社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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サンライズガーデン青葉台

2022年10月18日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 サンライズガーデン青葉台 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 短期入所 定員 36人(利用者34名) 名
所在地 227-0054
横浜市青葉区しらとり台 3-10
TEL 045-983-6822 ホームページ http://www.sunrise-garden.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社サンライズ
職員数
常勤職員:8 名
非常勤職員:33 名
専門職員
看護師:1 名
調理師:3 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室数:52室
設備等:相談室
設備等:事務室
設備等:厨房
設備等:洗面室
設備等:浴室
設備等:非常災害設備等

③ 理念・基本方針
【理念】
首都圏の知的・精神障がい者たちに安全でキレイなサンライズガーデンで笑って、楽しく元気に暮らしてもらい明日への自立の糧にしてもらうこと

【基本方針】
①調和のとれた現場主義の挑戦
②情報の分析、課題発掘、共有化の確立
③複眼的な自立支援の継続
④スタッフ同志の絆とチームワーク作り
⑤徹底したコストダウンの構築

④ 施設・事業所の特徴的な取組
①利用者の日常生活と社会生活へ向けての自立支援の確立化
②サンライズシート(5S/カイゼン・問題解決・自立支援/課題創造)の実施運営
③福祉人材の確保と育成強化
④福祉サービス全般に関わるデータベース化の構築化
⑤利用者の安全な生活環境の確立とバランスの取れたコストダウン
⑥スタッフ本位の働きやすい職場環境の確立とバランスのとれたコストダウン
⑦障害福祉サービスの事業所の開設

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/06/15(契約日) ~2022/09/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)速やかな情報共有や改善策の検討に努めています
朝礼や夕礼、ミニ研修を活用し速やかな情報共有と改善策の検討を行っています。毎日の朝礼、夕礼はそれぞれ30分を見込んでいます。利用者の心身状態の変化や職員同志の引き継ぎは、スマートフォンのチャットシステムで職員に周知の後、言葉の微妙なニュアンスなど口頭で伝わる情報の質を重要視して、朝礼で共有しています。ヒヤリハット事例では、朝礼や研修で想定し得るリスクを拾い出し、要因や改善策を話し合い再発防止に努めています。また、食事・排泄等の自立支援や、洗濯、リネン交換などの日常業務については、経営理念カードを用いて理念に立ち返り、支援や業務を点検する場としています。こうした取組は職員同志の協力関係を築き、職員の安心感にもつながっています。

2)居心地の良さにより、リピート利用が増えています
敷地約580坪、利用者定員36名のところ居室は52部屋のゆとりある施設です。猛暑に備え新たに全室、日除けを設置しました。建物の周囲には井戸水給水設備と畑を巡らせ地域との接点になりつつあります。前庭の人工芝ではアウトドア感覚の外気浴ができます。施設内部も広々として開放的であり、明るい色調の躍動的なシンボルアートやカラフルな家具を配置しています。エントランススペースに集う利用者たちは来訪者に挨拶を欠かさず、自然体でくつろいで過ごしています。ゆったりした施設空間は余裕のある雰囲気の中で、利用者の気持ちの安定につながり、「また行きたい、利用したい」と施設のリピート利用が増えています。

3)支援の「標準化」「視える化」を推進しています
独自のツールである「なるほどカード」には、一人ひとりの自立支援方法と理由を表裏に記載の上、スタッフステーションに掲示し「視える化」しています。誰にどのような支援を行うか、カードを一目見て支援の目的、方法、理由等を理解し共有できるよう工夫しています。写真や動画を用いた「福祉サービス標準化ソフト」については、生活支援、看護、厨房、清掃、事務と事業所の業務全般の「標準化」と「視える化」に取り組んでいます。現場の写真や動画を多用しているので、実際の動作がイメージしやすく、業務の標準化として有効なマニュアルとなっています。新任職員はソフトを視聴し、業務を継続的に学び、実践後は、先輩職員から日々、指導を受けています。スキルの効率的な習得やOJTの負担軽減にもつながる取組となっています。

4 )利用者満足度調査と自己評価の組織的・継続的取組が期待されます
日頃から利用者とのコミュニケーションは活発であり、利用者が積極的に事業所への希望、意見、満足度を表出できる環境としています。利用者アンケートは初めての満足度調査ですが、今後、利用者満足度調査の仕組みを作り、定期的に継続した取組を進めることが期待されます。また、組織全体で取組んだ職員自己評価については、全項目を職員一人ひとりが評価すると共に、施設の優れている点、課題について各職員が文章で記載し洗い出しました。これを契機に、自己評価の定期的実施と改善への組織的取組が望まれます。

