦軸に、業務目標・期限・目標達成手段等を横軸にして、その成果を自己評価する)により、施設長が面接した後、施設長(1次評価)・法人人事担当(2次評価)・理事長(3次評価)がそれぞれコメントと点数(1・2・3点)を記入して、職員の取組の成果や組織への貢献度等の総合的な評価を行うものです。評価結果は、人事異動や昇任・昇格、賞与に反映されています。非常勤職員についても、成績・勤務態度・能力・出勤状況等の現状評価や、本人の強みや努力目標等の成果を本人が記入した後、現場の責任者(1次評価)・施設長(2次評価)が面接し、コメント記入や点数評価を行う目標管理が行われています。また、人事・意向調査が8月に実施され、異動希望者には理事長面接が行われています。尚、結果は、理事長から施設長に伝えられる仕組みとなっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員体制の確保が厳しい現状ですが、施設長等管理者が、職員の勤務状況や家庭環境を把握・理解し
て、年休取得の管理・取得促進を図ると共に、時間休や育児休暇の取得を促す等、ワーク・ライフ・バランスを尊重した職場作りに取組んでいます。職員の就業状況や異動・休業等の希望は、人事考課面接や意向調査等で聴取する仕組みがあります。福利厚生については、リフレッシュ休暇制度の導入をはじめ、損害保険会社加入によるガン保険やメンタルヘルス対応、親睦会による慶弔・見舞金、福利協会の退職金制度、住宅手当等の各種手当、資格取得奨励金制度等、充実が図られています。評価調査時のSP企画の職員面談でも、ワーク・ライフ・バランスに配慮された働きやすく、休暇も取得しやすい職場であるとの発言がありました。尚、ストレスチェック制度の導入による職員の精神的疲労度の把握や、医師や保健師の巡回相談等、メンタルヘルス対応の充実が図られれば尚良いでしょう。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「期待する人間像」は、職員ハンドブックに明記され、前述【15】で記載の通り、目標管理制度が仕組みとして機能し、常勤職員のみならず非常勤職員についても、能力開発が図られています。就業規則や人事考課表で職階ごとの昇任基準や能力基準を明示すると共に、目標管理シートには、よるべ会及び各事業所での勤務年数等に応じて必要とされる資格・研修を掲げており、職員研鑽の指標となっています。職員の余暇支援として、月1回土曜日にeラーニングの時間を2時間設けており、職員一人ひとりの自己啓発に有効な機会となっています。さらに、事業所では、非常勤職員を含めた職員の育成を図るため、研修にeラーニングを取り入れており、今後も積極的にeラーニングを活用することとしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

コスタ二宮・SP企画の事業計画の中に、「職員の資質向上」を位置付け、その内容として「eラーニングや職員会議を活用して学習の機会を設定する。また、他施設・法人内他施設への見学・実習を実施していきます。」と記載しています。事業所では、職員一人ひとりのニーズによるテーマの選択と勤務等の状況に即して受講できるeラーニングに特に力を入れ、職員が受講できる環境作りをしています。また、法人内職員交換研修(旧ISO内部監査)が現場力の向上に資する効果的な研修と位置付けて、職員が他事業所で現場実習を行うことにより、他事業所の良い点や改善点を他事業所に提案すると共に、自らの業務に即して振り返る機会としています。さらに、前述の人事考課、目標管理シートによるスキルアップ、チューター制度等が仕組みとして制度化され、計画的・効果的に実施されています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人内では、全体職員研修(権利擁護)、新採用職員研修、階層別研修(主任クラス対象)があり、初任者にはチューター制度によるOJTが各事業所で行われています。法人内職員交換研修(旧ISO内部監査)や、加算措置制度を背景にキャリアアップ研修等の外部研修への計画的・積極的な参加が図られています。さらに、非常勤職員の資質向上を目指し、法人研修への参加が促進されると共に、eラーニングの活用や、目標管理シートでの自己啓発が行われています。特に、非常勤職員の育成に、常勤職員と同様に力を入れていることが、法人・事業所の特長と評価できます。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生については、医療現場での障害者対応技術を学ぶニーズを背景に、医学系の実習生を主に受入れています。実習生受入れに当たっては、職員ハンドブックを用いて、「障害のある人の理解と関係づくり」や「支援の基本」、「虐待防止」、「個人情報保護」等の利用者支援の心構えや配慮事項を、実習生に徹底しています。実習担当者の研修の受講はありませんが、実習に当たっては、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を有した職員が指導に当たっています。法人では、実習生の受入れを職員採用の機会と捉えて事業計画に位置付け、積極的な実習生受入れを図っていますが、容易に採用につながりません。福祉分野の育成校に働きかける等、福祉分野の実習生受入れ拡大を図ることが望まれます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人では、WAMNET(全国社会福祉協議会の福祉・保健・医療情報サイト)に、法人の現況報告書や、経営状況が分かる事業活動計算書等の計算書類を、法人・事業所ごとに掲載しています。法人のホームページに定款や役員名簿、事業計画・事業報告、各事業所・施設概要、職員採用に向けた処遇内容等、多岐に渡る情報を積極的に掲載しています。さらに、広報誌を関係機関に配布すると共に、行政機関に配架しています。また、広報誌は、バザーやイベントで配布する等、法人・事業所・施設の事業内容や最近の情報の周知が、多面的に図られています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

