社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ナーサリーつるみ

2023年09月29日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ナーサリーつるみ 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120(利用者83名) 名
所在地 230-0051
横浜市鶴見区鶴見中央2-10-6
TEL 045-716-8490  ホームページ http://yokuyuukai-nurserytsurumi.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 翼友会
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:20 名
看護師:2 名
事務員:1 名
施設・設備の概要
保育室:6
トイレ:3
調理室:1
事務室:1
休憩室:1
園庭:有

③ 理念・基本方針
【理念】
一人ひとりの子どもの最善の利益を考慮し、家庭や地域社会との連携のもとに健全な子どもを育てる
【基本方針】
〇子どもの目線に立ったよりよい保育
〇ほめて伸ばす保育
〇一人ひとりを大切にする保育
〇可能性を引き出す保育
〇保護者の不安や相談に一つ一つ丁寧に対応
〇安全で安心して預けられる環境づくり
〇保育士として在るべき姿追求
【保育目標】
〇明るく素直で元気な子ども
〇笑顔で挨拶のできる子ども
〇友だちや仲間を大切にし思いやる子ども

保護者も子どもも家庭も職場も“入ってよかった”“選んでよかった”働いてよかった”と思える法人で在り続けられるようにという法人理念のもと、法人に関わる全ての人を大切に考えます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・最寄り駅から徒歩8分と賑やかな街並みを抜けた先にある保育園です。広々とした園庭があるので、いつでも遊べる環境や近隣にも大小たくさんの降園や鶴見川もあり、散歩に行って降園遊びや季節を感じられる散策も楽しんでいます。
・サッカー教室、英語教室の導入(3歳児~5歳児)
 近隣のグラウンドを借りて月2回程度サッカー教室を実施しています。サッカーを通じて、ボールに慣れるだけでなく「心・技・体」を身につけ、自分で自分の体をコントロールしていく経験を積むことを目的としています。英語教室も月2回程度取り入れています。英語が堪能な保育園職員が講師となることで、英語を身近に感じ日常生活の中に英語が浸透していく基盤を 作っていきます。
・職員の委員会活動によるボトムアップ
 子どもたちの保育にかかわることは、委員会が中心となり、職員全体で物事を解決していく活
動です。保育の質の向上を図るため職員一人ひとりが、委員会活動を通じて、自分で考える力を養い、職務への責任と自覚を持つことや、委員同士の共通理解と協働性を高められるような取り組みを目指しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/02/13(契約日) ~2023/09/21(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)日常生活の中で「心・技・体」を育んでいます
幼児クラス(3歳児から5歳児)では、月2回程度サッカー教室と英語教室を行っています。近隣のグラウンドを借りてサッカーボールに触れる機会を通じ、集団でのルールや仲間を思いやる気持ちを育んでいます。また、自分の体をコントロールする積み重ねを通して「心・技・体」を学んでいます。さらに、英語の堪能な職員が講師となり、英語を生活の中に取り入れていくことで耳から英語が入り、自然に身につくような基盤作りを行っています。

2)委員会活動により職員間の理解や協働性を高めています
職員は、教育・幼児教育・地域密着・子ども企画・食育の「委員会活動」に取り組んでいます。委員が中心となって、職員は子どものための行事企画から開催までを話し合うことで、保育の質の向上につなげています。職員一人ひとりが委員会活動を通じて自分で考える力を養い、職務への自覚と責任を持てるよう取組を進めています。また、異なる委員活動を通じて委員同士の共通理解や協働性を高められるよう取り組んでいます。

3)園庭から季節を感じ、健康的に過ごせるようにしています
園庭は木々が茂り花が咲いて、季節を肌で感じることができます。緑豊かな環境で感じ取れる事象、自然の匂いや風で葉が揺れる音などを通して、子どもの五感が育まれています。ジャングルジム、すべり台、鉄棒、ミニサッカーコーナー、スロープ、砂場などがあり、年齢に応じての遊具で遊んだり、スロープを歩いたり体を動かしたりしています。園庭の草花や虫を観察するなどして、季節の移り変わりを楽しんでいます。季節の草花に触れ、心身共に健康的に過ごせる保育を実践しています。

4)事業計画内容の検討と保護者へのさらなる周知が期待されます
中・長期事業計画並びに単年度事業計画を策定して運営を行っていますが、事業計画に数値目標や具体的な成果目標を設定し、実施状況の評価が行える計画内容にすることが望まれます。また、保護者に周知する事業計画の内容については、行事計画や活動内容に加え、環境整備や地域交流等、子どもや保護者に関係する計画も盛り込み、保護者へのさらなる周知を図ることが期待されます。

5)第三者委員の周知が期待されます
入園のしおりと園の掲示板に保護者相談窓口、苦情解決責任者として第三者委員が明示さ
れています。今回の福祉サービス第三者評価に伴う調査では、「第三者委員などに相談で
きることを知っていますか」との問いに「いいえ」と答えた方が多く見られました。保
護者への周知を更に徹底し、さまざまな声に耳を傾けながらの運営が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
開園10年になりますが、まだまだ変化できる園であると自負しております。ただ、人手不足という現状に、やりがいのある仕事である反面、職員間連携と共通理解の難しさを感じています。どの職員も、『子どもたちの最善の利益を考慮し、家庭や地域社会との連携のもと心身ともに健全な子どもを育てる』という保育理念を念頭に日々、子どもたちのために必死に、そして笑顔で保育業務にあたっています。今回の評価を受け、的確なアドバイスを頂戴し、当園の強みと弱みを知ることができたことはとても大きな希望と励みになりました。いいところは残しながらさらなる高みを目指し、課題となった弱みは、ナーサリーつるみとして、どのように強みにしていくか、職員全体で共有し、これからじっくりと考えてまいります。ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

