社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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シンフォニー

2025年11月04日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会
評価対象事業所名 シンフォニー
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2010年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人海風会
③ 理念・基本方針 海風会ビジョン
(理念)
①地域福祉の拠点を担い地域社会に貢献し、共生社会の実現をめざしてまいります。
②利用者の尊厳を守り「愛情・誠意・忍耐」を実践してまいります。
(行動指針)
①あおぞらプランを遵守し、利用者の個性を大切に、自らの将来が描ける温かみのある丁寧な支援に取組みます。
②利用者・職員の健康と安全に留意し、医療ケアの充実につとめ、生活支援・人材育成のプログラム開発に努めます。
③組織のガバナンス(統治機構)を確立し、事業・財務の透明化と公益事業への取組みを積極化してまいります。
④後援会・保護者会並びに地域社会に感謝し、一層の支援体制の構築を図ります。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 〇利用者状況
・グループホームシンフォニーは、社会福祉法人海風会が横須賀市長坂に平成22年に設立した定員4名(男性)の障害者向けのグループホームである。法人は現在7つのグループホームを運営しており、グループホームセンターとして利用者支援に当たっている。
・重度障害者支援に特化したホーム運営である。重度の自閉スペクトラム症の利用者が多く、職員は個々の利用者との信頼関係の構築に努め、利用者の障害特性に配慮した支援にあたっている。利用者がホームで安心して安定した生活を送れるように、個々の利用者の担当職員を配置し、こだわり感の強い利用者への適切な対応に努めている。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2025年04月30日
終了:2025年10月22日(評価結果確定日)
受審回数:0回(0年度)
⑥ 総評
◆ 特長や今後期待される点
〇重度の障害のある利用者が安心して暮らせるホームである
 入居している利用者は重度の自閉スペクトラム症の方が多い。事業計画の重点目標に、入居者が安心して過ごせる空間つくりをめざすことを明記し、全職員に周知している。職員は、日々の生活の繰り返しの中で、個々の利用者の強いこだわり感への丁寧な対応に努めている。利用者に分かりやすい説明を心掛け、言葉かけの順序にも細心の注意を払い、利用者の生活のペースの維持に努めている。本人だけが納得するコミュニケーションのキーワードを大切にし、利用者との信頼関係の強化に努めている。

〇職員は、利用者のウォンツ(欲求)を尊重した支援に努めている
 職員行動指針に「利用者の自己決定と意向の尊重」を明示し、職員は利用者の話をよく聞き、表情や行動をよく観察し、希望や要望を真摯に受け止めて支援している。自閉スペクトラム症の重度の利用者のこだわり感や行動特性があり、通常会話が困難な利用者である。職員は個々の利用者のウォンツ(欲求)は何かをしっかり受け止め、今なにを欲しているのか、できること・できないことは何かに丁寧に対応することで、利用者が安心して日々の生活を送れるように支援している。「シンフォニーの支援の手引き」を整備し、時間軸に沿った支援の「見える化」を図り利用者の安心感・職員の支援のしやすさ・不安感の低減・だれとでも、につなげている。

〇ヒヤリハットの取組みの活用の工夫が期待される
ホームの年間の事故に関するヒヤリハットは1件程度であり、ヒヤリハットの仕組が十分に活用されているとは言い難い状況である。職員意識の強化を図り、事故防止に向けたヒヤリハットの取組みの強化が望まれる。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 昨年に続いて共同生活援助の事業として2軒目の受審をしました。
入居者評価や今後の希望を聞くことが難しい入居者特性の為、苦労しました。
ホームの支援者は、少数精鋭として、支援者間でも支援方法が大きく異ならないよう、勤めています。再度の自己点検を行いつつ、反省点や展望を具体的に見つめ直す機会になりました。
 第三者評価を受け、ヒヤリハット報告書の活用を具体的に取り組むことが必要とご指導いただいたことは、1事業所(ホーム)だけではなく、法人内全事業所に共通する課題と捉えました。
意思決定支援の重要さを具現化するよう、貴評価機関のスタッフ様には、訪問調査日には入居者と個別でご丁寧な聞き取り対応をして下さいました。質問の仕方も個別に工夫して頂け、安心してお願いすることができました。事前の準備やご対応に感謝申し上げます。
受審したことが、再点検の意味も含めて大切だと思います。入居者のためのホームを維持させていきたいと心新たにしました。
                                              シンフォニースタッフ一同
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Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅰ-1 理念・基本方針)
・法人の「海風ビジョン」として理念、行動指針を明示し職員に周知している。理念に「地域福祉の拠点を担い地域社会に貢献し、共生社会の実現をめざしてまいります」「利用者の尊厳を守り、『愛情・誠意・忍耐』を実践してまいります」を掲げている。また、「あおぞらプランを遵守し、利用者の個性を大切に、自らの将来が描ける温かみのある丁寧な支援に取組みます。」等の理念の実践に向けた4項目の行動指針を掲げている。理念、行動指針を事業計画に明示し職員に周知している。
・シンフォニーの事業計画に、あおぞらプラン及び法人の理念を遵守した利用者支援を行うことを重点目標に掲げている。年度末にあおぞらプラン等の理念・行動指針に沿った支援が実践できたかについて、個々の職員がセルフチェックを実施し事業評価シートに明記し意識の徹底を図っている。