就業規則に服務の心得や服務規律が記載されると共に、財産管理や情報開示等を盛り込んだ職員倫理綱領、行動規範、運営規程・経理規程・情報公開規程等の各種規程、業務マニュアル等により、公正かつ透明性の高い経営・運営が適正に行われています。さらには、保護者・利用者の満足度調査が行われ、その結果を事業所運営に反映させる等、多岐にわたり公正かつ透明性を期した取組が図られています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

コスタ二宮ではパン・焼菓子・麺の食品販売を通じて、SP企画では近隣農家等からのミカンや落花生の殻剝き等により、それぞれ地域との密接な関わりが形成されています。二宮町や近隣の市・町のイベント(菜の花まつり・二宮商工まつり、ふれあい福祉のつどい等)に積極的に参加し、事業所のテーマである「町のパン・麺・お菓子屋さん」として『一目置かれる存在』」を目指して、地域交流・貢献に取組んでいます。近隣農家や工業団地内の食品メーカーとの関係も良好で、利用者が施設外就業体験を行う等、地域資源の活用が図られています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアについては、ボランティア受入れマニュアルを法人で作成中であり、理事会で実施上の課題について継続検討が成されています。また、事業所ごとのボランティアの種別の明確化や、確保、育成に向けた計画的な取組も今後の課題となっています。尚、学校教育への協力については、特別支援学校の生徒を見学や実習で受入れていますが、さらに、小・中・高校生を受入れ、障害者や共生社会について、青少年の理解促進を図っていかれることを期待します。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