保育理念と保育方針は、入園のしおりに記載されています。園のホームページから法人のホームページへリンクしており、保育理念と保育方針を掲載しています。保育理念は保育所としての使命や目指す方向性を示しており、保育方針は職員の行動規範となる内容となっています。保育理念と保育方針は玄関や園の掲示板へも掲示しています。各保育室にも掲示しているほか、全体的な計画に記載し、職員がいつでも確認できるようにしています。保護者へは入園時の説明のほか、保護者懇談会で園長が説明を行うなどして入園後も継続的な周知を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

横浜市社会福祉協議会の会報などから社会福祉事業全体の動向を把握しているほか、鶴見区の園長会で横浜市からの情報をもとに地域の各種福祉計画の策定動向と内容を把握しています。把握した情報は園長、主任で分析を行い、園運営の方向性について協議しています。園が位置する地域での子どもの数や保育ニーズなどのデータを収集し、経営環境や課題を把握しています。保育のコスト分析や利用者推移、利用率の分析は法人で定期的に実施し、園長、主任と共有しています。職員へは職員会議などで共有していますが理解に課題があります。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境と園の運営状況の分析に基づき、課題点は、少子化にともなう将来的な定員割れの懸念と人材確保であると明らかにしています。園長と主任は、課題の改善に向けて検討を行い、理事長に報告しています。園長は、職員会議などで課題や改善策について職員へ周知していますが理解が十分ではありません。職員の安定した雇用を維持するため養成校へ求人を出したり、人材紹介会社、求人広告などの媒体を活用して、人員確保に努めています。また、保護者支援、地域支援のあり方について職員間で意見交換を行いながら、改善に向けて取組を進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

理念や方針の実現に向けて、「一人ひとりの子どもの最善の利益を考慮し、家庭や地域社会との連携のもと心身ともに健全な子どもを育てる」と、法人及び園のビジョンを明確にしています。ビジョンに向けた取組を計画的に推し進めるため、年度末に見直しを行い、法人から中・長期計画について各園に周知されています。園としても状況に合わせて、収支計画を策定しています。園の課題としている人材確保や人材育成、地域支援、保護者支援などの項目や実施状況の評価が行えるような具体的な内容の計画策定へ向けた取組を課題としています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業内容を具体的に記載した事業計画と計画に沿った単年度の収支計画を策定しています。利用者受け入れ数や主な行事などの項目を設定し、実行可能な取組内容を記載しています。今後はさらに、園としての中・長期的な視点での課題の改善に向けた取組内容、具体的な成果目標を反映させ、該当年度に実施すべき取組内容を組み入れた単年度の事業計画を策定することが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画は、園長と主任が中心となって職員会議などで話し合われた内容を踏まえて策定しています。年間の行事などの活動内容については、毎月の職員会議や年度末の職員会議で行う年間の振り返りを行った内容を次年度の計画策定に生かすよう努めています。今後はさらに、、職員全体で園運営を行えるよう、中・長期計画と単年度の計画について職員間での共有化を図りながら、職員が策定過程への関わりを深めていくことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保育内容や職員体制、健康管理など、事業計画の主な内容を重要事項説明書に掲載し、年間の行事予定表とともに、年度末に保護者に配付しています。入園説明会や保護者懇談会で、これらの資料に沿って園長が保護者に説明を行っています。行事計画については、保護者が参加する行事や保護者懇談会などについて開催方法や内容を説明し、質問もその場で受け付けて丁寧に対応しています。外国籍の保護者が園の活動に理解を深められるよう、英語を話せる保育士が対応したり、AI通訳機を活用するなどの配慮をしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育実践や行事の実施については、クラス内や担当する職員間での話し合いに基づいて評価を行っています。話し合われた内容は、職員会議で報告し合い、園長はじめ全職員で共有し、次の指導計画や行事計画の作成につなげています。法人では園内における保育などについて職員の役割を各委員で構成しており、年1回法人全体で発表し合い、成果、課題を共有しています。さらに、組織的に評価を行う体制を整備して、PDCAサイクルに基づく保育の質の向上に関する取組を実践していますが、職員の理解に課題があります。園の自己評価は年度末に実施し、第三者評価は、横浜市の定める期間に定期的に受審しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