◆評価機関からのコメント

・「海風ビジョン」として法人全体の理念と行動指針に明示し、職員に周知している。「海風会 職員倫理綱領」を策定しあおぞらプランの実践等を掲げ、利用者の自己決定と本人の意向の尊重における職員の行動指針を明示し全職員に周知している。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅰ-2 経営状況の把握)
・グループホームの運営に関する法改正等、ホーム運営の環境の変化に応じた事業運営に努めている。法人全体の事務局会議で法人を取り巻く施設運営の情報共有を図っている。グループホームは人件費率が高く収益改善が課題となっている。また、グループホームの職員確保が困難な状況があり、採用に向けて職員の働きやすい職場環境の整備に努めている。
・ホームとして重度障害者の受け入れに注力している。職員は利用者の障害特性に配慮し、利用者との信頼関係の構築に努め、利用者が安心して生活できるホームを目指している。
・グループホームから移行し一人暮らしを希望する利用者への支援など、利用者一人ひとりのライフプランに沿った支援に努めている。



◆評価機関からのコメント

・令和4年の障害者総合支援法のグループホームに関する法改正に基づき、利用者が希望する地域での一人暮らし等の地域生活や地域移行の実現に向けた支援に努めている。グループホームから一人暮らしを希望する利用者支援について事業計画に明記し、利用者のライフプランに沿った支援に努めている。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅰ-3 事業計画の策定)
・法人の中長期事業計画(令和7年度~9年度)を策定し、3年ごとに改定している。「人材確保」「事業運営」「施設整備」「新規事業」の分野ごとに、現状の課題、将来あるべき姿、ビジョンを達成するための方法等について明示し、「中長期計画フローチャート」を作成し進捗状況を確認している。また、環境の変化等に配慮し毎年計画の見直しを実施している。
・法人の単年度事業計画に含めてグループホームセンターとしての事業計画を作成している。令和6年度の事業計画は、重点目標に「法人事業計画の基、あおぞらプラン及び法人理念を遵守した利用者支援を行う」「必要な職員研修を実施できるよう、計画的な取り組みを行う」を掲げている。


◆評価機関からのコメント

・法人の中長期事業計画を策定している。中長期事業計画の実現に向けた年度ごとの法人としての事業計画を策定している。法人の事業計画に含めてグループホームセンターの事業計画を明示している。 ・グループホームの事業計画は達成目標の数値化の工夫が望まれる。グループホームセンターとしての経営目標達成度の定量的評価に向けた対策が望まれる。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組)
・利用者へのサービス向上の視点として、グループホームで利用者が安心して日々の生活を送れる場になっていることをもっとも重視している。特にホームの利用者は自閉スペクトラム症の強い症状の方である。職員は利用者特性に配慮し、日々の生活の繰り返しの中での変化に注意し、利用者に分かりやすい説明と声掛けを行い、利用者が安心して過ごせるように心がけている。
・職員は虐待防止に関するセルフチェックを実施し、年3回の職員全体会議で情報共有を図り、課題を設定し、アンガーマネジメント研修等の実施につなげている。


◆評価機関からのコメント

・シンフォニーの利用者は、自閉スペクトラム症の重度の方で通常会話が困難な方である。職員は利用者の障害特性に配慮し、言葉かけの順序にも注意し利用者が不安に感じることが無いように日々支援している。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ)
・「シンフォニー運営規程」に管理者の職務内容を明示し職員に周知している。
・事業計画の重点目標に、「あおぞらプラン及び法人理念を遵守し利用者支援を行う」「必要な職員研修を実施出来るよう、計画的な取り組みを行う」を掲げ、事業計画の全職員への周知を図っている。研修は全職員が受講できるように配慮し、参加できなかった職員には複数回の研修機会を確保している。