事業所として必要な社会資源は明確であり、リスト化も図られています。二宮町自立支援協議会をはじめ、二宮町商工会、工業団地組合、パラスポーツ等の関係組織とは、当該組織への所属や連携を行っています。また、大磯・二宮町の自立支援協議会に参加して、共通の課題解決に向けて取組んでいます。尚、事業所では、利用者の余暇活動の一層の充実を課題として捉え、二宮町から対象エリアを拡大して、余暇活動を支援してくれる新たな団体等の発掘・リスト化に取組むことを考えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズの把握については、施設長による二宮町の障害福祉計画の策定委員活動や、自立支援協議会活動を通じた福祉ニーズの把握をはじめ、事業所においても、関係団体との協働や、法人・事業所の各種イベントを通じた相談事業を実施する等により、積極的な地域福祉ニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人・事業所の公益的な取組としては、実習生の受入れや、地域社会福祉協議会と連携したお花見会
等での地域住民との交流による障害者理解促進、地域障害者施設の協働による要支援者に対する権利擁護支援(KWネット)、災害時に備えた地域のコミュニティ作り、地域の団体と連携した住民参加による季節行事の開催、各種行事を通じた相談事業や、在宅障害者への余暇・相談支援や仲間作り等、多岐にわたる公益的な事業・活動に積極的に取組んでいます。事業所は、これら事業の主体的な実施や、法人・他事業所の事業への積極的な参加・連携を図っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人に権利擁護部会が設けられ、各事業所で権利擁護に関する意識啓発が成され、全体職員研修では権利擁護をテーマに毎年研修が行われています。また、職員ハンドブックに、法人の理念・倫理綱領、障害のある人への理解と関係作り、支援の基本、虐待等利用者に行ってはならない行為、苦情対応やプライバシー保護等利用者や家族との関係で大切な事項、等を掲載することにより、利用者を尊重したサービスの提供について、職員の理解増進と取組の徹底を図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員ハンドブックや職員倫理綱領、個人情報保護規程等により、利用者のプライバシーの保護に配慮したサービス提供が図られています。利用者、保護者に対しては重要事項説明書を用いてプライバシー保護の取組への理解や、保護者の協力を仰いでいます。現地調査では、コスタ二宮はトイレ、更衣室、医務室・静養室等、男女別に配置される等、適切で問題はありませんでした。SP企画については、同様に設備は整っており、利用者が一人になれる個室も設置されており概ね問題はないのですが、男子の更衣室と事務室が同室で、カーテンで仕切られているだけなので、ハード面の制約があろうかと思われますが、分離することが望ましいと思慮されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページの内容が充実しており、法人、事業所の事業内容等がビジュアルかつ分かり易く掲載されています。また、事業所のパンフレットもカラフルで見やすく工夫されています。事業所の見学には随時対応し、特別支援学校向けの合同説明会へも毎年参加して説明を行っています。事業所の説明資料や合同説明会の資料は、毎年、内容の更新が図られています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の説明は、分かり易くルビやイラスト等を使用して、利用者が理解できる言語や表現を工夫しています。サービス内容については、必要に応じて資料を使用して説明をしていますが、意思決定が困難な利用者への説明が課題であると認識しています。難しい課題ですが、サービス内容等の説明に当たっては、個別支援計画と同様の工夫(ルビ・イラスト等)をされると共に、説明内容を分かり易く統一して文章化する等により、利用者の理解促進を図られることを期待します。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所変更や、施設移行、グループホームや家庭復帰等の地域移行に際しては、福祉サービスの連続性に配慮して、丁寧な引継ぎを行っています。移行後も施設長や計画相談員が窓口になり、相談を受付けていますが、相談方法や担当者について文章化し手交する等の対応は行っていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者満足度の向上については、職員が意識して常に取組み、両事業所共に、日課に余暇支援を組み込んでいます。特に、利用者の豊かな日常生活を過ごすことを目的とするSP企画では、週2回、野球やサッカー等の運動やドライブを行うと共に、外食等の余暇支援の充実を図っています。また、法人・事業所の特長的な取組として、ISO9001の手法による満足度調査を毎年実施しています。利用者の満足度調査の結果については、利用者・保護者の意見をまとめて、施設の対応案を検討し、対応を図っています。その他、利用者懇談会や、利用者や保護者との個別面談を行い、利用者・保護者の満足度の向上に努めています。尚、今回の第三者評価での保護者アンケートでは、事業所に対する総合的な満足度は、どちらかと言えば満足を含めて、「満足」が100%でした。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決については、コスタ二宮及びSP企画にそれぞれ苦情受付窓口として担当者を設置し、施設長を苦情解決責任者としています。第三者委員は障害分野の施設長経験者1名に委嘱しており、苦情処理要領を整備する等苦情解決の仕組みが整っています。苦情解決の仕組みは事業所内に掲出すると共に、利用者・保護者には重要事項説明書で説明する等、周知が図られています。さらに、苦情解決に係る行政機関として、二宮町福祉課とかながわ福祉サービス運営適正化委員会を重要事項説明書等で教示しています。尚、苦情・要望については、事業所で適切に対応しているため、近年、苦情解決の仕組みの活用や公表に至るものはありません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みを事業所内に掲出する等により、利用者・保護者に周知しています。苦情受付ボックスを事業所の事務所前に設置し、その旨を重要事項説明書にも記載しています。利用者が相談や意見を述べやすいよう、コスタ二宮及びSP企画それぞれに相談室を設けています。相談については、いつでも受付ける旨を利用者に日常的に伝えていますが、文書や口頭等、複数の方法で相談等ができること、及び相談相手を自由に選べることを分かりやすく記載した文書は作成していません。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

