社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

スマイルコート円蔵

2022年03月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 スマイルコート円蔵 評価対象サービス 2021 高齢者福祉サービス版
対象分野 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム) 定員 29(29名) 名
所在地 253-0084
茅ヶ崎市円蔵2-7-6
TEL 0467-50-1388 ホームページ https://www.care-net.co.jp/facility/0301-2/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2011年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 ケアネット徳洲会
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:10 名
専門職員
正看護師:3 名
介護支援専門員:2 名
機能訓練士:2 名
柔道整復師:1 名
実務者研修:1 名
介護福祉士:8 名
初任者研修:3 名
施設・設備の概要
個室:29室 
食堂:
浴室(一般浴槽・ストレッチャー浴):
トイレ・洗面設備:
健康管理室:
談話室兼面談室:
事務室:
食堂兼機能訓練室:

③ 理念・基本方針
◆ケアネット徳洲会の理念
 ○生命を安心して預けられる施設
 ○健康と生活を守る施設

 
◆理念の実行方法 
 ・ご利用者様の生命と尊厳を守り尊重します
 ・ご利用者様のプライバシーを尊重し、個人の権利・財産・情報を護ります
 ・ご利用者様を生活の主体者として支援します
 ・ご利用者様が地域住民の一員として社会生活を営むことができるように支援します
 ・ご利用者様からの贈り物は一切受け取りません
 ・介護技術の向上にたえず努力します
 ・社会的責任を認識し、健全な運営によって事業の継続性を確保します

④ 施設・事業所の特徴的な取組
◆当施設は1フロア14名~15名と少人数のため一人ひとりと向き合い支援を行いや
すい施設と考えております。
  また、徳洲会系列のため医療面でも茅ヶ崎徳洲会、湘南藤沢徳洲会と連携しており
  何かあればすぐに相談、受診できる環境にあります。
施設の場所としても閑静な住宅街の中にありますので、入居者様が静かに生活でき
る環境を提供しております。

また、地域住民の方とも交流を図っており避難訓練やお祭りなどに積極的に参加し
ていただいております。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/10/12(契約日) ~2022/03/07(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)医療連携に優れています
施設は徳洲会グループの一員で地元に提携病院を持ち、訪問看護ステーションと連携してサポート体制を確立しています。「生命を安心して預けられる施設」、「健康と生活を守る施設」を理念に掲げ、入居者の健康管理に取り組んでいます。入居者の体調変化に気づいた場合は常駐の看護師が対応し、医師・医療機関と連携して取り組んでいます。夜間は訪問看護ステーションに連絡し、指示を仰ぎます。入居者の状態に応じて、朝及び入浴前に血圧や検温などバイタルチェックを行い、日々の入居者の健康確認と健康状態を記録して管理しています。

2)様々な職種の職員が協力して支援しています
ケアプランは介護職、看護職、機能訓練士等様々な職種による関係職員の合議で策定され、家族や医師の意見も反映し、家族等の同意を得ています。看護師は医療的ケアにあたり、機能訓練士は入居者の身体状況を確認し、現在の能力の維持・向上のために、歩行や足上げの訓練等をしています。毎日、プラン実施表に記入する事で、ケアプランの確実な実施となっています。

3)運営懇談会を開催し、家族に施設の運営状況を伝えています
懇談会は本社運営事業部や施設長・生活相談員・介護総リーダー、家族等が出席して基本的に年2回実施しています。会では法人と施設の決算内容を公開しています。施設の介護支援の状況は、苦情委員会や身体拘束・安全・防災などの各委員会活動の活動内容を報告しています。市へ報告した事故内容と対応策なども報告し、入居者・家族との信頼関係を高めるよう努めています。運営懇談会資料は欠席した家族にも送付され状況を伝えています。
改善を求められる点 1)権利擁護の徹底した取組
苦情解決の第三者委員の設置がありません。苦情解決の仕組みを掲示することが期待されます。身体拘束・虐待の無い支援を目指し研修を開催しています。しかし、一部職員による言葉遣いの乱れや不適切な関わりなどもあるようです。利用者・家族からの意見や苦情は運営懇談会で公表しています。今後は事故報告の振り返りと検討、入居者への関り、苦情解決等の入居者の権利擁護の取組が期待されます。

2)達成基準を明確にした事業計画の策定
事業計画の策定プロセスに職員の振り返りが反映されていません。計画は施設長が主に相談員・リーダーと話し合い策定しています。計画は入居者支援に関する項目において、具体的な取組内容や数値目標、達成基準が明確になっていません。食事や外出・レクリエーション・委員会活動などの項目を加味し、数値目標や達成基準を明確にした計画を策定し、報告書では期間中の実施状況を把握することが期待されます。