園の自己評価票に評価結果を分析して抽出した課題点を明記しています。課題点は、職員会議で共有し、改善策について意見交換を行っています。職員会議で出された意見を踏まえて、園長、主任を中心に改善策を具体化し実施につなげています。改善策を計画的に実行するため、必要に応じて実施状況を確認しながら取り組んでいますが、実施にあたり不十分な面があることを課題としています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、職員一人ひとりが主体的に園運営に関われるよう、自らの役割と責任を果たしながら、取組を進めていくことを方針としています。園長は職員へ「子どもと遊びこみ、保育を楽しむ環境を設定する」ことをモットーに保育にあたり、子どもたちの最善の利益を第一義に職員間で連携を図るよう伝えています。運営規程に園長、主任、各職種の役割と責任を明記し、平常時及び有事の際の園長不在時には主任が代行することを全職員に周知しています。今後は個々の職員とのコミュニケーションを密に図り、不明点を導き出し、より丁寧な説明を行うことで理解を深め、職員間での共有化を図ることを課題としています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は鶴見区の園長会でコンプライアンスに関する情報を得て、遵守すべき法令等を十分理解し、業務を遂行しています。また、社会保険労務士や税理士からのアドバイスを取り入れて適正な経営に努めています。入職時には、就業規則を基にハラスメント防止や守秘義務などの法令を遵守すること等、職員としての社会的責任を伝えています。職員会議や昼礼では、ニュースになった案件をタイムリーに取り上げて注意喚起を行い、SDG’Sを意識した環境への配慮等を含む遵守すべき法令等を正しく理解できるよう職員への指導をしています。今後、園長が必要な研修を受講し、運営に生かしていくことを課題としています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、指導計画や保育日誌などの記録を確認したり、各クラスの様子を見て回り、保育の質の現状把握に努めています。主任や職員とともに保育の質に関する課題を共有し改善に向けて検討しています。職員会議では、保育の質の向上についてテーマを決めて意見交換を行うなど、職員の意見を反映できるようにしています。園長は、主任や看護師と連携を図り、看護師による嘔吐処理に関する研修を継続させたり、AEDを用いた研修を行うなどして園内研修の充実を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、経営の改善や業務の実効性に向けて、園での人員体制や業務体系、財務状況などの現状分析を行っています。職員個々の希望を踏まえて主任との話し合いを行い、働きやすい人員配置、業務改善の実施につなげています。日々の体制表を作成して職員の動きを見える化し、互いに協力し合って事務業務を行う時間を確保するようにしています。さらに個々の職員の急な休みなどにも対応し、配慮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園運営に必要な人員体制や人材確保、人材育成に関する基本的な考え方、方針については、園からの報告を受けて法人で話し合われています。園運営の基本的な考え方や方針に基づいて、どのように人材確保や育成を実施するのかを具体的に計画していますが、取組について十分でないことを課題としています。採用活動については、ハローワークや求人サイトを利用したり、園のホームページや養成校との連携作りなど効果的な取組を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

就業規則と給与規程で人事基準を明確に定め、職員に周知しています。年2回人事考課を実施し、職員の専門性や業務遂行能力、職務に対する成果や貢献度を評価しています。職員処遇の水準については、地域性や職員の意見などを踏まえて、法人で分析を行い、改善が必要かどうか検討しています。園の保育理念に基づいた「期待する職員像」やキャリアパスの仕組みを明確に示し、職員が自ら将来の姿を描きリーダーなどを目指せるようにしています。職員の理解に課題がありますが、人事管理について総合的な仕組みづくりを生かしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長の責任のもと、主任、事務職員が労務管理実務を行い、職員個々の有給休暇取得状況や時間外労働などを把握しています。年2回、園長による個人面談を実施しているほか、職員の様子を見ながら、声をかけたり、相談に応じるなどしています。職員の理解に課題が残りますが、産休、育児休暇のほか、短時間勤務を導入し子育てしながら仕事を継続できる環境を整えています。家賃補助や永年勤続表彰制度のほか、希望に沿って休暇がとれるよう配慮したり、急な休みの取得に対応するなど職員のライフワークバランスを保てるよう働きやすい職場づくりに努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度末に実施する職員個々の自己評価結果を踏まえて、年度始めに各自が目標を設定しています。園長との個人面談で、目標内容や目標水準が適切に設定されているかを確認し、園長が必要に応じてアドバイスを行っています。年度の中間時期には、園長との個人面談で設定した目標について進捗状況を確認し、2回目に行う個人面談で目標達成度の確認を行って、個々の自己評価につなげています。目標設定の指標となる「期待する職員像」の内容が職員の具体的な目標水準となることを課題としています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

研修計画は、保育の経験を踏まえて、外部研修など年齢別保育研修、障がい児保育、食物アレルギー研修、乳幼児救急法研修など、職員に必要とされる研修を検討しています。研修計画は、保育士の経験値などや研修報告書などを参考にして年度末に研修内容の見直しを行い、次年度の計画作成につなげています。今後はさらに、「期待する職員像」を明確に示し、そのために必要な研修項目を再整備しての研修計画策定が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園長は、職員個々の技術水準や専門資格の取得状況などを把握しています。一人ひとりの経験年数や技術等に応じて研修を受講できるよう、本人の希望も踏まえて外部研修の参加調整を行っています。新入職員へは、クラスのリーダー層が指導担当となり、個別的なOJT研修を実施しています。外部研修は、キャリアアップ研修や看護師が参加する研修などを組み入れています。外部研修の情報は随時職員に提供し、非常勤職員の外部研修への参加も推奨しており、受講できるよう配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生受け入れマニュアルがあり、受け入れに関する園としての基本姿勢を明記しています。マニュアルには、実習生の受け入れ手順や対応方法、実習生に学んでほしい内容などを記載して職員間で共有しています。実習は、学校側の実習プログラムに沿って実施しています。指導を担当する職員には園長と主任がアドバイスを行い、効果的な実習が行えるようにしています。実習中は学校側と進捗状況を確認しながら、担当職員と実習生が振り返りを行っています。今後も実習生の受け入れを継続して実施できるよう、さらなる取組が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページに、保育理念や保育内容を掲載し、法人ホームページでは、苦情対応体制、苦情件数、改善状況、現況報告書、財務諸表(予算、決算)を公表しています。一時保育や施設開放、育児講座、育児相談など地域に向けた取組については園前にポスターを掲示するなどして、園の存在意義や役割を社会や地域に向けて明示しています。第三者評価の受審結果は、かながわ福祉サービス第三者評価推進機構のホームページやワムネットで公表しています。今後はさらに、事業計画や事業報告も公表することを課題としています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