施設長をはじめ職員は、常に利用者からの相談や意見・要望を傾聴する姿勢で、いつでも相談等を受け付ける旨を利用者に伝え、相談等があれば丁寧に対応しています。相談や意見・要望内容については、事業所として対応を要するものは、各セクションの職員間で共有を図り、施設長に報告して対応を検討し、速やかな回答や対応に努めています。対応に時間を要するものはその旨を利用者に説明して、迅速な対応に努めています。利用者からの相談・意見への対応マニュアルは特段定めていませんが、相談等があった場合は、上記の手順で対応しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事業所では、事故対応マニュアルを整備し、ヒヤリハットについては、事例を記録し、是正等の対応を
行うと共に、年に1度、サービス向上委員会に、各事業所からヒヤリハット事例とその是正措置を報告し、その内容を各事業所のサービス向上委員が事業所に持ち帰ることで、全職員の共有が図られており、リスク対応や事故防止に効果を上げています。また、職員ハンドブックにも「緊急時の行動と対応」を記載して職員への周知を図っていますが、さらに、事業所ではリスクマネジメントについて、eラーニングを活用した研修の実施を考えています。事業所の品質改善やリスク管理の取組状況は、毎月のコスタ会議で共有され、組織的、計画的な取組が行われています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の対応については、「新型コロナウイルス感染症編(障害サービス類型・通所系)」事業継続計画(BCP)を事業所として策定しています。その内容は、総論、平常時の対応、初動対応、休業の検討、感染症拡大防止体制の確立、資料・リストで構成されています。現在、5類となり、事業所の休業の検討までに至る事例はありませんが、最近のコロナウイルス等感染症発生時には、事業継続計画に沿った対応が行われています。また、感染症対策に法人・事業所は特に意を用いており、事業継続計画を職員に周知・徹底すると共に、感染症予防等、感染症に関する研修には必ず職員を参加させ、研修結果報告書を回覧することにより、職員の情報共有を図っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

自然災害については、「自然災害編(介護サービス類型・共通)」事業継続計画(BCP)を事業所として策定しています。その内容は、総論、平常時対応、緊急時対応、他施設との連携、地域との連携、資料・リストで構成されています。消火・避難訓練は、利用者と職員で定期的に行っています。備蓄品は、施設長を管理者としてリストが整備され、適時入れ替えを行っています。行政や地域との防災協定は締結していませんが、事業継続計画に地域連携を記載し、さらに事業所が工業団地組合に参加していますので、災害時の地域連携は問題なく図られるものと想定されます。尚、事業所は、葛川支流の小河川に接していますが、水面との高低差が大きく、ハザードマップでも浸水想定区域の指定はありません。また、事業所は丘陵地にあるため、地震等自然災害に強い立地条件を有しています。さらに、事業所は入居施設ではないため、夜間に火災等の災害が生じた場合でも、利用者に被害が及ぶ恐れがないことも安心材料となっています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供するサービスについては、事業所の行う事業種別ごとの運営規程に規定され、さらに、重要事項説明書に、「介護」、「食事の提供」、「健康管理」、「相談及び援助」、「生産活動①生活介護」、「生産活動②就労継続支援B型」、「創作等の余暇活動」等のサービス種別ごとに、その内容や提供方法の詳細が明示されています。また、サービスの提供に当たっては、事業所の現在のハード面・ソフト面での資源を踏まえて、「食事」、「排泄」、「移動」、「衣類」、「入浴」、「睡眠」、「衛生管理」、「コミュニケーション」等のサービス提供を、利用者の能力(できる人・できない人)に応じて行う行動規範が定められています。サービスの提供は事業所の品質目標に照らして、PDCAサイクルに従って行われており、部門別のミーティングや主任会議、コスタ会議、サービス向上部会で、標準化された実施方法に沿ったサービス提供がなされているか等の検証が行われています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