3)組織的な運営の整備・福祉人材の確保
施設の運営に課題が散見されます。今回の第三者評価においては、自己評価項目の未記入が目立ち、職員の合議や打ち合わせなどの体制が不備と見て取れます。また、職員アンケートは殆ど未提出です。全体会議やフロア会議、施設内研修等では職員の参加率が課題とされています。施設の組織的な運営の確立が期待されます。また、施設では人員が不足している状況が続いています。職員の新規採用を通じて、日々の支援活動での職員同士の連携や、知識や専門技能習得に向けた研修の強化などの取組が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 この度は大変お世話になりました。事業所実施に関わる全ての項目について点検・確認する良い機会となりました。現状をきちんと評価していただき大変ありがたく思います。
 出来ているところ、足りないところに気付くことが出来たため、職員間で共通認識を持ったうえで、優先順位を決めて段階を踏んだ取り組みを行いたいと思います。貴重な機会、有難うございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

経営理念を法人のホームページや施設のパンフレットに掲載しています。職員はネームカードの裏側に、理念及び理念の実行方法が記載されたクレドカードを入れ、常に携帯しています。会議や施設内での研修などで理念等を説明し、職員への周知を図っています。理念の唱和を以前は実施していましたが、コロナ禍の現在は中止しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

地域の各種福祉活動の動向を「運営懇談会」や「茅ヶ崎介護サービス事業者連絡協議会」などで把握し、情報交換しています。施設見学会や、1階にある同法人のグループホームと共催で秋に「円縁祭」を開催し、地域の住民の参加を得て、潜在ニーズを収集して来ました。施設では情報を把握していますが分析までは至っていません。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人で経営状況や改善すべき課題が検討され、エリア長を通じて施設長や相談員に内容が伝達されています。法人全体や施設の決算内容は毎年「運営懇談会」で利用者家族に報告されていますが、課題等を職員間で検討する機会はありません。経営状況や改善すべき課題について職員に周知し、改善に向けて具体的に取組ことが期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人の中長期計画は今回の訪問調査時に確認することが出来ませんでした。ホームページ等での記載はなく、施設には周知されていません。施設では中長期計画の策定に取り組んでいません。法人が目指す中長期計画をベースに、施設においても中長期計画を策定し、数値目標や具体的な成果等を設定し、推進することが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人の中長期計画は今回確認することが出来ませんでした。また、施設にも周知されていません。施設では中長期計画は策定されておらず、中長期計画をベースとした単年度計画も策定されていません。中長期計画をベースに、実行可能な具体的な内容の単年度計画を策定し取り組まれることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、あらかじめ定められた時期、手順にもとづいて作成されています。計画書は法人が定めたフォーマットに従い策定されています。昨年度から成果と評価をそれぞれ施設長・エリア長が記入し、法人からフィードバックが記載されています。事業計画は作成されていますが、利用者支援の項目に数値目標等がなく、職員全体に周知がされていません。事業計画内容の職員への周知と実施状況の把握・確認の実施が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の主な内容は「運営懇談会」で家族に説明し、議事録は利用者全家族に送付されています。「運営懇談会」は施設長、本社運営事業本部、家族などが参加して例年2回開催されていますが、今年はコロナ禍の為11月だけの開催となりました。施設の現状報告や健康管理室、各委員会報告、決算報告などについて家族に説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

法人で定められた「介護職スキル評価シート」など各職種ごとにチェックシートが用意されています。職員は挑戦意欲・使命感・専門知識・技能などの取組項目に対して習得手段を申告し、達成度を自己評価して取り組んでいます。年間2回実施していますが、施設長との面談が実施されておらず、組織的な取組になっていません。第三者評価については、今回初めての受審ですが、結果を職員に周知して改善に向けた取組を始める意向です。職員面談の実施が期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