5 )利用者を尊重する姿勢を明示することが期待されます
職員は朝礼や研修の場で、倫理綱領と職員行動指針に基づいて、日頃の利用者支援を振り返っています。利用者の尊厳や基本的人権への配慮については、現在マニュアル等を整備しています。また、プライバシー保護についてのマニュアルや規程も現在整備している最中です。これら利用者を尊重する姿勢を明示して、利用者や家族への周知と共に内容の定期的評価が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回は第三者評価を初めて受審し、改めて当施設の課題や問題点を全スタッフと共有いたしました。
サンライズガーデン青葉台が掲げる「安全でキレイな施設、笑って楽しく元気に過ごせる施設、
全利用者の自立支援を実現する施設」を今後も全スタッフ一同で目指していきます。
今後ともサンライズガーデン青葉台を宜しくお願い申し上げます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

経営理念や基本方針「5つの実践行動」は「経営理念カード」に掲載し、職員に配布しています。朝礼、夕礼のほか、職員2~3名のグループで行うミニ研修の場面では、経営理念カードを活用し、食事、排泄等の自立支援や、洗濯、リネン交換などの日常業務について、理念に立ち返り点検し、職員への周知に努めています。今後、利用者、家族へも周知の工夫が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉の専門紙を購読し、国、市町村、施設等の動向把握に努めています。把握した情報を基に官庁や施設から更に情報収集をしたり、現地調査も行っています。直近では、日中活動に特色のある近県の生活介護や就労継続支援B型事業所等に出向き、企業とのコラボレーションによる水耕栽培の活動などを視察しました。地元の青葉区とは、日中活動の場の少なさや重度障害者支援についての課題を共有しています。今後は、経営課題の把握・分析の一環として、利用実績の数値化など利用状況の一層の視える化が期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営課題は中・長期計画である「サンライズ5ヶ年計画」に位置付けており、「利用者の日常生活と社会生活へ向けての自立支援確立化」、「サンライズシート(5S/カイゼン/問題解決/自立支援/課題創造)の実施運営」など、解決・改善すべき課題の中に、具体的取組内容を明記しています。会社独自に考案した「サンライズシート」は、職員が主体的に課題を洗い出し、解決・改善につなげるツールとしてその活用に着手したところです。経営課題については、職員への一層の周知が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中・長期計画として「サンライズ5ヶ年計画(2019年9月~2024年10月)」を策定しています。計画は「福祉人材の確保・育成強化「福祉サービス全般に関わるデータベース化の構築」など解決・改善すべき課題を7本の柱で構成しています。各柱には課題解決に向けた具体的な取組項目について、開始年月、実施済年月と「継続中」、「作成中」「実施済」、「予定」などの進捗状況を明記しています。今後は、計画書に収支計画や、具体的成果、可能な数値目標等を盛り込み、実施状況の評価を行える内容とすることが望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度計画として「2022年度事業計画書」を策定し、「サンライズ5ヶ年計画」を一部反映させています。5ヶ年計画で、「働きやすい職場環境の確立とコストダウン」を目標に、洗濯物干場の集約と確立を計画し、これを2022年の単年度計画で洗濯物干場の設置工事として反映させました。そのほか行事計画、外部研修への派遣計画を掲載しています。今後、単年度計画は5ヶ年計画にリンクさせると共に、計画書に収支計画や、具体的成果や可能な数値目標等を設定し、実施状況の評価を行える内容とすることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、朝礼、夕礼時などに職員から聴取した意見の反映のもとで、社長、施設長など幹部が策定しています。「サンライズ5ヶ年計画」の各取組項目には、計画の開始年月、実施済年月や、「継続中」、「予定」などの進捗状況を明記し、一部を単年度計画に反映させています。今後、計画策定から評価、見直しに至るプロセスについては、予め策定の時期、手順を明らかにする共に、事業計画について職員への周知や理解を促す取組を工夫し、組織的な取組の強化が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

利用者に参加を促す観点から、行事計画の周知を図っていますが、事業計画の主な内容の十分な周知には至っていません。今後に向けては、中長期計画及び単年度計画について、自立支援の取組や、施設・設備を含む居住環境の整備など利用者の生活に密接に関わる計画内容を中心に、利用者・家族の一層の周知への取組が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

サービスの質の向上に向けては、課題を洗い出し、解決・改善につなげるツールとして会社独自の「サンライズシート」の活用に着手しています。このシートでは、PDCAサイクルの改良版として「STPDKサイクル「S(see)多情報の収集→T(think)課題発掘→P(plan)目標設定→D(do)実行→K(kaizen)改善)」の手法を用います。現在、シートは幹部による活用が中心ですが、今後組織的取組とする方針です。今回、初めて受審した第三者評価では、非常勤を含む職員全体で自己評価に取り組みました。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

支援に課題が生じた場合、朝礼時のミーティング等を通じて、速やかに職員間の情報共有や改善策の検討を行っています。今回、組織全体で取組んだ第三者評価の職員自己評価については、全項目を職員一人ひとりが評価すると共に、施設の優れている点、課題について各職員が文章で記載し洗い出しました。今後、職員が抽出した課題については、サンライズシートを用いて課題改善の組織的取組につなげる方向で検討中です。今回の受審を契機に、自己評価の定期的実施が期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