事業所のサービスの提供の結果は、サービス向上部会の評価や、利用者・保護者の満足度調査で把握され、コスタ会議で確認されています。サービス実施上の改善点は、運営規程や重要事項説明書、行動規範や、個別支援計画に反映され、見直しが行われており、評価から改善に至る一連の仕組みが構築されています。尚、満足度調査結果は尊重され、事業所は、利用者の意向に沿ったサービスの提供に努めていますが、利用者の意向がサービスの提供方法にどの程度反映されているかの判定は難しい課題です。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画のアセスメント会議(コスタ会議)は、毎月行われています。当該会議には、事業所のサービス管理責任者をはじめ、担当職員や、看護師や精神保健福祉士等の専門職が参画し、提供する支援サービス立案に係る計画相談員や、グループホームを所管する相談課や入所部門も参画して、アセスメントに基づく、個別支援計画の策定が適切に行われています。個別支援計画書は、生活介護と就労継続支援B型それぞれに利用者本人意向と家族、後見人の意向が、記載されています。支援困難者についても長期・短期目標を定めて職員の共通理解の下、支援サービスの提供が行われています。個別支援計画は、パソコンのネットワークシステムで、職員の情報共有が図られています。尚、今回の第三者評価のご家族アンケートでの、「個別支援に関する説明」、「個別支援計画検討・作成時の利用者・家族からの意見・要望等の聞き取り」についての保護者の満足度は、どちらかと言えば満足を含め、「満足」が、いずれも100%でした。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は、コスタ二宮(就労継続支援B型)、SP企画(生活介護)ごとに、支援計画経過報告書により、「課題」、「到達点」、「支援内容」、「終了年月」が記載され、支援サービスの実施状況がコスタ会議等により把握されています。個別支援計画の実施状況の経過報告は、6月(中間報告)、9月(前期まとめ)、12月(中間報告)、2月(後期まとめ)、3月(次年度に向けて)の概ね3か月ごとに行われ、支援サービスの状況把握、評価、見直しのPDCAサイクルが機能しています。見直しがなされた個別支援計画は、パソコンのネットワークシステムによって、職員への周知が図られています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の実施状況等は、アセスメント会議(コスタ会議)や、パソコンに掲載された支援計画経過報告書等により、職員の周知が図られています。支援サービスの実施状況の記録方法は、施設長や事業部門別の責任者によって、不適切あるいは誤った記述は是正指導がなされます。また、パソコンのネットワークを通じて職員間でアドバイスを行う環境があります。尚、記録の書き方については、数年前に研修や勉強会を行っていますので、継続的な取組が期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

利用者の個人情報の取扱いについては、事業種別ごとの運営規程に明記され、就業規則、さらには職員ハンドブックに2ページにわたり、プライバシーの侵害にあたる行為例も掲げて、職員へ周知が図られています。重要事項説明書に、「利用者の記録や情報の管理、開示」について記載し、利用者、保護者の理解を促進しています。個人情報の管理は、責任者をサービス管理責任者として、紙ベースの個人情報は事務室内の鍵のかかるロッカーに保管しています。さらに、パソコン内の情報はID・パスワードの入力がなければアクセスできないように設定されています。紙ベースの個人情報の廃棄は、シュレッダーにより裁断された後、資源ゴミとして処理しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者会議を設置して、事業所の権利擁護等のルールや、旅行、外食、クリスマス会等のイベント等の実施内容に、利用者の話し合いの結果を尊重して反映しています。個別支援計画に本人の意向欄を設けて、本人の意向に沿った支援に努めています。さらに、コロナ禍の影響が逓減した今年度から、利用者を3グループに分けて、利用者の希望に沿って、運動・音楽・絵画のクラブ活動と、清掃・美化、生活ルール・イベント、カフェ・保健衛生、の委員会活動をそれぞれ行っています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