委員会活動により、施設として取り組むべき課題を明確にして改善策や改善実施計画を立てて実施しています。委員会は、安全対策、身体拘束・虐待、苦情対策、感染・環境整備、行事、給食委員会の6委員会がそれぞれリーダーを決めて、3~4名のメンバーで活動しています。各委員会は開催後議事録を作成して回覧し、決定事項の周知徹底・声かけをして定着に努めていますが、委員会ごとの活動にばらつきが見られます。施設長の委員会への参画が期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設の運営規定に施設長の役割と責任が明記されています。防災や事故対応などの有事における施設長の役割と責任、不在時の権限委任等は避難訓練後の反省会の席上表明し、議事録に明記されています。昨年は、職員との中間と年度末の面談が実施出来ませんでした。職員一人ひとりとの面談を通して、今後リーダーシップを発揮し、職員の育成に取り組む機会を増やすことが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、毎年法人の施設長会議に参加し、遵守すべき法令等を把握し、利害関係者等との適正な関係を保持しています。法人からはエリアマネジャーが隔週に来所し、各種の最新情報を伝えています。職員に対しては、各種センサーの利用等で身体拘束に該当する事項について、正しい取組内容を伝え、合意文書を交わすなど指導しています。行政等が主催する法令遵守に関する外部研修への参加は今後の課題となっています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は実施する福祉サービスの質の向上に意欲を持ち、相談員やケアマネジャーと相談して取り組んでいます。利用者への福祉サービスの提供内容は各フロア会議で話し合っていますが、職員の不足状態が続き、ゆとりあるサービス提供が困難な状況です。施設長は福祉サービスの向上に向け、自ら講師となり職員の教育・研修を実施していますが、参加者が少なく課題としています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:c】

施設長は、人員体制や有給取得の状況などを把握しています。現在は人員不足により、現場の仕事が多忙となり、人事、労務、財務や職員の働きやすい環境整備等についての取組が十分出来ているとは言えない状況にあります。相談員やケアマネジャーと連携し、業務を推進していますが、介護職員とのコミュニケーションが全体的に不足気味で、組織的な活動体制の構築には至っていません。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:c】

法人は、求める人材についての考え方をホームページに掲載し、正社員や、準社員の基準を明示しています。採用は、法人が中心となって行っていますが、介護福祉士の資格を持っていないと基本的に正社員として採用されない基準があるため、施設では人材の採用が難しいのではないかと考えています。施設では、定着率の向上に向けた新人職員のOJT育成も見直しています。新規採用が難しく、人材不足の状態が続き、課題としています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員は社員カード(名札)の裏側にクレドカードを入れ、常に携帯しています。クレドカードには理念の実行方法として7項目が記入され、「期待する職員像」が明確に示されています。人事基準等は法人が明確に定め基準にもとづき評価が行われていますが、職員との話し合いと周知が十分ではありません。職員の自己評価にもとづいた面談が施設長と実施されていない為、賞与査定と連動した勤務評価の内容も職員に周知されていません。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の有給休暇取得状況や時間外労働のデータを定期的に確認するなど、職員の就業状況を把握しています。勤務シフトの作成にあたっては職員個々の要望を聞き、特に幼児や小学生などの子どもを持つ職員の要望に対応しています。現在は人員が不足し、施設長も現場に入らざるを得ない為、職員一人ひとりと向き合う時間が確保できない状況が続いています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人として「期待する職員像」を明確にし、職員一人ひとりの目標管理のための「介護職スキル評価シート」など各職種ごとにチェックシートが用意されています。職員は挑戦意欲・使命感・専門知識・技能などの項目ごとに習得手段を申告し、達成度を自己評価して取り組んでいます。自己評価は年間2回実施していますが、施設長との面談が実施されず提出のみとなっています。面談を通して職員育成に向けた組織的な取組が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

施設では県や市主催の外部研修を案内していますが、数も少なく職員の利用も少ない状況です。内部研修は毎月計画され、施設長が講師となり実施していますが、参加者が少なく、また実施報告書が6月以降作成されていません。講師を職員の交代制で実施するなど、職員の専門知識・技能向上への意識づけの強化と、研修報告書の作成により欠席者への研修内容の周知が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:c】

施設長は、職員のスキルアップを願っていますが、職員の知識や技術水準など、個々の職員のスキルの把握が不十分と感じています。新入職員に対してリーダーが中心となって先輩職員によるOJT研修を3週間実施していますが、プリセプター(マンツーマン新人指導者)の役割なども見直しが必要と捉えています。実務者研修などは法人の費用負担で実施し支援しています。職員一人ひとりの研修計画の策定や研修履歴の管理が期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