経理規程に事務や経理業務、取引、契約等に関する取り決めを明記し、職務分掌と園長の権限や責任を明確にして職員に周知しています。毎月の事業内容や会計データを法人に報告し、担当者や理事長の確認を得て、法人の監事による定期的な内部監査を実施し、理事会へ報告して承認を得ています。外部の税理士による月次監査があり、会計処理事務の方法などについてアドバイスを受けています。職員への理解に課題がありますが、適正な業務を遂行できるよう努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域の病児保育施設や子育て支援団体などのパンフレットを玄関に置き、地域の行事やイベントなどのポスターを掲示するなど、活用できる社会資源や地域の情報を保護者に提供しています。保護者のニーズに応じて、地域療育センターなどの関係機関を紹介するなどしています。近隣の公園へ遊びにきている親子などへ育児支援のパンフレットを配布し参加につなげる取組をしています。地元のプロ野球チームのイベントへ参加して交流し、子どもたちが地域との交流を広げられるよう取り組んでいます。地域との関わり方についての基本的な考え方を地域支援マニュアルへ明記しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れのマニュアルに、受け入れに関する基本姿勢を明記しています。近隣の小中学生の職業体験の受け入れが難しい状況で、その実現に向け、学校関係者と連携を図りながら取組を進めることが今後の課題となっています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の関係機関や医療機関などのリストを事務室に常備しています。各機関との対応は主に園長や主任が行っており、園との連携状況を代表会議や職員会議で職員間に周知しています。鶴見区の子育て連絡会議に園長が出席し、他園の園長や関係機関の担当者と共に地域の状況を共有しています。また、地域における家庭での虐待等権利侵害の状況についての情報を収集しています。近隣の家庭的保育事業施設と連携し、保育内容の支援を行ったり、卒園後の園児の受け入れを行っています。職員への周知に課題がありますが、子どもの育ちを継続的に支援する協力関係を構築しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

鶴見区園長会、子育て連絡会議などで地域の情報を収集し、高齢化や少子化など、具体的な福祉ニーズや生活課題を把握しています。園の第三者委員より町内の様子などを聞きながら、保育所として地域に還元できることを園長、主任で検討しています。園見学や施設開放、育児講座、育児相談に訪れる地域の保護者から、子育てに関する悩み事や保育所に対する要望などを聞き、地域の子どもを取り巻く環境を把握するよう努めています。園として、運営委員会の開催など園の利用者や第三者委員を交えた定期的な会議を開催し、更なる福祉のニーズの把握に努めることが課題としています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