◆評価機関からのコメント

・海風ビジョンを制定し、理念・行動指針を明示し、職員に周知している。また「海風会」の名称の由来や海風会のマークの由来など理念・行動指針を業務中に身近に感じられるように工夫している。 ・グループホーム職員の勤務時間等に配慮し、研修に参加しやすい様に、同じ内容の研修会を複数回実施している。 ・グループホーム利用者の障害特性や生活特性を考慮し、「守秘義務」「個人情報保護」「権利擁護」「虐待防止」等、管理者自ら人権委員会等に出席し、課題対策を検討し職員への周知を図っている。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成)
・福祉人材の確保・育成は、運営法人との共通課題と認識し対応している。職員の高齢化が顕著であり若い職員の確保と利用者支援の技術レベルの継続性に配慮した支援に努めている。職員のキャリアパス要件を整備し職員の育成に取り組んでいる。
・「ストレスチェック実施規程」を作成し定期的に職員のストレスチェックを実施している。必要に応じて産業医に相談できるようにし職員のメンタルヘルス対策に取組んでいる。また、有給休暇は職員の希望通りに取得できており、働きやすい職場環境の維持に努めている。
・実習生に対する専門職の研修・育成は、法人運営の他の施設と連携している。グループホームへ直接的な実習受け入れは実践されていないが、グループホームの実践特性を考慮しつつ実習中の見学などを実施している。


◆評価機関からのコメント

・グループホーム利用者の障害特性を十分理解して、福祉人材の確保・育成を意識した支援に努めている。 ・グループホーム運営の主たる担い手の非常勤職員とのコミュニケーションを積極的に図り、働きやすい職場環境づくりに努めている。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅱ-3 運営の透明性の確保)
・運営法人(海風会)において実施されているホームページやパンフレットに、法人のビジョンや理念を明示し、また、グループホームの利用者の生活の様子等について掲載しホーム運営の透明性を図っている。
・また、毎年税理士による法人の外部会計監査を実施し、監査結果をホームページに開示し施設運営の透明性を確保している。


◆評価機関からのコメント

・グループホーム「シンフォニー」運営規程において、利用者個々人の生活費について「利用者の便宜を向上させるものに係わる料金表」を規定している。毎月利用者家族に現金出納帳の結果を知らせて、グループホームでの生活の透明性を図っている。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献)
・海風ビジョンを制定し、法人理念において「地域福祉拠点を担い地域社会に貢献し、共生社会の実現をめざしてまいります。」と宣言している。石川県能登地震では被災地応援職員として派遣され、その経験から利用者の処遇に関して新たな取り組みを実践している。
・週末は利用者が職員に同行してもらい近くの理髪店や靴店との馴染みの関係ができている。また、コンビニにおやつの買物に行くことが多い。金銭管理は利用者には困難であるが、職員に代金をそろえてもらいそれを受け取って本人が店員にお金を渡すことで、本人の満足感に繋がっている。
・年2回の防災訓練や消火訓練、避難訓練に参加し、利用者自身が避難場所を自分の目で確認することで利用者の安心感につながっている。


◆評価機関からのコメント

・コロナ禍において、地域交流等は休止せざるを得なかったが、今までの地域交流の実践を徐々に復活させている。法人やグループホームでの今までの地域社会での実践が力強く根付いていたことが言える。 ・「災害時ボランティア受入れ規程(平成23年度制定)」を制定し、災害時であってもグループホーム利用者への影響を最小限にするために努力している。災害時の利用者への処遇面での伝達事項軽減のために「フェイスシート(あんしんカード)」を平常時から作成し、災害時でも安心して日常生活が継続できるように障害特性を考慮した取り組みを実践している。
Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示)
・中長期事業計画に、支援困難な自閉症児者への適切な支援体制を確立するため、自閉症児者に特化したプログラムを確立することを明示しており、職員倫理綱領、職員行動指針、就業規則を整備し、法人理念やあおぞらプランを遵守した利用者支援を行うこととしている。
・あおぞらプラン及び職員倫理綱領は、支援者会議やグループホーム会議、職員全体会議等で適時読み合わせを行うと共に、新入職職員研修の一貫としている。
・入浴や排泄といった介助は、プライバシーに配慮し同性介助を徹底すると共に、男性ならではの性の悩み等非常にデリケートなテーマについても男性職員が真摯に相談に対応しケアに反映している。個室対応で内側からの施錠も可能となっており、プライバシーに配慮している。