法人としては、実習生等の福祉サービスの専門職の研修・育成に関する基本姿勢を明文化して、マニュアルを作成し受け入れています。茅ヶ崎市地域においても同法人の他の介護付き有料老人ホームで実習生を受け入れ、研修を実施する予定となっています。施設ではまだ実習生の受け入れがありません。指導者に対する研修を実施するなど、受け入れに向けての体制整備を進めることが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページに理念や方針、提供するサービスの内容を掲載しています。運営懇談会では法人の決算報告書と施設の収支報告書などで運営状況を家族に説明し、苦情・身体拘束・安全・防災の各委員会報告も実施しています。運営懇談会資料は欠席の家族にも送付されています。第三者評価は今回初めての受審であり、今後公表していく予定です。法人全体や施設の事業計画、事業報告、改善すべき課題について適切に公開されることが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設での金銭の取り扱いは少なく、利用者との金銭のやり取りはありません。会計処理は法人が主体となり運営されています。施設ではパソコンの修理費用など1万円以上の出金は法人に稟議書を上げ、社長決裁の規定になっています。施設での支払いは全て立替金として計上し、法人に請求後、後日支払われます。施設の現金管理は毎月定期的に報告され管理されていますが、外部の専門家による監査支援等は実施されていません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設は鉄筋コンクリート造3階建てです。周りに高い建物がないため、近隣の津波災害時の一時避難場所になっています。屋上からは富士山を眺めることもでき、茅ヶ崎花火大会の際は屋上を開放するなど、1階のグループホームと共に近隣と交流しています。避難訓練時は近隣住民が車いすの移動を手伝うなど協力体制が構築されています。コロナ禍の本年は実施できていませんが、自治会の敬老会で祝ってもらうなどの交流もありました。今後は近隣住民を施設へ招くなど双方向の定例的な交流が期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍の為ボランティアの受け入れは実施していません。以前はフラダンスや合唱サークルが来所し、クリスマス会では年末恒例の第九の合唱を披露するなど交流をしていました。近隣の小学校とは、運動会の見学などで交流し、地域の運動会なども自治会がテント席を準備してくれるなどの協力を得て参加していました。施設ではボランティア受け入れに対する文章やマニュアルが未整備のため、今後の策定が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域包括支援センターや民生委員と連携しています。職員にはフロア会議等で内容を周知しています。関係医療機関との連携では、定期的な訪問診療を実施しています。各種福祉活動の動向を「運営懇談会」や「茅ヶ崎介護サービス事業者連絡協議会」などから把握し、情報交換していますが関係機関・団体のまとまったリストの作成や掲示は出来ていません。課題解決のために関係機関と協同して取組を実施することが期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設は、「茅ヶ崎介護サービス事業者連絡協議会」や「運営懇談会」などで、地域の福祉ニーズや生活課題を収集しています。コロナ禍の現在は介護保険の更新などで市役所高齢福祉課を訪問した際に、運営懇談会の議事録などで情報交換し、相談をしています。地域住民との交流を実施していますが、地域の福祉ニーズを把握するまでには至っていません。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設は鉄筋コンクリート造3階建てで、近隣の津波災害時の一時避難場所になっています。茅ヶ崎花火大会の際に屋上を開放するなど、1階のグループホームと共に近隣と交流しています。新型コロナウィルスが終息した後には再び地域住民を施設のお祭りに招待し、交流の機会を作るなどの取組を検討しています。防災については、地域の防災訓練に参加し、非常食などの備蓄に協力する等の連携が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・理念の実行方法に利用者を尊重した福祉サービス提供についての基本姿勢が明示されています。施設では企業理念等を入職時に説明し、クレドカードを配布し、周知徹底しています。理念等は日常的に会議等で伝え、内部研修も行っています。ケアカンファレンスの会議を定期的に開催して、介護職員、看護職員、機能訓練士等様々な職種による関係職員の合議で策定しています。一部職員の参加ができていないことがあり、課題としています。   

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者のプライバシー保護について、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務などを明記した規定・プライバシー保護マニュアルなどが整備され、職員への研修により理解が図られています。写真の掲載については書面で確認し、掲載不可の利用者に配慮しています。利用者のファイルは事務室の鍵付きロッカーで管理されています。プライバシーに配慮した福祉サービスの均質な実施に向けて、職員への研修の充実が期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

施設の福祉サービスの内容や特性、入居条件や利用料金等の施設概要はホームページで紹介しています。施設のパンフレットは理念や特徴などを写真付きで分かりやすく紹介し、また、徳洲会グループとして看護・医療体制についても細かく記載しています。パンフレットは病院や紹介会社等に置いて情報提供しています。利用希望者には電話予約の上、個別で丁寧に対応しています。パンフレット等の資料は公共施設等多くの人が入手出来る場所に置き、広く情報提供する事が望まれます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービス開始前には、自宅等を訪問し事前面接をしています。契約時には、重要事項説明書や契約書を用いて利用者や家族などに説明し、書面で同意を得ています。その際は、納得のいく丁寧で理解しやすい説明を心掛けています。サービス内容については、利用者、家族の意向を反映したケアプランを作成し同意を得ています。ケアマネジャーや生活相談員は定期的に家族に連絡しています。意思決定が困難な利用者へは家族などに確認をしていますが、配慮についてルール化には至っていません。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

