社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ジャストサイズ池子

2022年03月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会
評価対象事業所名 ジャストサイズ池子
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2011年02月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人湘南の凪
③ 理念・基本方針 ◇基本理念
 1.利用者が尊厳を持って、自立できる地域社会の実現を目指します。
 2.基本的人権を守り、個人の尊厳を重視した支援を行います。
 3.地域とともに歩み、地域から信頼される法人を目指します。
 4.常に法令を遵守し、良質な福祉サービスを提供します。
 5.法人の経営基盤を強化し、経営の透明性を確保します。
◇職員行動指針
 1.私たちは、社会福祉法人の職員であることを強く自覚し、高い職業倫理を身につけます。
 2.私たちは、常に法令・制度に対する自己研修に励み、これを遵守します。
 3.私たちは、利用者の基本的人権と個人の尊厳を守り、利用者本位の支援に努めます。
 4.私たちは、地域のセーフティネットの一翼を担うものとして、地域社会と連携し、様々な困難に立ち向かいます。
 5.私たちは、「障害者権利条約」推進のため、イエローリボン運動に賛同します。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 〇利用者には、自閉症や知的障害など重い障がいがあり、言葉によるコミュニケーションが難しい面がある。職員は一人ひとりの個性や障がい特性をよく理解し、行動の裏にはどのような思いがあるのかを検討しながら、利用者の気持ちに寄り添って支援している。支援過程や利用者間の関係性で極稀に混乱することもあるが、利用者それぞれが本人のペースで、穏やかに生活を送ることができるよう支援している。
○月1回、8ホーム全体の常勤職員による職員会議を開催する他、同じく月1回、住居ごとの常勤職員の住居会議や、常勤・非常勤職員の支援員会議を開催して、福祉サービスの質の向上に組織的に取り組んでいる。常勤や非常勤職員の会議を通し、職員間の意識の統一を図り、課題や悩みを伝え合うようにし職員が孤立しないための環境作りに取り組んでいる。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2021年06月01日
終了:2022年02月09日(評価結果確定日)
受審回数:1回(0年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
〇法人内のグループホームを「ジャストサイズ」とし、現在、8ケ所のホームを運営している。「ジャストサイズ」全体を、施設長と主査、サービス管理責任者がまとめ、各ホームに常勤の世話人1名と、非常勤の支援員を複数名配置している。
○「ジャストサイズ池子」は、開所10年のホームで、設計段階から職員の意見を取り入れて建てられた2階建てのホームである。現在、自閉症や知的障害のある男性利用者5名が生活している。利用者の年齢は、20歳代から50歳代と幅広い。
○5人の利用者は、平日の日中は、一人ひとりの特性に合った生活介護事業所や就労継続支援B型事業所に通っている。生活介護事業所までは送迎サービスを利用しているが、1名の利用者は就労継続支援B型事業所に自力で通っている。
〇言葉でのコミュニケーションが困難な利用者が多い。生活の流れを理解できるよう、スケジュール表や文字や写真カードの使用、声かけなどで、利用者が安心して生活を送ることができるよう支援している。利用者はカードで次に何をやるかの見通しが立てられ、自主的に生活ができるようになり、トラブルも少なくなって穏やかに過ごしている。
○利用者本人の特性を理解し、自律・自立した生活を送ることができるよう配慮し、個別支援計画を作成している。日々の利用者の様子、表情、行動などから、本人の思いを汲み取るよう努めている。
○利用者の生活支援は、職員の価値観が反映されやすい状況があったため、昨年度、職員で協議し、「生活支援の使命」を作成して、基本的な支援の姿勢を、支援員間で共有している。
○利用者の個別支援記録に、「支援の手順」を明記して、標準的な支援方法を定めている。「支援の手順」は支援内容の確認をチェック方式とし、非常勤の支援員がわかりやすいようにして、支援のばらつきが出ないように工夫している。支援員は日々、「支援の手順」に基づき実施に努めるとともに、定期的に内容の見直しを行っている。