◆評価機関からのコメント

・利用者には、〇〇さんと呼称することを徹底している。気になる場面では速やかに職員同士声を掛け合うようにしている。 ・自閉症・ダウン症の理解に関するマニュアルを基に新入職職員へ研修を開催している。又、人権委員会で虐待防止・アンガーマネジメントをテーマに人権研修を法人全体で年3回実施している。同テーマを3度開催することで必ず1回は職員が参加できるよう工夫をしている。また、グループワークによる事例検討形式の人権研修を開催し、他ホーム、他事業所と課題を共有し、ケアの在り方等意見交換し支援の質の向上を目指している。 ・非常勤職員はWワークしている者も少なくない。今後は動画視聴を取り入れる等効率化を図り、研修方法の更なる工夫が期待される。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定))
・法人として、横須賀市障害関係施設協議会に加盟し、地域福祉の拠点を担うという理念の基、こどもから大人まで切れ目なく事業展開していることを明示している。ホームページやパンフレットに、ホームでの1日の過ごし方をイラストや動画、写真付きで公開し情報提供を図っている。
・広報誌「春のシンフォニー防災訓練」を配付し、消火体験訓練や避難所移動の様子を写真付きで掲載している。自閉スペクトラム症の特性を記載することで、地域住民に避難に関する理解・協力を求めている。広報誌は町内会や所轄消防署に配付している。
・横須賀市のホームページに、グループホームを探されている方の利便性向上を目的に、グループホームの空き状況等情報提供している。


◆評価機関からのコメント

・以前契約書や重要事項説明書にルビを振り、利用者の混乱を防ぎ自己決定しやすいように工夫していたが、重度自閉スペクトラム症を伴う利用者は、利用者自身のストレスに鑑み利用者の目線に立ち、家族や後見人と情報共有を図り、ルビを取りやめた経緯がある。重要事項説明書、個別支援計画等は、内容変更時に必ず更新し、説明と同意を得ている。 ・パンフレットは、横須賀市療育相談センターや、通所先のいちばん星内の相談支援事業所に設置しているが、ホームの取り組みや、日々の利用者の過ごし方を定期的にブログで発信する等、更なる外部への福祉サービスの情報提供が期待される。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上)
・アンケート等の利用者・家族等を対象とした定期的な満足度調査は実施していないが、職員は利用者の日々の生活状況や表情・言動を観察し、希望や要望を真摯に受け止められるよう言語・非言語コミュニケーションの工夫をしている。その結果4人の利用者それぞれの特性からみられる生活スタイルを理解できるようになり、支援の一貫性を保つことで、そのルーティンが日常生活の一部となり、信頼関係が構築されている。
・アフリカ太鼓奏者である利用者には、外部のヘルパーを調整し、定期的な外出も可能なように配慮している。家族同士の交流も深い。施設と家族は電話や連絡帳を活用し、相談・情報共有している。


◆評価機関からのコメント

・「怒りの気持ちのしずめ方」というマニュアルを作成し、職員が共有し支援に活かしている。テンカウント法、ストップ法、スイッチ法、リラックス法、文章にしてみる法、距離をおく法、ひとばんねる法等について明示し、職員の意識の共有を図っている。 ・利用者の観察記録や家族の連絡等は、毎日連絡ノートを活用し、出勤時確認している。職員は連絡ノートを必ず確認し、課題や、より良い支援を実現するために、積極的に自身の考えや意見を伝えるようにしている。又、支援者会議やケアホーム会議で、情報共有し、利用者の支援を検討している。メールを活用し、タイムリーな発信に取り組んでいる。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保)
・苦情解決の仕組みは、法人の「苦情解決に関する規則」に明示し、重要事項説明書に、要望・苦情等申立先及び虐待防止に関する相談窓口について明記し、利用者、家族、後見人等に説明している。苦情解決フローチャートを整備し、解決レベルⅠ~Ⅳまでの対応を明確にしている。ホーム玄関に「あなたのはなしをきかせて下さい」と題したポスターを掲示し、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員、神奈川県社会福祉協議会・運営適正化委員会の連絡先を記載し、利用者・家族等に周知している。
・利用者の表情や言動を観察し日々の変化を察知しながら、利用者が話しやすいタイミングで声掛けをしている。プライバシーに配慮し、管理者やサビ管、担当ホーム職員、相談支援員等が利用者の生活軸に合わせて居室を巡回し、何時でも聞いてほしいことがあれば教えてほしいと伝えている。