福祉サービス内容の変更については、以前の内容を踏まえて利用者の現状に即した内容になるように配慮しています。急変時にも即対応しています。他の福祉施設・事業所や地域・家庭への移行については福祉サービスの継続性に配慮し、情報提供しています。利用終了後も職員に相談できる旨の説明はしていますが、その内容を記載した文書は渡していません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者満足を把握するために家族アンケートを年1回行っています。アンケートは家族から直接運営法人に返信される仕組みで、法人で分析し施設に返されるようになっています。また、年2回の運営懇談会や併設のグループホームと合同の運営推進会議を開催し、活動報告や事故報告の後、家族の意見等を聞く機会としています。利用者会や家族会はありません。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決担当者は施設長で、法人も連絡先を載せています。施設及び法人での解決が難しい場合は、第三者機関や行政に相談できるとして、その連絡先を重要事項説明書に載せています。施設長や生活相談員は家族が面会に来たら必ず少しでも話をするように心掛けています。委員会では苦情前シートを作成し、苦情になる前に対応するよう努めています。今後は苦情受付窓口、苦情解決担当者、第三者委員を設置し、苦情解決の仕組みを分かりやすく説明したものを施設内に掲示することが期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者や家族などには契約時に、相談について複数の方法と迅速に誠実に対応することを伝えていますが、分かりやすく説明した文書はありません。コロナ禍前は、月2回介護相談員2名の訪問があり、利用者の話を聞いて相談にも乗っていました。相談員の顔写真入りポスターをリビングに掲示しています。職員は利用者との信頼関係の構築を大切にしており、相談しやすい環境を整えています。相談を受ける時は相談室などを利用し、ゆっくりと落ち着いて対応できる様に環境にも配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は日々の生活の中で、利用者が相談しやすく意見を述べやすいように配慮し、適切な相談対応と意見の傾聴に努めています。利用者との信頼関係の構築に務め、日々の会話から意見等を積極的に把握しています。相談や意見を受けた際は、記録に残し報告して検討しています。しかしながら、相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について定めたマニュアルはありません。早急にマニュアルを整備し、利用者からの相談や意見に対して組織的に迅速に対応する事が期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

安全対策委員会を設置し、リスクマネジメント体制を構築しています。事故発生時の対応と安全確保について事故発生マニュアルに明記し、職員に周知しています。職員に対しては、安全確保・事故防止に関する研修を年1回開催して注意喚起及び周知をしています。しかし、利用者の安心と安全を脅かす様々な事例の収集は行われていません。今後は事例を収集し、発生要因を分析し、対応策の検討等が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

看護師が常駐しており、感染症対策については、看護師を責任者として管理体制を整備しています。感染症の予防と発生時の対応マニュアルを整備し、職員に周知しています。感染対策委員会を設置し、定期的に感染症の予防や安全確保に関する勉強会を開催しています。手洗い、消毒、換気、加湿等の感染症の対策は適切に講じています。感染症対応マニュアルの見直しは法人で行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

地震、津波、豪雨、大雪等の災害に対して、利用者の安全確保のための対応体制が定められています。施設は3階建ての耐久性のある構造となっており、地域の津波避難場所に指定されています。防災計画を整備し、避難訓練を年2回、併設のグループホームと共に行っています。備蓄として、3~4日分の食料や備品類を用意していますが、備蓄リストがありません。今後は備蓄リストを作成して賞味期限等の管理体制を整備することが期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

「ケアの基準書」(対応・姿勢・知識の基礎)を整備しています。この中には、利用者への接し方や守秘義務(個人情報の保護)、人権、ケアの方法等々が具体的に非常に分かりやすく書かれています。ケアの基準書は職員に配布され、サービスの実施方法について周知しています。個人記録の最初にケアプランを入れて、プラン実施表に毎日職員が記入する事で、ケアプランが確実に実施されているか分かるように工夫しています。ケアの基準書の活用でさらなるサービスの向上が期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの標準的な実施にあたり、モニタリングは3ヶ月に1回行い、現状を検証しています。ケアプランは6ヶ月に1回現状に即して作成しています。職員や利用者、家族からの意見を反映したケアプランとなるようにしています。状態が変化した時や急変時には、その都度利用者の状況に合わせてケアプランの見直しをしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