改善を求められる点
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

・法人の基本理念や職員行動指針は、ホーム内の利用者や職員の目につくところに掲示している。また、法人のホームページやパンフレットにも掲載して周知を図っている。
・年2回、家族懇談会を開催している。家族懇談会では、利用者の日々の生活の様子や報告が主になるが、理念に基づき、グループホームが目指す方向性を説明している。
・昨年度、グループホームの職員の基本的な支援の姿勢をまとめた「生活支援の使命」を作成し、職員に配布するとともに、会議で内容を説明している。


◇課題と考えていること

Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

・法人内の各事業所の管理者が集まり、週1回共有会議を、月1回運営会議を開催している。会議では、法人全体や各事業所の情報を把握、共有し、課題の解決や改善に取り組んでいる。
・共有会議や運営会議では、コロナ禍の中での稼働率や人件費などの話が多くあがり、また、利用者の高齢化による支援のあり方などを確認している。


◇課題と考えていること

・法人や事業所の経営状況の把握は、現場の職員間で認識の違いもみられるため、情報の共有について検討が必要と捉えている。

Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

・法人全体で、5ケ年の中期事業計画を策定し、その内容を単年度の事業計画に一部反映している。今年度はzoomでの開催となったが、事業計画は半期に1回、進捗状況をまとめ、法人全体で報告会を開催し、定期的な計画の振り返りを行っている。
・法人内8ホームの事業計画は、施設長が作成しているが、住居ごとにハード面やソフト面が異なるため、今後はそれぞれの住居の担当者の意見を集約して作成していく予定である。


◇課題と考えていること

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

・月1回、8ホーム全体の常勤職員による職員会議を開催する他、同じく月1回、住居ごとの常勤職員の住居会議や、常勤・非常勤職員の支援員会議を開催して、福祉サービスの質の向上に組織的に取り組んでいる。
・常勤や非常勤職員の会議を通し、職員間の意識の統一を図り、課題や悩みを伝え合うようにし職員が孤立しないための環境作りに取り組んでいる


◇課題と考えていること

Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

・各ホームは物理的、時間的に離れた場所での支援になるため、情報共有やコミュニケーションについては、ITの活用や会議の内容・頻度、常時の連絡体制、面談や研修の実施など工夫している。
 各ホームにiPadを置き、一人勤務になる時もあるので、与薬の状況はグループホーム全体を統括する管理者に写真で報告している。
・非常勤の支援員とは年2回、個人面談を行い、2ケ月に1回は、支援員会議の中で、施設長が講師を担い、利用者支援のあり方などを非常勤の職員に伝えている。


◇課題と考えていること

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

・福祉人材の確保・育成に向け、常勤の職員は目標管理制度を実施している。年度初めにそれぞれが目標を立て、年度末には、施設長との面談を行って、意向の確認や目標の評価を行っている。
・非常勤職員の採用は施設長が担うことから、勤務開始後3ケ月で面談を実施し定着の状況を確認し、採用にあたっては、通所事業所の実習やホームの実習などを経て、勤務に移行するようにしている。非常勤職員の募集や採用は、ネットの求人広告やポスティングを実施しているが、職員の紹介によることもある。


◇課題と考えていること

Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

・法人のホームページに、事業計画書や事業報告書、決算書類を掲載して、運営の透明性の確保に努めている。
・また、毎月の運営会議や四半期ごとの会計報告にて、情報の把握や改善に努めている、法人内の事業所の請求業務については、四半期に1回内部監査を行い、他の事業所の施設長と主査、総務課職員が、別の事業所の内容を確認している。


◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

・土日曜日は外出支援のサービスを利用している方も多くいるが、平日にも、地域への散歩や買物などに出かける機会を作っている。平日の外出は、一人週に1~2回だが、利用者と職員が近隣の公園などに出かけ、ホームの存在を地域にアピールするようにしている。
・民生委員児童委員などの訪問は、コロナ禍により中止しているが、学校教育には法人として協力し、「もやい」を中心にして、市内の小中学校の福祉教育に協力している。