権利擁護については、サービス向上部会のチェック項目(体罰・差別・人権無視等)として機能しています。職員倫理綱領の第一に「人権侵害」、同第二に「利用者の自己決定・自己選択」第三に「プライバシー保護」が位置付けられています。職員ハンドブックにも、「利用者が主人公」、「自己決定」、「エンパワメント」、「合理的配慮」、「権利擁護」の5つの支援のキーワードが掲げられています。また、権利擁護部会で、関連マニュアルの見直しを行っています。虐待防止については、年2回、自己チェックを行うと共に、虐待か否かのグレーゾーンの事案を虐待関連報告として、サービス向上部会に上げる等、徹底した取組が成されています。尚、事業所独自で、虐待防止等、利用者の権利擁護に関する研修を、eラーニングを活用して行う予定です。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の自律・自立生活支援に向けて、本人の意向や身体能力に応じた主体的な活動を尊重しながら、SP企画では、料理、配膳、身だしなみ等、自立生活に向けた支援を行っています。コスタ二宮では、同様に利用者の主体的な活動を尊重しつつ、土・日の余暇時間を使って、金銭等、自己管理に向けた支援に重点的に取組んでいます。SP企画の職員ヒアリングでは、利用者の作業服の着替えや洗濯等を利用者が自ら行えるよう、実地での支援を多く取り入れているとの説明を伺うことができました。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

言葉等での意思の表出が困難な利用者については、表情や選択肢の提示、あるいは支援に対する反応等を多角的に把握しつつ、気付きを業務日誌に記録することにより、関係職員間の合意形成を図りながら、必要な支援を行っています。また、利用者の能力を高めるための方策として、利用者に役割や当番を与えることで、仕事を通じて、利用者のエンパワメントを引き出し、日常的にコミュニケーションを図ることを意図しながら支援に取組んでいます。評価調査日でのSP企画の職員ヒアリングでは、意思疎通の困難な利用者とは、筆談、ジェスチャー、絵やイラスト等を用いて、工夫しながらコミュニケーション作りに努めているとの発言がありました。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の支援は能動的に働きかけるのではなく、利用者からのアクションを待って、受容し、選択肢を
用意しながら支援に努めています。利用者からの相談には、常時対応して、利用者支援サービスへの反映に努めています。利用者の意思を引き出す上では、第三者が介在することが良い場合があるため、オンブズパーソンによる面談を、必要に応じて取入れる等の工夫を行っています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の日中活動支援は、個別支援計画に基づく日課や、余暇活動、行事計画に盛り込んで支援に努めています。事業所では、新年会、秋祭り、クリスマス会等の季節行事や、ドライブ、外食等の行事を計画して実施しています。余暇活動支援等では外部の資源を活用するため、二宮町の文化活動やスポーツ活動等の情報を収集して、文化・芸術祭や、パラスポーツの会やボッチャ大会等に参加しています。一方、地域での行事はある程度限定されてしまうため、事業所では今後、湘南地域や西湘地域に範囲を広げて、余暇活動に関する情報の収集と、利用者支援への活用、利用者の参加促進等、一層の余暇支援の充実を図ることとしています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業所は、生活介護(SP企画)と就労継続支援B型(コスタ二宮)の二つの事業を有していますので、利用者の能力に応じて個別支援計画を策定して、日々の生活をゆったりと楽しむ支援と、生産活動等、より高度な支援を、個々の利用者に提供しています。また、利用者の能力開発状況に応じて、生活介護から就労継続支援B型への移行や、あるいはその逆の移行も行われています。尚、行動障害や不適切行動の著しい利用者は、現在は事業所には在籍していませんが、その場合は、受け止めて対応するよう努めているとのことでした。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画に沿って、行動規範により、利用者の能力に応じて、「食事」、「排泄」、「移動」、「衣類」、「入浴」、「睡眠」、「衛生管理」、「コミュニケーション」の日常的な各支援を行っています。コスタ二宮、SP企画ともに、ユニバーサルトイレとシャワー設備を備え、利用者の心身の状況に応じた身体的な支援が図られています。また、食事については、利用者の健康維持と楽しみにつながる重要な支援と捉えて、嗜好調査や毎日の検食記録から、利用者の嗜好傾向や課題を抽出して、給食会議で検討し、献立や調理方法に反映しています。尚、評価調査時に喫食しましたが、味付け、量、盛り付け等、適切かつ良好なものと認められました。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