アセスメント用紙をもとに、フロア会議を開き、利用者のニーズを検討し、ケアマネジャーがケアプランを策定しています。ケアプランは介護職員、看護職員、機能訓練士等様々な職種による関係職員の合議で策定され、家族や医師の意見も反映し、利用者・家族の同意を得ています。利用者の意思表示が難しい場合は家族に聞いています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

ケアプランは原則として6ヶ月に1回ケアマネジャーが作成しています。モニタリングは3ヶ月に1回行っています。毎月のフロア会議では介護現場から上がってきた全利用者の日々の様子について、介護職員や看護職員、機能訓練士等多職種間で共有し、検討する場となっています。ケアプランは利用者の急変時には緊急に変更する仕組みとなっており、見直しにより変更したサービスは直ぐに関係職員に周知しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

個人記録の最初にケアプランを入れることによって、職員が個人のケアプランを確認しやすくなっています。さらにプラン実施表にはケアプランを実施したかどうかを毎日記載するようになっており、ケアプランによるサービスの実施状況が一目で分かるようになっています。記録の書き方に差異が出ないように、リーダーが記録の書き方を指導しています。日誌の最初に「書き方の例」を載せて記載の平準化を図っています。パソコンのネットワークシステムの利用はまだ実施していません。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

施設の運営規定に秘密の保持を明記し、職員に対しては入職時に説明して誓約書を交わしています。施設長が利用者に関する記録の管理者となっています。個人情報に関する書類は、事務所の施錠できる書庫に保管しています。職員は個人情報保護規定等を理解し、遵守しています。個人情報の取り扱いについて、利用者、家族に説明し、同意書をもらっています。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

利用者の心身の状況と暮らしの意向は日頃からのコミュニケーションで把握しています。さらにケアプランの見直し時に確認して職員間で情報共有し、一人ひとりに応じた生活になるように支援しています。日々の支援は利用者の自立に配慮した支援として洗濯物を畳んだり、個々の能力に適した自立支援活動の実施により、役割、やりがいがもてるように工夫しています。手作りおやつのレクリエーションやクリスマス会、お花見など季節の行事も行っています。レクリエーションは皆が参加できるように工夫していますが、参加は自由です。居室で絵を書いたり、読書をして過ごす利用者もいます。利用者一人ひとりの生活歴や状況を理解し、利用者の意向に沿った一日が過ごせるよう、職員全員での納得できる取組が期待されます。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:c】

訪問介護事業ではなく、評価外(対象外)です。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:c】

養老老人ホーム・軽費老人ホームではないため、評価外(対象外)です。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

ケアの基準書(対応・姿勢・知識の基礎)の中で、「笑顔と挨拶」「言葉と態度」「利用者様への接し方」等々丁寧に説明しています。日頃の支援の場面やシーツ交換の際も無言で行うのではなく、話しかけて常にコミュニケーションを取り、利用者の言葉にきちんと耳を傾ける姿勢を持つように指導しており、言葉も温かい気持ちでうれしくなる言葉を選んで使うように心掛けています。また、車いすや座っている利用者と話をする時は、膝を落として目線を同じにするか、利用者の目線よりも低くなるようにしています。話すことや意思表示が困難であるなど配慮が必要な利用者には、軽くボディタッチをしたり、時間をかけたり、人を変える等対応しています。職員によっては親しさのあまり、言葉遣いが乱れがちで利用者との関りがなれ合いになってしまうこともあるようです。利用者は多くの経験と知識をもっており、尊重して敬う気持ちを常に持って支援にあたることが期待されます。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:c】

利用者の権利擁護について、苦情対策委員会で、マニュアルに則って検討しています。身体拘束については、マニュアルを整備し、身体拘束・虐待委員会で会議を行い、身体拘束・虐待の無い支援を目指しています。身体拘束の排除のための取組に関する研修を年2回開催し、施設内に「身体拘束禁止」の掲示をし注意喚起をしています。転倒の恐れのある利用者にはセンサーを使用していますが、家族の同意を得ています。家族から、職員による虐待の疑いの報告がありましたが、調査をして運営懇談会でも状況等報告し、法人にてさらに検討しています。虐待等の権利侵害や事故報告の振り返りと検討、職員の利用者への関り、苦情解決等の利用者の権利擁護についてのさらなる取組が期待されます。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