◆評価機関からのコメント

・「苦情受付書」「苦情解決話し合い結果記録書」「改善結果(状況)報告書」等を作成し、利用者の権利を擁護し、福祉サービスの向上を図り、法人事業に対する社会的な信頼の向上を図っている。苦情申出を謙虚に受け止め、迅速な解決に努め、苦情申出人に対し、不当な取り扱いをしないことを明示している。 ・重度自閉スペクトラム症の利用者に、苦情解決制度の主旨と内容を明確に説明することは非常に困難だが、簡潔に一つずつ伝える工夫を継続している。 ・小さなトラブルが生じた時点で、面談を行う等迅速な対応・解決に努めた結果、3年間苦情の実績はない。今後は、相談内容を記録し、苦情に繋がる意見等の把握に努めサービス向上につなげる取組みの工夫が望まれる。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組)
・リスクマネジメント対策について法人の「事故対策要領」に明示し、事故連絡調整会・事故対策委員会を設置し対応している。利用者1人ひとりの身体機能や行動範囲、生活特性を考慮し、個別にアセスメントし、利用者ニーズを個別支援計画に反映している。「事故報告書」「再発防止案」等の記入シートを整備している。
・消防・防災計画として各ホームで年2回防災訓練及び研修を実施し、「共同生活援助BCP/感染症編・災害編」を作成し職員に周知し、平時からの備えと災害発生時の事業継続のための対策を整備している。
・新型コロナウィルスの対応等フローチャートや接触者リストを整備し早期発見・重度化予防している。
・地域との連携を図り、町内会長や組長、近隣住民等外部関係者との情報共有を図っている。


◆評価機関からのコメント

・消火器、スプリンクラー、自動火災報知機、消防機関へ通報する火災報知設備等、災害時に必要な備品を定期的に点検し、不足が無いよう揃えている。 ・管理者含め2名の職員を石川県能登半島地震で被災した福祉法人へ派遣し、復興支援に当たっている。その経験を活かしBCP計画や防災訓練に反映している。 ・ホームの年間の事故に関するヒヤリハットは1件程度である。ヒヤリハットの仕組の積極的な活用の工夫が望まれる。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立)
・「シンフォニーの支援の手引き」を整備している。支援の手引きは1日の支援の流れに沿って、日中作業所への送り出しの準備作業等について明示している。個々の利用者特性に応じた支援内容や配慮すべきことを具体的に明示し職員の注意を喚起している。また、個々の利用者ごとにプロフィールシートを作成し、食事・排泄等の支援の留意事項や本人の健康状態、趣味や行動特性を明示し、職員の支援の統一性を図っている。



◆評価機関からのコメント

・職員は、日々の利用者支援の状況を「申し送りノート」に記述し、他の職員との情報共有を図っている。職員は出勤時に申し送りノートを確認し、申し送りの項目ごとにチェックし注意を喚起している。個々の利用者の障害特性に配慮した支援の統一化を図っている。 ・職員が重なって勤務する時間を設け、口頭での引き継ぎ、確認を行えるよう努めている。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定)
・個別支援計画の見直しに合わせてアセスメントを実施している。所定の「グループホームアセスメントシート」を用いて、移動や食事、排泄等の生活支援、医療やコミュニケーション、危機管理等の項目ごとに利用者状況を評価し支援ニーズを把握している。アセスメントの結果をPCに入力し、支援ニーズを確認し個別支援計画に反映している。
・半年ごとに個別支援計画の見直しを実施している。個別支援計画に利用者家族の意向と総合的な方針、及び支援目標を具体的に明記している。個別支援計画の記述をもとに、2か月ごとに支援者会議を開催し個別支援計画の目標に沿って支援できていることを評価し職員間の情報共有を図っている。
半年ごとにモニタリングを実施し、個別支援計画の目標ごとに達成状況を記録している。


◆評価機関からのコメント

・個別支援計画の目標設定は、「生活」「健康」「夜間支援」「その他医療面支援等」の場面ごとに、アセスメントやモニタリングの結果を考慮し、また、利用者の希望を尊重して設定している。職員は、2か月ごとに支援者会議を実施し、個別支援計画の目標に沿った支援の状況や達成度を確認している。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録)
・職員は、日々の利用者支援の状況をケース記録に記述している。ケース記録は日々の利用者に関わる支援内容について記述したものである。また、日々の職員の気づき等を申し送りノートを用いて、職員間の情報共有を図っている。
・利用者の個人情報等のPC上の管理は、情報の種別ごとにレベル1からレベル4のパスワードを設定し、情報の種別ごとに管理し不正アクセスを防止している。また、法人の文書管理規程を整備し、文書保管期限や管理責任者を定めている。