管理者は、朝礼、夕礼、研修の場を活用し、「経営理念カード」を用いて理念や基本方針を職員に周知しています。災害、事故など有事の際の対応や社長・施設長の連絡先は、支援の中枢エリアであるスタッフステーションに掲示しています。組織体制は、社長、施設長を中心に、課題解決は各事案毎に各スタッフがアメーバのように主体的に情報収集を行い、誰もが自由に意見を表明でき、諸状況の変化に対応してゆく組織運営を目指しつつ、特に虐待防止委員会の運営に力を入れています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

管理者は障害者総合支援法に基づき、職員の採用面接、入社時、入社後研修時に、障害者の日常生活や社会生活に係る自立支援の実践について周知、教育にあたっています。コロナ禍においては、管理者自身の研修の機会は十分に得られない状況でした。今後、機会を捉え、雇用、労働、防災、環境への配慮等も含む幅広い分野について遵守すべき法令等を把握し、一層の周知の取組が期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

管理者は利用者情報の共有化に指導力を発揮し、「なるほどカード」「利用者情報」「利用者カルテ」「個人ノート」など独自のツールを用いて、サービスの質の向上に努めています。各ツールの目的や使用方法は朝礼や研修などで浸透を図っています。「なるほどカード」には、支援方法と理由を表裏に記載の上、スタッフステーションに掲示し可視化しています。管理者は、職員一人ひとりが支援の目的、方法、理由等を共有することで、自ら決断し主体的に取り組む職員像を目指しています。サービスの質の評価については、自己評価の継続的・組織的取組が期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

管理者は「福祉サービス標準化ソフト」による業務の標準化及び写真や動画による可視化と共に、ソフトの作成段階から、生活支援員、厨房、看護、事務など各職員の積極的な参画を促しています。新人職員のOJTにも標準化ソフトを活用し、視聴、実践、先輩職員の指導、改善というサイクルを回し、育成に努めています。標準化項目は洗濯、入浴、食事、入所対応など日常業務や利用者支援など多岐にわたり、未着手の項目も多数あります。取組は途上ですが、中長期計画にも位置づけており、業務の実効性を高める一層の取組の推進が期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:c】

複数の人材サイトを通じて、看護師などの採用活動を展開しています。中・長期計画である「サンライズ5ヶ年計画」には、「福祉人材の確保と育成強化」を位置付けていますが、計画や取組内容の十分な具体化には至っていません。必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方や、福祉人材の確保・育成に関する方針を明示し、計画に基づく人材の確保・育成が望まれます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

求める人財像30、求めない人財像30」について、入社時や、研修時に資料配布し、「期待する職員像」の周知に努めています。昇進、昇格等の条件を定めた就業規則や賃金に係る規程などの人事基準はファイリングし、事務所に保管しており、閲覧を希望する職員はいつでも内容を確認することができます。職員の評価基準は現在、労務士と作成中です。今後、昇進昇格や賃金水準のほか、必要なスキルの水準、スキル獲得の機会(研修)の明確化などにより職員が自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みづくりが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

勤怠管理・シフト管理のクラウドシステムを導入し、シフト申請、有給休暇、時間外労働など、勤怠状況のデータ確認により職員の就業状況を把握しています。パート勤務者が8割を占めるため、育児や介護など個々の状況に応じた働き方を実現できるようシフトを工夫し、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。社長は毎月、職員一人ひとりに給与明細書を手渡しており、その際に行う面談は相談等を受ける機会となっています。今後、働きやすい職場づくりの一層の推進に向けて、職員の心身の健康と安全の確保に向けた取組の充実が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

目標管理制度の前提となる期待する職員像として、「求める人財像30、求めない人財像30」を明らかにしていますが、職員一人ひとりの目標管理の仕組みの構築は十分ではありません。組織の全体目標を踏まえた個々の目標設定のための面接や、進捗確認、目標達成度の確認のための面接などの実施方法、目標管理における「サンライズシート」の位置づけなど、目標管理の仕組みの一層の明確化により、職員一人ひとりの育成に向けた取組の推進が望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」については「求める人財像30、求めない人財像30」を明示しています。「サンライズ5ヶ年計画」には、「福祉人材の確保と育成強化」を位置付け、資格取得や教育・研修会などに取り組む方針です。単年度計画では今年度、初任者層の研修派遣を予定しています。内部研修では、支援のあり方などをテーマに2~3名単位で実施してきた「ミニ研修」を、今年度中に「アカデミー研修会」に進化させて、研修委員会による定期的開催や内容の充実を図る予定です。今後、研修計画や研修内容、カリキュラムなどの定期的評価と見直しが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

新任職員の育成にあたり、OJTに「福祉サービス標準化ソフト」を活用し、新任職員がソフトを視聴し、業務の標準的実施方法を学び、実践し、先輩の指導を受け、改善する一連のプロセスのサポートに努めています。内部研修では、2~3名単位で支援のあり方等をテーマに「ミニ研修」を実施しています。昨年度の外部研修はコロナ禍で中止でしたが、今年度は初任者層の受講を予定しています。資格取得希望者には受講等に配慮する方針です。コロナ感染者数の減少によって、今後、外部研修の情報提供や参加勧奨により、一層の研修機会の提供が期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