把握した福祉ニーズに基づいて、園として地域に貢献できるよう、施設開放、イベントへの参加、育児講座、育児相談、離乳食相談などを実施しています。育児講座では、栄養士による離乳食及び栄養相談や看護師による発達相談などを組み入れて、園が培ってきた専門的なノウハウを地域に還元できるようにしています。災害時に子どもの安全確保を前提として、地域住民に対する備蓄品の提供を行うなどの取組については、今後の検討課題となっています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は法人研修を受けたり、不適切な保育につての理解を深めるチェックリストの活用や研修を定期的に行い自身の保育を見直せるよう日頃から意識することを大切にしています。また、外国籍の子どもが定員人数の20%を超えて在籍しており、子ども達にとっても多国籍は日常生活のなかで自然な形となっていて、職員も分け隔てなく対応しています。カリキュラム会議を行う事で子ども達一人ひとりの個別の配慮について保育へ生かせるようになっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護について、社会福祉事業に関わるものとしての姿勢、責務を明記した子どもの人権擁護マニュアル等が整備され、職員への研修によりその理解が図られています。「人権」「個人情報」等のマニュアルに基づいて子どものプライバシーに配慮した保育(着替えや、身体測定などの際はパーティションを利用)がされており、看護師は人体パネルを使ってプライベートゾーンの大切さを子ども達へ知らせています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育園の情報は鶴見区主催の未就学児のイベントの際に配布できるようにしており、ホームページや掲示板にも多くの情報を提供しています。お散歩先の公園でも保育園のパンフレットを配布したり、見学の希望に随時対応するようにしており、保育所の利用希望者については、個別に丁寧な説明をするなど、利用希望者に対する情報提供について、適宜見直しを行いながら取り組んでいます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始及び保育内容の変更時にあたっては、園長、主任が説明して保護者の意向に配慮し同意を得るようにしています。年度内に変更があった場合には園だよりや保護者へ手紙、メールで伝え「重要事項説明書」を改正して再配布し、保護者の同意書を改めてもらっています。保護者への分かりやすい説明などで課題がありますが、園だよりなどは外国籍の保護者も多いため、ルビ付きのものを渡すなど、工夫しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更や自園の保育終了にあたっては、園長が窓口となり保護者からの要望のもと、引き継ぎに必要な事項に関して口頭でのやり取りをすることはありますが、書面でのやり取りをしたことはありません。必要であれば、用意し対応することは可能となっています。現在、他園からの転園児に関しては区役所を通して必要な情報を得ています。保育の利用終了に関する引き継ぎなどを文書化していくことを課題としています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で子ども達や保護者のニーズを知るために、子ども一人ひとりの児童票を作成し、子どもの状況を把握するように努めています。懇談会や個人面談、保育参観、行事参加を定期的に行い、アンケートを実施し、それをもとに職員間で話し合っています。園の方針として職員間でぶれない対応の必要性を感じており、主任、担任が具体的な改善を行っています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決体制の仕組みがあります。法人にも苦情相談窓口を設け、園と連携をして苦情解決に取り組んでいますが、なかなか苦情として意見が寄せられることは少なく、日頃のコミュニケーションの中であったり、アンケートからのご意見が多い状況です。内容に関しては職員と話し合い、改善できるところは迅速に対応し記録に残し、保護者にも周知しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者の相談やご意見等の窓口に関しては、重要事項説明書に明記しており、保護者に説明しています。送迎時に職員から声をかけることで、相談につながることが多い状況です。相談の対応には、相談室(特別室)を使用し、意見を述べやすいスペースの確保等の環境に配慮しています。相談や意見の言いやすさについて理解を示している保護者は利用者調査結果において6割程度にとどまっています。さらなる取組が期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者が相談しやすい環境として、送迎時のコミュニケーションや、日々の保護者とのやりとりを重視しています。相談箱も事務所前の廊下に設置しています。相談や意見を受けた際には記録方法や報告の手順など、対応策等について定めた面談マニュアル等を整備しています。迅速な対応などについて保護者からの評価は高くなく、周知に課題があります。担任だけで判断のつかない内容については、迅速に主任、園長に報告し、園として全職員と共有して話し合い、方針を導けるようにしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する責任者を明確にしています。毎日の昼礼で、子どもの様子やヒヤリハットについても報告し、情報共有しています。設備点検は月に1回以上行い、園庭の遊具点検や公園での遊びに関しても都度行い、危険がないよう確認をしてから遊んでいます。食事中の誤飲や誤嚥に関しては、職員と事故事例を基に話し合いを行い、自園ではどうか確認したり、シミュレーションにより意識を高め、事故予防に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策に関して責任と役割を明確にした管理体制を整備しています。特に、今年度はコロナウイルス感染症が5類になり、ガイドラインも変更されたことを職員や保護者に周知しています。また、インフルエンザに係る意見書の取り扱いが変更されたタイミングで園内で流行したため、職員間で共有し保護者にも一斉周知を行っています。定期的な消毒や手洗いの重要性を認識し、感染蔓延を防ぐ取組を続けています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応方法を各クラスに設置し、職員で周知をしています。立地条件から災害の影響を把握し、建物、設備、保育を継続するための必要な対策を講じています。訓練においても津波や火災を想定した訓練を行い、大規模震災を想定した引き渡し訓練も保護者の協力のもとに行っています。非常食、備蓄品に関するリストを作成し、常に備蓄量を保てるようにしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

「事故対応」「健康管理」「衛生管理」のマニュアル等が整備され、全職員が統一した対応ができるよう基準を文書化しています。マニュアルは職員がいつでも確認できるようファイルし、廊下の棚に置いています。「オムツ交換」や「ミルク介助」等プライバシーに配慮した取組に関しても明文化し、必要なクラスに掲示しています。「保育所保育指針」に沿った保育運営に努め、個人を尊重した保育を実践しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法を記載した種々マニュアルの検証と見直しにあたっては、職員による気づきや意見により、保育の実施方法や手順の確認を適宣行って、年度末の見直しにつなげています。さらに、最新の情報へ更新していくため、行政からの通達による情報をもとに更新しています。また、職員の共通理解を深めるため、年度始めや都度マニュアルの再確認を行っていますが、共通認識に課題があります。マニュアルの検証と見直しにあたっては、指導計画の内容を必要に応じて反映させているほか、行事後や年度末のアンケートなどから得た保護者の意見・提案を反映できるようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画作成の責任者は園長です。作成は、主任の指導のもとに各年齢の担任が作成し、主任、園長が確認を行っています。入園前に子どもの健康状況、家庭状況、保護者の勤務状況など児童調査票等を提出してもらい、入園前面談で情報を得て、課題を抽出し、園として必要な保育内容を決めています。入園情報は個別の指導計画に反映しています。入園後から障害のある乳幼児や医療的対応が必要なケースの場合は、個別の指導計画を作成して職員間で共有し、地域療育センターや関係機関と連携を取りながら見通しをもった支援を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画は期ごと、月間指導計画は毎月の職員会議で振り返りや自己評価を行い、職員間で共有して保育を行っています。各年齢の担任間でも話し合いを持ち、担任間で子どもの姿を捉える視点に差異がないか、振り返りや自己評価を行っています。評価結果や課題等を各年齢の担任だけでなく、時短勤務保育士等からも意見などを聞き、次月や翌日のねらいへ反映しながら次の指導計画を作成しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの日々の様子や生活状況、発達状況は全児童の個人別の観察記録があります。観察期間は各年齢ごとに決められ、食事、生活習慣、全身運動、手指の動き、人間関係、保護者支援の項目については、発達状況を記録し保管しています。記録の記載方法は差異が生じないよう全職員で統一しています。情報は、クラスから主任、園長へと報告するよう一元化されています。入園時に保護者から提出された児童調査票等をもとに、家庭での生育歴や生活面、食事面等、配慮事項を聞き取っています。配慮事項は全職員で共有した後、無理のない保育生活が始められるようにしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