コスタ二宮の1階は、パン・焼菓子・麺を製造する作業訓練室となっており、衛生管理が行き届いています。利用者の休憩場所は2階の食堂が主になりますが、一人でゆっくり過ごしたい場合は、同じく2階に静養室や、相談室、談話スペース、多目的スペースがあり、これらを利用することができます。ユニバーサルトイレは1・2階に設置され、2階ではシャワーの使用が可能です。トイレと更衣室も男女別に完備され、それぞれ清潔に保たれています。また、SP企画は、1階が作業室で、2階に食堂と、相談室兼静養室があります。トイレと更衣室は男女別に1階にあり、別にユニバーサルトイレが設置されています。1・2階とも整理整頓が成されており、トイレ等も清潔で快適な生活環境であると認められます。尚、男子更衣室が事務室と兼用となっており、カーテンで仕切られていますが会話が漏れること、また、ドアが事務室側にあるので、出入りに事務室側の職員等と顔を合わせることになります。ハード面での制約があるかと思われますが、プライバシーの面で改善を検討されることが望ましいと考えられます。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

コスタ二宮は就労継続支援B型の事業所なので、利用者の日常の健康管理に努めていますが、機能訓練・生活訓練まで必要とされる利用者は現在在籍していません。一方、生活介護事業所であるSP企画では、定期的に理学療法士と看護師による、利用者の心身の状態に応じた機能訓練や生活訓練を行っています。さらに、利用者の必要に応じて、成人病予防に向けた食事管理や栄養指導、高齢の利用者に対する介護予防サービスに対応する等、利用者の心身の状況やニーズに応じた支援を行っています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

事業所では、コロナ禍時の経験から、特に感染症予防に配慮しています。日常は、利用者の健康状態の把握と体調の変化について注意深く観察し、体調の変化に迅速に対応するよう心がけています。また、月1回の体重・血圧測定と、年2回健康診断を実施しています。また、事業所の看護師による健康面の相談や説明を行っています。職員には感染症予防研修の受講を推奨し、知的障害者の健康管理に関する利用者の意思決定支援方法を学ぶため、国立秩父学園の取組をeラーニングにより職員に視聴させています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

医療的な支援については、重要事項説明書に提供するサービスを明記しています。嘱託医は、内科と歯科に依頼して、年2回の健康診断や歯科診断を行うと共に、インフルエンザの予防接種を実施しています。服薬管理は、医師の指示書に基づき事業所の看護師が、利用者・保護者と相談して処置します。薬は服薬ポケットを使用して、間違いがないように職員が確認して利用者に提供し、服薬確認を行います。医療機関は、嘱託医の他、地域の広域的な二つの医療機関と連携し、救急対応にも備えています。利用者の命に関わるような事故等緊急時には、職員ハンドブックに記載された緊急時の行動と対応に沿って行動することとしています。尚、医療面での個別的なケアが必要な利用者は3名在籍していますが、症状が安定していることもあり、医療的な個別支援計画は策定されていません。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