実習生など福祉サービスに関わる専門職の教育・育成の体制整備は未着手で、実習生等の受入れ実績はありません。今後、受入れに向けた準備を進める予定ですが、準備にあたっては、専門職の研修・育成に関する基本姿勢の明文化や実習マニュアルの作成などが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページでは、施設概要、一日の流れ、サービスに係る費用、施設設備等を紹介しています。SNSには昼食や夕食の食事内容も投稿しています。フリーペーパーの配布による施設の案内は昨年3月より継続中で、「サンライズ5ヶ年計画」に位置付けています。第三者評価は、今回が初めての受審で、評価結果を公表予定です。今後に向けては、ホームページ等の積極的な活用により、理念、基本方針、ビジョン等を社会や地域に発信し施設の役割を伝えたり、事業計画、事業報告、予算、決算情報を公開するなど、一層の運営の透明性の確保が望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設における財務・経営管理、組織運営等については、弁護士、税理士、労務士など外部の専門家との契約の下、専門的支援を得て、施設経営・運営の適正性の確保に努めています。今後も、専門家の指導・助言に基づき、経営、財務等の改善課題の発見や経営改善に取り組むと共に、定期的なチェック体制の確立など問題の未然防止の仕組みの構築が望まれます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

月1回、近隣の公園で行う自治会主催の清掃活動には、職員2名と利用者10名程で参加しています。利用者と共に施設周辺の散歩や清掃を行う際には、挨拶や簡単な会話など、地域住民との交流に努めています。庭に栽培するキウイフルーツやメロンの手入れを行う場面では、地域住民との自然な会話が生まれ、交流の機会となっています。活用できる社会資源については、積極的な情報収集と利用者への情報提供により、個々のニーズに応じた多様な地域交流の機会の提供が期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアの受入れ実績はなく、今後の課題と認識しています。近隣の大学に福祉施設とのコラボレーションによる壁画の作成実績があることを知り、職員と面談を行いました。事業所ではアート教室を行っていることなどから、今後、アートでのタイアップの可能性も視野に、具体的な交流方法を模索中です。今後、ボランティアの受入れに向けた体制整備については、受入れに対する基本姿勢の明文化や実習マニュアルの作成が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

社会資源のリストとして、名刺帳、関係機関連絡先、短縮電話番号リストなどを作成しています。主治医への連絡時は、「利用者カルテ」で連絡先を確認しています。行政、相談支援事業所、日中活動支援事業所との情報共有に注力し、トラブル、不穏な行動、パニックのほか、上手にできたこと、以前より改善できたことを伝えるよう心掛けています。定期的な連絡会への出席はありませんが、相談支援事業所が開催するカンファレンスには、積極的に出席し、利用者の生活状況や課題点を共有しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者支援を通じ、相談支援事業所や日中活動支援事業所と連携を取り合う中で、具体的な福祉ニーズを把握しています。虐待や介護放棄、貧困、介護者の高齢化など、地域で利用者が置かれている状況を的確に捉えています。青葉区役所職員との話し合いの機会も得ています。短期入所利用中の日中活動の充実を図り、重度障害者のサービス利用を推進する必要性などを課題としています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

敷地内に井戸を掘り、災害時に備えています。地域が断水になった場合は、近隣住民にも井戸水を活用してもらいたいと考えています。敷地内では、家庭菜園(約50坪)として、野菜や果物を栽培しています。その収穫物を近隣におすそ分けすることで、顔の見える関係を築き始めています。日常的にコミュニケーションを重ねていき、ゆくゆくは障害者と健常者、施設利用者と住民などの垣根を越えて、互いの理解が深まることを目指しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の自立支援を、経営理念に明示しています。生命の尊厳、個人の尊厳、人権擁護などついては、倫理綱領に簡潔にまとめています。職員行動指針と共に事務室や多目的室に掲示して、職員の身近なものとしています。朝礼や研修の場で、倫理綱領と職員行動指針に基づいて、日頃の利用者支援を振り返っています。利用者の尊厳や基本的人権への配慮については、マニュアルへの記載や定期的評価などを今後の課題としています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:c】

居室は全て個室であり、訪室時のドアノックとドア閉めの基本を忠実に行い、利用者のプライバシー確保に努めています。浴室のパーテーション、シャワー室前のカーテン、各居室の日除けなどを設置しています。トイレ誘導の声かけや排泄失敗のフォローなど利用者の羞恥心にも配慮しています。プライバシー保護についてのマニュアルや規程は、現段階では整備している最中です。利用者や家族への取組の周知も今後の課題となっています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