「個人情報保護ガイドライン」で、個人情報取り扱い時の法令遵守や個人情報の安全管理措置を講じることなどを明記して、職員に周知しています。「運営規程」でも、保育の提供に関する計画書や記録類の保存期間について明記しています。個人情報を含む記録類は、鍵付きのキャビネットで保管しています。保護者へは、「個人情報の取扱い」を掲載した入園のしおりに沿って入園説明会で説明を行っています。個人情報規定により情報の漏えい対策や利用目的などを明記し適切に管理しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は児童憲章・保育所保育指針に基づき作成をしています。職員は、年1回法人合同研修に参加し、理念や保育目標を確認しています。子ども一人ひとりの発達の違いを把握しながら、個々にあった声掛けや保育を大切にし、さらに、保護者の意向や要望を職員間で共有して主任と園長そして職員に確認しながら作成しています。保育園見学は随時行い、1回1組ずつ丁寧に行っています。ブログなどを通して「保育の見える化」に力を入れ、さらに地域の実情等を考慮して次年度に繋げる計画としています。全体的な計画は各クラスと玄関に掲示し、保護者にも配布しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

各部屋に温度、湿度計と空気清浄機、加湿器を設置し、適宜温湿度管理を行っています。各保育室の窓を開けるなど常に換気も行っています。また、環境整備では、定期的点検を行い、修繕が必要な時には園長へ報告するようにしています。公立園の時にあったプールが改修されておらず、現存していますが、子ども達が入れないよう柵を設け、危険防止対策を施しています。各クラスの事故防止チェックは毎週行い、玩具、用具に関しては、次亜塩素酸消毒を徹底しており、安全に使用できるようにしています。採光に関しても、3歳児、4歳児は吹き抜けとなっており、各保育室も園庭に面した大きな窓があります。クラスによって、食事の場所と、午睡の場所を分けることができない保育室もありますが、待機できる場所を設定したり、コーナーをつくることで、個々がじっくり遊べる空間作りを意識し工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

カリキュラム会議で、一人ひとりの子どもの姿の共有や、クラスの悩み、保護者の特徴などを把握しながら、対応や支援に取り組んでいます。また、「より良い保育のためのチェックリスト」を職員全員が行い、定期的に自分の保育を振り返る機会を設けて子どものつぶやき・共感を見逃さない丁寧な保育ができるよう努めています。ただ、なかにはせかすような言葉や制止させる言葉等が無意識に出てしまう職員もいるので、その都度声掛けをし、意識できるようにしたり、職員研修を行い、伝え方について学び、保育の現場に生かせるようにしています。保育中の言葉掛けについて課題への取組が期待されます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

年齢に応じた対応をするなかで、一人ひとりの成長段階、ペースの違いを理解し、身につけることに重きを置きすぎず、個々の発達の中で置き去りにならないよう配慮をしています。全体発信が入りにくい子どもには、個々の子どもの傍で声掛けを行うなどして、より丁寧な個人対応を心がけています。毎朝必ず保護者から健康状態の確認を行うと共に、こまめな水分補給を行い、動的な活動と静的な活動のバランスを考え、子どもの表情を見ながら体調の変化にも気づけるよう取り組んでいます。食育委員会を中心にトマトの栽培をしたり、日々の生活の中で、意欲をもって楽しく生活できるよう、絵カードや紙芝居などを使いながら楽しんで過ごせるように工夫しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもの興味・関心・意欲を把握し、子ども達が自由に玩具を選べるように、廊下に玩具の棚が設置されています。玩具は種別ごとに分けられて子ども達が主体的に遊べるようになっており、片付けもしやすいように、写真を貼り、子どもにも分かりやすく示しています。遊び途中のブロックや作品等はクラスに展示し、継続して取り組めるようにしています。園庭では、三輪車やキックボード等を自由に走らせて遊んだり、ジャングルジムや鉄棒など、遊具にも恵まれ、子ども達が自発的に挑戦できる環境があります。地域とのつながりは「地域密着委員会」が「ベビーヨガ」や「園庭開放」に力をいれ、子ども達が地域の公園へ遊びに行った際にパンフレットを配布するなどして、保育園を知ってもらえるよう工夫しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育士は子どもたちがゆったり過ごせるように、慌てず、安定した気持ちで接することに努め、不快に感じたり不安そうにしている時には、優しく抱っこをして安心できるまでスキンシップを図り、表情や声のトーンを感じ取りながら愛着関係を大切にして安心して過ごせるようにしています。園内研修を通して、子どもの発達を知り、職員間で学び、手作りおもちゃを作成するなどしての遊びを提供しています。戸外では、「お花がきれいだね」、「いいお天気で気持ちがいいね」など、子どもの気持ちを代弁して、優しく声掛けをしたり、一人ひとりの発達の状態を把握しながら、安心感や信頼関係がもてるようにしています。送迎時には保護者との会話を大切にし、園での様子は複写式の連絡帳に記載して子どもの成長を一緒に喜びあえる機会と捉えています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの思いや要求をうけとめながら、無理強いをせず、やろうとする気持ちを大切にし、遊びたい玩具で遊べるような環境設定、雰囲気作りを大切にしています。コーナー遊びや机上遊びなど、子ども自身が興味をもったものを見逃さないよう定期的に環境の見直しを行っています。園庭では異年齢児との交流も多くあり、一緒に遊ぶ姿もみられます。保育士と玩具で遊んだり、仲立ちをしたりしながら様々な要求を受け止め、安心感をもてるように努めています。家庭とは、連絡帳だけでなく送迎時の会話を通して連携しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