◇課題と考えていること

・利用者が地域に「出る」機会の確保は、着手したばかりのため、今後は地域との交流や地域への貢献活動につなげていきたいと考えている。地域行事の情報収集にも努めていきたい。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

・利用者の生活支援は、職員の価値観が反映されやすい状況があったため、昨年度、職員で協議し、「生活支援の使命」を作成して、基本的な支援の姿勢を、支援員間で共有している。
・月1回、非常勤の支援員会議を開催し、状況の把握や評価などを行い、対応方法を検討している。支援員会議の場では、内部研修も実施している。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

・利用者には重度から最重度の障がいがあるため、契約書や重要事項説明書などは、家族への説明になることが多い。
・日常の生活場面では、利用者が自己決定できるよう、文字や写真などを提示して、より個別に分かりやすい情報となるよう配慮している


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

・家族懇談会での情報や、利用者の日々の様子などから利用者の満足を確認し、適宜検討、改善を行っている。
・利用者の状態や健康面に変化がみられた時は、その都度家族に電話連絡を取り、家族とのコミュニケーションを図り、家族が意見を言いやすい雰囲気作りに努めている。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

・法人全体で苦情解決の規程を整え、苦情解決責任者を施設長、苦情受付担当者を主査として、体制を明記し、住居内にポスターを掲示している。
・職員は日頃より、利用者や家族の要望や意見に耳を傾けるよう努めている。


◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

・緊急時や災害時のマニュアルを整備して、事故発生時には、携帯やLINEでの画像共有などで、すぐに連絡が取れる体制を整えている。
・災害発生に備え、市内のハザードマップを活用し、法人での避難手順や経路を記載した防災マニュアルを作成している。
・事故発生時は、事故報告書を基に、当該住居担当の常勤、サービス管理責任者、主査、施設長と内容を確認して、再発防止策の検討、実施を行っている。


◇課題と考えていること

・災害発生時におけるホーム内の対応方法は整備しているが、今後は地域との連携も必要であると捉えている。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

・利用者の個別支援記録に、「支援の手順」を明記して、標準的な支援方法を定めている。「支援の手順」は支援内容の確認をチェック方式とし、非常勤の支援員がわかりやすいようにして、支援のばらつきが出ないように工夫している。
・支援員は日々、「支援の手順」に基づき実施に努めるとともに、住居担当の常勤が主となって定期的に内容の見直しを行っている。


◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

・個別支援計画の策定や実施が適切に行われるよう、半期に1回、定期的に評価、見直しを行っている。
・またケース会議の開催にあたっては、利用している通所事業所や相談支援事業所、ヘルパー派遣事業所の職員も参加し、事業所を横断して、利用者本人の意向の確認などを行っている。


◇課題と考えていること

・ケース会議の開催に際しては、事業所間の連携を図っているが、日々の支援場面においても、事業所間の情報共有を、これまで以上に図っていく必要があると考えている。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

・個別支援記録に「支援の手順」を明記し、職員が実施した支援にチェックを入れるなど、工夫している。これにより記録の管理体制が概ね確立し、職員は日々の記録を適切に行っている。

◇課題と考えていること

A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

・利用者の希望により、買物で外出する際には、職員が付き添っている。利用者から職員に「お花を買ってあげる」という声が出たことがある。職員との信頼関係から出た言葉で、利用者が自主的に考え、行動しようとした姿と捉えている。
・日常の生活の場面では、自己決定が難しく、職員の声かけなどにより行動できる利用者がほとんどだが、カードや予定表、身体誘導や短い言葉かけにより、自分の荷物の片付けや食器の後片付けなどを、自主的に行うことができるようになっている。


◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

・基本理念や行動指針、虐待防止規程などを基本に、権利侵害の防止に努めている。
・グループホームは職員が1人体制になることも多いため、特に権利侵害が起きないよう、「生活支援の使命」を作成し、さまざまな権利侵害について、支援員会議で読み合わせを行い、研修を実施するなどして、高い倫理観を持って支援にあたるようにしている。