コスタ二宮については、パン・焼菓子・麺の製造や、給食施設やイベント等での販売活動を通じた
地域社会との交流が図られています。事業所では、食品の製造・販売を通じて、「町のパン・麺・お菓子屋さんとして『一目置かれる存在』」として地域の認識化を図るため、バザーやイベント、事業所の秋祭り等地域住民との交流機会を積極的に講じています。こうした機会を作ることにより、利用者の積極的な地域社会参加が図られています。SP企画では、地場産業と連携した小田原提灯張りや、二宮名産落花生の殻剥き、クラッチの組立等の作業を通じて、地域社会とつながり、日常の生活では、買い物、外食、図書館利用等の外出支援や毎月の料理教室等で、地域社会参加や学習の機会を得ています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域移行支援は、利用者の希望や意向を尊重して、希望等があれば支援を行っています。利用者の地域移行先のニーズは、グループホームがほとんどで、事業所では、法人の地域生活支援室(グループホーム所管)と、相談支援室(計画相談支援所管)と連携し、グループホームの体験入所や入所支援を行っていますが、グループホームの空きが少ないことや、利用者の地域生活能力等の問題から、地域移行につながるケースは低調です。また、事業所の事業計画には、利用者の地域移行に関する取組についての項目が設定されていません。困難な課題と認められますが、利用者の地域移行について、中・長期的な視点で計画的に取組まれることが期待されます。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

家族等保護者との交流については、まず、家族会を年2回、9月と12月に行い、利用者の状況報告や、法人・各事業所の取組方針や、事業報告、行事説明、人事異動、トピックス等を周知しています。次に、保護者への満足度調査を毎年行っています。面接希望のある保護者とは面談の機会を設定して、意見・要望の聴取や相談等に応じています。さらに、事業所の秋祭り(ふれあい祭り)等のイベントに保護者を招待して、利用者・保護者・事業所・地域との交流を図っています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

成人の通所のため非該当。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の就労に向けた、働く力や可能性を引き出す取組や、マナーや知識、能力の向上に向けた取組については、就労継続支援B型事業所、生活介護事業所それぞれが、利用者の心身の能力に応じて、個々に積極的に支援を行っています。一方、一般就労移行については、利用者の希望や意向に沿って、法人内の就労支援機関である「障害者支援センター ぽけっと」と連携して取組んでいますが、「ぽけっと」につなげられる状況に至るケースは稀な状況です。地域移行と同様、一般就労移行についても、事業所の中・長期的な計画に位置付け、事業所内の意識を高める等、重点的・計画的な取組が期待されます。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

コスタ二宮、SP企画を通じて、難易度に応じた一貫した作業が用意されています。SP企画の軽作業から、コスタ二宮の食品作りの中でも、焼菓子、パン、麺と難易度が上がります。利用者の習熟度に応じて仕事内容がステップアップしていくことから、仕事は、利用者の目標となり、また、利用者の意欲と能力の向上の糧となっています。軽作業や焼菓子作りは、ある程度利用者が作業内容や工程を選択・計画することができます。一方、パンと麺の仕様には、納入先の注文があるので、仕事内容・工程の計画を利用者が行うことは困難ですが、その分、仕事の難易度が増すため、利用者のやる気と能力の向上につながっています。賃金については、利用者が理解できるよう分かり易く説明に努めています。労働安全衛生に関する配慮は十分行われています。尚、コスタ二宮では、利用者の熟練度に合わせた支援を提供することで、利用者のモチベーションの向上と、他の利用者の目標と能力向上に効果を上げています。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人内の就職支援機関である「障害者支援センター ぽけっと(障害者の就職相談支援・就職準備支援・職場定着支援・生活支援・企業支援(障害者雇用・雇用助成金相談)を業務とする)」と連携して、利用者の職場開拓や就職活動機会の確保に取組んでいますが、一般就労への移行は難しい状況です。また、事業所は、二宮工業団地「ニノテック」内にありますので、障害者雇用や合理的配慮について働きかける機会があります。中でも、工業団地内の乳製品製造事業所には、施設外就労として、現在3名の利用者が月・火・木・金・土の毎週5日間、9:00~12:00まで就労し、最低賃金を上回る賃金を得ているとのことで、特筆すべき取組と評価できます。