幼児クラスでは年齢に合わせて様々な玩具を用意し、遊べる環境を整えています。環境の構成や玩具の提供については、年齢に応じて子どもの発達をしっかりと捉え、子どもの興味、関心にも応えながら随時変えていく工夫をしています。また、生活習慣も年齢によっては自立しているため、集団遊びの中でのルールやマナーなど少しずつ身につけられるような声掛けをしています。運動会などの行事を通して競い合い、協力する喜びを味わえるように工夫したり、就学に向けて学校の様子などを伝えたりしています。特に5歳児にとっては、就学に関しての保護者の不安などを事前にくみとり、懇談会などで、質問に答えるなど、学校の情報を伝えたり、園から学校へも情報を伝える工夫をしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園舎の中はバリアフリーになっており、保護者や見学者には事前に環境への配慮を説明しています。年1回の専門機関の巡回指導をうけ、個々の育ちに関する情報共有を行っています。また、障害児研修を受講をしたり、専門機関の先生に会う機会の際には、在園する子どもについての相談をし、園全体で子どもを見守れるようにしています。内容を職員会議で共有していますが、職員間での周知に課題があります。配慮する必要のある子どもについても、その子どもの特性を知り、必要に応じて個別で対応するなど、個人経過記録・日誌・障害児指導計画などをたてながら対応しています。保護者にも重要事項説明書で障害のある子どもを受け入れていることを明記し、入所時や新年度の説明会にて口頭で伝えています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児クラスでは子ども一人ひとりの生活の流れを重視し、体調の変化や特徴を把握して家庭的でゆったりと過ごせるようにしています。幼児クラスでは1日のタイムスケジュールを子ども達に伝え、遊びを見つけ夢中で遊び込めるよう玩具などを充実させています。遊びに入れない子どもには保育士が仲立ちをし、子どもが主体的に遊べるように援助しています。長時間保育に関しても月案に明記しており、朝、夕送迎時は時間帯によっては合同保育となるため、延長児の補食・夕食などの配慮をしつつ、他の子ども達への配慮も忘れずに意識しています。保護者への伝達は、引き継ぎ簿と連絡帳ノートを利用し、伝達事項がもれないように気をつけています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

「よこはま☆保育・教育宣言」や「スタートカリキュラム」に沿って年間保育計画に小学校との連携や就学に関する事項が記載されており、それらに基づいて月案・週案を立て、就学を意識しながら保育に取り組んでいます。就学に向けて数量や図形、標識、文字、ことばに興味や関心を持てるようにしたり、基本的なマナーが身についているか見直しながら一人ひとりにあった指導計画を立てています。就学に期待が持てるように年長児が学校へ行ったり、学校体験(ランドセル体験)をしたりしています。就学先小学校に、就学する子どもについての情報を提供する「保育所児童保育要録」を作成して送っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

月1回の身体測定結果を保護者に周知しています。毎日の健康状態については、看護師がクラスを回って確認したり、保育中のけがや、子どもの体調などは毎日の昼礼で全職員に共有しています。予防接種は、接種後保護者からの申告をもとに個人経過記録に記載しています。年2回の内科健診と歯科健診は健康台帳に記載し、保護者にも伝えています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関しては、全職員が重要性を把握し、0歳児は5分、1歳児は10分、2歳児は15分、3、4歳児は15分のチェックを行っています。保護者にも定期的に書面や口頭で伝え、仰向け寝の協力を依頼しています。子どもたち自身が暑さにより園庭で遊べるか確認できるように、事務所から園庭へ向けて暑さ指数が一目で分かるように青・水色・黄色・オレンジ・赤と色を掲示しています。子ども達の健康管理関しては、個々の健康台帳があり、年間計画で一人ひとりの健康状態について把握していますが、保健計画は現在作成中として年度開始前に作成することを課題としています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

内科健診や歯科健診は看護師主導のもと行っています。虫歯など特記事項がある子どもに関しては、看護師より情報が提供され、職員間で共有するとともに、健康台帳に記載しています。健診結果については、用紙で保護者にも伝えています。健診の際、身体測定時の成長曲線を嘱託医にみせ、助言を得た際には、必ず保護者にも伝えています。毎月の保健だよりでは、健康に過ごせるように具体的に発信し、成長、発達に意識を深めてもらえるように工夫して作成し、健康の記録では、医師からの発信された内容を明確に記載しています。保育園での流行している病気に関してもメール配信を行い、保護者に情報を共有しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