◇課題と考えていること

A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

・利用者本人の特性を理解し、自律・自立した生活を送ることができるよう配慮し、個別支援計画を作成している。個別支援計画書は、サービス管理責任者が案を作成し、主査と施設長が内容を確認している。また、家族の了解のもとで作成している。
・利用者の個別支援に努め、余暇支援、スケジュール表を確認しての安心した生活などを展開している。また支援員会議で、「生活支援の使命」の読み合わせを行い、権利侵害がないか具体的に話し合いを行っている。利用者の尊厳を守るため、利用者は苗字に「さん」付けて呼びかけている。


◇課題と考えていること

・グループホームでは、職員が1人勤務になる時間があり、支援の統一ができにくい現実もあるので、今後も引き続き、職員間でばらつきが出ないよう働きかけていく必要があると捉えている。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

・利用者の特性に合わせ、よりよい生活を目指すことを、支援の基本としている。食事は宅配の冷凍食材を利用する他、一品は手作りのものを調理して提供している。一時、宅配の食材が届かなかったことがあり、その時はホーム内ですべて作り、利用者からは好評だったが、反面利用者の体重が増加したこともあり嗜好と健康のバランスが課題である。
・3名の利用者が全介助で入浴しているが、2名の利用者はほぼ自立し、職員は入浴後の確認を行っている。
・利用者は自室のベッドで、決まった時間に寝ているが、寝るタイミングがわからず、何度も起きてくる方には、寝る時間に写真カードを渡すようにしている。それからはきちんとその時間にベッドに入り安心して眠れるようになっている。
・土日曜日は、家族のところに帰る方以外は、ホーム内で塗り絵をしたり、買物に出かけたりして、休日を過ごしている。買物では、職員に対して花を買ってあげたいなど、職員へのやさしい思いなど、普段は見られない姿を確認している。金銭は、家族から現金を預かり、金庫で保管している。入出金の都度、出納帳を記入し、定期的に家族の確認を得ている。


◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

・利用者の居室や共有部分の清掃は、毎日職員が行い清潔を保っている。利用者の居室は、いろいろなものがあると気になり、混乱する方が多いため、エアコンやベッド,クローゼットなど必要最低限のものを置いている。利用者が安心して快適に過ごすことができるよう配慮している。
・トイレや浴室の入り口のプラスチック面などを利用者が割ってしまうことがあるが、職員が工夫して修理している。リビングも、装飾品があると気にする利用者がいるため、すっきりときれいにしている。突発的にホームから出てしまう方がいるため、夜間などは防犯の観点からも玄関、門などは施錠している。ホームの中でも、冷蔵庫を開けて食べ物を際限なく食べてしまう方がいるため、食品倉庫の中に冷蔵庫を入れ、鍵をかけている。


◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

・グループホームには機能訓練の専門職は配置していない。機能訓練を定期的に受けている利用者はいないが、睡眠時無呼吸症候群のある方には、抱き枕を使用し、側臥位で寝るよう、主治医からアドバイスを受け、実施している。生活訓練として、毎日、自室の2階までの階段の上り下りや洗濯、庭掃除などを行っている。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

・起床時の顔色や表情、身体状況の視診、日に2回の検温を行い、「健康管理記録表」に記入して、毎日の健康管理を行っている。内科系の疾患で受診している方はなく、歯科医院に通っている方が1名いる。医療的支援を必要とする方もいない。
・緊急時の対応は、フローチャートに沿い、施設長や主査、サービス管理責任者の指示を仰ぎ、救急車の要請などにつなげている。
・全員が服薬しており、受診には職員か家族が付き添い、薬をもらっている。薬は個人用のケースに、朝・夕に分けて整理し、鍵のかかる収納ケースに保管している。服用時に複数の職員がいる時には服薬の目視、読み上げなどのダブルチェックをしてから与薬し、服用や口の中の確認をしている。職員が1人体制の時は、空の袋はケースに戻し、タブレットで写真を撮り、施設長に送信して確認してもらっている。また「投薬確認表」に服用した時間、確認した職員名などを記入して保管している。体調変化があった場合は、フローチャートに基づいて連絡をする体制を整えている。


◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

・日中は、それぞれ個々に合った生活介護や就労継続支援B型事業所に通っている。銅線はがし、袋詰め、菓子作りなどの作業を行っている。菓子作りでは、地域に出て販売をしている方もいる。また土日には近くの公園に散歩に行き、地域の人たちとの触れ合いもある。自分の買いたいものを職員と一緒に、買物に行くなど、社会の中での生活を楽しんでいる。ホーム内で計算問題などを楽しみながら行っている方もいる。

◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

・グループホームは、地域の中の生活なので、今のところその先の一人暮らしなどへの移行の希望はない。地域の中でより良い生活ができるよう、支援している。
・地域の町内会には加入しているが、地域の行事には、あまり参加していない。散歩や買物に出かけた時には、できるだけ挨拶するようにしている。
・ホームは住宅街にあり、地域の方の様子が気になり、窓から覗いている利用者がいるが、職員は常に見守り、利用者が一人で外に出ないよう注意している。


◇課題と考えていること

・職員の配置人数の関係で、外食などに出かける機会が少なく、検討の必要があると捉えている。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

・3名の利用者は、毎週末に家族のところに宿泊している。家族とは、本人の健康状態や生活の様子、外泊時の様子など、情報の交換が密に取れている。
・家族とは、年2回、個別支援計画作成時と見直し時に個別面談を行っている。家族懇談会は、年2回、コロナ禍の中、密を避けるため、法人通所施設などの広い部屋を使用して行っているが、家族の高齢化も進み、全員が集まることができない現状がある。
・お小遣いなど、利用者からの預り金は、家族の訪問時に出納帳で使途を確認してもらっている。家族の来訪が難しい場合は、出納帳と領収書のコピーを家族に郵送している。
・高齢でホームに出向くことが難しい家族には、職員が家族宅に出かけ、お小遣いを預かったり、本人の生活の様子を伝えている。家族には、連絡帳や電話で、できるだけホームでの状況を伝えている。
・家族との個人面談や家族懇談会の際には、写真や動画などを使用して、利用者の実際の生活の様子を確認できるようにしている。


◇課題と考えていること

・家族の高齢化が進み、今後は家族に対する支援が課題になると捉えている。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 特記事項なし。
利用者調査の結果
③観察調査 ◇観察調査対象者  3名

◇観察調査の方法 
 利用者は言葉によるコミュニケーションが難しいため、訪問調査当日、生活介護事業所から帰宅した男性3名の利用者の様子をリビングで観察した。利用者の年齢は20歳代から50歳代であった。

◇観察調査で確認できたこと
 3名の利用者は、生活介護事業所からの帰宅後の活動をそれぞれ行っていた。1人の利用者には職員が付き添っていたが、2人の利用者は、自分で自室に行き荷物を整理していた。その後、リビングで3時のお茶を摂り、パーテーションで仕切られた自分の居場所などでくつろいでいた。調査者の訪問に対しては、特に混乱した様子は見られず、ちらっと見ただけで関心はあまりないようであった。職員の声かけもあるが、3名とも自分の生活の進め方を理解している様子がうかがえた。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
・法人グループホームとしては三度目の受審となりました。利用者の高齢化は逼迫した課題であり、従来の「支援」という考え方に加え、「介護」という側面も必要になってきました。その中で地域生活の在り方や生活の価値観を決めつけないこと、職員の支援に関する知識・技術の共有などについて悩み、理解を進める工夫をしてきましたが自己評価表の作成過程で様々な取り組みを整理する機会になりました。
・支援の方向性や成果は自己評価することが多い中で今回、第三者の視点で一定の評価を得られたことは大きな手応えとなりました。