◆評価機関からのコメント

・ケース記録は日々の利用者に関わる支援について記述したものであるが、個別支援計画の目標に沿った記述ではない。個別支援計画の目標に沿った支援の記録を工夫し、個別支援計画の見直しに活かす取組みが期待される。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-1-(1)自己決定の尊重)
運営法人の理念に「利用者の尊厳を守り「愛情・誠意・忍耐」を実践してまいります」を掲げ、行動指針に「あおぞらプランを遵守し、利用者の個性を大切に、自らの将来が描ける温かみのある丁寧な支援に取組みます」と明記し実践目標にしている。
・当該施設は自閉スペクトラム症の方が多く、意思の汲み取りが難しいが利用者の「見通しの持てる対応」を念頭に本人の理解しやすさや自傷に繋がらない対応を実践している。
・重度知的障害者の理解し易い、ことばとその
意味づけを本人目線で考え対応している。



◆評価機関からのコメント

・入所者が自閉スペクトラム症の方が多いこともあり、職員は日々の利用者の生活から個々人の安心感に配慮し、できること・できないことのバランスに注意している。 ・利用者が意思表示しやすいように情報の量や伝え方に配慮し、当日の支援員の顔写真の掲示などしている。日々の生活の場であるグループホームにおいて、日常生活の安心感と十人十色のライフスタイルが尊重されている。 ・一度聞いても本人の理解が弱いこともある為物事の判断、決定には二度三度手間をかけ支援者間と家族にも相談して決める等、丁寧な対応に努めている。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-1-(2)権利侵害の防止等)
・運営法人の「海風ビジョン」において利用者の人権尊重・権利擁護の方針を明文化し、「虐待防止対応規程」等を策定している。
・当該法人では「海風会職員倫理綱領」を制定し、利用者の生活を支える職員の行動指針を明記している。職員行動指針に、利用者本人の自己決定と意向の尊重、利用者の理解などについて確認することを明示している。



◆評価機関からのコメント

・運営法人の虐待防止研修を実施し、その具体的な実践として「セルフチェックリスト」で支援内容の確認を実践している。「海風会職員倫理綱領」に利用者の呼称について「利用者を呼ぶときは「○○さん」と呼ぶこと、職員同士も同様である」と明示し、権利侵害に関する職員意識の徹底を図っている。 ・成年後見人をたてるよう家族にも理解を求め、半数以上が対応してくださっている。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(1)支援の基本)
・個々人の一日の時間軸を理解して丁寧に支援をしている。安心した日常生活が継続できるように、個別支援計画に基づき障害特性や個別課題に応じた「見通しの見える」支援を行っている。


◆評価機関からのコメント

・職員は、利用者ができることを見守り、利用者が徐々にできることを増やしていけるように配慮している。個々人の一日の生活軸を大切にして、本人に徹底的に寄り添い生活への意欲を高めている。自己表現の汲み取りは、日々の生活軸に立ち返り支援している。 ・「シンフォニーの支援の手引き」を作成し、グループホーム利用者一日の生活を、時間軸で「見える化」を図り、日々の生活支援での活用や新人職員のOJTの資料として積極的に活用している。
A-2-(2)日常的な生活支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(2)日常的な生活支援)
・個別支援計画に生活面の目標を明記し、食事、排泄、移動等、また利用者の趣味や得意なことに着目した目標を設定している。半年ごとにモニタリングを実施し、課題を整理し個別支援計画の見直しに反映している。
・職員は、日々の利用者ごとの生活リズム沿って利用者が安心して過ごせるようにしている。通常会話が苦手な利用者であるが、職員は特に利用者のウォンツ(欲求)に注意を払い、利用者の思いを尊重した支援に努めている。
・食材宅配サービスを活用し、職員が調理して提供している。また旬の食材(フルーツなど)を副菜として提供し、季節感のある食事提供を行っている。
夕方の時間帯には職員を必ず2名配置して、利用者の安全と安心に留意している。


◆評価機関からのコメント

・利用者の障害特性を考慮して、個々人にあった支援を行っている。職員は、「伝えることはシンプルに、出来ることは自分で、出来ないことは少しずつ自分で出来るように」等利用者の状況に配慮し、日常生活が送れる様に支援している。 ・家族だけでなく成年後見人などとも情報を共有し本人の安心できる日常生活が営めている。
A-2-(3)生活環境