施設パンフレットやホームページは写真を多用し、説明は簡潔であり、わかりやすい内容となっています。ベッド、エアコン、テレビ、衣装棚を完備した清潔な居室、広くて明るい食堂や浴室、敷地内の畑や人工芝の写真から、施設での暮らしがイメージできます。相談支援事業所や家族から施設利用の相談を受けて、見学と面談に対応しています。利用にあたっての不明点や不安点をじっくりと聞き取り、細かく丁寧に説明しています。体験入所を経て、短期入所の利用開始となります。パンフレットの設置場所を増やし、定期的な見直しでより良い内容を目指すなど、積極的な情報提供が期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

契約時には、重要事項説明書と契約書を読み合わせています。利用者と家族、立会人、代理人などに、1日のタイムスケジュール、施設設備、利用時の留意点などを伝えています。利用者本人が施設入所に納得して来所できるように話し合い、信頼関係の第一歩を踏み出すよう努めています。サービス内容や料金設定についても理解が得られるような説明を心掛けています。本人が説明を受けたり契約を締結することが困難な場合の対応について、ルール化していくことが期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

短期入所を終えて帰宅する際には、家族に利用中の心身状態・様子や現在自立度・未来自立度を詳しく説明しています。必要に応じて利用者の個人ノートなどの記録等を開示しています。相談支援事業所が開催するカンファレンスには、積極的に出席し、利用者の生活状況や課題点を共有しています。事業所間の引き継ぎ文書としては、看護師がサマリーを作成しています。利用終了後の相談方法や福祉サービスの支援体制を記載した文書を提示し、切れ目のないサービス提供により、利用者や家族の安心につながることを目指しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

開設3年を迎え、今回の第三者評価における利用者アンケートが初めての満足度調査となります。日頃から利用者とのコミュニケーションは活発であり、利用者が積極的に事業所への希望、意見、満足度を表出できる環境としています。意志表出が困難な利用者でも、日頃の利用者と関わりの中で察知するように努めています。今後は、利用者満足度の仕組みを作り、定期的に継続した取組を進めることが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

契約時に重要事項説明書などを用いて、苦情相談窓口や第三者委員会の設置について説明しています。「苦情解決に関する規程」を作成し、「苦情受付書」、「苦情処理通知書」、「苦情に関する結果報告書」の様式を定めています。今のところ苦情の申し出はありませんが、苦情解決の仕組みをわかりやすく掲示したり、資料を配布するなど、利用者や家族への周知を継続することが期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

スタッフステーションには常に支援員が待機し、利用者が言葉をかけやすい環境を作っています。エントランスホールや食堂ソファーは1対1で話しやすいスペースを確保しています。職員は積極的に利用者と関わり、利用者の言葉を引き出したり、表情やしぐさから思いを読み取るなどしています。今後は、これら相談や意見に関する具体的な取組を文書化して、利用者や家族に配布し、周知を図ることが期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

利用者から聞き取った相談内容は、スマートフォンのチャットシステムで職員に周知した後、朝礼で詳細内容を共有します。その後、事業所が独自に考案した「アスキングシート」を使用して、対応策を検討します。「自立支援テーマ」「自立・自律・要望・希望」「解決策」の欄に記入しながら、全体像を把握していきます。将来への不安、グループホームの選択、日中活動への要望などを聞き取っています。「解決策」の検討手順について、整備が必要だと思われます。また、事業所への意見や要望を把握する取組を実施することも期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故発生時の対応や安全確保についてのフローチャートをスタッフステーションに掲示しています。読まずに一目でわかるように、内容の簡素化を検討中です。ヒヤリハット事例の提出を職員に奨励し、想定し得るリスクを拾い出して、朝礼や研修で要因や改善策を話し合っています。事故の予防、発生時、再発防止に関するマニュアル作成やリスクマネジメント委員会の定期的な開催が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、消毒、換気、手洗い、うがい、マスク着用の基本を実行し、入館者に体温測定、手の消毒を厳行しています。短期入所開始時には利用者に抗原検査を実施しています。厚生労働省の感染症対策マニュアルを拠りどころとして感染症対策を遵守していますが、事業所の実情に見合ったマニュアル作成が期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

年2回、定期的に避難訓練を行い、避難経路を周知し、防災用具や井戸水の確認などをしています。敷地内の備蓄庫には、食料、飲水、紙食器、防寒用具、工具などを納め、賞味期限間近の食料品は、昼食に「ラーメンの日」などと銘打ってローリングストックを実施しています。また、日頃から職員は色分けしたキーストラップを首にかけています。色分けにより、緊急時に誰がどの非常口に駆けつけるかをルール化しています。今後は、安否確認方法の徹底、利用者家族への連絡方法、地域への避難訓練参加の呼びかけなどの取組を、ひとつひとつ進めていくことが望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