フロア、居室内清掃は専門の職員が行い、清潔を保っています。フロアの室温管理や換気は適宜行っています。玄関フロアにはソファーが置かれ、装花があしらわれ明るい空間となっています。リビングのテーブルの花や装飾により、季節感にも配慮しています。居室からは、窓いっぱいに富士山が望めます。屋上からも富士山が望め、茅ヶ崎の花火大会も近所の方と一緒に楽しみました。利用者は今までに使い慣れた家具や写真を持ち込み、快適に暮らしています。趣味の絵を描いたり、読書をしたり、手紙を書いたり、職員からスマートフォンの操作方法を聞き家族や友人と連絡を取ったり、思い思いに過ごしています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

一般浴槽と機械浴槽の2種類の入浴形態があり、一般浴槽は温泉のような大きくゆったりとした浴槽です。機械浴槽は立位が保てない方、寝たきり状態の方も安心して入浴ができます。利用者の心身の状況や意向を踏まえ、一般浴槽か機械浴槽かを検討しています。利用者によって入浴介助をしたり、見守りや声掛けなどの入浴介助をしています。入浴前には必ず体温、血圧、脈拍等の健康チェックを行い、基本的には週2回の入浴となっています。入浴可否の判断基準を明確にしており、入浴前の健康チェックの結果を受けて必要に応じて清拭に変えることもあります。入浴を拒否する方には声かけの職員を変えたり、時間をおいて再び声かけをするなど、様々な工夫をしています。同性介助を希望する方には可能な限り対応しています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄に関しては、排泄チェック表で個人の排泄サイクルを把握しての誘導や定時の声かけなどで、トイレでの排泄支援を行っています。自然な排泄を促すために体操をするなど工夫しています。看護師が排泄チェック表をチェックして、排便が一定期間ない方には下剤の調整をしています。トイレは各居室内にありますので、他の利用者の目に触れないようになっていますが、排泄介助の際にはトイレのドアは閉め、利用者の尊厳や羞恥心に配慮しています。機能訓練士が利用者の身体状況を確認し、現在の能力の維持、向上のためにも歩くことを推奨した場合はトイレまで歩くようにしたり、便器に座れるように、足上げの訓練をして立位が保てるようにしています。尿意、便意の訴えやおむつ交換の要望に対して、出来る限り早く対応するようにしています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の心身の状況、意向を踏まえ、職員で協議の上、移動方法を臨機応変に対応しています。出来るだけ自力で移動が出来るように支援を行っています。車いすの利用者も、声かけをすることで、自分で車いすを操作して移動しています。歩行器を使用する利用者もいます。利用者が移動しやすいように、廊下等利用者の動線上に障害物が無いように片づけています。機能訓練士は利用者の状況に応じて、歩行訓練、立位訓練、下肢能力の維持・向上に取り組んでいます。今後は、機能訓練士と職員との密な連携で利用者の身体能力の維持・向上に役立てることが期待されます。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

食事は外部委託です。献立や食材が届き施設内の調理室で調理をしています。委託先の栄養士がバラエティーに富んだ献立を作成しています。季節感を大事にし、通常メニュー以外にもウナギやお祝い事などの特別食の用意もあります。水曜日と土曜日の朝食はパンです。嚥下体操後は職員が献立を読み上げています。食事中は音楽を流し、ゆったりとした環境で食事に集中できるようにしています。食事介助が必要な利用者には、職員が側に付いて介助をしています。給食委員会があり、食事について検討しています。利用者の嗜好調査や選択食を実施するなど、さらに食事を美味しく食べられる工夫を重ねることが期待されます。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

食事は利用者の心身の状況や嚥下能力、栄養面に配慮し、ミキサー食、トロミ食、刻み食、一口大の食事等の対応をしています。利用者個々の食事のペースに配慮し、食器も利用者が扱いやすい食器やスプーンを用意して自分で食べられるように工夫しています。週1回来所している訪問歯科医に利用者の嚥下状態を見てもらい、アドバイスをもらっています。嚥下機能向上のために、食事前には嚥下体操を実施し、経口摂取が継続するように取り組んでいます。今後は利用者一人ひとりの栄養状態を把握し、栄養ケア計画を作成し、それにもとづく栄養ケアマネジメントの実施も期待されます。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の口腔機能の保持・改善に主体的に取り組むため、食事前に実施している嚥下体操により、口を動かし唾液が出やすくなるようにしています。訪問歯科医は希望者に定期的に訪問診療をして、治療や嚥下状態を確認しています。歯科医師の助言で、利用者の口腔状態や咀嚼嚥下機能のチェックをその都度していますが、定期的には行っていません。今後は、口腔ケアに関する研修を行い、職員の関心を高めることや、適切な口腔ケア用品を活用して毎食後の口腔ケアや歯磨きの実施で、経口摂取の維持・向上を図ることが期待されます。さらに、利用者の口腔清掃の自立の程度を把握し、個々に応じた口腔ケアの計画を作成し、実施・評価・見直しをすることが期待されます。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