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(3)生活環境)
・世話人が毎日ホームの掃除、消毒、換気の徹底に努めている。食後は必ず床掃除し、落薬がないことを確認している。
・「シンフォニーの支援の手引き」には、早番・遅番・夜勤者の時間軸に合わせた業務内容を明記し、4人の利用者のルーティンを記載し、個別に一貫した支援の標準化を図り利用者の混乱防止やストレス軽減を図っている。
・感覚(嗅覚)過敏な利用者は、開封した調味料等の些細な匂いに強い嫌悪感が生じ不調を起こしてしまうことがある。職員は密閉方法を工夫し、利用者の帰宅前に調理を終了させる等配慮している。過去に調理中の様子が気になり利用者が落ち着かないことがあり、調理中はリビングと食堂にブラインドを設置したことがある。その利用者も時間をかけておさまり、ブラインドは不要となり撤去したことがある。


◆評価機関からのコメント

・利用者の居室は、家庭で使用していた好みの物を置き、安心できるように配慮している。衣装ケースに収納衣類のシールが貼られ、片付けのルールが出来ている。 ・重度の利用者が多いホームのため、職員の勤務変更等ルールの変化や見通しが立たないと不安を感じることがある。どの職員が勤務に入るか、曜日ごとに職員の名前付き写真を利用者と共に貼り見える化したことで、利用者も納得して過ごせている。 ・現在もアセスメント中だが、重度の利用者が、ソファーカバーや、壁紙、カーテンを破損する行為がある。自分の気持ちや考えを言葉にすることが困難であるが、職員が寄り添い、傾聴することで沈静を図るようにしている。リビングで過ごす利用者も多いが、それぞれの居室が安心できる場所になっている。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(4)機能訓練・生活訓練)
・「職員行動指針」に、職員自ら率先して作業を行い、共に働くことで信頼関係が形成されること、及び利用者に対して活動時の言葉掛けと励ましを常に行うことを明確にし、また、作業目標と見通しを明確にし、楽しく働ける雰囲気を作ることを明示している。職員は、日々のルーティンに合わせた実践の積み重ねで、利用者の得意なことを活かした支援に努めている。日中活動先から帰宅後ポストの郵便物を受け取る事、浴槽の栓を抜く事、洗濯物を畳む事等、それぞれの利用者の興味を尊重した取り組みである。
・職員が感謝の気持ち等肯定的な声掛けを続けることで、新たな興味が湧き、取り組む姿勢が見られている。苦手な歯磨きも、電動歯ブラシで介助をすれば、口を開けて拒否なく受け入れている。


◆評価機関からのコメント

・週末は利用者のリクエストに応えて必ず外出している。おやつを買いたい、アイスが食べたい、洋服が欲しい、床屋に行きたい等どこで、何をするか事前に決めている。金銭管理は職員が行っているが、品物を選ぶ、支払うといった一連行為について利用者を見守るようにしている。買物に行った店ごとに職員が過ごし方を説明し、守るべき決まり事を利用者自身が納得し対応できるようにしている。 ・避難訓練では、徒歩で避難場所の確認を行い、どんな時に、ここに来るのかを利用者が理解できるようにしている。 ・職員がYouTubeから利用者が興味を持つような動画を一緒に探して、生活訓練の一環としてそれを見ることが日々の日課となっており、生活の安定につながっている。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(5)健康管理・医療的な支援)
・年に1度健康診断、インフルエンザ予防接種を行っている。6か月に1回、協力医療機関での診察を受け、利用者の歯石の除去・クリーニングをする等口腔ケアに力を入れている。
・医療的ケアを受けている利用者はいないが、アトピー性皮膚炎で身体を掻きむしる利用者がおり、定期的に受診支援・軟膏塗布をしている。
・体重増加傾向にある利用者に対し、定期的に体重測定を実施し変化を観察している。食事内容の見直し等を検討し、本人の意向、家族の希望に鑑み、支援を行っている。
・アセスメントシート、個別支援計画、フェイスシート(あんしんカード)、緊急時支援フェイスシートを活用し、医療機関や服薬状況、健康状況等情報共有を図ると共に、緊急時対応のマニュアルとしている。
・それぞれの利用者の生活介護職員や医務、相談支援専門員とも情報を共有し連携している。