マニュアル作成ソフトである「福祉サービス標準化作成ソフト」を使用して、介助法や設備使用法の標準的な実施方法をデジタル作成し、職員同志で共有しています。現場の写真や動画を多用しているので、実際の動作がイメージしやすく、業務のあるべき姿として有効なデジタル標準化の構築をしています。新任職員はまず業務のあるべき姿である標準化を学び、実践後、先輩職員から指導を受けています。今後は、利用者の尊重や権利擁護に関わる姿勢の明示が期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:c】

業務のデジタル標準化作成ソフトは、職員の誰もが随時更新できる仕組みであり、生活支援、看護、厨房、清掃、事務と事業所の業務全般を網羅しています。施設長が更新内容を最終チェックと指導をしています。利用者が必要とするサービス内容は日々変化し、新たな技術、知識や設備の導入が必要不可欠です。業務内容が変化した場合は、そのソフトを随時更新しているものの、更に定期的に見直されることが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

独自に考案したシートを用い、計画を策定しています。利用開始時には利用者の基本情報や日常生活動作、本人・家族の意向、希望する援助などを詳細に聴き取り、「利用者情報」シートに整理しています。「利用者カルテ」には入所理由や施設利用のゴールを記載しています。個別支援計画書に代わるシートとしては「サンライズシート、日常生活支援シート、社会生活支援シート」を作成中です。利用者のニーズ把握(アセスメント)、アセスメントに基づく計画策定、計画の同意については短期入所事業所に応じた実施の手順を定め、職員間の協議により行うことが期待されます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:c】

アセスメントに基づく計画を策定し、サービス提供→モニタリング(評価・見直し)→再アセスメントのサイクルを循環させていくことが望まれます。モニタリングは通常、6ヶ月以内の実施ですが、短期入所事業所では、計画策定について法令上の縛りがないため、繰り返し利用している場合や、長期間に及ぶ場合については、それぞれ適切な節目にモニタリングを行う方法も考えられます。計画の評価・見直しや利用者の意向把握と同意の手順を組織として定め、実施していくことが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

利用者の状況をバイタル管理表と個人ノートに記載し、職員間で共有しています。「利用者カルテ」には個別のスケジュールを記入し、済んだものには○を黒く塗りつぶして、利用者の行動を把握しています。短期入所事業所に応じた個別支援計画等を策定し、計画を基にサービス実施状況を記録することが期待されます。現状では、利用者の心身状態の変化や職員間の伝言は、スマートフォンのチャットシステムで職員に周知します。朝礼では、言葉の微妙なニュアンスなど口頭で伝わる情報の質を重要視して、全情報共有を図っています。職員によって差異が生じないように、記録内容・書き方の標準化も期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

「個人情報取り扱いの規程」を作成し、個人情報の適正管理について明文化し、施設長を管理者と定めています。また、ホームページに個人情報保護ポリシーを載せ、ウェブサイトに関わる取り扱いを明記しています。契約時には、「個人情報使用同意書」により必要最小限の範囲で個人情報を使用することに同意を得ています。新人研修にて個人情報の取り扱いや守秘義務について学んでいますが、規程や法律についての読み合わせや理解度評価は行われていません。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者が自分で決めて、自分で行動できるような個別支援に取り組んでいます。施設内の自動販売機で飲み物を選び、利用者が自分でお金を入れてボタンを押す、おやつのお菓子をリストから選ぶ、など利用者が主体的に行動できる状況設定をしています。利用者同士で順番や内容を決めて、食堂でのカラオケやインターネットやSNS配信を楽しんでいます。食事、入浴、おやつなどの時間を知らせる手段として、館内放送を取り入れ、決まった時間に決まった音楽を流すなど、利用者が自ら次の行動に移れるように配慮をしています。毎日の朝礼や研修で、利用者一人ひとりへの適切な支援方法を職員間で話し合う中で、利用者の権利についての理解を深めています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:c】

契約書に身体拘束の禁止と虐待防止のための措置を明記し、利用者や家族に周知しています。運営規程には虐待の防止のための措置に関する事項を記載し、虐待防止委員会を組織し、役割と内容を定めています。朝礼や研修の場で、身体拘束廃止や虐待防止について話し合い、緊急やむを得ない場合の身体拘束の判断基準や、虐待にあたる行為や態度について学んでいます。今後は権利擁護についての規程やマニュアルを作成し、事業所の基本姿勢を職員全体に周知することが期待されます。また、定期的な検討の場を設け、話し合いや学習をした内容、参加職員のフィードバックなどを記録し、継続的に取り組むことが期待されます。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者が「やっていない」を「できない」と安易に決めつけず、「できる」可能性を探りながら支援しています。一人でトイレまで行けるようになった、荷物を持って歩けるようになった、手洗い方法を習得した、など利用者の生活活動範囲の広がりが大きな目標でもあります。着脱や服薬について、自宅では家族の介助が当たり前となっている利用者でも、日常生活動作や本人の意向を職員が再度見極めています。達成感が得られる未来自立度の課題・目標を設定して、出来たことを褒めてあげて、成功体験を積み重ねて、喜んでいる姿を共に分かち合うことで複眼的な自立支援の実現に一歩づつ近づけています。昼夜逆転現象の解消もそのひとつです。家族や相談支援事業所などと連携を取りながら、通院同行や日中活動支援事業所への送迎も行っています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