ケアの基準書(対応・姿勢・知識の基礎)に「褥瘡のケア」として記載しています。職員は褥瘡について注意を払っています。早期発見のため、入浴時や排泄交換時に皮膚の状態を観察し、少しでも異変を感じたら、すぐに看護師に報告し、早めの処置をしています。褥瘡予防のため、職員と看護師、機能訓練士が連携して、早期発見早期治療に努めています。褥瘡の発生予防やケアについては、写真付きで分かりやすく周知し、体位交換などで褥瘡予防をしています。褥瘡発生後は治癒に向けたケアをし、悪化防止に取り組んでいます。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当】

喀痰吸引・経管栄養は専門職が担当しており、介護職員が担当していないため非該当になります。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

介護予防及び要介護度進行予防に関する研修を行い、利用者の生活の維持や介護予防に主体的に取り組むための支援を行っています。不在だった機能訓練士が入職し、利用者の心身の状況に合わせて個別の機能訓練計画書を作成し、機能維持や向上、介護予防に取り組んでいます。機能訓練士は職員と情報共有し、連携を図っています。機能訓練士は職員の生活リハビリの介助方法をチェックしたり、職員からの相談に対して、助言や指導を行っています。今後は日々の生活動作の中での意図的な機能訓練や利用者個別の機能訓練計画、介護予防活動の計画的な評価・見直しが期待されます。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

認知症マニュアルを備え、ケアの基準書(対応・姿勢・知識の基礎)にも記載し、認知症及び認知症ケアに関する研修も行っています。利用者一人ひとりの日常生活能力や機能、生活歴については、適切にアセスメントを行っています。現在利用者の中にも認知症の方は多数居られます。妄想や怒りっぽくなる、意欲がなくなり元気がない、一人でうろうろと歩きまわる、興奮したり暴言や暴力が見られるなどの行動・心理症状(BOSD)については、一定期間の観察と記録を行い、利用者の自尊心を傷つけない対応を心掛け、安心を与える説明をして、症状の改善に向けたケアや生活上の配慮を行っています。医師や看護師等の関係職員との連携のもと、行動・心理症状(BPSD)についてさらなる分析を行い支援内容の検討が期待されます。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業所は徳洲会グループとして地元に提携病院を持ち、訪問看護ステーションと連携してサポート体制を確立しています。利用者の体調変化に気づいた場合は常駐の看護師が対応し、医師・医療機関と連携して取り組んでいます。夜間の場合は訪問看護ステーションに連絡し、指示を仰ぎます。利用者の状態に応じ、朝及び入浴前に血圧や検温などバイタルチェックを行い、異変の兆候に早く気づくよう努め、日々の利用者の健康確認と健康状態を記録しています。職員に対する勉強会の講師は看護師が担当して、知識・技術を伝えると共に連携の強化にも繋げています。利用者に対する服薬時は看護師と介護士のダブルチェック体制で服薬の支援をしています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者が終末期を迎えた場合の対応について方針と手順は明らかになっており、看取りの経験もあります。利用者が終末期を迎えた場合は、家族、医療機関、看護師、関係職員によるインフォームドコンセントを実施しています。利用者及び家族に、終末期を迎えた場合の意向の確認と福祉施設・事業所での対応・ケアについて説明し、看取り同意書を交わして対応しています。職員に対してターミナルケア勉強会を実施しています。コロナ禍ですが看取り時は家族の意向に配慮して、面会等を実施しています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

家族とは生活相談員が連携し、面会時には挨拶をして話をするようにしています。コロナ禍の現在は面会は予約制で1日4組、利用者一人30分以内としています。面会は居室内で実施し、ワクチン接種2回、検温、手指消毒、マスクは家族、利用者共に着用するなど対策を講じています。また、オンライン面会や携帯電話のサポートをして、家族との対面や会話などの支援をしています。毎月「スマイル新聞」を家族に送付して事業所の様子を伝えていますが、利用者本人の生活ぶりを記入した文章を作成し届けるなど、状況報告の充実が期待されます。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:評価外(訪問介護以外の福祉施設・事業所)】

訪問介護事業ではなく、評価外(対象外)です。