横浜市の「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」のガイドラインに沿い、医師の診断のもと、子どもの状況に応じて保護者と相談しながら適切に進めています。入園時にアレルギーや宗教食など、問診票に記載してもらい、職員会議で共有し、適切な対応に努めています。アレルギー対応についての見直しを含め保護者との共通理解を図っています。アレルギー児への提供に関しては、給食室でのチェック、アレルギー児と他児との動線を分け、個別のテーブルを用意し、食事前、提供前に確認しています。園全体での周知はもちろんのこと、各クラスと厨房前にも表にして明記しており、クラス内においても、アレルギーについて説明をし、その必要性を子ども達に伝えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

給食は、離乳食から、アレルギー食まで、個別に対応しています。乳児期は、いろいろな食べ物を見て、触り、味わいながら食材の興味がもてるように食育計画に基づいて行っています。無理に完食させたりすることはなく、子どもが好きなものから自由に食べ、無理強いをさせず、楽しい雰囲気で食べられるよう心掛けています。幼児クラスでは、食育活動を通して、子ども達が「食」に関して興味がもてるよう食文化や郷土料理、「食」の大切さ、楽しさ、安全等を年齢に応じて行っています。職員も食育指導の一環として子ども達と給食を食べることで、食事を楽しめる雰囲気を意識しながら、マナ-についてなど声掛けをしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

子どもの一人ひとりの発達に合わせ、家庭と連携をとりながら離乳食や、個別に主食や大きさを調整するなどしています。口腔内のケガや体調不良時などは、個別に配慮を行い、喫食量の少ない子どもに関しては、厨房職員も保育室に入って確認しています。給食は委託業者ですが、サイクルメニューを取り入れ、1回目の献立が終わったところで、献立作成の栄養士と、園調理担当栄養士とで給食会議を行い、2回目の提供に向けて、改善点や翌月の献立、食育活動について話し合い、園職員とも連携がとれる体制になっています。厨房室内は、衛生管理マニュアルに基づいて清掃し、清掃点検票を用いて行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児クラスは、連絡帳以外に送迎時にも必ず家庭とのやり取りが途切れないようにして連携を図っています。保育参加を行い、普段の子ども達の様子を見てもらったり、園だよりやクラスだよりなどででも情報発信しています。懇談会では、保育方針、保育目標などを説明し、必要に応じて個人面談を行い、家庭と保育園が連携して子どもの成長を支えていけるようコミュニケーションを図っています。保護者との面談は全て記録をとり、職員会議で職員に共有しています。運営委員会はありませんが、行事ごとにアンケートを実施し、保護者の意見・意向を知るように努めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

登降園の際には、職員から積極的にコミュニケーションを図れるように声掛けに努めています。子どもの様子を伝えるだけでなく、保護者からの話を聞くことを大切にしています。登降園時に話しきれない時は、連絡ノートの活用や日を改めて話す機会を設けるなどして、保護者の不安、心配の軽減に努めています。家庭事情により、急な延長保育や要望等に柔軟な対応ができるようにしていますが、保護者の理解に課題があります。通常の個人面談以外でも保護者の要望により、面談ができるように配慮しています。連絡ノートにて保護者の心配事などを把握し、対応について月案会議等で全職員で検討、共有し保育に生かしています。行事後に保護者アンケートを実施し、改善等を次の行事につなげるよう努めています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康状態を把握するために、登園時の様子や着替え時に外傷などの確認、子どもとの会話から見える変化などがないか、虐待等の兆候を見逃さないようにしています。不審な点があれば、園長、主任へ報告し、必要に応じて外傷部分についての記録を取るなどして、関係機関への相談や情報共有を行い、適切な対応を行っています。虐待等権利侵害を発見した場合は関係機関へ通報する体制をとっています。登降園時間の予定をあらかじめ園に提出していることもあり、登園時間までに連絡がない場合は、連絡が取れるまで、園から電話をするなど安否確認に努め、子どもの所在を確認しています。虐待防止マニュアルを作成しており、虐待の定義、予防、発見時の対応が記載されています。職員への研修が不十分なため、課題と考えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員は、マニュアルをもとに保育を行っています。日々の活動や週案、月案、年間指導計画などの保育計画など、クラスでの話し合いを通じて、自ら保育の評価を行い、保育の質の向上に努めています。年2回園長と面談する機会の中でも自分の保育を振り返り、課題を明らかにし、改善につなげています。園では年度末に、令和 2 年に改訂された「保育所における自己評価ガイドライン」を活用し、職員一人ひとり自己評価を行い、次年度に向けての課題を明確にしています。職員のそれぞれの自己評価で明らかになった課題を職員会議にて話し合いを行い改善に向けた取組を行っています。課題の達成に向けた取組を次年度の事業計画へ反映するなどして課題状況等を評価していく仕組み作りを課題としています。保護者アンケートの結果を園としての課題と捉え、保育所全体の自己評価としています。保育の振り返りを行い保育の質の向上に努めていますが、それにもとづく全体でのさらなる学び合いが課題となっています。