写真、絵、筆談ボードなどを使用し、利用者一人ひとりの状況に応じてコミュニケーションを図っています。また、利用者の声の強弱や高低、ちょっとした表情変化、しぐさ、指先の動きなどから、利用者の思いや意見を読み取っています。意思疎通や伝達が不十分な時は、職員間でアドバイスしたり、代弁したりと協力し合っています。また、家族や相談支援事業所とも連携をとり、適切な理解を目指しています。コロナ禍でのマスク着用は表情がわかりづらく、より一層の配慮を要しています。音声アプリケーションや電子文字盤など様々な機器の活用により、利用者のコミュニケーション能力を高める視点も期待されます。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

エントランスホールや食堂ソファーでは、日常的に利用者が職員に相談している場面が見られます。プライバシー保護のため、多目的室で相談を聴く時もあります。利用者間のちょっとした行き違い、家族とのやり取り、健康状態など、自分の思いや悩みを聴いてくれる人がいるという環境は、利用者の大きな安心につながっています。短期入所のリピーターからは、グループホームで暮らしたい、親から離れたいなどの相談もあり、相談支援事業所と連携して対応しています。利用者からの相談や意向確認を大切なものとして扱い、職員間でスマートフォンのチャットシステムや朝礼で共有しています。相談内容を短期入所事業所に応じた個別支援計画等に反映させていくことが期待されます。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

経営理念の「笑って、楽しく元気に暮らす」の具体化として、短期入所での日々を有意義に過ごすことを大きな目標としています。毎週木曜日にアート教室を開催し、敷地内の畑で育つ野菜や果物の絵を描いています。多くの利用者が参加できるように日程を調整しています。前庭の人工芝でアウトドアの雰囲気を満喫したり、毎日のようにウォーキングに繰り出し、陶芸等の教室も企画しています。利用者が自発的にダンスを始めると、周りの利用者も一緒に踊り出す楽し気な場面も見られます。日中活動支援事業所とは連絡ノートのやり取りを行い、利用者状況を共有して、小さな変化にも気づけるように対応しています。いつもと違う様子の時には、時間をかけてじっくりと話を聞いています。短期入所事業所に応じた個別支援計画等に基づき、選択できる日中活動の多様化や活動内容の検討・見直しが期待されます。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

新人研修、OJT(現場トレーニング)、朝礼時のミニ研修など、常に学びの場所を得ています。コロナ禍にあっては、リモート研修に参加する職員もいます。言葉が出づらい、食事をこぼす、壁紙を剥がす、異性の傍にいたがるなど、障害による特徴や行動特性については、職員間で支援方法を共有しています。本人の状態は、「なるほどカード」の表に支援方法を書き、その裏に理由を記載し、「なるほどカード」を壁に貼り、可視化しています。「なるほどカード」は随時更新され、利用者の自立支援に大きく役立っています。利用者間で他害や言い争いがあった場合、施設内数ヶ所に設置した防犯カメラの映像を根拠として解決を図る場合もあります。支援方法の検討、実施にあたっては、専門職の助言(スーパーバイズ)を得ることが期待されます。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

食事は、メニュー作りから一貫して厨房で行い、栄養バランスのとれたおいしい食事を提供しています。敷地内の畑でとれた無農薬のナス、ピーマン、ジャガイモなどが食卓にのぼります。お粥やトロミ付けなどの食形態、好みや食物アレルギー、自助具などきめ細やかに対応しています。天窓がある明るい浴室は広々とした空間で、ゆったりと入浴ができます。転倒転落防止のため、手すりと階段を設置しています。小型の家族風呂も置き、利用者の心身状態に沿って入浴を実施しています。排泄介助の必要な利用者には、羞恥心に配慮して行っています。失禁に備えて、シャワールームを設けています。日中活動事業所への往復は、電車で通う利用者もいれば、送迎支援をする場合もあります。利用者のできることを引き出せるように、日常生活全般において自立支援と見守りの姿勢を基本としています。これらの支援が短期入所事業所に応じた個別支援計画等に位置付けられることが期待されます。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

エントランスには明るいイメージの壁画が飾られ、大きなガラス窓からは日が差し込み、清潔で快適な空間となっています。施設全体に掃除がよく行き届き、衛生用品や洗剤なども収納され、華美な飾り付けもなく、落ち着いた雰囲気があります。エントランスの椅子、食堂の扉、下駄箱の扉などの色合いも、原色を組み合わせた明るいものとなっています。利用者の居室にはベッド、エアコン、テレビが完備されています。鉄筋コンクリート造りの建物で、隣室の音は漏れず、安眠できる環境です。長期の利用者もいるため、大きめの衣装棚は整理整頓がしやすく役立っています。定員よりも部屋数を多く備え、利用者状況によっては別部屋の使用も可能です。利用者からの苦情や意見は特にない現状ですが、生活環境についての意向把握の機会を設けることが望まれます。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