◆評価機関からのコメント

・服薬等は職員が全て管理している。飲んだ薬包と次に飲む薬包をセットし、次の勤務職員が確認、それぞれのシフト職員がダブルチェックしている。 ・日常の買い物や体力づくりを兼ねての散歩、生活介護での活動で、利用者のADLや健康の維持増進を図っている。 ・家族とは、既往歴等の聞き取りや現在の状況の共有を図り、ホーム内で連絡ノートを活用し共有している。必要に応じて、支援者会議やグループホーム会議、全体会議を開催し、タイムリーに利用者の状況把握に努めている。 ・直接訪問診療や訪問歯科を導入する施設も多いが、シンフォニーでは、かかりつけ医に診察を受けている。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(6)社会参加、学習支援)
・重度の知的障害・精神障害のある利用者にとっては、地域で安全に安心して生活できていることが利用者本人にとっての社会参加への大きな意味を持つと言える。職員は、休日の余暇活動やホームの季節行事に、利用者が積極的に参加したいと思うように支援することを事業計画に明記し、利用者の希望を尊重した支援に努めている。
・グループホームセンターとしての「地域連携推進会議」の開催を推進している。利用者本人、家族、地域の関係者が参加し、直接利用者との顔を合わせることで地域の人にホームの存在を理解してもう場になっている。


◆評価機関からのコメント

・重度の自閉スペクトラム症の障害特性のある利用者の社会参加には困難を伴うことが多い。職員は個々の利用者の意向を尊重し、利用者本人が地域社会に興味を持ち、エンパワーメントに繋がるように支援に努めている。 ・今後は地域連携推進会議を積極的に活用し、利用者の社会参加に繋がる支援が期待される。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援)
・令和6年度グループホームセンターの事業報告に、グループホームから一人暮らしへの移行を希望する利用者の思いを尊重し、より自立度の高い他のグループホームの体験利用を実施し、令和7年度の移行を目指すことが明記されている。職員は、個々の利用者のライフプランに配慮し利用者の思いを尊重した支援に努めている。当該ホームの利用者は10年以上ホームに入居している利用者が多い。職員は利用者の高齢化の傾向の中で、利用者が安心して地域で生活できるための支援に努めている。


◆評価機関からのコメント

・ホームの利用者は入所施設から地域移行の一環としてグループホームに移行した利用者である。長年ホームで生活する中で職員との信頼関係がある。職員は、自閉スペクトラム症の個々の障害特性に配慮し、利用者が安心して日々の生活を送れるように支援している。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

(A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援)
・家族とのコミュニケーションは連絡帳を活用している。生活介護事業所と連携し、利用者の一日の生活を通して利用者の状況の変化を把握している。
・毎月利用者の現金出納帳をコピーして家族に送付し、利用者本人がどんな店で何を購入したのかを家族に分かるようにし、また、いつもと変わった利用者の変化・行為等を伝えている。
・ホーム開催の季節のイベントに家族も参加し、交流を図っている。誕生日会、クリスマス会、正月、夏祭り等のホームの行事に家族も参加している。


◆評価機関からのコメント

・職員は、利用者がホームで安全に安心して生活できていることを家族に伝えている。連絡帳を用いて利用者の服薬について家族に連絡し、休日等利用者が帰宅した時の生活リズムの維持に努めている。

利用者調査結果<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:4名
アンケート調査対象:8名
ヒアリング調査対象:4名
アンケート及び聞き取り調査の結果は以下の通りであった。
①アンケート結果の「満足」の回答率
・ホームでの生活はすきである。      71%
・自分のペースで過ごしている。       100%
・困っていること、不安なことがある。     0%
・ホーム内で悩みや相談できる人がいる。   57%
・職員は丁寧な言葉で話をしてくれる。    86%
・職員から大切にされていると思う。     100%
・利用者間のトラブルに対応してくれる。   57%
・自分のお金がいくらたまっているか知っている。0%
・ホームに預けているお金の残金など毎月報告を受けて
 いる。                   43%
・友達に会いにいくなど自由に外出できる。   29%
・ホームの生活に不満や苦情はない。     100%
・不満や苦情を誰かに伝えることができる。   43%

②利用者聞き取り調査の内容
・利用者は全員直接聞き取りが困難である。項目ごとに「うんうん」「はいはい」の返答はあるが、利用者が質問項目を理解していないことがある。
・質問者の言葉をそのまま繰り返すエコラリアの利用者がいる。利用者の表情を観察し、質問項目の内容に前向きか否定的であるかを観察した。
・聞き取りの全体を通して、職員を信頼し、安心して生活している利用者の思いを感じる聞き取りであった。