新規利用者は、他利用者の暮らしぶりを見ながら、配膳、下膳、テーブル拭き、掃除などを行うようになっています。施設内の畑の水やりをしたり、近隣のドラッグストアまで買い物をしに行く利用者もいます。自宅では家族任せに過ごしていた利用者でも、集団生活の中で、自然に生活訓練が実現できています。また、メモ帳綴じやおやつ入れ作り、新聞紙カットなどの作業に励む姿もあります。無理に行動を強いることなく、利用者の自発性を大切に支援しています。利用者の心身状態の維持向上に向けて、一人ひとりの計画を定め、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など専門職の助言を取り入れたプログラムメニューの実施も期待されるところです。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

看護師1名を配置し健康管理にあたっています。入浴支援の際には利用者の身体の異変の有無を確認するなど、看護師とも連携しながら健康状態の把握に努めています。緊急時対応はフローチャートをスタッフステーションに掲示し、定められた手順で速やかな対応に努めています。食事面では、個々の状態に応じて、きざみ食にするなど、食形態にも配慮しています。処方薬については、複数の施設利用の経過や帰宅の度に徐々に増量されてきたケースもあることから、施設利用中に主治医に処方内容の見直しを依頼し、適正量に向けた服薬調整を行う場合もあります。今後、医師や看護師の協力を得ながら、時宜にかなったテーマで研修会を開くなど、専門的知見に基づく健康の維持・増進の推進が期待されます。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

スタッフステーション内の施錠した薬カート内に、薬を保管しています。処方薬は、薬局と連携し一包化することで、配薬ミスや誤薬防止に努めています。各利用者の処方薬は予め写真に撮りカラー印刷しておき、薬カートへの配薬時は視覚的に照合しながら、複数職員によるダブルチェックを行っています。更に服薬時のチェック、薬の空き袋のダブルチェックなど二重三重に誤薬の発見に努めています。各利用者毎に記載する日報には定時薬の服薬のチェック欄のほか、頓服名と投薬時刻の記載欄が設けられ、飲み忘れ防止に役立てています。職員が通院に同行した際は、処方薬の指示をスマートフォンのチャットシステムを用いて、看護記録に記載し、速やかに周知しています。食物アレルギー対応はトレイに乗せた食事内容のプレートを厨房職員や支援員が複数の目で確認しています。今後医療的な支援に係る実施手順の標準化を推進し、一層の安全管理体制の構築が望まれます。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

月1回、近隣の公園で行う自治会主催の清掃活動には、職員2名と利用者10名程で参加しています。施設周辺の散歩に出かけた際は、挨拶や簡単な会話など、地域住民との交流にも努めています。敷地内の畑で農作物を育てたり、毎週水曜日のアート教室では、その畑で育つ野菜や果物の絵を描いたり、今年度は、絵や立体物のアート展覧会の参加など、利用者の希望や意向を踏まえ、様々な社会参加や学びの機会を工夫しています。今後、利用者の社会参加や学習に係るニーズを把握し、一層の情報収集や情報提供、様々な社会参加や学習の機会の提供が期待されます。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

短期入所する理由の中で、親の疾病、怪我、入院、死亡などの緊急保護は約半数です。その他、精神障害者や高等部卒業後の若年層、家庭内暴力や虐待など多様な背景や課題を抱え、制度の間で行き場のない利用者の受け皿として、ニーズに応えるため自立支援を行っています。入院中の精神障害者の支援では、病院の医療ソーシャルワーカーからの依頼を受け、退院後、直ちにグループホームへの入居は困難であるため、一つのステップとして支援を行うケースなどがあります。利用期間は、1~3ヶ月、長い場合は半年に及ぶ場合もあります。地域生活への移行や地域生活のための支援では、利用者の希望や意向の尊重に努め、グループホームの入居希望者には必要な情報提供や、見学や体験入所などの調整を図っています。支援にあたり、行政、相談支援事業所、病院、グループホームなど、地域の関係機関との連携・協力に努めています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用開始前に、生活の様子、疾患、食事、日常生活動作、コミュニケーションなどについて、家族等から詳細に聴き取り「利用者情報」を作成しています。「本人・家族の意向、思い、願い(その他報告、連絡事項)」も聴き取り、利用者・家族の意向を尊重した支援に努めています。家族等への定期的な連絡は行っていませんが、歯磨きや排泄など、日常生活について不明な点や確認事項は、随時、家族等に連絡、相談し、家族等と連携しながら支援内容を検討しています。利用者の体調不良や急変時の家族等への報告・連絡ルールは利用契約書、重要事項説明書に定め、家族等の同意をとっています。利用者の携帯電話の持ち込みは禁止ですが、家族への電話を希望する場合は、電話の使用をサポートしています。短期入所を終えて帰宅する際には、家族に利用中の様子や心身状態を詳しく説明しています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外